御遊び予告〜♪その2

 それは現在ともう一つの現在を繋ぐ一つの門から始まった。

「くそっ! 仕方ねぇ! やるぞ! アル!」
「で、でも兄さん!」
「このままじゃ、間違いなく門が開放されて、中の連中が溢れ出す! 今止められるのは俺だけだ!」

 一人は金髪を一本の三つ編にした小柄な少年。黒いファスナータイプのセットの上下の服に黒いブーツ。その上から紅いパーカー型のコートを重ね着して、手には白い手袋をはめている。
 そして返事を返したのは巨大な鎧だった。二メートル五十はありそうながっしりとした鎧の瞳部分に目ではない意思の輝きを秘めている。
 鎧の人物は床の上に円と三角形を重ねた紋様を描き、三つ編の少年は大きく手を打ち鳴らす。

「いくぞ、アル!」
「うん。いいよ!」

 二人はまるで鏡に映したようなタイミングで頷き合うと、同時に床に手を落とした。




同時刻。
ある海沿いにある街で、闇に属する闘いが行われていた。
闇である存在は、世界の何処かにあるという魔術師学院の主席卒業生だった。尤も、己の研究にしか興味のない魔術師達にとって、主席というのは全く持って興味の湧かないステータスであり、茶色のシャツの裾を出して黒いジーンズという碧眼の青年は、高笑いを上げて掌に生み出した炎を敵である少年にぶつけた。
少年は魔術師学院から派遣された始末部隊一人だった。ある魔術師が実験の過程で生み出された試験管ベビーだが、特に体に違和感なく動き、十六の年まで成長していた。だが実験の目的である能力は有さず、何時しか覚えてしまった魔術の知識と能力で学院の闇の部門へと身を宿す事になった。
魔術師に似合わない深緑のジャケットに薄い茶色のスラックスという学生服の出で立ちをした少年は、同じタイミングで得意とする風の魔術を塊として放つ。
だがこのタイミングはある種アカシックレコードを含んだ世界の根源が導き出したとしか思えない、奇跡の時だった。

門は二つの力に引かれるように重々しく、神々しく、それでいて禍禍しく口を開いた。





次に三つ編の少年が気が付いた時、そこは見覚えのない星が瞬く森の中だった。静かに蟲の鳴き声しか聞えない深い深い森。事態を把握しようと周囲を見回した時、がさりと藪が動き、警戒しながら態勢を立て直す。と、すぐに飛び出してきたものに、彼はぽかんとしてしまった。小麦色した毛並みに、首には小さな鈴をつけた狐が顔を覗かせたのだ。
「くぅん?」
 狐は不思議そうに首を傾げると、きらきらした空を映した瞳で、少年を見詰めていた。

 次に鎧の人物が目を覚ました時、そこには一件の巨大な洋館が建っていた。振り返ると何処までも続く背の高い塀が延々と続いている。彼が住む国の頭首・キングブラッドレイでさえここまで大きなな家など持っていない。
 その時、草を踏みしめる音がした。慌てて鎧の人物が音の方向へ顔を巡らせると、赤毛のセミロングに整った顔立ちの、使用人なのだろうメイド服を来た兄と同じ位の年齢の少女が立ち竦んでいた。
「……何方様ですか?」

 次に闇の存在がはっと意識を取り戻した時、そこは巨大な実験室の真中だった。どんな世界でも見た事のない大きくしたフラスコや試験管が壁際にびっちりと備えつけられ、一つ一つに制御用のパネルが設置されている。
 しかし……と思う。
 必ずどの機材にも見た事のない紋様が描かれているのには、疑問が残る。一つとして同じものはないのだ。
「誰? 私の実験室にいるのは?」
 そんな観察していた存在に、若い女性の声がかけられて振り返ると、絹のような黒髪にワインレッドのパーティドレスという服装の妖艶な女性が、腰に手を当てて存在を見ていた。

 次の瞬間に彼の視覚が認知したのは、古ぼけた天井だった。視線を体に降ろすと白いシーツがかかっている事から、一瞬病院かと思ったが、清潔な空気は独特の薬品の匂いは一切せず、あるのは機械油の匂いだけだ。
 不思議そうに体を起こした彼は、窓の外に見える広大な景色に更に疑問を募らせる。
 その時、今まで注意を払っていなかったが、ベットの足元から少し離れた場所に備えつけられていたドアがノックされ、返事を返す暇もなく開けられる。
「起きた〜? あ、起きてるね」
 顔を覗かせた金髪の長い髪を梳いて作られたキューティクルが綺麗な、活発そうな少女だった。


 こうして二つの世界は繋がり、一つの悲しみと一つの奇跡を生み出していく。




 鋼の錬金術師―マテリアルとアブソリュートの魔物


「俺は……ここにいちゃいけないんだ」




夕凪「また変なの書いてるし」
変なの言うな! こうでもしないと、モチベーションが下がるのだ。
夕凪「ずっと同じもの書いてるわけにはって? とらいあんぐるステージ書けばいいじゃない」
今はちょっと考え中。色々と人物の繋がりが難しくて。
夕凪「もしくは、長くなりすぎて人気のないとら剣の人物設定でも書くとか」
あ、それは考えつかなかった。
夕凪「あのねぇ」
まぁ、考えます。はい。
夕凪「それで、これは鋼の錬金術師?」
と、とらハと月姫。
夕凪「二つの世界だけじゃないじゃない!」
よくある、とらハと月姫は同じ世界です。
夕凪「まぁいいけど……。それと敵とかはオリジナル?」
とらハ系はオリジナル。でも、鋼は原作よりアニメ中心かな? 今のところはアニメのが好きだから。
夕凪「安否両論なところをついてきたわね。まぁいいけど」
とにかく! これは掲示板の反応次第で書くか決めます。
夕凪「じゃ、だめね」
何で!?
夕凪「え? あなた人気ないじゃない」
クホホ〜




中々面白そうなお話だね。
美姫 「是非とも続きを! という方は、掲示板まで〜」
同じ物を書いていると、たまに違うものを書きたくなるよね。うんうん。
美姫 「アンタは、複数の長編を交互に書けば良いじゃない」
いや、まあ、そうなんだけれど。
何と言うか、シリアスを書いていると、ふいにほのぼの〜としたのを書きたくなったり。
美姫 「はいはい。とりあえず、アンタは自分の分をさっさと書こうね♪」
はい……。



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