『魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs』




日常編その4の2 『真夏の旅行in海 弐』

「ふわぁ〜……」

目の前の別荘を見てため息をつくはやて。
この別荘は月村邸より一回り小さいものの、豪邸と呼ぶに差し支えの無い規模を誇っている。

「忍さんホンマにお嬢様なんや〜」

「まぁね〜」

はやての羨望の瞳にちょっと照れたように返す忍。

「部屋割りはどうなってるんですか?」

「ん〜、せっかく大勢で来たのに部屋別々だと寂しいからね、大部屋を用意してるよ〜。
 みんなでいっぱいおしゃべりしようね〜」

『は〜い!』

皆で元気よく返事する中浮かない顔が約一名。

「なぁ忍……」

「ん?どしたの恭也?」

「大部屋って事は、寝る時や荷物もみんな同じ部屋って事か?」

「そうよ、寝る前のパジャマトークは大勢での旅行の必須行事だしね」

忍は不安そうに聞いてくる恭也に対してしれっと答える。

「俺の部屋は?」

「みんなと一緒に決まってるじゃない」

「一応俺も男なんだが……」

「そりゃぁねぇ、美形ではあるけど女の子には見えないわね」

「いや、そうじゃなくてだな……」

「も〜、細かい事は気にしなさんなってば。
 うら若き乙女に囲まれてハーレム状態よ?喜んどこうよ青少年」

「はぁ……もういい」

ニコニコというかニヤニヤしながら言う忍を見て恭也は説得を諦めたようだ。

一行はノエルの案内で部屋に通される。

「うわぁ〜ひっろ〜い!」

「何畳あるんだろ?」

「ひのふの……40畳近くありますね〜」

広大な一室にテンションの上がる一行。

「わぁっ!ここから海が見えるよ!」

窓を開けてはしゃぐアリサ、

「ほんとだ〜!」

「キレイな海〜」

それにつられてちびっこ組が覗き込む。

「本当、キレイ……」

「どのへんまで忍さんのなんやろ?」

「確か、この正面の浜辺は全部じゃなかったかな?」

「ふわぁ〜すご〜い」

瞳をキラキラさせてはしゃぐちびっこ達。
魔法少女とは言えこんなところは歳相応である。

「さぁ、景色を楽しむのは後にして、荷物置いたら早速泳ぎにいこ〜!」

『お〜!!』

忍の号令で皆が意気揚々と準備を始める中、恭也がパラソルなどを持って外に出ようとする。

「あれ?恭也どこ行くの?」

「先に行ってる」

「着替えは?」

「向こうでするさ、人も居ないしここでする訳にもいかんからな」

「あら、見ていかないの?生着替え」

「あのなぁ……」

忍の言葉に恭也が頭を抱えてると那美がおずおずと手を上げる。

「あの〜、流石に着替えを見られるのは恥ずかしいんですが……」

顔を赤くしながら言う那美、他の皆も顔が赤い。

「ありゃ、せっかく恭也を悩殺するチャンスなのに」

「忍……」

「あははっ、冗談よじょ〜だん。
 はやてちゃんも居るし家からなるだけ近いところお願いね。
 でも海も近いとこでヨロシク」

「注文が多いが……まぁ了解した」

そう言うと恭也は数本のパラソルほか数点の道具を手に出て行く。

「せっかくおにゅ〜の下着恭也に見せるチャンスだったんだけどな〜」

「忍さぁ〜ん、水着に着替えるなら下着以外も見られちゃいますよぉ〜」

「そこはほら……キャストオフしてパワーアップ?みたいな?
 クロックアップして擦り寄ればもうイチコロ?」

「忍お嬢様、一般的にそれは痴女かと」

「むぅ」

お嬢とメイドの漫才が繰り広げられる中、挙手する者が約一名。

「は〜い、センセ〜」

「む?なにかな、はやてクン」

「ここは恥らっといて水着で悩殺する方が乙女的やないかと」

「むむっ、それは確かに……はやてちゃんやるねぇ」

「いやぁ〜それほどでも〜」

忍に褒められ照れるはやて、それを見て不安そうな顔をしている他の面々。

「なんかさぁ、はやてちゃん忍さんに似てきてないか?」

「確かに最近積極的っちゅうかアグレッシヴになってきてるなぁ」

「忍さんみたいになったらなのは達苦労しそう……」

「ごめんなさい、うちのお姉ちゃんが……」

そんな意見を聞いて軽く責任を感じてるすずかに、

「あ、あはははは……」

乾いた笑いで答えるなのは。

「よし!それじゃあ恭也を悩殺すべく水着に着替えよ〜!」

などと忍が元気よく号令を出している時恭也は、

「よっ……と、もう少しパラソルの間隔は広めがいいかな?」

パラソル立てでイイ汗を掻いていた。
そうこうしてるうちに着替えを終えた忍がやってきた。

「やっほ〜おまたせ〜」

「ん?まだ忍だけか?」

「ん〜ん、せっかくだしみんなの水着をじっくり堪能してもらおうかと」

「堪能って……別にそんなのしなくても」

「ダメよ!乙女の水着は見てもらうために在るんだから!
 ちゃんと見てあげないのは逆に失礼よ?」

渋っていたら怒られた恭也。

「そういうもんなのか?」

「そういうもんなのよ」

「むぅ……」

「ところで、私のはどうかしら?」

そう言ってポーズをとる忍が身につけているのは濃紺のひもビキニ、布の面積はかなり少ない。

「似合ってると思うが……少し大胆すぎないか?」

「そう?なになに、興奮しちゃった?」

などとニヤニヤしながら聞いてくる。

「はぁ……」

「んもう、ノリが悪いなぁ」

呆れたようにため息をつく恭也にむくれる忍。

「ま、いいや」

しかしさらっと切り替えて行動に入る。

「それでは大人組の皆さんからいってみましょ〜!
 まずは高町美由希ちゃん!」

合図を受けてまず美由希が前に出る。

「純白のビキニにハイビスカス柄のロングパレオが映えますねぇ。
 清純ながら大胆さもあってGoodです!」

「えへへ、なんか照れるね」

「続いて城島晶ちゃん!
 オレンジのシンプルなセパレート、スポーティな装いでの登場です」

「かわいいのとか似合わないんで……まぁ、こんなんで」

晶は少し照れたようにポリポリと頭を掻いての登場。

「お次は鳳蓮飛ちゃんです!
 フリフリ付きのワンピース、水色のストライプがかわいらしいですね〜」

「あはは、ちょう、照れます〜」

レンは照れてモジモジしている。

「次は神咲那美ちゃ〜ん!
 ピンクのワンピース、お顔もピンクできゃわいいね〜」

「はうぅ……やっぱり恥ずかしいですよぉ」

「そして我が家のメイドさん、ノエル・K・エーアリヒカイトだ〜!
 一見シンプルな黒のワンピースだけど、大きく開いた背中に鋭角ハイレッグと大変セクシーな仕様となっております!」

「如何でしょうか?」

「大人組ラストはこの人!アルフさ〜ん!
 水着はシンプルなブルーのビキニですが素材が凄いだけあって非常にセクシーです」

「どうかな?自分では結構似合ってると思うんだけど」

テレテレで顔が桃色になってる那美とは対照的に堂々としたノエルとアルフ。

「続きまして、かわいさバクハツ!ちびっこ軍団の登場でっす!
 まずはこの人、アリサ・バニングスちゃん!
 赤い花柄のビキニでご登場、ちょっと背伸びしてる感じがかわいいわね〜」

「ちょっ、背伸びってなんですか!」

図星なのか顔を赤くして怒るアリサ。

「続いて私のかわいい妹、月村すずかちゃん!
 水色チェックのワンピースでのご登場、最近バストの成長が著しくおととい新しく買った水着です」

「お、おねえちゃん、バラさないでよぉ!」

こちらは秘密を暴露されて恥ずかしさで真赤になる。

「お次は高町なのはちゃん!
 黄色のスカートつきワンピース、ひまわりのワンポイントがいいですね〜」

「えへへ」

「次はフェイト・T・ハラオウンちゃん!
 以外にも黒のビキニと大胆な装いです!」

「ア、アルフが勝手にえらんじゃって……」

「続きまして八神はやてちゃん&リインフォース・ツヴァイちゃんのコンビです!
 おそろいのシンプルな白のワンピース、ひまわり柄の短いパレオもおそろいでかわいいわ〜」

「リインのはあたしの手作りやで〜」

「にあいますか〜?」

魔法少女組みは三者三様のリアクション。

「そして大トリはこの子!久遠ちゃ〜ん!
 白のセパレーツと緋袴をイメージした赤のパレオで巫女風水着です!
 ちなみにしっぽ穴つきの特注品!」

「みずぎ……ちょっと、ふしぎなかんじ」

久遠は普段着慣れない水着の生地に戸惑っている様子だ。

「さぁ!どうですか審査委員長!」

「誰か審査委員長だ」

「まぁまぁ、細かい事は気にせずに、どうよ?」

「ふむ……」

忍も列に加わり恭也はそれをざっと眺める。

「流石にこの人数は壮観だな。
 皆それぞれ似合ってて良いと思うぞ」

「なんか無難な感想ねぇ。この娘が一番イイ!とか無いの?」

「むぅ……」

忍の言葉を受け考え込む恭也に期待の視線を送る女性陣だったが、

「やはり皆魅力的だからな、一人を選ぶなんてできないさ」

恭也はやっぱり恭也だった。

「はぁ……まぁこの鈍感クンから『魅力的』なんて台詞を引っ張り出せただけでも良しとするか」

「さりげに失礼な事言ってないか?」

「べっつに〜。
 さぁみんな!それじゃ思いっきり遊びましょ〜!」

『お〜!』

忍の号令で遊びモードに切り替わる面々。
皆が海にむかう中急展開についていけずポカーンとしてる恭也。

「きょ〜や、うみ、いかないの?」

そこへ久遠が覗き込んでくる。

「ん?ああ、そうだな、久々の海だし楽しまないと損だな」

「ん、いこ♪」

恭也は立ち上がり久遠に手を引かれて海へむかう。

「恭也さ〜ん!こっちこっち〜!」

「冷たくって気持ちいいですよ〜」

「恭也〜、水着の美少女14人とくんづほぐれつなんて滅多に出来ないんだからはやくはやく〜」

「し、忍さん、くんづほぐれつって……」

などと恭也を呼ぶ女性陣。
恭也もこの後のハードそうなイベントの事はひとまず忘れ楽しむ事にしたのだった。





あとがっき〜☆
ここんとこ執筆遅くてすいませんorz
今回は海in水着披露編、半分以上水着紹介で埋まってます。
もはやライダーらしさの欠片もありゃしねぇ……
問題は次の海遊びで誰をピックアップするかなんですよねぇ……
全員書くと恐ろしく長いし展開に無理ありすぎだし、
分岐させて複数書くべきかなぁ……
まぁなんとかするしかないのでなんとかしてみます。
それではまた次回〜。



夏だ、海だ、水着だ!
美姫 「水着のお披露目ね」
それも無事に済んだら、やっぱり海に来た以上は泳がないとな。
美姫 「次回はどんな展開を見せてくれるのかしらね」
次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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