注)このSSは独自の設定に基づいて構成されています。原作とはまったく違う設定で書かれておりますので、そういったものが嫌いなお方はプラウザの『戻る』を押して下さい。それでも読んで下さる奇特な方は、どうぞ下へとお進み下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレビを見る時は部屋を明るくして離れて見てね(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ワイヤー?」

 

注意して見ねば分からないほど細い、ワイヤー。

それが華龍の体に、十重二十重と巻き付いている。

無論、華龍の力ならば簡単に引き千切ることは出来る。

しかし、その瞬間は完全に無防備と化してしまうだろう。

 

「……ここから離れさせてもらうぞ」

 

レッドスターに跨り、呟くネメシス。

華龍の背中に、衝撃が走る。

 

「なっ!?」

「このまま一緒に来てもらう」

 

フロントカウルに叩き付けられ、そのまま運ばれる華龍。

攻撃出来ないこともないが、明らかに時速300キロ以上は出ている。

これだけの速度で迂闊なことをすれば、自身にも被害が及びかねない。

ネメシスと華龍は、瞬く間に離れていった。

 

 

 

 

 

数十分後。

レンの通報により、現場には1台の救急車が到着した。

病人ではない。怪我人を運ぶためだ。

1人は自分の親友。

そして、もう1人は――

 

「真雪さん! しっかりしてください! 真雪さん……っ!」

 

揺さ振る愛の声。

しかしそれすらも、今の真雪には聞えない。

 

「真雪さん! 眼を開けてくれよ!! 真雪さん!」

 

傍らで必死に手を握る耕介。

その声すらも、今の真雪には届かなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Heroes of Heart

〜ハートの英雄達〜

第四話「新生」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――生田市・郊外――

 

 

 

 

 

海鳴市の隣に位置する、海鳴よりもさらに小さな街。

生田市の郊外まで来て、もういいだろうと、ネメシスはフロントカウルにへばり付いている華龍を放り出した。

 

「あぅっ!」

 

突然地面に叩き付けられた衝撃に、華龍が苦悶の声を上げる。

華龍の中で、ドス黒い感情が湧き立った。

ベルトの龍が、青から黒へと染まっていく。

 

「き・さ・まぁ!」

 

鞭を取り出し、ネメシスの喉元を狙う。

だが――

 

「チィッ!」

 

右手に絡まるネメシスのワイヤー。

鞭を武器として使った場合の長所は2つある。

ひとつは軌道の読みにくい曲線攻撃を可能とする点。

そしてもうひとつは相手を絡めとることが出来るという点だ。

2つとも、槍や刀といった直線攻撃を得意とする得物と戦うのに有利な点である。

それに気付いているからこそ、ネメシスも小太刀には手を伸ばさない。

相手を絡めとる鞭を逆にワイヤーで絡めとり、ニードルで細かい攻撃を繰り返す。

非生産的な戦いであるが、効率的な戦い方でもある。

 

“ガッ! ガッ! ガッ!”

 

不規則に、かつ正確に放たれるニードル。

それは確実に華龍のダメージを蓄積し、体力を奪っていく。

そしてその攻撃は、華龍の神経を逆撫でし、苛立たせた。

 

「くっ!」

 

業を煮やした華龍が掌をかざす。

直後、暴風とともに、ネメシスの背後から薔薇の花弁が舞った。

 

「……っ!」

「花弁は前から放つだけじゃないっ!」

 

前からは華龍の鞭。

背後からは破壊の力を秘めた薔薇の花弁。

万事休す。

しかし、ネメシスは諦めない!

意外にもネメシスは二刀の小太刀を鞘から抜くと、華龍のいる方へと走り出した。

 

「なっ!?」

 

その無謀とも言える行動に、華龍は動揺する。

前に出るというのは正しい選択だ。後ろの花弁と前の鞭では、後者の方がダメージが少ない。

しかし、わざわざ小太刀を抜いて接近するとは……。

 

(みすみす武器を封じさせるというの?)

 

疑念。

しかし、その考えは一瞬にして改められた。

 

“ドゴォッ!”

 

背後からの衝撃。

……レッドスターだ!

瞬間、ネメシスの体が深く沈む。

今にも狩りを開始しようとする、獅子の如き気配を出して。

格好の獲物である華龍は、ネメシスの意図を察し、鞭を硬質化して小太刀を止める準備をする。

斬撃――ではなく、足払い!

 

「!?」

 

予想外のところからの、予想外の攻撃。

あまりにも非効率的で、的確ではない、無駄でしかない攻撃。

否、無駄ではない。

足払いはただのフェイント。

華龍の意識がネメシスの足にいった途端、ネメシスは姿勢を崩し、華龍の防御を潜り抜けて、小太刀を滑らせる。

 

“ズシャァァァァァアアアッ!”

 

一閃。

血飛沫。

攻撃をまともくらった華龍は、無様にも倒れてしまう。

一方のネメシスも攻撃のため体勢を崩したせいか、一瞬だけバランスを崩して転倒しかける――が、レッドスターのフォローによって難を逃れた。

『仮面ライダー』の名は伊達ではない。

レッドスターとの連携がある限り、ネメシスは無敵なのだ。

 

「うううぅぅぅぅ……」

 

痛みに顔をしかめて、華龍は掌を掲げ、暴風を起こす。

『また薔薇の花弁か!』と、ネメシスは無言で身構える。

しかし、薔薇の花弁は意外な所で舞い上がった。

まるで華龍を守るかのように舞い上がる薔薇。

一瞬、何のことだか分からなかったネメシスだが、華龍の意図に気付き、攻撃を仕掛ける。

だが、もう遅い。

ネメシスが花弁に斬り掛かった瞬間、華龍の姿はどこにも見当たらなかった。

 

 

 

 

 

――海鳴市・海鳴大学病院――

 

 

 

 

 

手術中のランプが点いた部屋の前で、8人の人間が集っていた。

耕介、愛、那美、舞、美緒、リスティ。それから、晶の怪我を聞いて飛んできた美由希と、レン。

幸い、晶の方は敵が手加減していたのと元々頑丈な体に恵まれていたこともあり、今は病室で寝ているだけだ。

問題は――――

 

“ガチャリッ”

 

不意に聞えてきたドアを開ける音に、美緒がビクッと反応する。

中から出てきたのは、白衣を着たひとりの男性。

よく、耕介達が世話になっている矢沢医師である。

 

「真雪さんの様態は?」

 

その場を代表して、耕介が尋ねる。

 

「傷の方は大丈夫だ。ただ……」

「ただ?」

「……隠し事はよそう。傷の方は塞がったんだが、意識が――」

「――意識が、戻らないんだ」

 

 

 

 

 

――????――

 

 

 

 

 

「無様だな」

「なにをっ!」

 

激昂する華龍。

フンッと鼻で笑って、牙龍は動けぬ華龍に何か、赤い液体を渡す。

黙って華龍はそれを受け取ると、彼女は一気にそれを飲み干した。

 

「――これで、明日の朝には回復するだろう」

「今度は、しくじらない」

「無論だ」

 

言って、牙龍は彼女告げる。

 

「一刻でも早く我らが神をこの地に降臨させるためにも、二度と失敗は許されん」

 

 

 

 

 

――海鳴市・さざなみ女子寮――

 

 

 

 

 

休日の午前だというのに、さざなみ寮は閉散としていた。

普段の騒がしさを知る人が見れば、まるでそこは異界であろう。

耕介と愛は真雪の見舞いに行き、勇也と愛歌もそれに着いていった。

美緒とリスティは仕事先へ。

唯一寮にいる那美と舞、そして、那美を元気付けるためにやってきた美由希の3人も、暗い面持ちである。

重い空気を払拭すべく、美由希が、今気付いたといった感じで、

 

「そういえば久遠はどうしたんですか?」

 

久遠とは、那美の親友であり戦友でありパートナーでもある、変化狐だ。

狐火こそ出せないものの、雷を操る能力を持っており、度々、退魔業において那美の窮地を救っている。

ちなみにメスである。

 

「……久遠なら、今、忍さんのところに居ます」

「なんでまた……」

 

忍の、時折見せるマッドサイエンティストぶりを知っている2人は苦笑する。

話によると、現在、忍は人間の持つ未知の力(霊力とか超能力)などを増幅し、別のエネルギーに変換する装置を研究しているらしい。

そこで、霊力を電気エネルギーへと変化出来る久遠の力を解明すべく、半ば無理矢理に――那美に、『那美のメイド姿を撮った写真をバラ撒くぞ』と脅したらしい――彼女は拉致されたのである。

その話を聞いて、忍をよく知らない舞までもが苦笑する。

――と、そんな時、さざなみに一台しかない電話が鳴った。

慌てて受話器を取りに行く那美。

その途中で転んで、結局留守電モードに入ってしまったのは言うまでもないだろう。

機械の方から、電子化された男の声が聞える。

 

『えっと、耕介です。忍ちゃんから連絡があって、デルタスーツの改修が終わったそうだから、誰か、取りに行ってくれないかな?』

 

そのメッセージを聞いた瞬間、3人は同時に立ち上がった。

3人が3人とも同じ行動をとったことに笑い合って、彼女達は外に停めてある真雪の愛車……スープラに乗った。

 

「でも、誰が運転するんです?」

「あ、あたしがやる」

 

舞がキーを差し込んで、エンジンに火を点ける。

同時に、彼女の瞳にも火が宿った。

 

「いくぞぉ! お嬢ちゃん達ィッ!」

『…………へ?』

 

突然の舞の変貌。

那美と美由希は、無意識のうちに開口してしまう。

 

「しっかり掴まってなぁ!!!」

「え、わ、きゃぁっ!」

「あああ〜」

 

“キュイン…キュイン……ズドォォンッ!”

 

目測だけでも100キロは出ている。

ちなみに言えば、彼女達は全員、無免許であった。

 

 

 

 

 

――稲神山――

 

 

 

 

 

耳に心地良い音色が入ってきて、不破は徐々に意識を覚醒させていった。

どうやら眠ってしまったらしい。

昨日、華龍との戦いから帰った後、疲労に耐え兼ねて横になってしまったのがいけなかったのだろう。

美しい旋律を聴きながらテントから這い出る。

 

「む、目が覚めたか?」

「ええ」

 

銀色のフルートを片手に意外そうな表情を浮かべる。

 

「今のは、なんて曲です?」

「“君は優しい歌になれ”という曲だが?」

「最近の曲ですか?」

「そう、いつもいつもスメタナやショパンを吹いてはおれんよ」

 

クククなんて含み笑いをする。

滅多に見れない男の笑みに、不破はしばし固まってしまった。

しかしやがて、男の表情が一変して険しいものになると、不破もまた表情を引き締める。

 

「昨日の一件で34人が死んだ。たった、二十数分の間にだ」

「すみません。俺が、もっと早く奴と戦っていれば」

「いや……」

 

一拍おいて、男は苦渋に満ちた表情を浮かべる。

 

「すべての責任は俺にある。俺に……奴らを眠らせるだけの力があれば……」

「そんな。あなたは強い。俺なんかの何倍も…何十倍も」

「……前に話したな。たしかに俺はお前より強い。これは自慢でもなんでもない事実だ。しかし、奴らに“眠り”を与えられるのは『お前の力』のみ。『俺の力』では、奴らを眠らせることは出来ない」

「ですが……」

「いや、すまん。ただの嫉妬だ。忘れてくれ」

 

男は立ち上がる。

 

「……何処へ?」

「少し、その辺りをな」

 

答えて、男は自身のバイクに跨った。

キック式ではない、まったく別の機構のエンジン。

男がハンドルのグリップを強く握っただけで、車体は震え、動き出す。

純白のボディに刻まれた十字の傷がブレたかと思うやいなや、男を乗せてバイクははるか遠方へと駆け抜けていった。

不破は、黙ってそれを見ていた。

 

 

 

 

 

――海鳴市・月村邸――

 

 

 

 

 

「どうぞ……」

「あ、どうも」

 

無免許運転で数十分かけて、那美達は月村家に辿り着いた。

那美、美由希はノエルに軽く会釈して、紅茶を口につける。

一方の舞は、途中まで「血が騒ぐ〜」などと言いながら運転していたものの、館へ入るなり、世の中には本当の金持ちとメイドがいると知って、半ば放心状態だった。

 

「いいの? この子……」

 

失礼にも指を差して忍が言う。

那美と美由希はヨレながら、

 

『いいんです』

 

と、答えた。

時速100キロ超でここまで連れてこさせられたためだろうか、どこか疲れているように見える。

 

(我那覇舞、おそるべし……)

 

月村忍の友人リストの中に、我那覇舞の名が刻まれた。

一服して、那美が話を切り出す。

 

「あの〜忍さん」

「なに?」

「今日はデルタスーツの改修が終わったようなのでお伺いしたんですが」

「あ〜はいはい。そうだったね。ノエル」

「どうぞこちらです」

 

控えていたノエルが、傍らからナンバーロックの掛けられたアタッシュケースを取り出す。

那美はそれを受け取ると、耕介から聞いたコードを入力して、中のブレスレットを確認する。

そのうちの2つを取り出して、ひとつは自分に、もうひとつは未だ放心中の舞の右手首に巻く。

その感触を確かめるように手を振っていると、不意に忍ぶが、

 

「そういえば那美」

「あ、はい」

「久遠、も〜ちょっと借りるから」

「あ、そう言えば久遠見掛けませんでしたね。昨日、勇也君達が『久遠と遊ぶんだ!』って喜んでましたけど、結局会えなかったみたいですし」

「…………」

 

忍の額に、たら〜りと汗が滴る。

まるで昔の漫画のようだ。

 

「……忍さん?」

「あ、ううん。なんでもないよ」

「そうですか。それで、久遠は――――」

 

その光景を見て、美由希の頭の中に『やめろショッカー』な、内容が浮かんだ。

冷や汗。

そしてこっちは脂汗。

 

「いや、だからね――」

「……忍さん?」

 

訝しげな表情の那美。

さらに詰め寄ろうとしたその時、那美のブレスレットからアラームが鳴った!

 

「!?」

 

そのアラームの意味を知っている全員が、その音を聞いて固まる。

 

「はい。こちら那美です!」

『那美ちゃん!? よかった。ブレスレットは無事に受け取ったみたいだね』

「はい。それで、どうしたんですか?」

『また奴らが現われた。今度は龍魔も一緒だ。場所は――――』

「はい、分かりました」

『一応、俺も向かう。リスティや美緒にはケータイで伝えたから、現場で合流してくれ』

「了解」

 

通信を切って、舞を覚醒させようと振り向く。

しかし、いない。

 

「あれ……?」

「那美ちゃん! 早く、早く!」

 

すでにスープラに乗っている舞。

一瞬固まってしまった那美と美由希だったが、気を取り直して自分達も動き出す。

――と、忍が、

 

「わたしも行くよ。間近で奴らの戦闘能力も見たいしね」

「では、わたしもご同行させていただきます」

 

こうして、暴力的加速を持つバイオレンスマシンに、少女達は乗り込んだ。

運転手は無論――

 

「血が騒ぐぜぇっ!」

 

――である。

 

 

 

 

 

――海鳴市・海鳴臨海公園――

 

 

 

 

 

薔薇の花弁が吹き荒れる臨海公園。

その中を、無数の死体が埋め尽くしている。

現場に到着した那美達は、まず、そのあまりにも対照的な2種の存在が織り成す光景に開口してしまった。

特に美由希は、あまりの惨劇に顔を背けるどころか、逆に怒りすら込み上げてくる。

美由希がこの世でもっとも憎むもの。それは、『理不尽な暴力』だ。

この世界には理不尽な事で溢れている。

美由希も、そのひとつひとつに怒りを覚えるなどということはしない。

世の中には、時には『理不尽な何か』が必要な時もあるからだ。

だが、『暴力』だけは許せない。

それは、かつて自分の一族を、それこそ『理不尽な暴力』で殺されたがゆえの感情――ではない。

高町美由希というひとりの少女がもつ、特有の感情だった。

戦争のニュースや犯罪のニュースなどを見た時に込み上げるドス黒い感情。

否、それ以上に暗い何かが、美由希の中を駆け巡った。

 

「ふぅん。今度はあなた達ね」

 

不意に聞えてきた女の声。

純白のドレスを着た彼女は言うなり、5人へと接近する。

 

「……まったく。この街の女の子はみんな戦う人ばかりなのかしら?」

「そんな事はないと思うけどね」

「どうかしら……ね」

 

互いの距離は10メートル弱。

華龍からしてみればほんの一瞬。

那美達からしてみれば、1・2秒ほどで、詰められる距離。

 

「……戦闘体、移行」

『三心覚醒!』

 

那美と舞が右手を掲げ、デルタレッドとブルーになる。

同時に、華龍もまた戦闘体へと変貌する。

 

「那美! そのスーツは以前のものよりも運動性を20%、耐久性を40%上げてあるから!」

「忍さん……ありがとうございます!」

 

レッドダガーを抜き、華龍へと斬りかかる。

明らかに以前着ていたものよりも動きやすく、速い。

背後からはブルーが、ブルーアローで援護をする。

 

「たぁっ!」

 

“ブウォンッ!”

 

空を裂く刃の音。

しかし、それだけ。

血飛沫も何も、聞えてこない。

 

「……舐めてるのかしら?」

 

茨の鞭によって絡めとられたレッドダガー。

あまりの歯応えのなさに気分を害したのか、ベルトの龍が少しだけ翳りを帯びた。

 

「ふんっ!」

 

そのまま、力任せにレッドダガーを引っ張る。

同時に、引き摺られるデルタレッド。

 

「ううっ!」

 

2度、3度と地面に叩き付けられ、呻き声を上げるレッド。

 

「このっ」

 

ブルーアローの光矢が華龍を貫く!

――が、華龍はそれに動じない。

2発、3発と連続で射抜くその手がはたと止まった。

レッドを――那美を、盾にされたのだ。

一瞬の逡巡。

だが、それだけあれば彼女にとっては充分であろう。

レッドを放り投げ、ブルーにぶつける。

 

「きゃっ」

 

どれだけ豪腕で投げたとしても、体重の軽い那美である。与えられた運動エネルギーが、致命的なダメージになることはない。

しかし問題は、その後だった。

 

「“鮮血薔薇”!」

 

華龍が掌をかざす。

刹那、防風と共に無数の薔薇の花弁がレッド達を襲った!

 

「ああっ!!」

「ううぅぅぅ……」

 

火花が散り、ついにはスーツが脱げてしまう。

デルタスーツが脱げる時……それは、あまりのエネルギーにスーツが対消滅することによって衝撃を相殺する、一種のリアクティブアーマーの機能の結果だ。

つまり、忍の手によって防御性能を強化されたにも関わらず、『龍』の攻撃に敗れてしまったことを意味している。

 

「終わりよっ」

 

華龍が、茨の鞭を硬質化して、生身の2人に接近し、止めを刺そうとする。

美由希は、咄嗟の判断で動いた。

兄であり、師である青年に言われて、いつも持ち歩いている暗器の数々。

その中の、やや長い金属製の針……飛針5、6本ほど、華龍に投擲する。

 

“カッカッカッカッカッカッ!”

 

ダメージはない。

しかし、彼女の気を逸らすだけならばそれだけで充分。

あとは……“彼”がやってくれる。

 

“ブォォォォォオオオッ!”

 

轟音。

黒いボディの車体が華龍を突き飛ばす。

92年の発売以来、未だ根強い人気を誇る、カワサキのゼファー1100。

空冷直4エンジンから引き起こされる86馬力のパワーは、例え『龍』であっても不意を突けば跳ね飛ばすことが出来る。

 

「那美ちゃん! 舞ちゃん!」

 

耕介は、那美と舞の傍に駆け寄ると、肩を揺さ振って2人の意識を覚醒させる。

 

「やっと男が来たようね」

 

――と、先刻のダメージなど皆無なのか、華龍が起き上がり、余裕の笑みを浮かべる。

 

「でも、これで終わり……“鮮血薔薇”!」

 

華龍が掌をかざし、己の持つ最強の技を放とうとする。

しかし次の瞬間、華龍のその行為を妨げるように、両者の間で雷光が煌いた!

 

“ババババババァッ!”

 

「なっ!?」

「大丈夫かい?2 人とも」

「リスティさん……それに、美緒ちゃん」

「遅くなったのだ」

 

悪びれた態度の美緒とリスティ。

耕介は美由希に向って叫ぶ。

 

「美由希ちゃん! ケースを!」

「あ、はい!」

 

言われて、スープラのトランクからアタッシュケースを出そうとして、美由希の手が止まった。

 

(これを着ければ、もしかしたら……)

「……美由希、さん?」

(あいつらと、戦えるかもしれない)

 

それは『理不尽な力』を憎むがゆえの、純粋に力を欲するという思い。

そして――

 

(これがあれば、那美さんが言ってた恭ちゃんに似た人に、会えるかも)

 

例えその人物が恭也でなくとも、手掛かりぐらいは掴めるかもしれない。

手掛かりすらなかったとしても、一度でもいいから会ってみたい。

コクリと、自らの内で固めた決意を示すように頷いて、美由希はケースをトランクから引っ張り出す。

突然の美由希の態度に、親友である那美を含めた全員が疑問符を浮かべる。

やがて数瞬の後、意を決したかのように、美由希は言った。

 

「耕介さんっ! わたしにもブレスレットを貸してください!」

「なっ!?」

 

その言葉に、耕介だけでなく、デルタハーツの全員が驚愕の表情を浮かべる。

 

「み、美由紀ちゃん?」

「わたしも…わたしも、戦いたいんです!」

 

美由希の言葉は、耕介の心を大きく揺さ振った。

耕介の脳裏に、6年前の“ある日”の光景が浮かぶ。

するとリスティが、

 

「いいんじゃないかい」

「リスティさん!」

 

那美の抗議にも耳を貸さず、リスティはひとり淡々と続ける。

 

「――6年前。デルタハーツがまだ組織として充分に機能していなかった頃、たしかボク達は民間人の協力を得ていたはずだよ」

 

リスティの言葉が、耕介の胸に突き刺さった。

だがリスティは、彼の様子に気付かず、話を進める。

 

「それに、元々真雪用にイエロースーツは調整されているんだ。男の耕介は着れないし、仮にも美由希は戦闘者だ。危険だと察したらすぐに逃げるさ」

「しかし……」

 

なおも反論を続けようとする耕介を睨み付けて、リスティは叫ぶ。

 

「那美、ケースの暗証番号は!?」

「え! あ、はい……」

 

リスティの勢いに押され、思わず喋ってしまう那美。

それを聞いた美由希は、素早くケースのボタンを押して、ロックを解除する。

中には、3つのブレスレットが入っていた。

 

「白がボクで黒が美緒だ!」

「はい!」

 

リスティと美緒にブレスを投げ渡す美由希。

そして自身も、右手首に黄色いブレスレットを巻く。

4人の元へ駆け寄る美由希。

 

「……後戻りは出来ないよ」

 

諦めたような耕介の言葉に、美由希は静かに頷く。

那美、舞、美由希、リスティ、美緒。

立ち上がろうとする華龍を視線で射抜くと、彼女達は右手を掲げた!

 

『三心覚醒!』

 

瞬間、彼女達の姿が光に呑み込まれる!

光の消えた時、そこに彼女達の姿はない。

あったのは――――

 

 

 

「デルタレッド……ナミ!」

 

「デルタブルー……マイ!」

 

「デルタイエロー……ミユキ!」

 

「デルタホワイト……リスティ!」

 

「デルタブラック……ミオ!」

 

 

 

 

 

人を慈しむ優しき想い。

 

 

 

 

 

何の変哲もない日常をともに暮らしたいという願い。

 

 

 

 

 

そして、何かを守りたいという、強い意志。

 

 

 

 

 

「三心戦隊デルタハーツ!」

 

三つの想いを背負って戦う、5人の戦士達が誕生した!

 

「こしゃくなぁっ」

 

華龍が懐から龍魔の種をバラ蒔く。

種はたちまち発芽して、龍魔へと成長していった。

それを見て、デルタイエロー――美由希が那美に言う。

 

「那美さん、メタルブレードを貸してください」

「あ、はい」

 

言われて、腰からメタルブレードを引き抜き、イエローに渡す。

イエローはそれを2、3度振ると、今度は自身の腰からもブレードを引き抜く。

普段使っている小太刀よりも、少し長い程度。

美由希は、二振りのメタルブレードを十字差しに構えると、龍魔の軍勢に跳びかかった。

続いて、あとの4人もイエローに続く。

 

「ってぇぇぇいっ!!」

 

高速の斬撃。

その一太刀で、強靭な生命力をもつ龍魔がことごとく灰と化していく。

 

「……これは?」

「スーツだけでなく、武器の方にも少し改造を加えました。現在、メタルブレードの超振動数は秒間4万回です!」

 

忍の説明。

それを聞きながら、美由希は不慣れな得物を懸命に振り、敵を薙ぎ倒していく。

そしてそれに触発したのか、デルタハーツは今までにない善戦を見せていた。

やがて、いつもならば10分はかかる戦いを、4分という驚異的スピードでこなして、彼女達は華龍へと向き直る。

体力のリミッターが付いていた真雪と違い、若さゆえか、美由希にはそれがない。

息は切らしているものの、それもすぐに元通りの呼吸へと戻っていく。

 

「少しはやるようね……じゃあ」

 

瞬間、華龍からこれまでにないほどの殺気が放たれる!

 

「そろそろ、本気を出そうかしら」

 

暴風!

掌もかざしていないのに、デルタハーツの周囲を薔薇の花弁が舞い散る。

その動きはまるで……

 

「……竜巻!?」

「“薔薇旋風”……薔薇の運命に、眠りなさい」

 

竜巻の幅が徐々に狭まり、中心部にいるデルタハーツへと花弁が近付く。

舞い散る薔薇の花弁が、デルタハーツを追い詰める!

 

「くそっ」

 

耕介が懐からリボルバー拳銃……S&WM29を取り出し、引き鉄を引き絞る。

レンコン型の巨大なシリンダーが60度ずつ回転し、やがて一回転を終えて、強力な44マグナム弾が6発、機関部から叩き出される。

 

“ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ!”

 

かつては最強のハンドガンとまで言われた名銃。

しかし、さしもの44マグナム弾も、その竜巻には敵わず、たちまち軌道を逸らしてしまう。

 

「くっ…なら……」

 

スピードローダーで素早く次弾を装填し、耕介は銃口を向ける。

標的は――竜巻ではなく、華龍だ。

引き鉄を引こうとした瞬間、耕介の指が止まった。

 

「なっ!」

 

花弁の竜巻。

絶対的攻撃力と、防御力を兼ね備えた障壁が、華龍の周囲を舞っていた。

これでは、どんな攻撃もその破壊力を失われてしまう。

否、効きはするのだ。

この44マグナム弾とて、敵に当てる方法はあるのだ。

 

「竜巻の中心。那美達を攻撃しているものは徐々にそれが狭まってるからないけど、華龍を守っている竜巻は、台風みたいなもの……」

「! 台風の目か……っ」

 

竜巻の上まで昇り、銃弾を撃ち込めれば、あるいは――。

 

「だけど、あの高さまでどうやって」

 

竜巻の高さはゆうに二十メートルはある。

とてもではないが、生身の耕介達にそこまでの跳躍力はない。

 

「……なら、俺がやろう」

 

不意に耳膜を打つ青年の声。

慌てて振り向く耕介、忍、ノエル。

その声は、あまりにも知り合いの声に似ていた。

そして、その場にいた存在に、彼らは驚愕する。

 

「……鬼?」

 

胸の紋章は紅蓮の紅。

大きな複眼は悲哀の蒼。

全身を覆う装甲は絶望の闇。

仮面に走った2本のラインだけが、申し訳程度に彼の心中を映し出す。

そして、腰に携えた二振りの小太刀!

復讐の女神の名を持つ戦士は、赤き流星に跨って耕介の元に近付く。

 

「お前が……」

「はい。俺がネメシスです。少し、拝借させていただきますよ」

 

言って、耕介の手からS&WM29を奪い取る。

レッドスターから降りて、彼は何気無しに跳躍する。

ゆうに30メートルは超える高さまで跳んで、ネメシスはリボルバーを構えた。

そして、渦の中心にいる華龍に向けて、ニードルと一緒に放つ!

 

“ガンッ! ガガッ! ガンッ! ガガッ! ガンッ! ガガッ!”

 

「くぅっ!」

 

44マグナム弾とニードルのコンビネーションに、さしもの華龍もよろめいた!

刹那、竜巻の回転が鈍り、ネメシスはレッドスターに命令する。

 

「走れ! レッドスターッ!」

 

レッドスターは意思を持つバイクだ。

とある人物の人格が移植されたそのバイクは、ネメシスをサポートするべく、デルタハーツが囚われている竜巻の回転とは、逆に走り始める。

時速300キロのスピードから出された、もうひとつの竜巻。

新たなる旋風は花弁の竜巻を相殺し、呑み込んでしまった。

 

「ひゃあ……」

 

そのあまりの現象を目の当たりにして、忍の目が輝いた。

助け出されたデルタハーツの面々は、ネメシスの姿を見て一様に驚愕する。

特にイエロー――美由希は、初めて間近に見たという事もあり、その姿を舐め回すように観察する。

全身から放たれる気配に注意し、佇まい、仕草、筋肉の脈動にまで気を配る。

腰に二刀差しした小太刀が、妙に目を惹きつけた。

 

「いくぞ、華龍とやら」

 

抜刀。

漆黒の二刀が、華龍の胸元へと伸びて、軌道を変えた!

 

「くっ!」

 

予想外の変化技。

咄嗟の判断で、回避運動をとり、ダメージを最小限に減らす。

相手の防御を縫って斬撃は、昨日も体感した技だった。

その動きの変化を捉えられた者は、華龍以外に、いない。

否、ただひとりだけ、その動きを美由希は捉えた。

……それだけではない。

ネメシスが繰り出す技の数々を、彼女はすべて見切り、それだけでなく、その技すべてを言い当てる。

 

(貫、貫、徹、斬、貫、斬、斬、徹、徹、斬、貫……)

 

それらすべての技を、美由希は知っている。

なぜならこれらの技は、自分が修めんとする『剣』の技なのだから。

美由希の中で、とある疑念がむくむくと膨らんでいく。

そして、それは次の瞬間、確信へと変わった。

 

「これで……終わりだっ!」

 

抜刀。

一の太刀は右腕。

二の太刀は左足。

三の太刀は左腕。

そして、四の太刀は胸。

超高速の四連撃が、華龍の体を切り裂き、貫く!

美由希は、やっぱりと思う。

その技を、美由希はよく知っていた。

自分の兄と、育ての父が得意とした、超高速の四連撃の薙ぎ。

 

 

――御神流・奥義之六、『薙旋』。

 

 

刃の旋風が起きたかと思うと、華龍は、その身を10メートルも後方に追いやられる。

刹那、ネメシスの右足が光り出した!

右膝からゆっくりと光は全身に浸透して、再び右足に収束される。

そして、彼は跳躍した。

空中でくるりと一回転し、彼は、右足を突き出す!

 

「――カーズド・ライトキック!!!」

 

力の名は水。

季節は冬。

その色は黒。

“呪われた右足”が、総てを眠らせる!

 

「ギ…ギァアアアアアアアア!!」

 

キックを受けた華龍が、断末魔の咆哮を上げた!

 

“ドゴォンッ!!!”

 

爆発。

炎上。

総ての存在を眠らせ、安息へと導く炎。

みなが騒然とする中、ひとり、美由希がメタルブレードを引き抜いた。

 

「なっ!?」

 

美由希の取った行動に、またもやみなが驚愕の表情を浮かべる。

ネメシスは、無言で彼女に近付いていく。

メタルブレードの刃を向けて、美由希は言う。

 

「……あなたは、高町恭也という人を……いえ、不破恭也という人を知っていますか?」

 

かつて那美が言った言葉とは、少々赴きの違う言葉。

ネメシス――不破は、たった一言。

 

「知らんな、そんな男は……」

 

 

 

 

 

――海鳴大学病院――

 

 

 

 

 

『仁村真雪』とプレートの掛けられた部屋。

ベッドの上で眠る真雪の表情は穏かである。

まるで、死んでいるかのように。

そんな疑念が浮かんで、愛はかぶりを振ってそれを振り払った。

 

「…ん……んんん…んん……」

 

不意に、そんな呻き声がした。

一瞬固まってしまった愛。

呻き声がする……ということは、彼女が眠っているという証である。

意識不明でなく、眠っている。

それに気付いた愛は、慌てて医者を呼びに行った。

ナースコールの存在を忘れるほど、彼女の中では歓喜の声が響き渡っていた。

 

 

 

 

 

――生田市・スターダスト――

 

 

 

 

 

『星屑』と、趣向の凝らされた看板の店。

バー『スターダスト』では、ささやかな宴が催されていた。

店にいる人々は様々。

一日の疲れを癒しに来る者。

日々の人生に絶望を感じ、自棄になった者。

人生の大きな節目を迎え、様々な思いを巡らす者。

そして、人を待つ者。

 

「……待ったかしら」

「いや」

 

皮のコートを着込んだ金髪の女性。

軽く返事をして、男はテーブルに用意していたグラスを差し出す。

女性は一口だけそれを口に付けると、少しだけ渋った顔をした。

 

「……何度あるの?コレ」

「94度だが?」

「……よく平気でいられるわね」

「まぁ…な」

 

言葉を濁す男。

金髪の女性はやれやれといった感じで、見るからに高級品と思わしきバッグからバインダーを取り出す。

 

「……あなたから頼まれた“高町……旧姓、不破志郎の家族構成”よ。あとは、“緑川博士”の研究資料のコピーね」

「すまんな、厄介事を頼んでしまって」

「いいわ。どうせ、こっちにいても何もないもの。あなたの使いっ走りのような仕事でも、無いよりはマシだものね」

「…無いよりはマシ……か」

 

苦笑しながら、男はバインダーに閉じられたファイルを、一枚、一枚、丁寧に読み進んでいく。

――と、あるファイルのところでその手が止まった。

 

「――高町恭也……か」

 

そこに書かれていたのは、高町恭也という個人の情報だった。

生年月日。出生地。産院。お産の担当医。星座。通っていた学校。担任教師の名前。仲のよかったクラスメイトの名前。血液型。初めて買ってもらった本の題名。嫌いだったクラスメイトの名前。好きな小説家。高校入試の試験番号。好みの女優の名。自身の一族とその詳細。

本人のあずかり知らぬところで、戸籍謄本以上の情報が記されている。

そして、男の目はその最も下に書かれた表のところで留まった。

 

 

 

―――――素体NO.AA−07―――――

 

名前:高町恭也

年齢:19歳

健康レベル:A

射撃値:B

格闘値:A

最大霊力値:A

能力レベル:C

総合能力値:B

適合遺伝子:OGRE

 

 

 

「……吐き気がしてくるな」

「ものがものだからね。高い評価を受けてはいるけど、正直、逆の立場でもあまり素直には喜べないわ」

 

金髪の女性の言葉に、男は静かに頷く。

すると、金髪の女性が懐から、1枚のメモ用紙を取り出した。

 

「……1971年当時の、緑川研究室のメンバー表よ。残念ながら、現住所までは分からなかったわ」

「充分だ」

 

そう言って、男は立ちあがる。

数枚の札を置いて、「これで何か飲んでいてくれ」なんて言う。

金髪の女性は名残押しそうに

 

「……今度はいつ会える?」

「さて…な」

 

男は、一度だけ呟いて、

 

「じゃあな、レイラ」

「バイ、ホクト……」

 

男……闇舞北斗は、静かにスターダストを後にした。

残されたレイラは、先刻のメモ用紙に書かれたリストを思い出す。

 

 

 

城北大学理工学部生化学科緑川研究室−1971年

 

緑川博

風祭大門

望月伸也

田所俊介

葛木里美

村上柳也

麻美百合絵

楠木美代子

 

 

 

 

 

本郷猛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

新たなメンバーを加え、戦士達は次なる戦いへと進む。

新たなる龍の目的は破壊。

それを止めるべく、戦士達は戦地へと向う。

その結果が、どんな事になるとも知らずに……。

 

「貴様らもこれで終わりだっ!」

 

次回

Heroes of Heart

第五話「陰謀」

 

 

 

 

 

 

設定説明

 

 

 

“華龍”

 

身長:202cm体重:108kg

第三話、第四話に登場。

龍の民。龍臣と呼ばれる存在。

龍と薔薇と人間が混ざったような姿をしている。

薔薇を自在に変形させる能力を持ち、風を巻き起こす力を持っている。

必殺技は“鮮血薔薇”と発展系の“薔薇旋風”。

 

 

“本郷猛”

 

本話の最後に名前だけ登場した人。無論、あの人である。

 

 

 

 

 

 

〜あとがき〜

 

やっとオリキャラの名前が出せました。

どうも、タハ乱暴でございます。

Heroes of Heart第四話、お読みいただき、ありがとうございます。

さて、本話は少々実験的内容です。原因はデルタブルーこと我那覇舞ちゃんなんですが、彼女はとらハに名前付きで出ているものの、立ち絵どころか性格すら決まってなかったので、勝手にキャラを作らせてもらいました。

本話における「走り屋舞ちゃん」は、その一端であります。具体的な「走り屋」描写をしなかったのは、もしかしたら後々に舞ちゃんの性格が変わるかもしれないからです。このまま変わらなかったら、いつか書くかもしれません。






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