あれは、クリスマスイヴの夜のことだった。

 暴走を始めた闇の書の意志。

 それを食い止めるために戦い、その途中で闇の書に吸収され――

 

 

 そこで夢を見た。

 

 

 惜しみなく愛情を注いでくれる優しい母。

 昔と同じように見守ってくれる家庭教師。

 今と変わらず、自分の傍にいてくれる使い魔。

 そして、決して会えるはずのないはずの姉。

 

 その人たちに囲まれて過ごす幸福な時間。

 それは何度も何度も夢にまで見た、欲しかった時間。

 

 それでも、わたしは現実を選んだ。

 そこに後悔はないはずだ。

 なのに、なんでだろう。

 

 あの夜からこうも、胸をかき乱す痛みは……。

 

 

 

 

 

 

      第8話  「〜神雷〜 痛み」

 

 

 

 

 

 

  1月16日 (月)  PM 4:23

 

 三学期が始まってもう一週間になる。

 いつものようにフェイト、なのは、アリサ、すずかの四人で帰る道すがら、

 

「あ、そうだ」なにかを思い出したように「三人とも、この後の予定はなにかある?」

 

 前の方を歩いていたアリサが振り返って訊いてきた。

 

「え? ないけど……」

 

 なのはとすずかも同じように予定なしと答える。自分としては、いつものように誰かの家で遊ぶものと思っていんだけど。

 その予想を置き去りに、アリサは言う。

 

「これからちょっとお見舞いに行こうと思うんだけど、できたら付き合ってほしいかなって思って……」

「え? お見舞いって、誰か入院してたっけ?」

 

 少なくとも、自分たちの知る交友関係の中で入院中の人はいない。はやても年末のうちに退院して、今は週二回の定期健診になっている。そして今日は通院日ではない。

 

「あ〜〜、違うわよ。金曜日の夜に女の子が倒れてるのを見つけて、病院に連れて行ったの。目が覚めたら連絡してくれるっていうことなんだけど、まだ連絡が来ないからどうなってるのかなって気になるじゃない」

「え……っと、知らない子……なんだよね」

 

 意味も必要もない確認がすずかの口から漏れた。

 それに対してアリサは、

 

「そうよ。でも心配じゃない」

 

 あっさりと、それでいてはっきりと言い切った。

 その在り様に見とれた。責任感が強くて、友達想いで、ワガママなところもあるけど根本的には優しい子。この世界に来てからできた――実際はその少し前から知っていた友達はそんな女の子。

 その少女は以前アルフを助けてくれたように、今また見知らぬ女の子を助けようとしている。

 その姿に憧憬を感じていると、なのはが問いかけた。

 

「アリサちゃん、その子はなんで入院してるの?」

「HGSよ。見つけたときはホント、驚いたわ。一人だけ公園に倒れてたし、信じられないくらいの高熱だったし」

「HGS?」なのはの袖を引いて「なのは、HGSってなに?」

 

 それは当然の疑問だった。昔、リニスが家庭教師をしていた頃にも聞いたことがないから、この世界だけの病気かなにかなのだろう。

 でもそれだけでは詳しい症状は分からない。

 それをなのはは説明してくれた。

 

「HGSっていうのはね、高機能性遺伝子障害っていう遺伝子の病気なの。フィアッセさんもその病気の治療のために海鳴に来てたんだよ」

「へぇ……、そうなんだ」

 

 あのフィアッセ・クリステラがこの海鳴にいたというのは一週間前に聞いてはいたが、その理由までは知らなかった。

 

「で、どう? 来る? っていうか行く?」

「わたしはいいよ。予定ないから」

「あ、わたしも」

「わたしも、たぶん大丈夫」

 

 三人ともが銘銘に答える。その答えは全員が応諾。

 

「ありがと。じゃあ……」

 

 アリサが携帯電話を取り出し、どこかへと連絡する。二言、三言話してから電話を切って、

 

「今、鮫島を呼んだわ。迎えに来てもらう場所まで少し歩くけどいい?」

 

 それに対し反論が出ることもない。確かに今いるこの場所はアリサの家から病院をつなぐルートにはちょっと大回りになる。待ち合わせの場所は近くの公園を通り抜けたところだそうだし、問題があるとも思えなかった。

 

 

 ――そのときは、そう思っていた。

 

 

 その移動の途中ですずかが、

 

「なのはちゃん」

 

 なにやら神妙な顔で、話題を切り出した。

 

「こんなこと訊いちゃいけないかもしれないけど、何日か前にお父さんが生き返ったって本当?」

「え゛……!?」

 

 なんともいえない顔をして、なのはが硬直した。

 無理もない。今すずかが発した問いはあまりにも予想外だったから。

 

「あの、すずかちゃん? どうしてそれを……」

「お姉ちゃんが恭也さんから聞いたんだって。それでなにか調べるのを頼まれてたって」

 

 そう答えるすずかの顔には好奇心ではなく、なにかを心配するような色が浮かんでいる。

 

「そうなの?」

 

 アリサも興味を引かれたのか、会話に加わってくる。

 

「うん……、本当」

 

 隠していたことの後ろめたさか、それともあのときの後悔か、そう答えたその声はやけに重たい。

 

「ふーん。で、どうだったの?」

「どうって、そんなこと訊かれても……。わたしはおとーさんとは話さなかったから……」

「は? なんで?」

「だって、なに話せばいいか分かんなかったから。わたしはおとーさんに会ったことがないし……、あの人が本当におとーさんかも分かんないし……」

 

 アリサの呆れたような問いかけに、なのはは居心地悪そうに答えた。

 その気持ちはなんとなく分かる。

 物心ついた頃には、傍にいたのは母――プレシアとリニスだけだったし、自分の中にある『アリシアの記憶』にも父の姿はない。

 仮に今、父を名乗る誰かが目の前に現れたとして、その人がそうである証明はなにもないし(というか自分の出生の形からして父親はいないし)、なにも話したいと思うことはない。

 

 でも――

 右手は無意識に、『それ』を手にしていた。

 その小さな掌に乗っているのは、三角形の金の台座に乗った小さな宝石。

 名前はバルディッシュ。かつてのフェイトの家庭教師であったリニスが作り上げた、フェイト・テスタロッサただ一人のためのインテリジェントデバイス。

 そのデバイスも、一昨日の土曜日にようやくメンテナンスから手元に戻ってきたばかりだ。カートリッジシステム搭載のインテリジェントデバイスとなると、その構造は繊細中の繊細。整備を担当した係員も結構苦労したことだろう。

 そして、バルディッシュと一緒に預けられたなのはのレイジングハートは、予定通りに行けば明後日にはメンテナンスが終わるらしい。預ける前に前もってフレーム強化などで時間がかかると聞いていたので、当人たちもそれは納得済み。

 それよりも、フェイトの関心はもっと別のところにあった。

 あの夜の、白い髪の青年。

 とりあえず、現状では管理局の方でめぼしい情報は見つからないらしい。無限書庫のユーノにも当たっているようだが、ここは管理局の管理外の世界。そっちの成果はあまり期待できないというのが、クロノの弁。

 その説明に、少しでも落胆の仕草を見せてしまったのは失敗だった。

 それを見て、クロノは忠告のように言った。

 

――とりあえず、今後も彼のことは調べてみるつもりだ。それに、前に言ったようになのはやはやてたちにも協力してもらうことになるだろう。……でも、君はあまり深入りしないほうがいいと思う。

 

 たぶん、心配してくれたのだろう。自分が、自分の真実を知ったとき、どれほど絶望したかを彼は知っている。

 でも大丈夫。

 わたしはもう『本当の自分』を始めた。

 あの日、なのはとも誓った。強くなると。

 だから、それがどんな結果でも、ちゃんと受け止めてみせる。

 けど、そもそもなんでそんなにも彼のことを知りたがっているのかと問われれば……なんでだろう。それが自分でも分からない。

 確かに、死者蘇生はわたしの出生に大いに関わりがある。なぜなら、元は『アリシア・テスタロッサ』の蘇生体として作られた人造生命なのだから。

 でも、わたし自身にその願いがあるかというと……たぶん、ない。夢ではなく、この現実の世界であの夜の夢の続きを見られるとしても、きっと求めない。

 

 誰かが死ぬのは悲しいことだ。

 命ある者全てにある、決して逃げられない絶対の終焉。

 どんなに取り繕っても悲しみしか残さない永遠の別離。

 それはきっと、誰もが望みはしない答え。

 でも、だからこそ、命は生きていると言えるのではないか?

 それが一瞬でも永遠でも、二度目などなくやり直しなどない、ただ一度の今。

 だから、命というものは尊いものなのではないか?

 だから、それはきっと求めてはいけないものだ。認めてはいけないものだ

 

 それでも、心の奥のなにかが叫び、求めている。

 あの青年――■■に会って、それから――

 

――わタシがコろしテあげなイト

 

「フェイトちゃん、どうかしたの? なんだか元気ないけど」

 

 すずかの声で、我に返った。

 ……今、わたしなにを考えてた?

 

「あ……なんでもない」

 

 なんとか笑顔を作って見せる。が、上手くいかなかったのだろうか。すずかは心配そうな様子をさらに深めて、

 

「でも顔色、すごい悪いよ。気分が悪いんだったらノエルに来てもらうけど」

「本当になんでもないよ。ちょっと考え事してただけだから……」

 

 それで今考えていたのが話しにくいことだとは察してくれたらしい。心配そうな様子は残ったままだが、とりあえず追及はやめてくれた。

 よほど深く考えに浸っていたのだろう、気がつけばいつの間にか――

 

「あれ……?」

 

 話に夢中になっていて気がつかなかったけど、いつの間にか公園の林の中にいた。

 それは問題はない。アリサがいう待ち合わせの場所にはここを通り抜けるのが一番の近道だ。

 けど、フェイトの感覚に引っかかる違和感。これって――

 

「ねえ、なんだかおかしくない?」

 

 問いかけてみるが、三人ともがなにを言っているのか分からないと言いたげに首を傾げた。

 それも当然だ。自分だって言われた側なら同じ反応を示す。今の言葉は決定的に主語が欠けている。自分でもなにが、どうおかしいのか分かっていないのだから。

 

「なのは、あなたは分かる?」

「え? ……ううん。わたしはなにも……」

 

 これが魔法によるなんらかの結界であれば、自分だけでなくなのはも気づいているはずだ。だけどその様子はない。

 すると、やはり自分の勘違いだろうか。そう認めてしまえばそれでもうこの話題は終わる。

 だけど、どうしてもそうすることができない。

 拭い落とせない違和感の正体を探そうとして周囲を見渡し――気づいた。

 

「もしかして……」

 

 そう。

 この小道に入った瞬間から感じていた違和感。その正体がようやく分かった。

 周囲の気配がとても薄い――いや、ないと言っていい。人気が少ないのはいつものことだけど、今日はいつにも増して静か過ぎる気がする。

 まるでこの場所だけ、世界から孤立してしまったように……。

 でも、なんで……?

 

(――――――……)

 

 一瞬、耳鳴りのようになにかが響いた。

 どこかで聞き覚えのあるようなその耳鳴り。それは――

 

――わたシを、ヨンでル?

 

「フェイトちゃん?」

 

 なのはの呼ぶ声すら聞こえていなかった。

 ただ、自分の直感の導くままに足を進める。

 さっきの場所から少し進んで、そこを林の中へ入って、

 

 そこに、彼はいた。

 

 一度でも見たなら見間違えようのない異質な容姿。雪のように綺麗な真っ白な髪と……目の方は眠っているのか閉じられていて分からないけど、それでも間違いなく、あの夜の彼だと断言できる。

 神雷と呼ばれていた青年が、道端の木にもたれるように座り込んでいた。

 

「はぁっ……、はぁっ……」

 

 走った距離は少しなのに、息が落ち着かない。

 胸の鼓動が激しくなって、喉の奥が粘つく。

 ゴクリ、と喉を鳴らして唾を飲む。

 自分でも分からない衝動のままに、彼の顔に手を伸ばして――

 結果的に、その手が届くことはなかった。

 その手が届く前に、彼はうっすらと目を開いて――

 

「ヒカリ……?」

 

 息が、止まった。

 その言葉にいったいどんな魔力が込められていたのか、その一言だけで縫い付けられたかのように動けなくなった。目を逸らすことも、顔を背けることも、手を伸ばすこともできず、金縛りにかかったように立ち尽くす。

 そんなこちらの異常など構いもせず、彼の手が頬へと伸ばされて――

 その手が頬に触れるか否かというところでビクリ、と異様な反応を見せて止まった。

 

「違う」

 

 彼の顔が、翳りを帯びる。この人は、

 

「お前は、ヒカリじゃない……」

 

 自分を通して、自分ではない誰かを見ている。

 その事実は、フェイトの心に予想外の反応を呼び起こした。

 それは自分の心の最も奥深くに封じたはずの記憶。

 

――フェイト……あなたはやっぱりアリシアの偽者よ。折角上げたアリシアの記憶も、あなたじゃダメだった

 

 目の前が暗くなる。

 指先が震えるのを止められない。

 

――アリシアを蘇らせるまでの間、わたしが慰みに使うだけのお人形

 

 あのとき感じた絶望が、あのときのままに胸に蘇る。

 もうやめて。これ以上は――

 

――だからあなたはもういらないわ。どこへなりと、消えなさい!

 

 気がつけば走り出していた。

 もう振り切ったと思っていた。

 自分は『アリシアの代わり』ではない、『フェイト・テスタロッサ』なのだと。

 もう自分は『本当の自分』を始めたと。

 

 だけど結局、何一つ振り切れていないことを、たった一言で思い知らされた。

 

 

 

      *   *   *
 

「フェイトちゃん!」

 

 突然逃げるように走り出した親友を、なのははすぐさま追いかけた。

 すずかは、一緒に行こうとしたようだけど、その後に続かないもう一人に気づいて足を止め、判断に困るようにこっちとフェイトの走り去った方を交互に見ている。

 そしてそのもう一人、最後に残った自分は――

 

 乾いた音が静かな森に響いた。

 思いっきり、青年の頬を叩いた。その音は、これ以上ないほどに澄んだ響きを持って響く。

 

「ア、アリサちゃん」

 

 後ろからすずかが窘めてくるが、それを聞くつもりはすでに――というか最初からない。

 

「……なんのつもりだ?」

 

 正面から問いかけてくるのは、白い髪と黄金の隻眼の青年。渾身の力を込めた張り手を受けていながら、それに堪えた様子はない。

 

「なんのつもりって、あなたこそなんのつもりよ!」

 

 激情の熱をそのまま叩きつけるように叫んだ。

 それでも青年はアリサの怒りの意味を捉えられないらしく、首を傾げる。もはやその仕草さえ、癇に障る。

 

「なによ! さっきのがいったいどういう意味か知らないけど、あたしの友達を泣かせてしらばっくれる気!? もしあの子のトラウマにでもなるようなら、死刑にだってしてやるわよ!!」

 

 なぜだろう。自分の言葉なのに、自分のものではないように聞こえる。事実、普段なら絶対に言わない言葉さえ容易く口にしている。

 そして青年も、よりにもよってそこに気づいた。それは当然といえば当然のことだが。

 

「死刑、か。……なかなか過激だな」

 

 淡々と、他人事のように言う。その態度もまた、今の自分にとっては激情という火にガソリンのドラム缶を放り込むも同然の行為でしかない。

 

「女の子を泣かせたんだもの。死刑で当然よ」

 

 フン、と鼻息も荒く言い捨てる。自分でもそれはものすごい理屈だと思うが、熱くなった思考はそう簡単に止まらない。

 

「そうか」白髪の青年はなにか遠いものを見るような目で「じゃあ、やってくれ」

「へっ?」

 

 思わず間抜けな声が出た。

 だが、そんなことをしているうちに青年は次の行動に出ていた。あまりに自然な動作だったせいでまったく気づかなかった。

 気づいたときには自分の右手にナイフが握らされており、そしてその手の上から彼の手が放さぬようにとしっかりと固めている。

 そしてそのまま右手を引かれ――

 

 ブチュリ、とナイフを介して右手に伝わる不気味な感触。

 

 それが青年の右目を刺し潰した感触だと理解するのに二秒かかった。

 

「……ッキャアアアアァァ――!!」

 

 だがそれだけでは終わらない。彼はそのまま掴んだ手で、

 

 ジュブ。

 

 捻って、

 

 ズチョリ。

 

 抉り出した。

 そこが限界だった。

 

「ひぁっ……。やだ! やだやだぁ! 放して。放してぇーー!」

 

 叫びながら掴まれた右手を引き抜こうと必死にもがく。もうどちらが加害者で、どちらが被害者かも分からない。

 

「次はどこにする? 耳でも舌でも鼻でも……いっそ喉を裂いてみるか?」

 

 考えるだけでも恐ろしい言葉を淡々と述べ、右目のあった真っ黒な空洞がこっちを向いている。

 もう余計なことを考える余裕はない。ただ、一分一秒でも早くここから逃げ出したい。

 だが、子供の力で振り切れるような拘束ではなかった。それでも諦めず、肩も外れよと言わんばかりに引っこ抜こうとして――

 あっさりと、掴まれていた手をグイッと引かれ、青年のもう片方の手に肩を掴まれて振り向かされたところを、信じられないほどに顔を近づけられた。ちょっと動けばキスしてしまいそうなほど近くに彼の顔がある。

 それほどの至近から、彼は囁く。

 

「友達のことで怒れるっていうのはある意味美点でもある。でもな、自分の言葉にはちゃんと責任を持てよ」

 

 青年の言葉は、さっきの自傷行為のときのわずかな愉悦などなく、ただ真摯な響きだけがある。

 

「『誰かのため』なんて言葉は、裏を返せば『誰かのせい』という言い訳にも取れる。本当にそれを口にしたいなら、罪も悪も全て背負い、血に濡れた自分を嘲りながら誇る覚悟が出来てからにしろ」

 

 眼窩から流れ出る血が垂れて、頬にかかる。その熱さにゾッとする。

 

「分かったか?」

 

 近かった顔がさらに近づけられる。右目の空洞が覗き込むようにさらに開かれ、それがただただ恐怖を後押しする。

 本当のところ、さっきまでの話など理解どころか聞く余裕すらなかったが、ただここから逃げ出したい一心で首を振る。

 

「なら、行け」

 

 その言葉と共に、拘束していた両手がパッと手放された。丁寧なことに、握らされていたナイフまで取り上げられている。

 その瞬間、アリサは弾かれたように動いた。

 アリサの後ろで青年の講釈を聞き呆然としていたすずかの手を取り、全力で逃げ出した。

 

 怖かった。

 

 右手を濡らす赤い熱も、覗き込むように開かれた暗い空洞も、感情もなく淡々と紡がれる声も、

 なにもかもが、アリサにとって恐怖の対象でしかなかった。




 さて、ようやく謎と伏線と最悪の第一印象をばら撒く主人公、神雷の再登場です。

 ……長かった。最初からこういう構成で行こうと決めていたのですが、いざやってみると時間はかかるし各キャラの話は薄いしで、このやり方はひょっとして失敗? とか、最近考えたりしちゃってます。

 でもまぁ、やり始めたことということで第一部が終わるところまではこの勢いで進めていこうと思います。感想が掲示板に出てこなくても、読んでる人がいなくても。

 ……自分で言うと輪をかけて虚しいな、おい。

 

 ではあとはいつもどおりに。

 

・フェイト視点

 

 まず前半はここまでのオリキャラたちとの関わりからくる日常の場面。

 書く頃になって気づいたのですが、アリサとすずかがもうそれぞれ別のオリキャラたちに接触してるんですよね。アニメでは『日常』を担当するキャラだったはずが、すでに『異常』に関わってしまっているとは。

 なのはかはやてが志乃と関わっていたなら、このグループが今後の話の中心になっていたでしょう。

 

 そして後半ではフェイトと神雷の出会いとなっています。

 出会いの印象が最悪から仲良くなるなんてのはこの手の話ではよくあるでしょうが、実際にはどうなんでしょう。ここ数年そういう会話の覚えのない彼女いない暦二十四年には分からないんですが。

 それと、いくつかおかしな仕様となっていますが、それはまぁオリジナルの設定からくる表現ということで。

 全部を明かしてから読み返して、ああそういうことかと思ってもらえるといいのですが。

 

・アリサ視点

 

 言わせてもらいますが、私はアリサを嫌いではありません。

 それがなぜこんな扱いをするかといえば……やはり伏線ということで。前話のファリンともう一人、クロス作品ということで設定考えたキャラなので、今後(というか後半)に重要な役割に立ってもらう予定です。

 





うっ。流石に女の子にあれは酷いな。
美姫 「うーん、確かにね」
うーん、神雷の再登場で、どう展開を見せるのか。
美姫 「色々と謎はあるけれど、これまでに出てきた人物たちがどう動いて」
どう絡んでいくのか。
美姫 「次回をお待ちしてますね」
待ってます。



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