『子猫のトムのお話V』





 トムは今はピーターラビットのお家にお邪魔してピーターラビットと遊んでいます、その中で彼は自分の周りを飛ぶ蠅を見てついです。
 右の前足を出してしまいました、ピーターラビットはそれを見て言いました。
「君目の前で動くものがあるといつも前足を出すね」
「もう自然とだよ」 
 トムはそれこそと答えました。
「本当に自然にね」
「前足が出るんだね」
「出さずにいられないよ」
 こう言うのでした。
「絶対にね」
「君の癖かな」
「僕だけじゃないよ」
 トムはピーターラビットにお話します、もう蠅は何処かに行ってしまっていてトムも反応していません。
「猫はね」
「皆そうなんだね」
「目の前で動くものがあったらね」
 猫ならというのです。
「自然とだよ」
「前足が出るんだ」
「それで飛びついてしまうんだ」 
 そうだというのです。
「絶対にね」
「それじゃあね」 
 ピーターラビットはトムのお話をここまで聞いて言いました。
「僕が何かしてもかな」
「僕の目の前で動いたら」
「それじゃあ」
 ピーターラビットはトムの言葉を受けてお花を百合のお花を出しました、そしてトムの前でゆらゆらと動かすとです。
 トムは忽ちのうちに目を輝かせてそのうえで両方の前足をぱっと百合のお花の方に出しました、ピーターラビットは慌てて後ろに下がって言いました。
「本当だね」
「うん、こうしてだよ」
 トムはまさにと答えました。
「僕そして猫はね」
「動くものを見ると何でもだね」
「飛びついてしまうんだ」
「猫の習性だね」
「そうだよ、兎にもあるよね」
「そう言われたら」 
 ピーターラビットは確かにと頷きました。
「思い当たることがあるよ」
「そうだね」
「猫も兎もあるんだね」
「それぞれね」
「猫だけが特別じゃないね」
「うん、けれどね」
 トムは今は動かない百合のお花、ピーターラビットがお家の花瓶に入れたそれを見ながら言ったのでした。
「何でもないものでもね」
「動くとだね」
「どうしても反応するよ」
「今は君は百合のお花に反応しないね」
「見ても何とも思わないよ」
 実際にというのです。
「前足も動かないよ」
「そうだね」
「奇麗だね」
 百合のお花を見て微笑んで言います。
「そう思うよ」
「純粋にだね」
「うん、ずっと見ていたいよ」
 微笑んだままでの言葉でした。
「少なくとも暫くね」
「じゃあお茶を飲みながら見る?」
 ピーターラビットはトムに提案しました。
「紅茶をね。それでお菓子も食べながら」
「いいね、じゃあそうしよう」
「うん、それじゃあね」
「今から一緒に用意しよう」
 二匹でお話してでした。
 一緒にお茶とお菓子の用意をしてそのうえで一緒に飲んで食べます、テーブルに向かい合って座ってそうしますがその間にある百合のお花は今は動かしません。ですがそこにあるだけで満足出来る位奇麗でした。


子猫のトムのお話V   完


                   2026・2・25








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