『オズの魔法の谷』




                第四幕  学園都市

 皆は馬車に乗って魔法の谷へ行く旅を楽しんでいます、その間ふと馬車を轢くハンクはこんなことを言いました。
「魔法の谷はギリキンにあるよね」
「ええ、そうよ」
 トロットが応えました。
「知ってるわよね、貴方も」
「うん、それであの国にはね」
 ギリキンの国にはというのです。
「色々な国があるね」
「北岸の方にね」
「オズの国の大陸の」
「ああ、わかったわ」
 トロットはハンクとお話をしてわかって言いました、馬車は今も三百六十度奇麗に景色が見えています。
「谷にあちらの国々の人が来るのか」
「そのことがね」
 どうにもというのです。
「来て欲しいってね」
「思っているのね」
「そうなんだ」
 実際にというのです。
「実はね」
「そういうことね」
「うん、皆来て欲しいよ」
 ハンクは心から言いました。
「是非ね」
「どの国の人達もまさにね」
 それこそとです、ベッツィも言ってきました。
「オズの国の人達なのよね」
「そうだよね」
 ハンクはベッツィにも応えました。
「夢のある人達でね」
「身体が普通の人と違う人もいるし」
「それでね」
 そうであってというのです。
「個性的で」
「面白い人達ばかりよ」
「キャンディマンさんやドウ一世も」
「うん、全くだよ」
 キャプテンも言います。
「外の世界では想像も出来ないよ」
「パンやキャンディの身体の人達もいるよ」
 オジョは何でもないといった口調です。
「オズの国ではね」
「それが外の世界ではだよ」
 キャプテンはオジョに答えました。
「そうはいかなくてね」
「オズの国はお伽の国だからだね」
「そうした人もいるんだよ」
 そうだというのです。
「オズの国ではそれが普通なんだよ」
「けれど外の世界では普通じゃないね」
「そうだよ、それぞれの世界で違うんだ」
「オズの国と外の世界で」
「外の世界では不思議だよ」
 そうした人達はです。
「そしてね」
「オズの国では普通だね」
「そうなんだよ」
「それぞれ違うね」
「そうだよ、そして今はね」
 キャプテンはさらにお話をしました。
「わしも普通に思っているよ」
「キャプテンさんもオズの国の人になったからね」
「だからだよ」
 本当にというのです。
「普通になったよ」
「そうだね」
「そしてオズの国に来られて」
 それでと言うキャプテンでした。
「そうなったけれどね」
「オズの国に来られてよかったかな」
「とてもね」
 オジョに笑顔で答えました。
「本当にね」
「それは何よりだね」
「全くだよ」
「ドロシーなんかずっとオズの国とカンサスを行ったり来たりだったね」
「ええ、何回もね」
 ドロシーは一緒に景色を楽しんでいるトトに答えました。
「そうだったわ」
「それだけ行き来することもね」
「思えば凄いわ」
「あの頃はオズの国と外の世界を行き来する門なんてなかったのに」
「それでも五回も行けるなんて」
「ドロシー以外なかったよ」
「誰もね、そして五度目でね」
 オズの国に来てというのです。
「そしてね」
「遂に定住したわ」
「そうなったね」
「完全にオズの住人になったわ」
「嬉しかったよね」
「おじさんもおばさんも一緒だから」
 ご家族がというのです。
「本当にね」
「よかったね」
「ええ、そして今はこうして」
「旅をしているね」
「皆と一緒にね。旅が出来ることも」 
 トトににこりと笑ってお話します。
「もうね」
「嬉しいことだね」
「本当にね」
「僕も嬉しいよ。ドロシーと一緒にいられるから」
「トトとはカンサスからの家族で」
 おじさんおばさんと同じくです。
「それでね」
「百年以上一緒だね」
「今ではね」
「オズの国の人は誰も歳を取らないですね」
 カルロスはこのことを言いました。
「誰も死ななくて」
「外の世界から来た人達もですね」
 恵梨香も言います。
「オズの国に来たらそうなりますね」
「ずっと歳を取らなくて死ななくて」 
 それでと言うナターシャです。
「オズの国で楽しく過ごせますね」
「人も生きものもそうで」
 神宝が続きました。
「不老不死ですね」
「だから百年以上子供のままでいられますね」
 ジョージは今のドロシーを見てお話しました。
「そうですね」
「そう、私はカンサスにいた頃のままよ」
 ドロシーは五人にもお話しました。
「ベッツィもトロットもキャプテンもトトもね」
「皆さんそうですね」
「ずっと歳を取らないですね」
「そして死なない」
「そうしてずっといられますね」
「オズの国に」
「お伽の国だからね」 
 その為にというのです。
「そうよ」
「あまりにも素敵な国で」
 それでと言うのはボームさんです。
「私も皆に紹介出来て嬉しかったよ」
「外の世界におられた時は」
「オズの国からの通信を受け取ってでしたね」
「そうして書いておられましたね」
「それがボームさんのお仕事でしたね」
「ずっとそうでしたね」
「そうだったんだ、とても楽しいお仕事だったよ」
 カルロス達五人に笑顔でお話します。
「本当にね」
「ドロシーさん達の活躍を」
「沢山紹介してくれましたね」
「オズの国の歴史を」
「一体どうなっているか」
「そのことを」
「うん、そして今はね」
 現在のこともお話するのでした。
「宮殿で働いているよ」
「オズの歴史を編纂されていますね」
「王室のそれを」
「オズマ姫達の活躍を記録されていますね」
「それも全て」
「ずっとそうされていますね」
「このお仕事も楽しくて」
 そうであってというのです。
「毎日充実しているよ」
「そうですね、ただ」
 ここでカルロスが言いました。
「オズの国は沢山の人がいて沢山の国がありますね」
「そうだよ」
 ボームさんはその通りだと答えました。
「オズの国という国の中にね」
「そうですよね」
「そしてね」 
 それでというのです。
「歴史家の人達もだよ」
「大勢おられますね」
「王室以外にもね」
「それぞれの国、街や村で歴史が編纂されていますね」
「それぞれの歴史があるんだよ」
「それぞれの国、街や村、人で」
「そうだよ」 
 こうお話するのでした。
「これがね」
「そうなんですね」
「だからね」
 それでというのです。
「私は王室の歴史を編纂して」
「それぞれの歴史家の人達もですね」
「記録してね」
「編纂していきますね」
「中にはね」
 ボームさんはさらにお話します。
「日記を書いている人もいるね」
「そうですね」
「ブログの人もいますね」
「オズの国のエックスもありますね」
「フェイスブックも」
「ブルースカイも」
「そう、そしてね」
 そうであってというのです。
「そうしたものもだよ」
「オズの国の歴史で」
「見るべきものですね」
「日記も貴重ですね」
「貴重な歴史ですね」
「全く以て」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「日記もいいよ、そしてオズの国の歴史家の人達は皆優れているよ」
「学者さんはどの人でもですね」
 カルロスはまさにと応えました。
「優れていますね」
「オズの国の学者さん達は」
「そうですね」
「歴史だけでなくどの分野もそうで」
「優れていますね」
「そうであってね」
 それでというのです。
「そのこともいいよ。オズマ姫も学者さんそれに学問を大切にしているしね」
「自由な学問も保証しているわ」
 ドロシーがお話しました。
「だってそうでないとね」
「学問は栄えないね」
「ええ、自由でないとね」
 さもないと、というのです。
「とてもね」
「発展しないね」
「若し変な縛りを設けたり言いがかりを付けたら」
「その国の学問は駄目になるよ」
「そうなってね、そうしたことをした人は」
 学問に制限や言いがかりをつけた人はです。
「絶対にいい結末を迎えないわ」
「全くだね」
「学問を害する人は学問に裁かれる」
「そうなるね」
「お仲間の人達も」 
 それこそというのです。
「絶対にね」
「いい結末にならないね」
「若し自分だけ可愛いとかいい目を見たいとか」
「そうした考えで加担しても」
「いいことにはならないわ」
「そうだよ」
 ボームさんはまさにと応えました。
「オズの国でする人はいないけれどね」
「オズマはそうしたことはね」
「絶対にしないしね」
「他の人もだよ」
「そんなことはわかっているよ」
「ええ、そしてね」
 そうであってというのです。
「王立大学でも他の大学でもね」
「皆自由に学んでいるね」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「物凄く学問が栄えているわ」
「その通りだね」
「文系も理系もね」
「歴史は文系になるね」
「ええ、それで今度行く街は」 
 それはといいますと。
「学園都市よ」
「どんな街ですか?」
「街自体が一つの学校なの」 
 ドロシーはカルロスに答えました。
「これがね」
「大学や高校があって」
「小学校も中学校もですか」
「色々な研究機関もあるんですね」
「学生さんや先生が市民ですね」
「校舎やグラウンドが一杯あるんですね」
「そうなの、皆学校で暮らしていて」
 カルロス達五人にお話します。
「学校に通って授業を受けてね」
「お勉強や学問をして」
「研究もして」
「それにスポーツもしますね」
「そうした街なんですね」
「それが学園都市ですね」
「そうなの。その街に入るのよ」
 これからというのです。
「楽しみにしていてね」
「わかりました」
「そうさせてもらいます」
「一体どんな街か」
「今から凄く楽しみです」
「本当に」
「期待していてね。それでね」
 ドロシーはさらにお話します。
「校舎も他の建物も凄く立派よ」
「オズの国は王立大学も立派ですね」
「あちらも街と言っていいですよね」
「それであの大学みたいにですか」
「街になっていますか」
「そうした街ですか」
「そうよ、そしてね」 
 そうであってというのです。
「その奇麗さときたら」
「凄いですか」
「何か見るのが楽しみです」
「本当に」
「今から行きますが」
「入るのが楽しみです」
「そうしていてね」
 ドロシーは今もにこりとしています、そしてです。
 皆でその街に入りました、先が尖った煉瓦造りの塔や校舎が立ち並んでいて校舎の一つ一つがアーチで結ばれていてです。
 運河や木々、花壇があって大勢の制服姿の男の子や女の子が行き来していてグラウンドでは体操服姿の子達がスポーツをしていて教室では授業が行われています。
 その街の中に入ってです、カルロス達五人は思いました。
「まさに学校だね」
「そうよね」
「授業が行われていて」
「スポーツもしているし」
「図書館もあるし」
「そう、まさに街全体が学校で」  
 ドロシーは五人にお話しました。
「そしてね」
「皆学校に通ってるんですね」
「授業も受けていますね」
「先生もおられますし」
「校舎もありますね」
「グラウンドも花壇もお池も」
「そう、そして建物の趣は」
 それはといいますと。
「西欧風でしょ」
「イギリスみたいですね」
 カルロスが言ってきました。
「全体的に」
「建物はね」
「アメリカかというと」
「また違うでしょ」
「はい」
 実際にと答えました。
「本当に」
「制服は色々でしょ」
「一つじゃないですね」
「私服の人達もいるわね」
「確かに」
「ここは一つの学校だけじゃないの」
 ドロシーはお話しました。
「沢山の。合わせて百の学校が一緒になってね」
「街になっているんですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「それぞれの学校で制服があって」
「私服の学校もあってですね」
「色々だから」
 だからだというのです。
「制服の種類も沢山あるのよ」
「そうですか」
「そしてね」
 そうであってというのです。
「食堂も一杯あるわ」
「そうそう、もうね」
 ベッツィが言ってきました。
「そろそろね」
「お昼の時間よね」
「そうよね」
「近くの食堂に入りましょう」
 ドロシーは笑顔で言いました。
「この街はどの食堂でも食べられるから」
「どの学校の人もね」
「それでどの食堂でも食べたいものを注文したらね」
「そのお料理が食べられるわね」
「だからね」 
 それでというのです。
「近くの食堂に入りましょう」
「それじゃあね」
「さて、何を食べようかしら」
 トロットはこちらのお話をしました。
「一体」
「注文したものは何でも食べられるでしょ」
「ええ、シチューとパンにしようかしら」
「トロットはそちらにするの」
「そう思ったわ」
 今しがたというのです。
「ふとね」
「シチューもいいわね」
「シチューにムニエルにね」
 それにというのです。
「ボイルドベジタブルかしら」
「デザートは何にするの?」
「メロンかしら」 
 トロットはそちらだと答えました。
「やっぱりふと思ったけれど」
「メロンね」
「ええ、メロンもいいわよね」
「私も好きよ」
 ドロシーは笑顔で答えました。
「美味しいわよね」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのです。
「デザートはね」
「そちらにするのね」
「ええ」
 まさにというのです。
「今回はね」
「いいわ、じゃあ私もね」
「デザートはメロンね」
「それにするわ」
 こう言うのでした。
「それじゃあね」
「じゃあ皆でね」
「食堂で食べましょう」 
 笑顔でお話してでした。
 皆で食堂に入って食べました、そして皆で食べた後は街の中を見て回りましたが本当に全てが学校の敷地内でして。
 至るところに学生さんがいます、ドロシーはその中で言いました。
「市長さんも先生なのよ」
「学校のですか」
「そう、この街の中のある大学の学長さんで」 
 カルロスにお話します。
「それでね」
「学長さんで、ですね」
「先生なのよ」
「そうなんですね」
「それでね」
 皆と一緒に街のを歩きつつお話します。
「エルフなのよ」
「エルフですか」
「そうよ、これからお会いするけれど」
「どんな人かですね」
「お会いしてね」
 実際にそうしてというのです。
「確かめてね」
「どんな人かですね」
「そうしてね」
「わかりました」
 カルロスも他の皆も頷きます、そして奇麗な赤煉瓦の塔がある建物に入って市長さんのお部屋に入るとです。
 とても奇麗な若々しいスーツ姿の男の人のエルフがいました、見事なブロンドの髪が腰まであって眼鏡をかけた青い澄んだ目をしています。
 その人がです、ドロシーに握手をしてから言いました。
「またおいで下さって何よりです」
「ええ、お邪魔させてもらうわね」
「はい、それで彼等がですね」 
 エルフの男の人はカルロス達を見て言いました。
「オズの国の名誉市民の」
「ええ、五人の子供達よ」
「そうですね」
「これから魔法の谷に行くけれど」 
「この子達も一緒にですね」
「行くのよ」
「そうですか、はじめまして」  
 濃紺のスーツとベスト、緑のネクタイに白いブラウスそして黒い革靴を履いた男の人はカルロスにもお話しました。
「この街の市長でハインリヒといいます」
「ハインリヒさんですか」
「エルフの学長さんでして」
「それでこの街の市長さんでもありますね」
「そうですね」
「そうです、この街の工科大学の学長を務めさせて頂き」
 そしてというのです。
「街の市長も務めさせて頂いています」
「そうなんですね、ただ」
 ここでカルロスは言いました。
「工科大学の学長さんなんですね」
「工科大学は科学の大学ですね」
 ジョージはこう言いました。
「理系ですね」
「エルフって魔法使うイメージですが」 
 それでもと言う神宝です。
「オズの国では科学を学ぶこともあるんですね」
「それで工科大学の学長さんで」 
 ナターシャも言います。
「理系を学ばれてるんですね」
「それで専門は何でしょうか」
 恵梨香は市長さんに尋ねました。
「一体」
「電子工学です」  
 市長さんはすぐに答えてくれました。
「私の専門は」
「電子工学ですか」
「凄いですね」
「本当に理系なんですね」
「それで科学者なんですね」
「そうなんですね」
「オズの国では誰もが好きなものを学んでもいいからね」
 ボームさんが五人にお話しました。
「それでだよ」
「エルフの人もですね」
「科学を学ばれるんですね」
「そうしたことがあるんですね」
「オズの国では」
「魔法でなくて」
「はい、私は魔法は学んでいません」
 市長さん自身も言います。
「魔法の使用は免許制ですが」
「最初はオズマとグリンダと魔法使いさんしか使えなくて」 
 ベッツィがお話します。
「今は免許を習得すれば使えるのよね」
「そうそう、講習を受けてテストも受けて」
 トロットはベッツィに応えました。
「習得出来るのよね」
「そう、そして」
 そうしてというのです。
「妖術や仙術、錬金術も入るのよね」
「魔法の中にね」
「超能力や法力も」
「全部そうだね、それでね」
 キャプテンも言います。
「科学もあるんだよ」
「オズの国にはね」
「そうだね」
「だから」
 それでというのです。
「市長さんはね」
「科学を学んで」
「科学者になったのね」
「電子工学ね」
「その専門家ね」
「そうです、科学は大好きです」
 市長さんは微笑んで言いました。
「実験も」
「実験っていいますと」
 オジョが尋ねました。
「理科の。化学の」
「そうです、私は電子工学が専門ですが」
 それでもというのです。
「化学の実験も好きで趣味です」
「趣味ですか」
「はい」
 そうだというのです。
「私も。そして数学の公式を解くことも」
「お好きですか」
「趣味です」
 こちらもというのです。
「そうなのです」
「科学っていうと」
 ハンクはここで言いました。
「凄いものを生み出すイメージがあると」
「世の中の謎を解いたりね」
 トトはこうハンクに言いました。
「そうしていくね」
「何がどうであるか」
「それを説明してくれるよね」
「何かとね」
「だから科学って凄いね」
「偉大だよ」
「だったら」
 トトはここでふと思って言いました。
「ボタン=ブライトのことも」
「ああ、あの子だね」
 ハンクもお話を聞いて頷きました。
「不思議だよね」
「寝ている時に何処かに行く」
「そうするからね」
「不思議だよね」
「科学で説明出来るかな」
「あの子の寝ている間に何処かに行くことは」
「彼のことですか」
 市長さんは二匹のお話を聞いて言いました。
「実はまだ判明していません」
「どうして移動しているか」
「寝ている間に」
「瞬間移動みたいに」
「どうしてそうなるのか」
「この街でも調査研究をしている人がいますが」
 それでもというのです。
「謎です」
「科学でもわからないことがあるんだね」
「そうなんだね」
「世の中わからないことが非常に多いです」
 市長さんは冷静にお話しました。
「それで、です」
「あの子のこともなんだ」
「まだわかっていないんだ」
「これからわかります、わかっていないことは」
 それはといいますと。
「わかるものです」
「調査して研究して」
「それでだね」
「ものが落ちる速度はどれも同じであることも」
 このこともというのです。
「実際にやってみてわかりましたし」
「それでだね」
「あの子のこともだね」
「これからはです」
 まさにというのです。
「わかるかも知れません」
「本当に不思議なのよね」 
 ドロシ―も首を傾げさせつつ言います。
「あの子のことは」
「そうだよね」
「寝ている間に何処に行くかわからないから」
「行かないこともあるしね」
「不思議な子よ」
「いつもいきなり会うよ」
 トトも言います。
「本当にね」
「そのことがわかるかしら」
「どうして寝ている間に移動するか」
「科学でね」
「説明出来る様になるかな」
「そうなるかも知れません、わからないことをわかる様になる」
 市長さんは微笑んで言いました。
「それこそがです」
「科学ね」
「はい、それと今の科学は絶対ではありません」
「どんどん進歩していくわね」
「今の学説も」
 それもというのです。
「間違いだとされたりもします」
「実際はどうかわかって」
「そうです、そして未来はどう進歩するかも」
 科学がというのです。
「わかりません、それに」
「それに?」
「今は無理なことでも」
「将来は可能にもなるわね」
「はい」
 そうだというのです。
「そうもなりますので」
「今の科学では語れないわね」
「未来のことは」
「そうなのね」
「はい、科学は絶対ではなく」
「今の科学で未来は語れないわね」
「これからです」
 まさにというのです。
「どう進歩するか」
「そのことはですね」
「どうにも言えません」
 そうだというのです。
「とても」
「それじゃあですね」 
 カルロスは市長さんに尋ねました。
「今の技術で未来が舞台の漫画やアニメの技術を語っても」
「何にもなりません」
 市長さんはすぐに答えました。
「全く」
「そうなんですね」
「未来はどう進歩するかわからず」
「今とどう変わるかですね」
「やはりわからず」
 そうであってというのです。
「今は不可能でも」
「未来は可能になりますね」
「そうなったことが多々ありますね」
「オズの国でもですね」
「はい、ですから」
 それ故にというのです。
「今の科学の知識や技術で未来のそれ等は語れません」
「漫画やアニメのものでもですね」
「そうです」
「未来のそういったものを無理だ出来ないと言っても」
「わかりません」
「そうなんですね」
「そうしたこと程無意味で無駄なことはありません」
 こうも言う市長さんでした。
「今の知識や技術で未来のそれ等を否定することは」
「出来る様になるかも知れないですね」
「進歩によって、むしろ」
「むしろ?」
「どうしたら出来るのかをです」
「考えることですね」
「そうです、今の知識や技術は絶対ではないですし」
 それにというのです。
「進歩もしますので」
「だからですね」
「そういったもので未来を否定しても」
 そうしてもというのです。
「意味がありません」
「無駄ですか」
「この上なく後ろ向きで」 
 そうであってというのです。
「非科学的です」
「非科学的ですか」
「そうです、何度も申し上げますが今は絶対ではありません」
「今の知識や技術は」
「常に進歩してです」
 そうしてというのです。
「今の定説も覆されるので」
「そうしたものなので」
「ですから」
「今の知識や技術で未来は語れないですね」
「漫画やアニメのものも」
「テレビもね」 
 ドロシーも言ってきました。
「昔はあんなものが出て来るなんてね」
「思いませんでしたね」
「映像はね」
「エジソンさんが出るまでは」
「そう、まさにね」
 それこそというのです。
「途方もないね」
「夢物語でしたか」
「電話もね」 
 こちらもというのです。
「自動車だってね」
「夢のものでしたね」
「こんなもの出来る筈がないってね」
 その様にというのです。
「言う人がね」
「殆どでしたね」
「それがね」
 その状況がいうのです。
「出来る様になったわ」
「全部そうですね」
「だから今の科学で未来の科学を否定しても」
「意味はないですね」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「否定するよりも」
「出来るかどうかですね」
「考える方がね」
 その方がというのです。
「市長さんの言う通りにね」
「科学的ですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「今の科学で未来の科学を否定することは」
「これ以上はないまでに無意味で無駄で」
 そういったものでというのです。
「非科学的よ」
「科学と言っても」
「そうよ」
 実際にというのです。
「非科学的よ」
「そうしたものですか」
「外の世界にはそうしたことを言う人もいるというけれど」
 ドロシーは怪訝なお顔になって首を傾げさせて言いました。
「本当にね」
「無意味で無駄ですね」
「それで暮らしているんですか」
「無理だ出来ないばかり言って」
「子供の夢を壊したとか得意になっています」
「空想何とかとか言って」
「オズの国では考えられないわ」
 とてもとです、ドロシーはカルロス達五人にお話しました。
「全くね」
「そうですよね」
「未来はわからないのに」
「今のことで無理だとか言っても」
「全然科学的じゃないですね」
「無駄ですね」
「よくそんなことをして暮らしていけるわね」
 ドロシーは今度は驚きのお顔で言いました。
「何が楽しいのかしら」
「全くですよね」
「僕達もそう思います」
「その人の本読むと面白くないです」
「恐ろしいまでに」
「あんなつまらない本はないです」
「私は読んでいないけれど思うわ」
 その様にというのです。
「想像出来ない位に面白くないわね」
「私もそう思います、そんな人が子供の夢を壊せるか」
 市長さんも言います。
「有り得ません」
「その人があまりにも下らないから」
「はい、何一つとしてです」
 それこそというのです。
「出来ません」
「無理だ出来兄だのばかり言ってるだけだから」
「そんなことに人生を注ぐなぞ」
「本当に無駄で無意味で」
「オズの国では考えられません」
「一体何が楽しくて生きているのかしら」
「わからないです」
 市長さんとしてはです。
「全く」
「外の世界にはおかしな人がいるわね」
「夢を壊したと笑っているなぞ」
「何が楽しいのか、そして夢はね」
「そんな人では壊せません」
 全くというのです。
「何度も申し上げますが今の科学は絶対ではなく」
「未来は語れないわね」
「絶対に」
 そうだというのです。
「どう進歩するかわからないのですから」
「スマートフォンなんてね」
「誰が出来ると思ったか」
「けれど今は普通にあるわ」
「スマートフォンが生まれる三十年位前は」
 それまではというのです。
「とてもです」
「考えられなかったわね」
「オズの国でもです」
「ああしたものが生まれるなんて」
「そう、本当にね」
 実際にというのです。
「想像もしなかったわ」
「ですが今は誰もが持っています」
「そうなったわね」
「特にオズの国では科学だけでなく魔法があるので」
 それでというのです。
「スマートフォンもです」
「外の世界より凄いわね」
「そうしたものになっています」
「それが無理だ出来ないではね」
「スマートフォンも生まれませんでした」
「そうなのよね」
「否定すれば終わりですが」
 その時点でというのです。
「出来る、可能だとです」
「考えるとね」
「先に進み」 
 そうしてというのです。
「出来る様になります」
「そうよね」
「不可能と思われても」
「可能なことがどれだけあるか」
「世の中は」
 それはというのです。
「わからない位です」
「数多くね」
「そうだよ、どれだけ不可能と思ったことがあったか」
 トトも言います。
「可能になったことでね」
「数えきれないわ」
「常識と思ったことも」
「実は違ったり」
「そうしたことがね」
 本当にというのです。
「数多いから」
「そうだね」
「そう、だからね」
「否定してもね」
「何もならないわ」
「そうだよ」
 こうドロシーに言うのでした。
「何でもね」
「科学は否定するものか」
「違っていて」
「可能性を考えて」
「どうしたら出来るか」
「それを考えて」
 そうしてというのです。
「可能にするものよ」
「全く以てその通りだね」
「魔法だって」
 こちらもというのです。
「考えるとね」
「そうしたものだね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「可能性を見出して」
「可能にするものだよ」
「夢を実現する」
「僕もそう思うよ」
 トトにしてもです。
「全く。科学を言っていてね」
「未来も夢も否定して得意になっているならね」
「しかも今の時点を絶対と思ってね」
「こんな非科学的なことはないわ」
「そうだよ、変なことだよ」
「オズの国では考えられないことで」
 そうした人がいることはです。
「本当によかったわ」
「全くだね」
「科学は夢よ」 
 ドロシーは断言しました。
「可能性でね」
「そのことをわかっていないとね」
「そう、そしてそんな人が書く本はね」
「面白い筈がないね」
「絶対にこの上なくつまらないわ」
「そのことが容易にわかるよ」
「本当にね」
 こう言うのでした、そしてです。
 そうした話をしながら一行はこの街で一泊させてもらいました、一行にとってはこのこともいい旅の思い出になりました。








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