『オズの魔法の谷』
第二幕 思わぬ同行者
魔法の谷に行く一行は旅に行く準備を進めます、その中で都に残って政治を行うことになっているオズマがドロシー達に言いました。
「今回自分も行きたいって人がおられるの」
「どなたなの?」
ドロシーはオズマに問い返しました。
「その人は」
「ボームさんよ」
オズマはにこりと笑って答えました。
「王室の歴史編纂室長さんのね」
「私達のことを最初に外の世界に伝えてくれた」
「そう、あの人がね」
笑顔でお話します。
「一緒に行きたいって言っておられる」
「珍しいわね」
ドロシーは意外といった顔で言いました。
「ボームさんが旅に行きたいなんて」
「そうよね、オズの国の人達は旅好きな人が多いけれど」
「あの人はね」
「あまりでしょ」
「ええ、宮殿から出ない人で」
「宮殿にお部屋があってそこで暮らしていて」
「それでね」
このこともあってというのです。
「お外に出ないけれど」
「けれど今回はね」
「出られたいのね」
「そう言っておられるの」
そうだというのです。
「それでね」
「今回はボームさんも一緒ね」
「それでいいわね」
「勿論よ、ボームさんはオズの国でも屈指の人気者よ」
「物凄く子供好きで優しくてね」
「紳士だから」
そうした人だからだというのです。
「そうした人で何といっても」
「そう、私達のことを最初に外の世界に伝えてくれた」
「オズの国最高の功労者の一人よ」
「そのボームさんがね」
「今回一緒ね」
「そうよ、だからね」
それでというのです。
「今回もね」
「物凄く楽しい旅になるわね」
「絶対にね」
こうしたお話をしました、そしてボームさんご自身も一行にお話しました。
「今回は宜しくね」
「僕たちこれまでかなりオズの国の中を旅してきましたけれど」
「色々な人と色々な場所を」
「ですがボームさんとははじめてです」
「魔法の谷に行くにも」
「はじめてばかりですね」
カルロス達五人はボームさんを前にして思いました。
「まさかと思いました」
「ボームさんがご一緒に行ってくれるなんて」
「これまでなかったですから」
「凄く嬉しいです」
「ずっと一緒にと思っていました」
「私はあまり身体が強くなかったから」
それでと言うボームさんです。
「外の世界ではあまり外出していなくて」
「それで、ですね」
「あまり旅行に行かれないですね」
「オズの国でも」
「王室歴史編纂室長のお仕事もありますし」
「だからですね」
「そうなんだ、けれど今回は行きたくなって」
旅にです。
「同行させてもらうよ」
「わかりました」
「じゃあお願いします」
「是非」
「ご一緒させてもらいます」
「魔法の谷に行こうね」
こうしてです。
ボームさんも魔法の谷に行くことになりました、そしてそのことが決まると都にかかしと樵、臆病ライオンが来まして。
モジャボロとムシノスケ教授も来ました、腹ペコタイガーは一同を見て言いました、
「オズマはこれから忙しくなるから」
「うん、それでなんだ」
臆病ライオンが応えます。
「某達も馳せ参じたんだ」
「オズマの力になる為にだね」
「そうだよ」
「本来は僕と樵君だけだったんだ」
かかしも言ってきました。
「都に来るのはね」
「そうだったんだけれど」
それでもと言う樵です。
「オズマが忙しいならとなってね」
「僕達も参上したんだ」
モジャボロはにこにことしてお話します。
「オズマ姫の力になる為にね」
「だからね」
それでとです、教授も言います。
「オズマ姫の為に頑張るよ」
「皆さんが来てくれるとは」
ジュリアは満面の笑顔でお話しました。
「思いも寄りませんでしたが」
「私も来たわよ」
ビリーナがとことことやって来ました。
「今回は王女さん達三人出るでしょ」
「冒険の旅に」
「ドロシー、ベッツィ、トロットがってなると」
まさに三人共です。
「それならね」
「皆さんが来てくれたのですね」
「そうよ、しかも本当に忙しいから」
そうした状況だからだというのです。
「集まったのよ」
「そうなのですね」
「私はお国に旦那もいるし子供達や孫達もいるし」
だからだというのです。
「来たわよ」
「ウィンキーはジャック君が残ってくれたしね」
臆病ライオンはそれでと言います。
「大丈夫だよ」
「大学の方は教授さん達がいてくれるから」
教授は確かな声でお話します。
「私達がいなくても暫くの間大丈夫だよ」
「皆笑顔で送ってくれたからね」
モジャボロはそれでと言いました。
「その笑顔に応えて頑張るよ」
「よし、それじゃあね」
「皆で頑張ろう」
かかしと樵はまさにと皆に言いました。
「オズマを助けてね」
「政治をやっていこう」
「これだけの人が来てくれて嬉しいわ」
オズマは皆を見てにこりとなって言いました。
「それではね」
「うん、まずは僕達と会談をして」
「それからだね」
かかしと樵はオズマにも応えました。
「一緒にやっていこう」
「政治をね」
「そうしましょう、あとね」
ここでオズマはカルロス達にお顔を向けて言いました。
「魔法の谷にはギリキンの北の人達が来るから」
「そうなりますと」
すぐにカルロスが言いました。
「ジンジャーブレッドの紳士ドウ一世に」
「チック=ザ=チュラブにね」
ジョージもその人達の名前を挙げていきます。
「ゴムの熊のバラ=ブルーイン」
「イックスのイクシー女王に」
神宝はこの国からお話しました。
「ノーランドのバド王とフラフ王女」
「メリーランドの蝋人形の女王」
ナターシャはまずこの人の名前を挙げました。
「そしてドットとトットね」
「それにキャンディ=マン」
恵梨香が挙げたのはこの人でした。
「あの人達とまたお会い出来るのね」
「そしてハイジ達もいてね」
ドロシーはそうしてとにこりと笑ってお話しました。
「皆が知っているあっと驚く人もいるわよ」
「僕達が知っている?」
「しかもあっと驚く」
「誰ですかそれ」
「そう言われてもです」
「わからないです」
「ではその時にわかるわ」
にこりとしたまま応えるドロシーでした。
「今わからないならね」
「谷に行ってですね」
「その時にお会いしたらですね」
「僕達もわかりますね」
「その人がどなたか」
「そうですね」
「そうよ」
そうだというのです。
「だからね」
「はい、まずはですね」
「谷に行くことですね」
「魔法の谷に」
「準備が整い次第」
「そうすることですね」
「そうよ、今回の旅は馬車で行くけれど」
こちらに乗ってというのです。
「楽しい旅になるわよ」
「オズの国の馬車だからね」
それでと言う魔法使いです、見ればこの人だけでなくつぎはぎ娘にエリカそしてガラスの猫に木挽きの馬にチクタクもいます。
「科学と魔法が使われているよ」
「あたしあの馬車大好きよ」
つぎはぎ娘は両手を上げて飛び跳ねつつ言いました。
「ずっと乗りたい位よ」
「そうそう、だからいいのよ」
エリカも言います。
「あの馬車に乗っての旅もね」
「私達は今回は宮殿でオズマをサポートするけれど」
ガラスの猫はこう言いました。
「こっちはこっちで楽しむしね」
「何かあったら呼んでよ」
木挽きの馬車は気さくに言います。
「すぐに行くから」
「楽しんでーー下さい」
チクタクはいつもの口調です。
「あちらはーーいいーー場所ーーです」
「さて、スキーをして」
ベッツィは今からうきうきしています。
「スノーボードもしましょう」
「温泉もあるから」
トロットはこちらのお話をしました。
「楽しみよ」
「温泉に入って飲むとしよう」
キャプテンはそちらのことを考えています。
「ワインをふんだんに」
「僕は景色を楽しむよ」
ハンクはこちらをと言います。
「あの雪と氷に覆われた山々がいいんだよね」
「他にも色々なものが見られるしね」
それでと言うトトです。
「景色も素敵だよ」
「あちらはね。それで皆集まったしお昼の時間だから」
それでと言うドロシーです。
「これからね」
「お昼ご飯だね」
「今日はスパゲティとピザよ」
この二つだというのです。
「スパゲティはカルボナーラで」
「それでだね」
「ピザはマリガリーテよ」
「その組みわせだね」
「サラダも出て」
そうしてというのです。
「生ハムやチーズもね」
「そのメニューだと」
魔法使いはここまで聞いて言いました。
「ワインが欲しいね」
「ええ、ワインも出るわ」
魔法使いにすぐに答えました。
「アルコール度がなくても酔える子供用のワインもね」
「出るんだね」
「そしてね」
そうであってというのです。
「皆で楽しむのよ」
「それはいいね」
「勿論デザートも出るから」
こちらもというのです。
「ジェラードがね」
「そちらもいいね」
「だからね」
それでというのです。
「今から楽しみましょう」
「それじゃあね」
「カンサスではどちらも見たこともなかったけれど」
スパゲティもピザもというのです。
「今はどちらもよく食べてね」
「大好きよね」
「ドロシーもね」
「そうなっているわ」
ベッツィとトロットに応えます。
「今ではね」
「そうよね」
「私達もよ」
「カルボナーラなんて」
このスパゲティはといいますと。
「見たことも聞いたこともなかったわ」
「私達が来た頃なかったしね」
「外の世界にもね」
「だから私達も知らなかったわ」
「カルボナーラは」
「そうよね、出て来たのは」
このスパゲティがです。
「戦争中なのよね」
「二次大戦ね」
「あの戦争の時に出来たのよね」
「軍隊の人達がイタリアに行って」
「軍隊の食材で出来たのよね」
「軍隊からも色々なものが生まれるのよね」
ドロシーはこのことも言いました。
「これが」
「カルボナーラもそうだしね」
「食べものだってね」
「缶詰もそうだしね」
「服なんて凄いわね」
「学校の制服って元々軍服なのよね」
ドロシーは言いました。
「ブーツもフロックコートもランドセルもね」
「そうなのよね」
「トレンチコートだってね」
「ピケ帽もね」
「ヘルメットだって」
「カルボナーラが軍隊から生まれたって知らなかったです」
カルロスにしてもです。
「ランドセルとかは聞いていました」
「そうだったのね」
「学校の制服も」
「若しもよ」
ドロシーはカルロスにお話しました。
「制服が軍隊から生まれたのが嫌なら」
「それならですね」
「制服は着られないし」
「ブーツやコートもですね」
「そうよ、着られないわよ」
「そうですよね」
「カルボナーラも缶詰も食べられないし」
そうなってというのです。
「迷彩服だってね」
「駄目ですね」
「軍隊はオズの国でもあるでしょ」
「はい」
カルロスはまさにと答えました。
「ありますね」
「そう、平和なオズの国でもね」
「軍隊は必要ですね」
「だからあるのよ、軍服もね」
「必要だからありますね」
「それで恰好いいでしょ」
カルロスににこりと笑ってこうも言いました。
「軍服もブーツも」
「そう思います」
「それでいいのよ、それとね」
「それと?」
「一つ気になるのは」
そのことはといいますと。
「スパムもね」
「食べられないですね」
「スパムも缶詰で」
「缶詰も軍隊から生まれましたね」
「最初は瓶詰でね」
「スパムは軍隊でよく食べるから」
だからだというのです。
「軍隊が嫌いならね」
「食べられないですね」
「私スパムも好きだから」
この食べものもというのです。
「困るわ」
「そうですね」
「ええ、日本じゃ無闇に軍隊嫌いな人いるけれど」
それでもというのです。
「こうした人はね」
「問題ですね」
「とてもね」
こうしたお話をするのでした、そしてです。
皆でカルボナーラトマリゲリータを食べます、そうしてそのうえで楽しみますがトロットはカルボナーラを食べて言いました。
「生クリームがいいのよね」
「カルボナーラはね」
ベッツィも言います。
「ベーコンに卵の黄身に」
「黒胡椒ね」
「私が特に好きなのは」
それはといいますと。
「生クリームよ」
「こちらね」
「ピザはチーズで」
今度はそちらを食べて言います。
「それでね」
「カルボナーラは生クリームね」
「乳製品よ」
こちらだというのです。
「肝心なのはね」
「まさにね」
「そして」
それにというのです。
「粉チーズもかけるとね」
「尚美味しいのよね」
「これがね」
「若しもね」
「パスタにはチーズよ」
「欠かせないわね」
「そう、パスタにはチーズよ」
ドロシーも言います。
「欠かせないわ」
「そうなりますと」
そのお話を聞いてです、カルロスは言いました。
「魔法の谷でもですね」
「いいイタリア料理のお店もあるわよ」
「そちらでチーズも楽しめますね」
「そうよ」
その通りだというのです。
「だから楽しみにしておいてね」
「わかりました」
「イタリア料理はね」
ドロシーはチーズがたっぷりと入ったマリガリータのピザを食べつつ言います。
「トマトにね」
「チーズですね」
「あとオリーブオイルね」
「その三つですね」
「そこに大蒜やアボガドね」
こうしたものだというのです。
「そうしたものがあってね」
「出来ますね」
「もうチーズはね」
これはといいますと。
「もっと言えばバターや生クリームもだけれど」
「乳製品は、ですね」
「欠かせないわ」
そうだというのです。
「まさにね」
「そうですね」
「それでね」
ドロシーはさらにお話しました。
「乳製品の白、トマトの赤に」
「オリーブの緑ですか」
「アボガドの場合もあるけれど」
「外の世界のイタリアの国旗ですね」
「そうなるってね」
カルロスににこりと笑ってお話します。
「言われているのよ」
「そうですか」
「そう、そしてね」
そうであってというのです。
「今回のお料理でもね」
「三つ共使われていますね」
「ピザにトマトとチーズがあるわね」
「はい、確かに」
「それでカルボナーラには生クリームとオリーブオイルで」
そうしたものが使われていてというのです。
「三つ揃ってるわね」
「そうですね」
「それで魔法の谷に行ってもね」
「三つ共楽しめますね」
「イタリア料理店でね」
「それはいいことですね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「他のチーズやバターを使ったお料理もよ」
「楽しめますね」
「お肉もね」
こちらもというのです。
「ソーセージやハム、ベーコンも」
「そうしたものをフォンデュにも入れますね」
「そう、そうもしてね」
それでというのです。
「楽しむから」
「だからですね」
「期待して行きましょう」
「わかりました」
「そう、そして」
そうであってというのです。
「温泉にも入って」
「スキーやスノーボードもですね」
「楽しめるわ」
「そうなんですね」
「そして」
それでというのです。
「景色もね」
「楽しめる場所が多いですね」
「森もあるしね」
「オズの国は森が多いですね」
「森と川は何処でもあるわよ」
そうだというのです。
「死の砂漠以外はね」
「そう、この都もね」
オズマが言ってきました。
「周りを川が流れていてね」
「至るところに水路があるわね」
「いい港もあるでしょ」
「オズの国の真ん中にあって」
ドロシーはオズマにも応えて言いました。
「それであってね」
「港町でもあるわね」
「川と運河の水運を使って」
そうしてというのです。
「栄えてもいるのよ」
「そうした街よね」
「周りには森も一杯あるし」
「緑も豊かね」
「そうよ」
こちらもというのです。
「湖もお池もあるしね」
「お水も草木も豊かね」
「それはオズの国全体がそうで」
「魔法の谷もね」
「川が流れていて広い森もあって」
「お池も湖もあるわね」
「そして凍っていたら」
お池や湖がというのです。
「その上でスケートも出来るわ」
「そうなのよね」
「だからね」
それでというのです。
「そうしたスポーツも楽しめるわ」
「魔法の谷に行けばね」
「何かです」
カルロスはそのお話を聞いて言いました。
「色々なウィンタースポーツが楽しめる場所なんですね」
「そうね、スケートが出来るなら」
ナターシャは笑顔で言いました。
「私大好きだからやってみたいわ」
「僕はスキーだね」
神宝はこちらでした。
「滑ってみたいよ」
「僕はまずスノーボードをしたいよ」
ジョージはこのスポーツをと言います。
「最初はね」
「私は色々かしら」
恵梨香はどのスポーツにも興味がありました。
「やってみたいわ」
「どれも楽しんだらいいわよ」
トロットは五人ににこりと笑って告げました。
「何でもね」
「楽しみたいものを楽しめばいいのよ」
ベッツィも言います。
「そうしたらね」
「わしは釣りをしようか」
キャプテンはこちらでした。
「氷に穴を開けて」
「そこに釣り糸を垂らしてだね」
「そう、そしてだよ」
ハンクに笑顔で応えて言います。
「釣りをしようか」
「それもいいね」
「そして何といっても」
カルボナーラを食べます、そして赤ワインを飲んでその両方の美味しさを楽しんでからあらためて言いました。
「ワインとだよ」
「フォンデュだね」
「フォンデュでなくとも」
おつまみがです。
「ワインは楽しむよ」
「あれだね、ただチーズやパンがあったらね」
オジョはピザを食べつつ言ってきました。
「ワインは楽しめるね」
「フォンデュと合うことは確かでも」
「軽いものでもいいね」
「ソーセージやサラミでもだよ」
「いいしね」
「そう、夜はワインを楽しむよ」
そうするというのです。
「毎晩でも」
「温泉にも入って」
「そうするよ」
「温泉はどんな風でしょうか」
カルロスはドロシーに尋ねました。
「一体」
「西洋風の温泉もあればね」
ドロシーは温泉についても答えました。
「和風の温泉もね」
「ありますか」
「そうよ。近くに中華街もあるから」
「中華風の温泉もですか」
「あるわ」
「中華街もあるんですね」
「そう、近くにね」
魔法の谷のというのです。
「あるのよ」
「そちらもですか」
「中華街はオズの国にもあってね」
「多いですね」
「外の世界でもあるでしょ」
「日本にもあります」
カルロス達が今いる国にもです。
「中華街は」
「そうよね」
「僕達が暮らしている神戸にも」
この街にもというのです。
「あります」
「そうよね、アメリカでもね」
「オズの国はアメリカの影響を受けるので」
「だからね」
それでというのです。
「アメリカにも中華街があるし」
「オズの国にもですね」
「そうよ、何でも外の世界で中華街がない国は」
「少ないです」
「そうよね、だから魔法の谷に行けば」
そうすればというのです。
「中華街も行けるわ」
「そして中華料理も楽しめますね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「色々楽しみましょう」
「わかりました」
カルロスは笑顔で応えました。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあね」
「中華街もいいよね」
トトはドロシーの横の席にちょこんと座っています、そのうえでパスタやピザを美味しく食べながらお話します。
「美味しいもの一杯あるし」
「中国のものも売っていてね」
「そしてね」
それでというのです。
「色々なものがあって」
「面白い場所よね」
「昔のオズの国は中華街なかったんだよね」
「ええ、けれど今はね」
「あちこちにあるよね」
「そして中国系の人達がいるでしょ」
この人達がというのです。
「そうなっているわね」
「今はそうだね」
「色々な人が来てくれる様になったわね」
「本当にね」
「そうそう、僕なんか関羽さんとお会いしたしね」
オジョも言います。
「この前ルイ=アームストロングさんのコンサートに行ったよ」
「サッチモさんね」
「うん、サックスの演奏がよかったよ」
「素敵だったわね」
「ジャズもいいよね」
「ジャズもアフリカ系の人達も」
ドロシーはオジョにもお話しました。
「昔のオズの国にはなかったしね」
「音楽が物凄く増えたね」
「そうだね」
かかしと樵がお話してきました。
「人だけでなくてね」
「こちらもね」
「アイドルの娘達が一気に増えてね」
つぎはぎ娘が楽しそうに言ってきます、食べる必要のない人達の席の前には手洗い用のボウルがあるだけで飲んで食べる皆の笑顔を見て楽しんでいます。
「楽しくなってるわね」
「貴女アイドル好きよね」
「大好きよ」
つぎはぎ娘は明るい声で応えました。
「歌もダンスもね」
「そうよね」
「今はアイドルなくしてね」
「いられないわね」
「アイドルを馬鹿にするなら」
それならというのです。
「何もかもがよ」
「駄目ね」
「あたしはね」
「そうよ、アイドルは最高よ」
「歌もダンスも」
「アイドルの子達自身もね」
まさにというのです。
「最高よ」
「そうよね」
「あんな素晴らしいものはないわ」
こうまで言うつぎはぎ娘でした。
「本当にね」
「人も音楽も色々あっていいんだよ」
魔法使いは確かな声で言いました。
「文化もね」
「その通りだね」
「一つだけだとね」
「飽きるしね」
「そう、単調になってね」
そうなってというのです。
「実にだよ」
「面白くないわね」
「だからね」
それでというのです。
「色々あるのがだよ」
「いいから」
「今のオズの国はいいんだよ」
「若しオズの国が一つだけなら」
ビリーナはそれならと言いました。
「私達はいられないわよ」
「そうよね、猫も鶏もね」
エリカはビリーナのその言葉に応えました。
「いられないわ」
「そうよね」
「そんな国の何処が面白いのか」
「全くよね」
「私みたいに奇麗な猫がいないなんてよ」
ガラスの猫は自分のその身体を見つつ言います。
「どれだけ残念か」
「僕みたいに速く走られる馬もいない」
木挽きの場所は胸を張って言います。
「それは残念だね、僕は休む必要もないしね」
「色々な生きものもいて楽しいし」
それでと言う臆病ライオンです。
「人も同じだね」
「そして文化もね」
腹ペコタイガーはスパゲティもピザももりもり食べています、そのうえで確かな声で言うのでした。
「色々あっていいんだよ」
「何ていうか一つしかないって」
モジャボロは考えるお顔で言いました。
「寂しいね」
「学問も然りだよ」
教授はモジャボロに言いました。
「色々あるからいいんだよ」
「僕達は林檎が好きでも」
モジャボロの弟さんはそれでもと言います。
「林檎ばかりでも飽きるしね」
「オズの国はーー色々なーー人達がーーいまして」
チクタクも言いました。
「皆楽しくーー暮らしてーーいるからいいのーーです」
「そうよ、五つの国に分かれていてそれぞれの国にさらに沢山の国があって」
それでと言うオズマです。
「色々な人や文化があってね」
「オズの国は成り立っているからね」
「最初からね。そこで一つしか駄目ってなったら」
ドロシーに言うのでした。
「どれだけとんでもないか」
「わかったものじゃないわね」
「私だって人間じゃないのよ」
オズマは自分のお話もしました。
「光の妖精よ」
「そうよね、私はカンサスから来てるし」
「元々オズの国の人じゃないでしょ」
「移民ね」
くすりと笑って言いました。
「言うなら外国人ね」
「ベッツィもトロットもね」
「そしてカルロス達もね」
名誉市民のこの子達もです。
「そうでしょ」
「外の世界から来たわ」
「その人達も受け入れていて」
「どんどん色々な人が来るから」
「そう、私だってね」
ボームさんも言います。
「外の世界での人生を終えて」
「オズの国に来たわね」
「そうなったからね」
ドロシーに笑顔でお話します。
「だからだよ」
「オズの国は色々な人がいていいわね」
「そうだよ、色々な生きものも色々な文化も」
「同じね」
「神様だってそうだしね」
「そうね、物凄く沢山の神様がいるわ」
「それでいいんだよ、そして不思議なことも」
そう言うべきこともというのです。
「あっていいんだよ」
「そうよね」
「そうだよ、そして」
そうであってというのです。
「楽しむんだよ」
「沢山の不思議なこともね」
「科学だけでなく魔法もあって」
「科学と魔法が一緒になってね」
「沢山の不思議なことが起こっても」
そうなってもというのです。
「楽しむといいんだよ」
「オズの国ではね」
「どうしてノーム王の国が失敗したか」
「ラゲドーさんの頃ね」
「色々な理由があるけれど」
「あの人は一つしか認めなかったわね」
「そうしたところがあったね」
こうドロシーにお話します。
「間違いなく」
「そうだったわ」
ドロシーも確かにと頷きます。
「あの人は」
「それでだよ」
その為にというのです。
「失敗したんだ」
「カリフ王はそこまでいかないわね」
「ちゃんと色々なものを認めて受け入れているね」
「ええ」
ドロシーはそうだと答えます。
「そのせいか卵もね」
「大丈夫になったね」
「ノームの人達自体がね」
「ノームの人達が卵に触れると死んでいたのは」
それはどうしてかといいますと。
「自分達を受け入れないからオズの国の神々がそうさせていたんだよ」
「ノームの人達への罰ね」
「私が思うにね」
「そして受け入れる様になったから」
「だからだよ」
それでというのです。
「なったんだよ」
「そうなのね」
「神々が罰を解いてね」
「そうしたのね」
「今では卵料理も食べられて」
そうなってというのです。
「このカルボナーラもだよ」
「カルボナーラも卵使うし」
「黄身を入れるね」
「それがまた美味しいけれど」
「食べられる様になったんだよ」
ノームの人達はです。
「今はね」
「いいことよね」
「美味しいものを沢山食べられるならね」
そうであるならというのです。
「それだけでだよ」
「幸せなことよね」
「だからね」
そうであるからだというのです。
「凄くね」
「今のあの人達は幸せになっているわね」
「昔より遥かに。むしろかつては」
「オズの国を攻めようとしていた時は」
「到底ね」
こう言っていいまでにというのです。
「幸せとは言えなかったね」
「そうだったわね」
「それがね」
その状況がというのです。
「変わったんだよ」
「色々なものを受け入れる様になって」
「今はドワーフやダークエルフの人達とも仲がいいしね」
「そうよね、同じ地下で暮らす人達とも」
「そうもなってきているから」
だからだというのです。
「幸せだよ」
「今のあの人達は」
「そうなっているよ」
「一つしかない人は」
カルロスはしみじみと思いました。
「自分だけになりますね」
「そう、もうね」
ボームさんはカルロスにもお話しました。
「自分しかなくなって」
「自分のことしか考えなくなって」
「自分さえよければよくなるよ」
「かつてのラゲドー氏みたいに」
「そうした人はどうなるか」
一体というのです。
「あの頃のラゲドー氏は好かれていなかったね」
「誰からも」
「オズの国で数少ない悪人だったね」
「本当にそうでした」
「ああなるんだよ」
「一つしかない人は」
「そう、人や国は一つでも」
それでもというのだ。
「自分以外のね」
「多くのものを受け入れることですね」
「そうだよ、そして」
そうであるべきでというのです。
「そうするとね」
「幸せになれて」
「好かれもするよ」
「そうなりますね」
「自分さえよければいい人なんて」
そうした人はといいますと。
「誰がその人の為に何かするか」
「する筈ないですね」
「例え表面上はお付き合いをしても」
「心は離れて」
「そしてね」
そうであってというのです。
「嫌われるのよ」
「そうなりますね」
「そうなるから」
だからだというのです。
「オズの国ではね」
「皆そうした人にならない様にしていますね」
「元々いい人が殆どで」
「かつてのノーム王は例外ですね」
「そのうえで皆努力しているのよ」
「他の人のことを考える様に」
「思いやりを持つ様にね」
そうする様にというのです。
「そうしているのよ」
「だから皆いい人ですね」
「そうよ、自分さえよければいいというのは」
「そうした考え方は駄目ですね」
「絶対にね、そうした考えだと」
「自分以外の人から嫌われますね」
「そうなるから」
だからだというのです。
「皆でお互いを思いやって」
「そうしてですね」
「やっていきましょう」
「そうですね」
笑顔で応えてでした。
カルロスも他の皆もそうであろうと決意しました、そうしてそのうえで今は美味しいものを楽しむのでした。