『オズの魔法の谷』




               第一幕  ギリキンの谷

 ドロシーはカルロス達五人がオズの国に来たと聞いてオズマにすぐに今彼等が何処にいるのかを聞きました。
「あの子達は今何処にいるの?」
「マンチキンの方よ」
 オズマはすぐに答えました。
「あちらにいるわ」
「マンチキンなの」
「そう、それもオジョのお家のすぐ傍に来たそうよ」
「あら、また面白い場所に出たわね」
 ドロシーはエメラルドの都の宮殿の中でオズマに言いました。
「オジョのお家の傍なんて」
「そうよね、それでどうするの?」
 オズマはドロシーに尋ねました。
「これから迎えに行く?」
「ええ、そうするわ」
 ドロシーはすぐに答えました。
「それならね、オジョとも暫く会ってなかったし」
「丁度いいわね」
「ええ、それじゃあね」
「今から行くわね」
「そうするわ」
 是非にというのです。
「これからね」
「すぐに行けるわね、オジョのお家まで」
「あのドアを使ったらね」
 ドロシーはにこりと笑って答えました。
「もう一瞬でよ」
「便利なドアよね」
「そのドアを持って来て」
 そうしてというのだ。
「行きたい場所を言ってドアを開いて」
「ドアを潜るとね」
「もうそこはね」
「行きたい場所だから」
「あのドアを使いましょう」
「そしてカルロス達を迎えてね」
「オジョにもお会いしましょう」
 こうお話してでした。
 ドロシーはオズマにそのドアを出してもらって早速そのドアを開けて潜りました、今回もトトと一緒です。
 そして潜るとオジョのお家の前で。
「あっ、ドロシーさん」
「魔法のドアで来られたんですね」
「ドアを開いて潜れた行きたい場所に行ける」
「オズの国の魔法のドアですね」
「そのドアを使われたんですね」
「ええ、それで来たのよ」
 ドロシーはにこりと笑って答えました。
「今ね」
「そうですね」
「本当に便利なドアですね」
「オズの国の科学も用いた」
「魔法と科学の産物ですね」
「そのうちの一つですね」
「そうよ、貴方達が来たって聞いてお迎えに来たの」
 ドロシーはにこりと笑って答えました。
「オズの国に誰かが来るとね」
「すぐにわかりますね」
「今はそうなっているから」
 カルロスにそれでとお話します。
「それでわかってね」
「お迎えに来てくれたんですね」
「そうよ、それでね」
 そうであってというのです。
「よく来てくれたわね」
「はい、今回も来させてもらいました」
 カルロスはドロシーににこりと笑って答えました。
「皆でまたお邪魔しようってお話しまして」
「それで来てくれたのね」
「はい」
 そうだというのです。
「そして来させてもらいますと」
「都で誰かが来たってわかる探知機があるから」
「それで、ですね」
「場所も確認してね」
 そうしてというのです。
「オズマに聞いたから」
「お迎えに来てくれましたね」
「ええ、それにね」
 ドロシーはオジョにもお顔を向けて言います。
「オジョとも暫く会っていなかったし」
「うん、暫くぶりだよね」
 丁度そこにいたオジョが応えます。
「そうだよね」
「お会い出来て嬉しいわ」
「僕もだよ、それでね」
 さらに言うオジョでした。
「カルロス達をお迎えするってことは」
「そう、都の宮殿にね」
「案内するよね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「そうしてもらうわ」
「そうだね」
「貴方もどうかしら」
 ドロシーはオジョににこりと笑ってお誘いをかけました。
「都の宮殿にね」
「お邪魔していいんだ、僕も」
「貴方さえよかったらね」 
 それならというのです。
「来てね」
「それじゃあ」
 オジョはドロシーの言葉を受けて頷いて返事をしました。
「これからね」
「ええ、宮殿に行きましょう」
「お家は今は留守にして」
 そうしてというのです。
「お邪魔させてもらうよ」
「それじゃあね」
 こうお話してでした。
 ドアを使ってすぐに宮殿に戻りました、カルトスは宮殿に入るとすぐにこんなことを言ったのでした。
「宮殿も何か」
「どうしたのかな」
「何度もお邪魔させてもらってね」
 トトに笑顔で言いました。
「くつろげる様になったよ」
「自分のお家にいるみたいにだね」
「そうなってきたよ」
「そうよね」
 恵梨香が微笑んで言ってきました。
「何度もいてお邪魔してね」
「何日も泊めさせてもらってね」
 そうしてと言う神宝です。
「お食事も頂いて」
「お風呂も入って」
 ジョージはこちらのお話もします。
「遊ばせてもらってね」
「ええ、もうね」
 すっかりと言うナターシャです。
「くつろげる場所になっているわ」
「そうなってきているから」
 カルロスはそれでと言いました。
「くつろげる様になっているよ」
「それは何よりね。お家って思ってね」
 まさにと返すドロシーでした。
「貴方達のね」
「オズの国のですね」
「ええ、私もそう思ってるし」
「今はですね」
「カンサスから来てね」
 オズの国にというのです。
「そうなっているから」
「だからですね」
「今はね」
 すっかりというのです。
「この宮殿がお家になっているから」
「だからですね」
「そう、それでね」
 そうであってというのだ。
「貴方達もね」
「そう思っていいんですね」
「そうよ、そしてね」
「そして?」
「また冒険の旅に出ましょう」
 こうも言うのでした。
「皆でね」
「冒険の旅ですね」
「ええ、いつも通りね」
「君達が来るとね」
 トトはドロシーの足元で尻尾を振って言いました。
「いつも冒険の旅に出てるね」
「そういえばそうね」
 ドロシーはトトのその言葉に頷きました。
「カルロス達五人が来るとね」
「大抵そうなってるよね」
「これがね」
「何ていうかね」
 トトは笑ってこうも言いました。
「五人が来るってことはね」
「冒険の旅がはじまる合図ね」
「そうだよね」
「オズの国のあちこちを巡ってね」
 そうしてというのです。
「楽しい思いをするわね」
「そうだよね」
「だったら今回も」
「冒険の旅に出るかもね」
「そうね、それじゃあね」
「心構えはしていこう」
「旅に出るね」
 こうトトに言うのでした。
「そうしよう」
「是非ね」
「そしてね」
 ドロシーは話題を変えました、その話題はといいますと。
「お昼ね」
「お昼ご飯の時間だね」
「じゃあ皆で食べましょう」
「オジョやカルロス達も一緒だね」
「勿論よ」
「じゃあ食べようね」
「今から皆でね。今日のお昼のメインは」 
 それはといいますと。
「ポークステーキよ」
「あっ、ステーキなんだ」
 オジョはそう聞いて笑顔になりました。
「豚肉の」
「ええ、そうよ」
「いいね、僕豚肉も好きなんだ」
「なら丁度いいわね」
「豚肉っていいよね」
 オジョは笑顔でこうも言いました。
「どんな部分も食べられてね」
「それも美味しくね」
「それでステーキもね」
 このお料理もというのです。
「美味しいから」
「好きなのね」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「だから嬉しいよ」
「ええ、それじゃあね」
「今から食堂に入って」
「それで食べましょう」
「皆でね」
 こうお話して皆で食堂に入ってポークステーキを食べるのでした、野菜のお料理にスープにお魚のマリネと続きまして。
 メインのポークステーキになりました、そのステーキはといいますと。
「大きいね」
「物凄いね」
「とんでもないボリュームだよ」
「こんなに大きなステーキを食べられるなんて」
「嬉しいわ」
「遠慮なく食べてね。何でもね」 
 ドロシーはステーキの大きさに驚きつつ喜んでいる五人にお話しました。
「日本の大阪には二キロのポークステーキを出すお店があるそうで」
「二キロですか」
「それはまた凄いですね」
「そんなの食べられないですよ」
「とても」
「食べられる人います?」
「これがいるらしくて」
 それでというのだ。
「完食するそうよ」
「凄いですね」
「僕達には無理です」
「子供ですし」
「ですが二キロもあると」
「食べたらお腹一杯になりますね」
「そうよね、オズの国の大阪の街にもあってね」
 そのお店はです。
「あの虎の野球チームの人達は食べるかもね」
「あの街野球チーム四つあって」
 カルロスはそれでとお話します。
「いつも野球していますね」
「そうでしょ」
「まず虎のチームがあって」
 そしてというのです。
「牛のチームに勇者のチームに」
「鷹のチームね」
「そしてどのチームも強いですね」
「いい選手が揃っていてね」
「そうですよね」
「それでスポーツ選手は沢山食べるでしょ」
「いつも身体を動かしていますからね」
「だからね」
 それでというのです。
「あの人達も沢山食べて」
「頑張っていますね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「野球をね。そしてステーキもね」
「召し上がっていますか」
「ポークステーキもそうで」
「二キロのステーキもですね」
「食べていると思うわ」
「完食ですね」
「そうよ、若し本当に完食していたら」
 二キロのポークステーキをというのです。
「かなりね」
「凄いですね」
「そう思うわ、そしてこのステーキは」 
 ドロシーは笑顔で食べつつ言います。
「おソースもいいわね」
「そうね」
 オズマも食べていて笑顔で応えます。
「林檎のおソースがね」
「またいいわね」
「お肉も美味しいし」
「おソースもよくてね」
「最高よ」
 そうだというのです。
「本当にね」
「そうよね、それでデザートもね」
 こちらもというのです。
「期待出来るわね」
「そうね、このお昼のデザートは」 
 それはといいますと。
「フルーツの盛り合わせよ」
「果物ね」
「キーウィにパパイヤにマンゴーに」
 それにというのです。
「バナナにグレープフルーツよ」
「またトロピカルな組み合わせね」
「そうよね、マンゴーもね」
 この果物もというのです。
「美味しいわよね」
「凄くね、それで」
 そうであってというのです。
「このステーキを食べてパンも食べたら」
「デザートね」
「そうなるわ、それで私もね」
 オズマもというのです。
「楽しみにしているのよ」
「デザートもなのね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「牛乳も飲みましょう」
「デザートの時は」
「フルーツを食べるとね」
 そうすると、というのです。
「凄くね」
「合うのよね」
「最高の組み合わせの一つよね」
「甘いフルーツと牛乳は」
「だからね」
 それでというのです。
「一緒にね」
「デザートの時はね」
「飲んで食べましょう」
「そうしましょう」 
「そして今はステーキね」
「こちらを楽しみましょう」 
 こうお話してでした。
 皆でステーキを食べてパンも楽しんでデザートもでした。そしてお食事の後は皆で楽しく遊びましたが。
 その中でオジョはある人のお話をしました、その人はといいますと。
「ギリキンの人達だけれど」
「ローランドやハイランドの?」
 ドロシーが応えました。
「あそこの人達かしら」
「そう、ギリキンの北の諸国だけれど」  
 そちらの人達だというのです。
「最近リゾート地で一緒に遊んでいるそうだね」
「魔法の谷ね」
 ドロシーはすぐに答えました。
「あそこね」
「何でもいつも雪が積もっていて」
「そう、スキー場になっているの」
「そうだよね」
「あそこにはとても素敵な娘がいるのよ」
「その娘は確か」
 オジョはその娘のことも言いました。
「ハイジだったね」
「そう、スイスにいたね」
「外の世界だと」
「その娘がお爺さんと一緒に暮らしていて」
 そうであってというのです。
「クララやペーターという子達と仲よしよ」
「そうだったね」
「だからね」
 それでというのです。
「あの谷はね」
「リゾート地で素敵で」
「とても素敵な娘がいるね」
「さらに素敵な場所だね」
「そうよ」
 こう言うのでした。
「あそこはね」
「僕実はね」
 オジョはドロシーにお話しました。
「前から行きたいと思っているんだ」
「魔法の谷になの」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「あのドアを使って行こうかな」
「さっき私が使った」
「あの魔法のドアをね」 
 それをというのです。
「そうしようかな」
「いいわね、ただね」
「ただ?」
「それならね」
 こうも言うのでした。
「この都から旅をしましょう」
「旅路も楽しむんだね」
「そうしない?」
 こう言うのでした。
「行くなら」
「いいね、僕最近旅をしていないし」
「ずっとお家で暮らしていたわね」
「畑仕事をしながらね」
 そうだったというのです。
「そうだったよ」
「だったらね」 
 それならというのです。
「丁度いい機会だし」
「冒険の旅に行くんだ」
「そう、そして」
 そのうえでというのです。
「楽しみましょう」
「旅をだね」
「旅が出来るなら」
 ドロシーはにこりと笑って言いました。
「それだけで最高よ」
「ドロシーは旅が大好きだから」
「それでね」 
 そうであってというのです。
「行くのなら」
「ドロシーも一緒だね」
「そうよ」
 笑顔での返事でした。
「そして他の人達もね」
「一緒だね」
「そうなるわ」
「だったらね」 
 オジョはドロシーのお話を聞いて言いました。
「是非ね」
「一緒に行きたいわね」
「魔法の谷にね」    
 そこにというのです。
「行きたいよ」
「じゃあ行きましょう、オズの国で旅行はね」
 それをすることはです。
「皆が楽しんでいる」
「最高の娯楽の一つだね」
「そして私はね」
 ドロシーはです。
「オズの国でもね」
「有名な旅行家だね」
「冒険家とも言うわ」
「そうだよね」
「いつも行ってるし」
 旅行にです。
「それでよ」
「今回もだね」
「旅行に行って」
 そうしてというのです。
「楽しむわ」
「そうするね」
「誰が一緒かはこれから決まるけれど」 
 それでもというのです。
「まずはね」
「旅行に行くことは決まったね」
「今ね」
「そうなったね」
「オズの国に来てずっと旅をしているけれど」
 オズの国のあちこちをです。
「この国は常に変わっていくでしょ」
「新しい人や生きものが出て来てね」
「街や村も出来てね」
「自然の場所もね」
「そうした国だから」
 それ故にというのです。
「どれだけ旅行してもよ」
「飽きないね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「オズの国はね」
「だから皆旅行を楽しんで」
「私もね」
「楽しんでいるね」
「そうしているのよ」
 こうオジョにお話します。
「私もね」
「そうだね」
「じゃあ今回はね」
「魔法の谷に行くね」
「そうするわ」 
 こうして旅行をすることが決まりました、ですがここでオズマはドロシーに残念そうに言いました。
「私はお仕事があるから」
「今回もなのね」
「ええ、今は行けないわ」
「お仕事が一段落したら」
「魔法の谷に行くわ」
「あのドアを使って」
「そうするわ」
 こう言うのでした。
「それからね」
「それじゃあね」
「そしてね」
 それにというのです。
「お仕事に励むわ」
「お仕事、ご公務ですが」
 ジュリア=ジャムがオズマの傍に来て言ってきました。
「かかしさん、樵さん、グリンダさんと会談もあります」
「あの人達ともね」
「そしてご一緒にです」
「お仕事もするわね」
「その予定です」
 そうだというのです。
「この度は」
「楽しいお仕事になりそうね」
「今回も」
「いつも通りね。それが終わったら」 
 それからはというのです。
「魔法の谷に行くわ」
「そうされて楽しまれますね」
「スキーをしたいわ」
 オズマはにこりと笑ってお話しました。
「あちらではね」
「スキー出来るんですか」
 カルロスはオズマの今のお話を聞いて言いました。
「魔法の谷では」
「どんな谷かって思いましたら」
 ナターシャも言います。
「雪と氷の場所なんですね」
「オズの国はスキー場も多いですけれど」
 恵梨香が続きました。
「魔法の谷はスキー場ですか」
「スキー出来るなら」
 ジョージは笑顔で言いました。
「僕達も行きたいですね」
「ご一緒させてもらっていいですか?」
 神宝はドロシーにお願いしました。
「今回の旅も」
「勿論よ、貴方達が来たらいつも冒険の旅となるから」
 ドロシーは五人に笑顔で応えました。
「誘うつもりだったわ」
「嬉しいです、じゃあご一緒させて下さい」
「魔法の谷に行きましょう」
「今回はどんな旅になるか楽しみです」
「どんな道中になるか」
「そして魔法の谷はどんな場所か」
「私は何度か行ったことがあるけれど」
 ドロシーは谷に行くことが決まった五人に笑顔でお話しました。
「あの谷もね」
「面白いですね」
「素敵な場所ですね」
「オズの国だけあって」
「だからですね」
「行くといいんですね」
「そうよ、谷にいる娘も素敵な娘よ」
 またこの娘のお話をします。
「とてもね」
「あの、ひょっとして」
 カルロスはドロシーにその娘について尋ねました。
「その娘お爺さんと一緒に暮らしてるんですよね」
「沢山の山羊や羊達と一緒にね」
 ドロシーは微笑んで答えました。
「チーズやバターが大好物でね」
「若しかして」
 カルロスはそのお話を聞いてさらに言いました。
「アルプスにいたんじゃ」
「外の世界ではかしら」
「はい、そう思いましたけれど」
「それはお会いしてからの楽しみよ」
「会えますね、谷に行けば」
「そうよ、だからね」
 それでというのです。
「まずはね」
「谷に行くことですね」
「そうしたらね」
「その娘に会えますね」
「そうよ、そして」 
 そうであってというのです。
「これから旅に行くメンバーもね」
「決めるんですね」
「これからね」
「僕は行くよ」
 トトがドロシーの足元から言ってきました。
「ドロシーが行くならね」
「トトは一緒よね」
「僕はカンサスにいた頃からのドロシーの友達だからね」
 だからだというのです。
「ドロシーが行くところはね」
「いつも一緒ね」
「そう、だからね」
 それ故にというのです。
「一緒に行こう」
「それじゃあね」
「僕もだね」
 次にオジョが言ってきました。
「最初に言ったけれど」
「ええ、貴方もね」
「ご一緒させてもらうね」
「宜しくね」
「何か面白いことお話してない?」
 ここでベッツィが来ました。
「一体何のお話をしているの?」
「実はね」
 ドロシーはベッツィに旅のことをお話しました、するとベッツィは明るい笑顔になってそのうえで言いました。
「私も行っていいかしら」
「一緒に行ってくれるのね」
「ええ、魔法の谷はずっと行ってなかったから」 
 だからだというのです。
「それならね」
「一緒にね」
「谷に行かせてね」
「それではね」
 こうしてでした。
 ベッツィも一緒に行くことになりました、そして今度はトロットが来てお話を聞いて彼女も言いました。
「なら私も」
「一緒に行ってくれるのね」
「そうさせてもらっていいわね」
「勿論よ」
 ドロシーはトロットにも笑顔で答えました。
「一緒にね」
「行きましょう」
「そして」
 それにというのです。
「谷で遊びましょう」
「皆でね」
「スキーをしてスノーボードもして」
「温泉も入ってね」
「フォンデュを食べて」
 そうしてというのです。
「楽しみましょう」
「そうしましょう」
 こうお話するとでした。
 二人の親友であるロバのハンクとキャプテン=ビルも一緒に行くことになりました。キャプテンは笑顔で言いました。
「あの谷に行くのもいいものだよ」
「うん、面白い場所だよね」
 ハンクは笑顔で応えました。
「とてもね」
「そうだね、特にね」
「特に?」
「わしはフォンデュが楽しみだよ」
 このお料理を食べることがというのです。
「チーズフォンデュがね」
「あのお料理だね」
「熱を入れて溶けたチーズがあって」
「お鍋にね」
「そこに串に刺した食材を入れて食べるんだ」
「溶けたチーズを絡めて」
「これがだよ」
 このお料理がというのです。
「最高だよ」
「キャプテンの好物だね」
「そのうちの一つだよ」
「チーズフォンデュいいですよね」
 カルロスも言ってきました。
「色々な食材を楽しめて」
「全くだよ、あれは実にいいよ」 
 キャプテンはカルロスにも笑顔で応えました。
「チーズを楽しく美味しく食べる方法だよ」
「そうですよね」
「パンにお野菜に」
「ソーセージやハムも入れますね」
「茸もだね」
「はい、本当に色々とです」
 カルロスは笑顔で応えました。
「入れられます」
「そうしたお料理でね」
「最高ですね」
「全くだよ」
「そうなのよね、フォンデュも美味しいのよね」
 笑顔で言うドロシーでした。
「あの谷では」
「普通にチーズやバターも美味しくて」
 トロットも言います。
「パンもね」
「山羊や羊のお乳も飲めるし」
 ベッツィはチーズやバターの原材料のお話をしました。
「他の地域よりも普通に」
「牛乳だけじゃないのよね」
 ドロシーも言います。
「あちらは」
「ええ、羊や山羊のお乳を飲めて」
「そこから作ったチーズやバターもね」
「そうしたものから作るフォンデュも美味しいのよね」
「牛乳のものもあるけれど」
「そう、ミルクといっても」
 カルロスがここで気付きました。
「牛乳だけじゃないですね」
「ええ、そうよ」
「羊や山羊のものもあるのよ」
「チーズやバターもね」
 ドロシー、トロット、ベッツィの三人でカルロスにお話します。
「外の世界でもそうでしょ」
「色々なミルクがあるのよ」
「そこから作られる乳製品もね」
「そうですね、僕達の学校世界中から人が集まってきていまして」
 八条学園はというのです。
「モンゴルからも来ていまして」
「遊牧民の国ね」
 ドロシーはモンゴルと聞いてすぐに応えました。
「モンゴルは」
「そうです、羊を飼っていて」
「草原の中で暮らしているわね」
「いつも馬に乗っていて」
「それで馬のお乳を飲むのよね」
「そこから作る乳製品も食べます」
「そうしているわね」
 カルロスに微笑んでお話します。
「あそこではね」
「馬のお乳ですね」
「そして羊よね」
「そうですね」
「そのことからもわかるわね」
「はい、ミルクは牛からのものだけでないです」
 ドロシーに答えました。
「他の生きものからもです」
「ミルクは採れてね」
「乳製品を作られますね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「チーズやバター、ヨーグルトをね」
「クリームもですね」
「ええ、他にはね」 
 ドロシーはさらに言いました。
「昔の日本や中国で食べられていた」
「昔のですか」
「ええ、蘇や酪、醍醐もよ」
「あっ、知ってます」
 カルロスはそうした食材のお話を聞いてすぐに応えました。
「今で言うチーズとかですね」
「そう、そうしたものもね」
「あるんですね」
「オズの国ではこちらも結構普通に食べられていて」
「魔法の谷でもですね」
「食べられるのよ」
 そうだというのです。
「これがね」
「そうなんですね」
「いいですね、そうしたものも食べられるなんて」
「蘇とかもなんですね」
「じゃあ楽しみです」
「そうしたものをいただくことも」
「そうしてね」
 カルロス達五人にお話します。
「是非」
「はい、フォンデュもいただいて」
「蘇や酪や醍醐も」
「羊や山羊のミルクで作ったものを」
「そうさせてもらいます」
「谷に行ったら」
「そうしてね。それでね」
 そうであってというのです。
「そうしたものも楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「魔法の谷に行ったら」
「色々な谷に行ってです」
「そうしてです」
「楽しませてもらいます」
「そうしてね」
 こう言うのでした、そしてです。
 五人に旅に出ることを楽しみに待つことにしました、準備が整うまでの間は宮殿に留まることになりましたが。
 その夜のお食事は昔の日本のご馳走でしたがその中にです。
「これは確か」
「ええ、蘇よ」
 ドロシーは茶色の小さく四角いものを見たオジョに答えました。
「そのね」
「そうだよね」
「牛乳から作った」
 そうしたというのです。
「蘇よ」
「そうだね」
「オズの国では蘇は普通に食べられるけれど」
「大抵は牛乳から作ったものだね」
「そうよ、ミルクもね」
 これもというのです。
「何といってもね」
「牛のものだね」
「牛乳が一番多いでしょ」
「オズの国で飲まれるのはね」
「乳製品を作るにも」
 その原材料となるものもというのです。
「やっぱりね」
「牛乳からだね」
「そうよ」 
 まさにというのです。
「外の世界でもね」
「同じだね」
「私がいた頃もそうで」
「カンサスに」
「そしてね」
 それにというのです。
「オズの国でもね」
「同じですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「そこは同じよ。家畜として多いから」
「牛がね」
「ミルクもね」
「牛乳が多いね」
「皆がよく飲むのはね」
 それはというのです。
「本当にね」
「そしてチーズやバターも牛乳から作って」
「蘇もね」
「最初何かと思いました」 
 カルロスはその蘇を食べて言いました。
「蘇と聞いて」
「昔の日本や中国の乳製品って聞いても」
「何かとです」
 どういった食材かとです。
「思いましたが」
「食べてみたら」
「これがです」
「チーズだったわね」
「はい、美味しかったです」
「それでね」
 ドロシーはさらにお話しました。
「酪や醍醐もね」
「乳製品でして」
「バターとかヨーグルトとかね」
「そうしたものですね」
「食べてみるとわかるわね」
「どうしたものか」
「そう、食べものはね」 
 それはというのです。
「どんなものか知る為にはね」
「食べることですね」
「まずはね」
 何といってです。
「そうすることよ」
「そうですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「蘇もね」
「食べるとわかりますね」
「これが美味しいでしょ」
「はい、チーズですから」 
 カルロスは蘇を笑顔で食べつつ応えました。
「美味しいです」
「わしも好きだよ、そしてだよ」
 キャプテンはお箸を器用に使って食べつつ応えました。
「このお料理は日本の奈良時代のお料理でね」
「本当に昔のお料理だよね」 
 オジョが応えました。
「千年三百年は昔の」
「この頃の日本のお料理はこうだったんだ」
「お味噌汁やお刺身や天婦羅はないね」
「そう、そしてね」
 そうであってというのです。
「これはこれでね」
「美味しいね」
「そうだよ」 
「素朴な味だね、日本のお料理っていうと」
 オジョもお箸を使って食べつつ応えました。
「お醤油とお味噌だけれど」
「どちらもあまりだね」
「お塩とかで味付けされていて」 
 そうであってというのです。
「シンプルだね」
「昔の日本料理はこうだったんだね」
「揚げたものもなくて」
「これはこれで面白いね」
「そうだね」
 キャプテンに応えつつ食べます。
「美味しいよ」
「和食といっても時代によって違うことはね」 
 ドロシーも言います。
「ずっと知らなかったわ」
「そうよね」
 オズマも言います。
「お刺身や天婦羅やお寿司だけじゃなくて」
「こうしたものもあるのね」
「蘇にしてもね」
「それでこうしたものも美味しいわね」
「そうね」
 こうお話します。
「これはこれで」
「凄くね」
「僕達普通にチーズとか食べていますけれど」
 カルロスはしみじみとした口調でお話しました。
「けれど」
「それでもよね」
「はい、こうして食べて」
 それでというのです。
「わかりました」
「昔のアジアの乳製品がどういったものかね」
「美味しいですね」
「そうよね。そして魔法の谷ではね」
「羊や山羊のチーズを楽しめますね」
「そちらも期待していてね」
 笑顔で言います、そうしてでした。
 今は皆で日本の昔のお料理を楽しみました、そのお食事が終わってから魔法の谷に行く準備に入るのでした。








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