『オズのドロシー』




                第十一幕  神々とのピクニック

 パーティーの次の日皆でオリンポスの隣の山にピクニックに行きました、ゼウス神は今度は登山服姿で言いました。
「ピクニックもいいものだ」
「ピクニックでも周りにはね」
 同じく登山服姿のヘラ神が突っ込みを入れました、皆服を着る人は登山服でそれぞれの好きな色で決めています。
「可愛い子奇麗な子にいてもらうのね」
「だからわしはな」
「そうでないと嫌よね」
「そうだ、わかっているな」
「いつもそうだから」
 ヘラ神はやれやれというお顔で応えました。
「わかるわ」
「ではいいな」
 周りにドロシーにオズマにベッツィとトロット、ボタンに恵梨香達五人の子供達にいてもらいながら言います。
「皆で行こう」
「まさかピクニックに行くなんてね」
 ベッツィは意外といったお顔で言いました。
「思わなかったわ」
「ええ、今日は何をするかって考えていたけれど」
 トロットが応えます。
「それでもね」
「僕も思わなかったよ」
 ボタンも言います、この子は水兵の服です。
「ピクニックに行くなんて」
「ははは、思わぬことをすることは楽しいからな」
 ゼウス神は皆の言葉を聞いて笑って言いました。
「今日はこれだと思ったのだ」
「そうなんですね」
 ジャックが応えました。
「思わぬ楽しむをするんですね」
「皆が今日そうすると思っていない様なな」
「そうですか」
「昨日はプールとパーティーだったからな」
 この二つで楽しんだからだというのです。
「今日は山だ」
「そういえば」 
 ここで言ったのは臆病ライオンでした。
「僕達今回は川に海にで」
「船に乗ってね」
 それでと言う腹ペコタイガーでした。
「旅をしていたしね」
「そう、船旅は楽しんでも」
 トトも確かにと言います。
「山はなかったよ」
「そう思ってな」
 ゼウス神はまた言いました。
「今日はこれだと思ったんだよ」
「成程、船旅をしてきたのなら今度は山」 
 教授は膝を叩く様に頷きました。
「そうするといいですな」
「オリンポスまではバスで来たけれど」
 モジャボロはそれでもと言いました。
「歩いて楽しんでいなかったから」
「そういえばピクニック最近していません」
 弟さんは気付きました。
「僕達は」
「私はこの前したけれど」
 それでもと言うエリカでした。
「今回も楽しみだわ」
「ピクニックもいいものよ」
 アルテミス神は笑顔で言います、長ズボンに登山靴が似合っています。
「森林浴も出来るしね」
「森林浴もいいですね」 
 かかしはアルテミス神の言葉に頷きました。
「心にも」
「うん、僕も好きだよ」
 樵も言ってきました。
「森林浴はね」
「森の中にいるとね」 
 つぎはぎ娘は踊りながらお話します。
「空気も奇麗で草木の香りも漂っているからね」
「素敵だよ」 
 笑顔で言うキャプテンでした。
「わしも好きだよ」
「しかも歩いてね」
 魔法使いはにこにことしています、そのうえでの言葉です。
「運動にもなるしね」
「そして皆でお弁当を食べるのよ」
 グリンダも今は登山服です、赤い上着と帽子それに青いズボンです。
「とても楽しいわよ」
「僕もピクニックをするとは思わなかったけれど」
 ハンクはそれでもと言いました。
「楽しみだよ」
「僕達はピクニックも好きなんだ」 
 ディオニュソス神も笑顔でその場にいます。
「プールで遊ぶこともね」
「基本自然がお好きですよね」
 大尉は神様に尋ねました。
「ギリシャの神々は」
「好きだよ」
 ディオニュソス神もその通りだと答えました。
「山も川も海もね」
「森も好きでね」
 ヘルメス神も言います。
「ピクニックもよく行くんだ」
「そうしているね」
「本当にいつもね」
「しかもオズの国は季節が変わらなくて」
 ディオニュソス神はそれでとお話しました。
「快適だしね」
「雪や氷がある場所でもね」
 それでもと言うヘルメス神でした。
「快適だしね」
「尚更だね」
「自然と親しめるね」
「外の世界では自然は怖いものでもあるのよね」
 ビリーナはオズの国に来た時のことを思い出していました。
「嵐や竜巻、地震、色々あるから」
「ええ、私も貴女と一緒に遭難したしね」
 ドロシーもその時のことを思い出して言います。
「あの時は大変だったわ」
「そしてーーですーーね」 
 チクタクも言います。
「私をーー見付けてーーーくれましーーたね」
「偶然だったわ、けれどその偶然が」
 ドロシーは今度は微笑んで言いました。
「オズの国ではとても多いのよね」
「特にあんたはね」
 ガラスの猫がまさにと言いました。
「そうよね」
「ええ、何かとね」
 ドロシーもそうだと応えます。
「多いわ」
「オズの国の偶然はオズの神々の恩恵よ」
 オズマは微笑んで言いました。
「その人に幸せをもたらすものよ」
「それでドロシーはオズの国自体に愛されているから」 
 木挽の馬も言うことでした。
「偶然が多いんだね」
「細菌も偶然はあるかしら」
 アフロディーテ神はドロシーに聞きました。
「貴女には」
「あります、本当に思わぬ幸せが」
 ドロシーは女神様に答えました。
「起こります」
「そうなのね」
「はい、そして」
 そうであってというのです。
「いつもです」
「楽しい思いをしているのね」
「そうです」
「ではその偶然も来たしつつ行きましょう」
 デメテル神はとても優しい微笑みで言いました。
「今からね」
「うん、皆準備体操はしたね」
 ヘスティア神は皆に確認しました。
「ピクニックもスポーツだからね」
「準備体操はした方がいいわね」
 デメテル神はヘスティア神の言葉に頷きました。
「やっぱり」
「そうだよ、よく歩くからね」
「スポーツで」
「スポーツならね」
 それならというのです。
「はじめる前はね」
「準備体操をしないとね」
「僕はいつもしているんだ」
 ヘスティア神は微笑んで言いました。
「運動前はね」
「準備体操をね」
「絶対にね、それでしたかな」
「はい、しました」
 ドロシーが答えました。
「もう」
「そうかい、じゃあ今からね」
「隣の山にですね」
「ピクニックに行こう」
 こうお話してでした。
 皆でピクニックに行きます、オリンポスを出てそのうえで歩いていきます。すぐに森に入りましたが。
 森に入ってです、恵梨香は周りを見回して言いました。
「この森は少し違うわ」
「アメリカの森じゃないね」
 ジョージも周りを見回して言います。
「何か違うよ」
「中国の森でもないね」
 神宝も言います。
「この森は」
「ジャングルでもないし」
 カルロスはアマゾンを思い出しました。
「不思議な感じだね」
「何か絵に出て来るみたいな」
 ナターシャは思いました。
「そんな風な森ね」
「勿論日本の森でもなくて」 
 恵梨香はまた言いました。
「オズの国の他の森とも違うわ」
「この森はギリシャの森だよ」
 アポロン神がお話してくれました。
「そうなんだよ」
「ギリシャの森ですか」
「そうだよ」
「ギリシャといいますと」
 ドロシーはアポロン神に言われて自分が知っているギリシャ本や写真で見て学校のギリシャの子達から聞いたその国を思い出して言いました。
「岩が多くて」
「海とね」
「それで昔の遺跡がある」
「そんな感じだよね」
「森のイメージはあまり」
「ははは、それは外の世界の今のギリシャだね」 
 アポロン神は笑って応えました。
「そうだね」
「はい、そうです」
「外の世界のギリシャです」
「私達の世界の」
「そのギリシャです」
「今のギリシャです」
「やっぱりね、かつてはね」 
 アポロン神は恵梨香達五人に応えました。
「違ったんだ」
「そうだったんですか」
「昔のギリシャは」
「今のギリシャとは違っていて」
「森が多かったんでしょうか」
「そうでしょうか」
「そうなんだ、それでかつてのギリシャの森は」 
 それはというのです。
「こんな風だったんだ」
「そうだったんですね」
「昔はギリシャだけでなくね」
 アポロン神は恵梨香にお話しました。
「スペインもね」
「森が多かったんですか」
「スペインも岩が多い感じだね」
「そうしたイメージです」
「そうだね、けれどね」
「昔は違っていて」
「緑が多くて」
 そうであってというのです。
「森もね」
「沢山あったんですね」
「そうだったんだ」
「その昔のギリシャなのだよ」
 ヘパイスト神もいて言います、大柄な身体に登山服が本当に似合っています。
「この森は」
「我々は自然が大好きであってな」
 ゼウス神も言います。
「それでだよ」
「だからですか」
「森をもうけたんだ」
「そうですか」
「そう、そして」
 そうであってというのだ。
「今こうしてだよ」
「歩いていますか」
「楽しくな、森がないと」
 そうでないと、というのです。
「わし等は寂しい」
「そういえばオリンポスの山も」  
 恵梨香は言われて頷きました。
「木が多いですね」
「そうだな」
「はい、とても」
「神の力を用いてな」
「木を植えて育てて」
「それでだよ」
「緑豊かにしたんですね」
「うむ、草木はいいものだ」
 ゼウス神は心から言いました。
「沢山あるとそれだけで嬉しい」
「空気が奇麗になって」
「お水もな」
 そちらもというのです。
「奇麗になるからな」
「だからですね」
「沢山あるとな」
「それだけでいいですね」
「そうだよ、そして」
 そうであってというのです。
「先に進んでいこう」
「この森の中を」
「この森は草木だけでなく」
 ゼウス神は目で周りを見回しつつお話します。
「生きものも豊富なのだよ」
「ギリシャの森の」
「そう、ニンフ達もいて」
 山道の中を歩きつつ言います。
「そしてだよ」
「生きもの達もですか」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「色々な生きものがいるよ」
「そういえば」
 ここで、です。恵梨香は鹿を見ました。
「鹿がいます」
「あそこには栗鼠が」
「猪が見えたよ」
「熊もいるね」
「狐だって」 
 五人全員が生きもの達を見ました。
「沢山いますね」
「種類も数も多いです」
「蜥蜴もヤモリもいて」
「蛇もですね」
「鳥も虫も多いですね」
「そう、草木があれば生きものも多くなるのだ」 
 ゼウス神はまさにと言いました。
「それだけで素晴らしいのだよ」
「そうですね、しかし」
 それでもと言う恵梨香でした。
「草木がないと」
「やはり生きものは少なくなる」
「そうなるんですね」
「勿論岩場や砂漠にもいるが」 
 生きもの達はというのです。
「それでもだよ」
「生きものの数は、ですね」
「種類もだ」
「限られるんですね」
「そうなのだ」
 こう恵梨香にお話します。
「だから我々は草木を増やすのだ」
「そうされるんですね」
「そしてその森において」 
「こうしてですね」
「中に入り」 
 そうしてというのです。
「楽しむのだよ」
「ピクニックや森林浴をして」
「そうなのだよ」 
 まさにというのです。
「わし等は」
「森がありますと」
「そう、そして森が出来れば水も増える」
「草木がお水を蓄えてくれますね」
「そして川や湖も出来て」
 そうなってというのです。
「尚更だ」
「自然が豊かになりますね」
「わし等は最初から作るがな」
 川や湖をというのです。
「自然とそうなる」
「そうですか」
「長い時間をかけてな、もっとも川があるなら」
「最初からですね」
「岸辺に草木が育ち」
「森も出来ますね」
「そうもなる、そして森があれば」
 そうであればというのです。
「それだけ自然が豊かになりな」
「いいことですね」
「そのことは何度も話すぞ」
「そうされますか」
「ピクニックをしながらな」
「森は大切にしないとね」
 ヘスティア神も周りを見回して言います。
「やっぱり」
「本当にね」
 ヘラ神も同意でした。
「自然が豊かになって」
「沢山の生きものが暮らせてね」
「いいことだから」
「大切にしないと」
「その通りですね」 
 ドロシーもまさにと頷きました。
「ですから私達もです」
「政治でよね」
「森を大切にしています」 
 ヘラ神にお話しました。
「そうしています」
「そうよね」
「植林もしまして」
「森を守っているわね」
「砂漠は出来る限り少ない様に」
 そうなる様にというのです。
「しています」
「死の砂漠以外はなのね」
「そうしています」
 実際にというのです。
「オズの国は」
「政治でもそうして」
「緑豊かにしています」
「素晴らしいことよ」
 ヘラ神は微笑んでドロシー達の政策に太鼓判を押しました。
「本当にね」
「そう言ってくれますか」
「心からね」
 そうだというのです。
「言わせてもらうわ」
「有り難うございます」
「ええ、そして私達もね」
「神様としてですね」
「緑を増やしていくわ」
 草木をというのです。
「そうしていくわ」
「この森みたいに」
「そうしていくわね、それでここでの森林浴は」 
 森の中を歩きつつ言います。
「気持ちいいわね」
「はい、とても」
 オズマがにこりとして応えました。
「気持ちいいです」
「そうよね」
「森に入って」
「こうして森林浴をすると」
「それだけで気持ちよくなります」
「私達もよ。私達は昔からね」
 オリンポスの神々はというのです。
「こうして森の中に入って」
「森林浴をされていたんですね」
「海や川で泳いでね」
 そうしてというのです。
「森林浴もして」
「気持ちよくですね」
「心も奇麗になるのよ」
「そうなのですね」
「オズの国に来ていつもこうしたことを楽しんで」
 ヘラ神はドロシーにお話しました。
「心が穏やかになったと思うわ」
「ギリシャにおられた時よりも」
「ええ」
 まさにというのです。
「そうなったと思うわ」
「そうですか」
「だからね」 
 それでというのです。
「オズの国に来てよかったと思っているわ」
「そう言ってくれると嬉しいです」
 オズマは心から応えました。
「ではこれからも」
「気持ちよくね」
「楽しんで下さい」
 こうしたお話をしてでした。
 皆で森林浴をしつつ先に進みました、草原に出ても先に進み蝶々や蜻蛉が飛んでいるのを見てつい微笑んで。
 そしてさらにでした、一行は。
 山の頂上に着きました、丁度お昼になりまして。
 皆でお弁当を食べることにしました、すぐにサンドイッチやお握りが出されました。その具はといいますと。
「ハムサンドに野菜サンドといい」
「カツサンドにハンバーグサンドもあります」
 ドロシーはゼウス神に応えました。
「ツナサンドや卵サンドも」
「実によい、お握りもな」
 ゼウス神はこちらのお話もしました。
「色々だな」
「うん、僕が握ったけれど」
 ヘスティア神が笑顔で応えました、三角形で海苔に包まれたお握り達を手にしつつゼウス神にお話します。
「梅干し、鰹節、昆布、明太子、ツナとね」
「色々だな」
「入れたよ」
「お握りも大好きだ」
 ゼウス神はお握りを見つつ言います。
「楽しみだ」
「お握り美味しいよね」
「最高だ」
「まさかです」
 ドロシーもお握りを見つつ言います。
「お米をこうして食べるなんて」
「思わないな」
「日本では普通ですが」
「他の国にはないな」
「それでオズの国にも」
 この国にもというのです。
「なかったです」
「当然ギリシャにもなかった」
「そうでしたね」
「こんな料理があるとは」 
 ゼウス神は唸って言いました。
「素晴らしいことだ」
「本当にそうですね」
「日本では凄く普通の食べもので」
 日本人の恵梨香が言ってきました。
「それで、です」
「ごく普通にだな」
「ありますが」
 それでもというのです。
「他の国ではないですね」
「これがないんだ」 
 カルロスが言ってきました。
「他の国にはね」
「お米を食べても」
 神宝はそれでもと言います。
「お握りはないね」
「冷えたご飯とか海苔とか食べない国って多いから」
 それでと言うジョージでした。
「どうしてもね」
「日本では普通でも」
 ナターシャも恵梨香にお話します。
「他の国にはないわね」
「そうなのよね、よく言われるわ」
 実際にと言う恵梨香でした。
「お握りは日本独自の食べものだって」
「他の国にはないね」
「そうした食べものだよ」
「日本ではごく普通でも」
「他の国から見るとかなり珍しいお料理よ」
「うむ、お米を握って海苔で巻いて食べる」
 ゼウス神も言います。
「海苔はなくてもいいが確かに独特の食べものだ」
「それでオズの国にもですね」
「長い間なかったわ」
 今度はドロシーが答えました。
「本当にね」
「そうでしたね」
「私はじめて見た時日本の不思議な食べものに思ったわ」
 そうだったというのです。
「お寿司やお刺身と並んで」
「不思議ですか」
「かなりね、けれど食べたら」
 そうすると、というのです。
「物凄く美味しかったわ」
「お握り美味しいですよね」
「そうよね、だからね」
「これからですね」
「サンドイッチとね」
 それと、というのです。
「お握りもね」
「食べるんですね」
「そうしましょう」 
 笑顔でお話してでした。
 皆でサンドイッチそれにお握りを食べます、飲みものは果物のジュースに麦茶でこちらも美味しいです。
 それでゼウス神は大喜びで、です。周りに置いた恵梨香達に言いました。
「腹一杯食べよう」
「はい、そうしましょう」
「お握りもサンドイッチも」
「どれも凄く美味しいですから」
「皆で、です」
「食べましょう」
「そうするのだ、やはりだ」
 さらに言うゼウス神でした。
「外で食べるお弁当はいいものだ」
「そうですよね」
「こうしたピクニックでのお弁当っていいですよね」
「サンドイッチもお握りも」
「凄くいいですね」
「ジュースやお茶も美味しいです」
「うむ、だからな」  
 それでというのです。
「どんどん食べよう」
「そうしましょう、しかし」
 ここでデメテル神はサンドイッチを食べつつこんなことを言いました。
「パンも変わったわね」
「昔のパンとですね」
「ええ、昔のパンは黒いのが普通でね」
 ドロシーにお話します。
「今みたいに白いパンはね」
「なくて」
「こんなに甘くて柔らかくて」
 野菜サンドを食べつつお話します。
「美味しいことはね」
「なかったですね」
「それでサンドイッチも」
 今食べているそちらもというのです。
「昔はね」
「なかったですね」
「いいアイディアよ」
「パンとパンの間に具を挟んで食べることは」
「色々なものが食べられて」 
 そうであってというのです。
「手も汚れないし」
「素敵ですね」
「そうした食べものでね」
「いいですね」
「よくこうしたものを考えたわ」
「偉大なアイディアですね」
「そうよね。何でもないようで」
 サンドイッチのアイディアはというのです。
「これがね」
「素晴らしいものですね」
「多くの人が考えつかなかったわね」
「パンを食べても」
「そうよね、パンの上に何かを乗せるのは」
 そうしたことはといいますと。
「お皿にすることもあったし」
「ありましたね」
「ええ、けれど」
 それでもというのです。
「挟んで食べることは」
「なかったですね」
「長い間。古代は」
「何処もなくて」
「最近になってよ」
「サンドイッチ伯爵が考えたというけれど」
 オズマはツナサンドを食べつつ言いました。
「偉大なアイディアよ」
「そう言うしかないわね」
「ええ、何でもない様で」
 オズマもこう言うのでした。
「これはね」
「素晴らしい発想よ」
「本当にね」
「コロンブスの卵と言うな」
 ゼウス神はハンバーグサンドを食べつつ言うのでした。
「サンドイッチもだな」
「同じですね」
「そしてお握りもな」
 こちらもというのです。
「やはりだ」
「コロンブスの卵ですね」
「何でもない様だが」
「実はですね」
「そうは思いつかない」
「そんなものですね」
「わし等も思いつかなかった」
 そうだったというのです。
「サンドイッチはな」
「そしてお握りもですね」
「うむ」
 そうだというのです。
「全く以てな」
「卵を立たせようと思ったら」
「端を壊す」
「そうすれば立たせられますね」
「だはその壊すという発想にな」
 それにというのです。
「至るのはな」
「難しいですね」
「中々な。閃くのはな」 
 それはというのです。
「簡単な様で」
「実は違っていて」
「それでだ」
 そうであってというのです。
「神もな」
「アイディアはですね」
「中々出ないものだ」
「そういうものですか」
「実際によ」
 知恵の女神であるアテナ神も言ってきました。
「知恵はあってもね」
「アイディアはですか」
「閃きはね」
「簡単にはですか」
「神にも生まれないわ」
 そうだというのです。
「これがね」
「そうですか」
「そしてね」
 そうであってというのです。
「物凄く努力して」
「九十九パーセントの努力ですね」
「その中でね」
「閃きますね」
「ふと。若しくは偶然か」
「それで来るもので」
「神でもね」
 例え知恵の女神でもというのです。
「全くね」
「来ない時がありますか」
「そうなのよ」 
 これがというのです。
「中々ね」
「だからサンドイッチやお握りも」
「考え付かなかったわ」
「そうだったんですか」
「パンがあっても食べるだけで」
 そうであってというのです。
「お米を見てもね」
「握ることはですか」
「考えなかったわ」
「そうだったんですか」
「けれどね」
 それでもというのです。
「ふとね」
「思いつきますね」
「必要と思ったら」
「そういえば」
 ここで恵梨香が言ってきました。
「サンドイッチは」
「ええ、何かしら」
 ドロシーが応えました。
「一体」
「はい、サンドイッチ伯爵が考え付きましたが」
「あの人はオズの国にもおられるけれど」
「サンドイッチという素敵な食べものを生み出したので」
「そのことからね」
「そうなんですね、それで伯爵はブリッジがお好きで」
「ブリッジをしながら食べられるものを考えてよ」
 それでと言うドロシーでした。
「閃いたのがね」
「サンドイッチでしたね」
「そうなのよ」
「何かをしようとして」
「考えて努力してね」
「閃きますね」
「必要な時に」
 その時にというのです。
「閃くものよ」
「そうですか」
「必要な時ですね」
「そう、その時によ」
 まさにというのです。
「そうしたものでね」
「それで、ですね」
「必要でない時は」
「閃かないですね」
「そうだな」 
 確かにとです、ゼウス神も頷きました。
「言われてみればな」
「閃きはですね」
「必要ないとな」
「何もしないで」
「考えもしなくてな」
「閃かないですね」
「そうだ」
 まさにというのです。
「本当にな」
「神様でもですね」
「必要だとな」
「閃きますか」
「そうだな」
 恵梨香にお話します。
「思えば」
「そうですか」
「いや、そうした意味で人間と変わらんな」
「神様も」
「わし等は特に人間的と言われるが」
 ギリシャの神々はというのです。
「そうしたところもな」
「人間的ですか」
「結構なことだ」
 笑ってです、ゼウス神はこうも言いました。
「それもな」
「結構ですか」
「うむ」
 そうだというのです。
「人間的でな、人間は子供だしな」
「神々から見て」
「そうだ、だからこれでいい」
「いつも閃かずとも」
「休む時は休むことだ」 
 こう言うのでした。
「存分にな」
「寝るのですね」
「そうだ」
 まさにというのです。
「ゆっくりとな」
「ゼウス神は睡眠も好きですか」
「休むのもな」
 こう恵梨香にお話します。
「大好きだ」
「そうなのですね」
「よく飲んで食べて遊んでな」
「お仕事をされて」
「寝ることもな」
 このこともというのです。
「大好きだ」
「それでね」
 ヘラ神はくすりと笑って言いました。
「ゼウス神はいびきが凄いのよ」
「そうなんですか」
「寝相も悪くてね」
「それは意外ですね」
「いえ、天空の神様よね」 
 恵梨香にそれでとお話します。
「すぐに変わるし雷も司っているし」
「だからですね」
「そう、本当にね」
 それでというのです。
「いびきは雷の様で寝る時の寝相はね」
「お天気みたいにですか」
「しょっちゅうね」 
 それこそというのです。
「荒れるのよ」
「そういうことですか」
「ポセイドン神やハーデス神もそうみたいよ」
 ゼウス神の兄弟である彼等もというのです。
「やっぱりね」
「いびきが凄くて」
「寝相が悪いらしいのよ」
「そうですか」
「ダンディだけれど」 
 起きている時はというのです。
「それでもね」
「寝ている時はですか」
「そんな風よ」
「寝ている時は自覚がないぞ」 
 ゼウス神は少しむっとして述べました。
「いびきや寝相のことはな」
「お昼寝の時も凄いですよ」
 ヘルメス神が笑って言ってきました。
「遠くにいてもお昼寝してるってわかる位です」
「いびきがか」
「はい」
 まさにというのです。
「落雷みたいです」
「ううむ、昼寝の時もか」
「そうですよ」
「昼寝も好きだが」
 それでもというのです。
「そうなのか」
「特にお酒を飲まれた時は」
 ディオニュソス神も笑って続きました。
「凄いですよ」
「いびきも寝相もか」
「お昼寝の時も」
「慣れていますけれどね」
 ヘパイストス神も笑っています、大きなお口でお握りをぱくぱくと食べています。
「壮絶ですから」
「寝ている時もダンディでいたいがな」
「無理だよ、それは」
 ヘスティア神が即座に突っ込みを入れました。
「君にはね」
「天空の神で雷神でもあるからか」
「それでどうして荒れないでいられるんだよ」
「ううむ、そうか」
「兄弟もね」
 ポセイドン神もハーデス神もというのです。
「同じだよ」
「海の神で地下の神でか」
「どちらの世界も色々あるからね」 
 だからだというのです。
「本当にね」
「寝相は悪いか」
「いびきもね」
 こちらもというのです。
「そうだよ」
「成程ね」
「そして」
 そうであってというのです。
「僕達もわかっているから」
「言わないか」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「僕達はね」
「そうなんだな」
「そう、そして」
 それでというのです。
「起きている時はね」
「ダンディでいいか」
「それでよくない?」
「寝ている時は寝ている時か」
「そうだよ、君はね」
「ではこのままいくか」
「うん、そういうことでね」 
 まさにというのです。
「いいと思うよ」
「ではいいか」
「どのみちいびきや寝相は変わらないからね」
 それはというのです。
「君の場合は」
「わしが天空や雷の神でか」
「変わりやすいからね」
 だからだというのです。
「オズの国では違っても」
「オズの国の天気は自由に変えられるからな」
「うん、けれどね」
 それでもというのです。
「外の世界だとね」
「そうもいかないな」
「だからね」
 それでというのです。
「僕も含めて皆元々は外の世界にいたし」
「そうしたことはだな」
「変わらないよ、努力したら変わると思うけれどね」
「そうなのか」
「医学的にね」
「そこまでするつもりもないぞ」
 ゼウス神はこう返しました。
「わしは」
「寝る時はそのままでいいね」
「うむ、だからな」
 そうであってというのです。
「寝る時はいい」
「それじゃあね」
「うむ、このままでいい」
「寝る時はダンディでなくていいね」
「寝る時はそのまま寝かせてもらう」
 こう言ってでした。
 ゼウス神はお握りを食べました、中には梅干しが入っていてその酸っぱさにこれがまたいいと笑顔で言うのでした。








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