『オズのドロシー』
第十幕 オリンポスの宴
ドロシー達一行は夕方になると皆が宿泊するホテルに案内されました、そのホテルも外観は古代ギリシャの神殿を思わせるものでして。
中はとても立派な地中海風のものでした、一人一人お部屋をあててもらいまして。
「私はトトと一緒でね」
「ロイヤルスイートですね」
「ええ、そうよ」
恵梨香に笑顔で答えました。
「私とオズマはね」
「やっぱりお二人はそうですね」
「オズマがオズの国の国家元首でね」
「ドロシーさんが首相なので」
「私達はね」
「オズの国の中でもですね」
「色々と大切にしてもらっていてね」
そうであってというのです。
「ホテルのお部屋もね」
「ロイヤルスイートですね」
「そうよ」
そうしたお部屋だというのです。
「嬉しいことにね」
「いいことですね」
「それで皆もね」
「ロイヤルスイートにお邪魔していいんですね」
「勿論よ」
満面の笑顔での返事でした。
「だからね」
「それで、ですね」
「ホテルでもね」
「楽しめばいいですね」
「そうしてね」
こう言うのでした。
「存分にね」
「それでは」
「そしてね」
こうもです、ドロシーは言いました。
「夜になれば」
「パーティーですね」
「ゼウス神の宮殿でね」
そちらでというのです。
「開いてくれるわ」
「それでね」
かかしが言いました。
「僕達も参加するけれど」
「お洒落をするよ」
樵も言います。
「奇麗にね」
「だからこれからお風呂に入ったりしてね」
臆病ライオンはとても楽しそうです。
「身だしなみを整えようね」
「それぞれそうするんだ」
トトは尻尾を振っています、そのうえでの言葉です。
「皆ね」
「服を着る人は着て」
そうしてと言う腹ペコタイガーでした。
「僕達は毛を整えるよ」
「服は正装だよ」
魔法使いもにこにことしています。
「私も普段の燕尾服とは別のタキシードを出すよ」
「私もですね」
ジュリアも言ってきました。
「今夜はドレスですね」
「ええ、そうよ」
オズマがジュリアに答えました。
「お風呂の後で着てもらうわ」
「私達もドレスね」
ベッツィも笑顔になっています。
「どんなドレスを着ようかしら」
「そのことを考えるだけでも楽しいわ」
トロットはそのベッツィに応えました。
「とてもね」
「さて、タキシードか」
キャプテンは考えていました。
「暫く振りに着るな」
「僕達はオズの国の名士としてよく着るけれど」
モジャボロはそれでもと言いました。
「今回の旅で着るのははじめてだね」
「あの服もいいよね」
モジャボロの弟さんはお兄さんに言いました。
「お洒落の一つだよ」
「正装をどう着るか」
ムシノスケ教授は畏まった口調でお話します。
「そのことも大事だよ」
「その通りよ。皆でお風呂の後で着ましょう」
グリンダは皆に言いました。
「選ばせてもらってね」
「私はお風呂に入ってブラッシングしてもらうわ」
エリカは猫として言いました。
「それで最高に奇麗になるわ」
「僕もだね」
ハンクも言います。
「そうしてもらえるね」
「お風呂はいつも入ってるけれど」
ビリーナはそれでもと言いました。
「このホテルのお風呂は楽しみね」
「あたしは洗濯してもらうわ」
つぎはぎ娘はそうでした。
「かかしさんと一緒にね」
「僕は頭のカボチャを交換して身体を磨いて」
ジャックはそうするとお話します。
「タキシードを着るね」
「僕は磨くだけだね」
木挽の馬はそうでした。
「それで奇麗になるよ」
「私は磨いてもらいます」
大尉は自分のブリキの身体を見ています、そのうえでの言葉です。
「皇帝陛下と共に。関節には油をさしてもらって」
「私もーーですーーね」
チクタクもでした。
「磨いてーーもらいーーます」
「私も磨いてもらうわよ」
ガラスの猫はチクタクの横で座っています。
「ピカピカにね」
「僕もタキシード着るんだ」
ボタンは気付いた様に言いました。
「いつもの水兵さんの服じゃなくて」
「皆そうなるわ」
ドロシーはボタンに答えました。
「皆ね」
「そうなんだね」
「じゃあ私達もなのね」
恵梨香は皆のお話を聞いて言います。
「ドレス着るのね」
「そうね、私は黒のドレスを着たいわ」
ナターシャはそれならと言いました。
「いつも通りね」
「僕は青だね」
神宝はこの色でした。
「タキシードもね」
「僕は赤にするよ」
ジョージもこの色だと言いました。
「赤が好きだから」
「僕は黄色しかないよ」
カルロスの言葉は揺るがないものでした。
「もうね」
「私はピンクね」
「貴方達の色って決まっているわね」
まさにとです、ドロシーは五人のお話を聞いて微笑みました。
「いつも思っているけれど」
「はい、やっぱりです」
「それぞれ好きな色がありまして」
「僕達はその色でいたいです」
「着ている服は」
「それぞれが好きな色でいたいです」
「そうね、その辺りは自由だから」
ドロシーはそれでと答えました。
「オズの国はそれぞれの国でそれぞれの色があるけれど」
「着る服の色はですね」
「それぞれ選んでいいですね」
「自由ですよね」
「そうですよね」
「そのことは」
「好きな色を選べなくて」
そうでなくてというのです。
「自由はないでしょ」
「オズの国には自由もありますね」
「そうよ、その人が個人的に着る服はね」
恵梨香にそうした服はとお話します。
「ちゃんとね」
「その人がですね」
「選べる様になっていることはね」
「自由ですね」
「その一つよ」
「そうですね」
「私は青が好きで」
ドロシーはというのです。
「淡い青も好きでしょ」
「ライトブルーですね」
「そう、それでね」
そうであってというのです。
「ピンクも好きで」
「あと白ですね」
「そうした色をね」
「よく着られますね」
「そうしているわ」
こうお話するのでした。
「私はね」
「そうですね」
「だからね」
それでというのです。
「今回はライトブルーのね」
「ドレスを着られますか」
「そう考えているわ」
「私は銀色かしら」
オズマはこの色でした。
「白も好きだけれど」
「オズマ姫はよくそうした色のドレスを着ておられますね」
「ええ、好きだから」
恵梨香に微笑んで答えました。
「だからね」
「それで、ですね」
「今夜はね」
「銀色のドレスですね」
「それを着て」
そうしてというのです。
「パーティーにね」
「参加させてもらうわ」
「そうされますね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「色々なご馳走もね」
「いただきますね」
「そうさせてもらうわ、だから」
それでというのです。
「これからお風呂に入りましょう」
「お風呂ですね」
「このホテルはね」
こちらはというのです。
「大浴場もあるのよ」
「大浴場ですか」
「日本のホテルみたいですね」
「そう言われると」
「西洋風のホテルにはないですが」
「このホテルにはあるんですね」
「ギリシャの神々はお風呂が大好きで」
そうであってとです、オズマは恵梨香達五人にお話しました。
「それでホテルにもね」
「大浴場があるんですか」
「そうなんですね」
「そういえば神話でもよく水浴びされていて」
「広い場所で楽しまれていますね」
「それでお風呂もなんですね」
「そう、そちらもね」
まさにというのです。
「あるのよ」
「オリンポスの神々は皆それぞれ大浴場をお持ちでね」
それでと言うドロシーでした。
「毎日なのよ」
「お風呂に入られてるんですね」
「広いプールみたいな」
そうしたというのです。
「お風呂に入っていて」
「楽しまれていますか」
「そうよ、それで私達もね」
「大浴場で、ですね」
「身体を清めて」
そうしてというのです。
「それからね」
「ドレスを着るんですね」
「髪の毛を整えて」
「そうしてですね」
「そう、そして」
そうであってというのです。
「香水もね」
「付けますね」
「そう、貴方達は香水は付けないわね」
「はい、子供ですし」
恵梨香はそれでと答えました。
「私達別に」
「香水は付けないで」
「暮らしています、お風呂に入って」
「石鹸やシャンプーの香りね」
「それで充分ですよね」
「それはね」
ドロシーも否定しませんでした。
「その通りだけれど」
「それでもですか」
「香水もお洒落よ」
「そうなんですね」
「そのうちの一つでね」
そうであってというのです。
「付けてね」
「今夜のパーティーは」
「お願いするわね」
「わかりました」
こう言ってでした。
皆でお風呂に入る必要のある人達はそれぞれ男湯女湯に別れて大浴場に入りました、そうしてでした。
身体を清めてからです、香水を付けて奇麗なドレスを着ましたが。
「あの、何か」
「香水付けると違うわね」
「薔薇の香りの香水ですが」
「いいものでしょ」
「はい、とても」
「実はね」
ここでドロシーはこうもお話しました。
「ローマでもね」
「香水は使われていましたか」
「そうよ」
実際にというのです。
「それもかなりね」
「そうだったんですね」
「日本でもでしょ」
恵梨香のお国でもというのです。
「お香を焚いてね」
「香りをですね」
「身体に備えていたでしょ」
「それもお洒落なんですね」
「香りのこともね」
「そうですか」
「だからね」
それでというのです。
「覚えておいてね」
「香水を使うことも」
「そうしてね」
「そうですか」
「正式な格式のあるパーティーの時は」
その時はというのです。
「本当にね」
「香水もですね」
「必要なのよ」
そうだというのです。
「むしろ使わないと」
「よくないですか」
「それで皆ね」
「付けていますね」
「それでゼウス神は」
この神様はといいますと。
「香水、オーデコロンにもね」
「凝っておられるんですね」
「そのことも見てね」
「ゼウス神のオーデコロンも」
「正確には香りを感じるね」
そうなるというのです。
「そうしてね」
「そうですか」
「そう、そして」
そのうえでというのです。
「私達も付けたから」
「香りをですね」
「楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「では皆ドレスを着て奇麗にしたし」
見ればそうでした、ドレスを着ている人達だけでなくです。洗濯されて磨かれてブラッシングもしてもらってとても奇麗です。勿論香りも素敵です。
「だからね」
「これからですね」
「パーティーに行きましょう」
「わかりました」
恵梨香も他の皆も頷きました、そしてゼウス神の宮殿に行くとそれぞれ奇麗なドレスを着た神々が揃っていまして。
ゼウス神もです、黒いタキシードを着ていました。
「よく来たな」
「あの、凄くです」
恵梨香はそのゼウス神に言いました。
「お洒落ですね」
「ダンディだろう」
「ダンディですか」
「わしは正装も凝っていてな」
そうであってというのです。
「こうしてだ」
「タキシードもですか」
「凝っていてな」
そうしてというのです。
「オーデコロンもな」
「そちらもですね」
「凝っているのだよ」
そうだというのです。
「そしてお風呂もな」
「入られていますね」
「うむ」
実際にというのです。
「ちゃんとな」
「そうなんですね」
「身体を清め」
「タキシードを着て」
「そしてな」
そうであってというのです。
「オーデコロンもな」
「付けられて」
「お洒落は徹底的にだ」
「凝られていますか」
「実はタキシードだが」
ゼウス神はそちらのお話もしました。
「黒だが」
「色はですね」
「生地はシルクでな」
「それで光沢がありますね」
「そうだが色は色々持っている」
「そうですか」
「白もあるぞ」
この色もというのです。
「ちゃんとな」
「ゼウス神の色ですね」
「後で着替える」
「お化粧なおしですか」
「ははは、そうだ」
その通りだというのです。
「それも好きでな」
「今夜もですか」
「楽しむぞ」
「白のタキシードですか」
「そちらもな」
「全く、本当にお洒落が好きだから」
草色のドレスのデメテル神が言ってきました、お化粧をして髪の毛も上げてセットしていてとても奇麗です。
「いつもね」
「逆にわしがお洒落じゃないとどうだ」
「病気かと思うわ」
こう返すデメテル神でした。
「その時はね」
「そうだな、だからな」
「今夜もまた」
「お洒落をしてな」
そうしてというのです。
「化粧なおしもだ」
「するのね」
「そうするぞ」
「白のタキシードね」
「そうだ」
まさにというのです。
「それも着るぞ」
「それはいいけれど」
今度は白のドレスのヘラ神が来ました、この女神様もとても奇麗でプールの時とはまた違う魅力を見せています。
「ただね」
「何だ?」
「貴方はこうした時もでしょ」
「可愛い子や奇麗な子をだな」
「美男美女をね」
そうした人達をというのです。
「周りにいてもらっているわね」
「当然だ」
一も二もない返事でした。
「もうな」
「そうよね」
「それがか」
「プールの時も言ったけれど」
それでもというのです。
「やっぱりね」
「どうかとなるか」
「そうよ」
「ゼウス神はいつもだからね」
白いドレス姿のヘスティア神も言ってきました。
「本当にね」
「ええ、貴女もそう思うわよね」
「勿論だよ」
ヘスティア神はヘラ神に答えました。
「変わらないなってね」
「そうよね」
「困ったものだよ」
「全くね、ゼウス神は」
デメテル神も言います。
「オズの国でもね」
「浮気をしないだけかなり変わったと思うがな」
ゼウス神ご自身の返答です。
「それでも言うか」
「言うわよ」
「言うよ」
「言わないでいられないわ」
ヘラ神だけでなくヘスティア神とデメテル神も言います。
「確かに浮気はしなくなったけれど」
「それでもだよ」
「可愛い子や奇麗な子を好き過ぎるわ」
「好きなものは仕方ないではないか」
ゼウス神の弁です。
「指一本触れておらんが」
「それだけでも違うな」
「そうだよね」
赤いタキシード姿のヘパイストス神と濃い紫色のタキシード姿のディオニュソス神がこうお話しました。
「古代のゼウス神ときたら」
「凄かったからな」
「僕達から見ても」
「全くだ」
「というか古代ギリシャの僕達はね」
橙色のタキシード姿のヘルメス神は少し苦笑いです。
「今思うとかなり、だったね」
「人間もだったな」
黄色いタキシード姿のアポロン神も言います。
「凄かったな」
「ついかっとしてね」
「あと感情の赴くままね」
「私達も大人しくなったかしら」
アフロディーテ神はピンクのドレス姿です、露出は少ないというのに随分と美貌が際立っています。
「あの頃から思えば」
「確かにね」
銀のドレス姿のアルテミス神も言います。
「私もついかっとしてってあったわ」
「オズの国ではそうしたこともなくなって」
青いドレス姿のアテナ神は思いました。
「考え方も行いも平和になったわ」
「平和が一番だ」
ゼウス神は笑って言い切りました。
「こうして毎日楽しい思いが出来るしな」
「そのことはそうだね」
ヘスティア神も確かにと頷きました。
「僕も平和が大好きだよ」
「そうだな」
「オズの国に来てよかったよ」
「全くだな」
「他の神話の神々とも遊べるしね」
「ロキ神もか」
「全くあいつときたら」
ヘスティア神はゼウス神にお話を振られ少しむっとして言いました。
「僕を色々とからかうからね」
「困るか」
「そのことはね」
こう答えるのでした。
「言うよ」
「そうだな、では今から盛大に遊ぼう」
こう言ってでした。
ゼウス神は周りに可愛い子や奇麗な子達を侍らしたうえで美味しいものを口にしていきました、そして音楽も演奏されますが。
オーケストラでクラシックの音楽が奏でられオペラ歌手が歌います、ゼウス神はあるソプラノ歌手の歌を聴いて言いました。
「この曲は本当にいいな」
「全くだね」
ヘスティアも確かにと頷きます。
「僕も大好きだよ」
「何度聴いてもいい」
「そうだね」
「この曲は」
ドロシーは歌が終わり歌手の人に拍手が贈られる中で言いました。
「ある晴れた日にですね」
「うむ、蝶々夫人の歌だな」
ゼウス神はまさにと応えました。
「第二幕の」
「そうですね」
「わしはこの曲が大好きなのだ」
「僕もだよ」
ヘスティア神も言ってきました。
「とてもいい曲だよね」
「心に入り込み忘れられない」
「応援したくなる」
「とてもいい曲だ」
「そうですね、そしてこの曲は」
ドロシーは恵梨香を見て言いました。
「日本が舞台の作品で」
「歌う役は日本人だね」
ヘスティア神が笑って答えました。
「タイトルロールの蝶々さんは」
「そうですね」
「日本を舞台にした歌劇があってね」
「こんな素敵な曲がありますね」
「昔は日本は聞いたこともなかったけれど」
「私もです。名前もです」
それこそとです、ドロシーは答えました。
「聞いたことがなくて何処にあるかさえ」
「知らなかったね」
「そんな国でした」
そうだったというのです。
「かつては」
「君もだね」
「それが今ではです」
「オズの国にも日本が沢山入ってきていてね」
「よく知る様になりました」
「そうなったね」
「蝶々夫人という作品も」
この作品もというのです。
「この歌も」
「ある晴れた日にもね」
「こんな素敵な曲があるなんて」
「夢にも思わなかったね」
「そうよね、けれどね」
オズマがドロシーに言ってきました。
「作曲したプッチーニさんも脚本を書いたイッリカさんとジャコーザさんもね」
「その人達今はオズの国におられるわね」
「ええ、この人達日本に行ったことはないのよ」
「そうだったのね」
「けれどね」
「あれだけの作品を作ったのね」
「そうなのよ」
こうお話するのでした。
「凄いわね」
「とてもね」
ドロシーはまさにと答えました。
「驚く位よ」
「私もそう思うわ」
オズマも同じ考えでした。
「心からね」
「あの、蝶々夫人は」
恵梨香も言ってきました。
「私もです」
「大好きな作品なのね」
「はい、そしてある晴れた日も」
この曲もというのです。
「凄くです」
「日本が舞台の作品だから」
「大好きです」
「やっぱり自分の国が舞台だと思い入れも出来るわね」
「そうです」
「うむ、日本もいいものだ」
ゼウス神はエスカルゴ料理話題になっていたそれを食べつつ言ってきました。
「面白い国だ」
「面白いですか」
「とても不思議な国だよ」
こう恵梨香に言うのでした。
「侍に忍者、公家に力士がいて」
「和歌はとても素晴らしいものよ」
アテナ神も言ってきました。
「自然を詠う短い詩がね」
「お好きですか」
「自然や恋愛を詠ってね」
「そうですか」
「この前着物を着てね」
アテナ神は恵梨香にお話しました。
「日本人の街で詠ったわ」
「わしも詩が好きでな」
ゼウス神は再び恵梨香にお話しました。
「英語のものも漢詩も詠むが」
「和歌もですか」
「俳句も詠む」
そちらもというのです。
「そちらもな」
「俳句もですか」
「そうしている」
実際にというのです。
「日本の詩もな」
「そうなんですね」
「和食も好きだしな」
こちらのお料理もというのです。
「お刺身やお鍋もな」
「お鍋もですか」
「水炊きやすき焼きもいいが」
ゼウス神は今度はパスタを食べています、ペンネアラビアータをスプーンで食べつつそのうえで言うのでした。
「鮟鱇鍋や河豚鍋も好きだ」
「えっ、河豚を召し上がられるんですか」
恵梨香もこのことには驚きました。
「そうなんですか」
「河豚ってそうはです」
神宝も驚いて言います。
「食べないですよ」
「日本以外の国では」
ジョージもやっぱり驚いています。
「そうは食べないですよ」
「外の世界では毒があるので」
カルロスは河豚のそのことをお話します。
「どうしても」
「オズの国の河豚は毒はないですが」
ナターシャはそれでもと言いました。
「ギリシャの神様が召し上がられるんですか」
「わしはグルメでもあるのだ」
ゼウス神は胸を張って言い切りました。
「それで河豚もだ」
「召し上がられますか」
「あのお魚も」
「河豚鍋にして」
「それで、ですか」
「楽しまれていますか」
「お刺身や唐揚げにもしてな」
そちらのお料理もというのです。
「楽しんでいるぞ」
「実はゼウス神は何でも食べるのよ」
デメテル神が五人にお話します。
「どの国のお料理もね」
「そうなんですね」
「グルメと言っておられますが」
「そのお言葉通りですか」
「何でも召し上がられますか」
「それも美味しく」
「僕も河豚は食べるけれど」
それでもと言うヘスティア神でした。
「最初は食べられるとは思わなかったよ」
「それがとても美味しくて」
恵梨香は目をキラキラとさせて答えました。
「一度食べると大好きになりますね」
「そうなんだよね」
ヘスティア神は生牡蠣を食べつつ応えました。
「これが」
「そうですよね」
「うん、思えば牡蠣だってね」
今食べているこの貝もというのです。
「殻は岩みたいでね」
「食べものには思えないですね」
「少し見ただけだとね」
それならというのです。
「そうよね」
「そうですね」
「けれど食べると」
生牡蠣にレモン汁をかけて食べて言います。
「これがね」
「美味しくて」
「大好きになるよ」
「そうですね」
「そう、そして」
それでというのです。
「こうしてね」
「召し上がられていますね」
「僕もね。あとね」
「あと?」
「僕は竈の神だね」
ヘスティア神はご自身のお話をしました。
「それで麦やお米を使ったお料理もね」
「お昼クッキーを焼いてくれましたね」
「あれも麦を使っているから」
だからだというのです。
「得意料理の一つなんだ」
「そうですか」
「そしてね」
そうであってというのです。
「パンも得意だしお米のお料理もね」
「お得意ですか」
「こちらもね」
トマトと鶏肉のリゾットを出して言いました。
「得意だよ」
「リゾットもですか」
「そうだよ、それでどうかな」
ヘスティア神は恵梨香に尋ねました。
「君もね」
「リゾットをですか」
「どうかな、もう一皿」
「そう言われるなら」
恵梨香は微笑んで応えました。
「宜しくお願いします」
「それではね」
ヘスティア神はにこりと笑って恵梨香にもう一皿のトマトと鶏肉のリゾットを差し出しました。恵梨香はそのリゾットを受け取ってです。
そうして食べるとです、笑顔で言いました。
「美味しいです」
「そうなんだね」
「はい、とても」
「穀物を使ったお料理ならだよ」
「ヘスティア神はですね」
「一番得意なんだ」
お料理の中でもというのです。
「だからどんどん食べてね」
「わかりました」
恵梨香はそれならと頷いて応えました。
「そうさせてもらいます」
「スパゲティも美味しいし」
「フェットチーネもね」
「マカロニだって」
「ペンネも」
五人全員で言います。
「何かどのお料理も美味しくて」
「食べるのを止められないよ」
「パスタもそうだけれどリゾットも美味しいなら」
「今度はそちらを」
「食べてね。私次はね」
恵梨香はリゾットを食べつつ言いました。
「イカ墨のスパゲティをいただくわ」
「それは何よりだ、どの料理もだ」
ゼウス神は今は大きなソーセージを食べています、そのうえで言います。
「オリーブオイルをふんだんに使っている」
「やっぱりオリーブですね」
「ギリシャですと」
「それで、ですね」
「今夜のお料理にも使われていますね」
「そうなんですね」
「ふんだんにな、オリーブなくして」
それこそというのです。
「ギリシャはない」
「そうだね」
それでと言うかかしでした。
「ギリシャというとオリーブだね」
「全くだよ」
樵はかかしの言葉に頷きました。
「お料理以外にもね」
「見ているだけで気分がよくなる」
ゼウス神はまさにと言いました。
「料理に使うだけでなくな」
「古代からですね」
恵梨香はまさにとです、ゼウス神に尋ねました。
「そのことは」
「如何にも」
その通りだというのです。
「我々は」
「そうですか」
「お花も奇麗だしな」
ソーセージをさらに食べながら言うのでした。
「とてもいいものだ」
「ではソーセージも」
「いや、これは茹でたものでね」
「オリーブオイルは使っていないですか」
「そうなんだ」
こちらはというのです。
「このソーセージは」
「そうですか」
「茹でたソーセージにマスタードを塗って」
「召し上がられていますか」
「これが美味い」
実際に食べつつ言います。
「皆も食べるといい」
「ソーセージもですね」
「美味いからな」
「あたし食べる必要ないからね」
それでと言うつぎはぎ娘でした。
「歌って踊るわね」
「ああ、君は歌と踊りが大好きだったね」
つぎはぎ娘にアポロン神が尋ねました。
「そうだったね」
「そうよ」
その通りという返事でした。
「毎日幾らでもね」
「歌って踊れるんだね」
「だから今夜もね」
「それならだよ」
アポロン神はつぎはぎ娘の言葉を受けて笑顔でこう返しました。
「僕と一緒に踊らないかい?」
「今から?」
「うん、今からね」
笑顔で申し出ました。
「社交ダンスをね」
「あたしダンスなら何でも好きでね」
それでと返すつぎはぎ娘でした。
「それでよ」
「社交ダンスもだね」
「好きよ」
そうだというのです。
「それで誰の申し出もね」
「受けるんだね」
「一緒に踊るなら」
それならというのです。
「まさにね」
「それではね」
「踊りましょう」
こうしてでした。
つぎはぎ娘とアポロン神はお互いに一礼をしてから手を取り合ってそのうえで社交ダンスをはじめました、音楽はオーケストラです。
そのダンスを見てです、アテナ神は思わず唸りました。
「つぎはぎ娘のダンスは何時見ても素敵ね」
「あの動きは特別ですよね」
ドロシーが応えました。
「本当に」
「ええ、ぬいぐるみの身体だからね」
「自由自在に跳んで跳ねて」
「しかも音感があるから」
このこともあってというのです。
「上手よ。尚且つ毎日よね」
「いつも踊っています」
「歌ってね」
「そうしています」
「だからね」
「上手ですね」
「独特の身体に才能があって」
そうであってというのです。
「毎日努力しているとね」
「上手になりますね」
「そうよ」
実際にというのです。
「一番大事なのはね」
「努力ですね」
「何もしないなら」
それならというのです。
「変わらないわ」
「何もかも」
「そうよ、だからね」
「つぎはぎ娘が一番凄いことは」
「いつも踊っていることよ」
このことだというのです。
「何といってもね」
「若しつぎはぎ娘が驚ないなら」
「変わっていなかったわ」
そうだったというのです。
「やっぱりね」
「そうですね」
「ダンスも上手にはね」
「なっていないですね」
「わし等も何もしないでいるとな」
どうかとです、ゼウス神も言ってきました。
「何も変わらないのだ」
「神様もですね」
「わしは天候特に雷を自在に操るが」
「天空の神様なので」
「そして雷の神でもあるからな」
「自在に操れますね」
「しかしな」
それでもというのです。
「それは常にだ」
「動かしている結果ですね」
「左様、だからな」
それでというのです。
「神も何もしないでいるとだ」
「変わらないですね」
「やはり努力だ」
こうドロシーにお話します。
「誰でも努力しないとな」
「どうにもならないですね」
「そうだ」
まさにというのです
「そのことをだ」
「覚えておくことですね」
「何、別に堅苦しくなくな」
「楽しんで、ですね」
「やっていけばいい」
「努力は」
「つぎはぎ娘もね」
彼女もというのです、アテナ神はお話しました。
「そうしているわ」
「努力ですね」
「本人は歌や踊りは好きで趣味であって」
「楽しんでいますね」
「そうしていると思うだけで」
それだけでというのです。
「努力しているとは思っていないけれど」
「けれど努力ですね」
「学んでやっているなら」
それならというのです。
「それ自体がね」
「努力ですね」
「そう、そしてね」
「努力をして」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「どんどんよくなっているわ」
「そうですか」
「そうよ、努力すれば」
「そうすればですね」
「どんどんよくなるのよ、だから私達もね」
「努力されていますね」
「神もね」
こう言うのでした。
「そうなのよ」
「まさに誰もですね」
「努力してよくなるのよ」
つぎはぎ娘は今も踊っています、今度はゼウス神とです。ドロシー達も社交ダンスをはじめ神々も人も共に楽しむのでした。