『新オズのグリンダ』




                第二幕  素敵なタンク

 魔法使いは皆と一緒にグリンダの宮殿に行く準備を進める中で彼が造ったタンクを見せました、そのタンクはといいますと。
 かなり大きくオリーブ色に塗装されていて左右に二段ずつ戦車の砲塔が上は四つ下も四つあって前の方に四連装の対空機銃があってです。
 車体の上に列車砲を二つ合わせたみたいな連装の砲塔があります、全長は百メートル車高は十メートル程あってです。
 神宝はその姿にです、こんなことを言いました。
「戦車というか要塞ですね」
「そうだね、ゲームに出そうだよ」
 カルロスも見て言います。
「このタンクは」
「そうだね」
 ジョージも頷いて言います。
「この姿は」
「これで移動するのね」 
 恵梨香は目を丸くさせています。
「今回の旅も凄いわね」
「これならね」
 ナターシャも言います。
「中も広そうね」
「そう、戦う為のタンクに見えるけれど」
 それでもと言う魔法使いでした。
「撃つのは花火だけだよ」
「大砲や機関銃じゃなくて」
「花火ですか」
「花火を上に向けて撃って」
「夜空を飾るんですね」
「その為の砲塔や機関銃ですね」
「全部自動で撃ててね」
 そうであってというのです。
「これで水上も水中も水底も移動出来るよ」
「ただ水陸両用じゃなくて」
「水中も水底もですか」
「どちらも行けますか」
「それは凄いですね」
「潜水艦みたいですね」
「ホバークラフトみたいに浮かぶことも出来て」 
 その能力もあるというのです。
「地中も進めるよ」
「何でもありますね」  
 神宝はここまで聞いてさらに驚きました。
「まさに何処でも進めますか」
「この戦車はね、だから何処に行ってもね」
 そうしてもというのです。
「誰も傷付けず何も壊さずにね」
「進めるんですね」
「この大きさだけれどね」
 百メートルに達するまでのというのです。
「そうなんだよ」
「それは凄いですね」
「しかも地中は掘り進むんじゃなくて」 
 そうでなくというのです。
「全部通り抜けるんだ」
「岩も生きものも」
「地中ではね」
「本当に誰も傷付けないで」
「壊さないでね」
 そうしてというのです。
「進めるよ」
「そうしたタンクですか」
「そして中には素敵なキッチンもリビングもあって」
 タンクの内部のお話もします。
「バスルームもあるしね」
「ホテルみたいですね」
「勿論ベッドもあるし」
「快適に旅行出来るんですね」
「そうだよ、流石にお空は飛べないけれど」
 それでもというのです。
「快適にね」
「旅が出来ますね」
「そうだよ、だからね」 
 それでというのです。
「楽しんでね」
「旅行の間は」
「是非ね」
「これまた凄いものを造ったわね」
 一緒に見ているビリーナが言いました。
「魔法使いさんがこれまで造った中で最高傑作じゃないかしら」
「そうね」
 エリカはビリーナの言葉に頷きました。
「魔法使いさんこれまで色々なもの造ってきたけれど」
「その中でもね」
「このタンクは凄いわ」
「これに乗って旅が出来たら」
「どれだけ楽しいか」
「今からうきうきするわね」
「そうよね」
 こんなことをお話します、そしてです。
 トトはドロシーにです、こう言いました。
「夜だって素敵なことになるね」
「ええ、これだけの大砲で花火を打ち上げたらね」 
 ドロシーはトトににこりと笑って応えました。
「物凄くね」
「沢山の花火が打ち上げられて」
「見がいがあるわ」
「そうだよね」
「だから夜もね」
「楽しみだね」
「本当にね」
 こうトトに言いました。
「私も」
「僕もだよ」
「ええ、このタンクに乗っての旅がね」
 オズマもにこりと笑って言います。
「凄くね」
「楽しみですね」
「私もね」 
 ジュリアに笑顔で答えます。
「そうよ」
「一体どうした旅になるか」
「楽しみよ。だからね」
 それ故にというのです。
「今はね」
「出発の準備をですね」
「進めましょう」
「それでは」 
 ジュリアも笑顔で応えます、そうしてでした。
 皆で旅に行く準備を進めていきます、その中でオズマにグリンダから王宮の鏡で連絡がありました。
 グリンダは笑顔で、です。オズマに言いました。
「貴女達が来てくれたらね」
「その時はなのね」
「私達の宮殿に沢山の人が集まっていて」
「パーティーを開くのね」
「政治のお話もして」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「パーティーも開くから」
「楽しみにしていてね」
「わかったわ」
 オズマはここでもでした、笑顔で言いました。
「それじゃあね」
「来てくれるわね」
「絶対にね」
 グリンダに約束しました。
「そうさせてもらうわ」
「待っているわね、あとね」
「あと?」
「あの子達も来てくれるのよね」
「神宝達ね」
「そう、私最近あの子達に会っていなかったけれど」
「ええ、今来ているわ」
 オズマは正直に答えました。
「あの子達もね」
「それならね」
 オズマは笑顔のまま応えました。
「楽しみにしているわ」
「宜しくね」
「あの子達に会うこともね」
「それではね」
「色々なお料理も用意するから」
 グリンダはこのこともお話しました。
「メニューは考えているわ」
「貴女自身が」
「音楽や出しものもね」 
 そうしたものもというのです。
「だからね」
「そうしたことも期待していていいのね」
「そうよ、待っているわね」
「色々な国も歴訪して」
 オズの国の中のというのです。
「そのうえでね」
「私の宮殿に来てくれるわね」
「そうさせてもらうわ」
「それならね」
「待っていてね」
「そうさせてもらうわ」
 笑顔で応えてでした。
 グリンダは鏡の前から姿を消しました、オズマは彼女とのお話の後でドロシーとお話をしましたが。
 ここで、です。ドロシーはオズマに言いました。
「そのメニューもね」
「楽しみよね」
「一体何が出るかね」
「本当にそうよね」
「グリンダも色々なものを食べるから」
「だからね」
「楽しみよ。特にね」
 ドロシーはにこりと笑って言いました。
「お菓子がね」
「楽しみね」
「一体どんなお菓子を出してくれるか」
「今からね」
「凄く楽しみよ」 
 こう言うのでした。
「心からね」
「私もよ。それで今日のお昼は」
「デザートね」
「中華料理でね」
 メインはというのです。
「マンゴープリンよ」
「そちらね」
「そう、ドロシーも好きでしょ」
「ええ」
 ドロシーは満面の笑顔で答えました。
「あのお菓子もね」
「そうよね」
「中華のお菓子はね」
 こちらはといいますと。
「杏仁豆腐も好きだけれど」
「マンゴープリンもよね」
「好きよ、そしてね」
 それでというのです。
「ごま団子や桃饅頭もね」
「好きね」
「そうなの」
 実際にというのです。
「そちらもね」
「そうよね」
「それでね」
 さらにです、ドロシーは言いました。
「果物でライチがあるけれど」
「あちらも好きね」
「そうなの、杏も好きで」
「中華料理のお菓子って杏も使うわね」
「よくね、それでね」 
 そうであってというのです。
「今日のお昼もね」
「楽しみね」
「マンゴープリンがね」
「皆で食べましょう」
「是非ね」
 こうしたお話をして準備を進めました、そしてその後でお昼に皆で中華料理を食べますが担々麺に麻婆豆腐に辛いタレをかけた水餃子に唐辛子を利かした炒飯といったメニューで神宝はこんなことを言いました。
「四川料理ですね」
「ええ、今日のお昼はね」
 オズマは微笑んで答えました。
「中華料理の中でね」
「こちらですね」
「そう、辛いけれど」
「この辛さがいいですね」
「美味しいわよね」
「はい、とても」
「ですが」
 ここでジュリアが言ってきました。
「シェフの方が言われるにはです」
「何かありますか?」
「私達は子供ですので」 
 だからだというのです。
「子供でも食べられる辛さにです」
「してくれたんですね」
「はい」
 そうだというのです。
「そう仰っています」
「そうですか」
「うん、この辛さはね」
 皆の中で唯一の大人である魔法使いが言ってきました。
「子供でも食べられる」
「そうした辛さですか」
「唐辛子をあまり使わないで」
 そうしてというのです。
「胡椒や山椒を使った」
「そうした辛さで」
「それでね」 
 そうであってというのです。
「適度な辛さだよ」
「僕達でも食べられる位の」
「これが大人向けの辛さだと」
「もっとですね」
「うん、そうなるよ」
「僕中国でも天津生まれで」
 それでというのです。
「四川料理はあまり」
「馴染みがないね」
「ですからその辛さも」
 四川料理のというのです。
「馴染みがないですが」
「それでもだね」
「この辛さなら」
「食べられるね」
「はい」
 笑顔での返事でした。
「美味しく」
「それなら何よりだよ」
 魔法使いはにこりと笑って応えました。
「これからね」
「美味しくですね」
「食べようね」
「そうさせてもらいます」
「私もね」
 魔法使いは自分のこともお話しました。
「これ位の辛さがね」
「いいですか」
「丁度かな」
「そうなんですね」
「辛くても食べられるけれど」 
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「極端に辛いよりもですね」
「そうなんだ」 
 こうお話するのでした。
「むしろね」
「そうですか」
「だからね」
「今は楽しくですね」
「心からね」
「それはいいですね」
「麻婆豆腐だってね」 
 そちらを食べて言いました。
「こうしてだよ」
「美味しく召し上がられていますね」
「そうだよ、お豆腐も好きで」 
 それでというのです。
「麻婆豆腐も好きでね」
「美味しいですね、そういえば」
 ここで神宝はこう言いました。
「グリンダさんのおられるカドリングは赤で」
「あっ、このお料理全部赤いわ」
 エリカが言ってきました。
「少しでも唐辛子を使っているから」
「そうだよね」
「カドリングのね」
「同じ唐辛子でもね」
 ここでドロシーが言いました。
「オズの国だとね」
「それぞれの国の産で色が違うんだよね」
 トトが言ってきました。
「他の農作物や植物と同じで」
「ええ、エメラルドの都だとね」
「緑でね」
「カドリングだと赤よ」
「そうだね」
「外の世界だと唐辛子は基本赤いのよね」
「そうだね」
 ドロシーの言葉に頷きました。
「これが」
「それで緑や黄色のものもあって」
「タイ料理とかで使うね」
「けれどね」  
 それがというのです。
「オズの世界だとね」
「産地の国で色が違うよ」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「辛さのレベルはね」
「色ではわからないね」
「大きさでよ」  
 唐辛子のというのです。
「違うのよ」
「オズの国ではそうだね」
「他の香辛料もね」
「色じゃわからないから」
「だからね」 
 それでというのです。
「そうしたことでね」
「わかって」
「それでよ」
 そうであってというのです。
「そのこともね」
「大事だよね」
「房や粒が大きいとね」 
 香辛料はというのです。
「それだけね」
「辛いんだよ」
「そうなのよ」
「そこが違うんだよね」
「外の国とはね」
「オズの国はね」
「それで唐辛子を使っても」
 そうしたお料理もというのです。
「辛さはね」
「わからないね」
「そうよ、それでこの四川料理はね」
「カドリングのものを使っていて」
「赤いのよ」
「そうだね」
「ええ、ただあまり使ってなくて」
 その唐辛子はです。
「しかも小さいものだから」
「そんなに辛くないね」
「そうよ、私達は子供だから」
「辛いお料理は苦手だね」
「どうしてもね、唐辛子や山葵は」
 こうしたものの辛さはといいますと。
「どうしてもね」
「抵抗があるよね」
「ええ、だからね」
「あまり辛くないね」
「そうしたお料理になっているのよ、それでね」
 ドロシーはここでにこりと笑って言いました。
「後でね」
「デザートだね」
「こちらはマンゴープリンよ」
「いいですね」
 マンゴープリンと聞くとジュリアが満面の笑みで言ってきました。
「私実はです」
「マンゴープリン好きなの」
「大好きなんです」
 そうだというのです。
「ですから」
「楽しみね」
「今も楽しんでいますが」
 それだけでなくというのです。
「デザートもです」
「それは何よりね」
「それじゃあ」
「ええ、デザートまでね」
「食べればいいですね」
「そうしたらいいわ」
「それでは」
 ジュリアは笑顔で頷きました、そうしてです。
 マンゴープリンを食べました、他の皆もこのお菓子を食べて楽しみました。それから午後はまた準備でした。
 そして準備が整い出発の日になるとです。
 皆タンクに乗り込みました、すると中はです。
「操縦席はありますが」
「他はそれぞれのお部屋に分かれていますね」
「船の客室みたいですね」
「そうなっていますね」
「戦車の中っていいますか」
「本当に船の中みたいです」
「そちらをイメージして造ったんだ」
 魔法使いは神宝達五人に答えました。
「そして操縦も自動でもだよ」
「動いてくれますか」
「魔法使いさんが造られた飛行船みたいに」
「自動操縦出来るんですね」
「そしてずっと動ける」
「そうなんですね」
「そうなんだ」
 五人に笑顔でお話しました。
「このタンクもね」
「それでよね」
 ドロシーが魔法使いに笑顔でお話しました。
「自動で障害物もどけるわね」
「そうだよ、人や生きものやものが前にあるとね」
 魔法使いはドロシーにもお話しました。
「児童になんだ」
「浮いたり地中に入って」
「よけるんだ」
「そうするのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「自動操縦でも安心してだよ」
「移動してくれるのね」
「そうなんだ」
「それはまたいいわね」
「そうだよね」
「じゃあ安心して」
「色々な国を巡れるよ」
 そうだというのです。
「安心してね」
「それじゃあね」
「さて、乗りましょう」
 オズマも言ってきました。
「もう朝ご飯を食べて」
「身支度も整えたから」
「荷物も入れてね」
 タンクの中にというのです。
「そうしてね」
「出発しようね」
「そうしましょう」
「中にはテレビも映画を鑑賞お部屋もあって」
 そうであってというのです。
「お風呂もあるから」
「色々楽しめるわね」
「そうだよ、じゃあ乗り込もうね」
「これからね」
 オズマは笑顔で応えました、そうしてです。
 タンクは出発しました、するとビリーナは動くタンクの中で言いました。
「乗り心地いいわね」
「ええ、全く揺れないわ」
 エリカも言います。
「快適よ」
「本当に豪華なホテルの中にいるみたいね」
「そんな風よね」
「これなら」
 さらに言うのでした。
「ずっと気持ちよく旅が出来るわ」
「グリンダの宮殿に行くまで」
「お昼寝も出来そうね」
「楽しくね」
「うん、お昼寝したいならね」
 今は操縦している魔法使いが言ってきました、そこはまさにタンクの操縦席ですが実に心地よく動かしています。
「どうぞだよ」
「寝ていいのね」
「そうしてもいいのね」
「私も寝たくなったら」
 その時はというのです。
「寝るしね」
「そうするのね」
「あんたにしても」
「自動操縦にしてね」
「じゃあその時はね」
「寝るといいわ」
 魔法使いに一緒に言いました。
「自動操縦に出来るし」
「それならね」
「そうするよ、そしてね」 
 そのうえでというのです。
「お昼になったらね」
「はい、その時はです」
 ジュリアが言ってきました。
「車内の食堂で」
「皆で食べようね」
「オズマ姫かドロシー王女が出してくれます」
「テーブルかけでね」
「どんなご馳走でも」
 それこそというのです。
「出してくれます」
「そうだね」
「ですから」 
 それでというのです。
「お昼はです」
「皆で美味しいものを食べようね」
「そうしましょう」
「それとね」
 魔法使いはジュリアとのお話が終わってからさらに言いました。
「このタンクも三百六十度景色を見られるんだ」
「あっ、これまで僕達が乗ってきた乗りものみたいに」
 神宝は笑顔で応えました。
「そうした感じで、ですね」
「そうなんですね」
 ナターシャも微笑んで言います。
「お空も左右も同時に観られるんですね」
「タンクの中にいても」
 ジョージも笑顔です。
「そう出来るんですね」
「いいですね」
 満面の笑みで、です。カルロスは言いました。
「じゃあ今回も」
「三百六十度の景色を楽しめるのが」
 それがと言う恵梨香でした。
「素敵ですね」
「旅に出たら景色も楽しまないとね」
 魔法使いは五人にも言いました。
「だからだよ」
「オズの国ではですね」
「乗りものにそうした技術が導入されていますね」
「それで、ですね」
「僕達もですね」
「三百六十度の景色を楽しめますね」
「そうしてね」
 笑顔で言ってでした。
 魔法使いは実際にタンクの壁を三百六十度モニターにしました、そうすると前後左右にお空にです。
 地面まで見えます、これには皆大喜びでした。
「これがいいんだよね」
「オズの乗りものはね」
「乗りながら三百六十度見渡せるから」
「素敵です」
「とても楽しいです」
「水中でもそうでね」
 そうであってとです、魔法使いは神宝達五人にお話します。
「地中でもでもだよ」
「それじゃあね」
 トトは魔法使いの今の言葉を聞いて言いました。
「早速ね」
「地中に潜ろうか」
「そうするんだね」
「こうしてね」
 魔法使いが操縦桿を下にやるとでした。
 タンクはまるで飛行機が下に降下する様に地中に入りました、そして地中をそのまま進んでいきました。
 そして地中がまるで水中にあるみたいに色々な生きものや場所が見えてです、トトは目を丸くして言いました。
「凄いね」
「気に入ってくれたみたいだね」
「凄くね」
「ただ地中を進むとね」
「真っ暗だね」
「それだとね」
 そうであるならというのです。
「味気ないから」
「魔法を使ってね」
 オズの国のというのです。
「そうしてだよ」
「それでだね」
「そう、地中を水中にいる時の様にね」
「透けて見える様にしたんだ」
「そうなんだ」
 オズの国の魔法を使ってというのです。
「工夫をしてね」
「いい工夫だね」
「そう言ってくれるね」
「うん、まさにね」
 トトは尻尾を振って言いました。
「最高の工夫だでね」
「それでなんだ」
「閃きだよ」 
 そうだというのです。
「本当にね」
「そう言ってくれるんだね」
「そう、そしてね」 
 それにというのです。
「水中でもだね」
「同じだよ、そして水底からね」
「その下の地中にもだね」
「進めるよ」
 そうだというのです。
「これがね」
「いいね、じゃあそうしたことも楽しみにして」
「それでだね」
「旅をしようね」 
 タンクは地中を進んでいきます、そしてでした。 
 お昼になると自動操縦にして地上に出てそちらの景色を楽しみながら皆でお昼ご飯を食べます、お昼はバーベキューですが。
「室内で食べるんですね」
「バーベキューを」
「ですが周りの景色を見ながらなんで」
「お外で食べる感じですね」
「変わらないですね」
「そうよね」
 オズマは神宝達五人に微笑んで応えました、オズマのテーブルかけから出した牛肉に玉葱やピーマン、茄子を串に刺したものをです。
 楽しく食べます、そしてジュースも飲みます。オズマはその中で言いました。
「そう考えてよ」
「お昼はですね」
「バーベキューですね」
「そちらにしたんですね」
「物凄く美味しいです」
「景色も楽しめて」
「それは何よりね。あっ」 
 ここで、でした。
 オズマのスマートフォンが鳴りそうしてでした、出るとです。
「オズマ、いいかしら」
「グリンダね。どうしたの?」
「もう旅をはじめてるわよね」
 グリンダは電話の向こうのオズマに言いました。
「そうよね」
「今朝出発したばかりよ」
 オズマはグリンダに答えました。
「それでお昼を食べているの」
「そうなのね、実はね」
「実は?」
「私もね」
 グリンダもというのです。
「各国を歴訪することになったの」
「あら、そうなの。だったらね」
 オズマはグリンダのお話を聞いて言いました。
「私達と一緒にどうかしら」
「貴方達と合流してなの」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「歴訪したらどうかしら」
「そうしてもいいの」
「ええ、いいわよ」
 笑顔での返事でした。
「私はね」
「そうなのね」
「それでね」
 そのうえでというのです。
「一緒に楽しい旅を過ごしましょう」
「オズの国では遠慮は駄目ね」
「そうでしょ」
「ええ、だったらね」
「私達の現在地はわかるわね」
「わかるわ」
 グリンダはすぐに答えました。
「GPSでね」
「スマートフォンにあるね」
「わかるわ」 
 すぐにというのです。
「何処にいてもね」
「それじゃあね」
「ええ、今から行くわね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「一緒にね」
「歴訪しましょう」
「各国をね」 
 二人でスマートフォンでお話をしました、オズマはグリンダとの会話を終えるとバーベキューを食べつつ皆に言いました。
「オズマも一緒に歴訪することになったわ」
「それは何よりね」 
 ドロシーはオズマのそのお話ににこりと笑って応えました。
「それじゃあね」
「ええ、もうすぐ来てくれるわ」
「こちらまで」
「そうしてくれるわ」
「わかったわ、ただね」
 ここでドロシーはオズマにこう言いました。
「気になったことがあるけれど」
「何かしら」
「ええ、このタンクに来てくれるのよね」
「そうなるわね」 
 オズマは確かにと頷きました。
「この場合はね」
「そうよね、タンクの中に入ってくるのかしら」
「そこまでは聞いていないわ、ただグリンダもオズの国の人だから」
 それでというのです。
「楽しいことが好きでしょ」
「ええ、そうね」 
 ドロシーもその通りだと答えます。
「そうなるわ」
「だったらね」
 それならというのです。
「何処に来てもね」
「楽しくなるから」
「期待して待っていましょう」
「何処に出てくれても」
「そうしてもね」
「それじゃあね」
 ドロシーは笑顔で頷きました、そうしてです。
 神宝は笑顔で、です。こう言いました。
「まさかですよね」
「嬉しいまさかよね」
「はい」 
 オズマに笑顔で頷きました。
「グリンダさんが来られるなんて」
「そうでしょ、けれどね」
「そのサプライズを受けて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「迎えましょう」
「わかりました」
「それでね」
 さらに言うオズマでした。
「グリンダが今来たら」
「その時は」
「ここに来てもらって」
 タンクの食堂にというのです。
「そうしてね」
「バーべーキューもですね」
「一緒に食べてもらいましょう」
「ここにグリンダさんも来られて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「一緒に食べるのよ」
「そうなりますね」
「だからね」 
 それでというのです。
「もうすぐ来るから」
「待つんですね」
「そうしましょう」
 こうお話した傍からです、何とその食堂にです。
 グリンダがいきなり煙と一緒に出てきました、そうして皆ににこりと笑ってこんなことを言ったのでした。
「驚いたかしら」
「驚いていないけれど」
 ドロシーはにこりと笑って応えました。
「楽しい出方だってね」
「思ったのね」
「魔女らしいね」
「そう言ってくれると7嬉しいわ、どうしたら皆が楽しんでくれるか」
 オズマもにこりと笑って言いました。
「考えてね」
「食堂に来てくれたのね」
「そうよ、そしてね」
「そして?」
「この乗りものがタンクなのはわかっているけれど」 
 それでもというのです。
「中身はホテルみたいね」
「うん、そうした感じで造ってみたんだ」  
 魔法使いはバーベキューの中の玉蜀黍を食べつつ答えました。
「私もね」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのです。
「そう言ってくれるならね」
「貴方も嬉しいのね」
「うん、それでお昼はどうかな」
「実はまだ食べていないの」
 グリンダは正直に答えました。
「私もね」
「それじゃあ一緒にどうかな」
 魔法使いは今度はオレンジジュースを飲みつつ提案しました。
「丁度食べているし」
「バーベキューをなのね」
「どうかな」
「オズの国では遠慮は無用ね」
「そうだね」
「だったらね」
 それならというのです。
「いただくわ」
「一緒に食べようね」
「ええ、美味しそうね」 
 グリンダは魔法使いから牛肉とピーマンと茄子が刺さった串を受け取って言いました。
「どの串にもお肉があるし」
「バーベキューだからね」
「お野菜と一緒にね」
 こう言うのでした。
「いい感じよ」
「飲みものは何がいいかな」
 魔法使いはグリンダに尋ねました。
「それで」
「ええ、そちらはね」
 グリンダにすぐに答えました。
「グレープフルーツのジュースにするわ」
「わかったよ」
「あっ、ジュースは私が受け取るから」
 そうするからだというのです。
「気にしないで」
「自分でなんだ」
「ええ、こうしてね」
 用意されたテーブルの上にあるコップに入っているそのジュースを手に取ってそのうえでお話しました。
「いただくわ」
「それではね」
「それでかけるものはね」
 そちらのお話もしました。
「ケチャップにするわ」
「おソースじゃないんだ」
「ええ、今はね」
 こう言うのでした。
「そちらにしてね」
「食べるね」
「ケチャップもいいでしょ」
「うん」
 魔法使いは笑顔で答えました。
「美味しいよ」
「だからね」 
 それでというのです。
「そちらをね」
「どうぞ」
 すぐにです、ジュリアがケチャップを差し出しました。
「お使い下さい」
「有り難う、使わせてもらうわ」
「はい、どうぞ」
「やっぱりね」
 さらに言うのでした。
「皆で食べるとね」
「美味しいですか」
「ええ」 
 そうだというのです。
「最高よ」
「そういえばグリンダさんは」 
 神宝が言ってきました。
「普段は」
「ええ、宮殿にいてね」
「お食事は、ですね」
「お客さんがいないとね」
「お一人で、ですか」
「いつも食べているわ」
「そうなんですね」
「一人で食べても美味しいけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「皆で、ですよね」
「食べた方がね」 
「美味しいですね」
「ええ」
 そうだというのです。
「本当にね」
「だからですね」
「今こうしてね」
「僕達と一緒に食べて」
「そう出来てね」 
 それでというのです。
「凄く嬉しくて」
「美味しいですか」
「そうよ」 
 そうだというのです。
「とてもね」
「そうよね、一人で食べるよりもね」 
 オズマはグリンダの言葉を聞いて笑顔で頷いて言いました。
「皆で食べる方がね」
「美味しいわね」
「皆はいつも一緒にいるわね」
「都の宮殿でね」
「けれど私はね」
「一人ね」
「そう、だから時々リンクティンク王の宮殿に行ったりして」
 そうもしてというのです。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「一緒に食べていたりするの」
「そうしているのね」
「その方が楽しいからね」 
 バーベキューの玉葱を食べつつ言います。
「カドリングの他の人達のところにもね」
「お邪魔したりして」
「食べてるの」
「そうしているのね」
「だから今こうしてね」
「皆で食べられて嬉しいのね」
「とてもね、だからね」
 それでというのです。
「これからの旅も楽しくね」
「やっていきたいわね」
「ええ」 
 心から言ってでした。
 グリンダは皆と一緒にバーベキューを食べます、そのお顔はとても嬉しくて仕方ないといったものでした。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る