『オズのヘンリーおじさん』




                第七幕  川の幸も

 オズマは朝ご飯を食べながら皆に言いました。
「今日のお昼は川の幸を食べましょう」
「鯉とか鮎ね」
「ええ、他には蛙もあるし」
 この生きものもというのです。
「すっぽんもいるわね」
「日本や中国ではすっぽんを食べるのよね」
「それもご馳走でしょ」
「そうよね」
「それでそのすっぽんもね」
「食べるのね」
「そうしましょう」
 こうドロシーに言うのでした。
「今日のお昼はね」
「それじゃあね」
「すっぽんね、亀を食べるなんて」
 ベッツイはオズマの提案を聞いて言いました。
「昔は想像もしなかったわ」
「そうよね」
 トロットはベッツイの言葉に頷きました。
「そんなことはね」
「そうだったわよね」
「けれど食べてみたら」
「これまた美味しいのよね」
「お鍋とかにしてね」
「すっぽんというか亀を食べるなんて」
 ヘンリーおじさんはこう言いました。
「カンサスにいた頃はな」
「考えもしなかったわね」
 エマおばさんも言います。
「本当に」
「そうだったな」
「周りは大平原でね」
「そんなものを食べるなんてな」
「殆ど見たこともなかったわ」
「その大平原自体が凄いですよ」 
 恵梨香は二人のお話を聞いて言いました。
「日本は周り海で山が多いですから」
「そうそう、もうすぐに海に行けてね」
 ジョージも言います。
「周り見たら山ばかりだね」
「島国で山ばかりで」
 それでと言う神宝でした。
「木も凄く多いね」
「だから大平原とは縁がないわね」
 ナターシャも言います。
「日本にいたら」
「そんな国だから」
 それでと言うカルロスでした。
「恵梨香も言うね」
「そうなの、周りが見渡す限りの平原なんて」
 恵梨香は信じられないといったお顔で応えました。
「私凄いと思うわ」
「そうだよね」
「日本にいるとね」
「どうしてもそうなるわね」
「山と海ばかりだと」
「逆にわし等からしたら」
 どうかとです、おじさんは言いました。
「海と山ばかりなんてな」
「その方が凄いわね」
 おばさんも言います。
「ずっとカンサスにいたらね」
「そう思うな」
「そうよね」
「今も平地の村にいるしな」
「近くに川や湖や林はあるけれど」
「山や海ばかりの場所なんてな」
 それこそというのです。
「オズの国に来るまで」
「滅多に目にしなかったわ」
「オズの国に来てもな」
「そうは見ていないわ」
「わし等は旅行にも行かないしな」
「今回みたいなことは滅多にないわ」
「そのこともあってなんだ」
 トトが二人にお話しました、皆でオートミールそれにフルーツの盛り合わせを食べていますがトトもです。
「二人をこちらにね」
「連れて行ってくれたな」
「魚介類をご馳走してくれるだけじゃなくて」
「そうだったな」
「有難いことにね」
「そうだよ、美味しいものを食べてね」
 そうしてというのです。
「色々なものを観るのもね」
「旅行の楽しみだな」
「そうよね」
「二人共毎日真面目に働くことは素晴らしいよ」
 このことはというのです。
「けれど時々でもね」
「旅行に行くのもいいか」
「そうなのね」
「そうだよ、旅行や冒険はね」
 こうしたことはというのです。
「凄くいいんだよ」
「そうなのよね、私も色々見て回ってね」
 それでとです、エリカはトトに応えて言いました。
「楽しんでいるわ」
「そうだよね」
「時々力や冒険に行ってね」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「楽しんでいるね」
「そうしているわ」
「僕もだよ」
 ハンクも言ってきました。
「旅行にも冒険にも行って楽しんでるよ」
「今回もそうだしね」
「そうそう、旅行はとてもいいよ」 
 トトにこうも言います。
「色々なものが見られるから」
「本当にね」
「わしも外の世界にいた時は船に乗って世界中を巡ったが」
 キャプテンは懐かしむお顔でお話しました。
「オズの国でもそうしているよ、その中ですっぽんも食べたが」
「美味しいのかい?すっぽんは」
 おじさんはキャプテンに尋ねました。
「それで」
「美味しいよ、ぜひ食べよう」 
 キャプテンは笑顔で答えました。
「ほかの川の幸もね」
「それじゃあ」
 おじさんも頷きます、そうしてでした。
 皆で朝食のオートミールにフルーツを食べてからそのうえで街を出てその外の平野や林を観て回ってでした。
 湖のところに来ました、青くきらきらと輝く湖面の傍に和風の建物があってそこに入るとそこはお宿で。
 着物を着た若いエルフの女性にです、こう言われました。
「お泊りでしょうかお食事でしょうか」
「お食事よ」 
 オズマはにこりと笑って答えました。
「それでお邪魔させてもらったわ」
「左様ですか、それでは」
「ええ、川の幸を頂けるかしら」
「山菜や茸も宜しいでしょうか」
「お願いするわ」
「それでは」
 エルフの女性、仲居さんは礼儀正しく応えてでした。
 一行を宿屋の奥の座敷のお部屋に案内しました、そのお部屋は真ん中に木の大きな卓が置かれている畳と座布団のお部屋でして。
 皆でそれぞれの座布団の上に座りました、そして運ばれてくるお料理はといいますと。
「鮎の塩焼きに鯉のお刺身に」
「蛙の唐揚げにすっぽん鍋ね」
 オズマとドロシーはそのメニューを見て言います。
「山菜や茸の天婦羅もあるし」
「お豆腐もあってね」
「随分美味そうね」
「どれもね」
「いや、これがすっぽん鍋か」
 おじさんはお鍋を見て言いました。
「はじめて見るが」
「美味しそうね」 
 おばさんも見て言います。
「これはまた」
「そうだな、亀もこうしてな」
「食べるのね」
「そうなの、じゃあ今からね」
 ドロシーは二人に笑顔で応えました。
「食べましょう、他のお料理もね」
「鮎や鯉も美味しいよ」
 トトはお魚のお話もしました。
「蛙はカンサスにいた時も食べたけれどね」
「ウシガエルをな」
 おじさんはそちらをと答えました。
「たまに食べたな」
「そうだったね。それで今はね」
「唐揚げか」
「それにして食べるんだ」
「そうなんだな」
「同じウシガエルだけれど」
 食べる蛙の種類はです。
「ここでは唐揚げにしてね」
「食べるんだな」
「そしてね」
 トトはさらに言いました。
「ほかのお料理もいいよ」
「鮎か、このお魚が」 
 おじさんは長方形のお皿の上のお魚を見て言いました。
「はじめて食べるが」
「これが凄くね」
「美味しいんだな」
「そうなんだ、鯉もね」
「食べるか」
「今からね」
「他には岩魚も食べられるのよ」
 ドロシーは笑顔でお話しました。
「この湖ではね」
「岩魚も食べられるか」
「そうなの、今回は出していないけれど」 
 それでもというのです。
「岩魚もね」
「食べられてか」
「美味しいから」
 それでというのです。
「よかったらね」
「食べるか」
「また次の機会にね」
「それではな」
「あとね」 
 さらにお話するドロシーでした。
「川海老も食べられるのよ」
「川海老ですか」
 恵梨香はそう聞いて以外そうに言いました。
「食べられるんですか」
「そうよ、日本では食べないわね」
「海老はよく食べますが」
「海の海老よね」
「はい、ですが」
 それでもというのです。
「川海老は馴染みがなくて」
「食べないわね」
「はい」
 どうにもというのです。
「日本では」
「そうよね、けれどね」
「オズの国では食べるんですね」
「他の国でもね」
「そうですか、覚えておきます」
「そうしてね、じゃあ食べましょう」
 こうお話してです。
 皆で川の幸それに山菜や茸も食べます、お鍋の中にも葱や白菜、お豆腐に椎茸といったものもあります。 
 そういったものをお箸に取って食べますと。
「おお、これは」
「物凄く美味しいわ」
 おじさんもおばさんも目をキラキラとさせて言いました。
「鮎ってこんなに美味しいのね」
「これはいいな」
「それで鯉のお刺身もね」
「凄くいいな」
「そして唐揚げもね」
「すっぽんだってな」
 こうしたものもというのです。
「驚く位美味しいな」
「そうよね」
「そう、こうしたものも美味しくて喜んでくれると思ったから」
 オズマもすっぽんを食べながらにこりと笑って答えます。
「こちらのお店にもね」
「連れて来てくれたのか」
「そうなのね」
「そして喜んでくれて」
 実際にというのです。
「嬉しいわ」
「そうよね」
 笑顔で言うドロシーでした。
「どれもね」
「本当にね」
「私もオズの国に来るまでこうしたもの食べなかったわ」 
 ドロシーはオズマにお話しました。
「鮎も鯉もで」
「すっぽんだってね」
「けれど食べてみたら」
「美味しいのよね」
「今日は和食を食べているけれど」
「鯉や蛙やすっぽんは中国でも食べて」
 そうしてというのです。
「中華料理でもあるのよね」
「火鍋に入れるわね」 
 ドロシーは笑顔で言いました。
「蛙を」
「それがまた美味しいのよね」
「あのお鍋もね」
「火鍋はわしも知ってるけれどな」
 おじさんはすっぽんを食べつつドロシーに言いました。
「随分辛いらしいな」
「そう、辛くて美味しいの」
 ドロシーは笑顔で答えました。
「火鍋はね」
「そうなんだな」
「だからね」
 それでというのです。
「またね」
「火鍋も食べるといいか」
「火鍋は色々なものを入れて食べるの」
「うんと辛い中に」
「そう、それで本当にね」
「辛いけれどか」
「美味しいのよ」
 そうだというのです。
「それですっぽんもね」
「火鍋に入れることもあるか」
「私は見たことないけれど」
「そうして食べるのか」
「そうなの、あと中国では鯉を丸ごと揚げて」
 そうしてというのです。
「あんをかけて食べるけれど」
「そっちも美味しいか」
「そうなの」
 こうお話するのでした。
「本当にね」
「何かとあるんだな、川の幸のお料理も」
「そうよ、だからね」
「海の幸だけじゃなくてか」
「川の幸もね」
 こちらもというのです。
「こうしてね」
「食べていくか」
「その為にこの街に来たしね」
 だからだとお話してでした。
 皆で川の幸を食べていきます、すっぽん鍋がすっかり空になりますと恵梨香はドロシーに尋ねました。
「この後は」
「そう、雑炊よ」
「そちらですね」
「お鍋の最後はね」 
 おつゆだけになったお鍋の中を見て言います。
「やっぱりね」
「雑炊ですね」
「すっぽんだとね」
「それで、ですね」
「今からご飯を入れてもらって」
 お鍋の中にというのです。
「卵もといで入れて」
「まる雑炊ですね」
「まる雑炊?」
 おじさんは恵梨香の今の言葉に不思議そうに尋ねました。
「何だい、それは」
「はい、すっぽん鍋の後の雑炊なんですが」
「何でまると言うんだい?」
「すっぽんの甲羅の形が丸いので」
 だからだというのです。
「それで、です」
「まる雑炊と呼ぶのか」
「そうなんです、すっぽん自体をです」
「まると呼ぶんだな」
「日本の関西では」
「河豚も鉄砲と呼ぶし」
 おばさんはこのことを言いました。
「すっぽんはまるで」
「どうでしょうか」
「面白いわね」 
 恵梨香に笑顔で言いました。
「それはまた」
「そう思ってくれますか」
「実際にね、日本の関西は面白い表現を使うわね」
「関西はお笑い自体も有名でして」
「そうした表現もなのね」
「あります」
 こうおばさんにお話します。
「日本の関西には」
「そうなのね」
「そういえば日本の街もオズの国には結構あるな」
 おじさんはこのことを言いました。
「それで日本の人達もいるな」
「そうなの、織田信長さんもおられてね」
 ドロシーが答えます、今まさにご飯が運ばれてきてお鍋に入れられてまる雑炊が順調に作られています。
「忍者の人達もおられて野球選手の人達もね」
「いるんだな」
「そうなのよ」
「忍者の人達もか」
「力士の人達もね」
「何か不思議な存在だとな」
 その様にというのです。
「昔はな」
「思ったわね」
「カンサスにいた頃はな」
「日本っていうとね」
「遠い海の果てにあってな」 
 そうしてというのです。
「こうしたものをお箸で食べて」
「お侍さんや忍者や力士の人達がいて」
「髪の毛を剃ったお坊さんもいてな」
「神秘的な巫女さんもいて」
「かなり不思議な国があると聞いていた」
 そうだったというのです。
「魔法の様な」
「それでその日本もね」
「今のオズの国には入っているな」
「それでお寿司も食べられて」
「今もだな」
「食べられてね」
 その日本のお料理をというのです。
「お侍さんや忍者の人達ともね」
「会えるか」
「そうよ。お相撲も出来るわ」
「それもいいな」
「凄くね」
「忍者なんてね」
 雑炊は皆のお椀の中にあります、おばさんはその雑炊を食べつつ言います。とても美味しいと思いながら。
「昔はこの目で見られるなんて」
「思わなかったわね」
「けれど今は」
「オズの国にもいるのよ」
「そうなのね」
「忍者屋敷もあるよ」 
 トトはこちらのお話をしました。
「またこれが面白いんだ」
「その忍者のお家か」
「色々なことがありそうね」
「うん、いざという時に逃げたり隠れたりする場所があってね」
 トトはおじさんとおばさんにお話しました。
「そこも面白いよ」
「忍者か。忍術を使えば」
 おじさんは言いました。
「自在に隠れたり飛んだり出来るそうだな」
「オズの国ではそうですが」 
 恵梨香はおじさんに雑炊を食べながらお話しました。
「外の世界ではです」
「出来ないか」
「基本隠れたり逃げたりするもので」
 忍術はというのです。
「魔法みたいなものじゃないんです」
「そうなんだな」
「蝦蟇を出したりお水の上を歩いたり」 
 そうしたことはというのです。
「ないです」
「逃げたり隠れたりか」
「壁を歩くことも」
 そうしたこともというのです。
「しないですから」
「外の世界はそうか」
「そうです、ただ」
 恵梨香はさらに言いました。
「オズの国の忍術はです」
「そうしたことも出来るか」
「実際に、もう魔法とです」
「変わらないか」
「そこまで凄いです、ですから許可を得ないと」
 さもないと、というのです。
「忍術は使えないです」
「仙術や妖術と同じよ」
 オズマも言ってきました。
「魔法もそうした色々な術もね」
「免許制にしたわね」
「魔法は最初は私とグリンダと魔法使いさんだけが使える様にしたけれど」
「免許制にしたわね」
「そうなの、講習とテストを受けて」
 それでとドロシーにお話します。
「オズの国の法律の中でね」
「使える様にしたわね」
「そうしたのよ」
「それで忍術や仙術もよね」
「魔法と同じでね」
「免許制にしたわね」
「色々な術をね、陰陽道とか召喚術とか錬金術とか」 
 具体的な術をお話に出していきます。
「超能力もね」
「色々な術があるけれど」
「全部ね」
「そうしているわね」
「免許制にしてね」
 そうしてというのです。
「忍術もそうだし」
「ちゃんと免許を持っていないと」
「あの人達も使えないわ」
「そうよね」
「そうなのか、しかし忍術なんてな」
 おじさんはここまで聞いて唸って言いました。
「魔法みたいだよ」
「おじさんはそう思うのね」
「うん、あんなものはとても出来ないよ」
「私もよ。けれどちゃんと修行したらね」
「出来るのか」
「オズの国だと誰でもね」
 ドロシーはおじさんににこりと笑って答えました。
「そうよ、誰でも何でもね」
「出来るんだな」
「勉強やトレーニングをして」
 そうしてというのです。
「努力したらね」
「出来るか」
「それで免許を貰ったわ」
「わしも忍者になれるか」
「そうなのよ」
「それは面白いな」
「なってみる?」 
 ドロシーはにこりと笑って言いました。
「おじさんは」
「ははは、わしはいいよ」 
 おじさんはドロシーに笑って答えました。
「このままでな」
「そうなの」
「わしは百姓でいい」
 こう言うのでした。
「この仕事が一番好きで生きがいだしな」
「だからなのね」
「カンサスにいた時からそうで」
 そうしてというのです。
「オズの国でもな」
「お百姓さんだから」
「それでいいんだ、畑仕事をして今の様に暮らせたr」
 それならというのです。
「わしは最高に幸せだよ」
「しかもドロシーもいてくれてるし」
 おばさんも言います。
「これ以上何が必要なのかしら」
「おばさんも忍者になるつもりはないのね」
「ないわ、今でね」
「充分なのね」
「そうよ、けれど私達が最高に幸せと思っていても」
「そう、まだね」
 ドロシーは雑炊を食べつつおばさんに答えました、雑炊もお鍋から出たすっぽんや他の食材の味が出ていてとても美味しいです。
「もっと上があるのよ」
「幸せには再現がない」
「だからなのね」
「そうなのよ、いつも言ってる通りね」
 おじさんとおばさんに答えました。
「だからね」
「こうして旅行に出て」
「美味しいものを食べているのね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「こうしてね」
「そうなんだな」
「幸せには再現がないのね」
「今最高に幸せだと思っていても」
「そうなのね」
「そうよ、夜もね」  
 今だけでなくというのです。
「美味しい魚介類を食べましょう」
「今晩は中華がいいかしら」
 オズマはにこりと笑って言いました。
「海老入りの麺類に蟹炒飯、フカヒレスープに海老蒸し餃子に蟹焼売」
「いいわね」
 ドロシーもメニューを聞いてにこりとなりました。
「中華料理って魚介類もいいから」
「それで特にね」 
 オズマはさらに言いました。
「上海蟹をね」
「食べるのね」
「そうしましょう、この街は兎に角魚介類がよくて」
 それでというのです。
「蟹も色々獲れて」
「上海蟹もなのよね」
「だからね」
「蟹も食べて」
「その蟹はね」
「上海蟹ね」
「蟹も美味しいから」 
 だからだというのです。
「是非食べましょう」
「それじゃあね」 
 こうしたお話をしてでした。
 皆で雑炊を食べた後は宿屋の人達にお礼を言ってからそちらを出て街に戻りました、そうしてでした。
 皆で街のゴンドラに乗って街中を通っている水路の中を巡っていきます。そうするとその中で、です。
 トトはゴンドラから水路それに街の中を観て言いました。
「こうして水路の中を通るのもいいね」
「そうね」
 エリカも頷きます。
「こうした観光もね」
「いいよね」
「オズの国の色々な街で水路の中を小舟に乗って観て回ってね」
「楽しんできたね」
「そうしてきたけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「素敵だね」
「凄く楽しめるわ」
「そうだよね」
「こうした舟遊びをしたり」
 キャプテンも言います。
「水路の傍のお店で楽しむのもいいんだよ」
「そうなんだね」
「水路のところにもお店があるけれど」
「そこでワインを飲んでサラミやチーズやクラッカーを楽しむ」
 船長はにこりと笑って言います。
「それもまただよ」
「いいんだね」
「そこからも景色を観て」
「いいものだよ」
「この街だとやっぱりお刺身とかになるわね」
 トロットはキャプテンのお話を聞いて言いました。
「お酒は白ワインとかね」
「うん、白ワインを飲みながら」
 キャプテンも笑顔で応えます。
「お刺身なりカルパッチョなりを楽しむ、それに干し魚も」
「いいわね」
「軽食をつまみながら」
 そうしたお店でというのです。
「お酒を飲むのもだよ」
「いいのね」
「そうだよ、だから」 
 それでというのです。
「この街にいる間にヘンリーさんとエマさんにもね」
「そうしたお店でも楽しんでもらうのね」
「そちらも楽しいからね」
「いいわね、それとね」
 ベッツイはこう言いました。
「シーフードのパスタなんかもね」
「あるよね」 
 ハンクが応えます。
「ペスカトーレとかイカ墨とかね」
「パスタもスパゲティ以外にね」
「フェットチーネやマカロニもあるよ」
「ペンネやマカロニも」
「そうしたものを食べながら」
 そうしつつというのです。
「楽しむのもね」
「おつなものよね」
「そうだね、いいよね」
「いや、スパゲティなんてカンサスでは食べなかったし」
 それでと言うおじさんでした。
「それ以外のパスタもね」
「多くてね」
 おばさんも言います。
「オズの国に来て驚いたわ」
「外の世界のアメリカではわし等がオズの国に行ってからかなり食べられる様になって」
「カルボナーラなんてものも出て来て」
「今じゃ色々あって」
「楽しめるからね」
「凄いな」
「本当にね」 
 夫婦でお話します。
「パスタだって」
「何かとね」
「そういえばドロシーさんも最初スパゲティ食べてなかったわね」
 恵梨香はふとこのことに気付きました。
「オズの国でも」
「そう、食生活かなり質素だったよ」 
 カルロスも言います。
「パンとか果物はあっても」
「今みたいに色々食べていなくて」
 ナターシャも言います。
「スパゲティも魚介類もだったわ」
「ペスカトーレとかイカ墨とか」
 神宝は具体的なパスタのソースを挙げました。
「蟹のトマトソースとかなかったね」
「カルパッチョもフライもムニエルも」
 ジョージは魚介類のお料理の種類を出しました。
「ブイヤベースもなくて」
「全部聞いたこともなかったわ」
「そうだったな」
 ドロシーだけでなくおじさんも応えます。
「カンサスにいた頃は」
「そうだったわね」
「それが変わった、ましてこの街にいたら」 
 おじさんは言いました。
「魚介類は種類もメニューも多い」
「嘘みたいですか」
「ヘンリーさんからしてみたら」
「カンサスにおられた時から思えば」
「そうなんですね」
「夢みたいですか」
「嘘じゃなかったら夢だよ」
 恵梨香達五人に答えました。
「まさにお伽の国だよ」
「そうですか」
「オズの国って実際にお伽の国ですけれど」
「食べものを見てもですか」
「嘘か夢ですか」
「それ位凄いですか」
「そうだよ、こんな舟遊びも」
 それこそというのです。
「しなかったしね」
「基本娯楽って殆どなかったのよね」
 ドロシーも言います。
「カンサスにいた頃は」
「毎日畑仕事をして家事をしてな」
「食べて寝てね」
「トトと遊ぶ位だったな」
「しかし充実していたからな」
 だからだというのです。
「満足していたよ」
「そうだったわね」
「けれど今は今でな」
「こうした旅行が出来て」
「いいな、何か色々知って」
 オズの国に来てからです。
「わしは本当に嘘か夢か」
「どちらかにいるみたいな」
「そうしたな」 
 それこそというのです。
「そんな中にいるみたいだよ」
「けれどオズの国だとね」
「全部現実だな」
「そうよ」
 実際にというのです。
「オズの国だと。それで外の世界でも観光名所だとこうした遊びはね」
「結構ありますよ」
 恵梨香が答えました。
「こうした水路や川が多い街ですと」
「そうよね」
「ですから夢じゃなくて」
「現実よね」
「はい」
 まさにというのです。
「こうした遊びも」
「そうなのよね、カンサスではなかったから」
「ヘンリーさんはそう思われてるんですね」
「そうなのよ、今もね」
「エメラルドの都の村でもですね」
「水路とかない」 
 そうしたというのです。
「のどかな村で」
「そこで毎日畑仕事をしておられて」
「舟遊びもしないから」
 だからだというのです。
「こう言うのよ」
「そうですか」
「けれどオズの国も広くてね」 
 そうしてというのです。
「色々な場所があるから」
「だからですね」
「色々巡っても」
 そうしてもというのです。
「いいと思うから」
「今回も案内させてもらいましたね」
「そうよ、むしろ私はね」
 ドロシーは自分のお話もしました。
「あちこちにね」
「冒険に行かれてますね」
「オズの国のあちこちにね」
「そうですよね」
「もうね」
 それこそというのです。
「オズの国で行ってない場所は少ないわ」
「そうなっていますね」
「地下にもお空にも海にも行ってるから」
 だからだというのです。
「もうね」
「行っていない場所は少ないですね」
「そうなっているわ」
 実際にというのです。
「もうね」
「全部踏破は」
「それは無理ね、オズの国は常に変化していっているから」
 だからだというのです。
「新しい場所もいつもね」
「生まれていますか」
「そうよ、オズの国は常にね」
 まさにというのです。
「変化して誕生しているから」
「踏破はですね」
「出来ないわ、けれどそうした国だから」
「いいんですか」
「だっていつも新たに行ける場所があるのよ」
 それでというのです。
「こんないいことはね」
「ないですか」
「そうよ、昔はこの街もなかったし」
「新たに生まれたんですね」
「そうよ、それが出来て」
 そうしてというのです。
「こうしてよ」
「楽しめますね」
「そうなの。お昼行った宿屋も」
「エルフの人がやっている和風の」
「ああした場所もなかったのよ」
「そうでしたか」
「エルフの人って本来森の中にいるでしょ」 
 このことをお話しました。
「ダークエルフの人は地下で」
「それぞれの場所で暮らしておられて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「そこから出る人は昔はいなかったけれど」
「今はですね」
「ああした人もいるのよ」
「エルフの人でもですね」
「あの人は一過で思い立って」
 そうしてというのです。
「あちらに移住してね」
「暮らしておられるんですね」
「そうよ」 
 実際にというのです。
「ああしてね」
「そうですか」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「一家で日本が好きだから」
「和風なんですね」
「ああしてね」
「そうなんですね」
「エルフっていうと森の中で暮らして」
 そこに自分達の村を築いてです。
「そうして服装もね」
「中世の欧州の感じですね」
「けれどね」
「オズの国の他の人達みたいにですね」
「ああしてね」 
「エルフの文化からですね」
「他の文化に触れてね」
 そうしてというのです。
「楽しむ人もよ」
「出ていますか」
「そうなのよ」
 これがというのです。
「今はね」
「そちらも変化ですね」
「ボームさんが紹介してくれたお話もでしょ」
 ドロシーは一連のオズの国の出来事や人々が紹介されていったお話も恵梨香に対してお話しました。
「そうでしょ」
「あっ、どんどんです」
「オズの国が変わっていくことを紹介してくれていたわね」
「ドロシーさん達のご活躍の紹介の中で」
「ああしてそして今もね」
「オズの国は変わっていっていますね」
「外の世界のアメリカの影響も受けながらね」 
 そうしつつというのです。
「変わっていっているのよ」
「そうですか」
「だからね」  
 それでというのです。
「オズの国の踏破はね」
「全部の場所に到達することはないですね」
「絶対にね、そしてだからこそね」
 それ故にというのです。
「いつも新しい場所に行けるから」
「いいんですね」
「そうよ」 
 こう言うのでした。
「本当にね」
「そうなんですね」
「全部行って観て終わったら」
「それで何処にもですね」
「新しく行って観る場所がなくなるから」
 だからだというのです。
「いつも変わっていくね」
「そうしたオズの国だからですね」
「冒険のしがいがあるのよ」  
 そうだというのです。
「これがね」
「そういうことですね」
「そう、それでね」
 ドロシーは恵梨香にさらにお話しました。
「次の冒険ではね」
「新しい場所にですね」
「行こうってね」
「お考えですね」
「そうなのよ」 
 楽しそうにお話します。
「これがね」
「行っていない場所があるということは」
「観ていない場所もね」
「新たに行ってですね」
「観られるということだから」
 それ故にというのです。
「いいことなのよ」
「そうなるんですね」
「知らないことがあることも」
 このこともというのです。
「新たにね」
「知ることが出来ますね」
「そうでもあるから」
 それでというのです。
「これはこれでね」
「いいことですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「こちらもまたね」
「そうなるんですね」
「恥じゃないのよ」
「行ったことがなくても」
「観たことがなくてもね」
「知らないことも」
「むしろこれからね」
 新たにというのです。
「行って観て知る」
「そうすればいいですね」
「それが出来るから」
 だからだというのです。
「それはね」
「いいことですね」
「そうよ、だから私はこれからもね」
「冒険していくんですね」
「オズの国のあちこちをね、そして見て知っていくのよ」
 恵梨香に笑顔でお話します。
「楽しんでね」
「それはいいですね」
「そうでしょ、楽しんでやっていくわ」 
 笑顔で言ってそのうえでなのでした。
 皆でまた楽しんでいくのでした、漁港の街での楽しい日々は続くのでした。








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