『オズのカリフ王』




                第四幕  空の公園

 一行はポリクロームも加えてでした、飛行船でのお空の旅をさらに楽しいものにしました。そこでなのでした。
 ポリクロームは皆に笑顔でお話しました。
「まずは公園に行きましょう」
「公園?」
「そう、お空の中で一番大きな公園がね」
 ノーム王に答えました。
「この近くにあるのよ」
「おお、そうじゃな」
 ノーム王はオズの国のお空の地図と羅針盤を出して自分達の現在地と方角を確認しつつ頷きました。お空の地図は立体的でそれぞれの国の場所は高度も含めて浮かんで出ています。その地図を見て言うのでした。
「まさにな」
「だからね」
「まずはか」
「公園に行って」
 そうしてというのです。
「皆とお話しましょう」
「よいな」 
 ノーム王はポリクロームのお話に笑顔で応えました。
「それではな」
「ええ、まずはね」
「その公園でじゃな」
「そこにお空の人達が集まっているから」
「挨拶じゃな」
「それでそこでね」
 ポリクロームはさらに言いました。
「キャンプも出来るから」
「ほう、お空でか」
「そうよ、ここはお伽の国でしょ」
 オズの国はというのです。
「だからね」
「そうしたこともか」
「出来てね」 
 それでというのです。
「楽しめるのよ」
「いや、わしもキャンプは知っておってな」
 ノーム王にしてもです。
「よくバーベキュー等を食べるが」
「それでもなのね」
「まさかな」
 それこそというのです。
「お空でも出来るとは」
「だからそれがね」
「オズの国じゃな」
「そうよ、それじゃあね」
「これからじゃな」
「公園に行きましょう」
「それではな」
 ノーム王も頷きました。
「そうしようぞ」
「そういえば何時何処に行くって予定あるのかしら」
 ここでトロットがふとした感じで言ってきました。
「私もこれまで考えなかったけれど」
「ああ、そのことじゃな」
「ええ、やっぱりあるわよね」
「これじゃ」 
 こう言ってでした。
 ノーム王はお傍の人が出した予定表を受け取ってからトロットに出しました、トロットもそれを見て言いました。
「あら、かなり余裕があるわね」
「実は何があるかと思ってな」
「余裕を以てなのね」
「予定を考えてな」 
 そうしてというのです。
「立てたのじゃよ」
「そうなのね」
「オズの国では突如訪問も多いが」 
 それでもというのです。
「成り行きでな」
「それはね」
 トロットも否定しませんでした。
「確かにね」
「そうであるな」
「私も他の国への訪問は」
 それはというのです。
「いきなりということがね」
「あるのう」
「ままにしてね」
「しかしこの度はな」
「サプライズはなのね」
「はじめてお空の国々へ行くし」
 しかもというのです。
「歴訪でもあるしな」
「しっかりと考えてなのね」
「予定を考えてな」 
 そしてというのです。
「立てたのじゃ」
「そうなのね」
「それでじゃ」
 ノーム王はさらに言いました。
「これでよいか」
「いいと思うというか」
「余裕がか」
「随分とあるわね」
「王女さんから見てか」
「私達になると」
 エメラルドの都ではというのです。
「もうね」
「余裕がないか」
「もっと短い期間でね」
「予定を組むか」
「そうしているわ」
「あちらとお話をしてな」
 ノーム王はさらに言いました。
「そしてな」
「予定を立てて」
「そうしておったが」
 それがというのです。
「余裕をな」
「立てていって」
「この様なものにしたが」
「かなり余裕があるわ、余裕ね」
 トロットは腕を組み考えるお顔になって言うのでした。
「私もこれまでね」
「考えてなかったか」
「ここまではね」
「ふうむ、そうなのか」
「何か時間があったら」
 それならというのです。
「何でもかんでもね」
「お仕事をしてか」
「終わらせて」
 そうしてというのです。
「遊ぶこともね」
「しておったか」
「そうだからね」
「そういえばそうね」
 つぎはぎ娘はトロットの言葉に頷きました。
「あたし達って時間があったらね」
「お仕事だとね」
「やれるだけやって」
「終わらせる様にするわね」
「それで終わらせて」
 お仕事をというのです。
「後は遊ぶわね」
「そうしてるわね」
「やるべきことをして」
 そしてというのです。
「遊ぶわね」
「オズマも皆もね」
「オズマは真面目だから」
「本当にお仕事をね」
「その日のお仕事は全部終えて」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「遊ぶ様にしているから」
「それで私達もね」
「同じね」
「お仕事についてはオズマと同じ考えよ」 
 まさにというのです。
「私もそうで」
「ドロシーもベッツイもね」
「もう皆ね」
 エメラルドの都ひいてはオズの国全体を治める四人の王女達はというのです、当然その中心はオズマです。
「そうした考えだからね」
「お仕事はね」
「どんどん入れて」
「やっていって」
「そして」
 そのうえでというのです。
「終わらせてるわ」
「そうよね」
「だからお仕事を余裕を以てね」
「やっていくことは」
「ちょっとないわね」
 エメラルドの都ではというのです。
「本当に」
「そうよね」
「けれど余裕を以てお仕事をすることもね」 
 ビリーナも言ってきました。
「いいわね」
「そうね、何があってもね」
「対処出来るからね」
「何時何が起こっても」
「対処出来る様に」
 その様にというのです。
「しておくこともね」
「いいことね」
「そうよね」
「特にはじめてのことだと」 
 ビリーナは言ってきました。
「余裕があるとね」
「いいわね」
「ノーム王はそこもね」
「出来ているわね」
「そう考えたら」
 それならというのです。
「ノーム王はお見事よ」
「私達も見習わないとね」
「ええ、余裕も大事よ」
「お仕事にはね」
「仕事を終わらせてから遊ぶことは当然にしても」 
 ドワーフ王も言ってきました。
「仕事自体にな」
「余裕をもうけることもね」
「必要だな」
「ええ、私達は短い時間でね」 
「その日の分をだな」
「手分けもして」
「終わらせるな」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「その後でね」
「遊ぶな」
「そうしているけれど」 
 それでもというのです。
「その際余裕がある様にもね」
「しておくことだな」
「オズマ達にお話しておくわ」
 トロットはドワーフ王に答えました。
「お仕事には余裕もね」
「入れることだな」
「そうね、あれね」
 トロットは考えて言いました。
「お仕事の合間も周りはちゃんと見ても」
「それでもな」
「じっくり見る位の」
「状況確認も忘れないことじゃ」
「それ位の余裕はね」
「あることじゃ」
「オズマは一瞬で出来るけれど」
 お仕事の合間の状況確認はです。
「けれどね」
「それでもな」
「私はね」
「オズマ姫程ではないか」
「そう思うから」
 自分でというのです。
「周りをしっかりと見られる」
「そうした余裕はな」
「時間的にもで」
 そしてというのです。
「精神的にもね」
「もうけていくな」
「そうするわ、詰めに詰めて」
 お仕事の予定をというのです。
「やっていくよりも」
「余裕ももうける」
「それがいいわね」
「確かに。何でもギリギリだと」
 キャプテンも言ってきました。
「よくないよ」
「そうよね」
「お仕事を終わらせて遊ぶのはいいことでも」
「やるべきことをして」
「それでもだよ」
「お仕事は余裕を以て」
「そうしていくとね」
「いいわね」
「うん、時間的にも精神的にもね」
 その両方でというのです。
「余裕をもうけて」
「やっていくことね」
「そうだよ、ではね」
「これからもね」
「やっていこう」
「わかったわ」
 トロットはキャプテンの言葉にも頷きました。
「このことはいい勉強になったわ」
「全くだね」
「いつも何でも勉強出来て」
「そう、成長出来るね」
「そうよね」
「これは外の世界でもだけれど」
「オズの国でもよね」
 こちらでもというのです。
「同じよね」
「そう、お伽の国でもね」
「何時でも成長出来るわね」
「何処までもね、外見は変わらなくても」
「心はね」
「どんどん磨かれて」
 そうしてというのです。
「奇麗になってだよ」
「大きくなっていくわね」
「だからね」 
 それでというのです。
「今回のことも覚えておいて」
「お仕事にもね」
「活かしていこう」
「それではね」 
 こうしたお話をしてでした。
 皆で地図と羅針盤を見つつポリクロームの案内も受けてでした。
 まずは公園に向かいました、そこはオズの国のお空で最も大きな自然公園でキャンプ場やジャングルジムもあるということでした。
 その公園が見えるとでした、ジョージ達は気球の中で言いました。
「ああ、お空だからね」
「浮島なんだ」
「浮島の上が森になっていて」
「草原や川も見えるわ」
「湖だってね」
「あそこが公園なの」
 ポリクロームが五人にお話しました。
「お空のね」
「あそこに行って」
 そしてとです、ノーム王は言いました。
「皆と挨拶するんだね」
「そうよ」 
 ポリクロームはノーム王に答えました。
「それで遊ぶこともね」
「するんだね」
「一日そうしない?」
 ポリクロームは王様に提案しました。
「キャンプもして」
「一日か」
「余裕があったらだけれど」
「余裕は先程お話した通りな」
「あるのね」
「そうじゃよ」
 こうポリクロームにお話しました。
「しっかりとな」
「ならいいわね」
 ポリクロームもそれならと応えました。
「一日ね」
「あそこで楽しむのじゃな」
「そうしましょう」
 是非にというのでした。
「今からね」
「あちらでな」
「楽しい時間を過ごしましょう」
 こうお話をしてです。
 飛行船を浮島全体がそうなっている公園の端に降下させてでした。
 着陸して出ました、すると。
 目の前は草原でした、草原にバイソンや兎にプレーリードッグといた生きもの達がいてそこに妖精や天女に天使、龍騎士といったお空の人達が一緒にいて遊んでいます。
 その光景を観てです、ジョージは思いました。
「プレーリーだね」
「ああ、アメリカのだね」
 神宝はプレーリーと聞いて応えました。
「平原地帯だね」
「あそこにはバイソンがいて」 
 恵梨香はそのバイソン達を見ています。
「他の生きもの達もいるから」
「兎にプレーリードッグもね」
 ナターシャは彼等を見ています。
「いるわね」
「ここはまさにプレーリーだね」
 カルロスも言います。
「お空の上だけれど」
「いや、お空の上にプレーリーがあるなんて」
 ジョージはさらに思いました。
「流石オズの国だよ」
「ううむ、これは素晴らしい」
 ノーム王も目の前の光景について言います。
「空の上の大平原とは」
「森もあってジャングルジムもあってよ」
 ポリクロームがここでまたお話します。
「湖や川もね」
「あるのじゃな」
「そうよ、この公園にはね」
「浮島全体が公園となっていてか」
「楽しめるの、それでね」
 ポリクロームはノーム王にさらにお話しました。
「お空の色々な人達がよ」
「遊びに来てか」
「楽しんでいるのよ」
「そうなのじゃな」
「ここに飛んで来てね」
「飛べるとじゃな」
「それも出来るのよ」
 こうお話します。
「皆ね」
「それは凄いのう」
「それでこれからだけれど」
 トロットが言ってきました。
「これからね」
「ええ、どうして遊ぶか」
「皆でね」
 トロットは笑顔で言いました。
「まずはこのプレーリーで生きもの達と触れ合いましょう」
「バイソンや兎やプレーリードッグとですか」
「そうしてね」
 そのうえでというのです。
「お昼まで過ごして」
「そしてお昼は」
「わかるでしょ」
「バーベキューですね」
「もうね」
 それこそというのです。
「それしかね」
「ないですね」
「こうした場所でね」
「お昼で食べるとなると」
「もうよ」
「バーベキュー一択ですね」
「そうなるでしょ」
 まさにとです、トロットはジョージに笑顔でお話しました。
「だからね」
「ここはですね」
「皆で食べましょう」
「お昼はバーベキューですね」
「是非ね」
「わしは夢を見ておるのか」
 ノーム王は感動していました、それは他のノームの人達それにドワーフ王にドワーフの人達も同じです。
「空の上で大平原におって」
「うむ、そしてだ」
 ドワーフ王も感動しつつ言います。
「そこにいる生きもの達を見てな」
「バイソンや兎やプレーリードッグをな」
「鹿もおるぞ」
「コヨーテもな」
 見ればそうした生きもの達もプレーリーにいます。
「しかも人もおる」
「お空にいる妖精に天使に天女に龍騎士に」
「皆おるな」
「そして遊んでおる」
「これはだ」
 ノーム王はドワーフ王に言いました。
「お空にしかない」
「そうした場所だ」
「全くだな」
「では今からな」
「ここで遊ぼう」
「生きもの達と」
「そしてお空の人達と話そう」
 二人でお話してでした。
 王様達はそれぞれのお供の人達を連れてでした、そのうえで草原の中に入って生きもの達を見て触れてです。  
 そのうえで、です。お空の人達とお話しますが。
「ああ、地下から来られたんですか」
「ノームの王様ですか」
「それにドワーフの王様ですか」
「ようこそいらっしゃいました」
「こちらまで」
「おお、歓迎してくれるのか」  
 ノーム王はお空の人達の歓待に目を丸くさせました。
「わし等を」
「いや、こちらにはこれまで縁がなかったからな」
 ドワーフ王も言います。
「果たして話してもどうなるかと思っておったが」
「歓迎してくれるとは」
「有り難いな」
「全くだ」
「いや、はるばるです」
 男性の天使の人が言ってきました、白い丈の長い服を着た若い男の人で背中には一対の翼頭にはリングがあります。
「よく来られました」
「そう言ってくれるか」
「はい、ではこちらでです」
「この公園でじゃな」
「一緒に遊んで生きもの達と共に過ごし」
「楽しむのじゃな」
「そうしましょう」 
 こうノーム王に言うのでした。
「私達と」
「そう言ってくれるか、ではな」
「その様にされますか」
「喜んでな」
 ノーム王は満面の笑みで応えました。
「そうさせてもらうぞ」
「それでは」
「うむ、宜しく頼むぞ」
 ノーム王はお供の人達とです。
 ドワーフ王それにドワーフの人達と一緒にでした。
 草原でお空の人達にです、そこにいる生きもの達と遊んで。
 そうしてです、こんなことを言いました。
「青い空に緑の草原に」
「明るい陽射しにな」
 ドワーフ王も笑顔で言います。
「そこにいる生きもの達」
「そして一緒に遊ぶお空の人達」
「実によいのう」
「見ただけでよかったが」
「中に入って遊ぶとな」
「尚よいな」
「全くだ」
 二人でお話します、そしてです。
 バイソンに触れてです、ノーム王はまた言いました。
「大きくて体格も立派でな」
「見ていて惚れ惚れするな」
「地下にもバイソンはおるが」
「また違うな」
「あれっ、地下にもいるんですか」
 他の皆も一緒にいます、そこでジョージが言いました。
「そうなんですか」
「おるぞ。ただな」 
 ノーム王はジョージに答えました。
「地下におる種類はここにおるものより小さいのじゃ」
「そうなんですか」
「それでここのバイソンを見てな」
「地下のバイソンよりも大きいと」
「そう思ってな」 
 それでというのです。
「今見て触ってな」
「そうされてですか」
「実感しておるのじゃ」
「そうですか」
「というか地下にもバイソンいるとか」
 カルロスは驚いて言いました。
「流石オズの国だね」
「外の世界ではないことが普通にしても」
 ナターシャも言います。
「これは驚きね」
「どんな生態系なのかな」
 神宝はこのことを考えました。
「一体」
「そのことも気になるわね」 
 恵梨香も思うことでした。
「湖や川に鯨までいるそうだし」
「地下にも平原や森があるからだよ」
 ここでキャプテンが言ってきました。
「そうした場所にだよ」
「バイソンがいるんですか」
「地上やこのお空みたいに」
「そうなんですね」
「地下にも平原が森があって」
「湖や川もあって」
「そうだよ、オズの国は地上だけじゃないんだ」
 その領域はというのです。
「お空も海もで」
「地下もですね」
「そちらもオズの国ですね」
「それで、ですね」
「色々な生きものがいるんですね」
「地上にいる生きものも」
「そうだよ、そして」
 ここで、でした。キャプテンは。
 前を指差しました、そしてそこにいるライオンとドラゴンと山羊の三つの頭を持ち身体の上半分はライオン下半分は山羊で尻尾が蛇になっていてドラゴンの翼を持つ生きものについて五人に言いました。
「あの生きものもいたりするよ」
「あっ、キマイラ」
「キマイラもいるんですね」
「オズの国には」
「そうなんですね」
「ドラゴンもいて」
「そうだよ、それで今はね」
 五人にさらにお話するのでした。
「ここに来ているんだよ」
「あれっ、ひょっとして」
 ここで、でした。
 キマイラの方からです、皆に気付いて言いました。
「トロット王女かな」
「ええ、そうよ」 
 トロットが微笑んで答えました。
「私がね」
「噂には聞いてたけれどはじめてお会いしたよ」
「そうなのね」
「うん、僕はキマイラのリチャードっていうけれど」
「それが貴方のお名前ね」
「そうだよ、この公園の近くの浮島の森で暮らしてるけれど」
「今日はこっちに来てなのね」
 トロットも察して応えました。
「遊んでるのね」
「そうなんだ、まさか王女様にお会い出来るなんて」
 キマイラは三つの頭それに尻尾の蛇を全部笑顔にさせて言いました。
「嬉しいよ」
「そうなのね」
「うん、今日ここに来てよかったよ」
「そう言ってくれて私も嬉しいわ」
「いや、あんた見てると」
 つぎはぎ娘はキマイラに言ってきました。
「何でも出来そうね」
「どうしてそう思うのかな」
「だって四つの生きものの身体があるから」
 だからだというのです。
「もうね」
「それでなんだ」
「何でも出来そうね」
「まあ何でも食べることは出来るよ」
「その四つの頭でなのね」
「お肉も草も食べられて」
 そうしてというのです。
「最近はハンバーガーがマイブームだよ」
「へえ、そうなのね」
「アイスクリームとね」
「そちらもなのね」
「飲みものはコーラでね」
「ううむ、随分好みが人間的だのう」
 ノーム王はキマイラのお話を聞いて思いました。
「ハンバーガーだのが好きとは」
「サラダはトマトをたっぷり入れてイタリアンドレッシングで」
「余計にそう思ったぞ」  
 食べるものの好みが人間的とです。
「今の話を聞いてな」
「そうなんだ」
「生肉やその辺りの草をとはいかんか」
「そういうのも好きだけれどね」
「それでもか」
「今はね」
「ハンバーガーにアイスにか」
「トマトをたっぷり入れたサラダに」 
 それにというのです。
「コーラだよ」
「そうなのじゃな」
「それで今日もね」
「そういったものを食べるか」
「そうだね、ダブルチーズバーガーに」
 それにとです、キマイラは尻尾も合わせて四つの頭をにこにことさせてノーム王に対してお話しました。
「チョコアイスとね」
「トマトたっぷりのサラダか」
「ドレッシングはイタリアンで」
「今日のお昼はそれか」
「お弁当の木から頂いてね」
 森の方を見て言います。
「コーラの泉にも行ってね」
「楽しむか」
「そうするよ」
「左様か、お主も楽しんでおるのう」
「いや、彼はいい人ですよ」 
 緑の長い髪の毛に楚々とした整った外見に薄緑の奇麗なローブを着た森のニンフが来て言ってきました。
「気さくで」
「キマイラのリチャード氏はか」
「はい、他には鰻も好きなんですよ」
「鰻といえばね」
 キマイラも言ってきました。
「この前食べた鰻丼は最高だったよ」
「魚それも日本の食べものも好きか」
「そうなんだ、だから今度ね」
「鰻丼も食べるか」
「そうするよ」
 尻尾も含めた四つの頭全部が舌なめずりしました。
「またね」
「ううむ、鰻丼か」
「王様はお好きかな」
「好物の一つじゃ」 
 ノーム王は実際にと答えました。
「これがな」
「そうなんだね」
「だからな」 
 それでというのです。
「わしも今度な」
「食べるんだね」
「いや、お主とも話してな」
 それでとです、ノーム王は笑顔で言いました。
「余計に楽しい気分になったぞ」
「王様としてもだね」
「実にな、多くの生きものや人がおって」
 そうしてというのです。
「しかもお主までおる」
「そしてお話が出来て」
「実に嬉しいぞ」
 満面の笑顔で言うのでした、そしてです。
 皆で草原の人や生きもの達と明るく楽しくお話をして遊んででした。
 お昼ご飯の時になると川辺の小石が沢山ある場所でバーベキューを出しました、それで皆で焼かれたお肉やお野菜を食べますが。
 ビリーナは焼かれた玉蜀黍を一粒一粒食べつつ言いました。
「川のせせらぎを聞きながら食べるのもね」
「おつじゃな」
 ドワーフ王はビールを飲みながら応えました。
「実に」
「開放感もあってね」
「そうじゃな」
「ええ、ところでね」
 ここでビリーナはドワーフ王に尋ねました。
「ちょっといいかしら」
「何じゃ?」
「ノーム王はカリフさんっていうわね」
 お名前のお話をするのでした。
「あんたは何ていうのかしら」
「わしか、わしはオルゴンという」
 ドワーフ王は名乗りました。
「宜しくな」
「オルゴンさんっていうの」
「そうじゃ」
 こう答えるのでした。
「覚えておいてくれるか」
「そうさせてもらうわ」
 ビリーナも応えました。
「是非ね」
「それではな」
 ドワーフ王はよく焼かれた大きな靴みたいな牛肉をでした。
 網の上から取ってそれにオニオンソースをかけてです。
 思いきりかぶりついてそれで言いました。
「今はこうしてな」
「飲んで食べるのね」
「そうしようぞ」
「そうね、しかしドワーフの人達って」
 ビリーナはドワーフ王とお供の人達を見て言いました。
「皆本当にお酒好きね」
「大好きじゃ」
 実際にという返事でした。
「わし等はな」
「そうよね」
 見れば皆食べながらジョッキを手放しません、どのジョッキにもビールがあります。
「特にビールがかしら」
「あればあるだけ飲むな」
「それでお食事になるとなのね」
「よく飲むのじゃ」
「そうよね」
「酒があると最高じゃ」
「いや、一緒におるとな」
 ノーム王もジョッキを手に大きなソーセージにかぶりつきつつ言いました。
「わし等もな」
「共に飲むのう」
「付き合いでな」
「お主達も酒好きだからな」
「好きだが流石にな」
 見れば他のノームの人達も皆楽しく飲んでいます。
「お主達程はな」
「飲まんか」
「お主達は代名詞になっておるではないか」
 お酒が好きということがというのです。
「まさにな」
「ははは、そういえばそうだな」
 ドワーフ王も否定しません。
「わし等は」
「それを見るとな」
「わし等程にはか」
「好きではないぞ、飲み比べをしてもな」
 ドワーフの人達と、というのです。
「勝てぬしな」
「わし等はまた好き過ぎるか」
「実にな」 
 こう言うのでした。
「わし等から見れば」
「そう言えばダークエルフやトロールの者達も言うな」
「オーク達もであろう」
「地下で暮らす者達もな」
 誰もがというのです。
「わし等は酒が好き過ぎてな」
「強過ぎるな」
「そう言うわ」
「実際かなり飲んでるわ」
 ポリクロームは露を舐めつつ言いました。
「この前張飛さんとお会いしたけれど」
「天帝にお仕えしておるか」
「ええ、かつては豪傑で将軍で」 
 外の世界ではというのです。
「今は天帝にお仕えする神様のお一人だけれど」
「あの人もか」
「物凄いお酒が好きだけれどね」
「そこまで好きか」
「他にも魯智深さんもお好きだけれど」
「張飛さんもか」
「もう大好きで」 
 それでというのだ。
「豪快に食べてね」
「飲んでおるか」
「そうだけれど」
「わし等はその張飛さんにもか」
「勝てるんじゃないかしら」
「そうなのか」
「そうも思ったわ」
 こうドワーフ王にお話しました。
「私はね」
「左様か」
「だからあちらに行ったら」
「天帝さんの宮殿にじゃな」
「張飛さんとお会いして」
 そうしてというのです。
「一緒に飲むのもね」
「よいか」
「そちらには他に関羽さんもおられて」
 この人もというのです。
「孫悟空さんもね」
「ああ、あの物凄く強くて剽軽なか」
「あの神様もおられるから」
「楽しい場所か」
「とても面白い神様なんですよ」
 ジョージも孫悟空のお話をします。
「気さくで明るくて」
「それで剽軽でか」
「楽しい神様です」
「そうなのじゃな」
「ですから」 
 それでというのです。
「あちらに行かれたら」
「そうした神様達ともじゃな」
「お会いして」
 そうしてというのです。
「楽しくです」
「語って遊ぶとですか」
「いいです」
 よく焼かれたお肉を食べてです。
 それからジンジャエールを飲んでです、ジョージはお話しました。
「あちらに行かれても」
「それではな」
「そして」
 ジョージはさらに言いました。
「お酒でしたら」
「張飛さんじゃな」
「ポリクロームさんが言われた魯智深さんもです」
 この人もというのです。
「大好きですから」
「一緒にか」
「それがいいと思います」
「お二人共豪快で明るい神様達でね」
 ポリクロームがまた言いました。
「気持ちのいい神様達なの」
「そうなのか」
「気は優しくて力持ち」
 ポリクロームは微笑んでこうも言いました。
「素敵でしょ」
「神様としてもな」
「昔はお二方とも怒りっぽかったらしいけれど」
「今は違うか」
「それでいて子供好きの」
「ううむ、まさに優しい豪傑じゃな」
「そんな方々なのよ」
 露を口にしつつお話します。
「だから宮殿に行く時も」
「楽しみにしておることじゃな」
「是非ね」
「それではな」 
 ドワーフ王も頷きました。
「そうさせてもらうぞ」
「その時はね」
「それでじゃが」
 ここでノーム王が言ってきました。
「お昼の後じゃが」
「ええ、今度はアスレチックをしましょう」
 トロットが答えました。
「そこで遊んでね」
「楽しんでか」
「そしてね」
 それでというのです。
「晩ご飯も食べて」
「そうしてじゃな」
「テントを出してその中に入って」
「寝るのじゃな」
「身体は川で洗って」
 その川を見て言います。
「そしてね」
「そのうえでじゃな」
「そう、それでね」
 そのうえでというのです。
「一泊して」
「それからじゃな」
「明日の朝出発しましょう」
「それではな」
「ノーム王もドワーフ王もこうした場所でテントで一泊するなんて」
「なかったわ」 
 ノーム王は笑って答えました。
「これまでな」
「そうよね」
「地下のキャンプはあってもな」 
 その経験はというのです。
「それでもな」
「こうしたよね」
「お空の下でな」
 そこでというのだ。
「夜になってな」
「夜空の下でなのね」
「一夜を過ごすということはな」
「なかったのね」
「実はな」 
 こうもです、ノーム王は言いました。
「青空だけでなく星空もな」
「そうね、貴方達ね」
「滅多にな」 
 これまでというのです。
「地上に出ないとな」
「その目で見られなかったわね」
「そうであった」
 このこともお話するのでした。
「だからな」
「キャンプも楽しみなのね」
「そうなのじゃよ」
「そう言っている間に夕方になってきたよ」 
 キャプテンはお空を見上げて言いました。
「もう食べ終わる頃には夜だよ」
「王様達が待ち望んでる夜ね」
 つぎはぎ娘も言ってきました。
「まさにね」
「うむ、星空じゃ」
「お月様も見えるな」
「その夜を見て語り合い」
「歌って踊ってじゃ」
 王様達も言います。
「そしてその下で寝るのじゃ」
「テントの中でな」
「それならそうしてね、楽しめたらね」
 それならとです、つぎはぎ娘は明るく言いました。身振りも入れていあmす。
「それでいいのよ」
「そうよね、オズの国は何でも楽しめるから」
 トロットはつぎはぎ娘の言葉に頷きました。
「面白い国だし」
「それならね」
「王様達もね」
「夜空を楽しんだらいいのよ」
「これからね」
「そうさせてもらうぞ」
 ノーム王は満面の笑顔で応えました、そうしてです。
 今はべーべキューを楽しく食べました、そのうえでまずは夕方を見るのでした。








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