『新オズのカボチャ頭のジャック』




                第十一幕  お仕事が終わったら

 オズマは皆と一緒に晩ご飯に鴨鍋を食べつつお話しました。
「水田と南瓜畑が全部出来たらお祝いするわよ」
「どんなお祝いかな」 
 そのオズマにジャックが応えました、お鍋の中には鴨肉だけでなく葱や菊菜、椎茸やしめじ、お豆腐に糸蒟蒻等が入っています。
「それで」
「盆踊りと花火よ」
「その二つなんだ」
「そう、夜に盆踊り大会を開いて」
 オズマは自分のお碗の中のお豆腐を食べつつお話しました、お鍋は食べられる人だけが食べてそうでない人達は囲んで笑顔を見ています。
「そうしてね」
「花火もなんだ」
「打ち上げてね」
「お祝いをするんだね」
「水田と南瓜畑が全て出来たね」
 そうしたというのです。
「それをするのよ」
「そうなんだ」
「だからね」
 オズマは笑顔でお話を続けました。
「あと少しだから」
「頑張ってだね」
「楽しみながらね」
 そうしてというのです。
「お仕事をしていきましょう」
「それじゃあね」
「盆踊りはね」
 オズマはにこりと笑ってお話しました。
「日本ではよく行われるわね」
「はい、夏に」
 その日本人の恵梨香が応えました、勿論恵梨香達五人もお鍋を食べてとても美味しいと思っています。
「日本だと何処でもです」
「そうよね、オズの国には日系人の人も多くてね」
 それでというのです。
「そうなったから」
「盆踊りも行われるんですね」
「そうよ、いや私もね」
 オズマはにこにことしてお話しました。
「最初聞いた時はそんなお祭りがあるのねってね」
「驚かれました?」
「ええ」
 その通りだというのです。
「面白いダンスでね」
「それを行うお祭りで」
「出店が一杯出ることもね」
 このこともというのです。
「面白いと思ったわ」
「そうなんですね」
「それで実際に何度か参加してみて」
「面白かったですか」
「凄くね」
 実際にというのです。
「本当にね」
「そうですか」
「だから今回もね」
「楽しみですか」
「そうなの、皆それぞれ浴衣を着て」
 そうしてというのです。
「その時はドロシー達も来るかもしれないわ」
「そうなんですか」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「皆で一緒にね」
「盆踊りを楽しめばいいですね」
「その時はね、それでね」 
 オズマはさらに言いました。
「出店のものもね」
「楽しみますか」
「そうしましょう」
 こう言うのでした。
「食べてね」
「フランクフルトや焼きそばやお好み焼きを」
「焼き鳥も玉蜀黍もね」
「かき氷もクレープもたい焼きもですね」
「勿論たこ焼きもね」
 そうしたもの全てというのです。
「食べましょう」
「わかりました」
「たこ焼きいいですよね」
 ナターシャはにこりとして言いました。
「私大好きなんです」
「僕もだよ」
 カルロスはナターシャににこにことして応えました。
「たこ焼き大好きだよ」
「丸くて小さめでね」
 神宝はその形のことを言います。
「それで中に蛸が入っていてね」
「簡単な様で凄く味わい深いんだよね」 
 ジョージも笑顔でお話します。
「おソースや鰹節をかけて余計に美味しいよ」
「そのたこ焼きも食べるのよ」
 笑顔で、です。オズマは五人の子供達にお話しました。
「盆踊りの時はね」
「楽しみです」
「たこ焼きも出るなら」
「それならです」
「皆で食べましょう」
「たこ焼きも」
「そうしてね、そしてね」
 そのうえでというのです。
「他の食べものも食べてサイダーやラムネもね」
「飲むんだね」
 ガンプが応えました、彼にジャックそれにかかしと樵がいてです。そうしてムシノスケ教授もいます。
「そうするんだね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「花火もね」  
 こちらもというのです。
「どんどん打ち上げられるから」
「観て楽しむんだね」
「花火もね」 
「それはいいね」
「盆踊りは私も好きだよ」
 かかしも言います。
「場の真ん中の高台の太鼓の音に合わせてね」
「そうして輪になって踊るね」 
 樵も言います。
「あの踊りもね」
「実に日本的でね」
「いいよね」
「オズの国ではとても楽しい踊りの一つだよ」
「お祭りでもあるね」
「カーニバルもいいけれど」
「ああいうのもいいね」
 こうお話するのでした。
「ではね」
「水田と南瓜畑が全て完成したら」
「その時はね」
「皆で楽しもう」
「楽しみだよ、まあお盆にはしないけれどね」 
 教授はお葱や菊菜それに茸を食べつつ笑顔でお話します。
「今回はお祝いということでね」
「行うのよ」
「そうだね」
「だからもう完成に向けてね」
 それに備えてというのです。
「準備が進んでいるわ」
「盆踊りと花火の」
「その両方がね、花火もね」
 こちらもというのです。
「素敵なものよ」
「うん、オズの国では何かあるとね」
「夜に花火を打ち上げるわね」
「お祝いでね」
「それがね」
 実にというのです。
「またいいのよ」
「そうだね」
「盆踊りを踊って」
「出店のものを食べて」
「そうしてよ」 
 そのうえでというのです。
「楽しむのよ」
「それではね」
 こうしたお話をしてでした。
 皆でこの夜は鴨鍋を食べます、囲炉裏を囲んで食べますがそのお鍋を食べてアルコールの入っていない日本酒や冷えたビールを飲んでです。
 そうしてです、その後はこの夜もでした。
 縁側で西瓜を食べて麦茶を飲んで蛍と夜空を楽しみます、ジャックはその中でオズマに対してお話しました。
「ちょっといいかな」
「どうしたの?」
「うん、僕達ここに来て結構経つけれど」
 それでもというのです。
「エメラルドの都ではだね」
「ドロシー達が残ってくれていてね」
「お仕事をしているんだね」
「政治をしてくれているわ」
「そうだね」
「私がいない時はよ」
 今回の様にです。
「ドロシーがいてくれて」
「ベッツイもトロットもいてくれて」
「それでね」 
 そのうえでというのです。
「私の代わりを務めてくれるのよ」
「オズマと同じ王女の人達がね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「ちゃんと政治をしてくれているのよ」
「そうだね、だからだね」
「私は基本都から離れないけれど」
 そのエメラルドの都からです。
「けれどね」
「ドロシー達がいてくれているから」
「安心してね」
 そうしてというのです。
「こうして冒険に出たりね」
「都の外のお仕事が出来るね」
「私はね、けれど私はオズの国の国家元首だから」
 それでというのです。
「基本はね」
「都にいてだね」
「政治を行ってね」
 そうしてというのです。
「皆に何かあればね」
「助けているね」
「そうしているわ、宮殿の鏡を観れば」
 オズの国で何かあれば全部映し出してくれるそれをです。
「そうしたらね」
「何かあれば全部見せてくれるからね」
「だからね」
「すぐに助けてくれるよね」
「皆に何かあればね」
 その時はというのです。
「そうする様にしているわ」
「だから今みたいにだね」
「都を離れることはね」
「あまりないね」
「そうなの、国家元首だとね」 
 どうしてもというのです。
「何かと考えないといけないの」
「そう思うと大変だね」
「大変かしら」
「お話聞いてそう思ったけれど」
「私は別によ」
 オズマ自身はというのです。
「別にね」
「そうは考えていないんだ」
「これといってね」
「そうなんだ」
「だって私はその為にこの国にいるから」
 オズの国にというのです。
「それでよ」
「そうしたことを大変とはだね」
「思ったことはないわ」
「一度もだね」
「楽しいと思ったことはあっても」
 それでもというのです。
「そう思ったことはね」
「ないんだね」
「そうしてお仕事をしているのよ」
 ジャックに笑顔でお話をします、そしてです。
 ギリキンの紫の西瓜を食べてです、こうも言いました。
「この西瓜美味しいから食べられる人はね」
「はい、どんどんですね」
「遠慮なくですね」
「食べていいですね」
「そうですね」
「この西瓜も」
「そうよ」
 まさにというのです。
「そうしていきましょう」
「わかりました」
「じゃあどんどんいただきます」
「この西瓜も」
「確かに美味しいです」
「甘くてみずみずしくて」
「だから沢山食べてね」
 西瓜のお話もしてです。
 皆は蛍も夜空の星達も見てです。
 寝るまで楽しみました、そして次の日も日の出と共に起きて朝ご飯を食べてお仕事に出ました。するとです。
 水田を見てです、かかしは言いました。
「いやあ、本当に進んだね」
「そうだね」
 樵はかかしの言葉に頷きました。
「僕達が来た頃と比べたら」
「見違える位にだよ」
「進んだね」
「本当にあと少しだね」
「あと少しで完成して」
「盆踊りと花火だね」
「大勢の人が力を合わせて真面目に働いてね」 
 オズマは二人にこの時も笑顔でお話しました。
「農具ヤトラクターや牛を使ったらね」
「どれだけ広い場所でも」
「開拓、開墾が進んむ」
「それもあっという間に」
「そういうことだね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「一見とてもやることが多くてね」
「とても大変だ」
「途方もないことだと思っても」
「大勢の人が力を合わせて」
「真面目に働いてね」
「道具も使ったら」
「それでだね」
 二人も言います。
「どんな大変なことも終わる」
「そうなるね」
「大変なお仕事でも」
「必ず終わるね」
「それも早くね。こんな場所の開拓や開墾は少しの人だと無理よ」
 それこそというのです。
「けれどね」
「皆でやれば」
「そうしたらね」
「すぐよ、それも諦めないでこつこつとね」
 こうも言うオズマでした。
「進めていけばね」
「終わるね」
「どんなお仕事も」
「皆でそうしていけば」
「それでね」
「終わるわ、だからね」
 それでというのです。
「ここでもそうなるし」
「それであと少しになったね」
「開拓も開墾も」
「そうよ、水田も南瓜畑もあと少しで」
 見れば広大なお池も四分の三以上が水田になっています、正方形であぜ道によって区割りされた水田達が奇麗に並んでいてあぜ道の真ん中には水路があります。
「他の畑も整ってきていて」
「牧場もだね」
「かなり出来てきたね」
「そうなってきたわ、ここはギリキン一の水田地帯になるわ」 
 広大な見渡す限りのそれを見て言います。
「それで皆よ」
「お米を食べられるね」
「沢山ね」
「そうなるわ、パンもいいけれど」
 麦から作られるそれもというのです。
「それだけでなくてね」
「お米もいいんだよね」
「この作物も」
「そうなのよ」
「お米って収穫高が凄いんだよね」
 ジャックも言ってきました。
「そうだよね」
「そうよ、麦と比べてね」
「かなりだよね」
「収穫量が高くてね」
 そうした作物でというのです。
「オズの国のお米は胚芽を取っても栄養満点だから」
「食べてもいいんだね」
「そう、だからね」  
 そうした作物だからだというのです。
「沢山食べられるし」
「そうすべきなんだね」
「お米はね」
「成程ね、ただ今オズマ胚芽をどうとか言ったけれど」
 ジャックはこのことを指摘しました。
「オズの国ではとかね」
「ええ、外の世界のお米は胚芽に栄養の殆どがあるの」
「そうなんだ」
「それを取ると澱粉だけになるのよ」
 その栄養はというのです。
「実はね」
「そうなんだ」
「だからね」 
 その為にというのです。
「一緒に他のものも食べてね」
「栄養を摂らないと駄目なんだ」
「そうなのよ」
「外の世界のお米はそうなんだね」
「ええ、だからね」 
 それでというのです。
「そこは注意しないといけないのよ」
「外の世界だとだね」
「そうなの、けれどオズの国だと」
「胚芽を取ってもだね」
「いいの」 
 そうしてもというのです。
「別にね、ただ胚芽のままだと玄米になって」
「ああ、あの固いお米だね」
「こちらもね」
 その玄米もというのです。
「それはそれで味わいがあるのよ」
「そうなんだね」
「私は結構好きよ」
 その玄米もというのです。
「結構ね」
「そうなんだ、オズマは」
「胚芽を取った所謂白米が好きだけれど」
 それでもというのです。
「玄米もね」
「いけるんだ」
「私はね」
「私玄米は殆ど食べたことがないです」
 恵梨香はこう言ってきました。
「実は」
「僕もです」
「僕も同じです」
「私もです」
「お米は白米です」
 他の四人も同じでした。
「お米はブラジルにいた時から結構食べてますけれど」
「アメリカでもカルフォルニアでよく摂れますけれど」
「中国でもお米のお料理多いですが」
「日本に来てからよく食べる様になりましたけれど」
「お家でも学校でも食べもののお店でもです」
 恵梨香はこうも言いました。
「本当に白米ばかりです」
「外の世界ではそうなのね」
「玄米は本当にです」
 恵梨香はまた言いました。
「殆どです」
「食べたことがないのね」
「そうなんです、オズの国でも」
 この国にいる時もというのです。
「本当にです」
「白米ばかりね」
「お米をいただく時は」
「そうなのね」
「それでパンも」
 恵梨香はこちらのお話もしました。
「少なくとも私とジョージ、神宝、カルロスはです」
「白いパンね」
「ロシアは黒パンも多いそうですが」 
 ナターシャの祖国であるこの国はというのです。
「ですが」
「オズの国でもね」
「パンといえば」
「ええ、白パンがね」
 こちらがというのです。
「普通よね」
「そうですね」
「その国それぞれの色のパンもあるけれど」
「味は同じですね」
「そう、白パンでしょ」
「パンはそれが普通ですね」
「黒パンはね」
「オズの国でも殆どないですね」
「黒糖パンはあるわよ」
 こちらのパンはというのです。
「けれどあのパンと黒パンはね」
「また違いますね」
「そうよ、黒糖パンは黒砂糖を使っているからね」
「黒いんですね」
「黒パンはね」
「作り方が違いますね」
「だからね」
 それでというのです。
「またね」
「違うパンですね」
「そうなの、だから味もね」
 これもというのです。
「違うのよ」
「柔らかさもですね」
「そうよ、あと中国の包や餅もね」
「パンになりますか」
「そう言っていいわ、特に包はね」
 こちらはというのです。
「お饅頭もね」
「パンですか」
「そう言っていいわ、ピロシキも」
 ロシアのこのお料理もというのです。
「やっぱりね」
「パンですね」
「そうよ、ただ日本のお饅頭はね」
「パンじゃないですか」
「あれはお菓子ね」
 そうなるというのです。
「どちらかというとね」
「そうですか」
「恵梨香もそう思うでしょ」
「はい、お饅頭はお菓子です」
 日本のそれはとです、恵梨香も答えました。
「中にお肉とか入っていなくて」
「そうでしょ」
「はい、日本のお饅頭は餡子とかが入っているので」
「それで生地も違うから」
「お菓子ですね」
「そうなるわね」
 実際にというのです。
「私もそう思うわ」
「そうですね」
「ええ、だからね」
「それで、ですね」
「私も日本のお饅頭はお菓子と思っているわ」
「そうですね」
「大好きな食べものの一つだけれど」
 それでもというのです。
「パンではないとね」
「思いますね」
「そう思うわ、けれど好きだから」
「召し上がられますか」
「またね、貴女達もね」
「お饅頭食べていいですか」
「美味しいものは皆でよ」
 それでというのです。
「食べるのが一番美味しいから」
「だからですね」
「是非ね」
「お饅頭もですね」
「皆で食べましょう」
「わかりました」
 笑顔でこう言ってでした。
 皆でお仕事を進めていきます、水田を作ってそこに稲を植えていくとそこに早速沢山の生きもの達が入りました。
 その様子を見てです、ジャックは楽しそうに言いました。
「田んぼが出来ると早速ね」
「沢山の生きもの達が来てくれるね」
 ガンプが言ってきました。
「本当に」
「そうだよね」
「水路からお水が入ってきて」
 そうしてというのです。
「そこにお魚やザリガニがいて」
「昆虫もね」
「おたまじゃくしも来てね」
「そして蛙もやって来て」
「鴨や鳥も来てくれてだよ」
「早速賑やかになるよね」
「そうなるね」
 ガンプも目を細めさせて応えます。
「本当に」
「そうだよね」
「全く以ていい光景だね」
 教授は田んぼの上を飛ぶ蜻蛉達を観て言いました。
「稲に生きもの達がいて」
「確かにここは自然の動物園だね」
 かかしも言います。
「沢山の生きものが大勢いて」
「そうだね、畑もだけれどね」
 樵はにこにことして言います。
「田んぼはね」
「沢山の生きもの達がその中にいて」
「本当にだよ」
「自然豊かなね」
「動物園だよ」
「そうだよね」
 二人で足下を跳ねているバッタや興梠を見て言います、蟷螂や蜘蛛もいて蟻が巣を作ってもいます。
「虫を見てもね」
「沢山いるよ」
「だから鳴き声もだよ」
 かかしはキリギリスを見て言いました、稲のところに停まっています。
「聴こえるよ」
「その音楽もいいね」
「蛙もいいけれど」
「虫の声もいいね」
「そうだね」
「そうね、今夜は虫の声を聴こうかしら」
 オズマはかかしと樵のお話を聞いて考えました。
「蛍を観てね」
「あれっ、蛍は夏で」 
 恵梨香はオズマの今のお話を聞いて言いました。
「虫が鳴くのは」
「外の世界だと秋ね」
「はい」
 こうオズマに答えました。
「そうです」
「オズの国はいつも暖かくてね」
「快適で」
「季節がないからよ」
「だからですか」
「そう、蛍もいつもいて」
 そうしてその光を見せてくれてというのです。
「虫もよ」
「いつも鳴くんですね」
「そうなのよ」 
 あぜ道に咲いているたんぽぽやマーガレットを観ます、そこには蝶々が停まっていてハナアブやカナブンもいます。
「オズの国だとね」
「そうなんですね」
「それもまたオズの国よ」
 オズマはにこりと笑ってお話しました。
「覚えておいてね」
「わかりました」
「いや、蛍と虫の鳴き声が一緒にあるなんて」
 カルロスは笑顔で言いました。
「流石オズの国ですね」
「そんなこと普通はないですからね」
 ジョージも言います。
「日本でも他の国でも」
「本当に蛍は夏で虫が鳴くのは秋です」
 神宝は言いました。
「そうなっています」
「けれどオズの国は季節がなくて」
 そしてとです、ナターシャは言葉を続けました。
「お伽の国だからそうしたこともあるんですね」
「そうよ、オズの国はね」
 オズマは恵梨香達五人にお話しました。
「お伽の国だからこうしたこともね」
「あるんですね」
「こうした外の世界でないことも」
「そうなんですね」
「お伽の国ならではですね」
「外の世界ではないことがあるんですね」
「それによ」
 オズマはさらに言いました。
「気温も快適でしょ」
「日本の夏って暑いんですよね」
「それもかなり」
「うだるみたいに暑いです」
「湿気も凄くて」
「夏もです」
「そうでしょ、けれどね」
 それがというのです。
「オズの国は本当にね」
「いつも快適ですね」
「心地よい暖かさで」
「それは夜も同じで」
「とても過ごしやすいですね」
「湿気も適度で」
「そうした国だからね」 
 だからだというのです。
「過ごしやすいのよ」
「そうだよね、外の世界に行ってね」
 ジャックも言います。
「夏とか冬だと」
「暑くて寒いわね」
「うん、それぞれね」
「だからよね」
「来てうわ、ってなる時があるよ」
 こうオズマに言うのでした。
「そう言ってるよ」
「貴方は別にね」
「暑さ寒さを感じる身体じゃないからね」
「大丈夫よね」
「けれどドロシー達はね」
「そう言うわね」
「そうだよね」
 実際にというのです。
「本当に」
「私もね」
「オズマもだね」
「ええ、外の世界に行った時にね」
 まさにその時にというのです。
「感じるわ」
「暑い寒いとだね」
「そうね、けれどね」
「オズの国ではね」
「そうしたことはないわ」
「いつも快適だね」
「適度に雨も降ってね」
 そうしてというのです。
「湿気もね」
「快適な位だね」
「そうよ、それじゃあね」
「うん、今夜はだね」
「ここに来て」
 水田のところにというのです。
「そうしてね」
「虫の鳴き声を聴くんだね」
「そうしましょう」
 笑顔で言います、そしてこの時も働きますが本当に水田が出来るとです。
 早速そこに色々な種類の生きもの達が入って活気に満ちていきます、そして。
 ジャックはそこに鈴虫も見て言いました。
「鈴虫も鳴くんだよね」
「そうよ、鈴みたいな声を出すからね」
 恵梨香が応えました。
「鈴虫って言うのよ」
「そうだよね」
「色々な虫がいて」
 恵梨香は今度はショウリョウバッタが跳ぶのを観ましたトノサマバッタにクルマバッタそしてそのバッタもいるのです。
「賑やかね、私子供の頃は蜘蛛が苦手だったけれど」
「その外見がだね」
「怖くて」
 それでというのです。
「見ると震えたけれど」
「今はどうかな」
「別にね」
 これといってというのです。
「怖くなくなったわ」
「どうしてそうなったのかな」
「実は悪い生きものじゃないって聞いて」
 それでというのです。
「むしろ悪い虫を捕まえてくれるね」
「そうしたなんだ」
「いい生きものって聞いて」
「それでなんだ」
「ええ、それは幼稚園の頃ね」 
 蜘蛛が怖かった頃はというのです。
「本当に小さな頃だったから」
「小学校に入ってなんだ」
「五年生にもなったら」
 それだけ大きくなったらというのです。
「もうね」
「怖くなくなったんだ」
「子供でもね」
「幼稚園の頃と小学生の頃は違うからだね」
「そうなの、だから今はね」
 恵梨香はジャックにお話しました。
「別によ」
「蜘蛛も怖くないんだね」
「そうなの」
 こうお話します。
「別にね」
「そうなったんだね」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「蜘蛛っていっても色々なのね」
 恵梨香は農作業の中で水面を八本の足で歩くみたいに進んでいる蜘蛛を見て言いました、お水の上を歩いている様には見えません。
「大きな蜘蛛小さな蜘蛛もいれば」
「ああ、そこはね」
 ジャックもそれはと応えます。
「そうだね」
「色々な種類があるわね」
「大きさも形もね」
「いる場所もね」
「本当に色々だね」
「それで私ミズグモなんてね」
 この種類の蜘蛛はというのです。
「はじめて見たわ」
「オズの国に来てだね」
「そうなの、この蜘蛛はお水のところで暮らしているけれど」
 それでもというのです。
「奇麗なお水でないと暮らせないのね」
「ミズカマキリ達と同じだよ」
 一緒に農作業をしている教授が言ってきました。
「そこはね」
「そうなんだ」
「そう、水棲の昆虫やそれに近い生きものは繊細でね」 
 教授はジャックにお話しました。
「奇麗なお水でないとだよ」
「暮らせないんだ」
「流れがあっても穏やかでないとね」
「そのこともあるんだ」
「中々暮らせないのだよ」
「そうしたところでないと」
「そうなんだ」
 ジャックに学問を感じさせる声でお話するのでした。
「だからだよ」
「恵梨香達もなんだね」
「ミズグモを観たことはなかったんだ」
「外の世界ではだね」
「この娘達は都会に住んでいるね」
「神戸という街だね」
「都会は沢山の人がいるから」
 その為にというのです。
「外の世界ではどうしてもお水も汚れて」
「そうした生きものが暮らせないんだ」
「そうなのだよ」
「成程ね」
「田舎に行かないと」 
 外の世界ではというのです。
「ここまで奇麗なお水の場所はないね」
「成程ね」
「だから私ミズカマキリ達も観たのはじめてなの」 
 恵梨香がまた言ってきました。
「オズの国でね」
「そうだったんだ」
「タガメなんているかどうかもね」
「知らなかったんだ」
「だって買ったら物凄く高いのよ」
 タガメはというのです。
「驚く位ね」
「外の世界だと虫を買えるんだったね」
「ええ、けれどタガメはね」
「高いんだ」
「物凄くね」
 そうだというのです。
「珍しいから」
「そうだったんだ」
「それだけお水にいる虫はね」
「貴重なんだね」
「神戸じゃ観られないわ、大阪だったらね」
 神戸と近いこの街はといいますと。
「もっとね」
「いないんだ」
「だってあそこの川何処も奇麗じゃないから」
「大阪はそうなんだ」
「だったらね」
「ミズグモ達はいないんだ」
「絶対にね」
 そうだとうのです。
「残念なことに」
「本当にそれは残念だね」
「そうよね」
「こうした生きもの達がいないと」
 ジャックはお水の中の色々な虫達を観つつ言いました、お魚やオタマジャクシと一緒に気持ちよさそうに泳いでいます。
「寂しいね」
「そうよね」
「僕ゲンゴロウが好きだけれど」
「その虫もなの」
 恵梨香もゲンゴロウ達を見てお話しました。
「やっぱりね」
「外の世界ではだね」
「街だとね」
 どうしてもというのです。
「いないわ」
「そうなんだね」
「残念なことにね」
「成程ね」
「オズの国は人が大勢いる場所でもお水が奇麗だけれど」
 それでもというのです。
「外の世界はね」
「そうはいかないってことだね」
「そうなの」
 こうジャックにお話しました。
「本当にね」
「そこも外の世界とね」
「オズの国の違いね」
「そうだね」
「残念なことだね」
 ガンプは荷物を運ぶ中で思い言いました。
「それは」
「そうだね、何処でも色々な生きものがいたらね」
「いいんだけれどね」
「外の世界ではそうはいかないんだね」 
 ジャックも残念そうです。
「そのことは」
「そうだね」
「そう思うと」
 ジャックはさらに言いました。
「オズの国はいい国だね」
「そのことでもね」
「そうだよね」
「僕もそう思うよ」
 ガンプはジャックに応えました。
「心からね」
「君もだね」
「そうだよ、だからオズの国はこのままね」
「よくしていこうね」
「奇麗なものは奇麗なままで」
「そのことを守ったうえでね」
「大切なものは守ってね」
 オズマも言います。
「そのうえでね」
「よくなっていくんだね」
「それがね」
「オズの国だね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「そのことは」
「そう、そしてね」
 それにというのです。
「どんどんね」
「いい国にしていくんだね」
「努力すればね」
「よくなっていくから」
「そうしていきましょう」
 是非にというのです。
「これからもね」
「それじゃあね」
「ええ、皆でね」
「いい国にしていこう」
「是非ね」 
 こうお話するのでした、そしてです。
 オズマもミズグモを観て言いました。
「この蜘蛛は実はね」
「実は?」
「オズの国でも少ないのよ」
「そうなんだ」
「外の世界でも少ないみたいだけれど」
 それと共にというのです。
「オズの国でもよ」
「あまりいないんだ」
「そうなの」
「そんな生きものもいるんだね」
「ええ、だからここに多いのはね」
 この水田でというのです。
「とてもね」
「いいことだね」
「そうよ、色々な生きものが沢山いる」
 オズマは先を見る目で言いました。
「そうなるべきよ」
「オズの国はだね」
「ええ、そう考えているわ」
 ジャックにお話します、そうしてです。
 皆と一緒にお仕事を続けていきました、水田も南瓜畑もどんどん出来てきていていよいよ終わりが見えてきました。








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