『新オズのカボチャ頭のジャック』




                第七幕  どんどん賑やかに

 ジャック達は水田に南瓜畑を毎日日の出からお日様が沈むまで観て回っていました、見ればどの水田も畑も立派なもので。
 しかも日一日と拡がっていきます、ジャックはその状況を見て南瓜のお顔のその目を細めさせました。
「順調って言っていいかな」
「ええ、とてもね」
 オズマはジャックににこりとして応えました。
「この状況はね」
「そうなんだね」
「水田も南瓜畑も拡がっていっていて」
 そしてというのです。
「その中身もね」
「いい状況だね」
「だからね」
 それでというのです。
「順調と言ってね」
「いいんだね」
「満足すべきよ」
 そのにこりとしたお顔で言うのでした。
「本当にね」
「それは何よりだね」
「だからこのままね」
「順調にいけるようにだね」
「していきましょう」
 こうジャックに言います。
「これからは」
「僕達はその為に来ているし」
「是非ね」 
 今はというのです。
「そうしていきましょう」
「それじゃあね」
 ジャックはオズマの言葉に頷きました、そうしてです。
 水田のところに行きますと緑の稲がお水の中に整然と並んでいてです。
 上に雀や蜻蛉が飛んでいて稲と稲の間を鴨が泳いでいてです。お水の中には泥鰌やタウナギ、蛙や田螺、ザリガニやヤゴがいます。
 そして水面にはです。
「アメンボやミズスマシもいるね」
「そうだね」
 かかしと樵が彼等に気付いて笑顔になります。
「ミズグモもいてね」
「ミズカマキリやタイコウチ、ゲンゴロウもいるよ」
「タガメまでね」
「あっ、タガメいますね」
 カルロスはこの虫を見て目を輝かせました。
「これは凄いですね」
「タガメって外の世界じゃ滅多にいないんですよ」
 ジョージもタガメを見て驚いています。
「本当に」
「日本じゃそうなんですよ」
 神宝も言います。
「とても奇麗なお水の中にしかいなくて」
「他のお水の生きものもそうらしいですが」
 ナターシャはこう言いました。
「私はじめて見ました」
「私もです」
 恵梨香もでした。
「こうして普通に見られるなんて」
「オズの国は何処も環境がいいからね」 
 ムシノスケ教授が言ってきました。
「だからだよ」
「ここじゃかなりいるけれどね」
 ガンプも恵梨香達に言います。
「外の世界じゃそうなんだね」
「はい、本当に」
「見れば田んぼのお水や水路にメダカもいますけれど」
「メダカもです」
「とても奇麗なお水の中にしかいないんですよ」
「このお魚も」
「そうなんだね、けれどここはオズの国だからね」
 かかしが五人に言いました。
「これが普通だよ」
「どの川やお池にも沢山の生きもの達がいるよ」 
 樵も五人にお話します。
「賑やかにね」
「流石オズの国ですね」
「確かにこれまでのどの場所もそうですね」
「色々な生きものが沢山いて」
「それで賑やかですね」
「とても」
「そうだよ、ほら見て」
 かかしが指差した先にはです。
 沢蟹もいます、蟹もお水のところに大勢います。
「蟹もいるね」
「本当に色々な生きものがいますね」
「オズの国の水田は」
「外の世界もそうですが」
「オズの国はさらにですね」
「色々な生きものが沢山いますね」
「夜には蛍もいるしね」
 樵はおたまじゃくし達を見ています、彼等はお水の中をお魚達と一緒に見ていて親の蛙達が彼等をいとしげに見守っています。
「何かとだよ」
「生きものの宝庫ですね」
「お米が採れるだけでなくて」
「沢山の生きもの達もいる」
「それがオズの国の水田で」
「とても素敵な場所なんですね」
「そうだよ」
 かかしは笑顔でお話しました。
「だから僕達も楽しくここにいようね」
「元気に働いて」
 そしてと言う樵でした。
「夜は気持ちよくくつろごうね」
「お風呂に入ってね。お風呂も素敵でしょ」
 オズマも五人にお話します。
「私達がいるお屋敷のそれも」
「檜風呂で」
「とても広くて風情があって」
「凄くいいですね」
「お湯も奇麗で」
「最高ですね」
「五右衛門風呂もあるわよ」
 こちらのお風呂もというのです。
「底は板を入れるけれど熱くないわよ」
「そこはオズの国ですね」
「五右衛門風呂でも底は熱くないことは」
「そのこともいいですね」
「私達そのお風呂にも入られますね」
「入ろうと思えば」
「そうよ、あと今夜は雨が降るから」
 そうなるというのです。
「蛙が喜んでね」
「物凄く鳴くんですね」
「この水田の中で」
「蛙はお水が大好きですから」
「だからですね」
「どの蛙も鳴くんですね」
「トノサマガエルもアマガエルもウシガエルもね」 
 どの蛙達もというのです。
「そうなるわ、だからね」
「今夜はですね」
「お仕事が終わって」
「お風呂と晩ご飯の後は」
「蛙の合唱を聴くんですね」
「そうして楽しむんですね」
「雨の夜を前にしてね」
 そうしてというのです。
「楽しみましょう」
「わかりました」
「そうしていきましょう」
「今夜は蛙のコンサートですね」
「それが催しですね」
「蛍も観られて」
 そしてというのです。
「満月もで」
「それで、ですね」
「蛙のコンサートの日もあって」
「それが今日で」
「そっちを楽しむ」
「今から凄く楽しみです」
「その時は美味しいものも出すわね」 
 オズマはにこりと笑って皆にお話しました、そうしてでした。
 皆日暮れまで楽しく働いてでした、夜は檜風呂に入って身体を奇麗にして心をすっきりさせてです。
 けんちん汁と鮎の丸焼きに梅干し、お豆腐に菊菜のおひたしに白いご飯を食べてです。お食事が終わってすぐに雨が降りましたが。
 皆でお屋敷の縁側雨が入らない場所に座ってです。
 雨音の中で水田の方から聴こえてくる蛙の大合唱を聴きました、すると恵梨香はうっとりとして言いました。
「素敵なコンサートね」
「そうだね」
 ジャックもその通りだと頷きます。
「雨の音と合わさって」
「そのうえでね」
「最高のコンサートになっているね」
「ええ、ずっと聴いていたい位ね」
「全くだよ」
「コンサートだけじゃないです」
 ここで座敷童が言ってきました。
「他にもありますよ」
「何かな」
「食べたり飲んだりする必要のない人もおられるけれど」
 それでもというのです。
「よく冷えた西瓜と麦茶もね」
「あるんだ」
「ええ、お昼からよく冷やしていて」
 そしてというのです。
「今出すつもりだったの」
「その二つをなんだ」
「今から出すわね」
「それはとてもいいわね」 
 オズマは座敷童のお話を聞いて言いました。
「最高よ」
「そうですよね」
「こうした夜はね」
「西瓜と麦茶ですね」
「その組み合わせよ」
 まさにというのです。
「一番いいのは」
「あと梅酒もあります」
「おお、それはいい」 
 梅酒と聞いて喜んだのは教授です。
「アルコールのないものもあるね」
「勿論です」
「ではオズマ姫と恵梨香達五人にはだよ」
「麦茶とですね」
「アルコールが入っていないけれど酔えるね」
「その麦茶をですね」
「出そう、そしてね」
 それでというのです。
「私は大人だからね」
「普通の梅酒をですね」
「楽しみたいよ」
「ではそちらをお出しします」
「ではね」
 こうお話してでした。
 座敷童と竜宮童子達はよく冷えた西瓜に麦茶そして梅酒を出してくれました。食べて飲むことが出来る人達はです。
 皆で楽しみました、そして。
 恵梨香は西瓜の皮の部分が黒と紫で中身は黄色いのを見て言いました。
「外はギリキンだけれど」
「中身は黄色いね」
「所謂クリーム西瓜だね」
「日本で結構売っているね」
「その西瓜ね」
「そうね、食べてみても」
 片手で持てる位の三角に近い形に切られたそれを先から食べつつ言います。
「クリーム西瓜の味ね」
「中身も紫の西瓜もあるわよ」 
 オズマも西瓜を食べています、そのうえでのお言葉です。
「ちゃんとね」
「それぞれの国の色の西瓜ですね」
「それもありますね」
「こうしたクリーム西瓜もあれば」
「そうした西瓜もあるんですね」
「ギリキンには」
「マンチキン、ウィンキー、カドリング、エメラルドの都にもあって」
 それぞれの国にというのです。
「それでよ」
「それぞれの色ですね」
「他の食べものと同じで」
「そうした色の西瓜もあるんですね」
「中身もそれぞれの色の」
「そうなんですね」
「そうよ、ただウィンキーだとね」 
 この国ではどうかといいますと。
「クリーム西瓜は黄色くてね」
「ウィンキーの西瓜も黄色くて」
「ちょっとわからないですね」
「どっちがどっちか」
「同じ黄色ですから」
「わからないですね」
「ウィンキーの中身も黄色い西瓜は濃い黄色なの」
 そうなっているというのです。
「これがね」
「黄色と言ってもそれぞれで」
「クリーム西瓜の黄色もあって」
「ウィンキーの西瓜の黄色もある」
「そういうことですね」
「黄色と言ってもそれぞれで」
「そうよ、黄色と言っても」
 一口にその色だと言ってもというのです。
「色々よ、それは青も赤も紫も緑もでしょ」
「そうですね」
「どの色もそれぞれですね」
「一口にそう言っても」
「それぞれ数えきれないだけの色がありますね」
「そうよ、だからそれで見分けるのよ」
 ギリキンではというのです。
「オズの国の皆はね」
「そういえばです」
 ここで恵梨香が言いました。
「オズの国では皆色がわかりますね」
「はっきりとね」
「外の世界では犬や猫は色がわからないですが」
「哺乳類で色がわかるのは人間とお猿さんだけというのはね」
「けれどオズの国では」
 この国ではどうかといいますと。
「どの生きものもですね」
「そうよ、色がわかるのよ」
「そうですね」
「だからトトやエリカもね」
 犬や猫である彼等もというのです。
「いつも何色か言うでしょ」
「そうですよね」
「オズの生きものは喋ることが出来て」
 そしてというのです。
「色もね」
「わかるんですね」
「私達と同じ様にね」
「そこも外の世界と違いますね」
「だからこのギリキンでも」
 今自分達がいるこの国にいてもというのです。
「はっきりとね」
「色々な紫があるとですね」
「わかるのよ、あとテレビだけれど」 
 オズマはこちらのお話もしました。
「オズの国では最初からカラーだったわ」
「昔のテレビは白黒だったそうですね」
「恵梨香達は白黒テレビは知らないわね」
「私達の学校は世界中から人が来ていますが」
 それでもというのです。
「かなりの国で」
「もう白黒テレビはないわね」
「見たことがない子が殆どです」
「そうよね、けれどオズの国ではね」
「最初からですか」
「カラーテレビだったわ」
 西瓜を一切れ食べた後で氷を入れていてとてもよく冷えたガラスのコップの中の麦茶を飲みつつ恵梨香に答えます。
「オズの国ではね」
「そうなんですね」
「白黒の技術もあるけれど」
 それでもというのです。
「やっぱり色は沢山あった方がいいでしょ」
「はい、確かに」
 恵梨香もその通りだと答えます。
「そのことは」
「だからね」
 麦茶を飲んだ後また西瓜を食べつつ言います。
「私はテレビをどうするかというお話になった時にね」
「カラーテレビにされたんですね」
「そうしたのよ」
「そうしたことがあったんですね」
「色が豊かな国で」
 それでというのです。
「皆その色がわかったらね」
「是非ですね」
「テレビもそうあるべきだと思って」 
 ゲコゲコという蛙達の見事な合唱を聴きつつお話します、水田の方から何十万匹という色々な種類の蛙達の声が雨音に混ざって聴こえてきています。
「それで決めたの」
「そうだったんですね」
「そうしてよかったと思ってるわ」
 実際にというのです。
「私はね」
「私もです」
「色はわかった方がいいでしょ」
「はい」
 恵梨香だけでなく皆も頷きます。
「それは」
「色がわかるということは幸せだとね」
「オズマ姫は思われますね」
「このオズの国ではね」
「外の世界ではそうであるとも限らないのだよ」
 教授は梅酒を楽しみながらお話しました。
「これが」
「外の世界ではそうなんだ」
「うむ、シマウマがいるね」
 教授はジャックにこの生きもののお話をしました。
「白黒の模様の」
「ゼブラのだね」
「あれは自分を景色に入れて見えにくくするものなんだよ」
「あんなに目立つ色なのに?」
「それが外の世界では彼等の天敵がいるけれど」
 それでもというのです。
「彼等は色がわからないからね」
「それでなんだ」
「白黒の世界に見えているからね」
「その白黒の中になんだ」
「彼等は溶け込むからね」
「あっ、あの色と模様で」
「わかりにくくなるからね」
「あの模様なんだ」
「逆に虎や豹はだよ」
 この生きもの達はといいますと。
「それぞれの模様がね」
「白黒に見えてだね」
「やはり周りの景色に溶け込んで」
 そうなってというのです。
「それでだよ」
「獲物に見えにくくなるんだ」
「そう、他の生きものだよ」
「白黒だとだね」
「哺乳類にはわからないのだよ」
「じゃあエメラルドボアとかはだね」
 ガンプも縁側にいます、そこから言います。
「哺乳類には木の幹か枝に見えて」
「爬虫類や鳥類は色がわかるがね」
 教授はガンプにも答えました。
「それでもだよ」
「緑だから」
「緑の密林の中にだよ」
「溶け込んでだね」
「物凄くわかりにくいのだよ」
「そうだね」
「だから白黒しか見えないことが悪いかというと」 
 このことはというのです。
「一概には言えないよ」
「そうなんだね」
「オズの国ではその方がいいからね」
「皆が色彩豊かな世界を楽しめるから」
「だからだよ」
 それでというのです。
「そうなっているのだよ」
「そうなんだね」
「いや、外の世界ではそうなんだね」
 ジャックはここまで聞いてしみじみとして言いました。
 そして蛙の声を聴きながらこう言いました。
「そういえば蛙って身体の色が変わるね」
「アマガエル等がそうだね」
「うん、カメレオンもそうだけれど」
「蛙にもそうした種類がいるよ」
「そうだよね」
「それもいいね」
「うん、凄くね」
 ジャックは雨音と混ざって聴こえるその鳴き声を聴きながら答えました。
「見ていていいと思うよ」
「私もだよ、ちなみにオズの国のアマガエルは自分の思うままに色を変えられるから」
 だからだというのです。
「赤や青にもだよ」
「色を変えられるんだ」
「そうだよ、自由にね」
「それはカメレオンと同じだね」
「如何にも」
 まさにというのです。
「それがオズの国のアマガエルだよ」
「成程ね」
「そう思うとアマガエルも面白いわね」
 オズマは彼等の声も聴きながら思いました。
「本当に」
「そうだよね」
 ジャックも応えます。
「色を好きに変えられるって」
「面白いでしょ」
「素敵だね」
 ジャックはオズマに応えました。
「心から思うよ」
「そうよね、それでアマガエルもね」
「今雨を喜んでだね」
「鳴いてるのよ」
「そうなんだね」
「清少納言さんって人もオズの国におられるけれど」
「枕草子の人だね」 
 教授はその人のお名前を聞いて言いました。
「そうだね」
「ええ、日本の人でね」
「平安時代の人でね」
「宮廷にお仕えしてね」
「枕草子を書いていたね」
「源氏物語は紫式部さんで」
 そしてというのだ。
「枕草子は清少納言さんで」
「その人が言っているね」
「ええ、夏は夜で」
 この時間が一番風情があってというのです。
「そして雨が降ってもね」
「いいと言っているね」
「そう、それでね」
「実際にだね」
「今雨が降っていてね」 
 そしてというのです。
「そのお言葉の意味がよくわかるわ」
「こうして経験するとね」
「この風情がいいわね」
「そうだね、蛙も沢山鳴いてね」
「そして晴れているとね」
 その時はといいますと。
「お月様を観たりね」
「それに照らされる夜のお庭を観て」
「星空もでね」
「天の川もあるよ」
「そして」 
 オズマは一呼吸置いてから言いました。
「やっぱりね」
「蛍だね」
 ガンプが言ってきました。
「それがあるね」
「ええ、オズの国に四季はないけれど」 
 いつも凄しやすい気候です、それこそ夜お外で寝ても風邪をひかず何もしない状態で汗をかいたりもしません。
「けれどね」
「それでもね」
「夜はね」
「素敵だね」
「そのことがわかるわ」
「全くだよ、あとね」
 かかしはにこにことして雨音と蛙の合唱を聴きつつ言いました。
「花火もいいね」
「そうね、夜はね」
 オズマも応えました。
「最高にね」
「こうしたお家にいて」
 そしてというのです。
「この縁側からね」
「西瓜を食べて麦茶も飲んで」
 そのうえでとです、オズマも言います。
「そしてよね」
「花火を観ることもね」
「いいものね」
「あとあれだね」
 樵も言ってきました。
「虫の声もいいね」
「そうね、こちらは主に秋だけれど」
「その季節とされるね」
「外の世界ではね」
「けれどオズの国ではね」
「季節はなくて」
「いつも快適で」
「こうした場所でもね」 
 実際にというのです。
「虫の声が聴こえるわね」
「それでそれもいいね」
「コオロギやキリギリスが鳴いてね」
「あの声もいいよね」
「夜に聴いてね」
「素敵な音楽だよ」
「本当にそうね」 
 オズマはにこりと笑って答えました。
「私もそう思うわ」
「そうだね」
「ここにいる間も夜も楽しめるわ」 
 オズマはにこりとしたままこうも言いました。
「だからね」
「それでだね」
「いつも楽しんでいきましょう、お布団で寝ることもね」
「オズマ達は楽しむね」
「そうするわ。これもいいのよ」 
 お布団で寝ることもというのです。
「ベッドの上で寝ることもいいけれど」
「畳の上に敷きまして」
 恵梨香が応えてきました。
「いいですよね」
「本当にそう思うわ」
「それではですね」
「ええ、今夜もね」
「浴衣に着替えて」
「お布団で寝ましょう」
 恵梨香に笑顔で応えてでした。
 今は皆で夜の中雨音と蛙達の大合唱を聴きました、西瓜や麦茶も楽しんでそれからぐっすりと寝てです。
 次の日の朝は茶粥とお漬けものそれに煮干しを食べてです。
 それからお仕事に出ます、朝にです。
 ジャックは足下にコオロギを見付けて言いました。
「この虫が鳴くんだよね」
「そうよ」
 恵梨香もそのコオロギを見て答えます。
「そうした虫なの」
「そうだね、見たらね」
 ジャックは今自分達がいる水田に向かう道の左右にある草原全体も見て言いました。
「沢山の虫がいるね」
「草原にもね」
「コオロギにバッタにキリギリスに」
 それにというのです。
「カマキリもね」
「色々いるね」
 ジョージも見て言います。
「本当に」
「まさに日本の草原だね」
 神宝も草原を見て言います。
「ここは」
「お花には蝶々やハナアブやカナブンが寄って」
 カルロスはそちらを見ています。
「そうした虫も沢山いるね」
「お花はクローバーやマーガレットやタンポポね」
 ナターシャはお花を見て言います。
「こちらもいいわね」
「何ていうか」
 ジャックは今四人が言ったもの全部を見て言いました。
「水田の中も周りもここも動物園や植物園みたいだね」
「そう言うのね」
「ジャックはそう思うんだね」
「この辺りに沢山の生き物がいて」
「そして植物もだから」
「そう言うんだね」
「そうだよ、トカゲやカナヘビもいるし」
 見れば彼等もいます。
「蛇もいて水路に亀もいてね」
「そう言われるとね」
「確かに動物園みたいだね」
「この辺りは多くの種類の生きものが沢山いて」
「まるで動物園だよ」
「そんな風ね」
「お魚も多いから水族館かも知れないけれど」
 それでもと言うジャックでした。
「賑やかなのは事実だね」
「ええ、それで植物もね」
「沢山の種類のものがあるね」
「それで一杯生えていて」
「こちらも賑やかだね」
「そうなっているわね」
「それを見たら」 
 本当にというのです。
「僕は心から思ってね」
「余計に嬉しく楽しい気持ちになるのね」
「そうなんだ」
 恵梨香に答えました。
「本当にね」
「そうなのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「何かね」
 ジャックはこうも言いました。
「亀やザリガニって一種類じゃないね」
「そうなの?」
「水路や田んぼの中にいる彼等はね」
「そうかしら」
「ヤゴだってね」
 彼等もというのです。
「それぞれ違うよ」
「その通りだよ」
 教授が笑って言ってきました。
「亀はミドリガメやイシガメがいるね」
「違うよね」
「ミドリガメはやや緑が入っていてね」
 そうしてというのです。
「イシガメは黒いね」
「その違いだね」
「ザリガニはニホンザリガニはやや色が薄くてね」
「それでなんだ」
「アメリカザリガニは赤が濃いんだ」
 そうなってるというのです。
「ニホンザリガニに比べてね」
「僕が言った通り違うね」
「そしてヤゴもだよ」 
 トンボの幼虫もというのです。
「またね」
「違うんだね」
「そうだよ、それぞれのトンボの種類でね」
「アカトンボやギンヤンマ、ミズカラトンボにだね」
「オニヤンマでもね」
「やっぱり違うね」
「そしてそれは蛍もだよ」
 この虫もというのです。
「種類があるのだよ」
「ゲンジホタルとヘイケホタルがあって」
 こう言ったのは恵梨香でした。
「幼虫も」
「それぞれ違うよ」
「蛍の種類によって」
「そうだよ、だからね」
ジャックの言う通りなんですね」
「そう、どの生きものもね」 
 まさにというのです。
「それぞれ違うんだよ」
「同じ亀やザリガニでもそうで」
「そっくりに見えてもね」
 一見そうでもというのです。
「ヤゴやホタルもだよ」
「違いますね」
「よく見たらね」
「そういえばバッタとイナゴも違うね」
 ガンプは丁度目の前を跳んだ彼等を見ました。
「それぞれ」
「うん、そっくりと言っていいけれどね」
「やっぱり違うね」
 かかしと樵がガンプに応えました。
「それぞれね」
「よく見たら違うね」
「そうだよね、その違いを見極めることも」
「面白いね」
「そうだね」
「そう思ったよ」
 ガンプにしてもです。
「何かとね」
「そうよね」
「しかし」
 ここで言ったのはオズマでした。
「ここに来て生きものの違いまで勉強するとはね」
「思わなかったわね」
「水田と南瓜畑のことはと思っていたけれど」
 それでもというのです。
「そこにいる生きもののことなんてね」
「思わなかったね」
「そうだったわ」
 こうジャックに言いました。
「蛙や蛍のことにね」
「他の生きものについてもだからね」
「いや、世の中本当にね」
「あらゆるところで色々なことが学べるね」
「そうね」
「それが世の中なのだよ」
 教授がとても嬉しそうに言ってきました。
「だからいいのだよ」
「世の中は」
「あらゆるものが学べるから」 
「楽しいのね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「私は今ここにいてね」
「幸せなのね
「最高だよ」
 オズマに満面の笑みでお話します。
「そしてこれからだよ」
「今日はまず南瓜畑に行くから」
「そこでも学問を楽しもう」
「それじゃあね」
 オズマも笑顔で応えてでした。
 そのうえで巡っていきます、そしてでした。
 南瓜畑に行くとでした、皆早速南瓜の手入れをして肥料を撒いてです。
 そのうえで耕しもしますが。
 ジャックは鍬を使って耕しながら言いました。
「今日もいい運動が出来るね」
「そうね、いい汗をかいて」 
 恵梨香はジャックと一緒に耕しつつ応えました。
「お昼はね」
「君達はだね」
「凄くね」
 まさにというのです。
「こうして身体を動かせているから」
「美味しくだね」
「ご飯を食べられるわ」
「今日のお昼はサンドイッチよ」
 オズマも耕しつつ言います。
「それにサラダとね」
「サラダもあるんだ」
「ソーセージにデザートはフルーツよ」
「それはいい組み合わせだね」
「そうでしょ、だから今はね」
 是非にと言うのでした。
「こうしてね」
「身体を動かすんだね」
「そうするのよ、畑仕事をして」
「そう思うと畑仕事はいいスポーツだね」
「そうでもあるわ、だからね」
 それでというのです。
「私今凄く楽しいわ」
「楽しく汗をかいて」
「お昼はね」
「美味しく食べるんだね」
「サンドイッチよね、サンドイッチも最高よ」
「そうですね」 
 恵梨香が応えました。
「お弁当に」
「そうだよね」
「サンドイッチって最高のお弁当の一つだよ」
「他のものもいいけれど」
「サンドイッチがいいことは事実ね」
 ジョージ達四人も言います。
「最近お握りが多くて」
「水田だからね」
「それも最高だけれど」
「サンドイッチもね」
「最高よね、何を挟んでもね」
 そうしてもというのです。
「美味しいし」
「だから挟めるものは全部挟んだね」
 オズマは五人に答えました。
「素敵なサンドイッチよ」
「具体的には何を挟んだんですか?」
「ハム、ソーセージ、カツ、ハンバーグ、ツナ、サラダにね」
 それにとです、恵梨香に答えました。
「卵もあるわ」
「本当に何でもですね」
「だからね」
「食べる時はですね」
「楽しみにしておいてね」
「そうさせてもらいます」
「そしてね」
 オズマはさらに言いました。
「飲みものは牛乳よ」
「そちらですか」
「それを飲みましょう」
「サンドイッチに牛乳もいいですね」
「そうでしょ」
「はい、本当に」
 実際にというのです。
「その組み合わせも」
「それを最高に美味しく食べる為にね」
「今はですね」
「どんどん働きましょう」
「わかりました」
「いい汗をかいてね、あと見て回ったけれど」 
 オズマはこうも言いました。
「いい南瓜が沢山出来ているわね」
「大きい南瓜ばかりですね」
「そう、それにね」
 大きさだけでなくというのです。
「中身も詰まってるから」
「余計にいいんですね」
「どの南瓜も食べたら」
「美味しいですか」
「これは楽しみよ。ポタージュにしてもいいし」
 まずはこのお料理を言うのでした。
「パイにしてもね」
「姫様は南瓜のポタージュお好きですよね」
「パイもね、何をしてもね」
 どうしたお料理でもというのです。
「好きよ」
「そうなんですね」
「煮てもね」
「じゃあ焼いても」
「揚げたりね。コロッケにしてもね」
 南瓜のコロッケもというのです。
「好きよ」
「本当にお好きなんですね」
「甘いからね」
 南瓜はというのです。
「本当にね」
「お好きで」
「収穫してね」
 そうしてというのです。
「食べる時が楽しみよ」
「そうですか」
「その時も楽しみにしつつ」
 それでというのです。
「今はね」
「働くんですね」
「そうしましょう」
 是非にというのです。
「ここはね」
「はい、けれど姫様がそこまで南瓜が好きなんて」
「どれも大好きよ」
「そうですか」
「お野菜もね、それで南瓜もね」
「大好きなんですね」
「そうなの。だから王宮でもよく食べてるでしょ」
 こう恵梨香に言いました、今はギリキンの服を着てそうして南瓜のつるの手入れをしています。そうしながら言うのでした。
「そうでしょ」
「そういえば」
「人参もキャベツもで」
 そしてというのです。
「玉葱にレタス、セロリもでね」
「南瓜もですね」
「大好きよ、ただね」
「ただ?」
「一番食べているのはジャガイモかしら」
 考えながら言いました。
「お野菜だとね」
「ジャガイモですか」
「そう思ったわ」
「確かによく食べますね」
「そうでしょ」
「オズの国ですと」
 恵梨香はオズマに答えました。
「何かと」
「だからよ」
「今もですね」
「パンの次位の主食だから」
「オズの国では」
「そこまでのものだから」
 それ故にというのです。
「私もね」
「ジャガイモをですね」
「物凄く食べているわ」
「他のお野菜と比べても」
「南瓜ともね」 
 今作っているそれと比べてもというのです。
「そうもね」
「じゃあジャガイモも」
「勿論大好きよ」
 一も二もない返事でした。
「本当にね」
「やっぱりそうですね」
「色々なお料理にも出来るし」
 ジャガイモはというのです。
「だから何時でもね」
「召し上がられますか」
「そうなの」
「朝から夜まで」
「そうよ」 
 恵梨香に言いました。
「実際にそうでしょ」
「確かによく食べますね」
「アメリカ以上にね」
「ジャガイモをですか」
「少なくとも私はそうよ」
「そこまでお好きなんですね」
「そうよ、じゃあ今日もね」 
 オズマはにこりと笑って言いました。
「お昼はないけれど」
「夜はですね」
「ジャガイモを食べましょう」
「わかりました」 
 恵梨香はにこりと笑って応えました、そうしてです。
 皆でサンドイッチや他のお料理を楽しく食べました、そのうえで午後もまた明るく元気に働くのでした。








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