『オズのボームさん』




                第九幕  ロイヤルブックと土の中

 オズの国の歴史書とそれを収めている宮殿の図書館の地下三階のお掃除や整頓を進めています、ですが。
 その中で、です。魔法使いは一冊の本を本棚に入れてから言いました。
「これは」
「どうしたのかな」
「いや、ロイヤルブックだよ」
 一緒に本棚に本を入れているモジャボロに答えました。
「この本は」
「ああ、その本なんだ」
「うん、王室の歴史を書いたね」
「その歴史書もだね」
「収めているよ」
「ううん、いい本だよね」
 モジャボロは魔法使いに微笑んで応えました。
「ロイヤルブックも」
「そうだよね」
「王室の歴史も長いからね」
「オズの歴史と共にあるからね」
「その間色々あったね」
「一時私がオズの国の主だった時もあって」
「その時の貴方のことも書かれているね」
 他ならぬ魔法使いにも言いました。
「そうだね」
「うん、私もロイヤルブックにあってね」
 そうしてというのです。
「偉大な魔法使いの時代とね」
「書かれているんだね」
「そのタイトルでね」
 まさにそれでというのです。
「それで私の統治時代のことが書かれているんだ」
「それは悪いものではないね」
「随分よく書かれているよ、悪いことをしたなんてね」
 そうしたことはというのです。
「全くだよ」
「書かれていないんだね」
「名君だったとね」
 その様にというのです。
「書かれていて恥ずかしい位だよ」
「そこまでなんだ」
「私はそこまでいいことをしたかな」
 首を傾げさせて言うのでした。
「果たして」
「魔法使いさんがそう思っていても」
 本棚をなおすその先の空の本棚を拭きつつで、モジャボロの弟さんが言ってきました。丁度二人の傍にいます。
「他の人達は違っていまして」
「それでなんだ」
「客観的に見て」
 そうしてというのです。
「魔法使いさんは立派にです」
「オズの国を治めていたんだね」
「はい」
 そうだったというのです。
「だからオズの国の皆もです」
「私を迎えてくれたんだ」
「はい、そして」 
 そのうえでというのです。
「今でも慕ってるんですよ」
「そうなんだね」
「はい、何も悪いことはなかったです」
 本を奇麗にしているジュリアが言ってきました。
「私はずっとオズの国にいたので言えます」
「そうなんだ」
「それも宮殿にいまして」
 それでというのです。
「魔法使いさんの傍にいました」
「しかし私はね」
「誰にもお姿を見せなかったですね」
「そうだったけれどね」
「ですが政治はです」
 それはというのです。
「とてもです」
「よかったんだ」
「はい」
 そうだったというのです。
「本当に」
「そうだったんだね」
「東と西にそれぞれ悪い魔女はいましたが」
 そして沢山の人に迷惑をかけていました。
「魔女達の悪いことにも向かわれていましたね」
「放っておけなかったからね」  
 絶対にとです、魔法使いは答えました。
「だから出来る限りね」
「対処されていましたね」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「ドロシー嬢にはご苦労だったけれど」
「西の魔女の退治のことね」 
 ドロシーが言ってきました、ジュリアと一緒にかかしそれに樵と一緒に本を奇麗にして本棚に入れています。臆病ライオンも本を運んでいます。
「あの時のことね」
「うん、何とかその悪事の被害を最低限に抑えていたけれど」
「元を絶つ為によね」
「何とかしてもらおうと思っていたけれど」
「そこに私達が来て」
「お願いしたんだ、私の魔法はあの頃は手品でね」
 その実はです。
「本物の魔法じゃなかったからね」
「直接どうにかは出来なかったわね」
「政治として対策は出来ても」
 それでもというのです。
「私自身はどうにも出来なかったからね」
「私達に行かせたのね」
「あの時は悪かったよ」
「いえ、あの時もいい思い出よ」
 ドロシーは魔法使いににこりと笑って答えました。
「だからね」
「それでなんだ」
「悪いと思っていないわ」
「そうだといいけれどね」
「本当にね」
「私が命じた討伐はなんだ」
「よかったわ」
 こう魔法使いに言うのでした。
「とてもね」
「そうなんだね」
「確かに僕は動けなくなっていたよ」
「僕もね」
 かかしと樵はドロシーとはじめて出会った時のことをお話しました。
「それでドロシーに助けてもらったけれど」
「オズの国はその頃からよかったよ」
「暮らしに不満を感じたことはなかったよ」
「全くね」
「そんなことは聞かなかったね」
 臆病ライオンも言います。
「本当にね」
「そうだよね」
「皆満足していたよ」 
 かかしと樵は臆病ライオンに応えました。
「不平不満なんてね」
「憂いや悩みもね」
「全くなくて」
「とてもいい政治だったよ」
「善政と言ってよかったよ」
「全く以てね」
「そうだよね」
 臆病ライオンもその通りと言います。
「だから皆魔法使いさんを大好きなんだよ」
「今でもね」
「それでロイヤルブックにも書かれているんだ」
 王室の歴史書にもというのです。
「王室の歴史の中にね」
「魔法使いさんの章もね」
「その統治時代のことを」
「しっかりと書かれているんだよ」
 かかしと樵は魔法使いにお話しました。
「ありのままね」
「そしてそのありのままがだよ」
「善政だったんだよ」
「この上なくね」
「それが如何にいい時代だったか」
 ムシノスケ教授は床にモップをかけながら言いました。
「今でも懐かしいと思う位だよ」
「懐かしいんだ」
「そう、いいことが一杯あったとね」
 教授は魔法使いににこりとしてお話しました。
「そうね」
「懐かしいっていうと」
「そう、いいことだったからだね」
「悪いことは懐かしいと思わないからね」
「逆に忌まわしいと思うね」
「その様にね」
「私は魔法使いさんの頃は小さかったけれど」
 今と違ってです。
「普通のバッタでね」
「その時に感じていたんだ」
「うん、いい場所だとね」
「そして今はいい時代となんだ」
「思っているよ」
 懐かしんでというのです。
「そうだよ」
「そうなんだね」
「全くだよ」
「そしてーーです」 
 チクタクはロイヤルブックを開きました、お掃除の合間にお話を聞いて少しそうしてみました。そのうえで言うのでした。
「魔法使いさんのーー後ーーは」
「かかしさんが少しの間統治者だったね」
 本を運ぶ腹ペコタイガーが言ってきました。
「そうだったね」
「そうーーでしたーーね」
「その頃もね」
「いい時代ーーでしたーーね」
「そうだよね」
「私はーー知りませんーーが」
 その頃チクタクはまだオズの国にいなかったからです、ドロシーに砂浜で見付けてもらうまで縁もありませんでした。
「しかしーーです」
「本にあるからね」
「このーーロイヤルブックーーに」
「そうだね」
「そうしてーーですーーね」
 チクタクは本を閉じてでした。
 本棚に入れてです、それからまた言いました。
「かかしさんーーのーー後は」
「オズマ姫の統治だね」
「今もーーですねーーね」
「そうなっているね」
「そうーーですーーね」
「オズマ姫の統治がはじまって長いけれど」
 腹ペコタイガーはしみじみとして言いました。
「ずっとね」
「いいーー時代ーーですーーね」
「そうだね」
「その間色々な人が来たね」
 ドロシーの足下で彼女のお手伝いをしているトトが言ってきました。
「オズの国に」
「そうよね」
「僕達も戻ってきてね」
 ドロシーにもこう応えます。
「そうしてね」
「今ここにいる多くの人達もね」
「来てね」
「私も戻ったしね」
 魔法使いも言ってきました。
「そしてだよ」
「そうしてよね」
「様々な素晴らしいものが生まれて」
「色々な人や文化も出て来て」
 そうしてというのです。
「今に至るわね」
「オズの国はね」
「素敵な国になったわ」
 ドロシーは魔法使いに満面の笑顔で言いました。
「オズマの時代になってから余計にね」
「全くだね」
「それでよ」
 エリカと一緒に本棚の壁や上の部分を拭いているガラスの猫が言ってきました。
「ロイヤルブックは終わってないわよね」
「終わる筈がないでしょ」
 エリカが応えました。
「だってオズの国は今も続いていてね」
「王室もよね」
「続いているのよ」
 だからだというのです。
「終わる筈がないわ」
「そうよね」
「そしてこれからもよ」
「オズの国の王室は続くのね」
「オズマが王女としてね」
 そのうえでというのです。
「続いていくわ」
「そうよね」
 こうしたお話をしながらです。
 皆整頓していきます、その中で皆お部屋も奇麗にしていきますが地下三階であることで大尉が壁を見て言いました。
「地下だからね」
「どうしたの?」
「言うまでもないけれど窓がないね」
 つぎはぎ娘にお話しました。
「それは仕方ないね」
「いえ、あるわよ」 
 ここでこう言ったのはオズマでした。
「ちゃんとね」
「あるの?」
「ええ、開けられないけれど」
 それでもというのです。
「ガラスの窓がね」
「あるの」
「壁のボタンを押したらね」
 そうしたらというのです。
「壁が透明になってね」
「ガラスの窓になるの」
「そうなのよ」
「そんな仕掛けがあったのね」
「ええ、だから今もボタンを押したらね」
「壁が窓になるのね」
「そうよ、そうしてみる?」 
 オズマはつぎはぎ娘に微笑んで言いました。
「これから」
「そうね、面白そうだからね」
 つぎはぎ娘はオズマの申し出に笑顔で頷きました。
「そうしてみて」
「それではね」
 オズマは言われてすぐにでした。 
 壁の傍にあったボタンを押しました、するとです。
 階の壁、天井や床までもがでした。
 ガラスになりました、するとです。
 地下の全てが見えました、壁の向こう側だけでなくその上下そして図書館の上下の階までがです。これにはです。
 つぎはぎ娘も大はしゃぎで嬉しそうに跳びはねて言いました。
「凄いわね」
「面白いでしょ」
「とてもね」
「ただ横が見えるだけでなくてね」
「地下の全てが見えてね」
「お水の中みたいにね」
「それで図書館の上や下まで見えるのね」
「そうなのよ」
「これも魔法なんだね」 
 ハンクはしみじみと思いました。
「まさに」
「そうだね」 
 木挽きの馬も同意でした。
「地下の全部が水中みたいに見えるなんて」
「このこともね」
「オズの国の魔法だね」
「そうだね」
「普通はこうした場合壁に面した部分だけしか見えないよ」 
 キャプテン=ビルは言いました。
「蟻を水槽とかの中で飼って巣を作らせてもね」
「そうね、水槽の透明なプラスチックの傍の巣の部分は見えても」
「奥までは見えないわ」
 ベッツイとトロットはキャプテンに応えました。
「そこまではね」
「流石に無理よ」
「けれどオズの国の透視の魔法を使ってなの」
 オズマはベッツイとトロットにもお話します。
「それでなのよ」
「こうしてなのね」
「地中の全部が見えるのね」
「そうなの。こうしたらでしょ」
 オズマは二人ににこりと笑ってお話しました。
「まるで図書館が土の中に浮かんでいるみたいでしょ」
「ええ、何かね」
「そんな感じね」 
 二人もその通りだと答えます。
「これはね」
「そんな風に思えるわ」
「オズの国に来て色々なものを見てますけれど」
 恵梨香も土の中を見て言います、見ればモグラや虫達が色々動き回っています。土の中も賑やかです。
「これも凄いですね」
「土の中をお水の中みたいに見られるなんて」
 カルロスは嘘みたいだというお顔です。
「信じられないです」
「図書館の上下の階まで見られますし」
 ナターシャはこのことに驚いています。
「凄いですね」
「何かこの階が土の中に浮かんでいるみたいです」
 ジョージも言います。
「とても不思議な光景です」
「あの、ここにいたら」
 神宝も言いました。
「図書館の中にいる気がしません」
「そうでしょ、ただここにいるだけでなくてね」 
 オズマは五人にもお話します。
「こうした楽しみ方も出来るのよ」
「土の中も見られるんですね」
「それも立体的に」
「お水の中にいるみたいに」
「そう出来るんですね」
「この図書館では」
「そうなのよ」
 にこりとしてのお話でした。
「この通りね」
「これは全ての階でよね」 
 ドロシーはオズマに尋ねました。
「出来ることよね」
「そうよ、地上の階ではね」
「ボタンを押したら」
「お空がね」
「全部見えるのね」
「そして地中もね」
 お空と同時にというのです。
「見られるの」
「両方がなのね」
「そうよ、凄いでしょ」
「本を楽しめるだけでないのね」
「視聴覚室で観るものを楽しめてね」
 そしてというのです。
「景色もよ」
「楽しめるのね」
「三百六十度、球形にね」
「そのことも素晴らしいわね」
「まるで宙に浮かんでいる様な」
 その感覚でというのです。
「学問を楽しめるのよ」
「最初このヒントをオズマ姫が言った時驚いたよ」
 ボームさんは笑って言ってきました。
「そんな発想があるのかって」
「そうだったのね、ボームさんも」
「うん、ただ壁を透明にするだけでなくてね」
「三百六十度ね」
「空間として見られる様にするなんてね」
「それも透視して」
「お水の中にいる様にしようなんてね」
 そうしたというのです。
「発想を聞いてね」
「私も聞いて驚いたわ」
「突飛もない発想だよ、けれどね」
 それでもというのです。
「その突飛もない発想がだよ」
「こうしたものになるのね」
「まず思うことだよ」
 何といってもというのです。
「そして想像することだよ」
「大事なことは」
「それからどうしたら実現出来るか」
「考えることね」
「閃きとね」
 即ち発想と、というのです。
「努力だよ」
「その両方があって」
「どんなことも実現するんだ」
「発想と努力ね」
「一パーセントの閃きとね」
「九十九パーセントの努力ね」
「その二つが合わさったら」
 その時はというのです。
「こうしてだよ」
「素晴らしいものが生まれるのね」
「エジソンさんも言ってるね」
「いつもね」
「どちらが先でもいいけれど」
「その二つね」
「その二つが合わさったら」
 その時はというのだ。
「素晴らしいものが出来るんだよ」
「そうよね」
「そしてね」 
 まさにというのです。
「この壁もだよ」
「実現したのね」
「九十九パーセントの努力と」 
 それにというのです。
「一パーセントの閃きでね」
「その二つがあってこそ」
「オズの国でもだよ」
 まさにというのです。
「それは同じなんだよ」
「そうよね、それではね」
「これからも努力をして」
「閃きを大事にしましょう」
「そうだね、ただ努力は常に出来るけれど」 
 それでもとです、ボームさんは言いました。
「しかしね」
「それでもよね」
「閃きはね」
「いつもあるとは限らないわね」
「うん、ただ外の世界では閃き、つまり発想は何時来るかわからないんだ」
「本当に気まぐれなものね」
「だからエジソンさんも言ったんだ」
 この人もというのです。
「そうね」
「九十九パーセントの努力があってもね」
「一パーセントの閃きがないと駄目だって」
「そうなんだ、一パーセントのね」
 それのというのです。
「それだけだよ」
「外の世界では閃きは何時来るかわからないのね」
「そうしたものなんだ」
 まさにというのです。
「そこがオズの国と違うよ」
「オズの国はお伽の国だから」
「すぐに閃くね」
「ええ、九十九パーセントの努力があったら」
「すぐにね」
「そうよね」
「ただ九十九パーセントの努力は外の世界でも必要だよ」
 ボームさんはこうも言いました。
「何処でもね」
「それはそうね」
「閃きだけでは」
 一パーセントのです。
「それだけではね」
「そうよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「まずはね」
「努力をしないとね」
「実らないわね」
「何でもね」
「それはオズの国でもよね」
「努力しないと何にもならないね」
「ええ、本当にね」 
 オズマもその通りだと答えました。
「それはね」
「だからだよ」
「努力することね」
「うん、努力をしなかったら」
「何もならないわね」
「何処でもね」 
 外の世界でもオズの国でもというのです。
「同じだよ」
「ええ、モーツァルトさんもよね」 
 ドロシーは今はオズの国で作曲を楽しんでいる人のお話をしました、音楽を離れるととても陽気で無邪気で公平な人です。
「いつも努力をしているわね」
「あの人は作曲をしていないと苦しいって言ってるわ」
 トロットがドロシーに言ってきました。
「それでよ」
「いつも作曲しているわね」
「だからもうね」
「ピアノの席に座って」
「作曲に専念しているわ」
「一日中でも」 
 まさにというのです。
「あの人は」
「あれこそ努力ね」
 ベッツイも言いました。
「九十九パーセントの」
「モーツァルトさんは外の世界でも天才だったけれど」
 ボームさんはドロシー達にも言いました。
「まずいつもね」
「作曲をしていて」
「九十九パーセントの努力を行っていた」
「そうだったのね」
「いや、作曲していないと苦しいっていう位音楽に打ち込んでいたら」 
 それならというのです。
「九十九パーセント以上かな」
「百パーセントを超えているかもね」
 かかしも言いました。
「そこまでだとね」
「そうだね、この世界でもモーツァルトさんは放っておいたら何日でもぶっ続けで作曲をするから」
 樵はかかしの言葉に頷きました。
「それを見たらね」
「楽しんでいるにしても」
 キャプテンも思いました、皆お仕事をしながらもです。
 壁の外の景色を見てです、そうしながらお話をするのでした。土の中の生きもの達はそれぞれ幸せに過ごして動いています。
「物凄いことだよ」
「あの努力はね」
 まさにと言うボームさんでした。
「百二十パーセントだよ」
「九十九パーセントを超えた努力」
 モジャボロは唸りました。
「それが出来るだけでも凄いね」
「それだけ努力すればね」
 ボームさんは思いました。
「九十九パーセントを超えた分が閃きになるか」
「閃きを呼び寄せるのかな」
 モジャボロの弟さんは思いました。
「そうなのかな」
「そうだろうね、外の世界でもね」
 ボームさんはその考えを否定しませんでした。
「そしてオズの国でも」
「一パーセントの閃きは必要でも」
 ムシノスケ教授も考えました。
「それをもたらすのも努力かな」
「ぞうだね、努力はね」 
 まさにとです、魔法使いも考えました。
「しないと駄目でしてこそね」
「閃きも来るんだね、そして努力と合わさって」
 大尉は思いました。
「素晴らしいものが出来るんだね」
「そういえば何もしていなくて閃きは来ないね」 
 ジャックはこのことに気付きました。
「そのことに対してね」
「そうね、遊んでいてもその遊びに閃くのはね」
 つぎはぎ娘は自分の大好きな遊びそして歌や踊りから思いました。
「遊んでいる時よ」
「何かする、努力をしてこそ閃くものかもね。エジソンさんは苦悩の中で思って」 
 閃きの大事さをとです、ボームさんは思いました。
「発明のね」
「どうしても生み出せなくて悩んでる時だね」
 トトは思いました。
「発明王でもそんな時があったんだね」
「うん、中々これだって時がない時はね」
 ボームさんはトトに答えました。
「やっぱりね」
「あるね」
「そうした時はだよ」
「そうも思うんだね」
「どうしてもね」
「そうなんだね」
「そしてモーツァルトさん、おそらくダ=ヴィンチさんもね」
 レオナルド=ダ=ヴィンチさんです、この人も今はオズの国にいるのです。
「何かしていないと苦しかったけれど」
「それをしている時は楽しくて」
 エリカは言いました。
「苦しいとは思っていなかったのね」
「それはその人のそれぞれの心の持ち様で」
 それ次第でというのです。
「苦しいと思うか思わないかは」
「違うのね」
「そうじゃないかな」
「エジソンさんは外の世界でも凄く沢山の発明をしたけれど」 
 ハンクは思いました。
「苦悩する時もあったんだ」
「そうだろうね」
「そうなんだね」
「あまり寝ないで発明に専念していたけれどね」  
 それでもというのです。
「そんな時もあったんだろうね」
「そうだったんだね」
「あの人もね」
「気の持ち様も大事かな、しかしエジソンさんに来た閃きは多いよ」
 木挽きの馬はこのことは間違いないと言いました。
「だから外の世界でもあれだけ発明出来たんだよ」
「そのことは間違いないね」
「その努力が招いたね」
「間違いなくね」
 ボームさんははっきりと言いました。
「今お話して心から思ったよ」
「そうだね」
「だから私はいつも猫の遊びを楽しんでるのよ」
 ガラスの猫は澄ましていました、そのうえでの言葉です。
「だからよ」
「遊びについての閃きがだね」
「いつも来てるわ」
「猫は遊ぶのが仕事だしね」
「その遊びに専念していたらよ」
 そうすればというのです。
「もうね」
「閃くね」
「そうなっているわ」
「あら、それじゃあ子育てにもよね」
 家族が沢山いるビリーナも思いました、彼女の国は国民である家族がどんどん増えていっているのです。
「私は毎日励んでいるからね」
「それでだね」
「ええ、何かと閃くわ」
「そういうことだね」
「必死に努力しているか」
「それを自覚していなくてもね」 
 それでもというのです。
「そうしていたらだよ」
「閃きは来てくれるのね」
「それはこのオズの国でもそうでね」
「翻ってーーですーーね」 
 チクタクが言ってきました。
「外のーー世界ーーも」
「同じだね」
「そうーーですーーね」
「そうなるね」
 まさにというのです。
「何処もね」
「オズの国は閃きはすぐに来てくれても」
 臆病ライオンも思いました。
「それが来るにはね」
「まずは努力することだよ」
「そのことに対して」
「さもないとね」
「閃きも来ないね」
「ううん、卵が先か鶏が先かじゃなくて」
 腹ペコタイガーは前足を組んで思いました。
「努力なくしてだね」
「閃きは来ないよ」
「そうだね」
「そして努力は嘘を吐かないから」
 だからだというのです。
「まずぞれを行うことだよ」
「そうだね」
 こうしたお話をしてでした。
 皆で周りを見つつお仕事をしています、そしてです。
 その中でふとでした、ボームさんは言いました。
「僕も閃いたよ」
「どういう閃きかしら」
「整頓の後でね」
 オズマに笑顔で答えました。
「この階だけでなく全ての階に専属の司書の人を置こう」
「そうするのね」
「これまでは全体だったね」
「ええ、どの人もね」 
 オズマはまさにと答えました。
「全ての階担当よ」
「そうした人達も必要だけれど」
「それぞれの階もなのね」
「人を置いてね」
 司書の人をというのです。
「管理をしよう」
「そうしたら整頓もよりよくなるわね」
「整頓しながらね」
 そのうえでというのです。
「後でどうその整頓を維持しようかって考えていたけれど」
「それぞれの階にもなのね」
「全体だけでなくね」
「それぞれの階でなのね」
「担当の人を置いて」
 そしてというのです。
「管理していけばどうかな」
「いいわね」
 オズマはボームさんの提案に頷きました。
「それではね」
「そうしていくね」
「ええ、これからはね」 
 まさにというのでした。
「それでいきましょう」
「それではね」
「これも閃きね」 
 オズマはにこりとして言いました。
「図書館の整頓と管理についての」
「そうだね」
「それをしていたから」
「一生懸命だね」
「そう、努力をしていたから」
 まさにというのです。
「閃きが来てくれたのよ」
「九十九パーセントのだね」
「そういうことね」
「本当に何かしないと閃きって来ないのね」 
 恵梨香はしみじみと思いました、今のボームさんを見て。
「そうなのね」
「いや、努力がどれだけ大事か」
 ジョージも言いました。
「今実感したよ」
「そうだね」 
 カルロスはジョージの言葉に頷きました。
「ボームさんを見てね」
「閃きが来た時ってはっとなって凄く気持ちいいけれど」
 ナターシャはその時の感触のお話をしました。
「それは何かをしてこそ来てくれるものね」
「本当にまず努力することなんだね」
 神宝はしみじみと思いました。
「そうしたら閃くんだね」
「そうだね、僕も今閃いたしね」
 ボームさんは五人にお話しました。
「本当にだよ」
「まず努力する」
「そのことについて」
「やってみることですね」
「一生懸命に」
「それからですね」
「そうだね、努力が最初だよ」
 そこからだというのです。
「何事も」
「はい、それならですね」
「私達もですね」
「努力することですね」
「そうすれば閃きも来て」
「素晴らしいものが出来ますね」
「そうだよ、そしていいことについて努力をすれば」 
 このことだけでもというのです。
「自分を磨くことにもなるよ」
「それだけで、ですね」
「そうなりますね」
「だからですね」
「努力自体いいことですね」
「そうでもありますね」
「だから努力はすることだね」 
 ボームさんはしみじみと思いました。
「本当に」
「そういうことですね」
「努力はそれだけでも素晴らしい」
「自分も磨けるので」
「閃きが来てくれるだけでなく」
「そうした意味でもいいんですね」
「オズの国の人達はいつもいいことをしよういい働きをしようと努力しているから」
 元々そうした人達ばかりですが、です。
「尚更なんだよ」
「いい人になっていっているんですね」
「どなたも」
「オズの国ではそうなんですね」
「いいことをしよういいお仕事をしようと努力している」
「だからいい人達ばかりなんですね」
「そうした努力をしているから」
「だからなんですね」
「皆いい人達なんですね」
「そうなんですね」
「だからラゲドー氏もだよ」
 かつて何度もオズの国を脅かそうとしたこの人もです。
「一旦真っ白になってかだけれど」
「いい人になろうと努力して」
「他のオズの国の人達と同じ様に」
「そうしてきてですね」
「いい人になったんですね」
「あの人にしても」
「そうだよ、努力は人を磨くんだ」
 そうしたこともあるというのです。
「これがね」
「そうだね、努力をしているとそれだけでね」 
 魔法使いも頷きました。
「心が磨かれていくね」
「そうだよね」
「何かに励んで」
 そしてというのです。
「精進しているとね」
「心がね」
「どんどん磨かれてね」
 そうなってというのです。
「奇麗になっていくよ」
「そうなるね」
「全くだよ、何かについてよくなろうと」
 そう思ってです。
「努力しているとね」
「それだけでもだよ」
「心が磨かれて」
「奇麗になって」
 そしてというのです。
「よくなっていくよ」
「だから閃きだけのことでなくて」
「努力しないとね」
「そういうことだよ」
「だからモーツァルトさんは多分に子供っぽいけれど」 
 またこの人のお話をしました。
「それでもね」
「純真で公平でね」
「邪気がないね」
「そうした人だね」
「あの人と一緒に遊ぶの大好きよ」
 トロットはにこりとして言いました。
「だってとても楽しい人だから」
「子供心を忘れていないからね」
 キャプテンはそれはどうしてかをトロットにお話しました。
「童心とも言うのかな」
「あの人にはそれがあるのね」
「だからね」
 それでというのです。
「一緒に遊んでいてもね」
「楽しいのね」
「そうだよ」 
 まさにというのです。
「あの人とね」
「そうなのね」
「あの人もずっと音楽にだよ」
「努力しているからよね」
「心が磨かれていっているんだよ」
「そうなのね」
「そこに心を込めているからね」
 まさにそれをというのです。
「そうなっているんだ」
「心を込めて努力するとね」
 またボームさんが言いました。
「だからいいことについてだよ」
「努力することね」
 ベッツイがボームさんに応えました。
「そちらに」
「さっきいいことにと言ったね、僕は」
「ええ、確かにね」
「いいことに努力するとそこに正しい心が宿るから」
「それで努力するとなのね」
「心が磨かれるんだ」 
 そうなるというのです。
「ささにね」
「そういうことなのね」
「そうなんだん」
「成程ね」 
 ベッツイもお話を聞いて納得しました。
「よくわかったわ」
「わかってくれて嬉しいよ」
「そういうことならね」
「ううん、何もいいことについて努力しなかったら」
 トトはこのことに思いました。
「以前のラゲドー氏みたいになるんだね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「他にもオズの国の人達に害を為したね」
「ああした人達みたいになるんだね」
「そうなんだ」
「そう思うとね」 
 トトはしみじみとした口調で言いました。
「やっぱりね」
「努力は必要でね」
「いい人になる様にね」
「オズの国でもよ」
 ドロシーはトトに応えました。
「努力はしないとね」
「そうだね」
「元々いいのなら」
 それならというのです。
「よりよくなる様にね」
「努力することだね」
「そうしたらいいのよ」
「その通りだね」
 トトはドロシーのその言葉に頷きました。
「いいのならね」
「もっとよくすべきだね」
「そう、だからオズの国の人達もね」
「努力しているんだね」
「それぞれのお仕事や暮らしの中でね」
 まさにその日常の中でというのです。
「そうしているのよ、楽しみながらね」
「そうだね、そして僕達もね」
「努力していきましょう」
「これからもね」
 笑顔でこうしたお話をしてでした。
 皆で努力していくことにもしました、そしてそれが今は何かも皆わかっていて整頓を続けていくのでした。








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