『オズのボームさん』




                第二幕  王宮の図書館

 朝起きるとです。
 モジャボロと弟さんが戻ってきました、そこにはかかしと樵、ジャックにファイター大尉も一緒でした。その皆とです。
 オズマとドロシーは笑顔で挨拶を交えてから言いました。
「これで皆揃ったわね」
「そうね、最高の戦力が揃ったわ」
「もうこれでね」
「万全よね」
「ムシノスケ教授も来てくれたし」
「何の心配もいらないわ」
「そうだね、ただね」
 ここでモジャボロが言ってきました。
「グリンダさんはね」
「ええ、あの人は今回はね」
「カエルマンさんとクッキーさんと一緒にね」
「クマセンターに行ってるわね」
「だからだよ」
 その為にというのです。
「今回のことにはね」
「参加出来ないわね」
「そうだよ」
「そのことは残念ね」
「うん、ただね」
 それでもとです、モジャボロはオズマに笑顔で言いました。
「これだけ集まったら」
「何の心配もいらないわね」
「そうだよ」
「万全の戦力よ」
「お話は聞いてるよ」
 かかしも言ってきました。
「図書館の歴史資料の整頓だね」
「それをしているの」
 ドロシーが答えました。
「今はね」
「そうだね、ではね」
「皆でね」
「整頓にかかろうね」
「お掃除もするわ」
「そちらもしようね」
「さて、一体どうなるか」
 ブリキの樵はとても楽しそうに言いました。
「楽しみだよ」
「そうなのね、貴方も」
 ドロシーは樵にも応えました。
「それは私もよ」
「どんな楽しいお仕事になるか」
「そのことがね」
「この顔触れだとね」 
 樵は皆を見回して言いました。
「絶対にだよ」
「楽しいものになるわね」
「ならない筈がないよ」
 絶対にというのです。
「僕は確信しているよ」
「私と一緒ね」
「その通りだよ」
「しかも休む必要のないメンバーが揃ってるじゃない」
 つぎはぎ娘はくるくると踊りながら言ってきました。
「これは凄くいいわよ」
「あっ、お仕事は九時から五時までよ」
 トロットが答えました。
「途中お休みも入れてね」
「そうしてなの」
「働いていくのよ」
「あたし達ずっと動けるわよ」
「それでもよ、皆ね」
 休む必要のない人達もというのです。
「ちゃんとね」
「休んでなの」
「お仕事を進めていくわ」
「そうするのね」
「ええ、今回はね」
「それがーーいいーーですーーね」
 チクタクはその方針に賛成して頷きました。
「やはりーーです」
「お仕事はずっとはいけないわ」
「休憩もーー必要ーーです」
「だからそうするの。そして月曜から金曜は働いて」 
 そうしてというのです。
「土曜と日曜はお休みよ」
「残業はなしだね」 
 ムシノスケはこのことを言いました。
「そうだね」
「ええ、勿論よ」
 ベッツイが答えました。
「もう五時になったらそこでね」
「終わりだね」
「そうよ」
「健全だね」
「ホワイトが一番効率がいいから」 
 それでとです、ベッツイは答えました。
「だからなのよ、オズの国ではそうでしょ」
「お仕事はね」
「九時から五時まででね、どれだけ長くても」
「残業はなしでね」
「基本土曜と日曜はお休みで」 
 そうしてというのです。
「祝日もよ」
「そうだね」
「夜は夜のお仕事があるけれど」
「その場合はお昼はお休みだね」
「そうよ」
 そうなっているというのです。
「本当に健全だからね」
「ホワイトにしないとね」 
 キャプテン=ビルも言います。
「皆疲れが溜まるしね」
「その疲れが問題だからなの」 
 オズマが答えました。
「それでなの」
「ホワイトになる様にしているんだね」
「お仕事はね」
「そうだね」
「オズの国ではね。私達もよ」 
 オズマは自分達のこともお話しました。
「オズの国の王女、国家元首として働いるけれど」
「ちゃんとホワイトにだね」
「お仕事をしているわ」
「さもないとだね」
「言っている人間がそうだと」
 休まないと、というのです。
「皆休めないでしょ」
「だからだね」
「私も休む様にしているの」
「残業はしないんだね」
「休日も休んでいるわ」
「それは私も同じでして」
 ジュリア=ジャムもでした。オズの国きっての働き者であるこの娘も。
「いつもです」
「残業はしなくて」
「休日はゆっくりしています」
「そうなんだね」
「はい、しっかりとです」
 にこりとしてです、キャプテンにお話します。
「休んでいます」
「それは何よりだね」
「休むことも大事だよ」
 魔法使いも言いました。
「だから休む必要がない人達もね」
「ええ、休んでもらうわ」
 オズマは魔法使いにも答えました。
「休むべき時はね」
「お仕事はしない」
「遊んでもらうわ」
 その時はというのです。
「自由にね」
「それがいいね、ではね」
「ええ、今からね」
「九時になったらだね」
「お仕事をはじめましょう」
「それではね」
「じゃあそれまでの間は寝させてもらうわ」 
 エリカは欠伸をして言いました。
「ゆっくりとね」
「そうだよね、それがいいよね」
 トトも同意して頷きます。
「寝ていることがね」
「お仕事まではね」
「それがいいよ」
 こう言うのでした。
「そしてだよ」
「お仕事の時はね」
「頑張るんだよ」
「私達の出来ることをね」
「それがいいよ」
「ただ私はね」
 ここでエリカは笑って言いました。
「猫だからね」
「目の前で何か動いてるとだね」
「そっちに目がいくわ」 
 そうなるというのです。
「どうしてもね」
「それは仕方ないね」
「猫だからね」 
 それ故にというのです。
「そうなってしまうわ」
「習性でね」
「猫だと誰でもよ」
 ガラスの猫も言ってきました。
「そうなるわ」
「だから君もだね」
「私はガラスの身体だけれど」
 それでもとです、トトに答えます。
「それでもよ」
「猫だとね」
「どうしてもそうなるわ」
「目の前の動くものに目がいくね」
「注意もね」
「それ僕もだからね」
 臆病ライオンがここで言ってきました。
「もう目の前で虫が飛んでいるとね」
「すぐに目がいくね」
「そうなるんだ」
 トトに笑って答えました。
「習性でね」
「ライオンも猫の仲間だからね」
「ネコ科でね」
 この種類の生きものだというのです。
「だからだよ」
「それは当然のことだね」
「まさにね」
「そうそう、僕だってね」
 腹ペコタイガーも言ってきました。
「自然とだよ」
「目がいくね」
「それで前足もね」
「出るよね」
「もうね」
 それこそというのです。
「目がいくよ」
「そいうなるね」
「だからね」
 それでというのです。
「目と前足が出ることは」
「ネコ科の生きものならだね」
「当然のことだよ、そしてお仕事まではね」
「寝るね」
「お腹一杯食べてからね」  
 朝ご飯をというのです。
「そうするよ」
「僕もそれは同じだよ」
「ご飯をたっぷり食べてね」
 ハンクも言います。
「それで寝ようね」
「お仕事まではね」 
 ビリーナが応えました。
「そうしましょう」
「まずはね」
「じゃあね」
「今は寝て」
「そうしてね」
「時間を過ごそう」
「遊ぶのもいいよ」 
 モジャボロの弟さんはそちらをと言いました。
「それもね」
「いやいや、朝はよ」
 ビリーナは弟さんに答えました。
「今からご飯だけれど」
「ご飯の後はなんだ」
「気持ちよくね」
 そのうえでというのです。
「寝ることがね」
「君達はいいんだ」
「もうそれがよ」
 まさにというのです。
「最高の楽しみよ」
「それで寝るんだ」
「そして寝てからね」
「お仕事だね」
「それに励むわ」
「朝寝の楽しみを味わうんだね」
 大尉はビリーナ達動物組がどうしてそうするのかわかりました。
「そういうことだね」
「そう、だからね」
 ビリーナは大尉にも答えました。
「私達はまずはね」
「寝るんだね」
「そうするのよ」
「じゃあ楽しんでね、僕は寝る必要がないから」
 大尉もそうした身体の仕組みだからだというのです・
「それでね」
「あんたは遊ぶのね」
「何かをしてね」
「遊ぶのも何でもあるからね」 
 木挽きの馬は遊ぶことに関心がいっています、何故なら彼もまた休む必要が全くない身体だからです。
「さて、何をして遊ぼうか」
「一緒に考えようか」
「そうしようね」
「そういえば双六ありましたね」 
 恵梨香はこの遊びをお話に出しました。
「王宮の」
「あの私達が実際に駒になって進む双六ね」
 ナターシャは恵梨香に応えました。
「あの双六があったわね」
「あの双六最近してなかったし」
 カルロスも言います。
「やってみようか」
「そうだね、一緒にやろうか」 
 ジョージは頷いて言いました。
「双六をね」
「うん、じゃあ寝る人は寝てね」 
 神宝は笑顔で述べました。
「そのうえでね」
「いいわね、じゃあお仕事まではね」
 ドロシーは五人に応えました。
「双六をしましょう」
「それじゃあですね」
「今から双六ですね」
「双六をしますね」
「そうして九時まで楽しんで」
「九時になったらですね」
「お仕事をね」
 それをというのです。
「楽しみましょう」
「九時までは遊びを楽しむ」
「九時からはお仕事を楽しむ」
「いい流れですね」
「楽しみに楽しみが続いて」
「それはまた」
「オズの国はお仕事も楽しいから」
 これはどんなお仕事でもです。
「だからよ」
「楽しみが続きますね」
「お仕事ををしても」
「遊びと同じだけ楽しいですね」
「それがオズの国の遊びですよね」
「そうですよね」
「そうよ、だから楽しみ続けましょう」
 こう言ってでした、皆は六時になったらです。
 朝ご飯を食べました、その場にボームさんがいますが神宝達は先程の場にボームさんがいなかったので思いました。
「あれ、さっきは」
「ボームさんおられなかったですね」
「まさかと思いますが」
「朝もですか」
「お仕事ですか」
「違うよ、実は起きてから孫達の相手をしていたんだ」
 ボームさんはにこりと笑って答えました。
「そうしていたんだ」
「お孫さんおられたんですか」
「そうだったんですか」
「それでオズの国に来られてますか」
「そうなんですね」
「それでご一緒に暮らしておられますか」
「そうなんだ、子供や孫達と一緒に暮らしているんだ」
 そうだというのです。
「王宮の近くにお家もあるしね」
「ボームさんは王宮にもお部屋があるのよ」
 ドロシーも五人にお話します。
「それでお家もあるの」
「そうなんですね」
「それでお家出、ですか」
「お孫さん達がおられて」
「お孫さん達の相手をしていて」
「それで、ですか」
「朝はいなかったんだ」
 皆が集まるその時はとです、またボームさんはお話しました。
「そうだったんだよ」
「お孫さん達はね」
 ドロシーがまた言います。
「皆と同じ位の年齢よ」
「だからなんだ」
 ボームさんは神宝達に言いました。
「君達とは孫を接するみたいになっているかもね」
「そうなんですか」
「僕達は孫ですか」
「ボームさんから見て」
「そうなんですね」
「年齢的には」
「外見もね。しかし僕もね」
 ここでボームさんはこうも言いました。
「最初にオズの国のことを聞いてから随分変わったよ」
「そうですか」
「変わられたんですか」
「その頃と比べて」
「ボームさんご自身も」
「そうなんですね」
「子供が大きくなって孫も出来て」 
 そうなってというのです。
「変わったよ」
「そしてオズの国に来てね」
 ドロシーは朝ご飯のハムエッグを食べながらお話します、他にはトーストと牛乳それにオレンジや林檎があります。
「今に至るのよ」
「今のボームさんはお爺さんですが」
 神宝が言ってきました。
「やっぱり最初は」
「ええ、お爺さんでなかったわ」
 ドロシーは新法に答えました。
「私達のことを外の世界に伝えてくれる間にね」
「お歳を召されて」
「お爺さんになったのよ」
「そしてその時の姿でなんだ」
 ボームさんがまた言います。
「今はだよ」
「オズの国におられるんですね」
「そうなんだ」
 トーストにブルーベリーのジャムをたっぷりと塗りつつ言います。
「僕はね」
「その時のお姿がお好きですか」
「昔はそれ程でなかったけれど」
 それでもというのです。
「今はね」
「お好きなんですね」
「そうなんだ」
 こうお話するのでした。
「僕はね」
「それでそのお姿ですか」
「若い時よりも」
 その時よりもというのです。
「オズの国の歴史編纂のお仕事に相応しいとね」
「思われていて」
「それでなんだ」
「そのお姿ですか」
「オズの国に行く直前のね、ただね」
「ただ?」
「この頃の僕はしょっちゅう身体を壊していたけれど」
 そうであったけれどというのです。
「今ではね」
「健康ですね」
「そうだよ」   
 笑顔でのお言葉でした。
「今はね」
「それはいいことですね」
「とてもね、オズの国では怪我も病気もないね」
「はい」
「そうした国だから」
 だからだというのです。
「今はね」
「健康でいられて」
「このことでもね」
「幸せなんですね」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「とてもね」
「ボームさんはお身体のことで困っていたのよ」
 オズマが言いました。
「外の世界ではね」
「本当にそうだったよ」
「大変だったわね」
「それがね」
 今はというのです。
「オズの国ではよ」
「この通り何の心配もないね」 
 そうしてというのです。
「健康そのものだよ」
「それは何よりですね」
「健康であるなら」
「もうそれだけで、ですね」
「幸せですね」
「オズの国でも」
「そこで幸せの最初の場所にいてね」 
 そうしてというのです。
「そしてオズの国は全てがだよ」
「幸せですよね」
「食べものの飲みものも美味しくて」
「楽しい場所ばかりで」
「素敵な人達に満ちていて」
「とても幸せな国ですね」
「だからずっと来たかったし」
 それ故にというのです。
「来られて過ごせて嬉しいよ」
「そう言ってくれているから」
 オズマもにこにことしています。
「私も嬉しいわ」
「私達もボームさんにずっと会いたかったから」
 ドロシーも言います。
「今も嬉しいわ」
「相思相愛だったんだよ」
 ボームさんがまた言います。
「僕達はね」
「それでオズの国に来てくれて」
「王宮にいつもいてくれているから」
「だからこれからもね」
「一緒にいたいわ」
 こうお話するのでした、そしてです。
 皆で朝ご飯を楽しんでそうしてからでした。
 皆はお仕事が行われている王宮の図書館に赴きました、その図書館はです。
 緑の大理石で造られていてエメラルドで飾られていて眩いまでです、まるで入り口はまるで宮殿の様に壮麗で。
 神宝達はその壮麗な建物を観て思わず息を飲みました。
「凄いね」
「王宮に負けていないね」
「ここが王宮と言っても信じるよ」
「奇麗だしとても大きくて」
「あまりにも立派だから」
「あら、前にも来てるじゃない」 
 トロットは驚きを隠せない五人に笑って言いました。
「そうでしょ」
「それはそうですが」
「あまりにも凄いですから」
「何度観ても驚くんです」
「大きくて奇麗ですから」
「そんな建物ですから」
「そうなのね、そういえば貴方達は久し振りに来たしね」
 このことについても言うトロットでした。
「そう思うのも尚更ね」
「そうね、まあここに住もうと思えば出来るわ」
 ベッツイはこう言いました。
「空いているお部屋にベッド置けばね」
「そうですね、おトイレはありますし」 
 ジュリアがベッツイの言葉に笑顔で頷きました。
「それも出来ますね」
「そうよね」
「お食事とお風呂はすぐ傍の王宮で」
「そうしてね」
「寝るところはこちらで」
「それで暮らせるわね」
「そうですよね」
 ベッツイの言葉に頷きながら答えます。
「言われてみますと」
「だからね」
 それでというのです。
「若しも誰かここに住みたいなら」
「いいですね」
「そう思うわ」
「それはいいね」 
 ムシノスケ教授はトロット達の言葉に頷きました。
「私も王立大学にいないなら」
「それならなのね」
「この図書館に住みたいものだよ」
「本が一杯あるからよね」
「それにだよ」
 教授はトロットに楽しそうにお話しました。
「本以外の資料も多いからね」
「紙のよね」
「そう、実に色々なものがあるから」
 だからだというのです。
「何時でもいたい位だよ」
「住んでよね」
「そうしたいものだよ」 
 こう言うのでした。
「本当にね」
「そこまで思っているのね」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「私としてはね」
「そういえば君はよくここに来ているね」
 モジャボロは教授に笑って応えました。
「何かと」
「左様だね」
「うん、王立大学からね」
「学問の為にね」
「つまり君の楽しみの為にだね」
「そうしているよ」
 教授もモジャボロに答えます。
「実際にね」
「そうだね、では今からその素敵な場所にね」
「入るんだね」
「そうしよう」
 こうお話してでした。
 皆は図書館の中に入りました、すると中はロビーの様に快適ば場所で。
 並んでいる本棚に本が一杯です、神宝達は中も見て驚きました。
「凄いね」
「中もね」
「外も奇麗だったけれど」
「中も素敵よ」
「こんな図書館他にないわ」
「ここにはオズの国で発刊された本が全部があるんだ」 
 ボームさんが五人に答えました、勿論中も緑色です。緑の大理石にエメラルドに緑の木造細工です。机や椅子も全て緑色です。
「それこそね」
「全部ですか」
「それは凄いですね」
「オズの国の本全部なんて」
「それは多いですね」
「本当に」
「そうなんだ、そして僕達が行く場所は」
 そこはといいますと。
「地下だよ」
「この図書館は地上にも高いけれどね」
 ジャックもお話します。
「地下にも何層もあるんだ」
「そこに全て本があってね」 
 ボームさんがまたお話します。
「歴史の本は主に地下にあるんだ」
「それで、ですね」
「僕達は地下に行ってですね」
「そのうえで、ですね」
「整頓をするんですね」
「そちらでそうするんですね」
「そうするんだ、では地下に行こうね」
 こう言ってでした、ボームさんは五人を連れて皆と一緒に図書館の地下に向かいました。地下にはエレベーターもありますが。
 皆は階段で行きました、そのうえで地下三階に行きますと。
 灯りと宝石に照らされた緑の世界で、でした。
 本が物凄く雑に置かれて階全体がこんがらがっていました、かかしはその状況を見てこれはとなりました。
「うん、これだとね」
「人手が必要だね」 
 樵も言います。
「こんな状況だと」
「そうだね、僕達が呼ばれたのも当然だよ」
「本をそれぞれの分野で整頓して」
「ここ全体もお掃除をして」
「少しずつそうしないと駄目だからね」
「僕達も必要だよ」
「本の分類とか大事なんですよね」
 神宝も言ってきました。
「そうですよね」
「一体どのジャンルにどの本が入るか」 
 恵梨香も言います。
「教えてもらってね」
「それでちゃんとそれぞれのジャンルでまとめて」
 ナターシャは恵梨香の言葉に頷きました。
「整頓しましょう」
「見たところ入口の方は整頓出来ているけれど」
 ジョージは自分達の目の前を見ています。
「他の場所はまだまだだね」
「そうだね、これからだね」
「そう、まさにこれからなんだよ」
 魔法使いも五人に言いました。
「私達のすることはね」
「そうですね」
「では早速ですね」
「整頓にかかりますね」
「皆で力を合わせて」
「そのうえで」
「やっていこうね」
 こう言ってそうしてでした。
 皆でお仕事にかかります、その時にです。
 それぞれの役割分担をしますが二本足で歩く人達は手を使って本を持ったり本棚に入れてお掃除をしてです。
 小さな生きもの達は前足であちこちを雑巾で拭いたりはたきを使って埃を取っています、そして大きな生きものは背中に荷物持って運んだりやはり前足で雑巾等を使っています。そうして力を合わせて整頓やお掃除をしていますが。
 その時にです、ガラスの猫はこんなことを言いました。
「さて、休み時間までね」
「お仕事ね」
「そうしていきましょう」 
 こう言うのでした。
「楽しくね」
「踊りながらね」
 見ればつぎはぎ娘はくるくると踊ってそうしながらお掃除をしています。
「そうしていきましょう、歌ってね」
「あんたは何時でも踊ってるわね」
「そして歌ってるでしょ」
「そうしないと駄目なのよね」
「あたしはね」
 その通りだというのです。
「あたしじゃないのよ」
「そうよね、あんたの場合は」
「踊ってね」 
 そうしてというのです。
「歌っていないとね」
「あんたはあんたじゃないわね」
「このぬいぐるみの身体とね」
 それと、というのです。
「踊りと歌がないとね」
「あんたじゃないわね」
「だからよ」
 それでというのです。
「楽しくね」
「踊って歌って」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「楽しくね」
「やっていくわね」
「今もね、じゃあ新曲歌うわよ」
 こう言ってでした。
 つぎはぎ娘は今しがた自分が作詞作曲をした曲を歌って踊りもしながら本を手に取って跳びはねつつ本の整頓をします、それを見てです。
 臆病ライオンも腹ペコタイガーも唸って言いました。
「いや、相変わらずね」
「凄い動きだね」
「これがつきはぎ娘さんだね」
「そうだね」
「踊って歌って」
「またその踊りが凄いんだよね」
 こう言うのでした。
「ぬいぐるみの身体でぴょんぴょん跳びはねて」
「普通の人じゃ出来ない動きするからね」
「身体の谷和原赤さも使って」
「物凄いよね」
「最近普通の人や四本足の生きものの皆も出来る踊りも考えてるわよ」
 つぎはぎ娘は二匹に舞いながら答えました、
「それで動画サイトにも投稿してるわ」
「もうそうしてるんだ」
「早いね」
「その辺りも流石だね」
「本当にね」
「皆も踊れる様にしてくれるなんて」
「紹介もしてね」
 二匹共このことにも唸りました。
「何かと考えてくれていて」
「とても素敵だよ」
「じゃあ僕達もね」
「四本足の踊りでやっていくよ」
「そうしてね、それとね」
 つぎはぎ娘はさらに言いました。
「高い場所に行く時は行ってね」
「その時は梯子を使うよ」
 ボームさんは空いている本棚を隅から隅まで奇麗に拭きながら答えました、雑巾で乾拭きをしています。
「脚立とかね」
「いや、あたしはそういうのはなくてもね」
「出来るからなんだ」
「それで言うのよ」
 こう言うのでした。
「今もね」
「そういうことだね」
「だからね」
 それでというのです。
「そうした時は言ってね」
「君はそうするからだね」
「そうよ、跳びはねてやっていくわね」
「では頼むね」
「是非ね」  
「そうだね、お薬も用意しようか」
 魔法使いは本の状況をチェックしつつ言いました、傷んでいる本はそれを戻す魔法の塗り薬でなおすのです。
「空を飛ぶね」
「ああ、飲んだらですね」
「うん、空を飛べる様になるお薬を開発したから」
 モジャボロの弟さんに答えます。
「だからね」
「それをですね」
「出してね」 
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「整頓やお掃除をしていくんですね」
「そうしようか」
「それもいいですね」
「梯子や脚立を使うよりもね」
「高い場所で楽にお仕事が出来ますね」
「だからね」
 それでというのです。
「いいと思ってね」
「それで、ですね」
「やっていこうか」
「それでは」
「また凄いものを開発しているね」
「そうよね」
 トトもエリカも魔法使いの言うそのお薬に驚いています。
「魔法で作ったものだと思うけれど」
「飲むとお空を飛べるなんて」
「そんな凄いもの作ったのね」
「流石魔法使いさんだよ」
「魔法の道具だけじゃないからね」 
 魔法使いは二匹ににこりと笑って答えました。
「私が生み出す魔法のものは」
「お薬もだね」
「そちらもなのね」
「そう、そしてね」 
 それでというのです。
「お薬もだよ」
「ちゃんとだね」
「作ったのね」
「そうなんだ、それじゃあ出そうか」
「今出せるんだ」
「そうなの」
「実はこの前スーツのポケットにも魔法を使ったんだ」
 そうもしたというのです。
「魔法の道具を全部異次元の中に入れておいて」
「あっ、ポケットと異次元をつなげて」
「それで何時でも出せる様にしたのね」
「そうしたポケットにしたんだ」
「そうなのね」
「うん、これは凄い経緯で出来る様になったんだ」
 魔法使いはにこにことしてお話しました。
「日本からオズの国に来た漫画家さんから教えてもらってね」
「あっ、その漫画家さんって」
「物凄く偉大な人だったね」
 ハンクと木挽きの馬は漫画家さんと聞いてすぐにわかりました。
「沢山の漫画を描いていて」
「その漫画でオズの国の皆を笑顔にさせてくれる」
「漫画の王様と言ってもいい人だね」
「そうだったね」
「そう、その人に教えてもらって」
 そうしてというのです。
「ヒントを得たものでね」
「それでだね」
「魔法使いさんも作ってみたんだね」
「そうなんだ、そして作ってみたら」
 これがというのです。
「凄くいいんだ」
「便利なんだね」
「どんな道具もすぐに出せて」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「そのお薬も出せるよ」
「あの、飲むことのない人達はどうなるんですか?」
 ファイター大尉がこのことを尋ねました。
「僕もそうなんですか」
「そうした人達のことも考えてるよ」
「そうですか」
「だからね」 
 それでというのです。
「塗り薬も用意したよ」
「そうだったんですか」
「飲み薬とね」
 それと、というのです。
「塗りくするもね」
「両方ですね」
「用意してね」
 そうしてというのです。
「使えるからね」
「はい、それじゃあ」
「そちらのお薬も出せるよ」
「その漫画家さんは僕も知ってるよ」
 ボームさんも言ってきました。
「僕がいた時にオズの国にあった魔法ですらね」
「凌駕する道具を一杯考えたね」
「うん、その漫画を観て驚嘆したよ」
 そうなったというのです。
「その人がオズの国に来た時にね」
「そうなったね」
「うん、あの人の考えだした科学の道具がね」
 それがというのです。
「オズの国の道具のヒントにもなっているよ」
「あの漫画家さんの言う科学は魔法よ」 
 オズマは箒で足下を掃きながら言いました。
「もうね」
「そうだね」
「オズの国は魔法があってね」
「科学もあるね」
 魔法使いさんはオズマに応えました。
「そうした国だね」
「ええ、それで科学と魔法の区分はね」
「ないね」
「錬金術もね」
 こちらもというのです。
「あるし最近は仙人さんもいるから」
「中国や日本の」
「もう色々なものがあるから」
 それでというのです。
「科学もあるけれど」
「あの漫画家さんの考える科学の道具は」
「魔法の道具と言ってもね」
 例えそう言ってもというのです。
「それでもよ」
「遜色ないね」
「そんなものだから」
 だからだというのです。
「私にしてもね」
「驚くね」
「ええ」 
 その通りだというのです。
「そしてオズの国の新しい道具のヒントにだよ」
「なっているわ」
「そうだね」
「開いたら何処でも行ける扉とかね」
「あと頭に付けたたお空を飛べるプロペラもね」
「それにポケットも」
 魔法使いはそちらのお話もしました。
「その中にあるね」
「そうよね」
「SFは少し不思議というけれど」
「大いに不思議よ」
「あの人の発想は」
「本当にね」
 まさにというのです。
「あの人のものは」
「そうだよね」
「魔法にアレンジして」
「そこに科学も入れてね」
 その漫画家さんが使っていたそれをです。
「そしてね」
「錬金術も仙術もね」
「入れていって」
 そうしてというのです。
「作っているね」
「あの漫画家さんが教えてくれた道具を」
「そうだね」
「いや、オズの国に色々な人が来てくれているけれど」
 そしてオズの国の住人になっているけれどというのです。
「その中でもね」
「あの人はだね」
「特に凄い人よ」
「偉大過ぎる人だよ」
「全く以てね」
「あの、そこにロボットいないですよね」
 ここで言ったのは神宝でした。
「青くて丸い」
「ええ、漫画家さんだけよ」
 オズマは神宝に答えました。
「そうしたロボットはいないわ」
「そうですか」
「それはその人の漫画のキャラクターでしょ」
「ご存知ですか」
「眼鏡をかけた男の子もね」
 オズマはにこりと笑ってこのキャラクターのお話もしました。
「知ってるわ」
「そうなんですね」
「他の漫画のキャラクターもね」
「そうですか」
「そしてその漫画家さんの作品に出て来る科学の道具が」
「オズの国の魔法にもヒントを与えてくれてるんですね」
「そうなの、だから魔法使いさんもよ」 
 この人もというのです。
「そうした魔法の道具を生み出せているのよ」
「そういうことですね」
「そう、それじゃあね」
「はい、そのお薬をですね」
「使ってね」
 そうしてというのです。
「整頓やお掃除をしていきましょう」
「わかりました」
 神宝も他の子達も笑顔で頷きました、そうしてです。
 皆そうしたお薬を飲んでそのうえで空を舞ってお仕事をすることにしました、楽しいお仕事はこれでさらに楽しくなるのでした。








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