『オズのホボ王子』




               第四幕  妖精と熊

 一行は今度はテーマパークに着きました、そこに入るとです。
 王子は皆にこう言いました。
「この街にいるね」
「はい、七人の妖精の人達をですね」
 ジョージが応えました。
「探すんですね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「パーティーに招待しよう」
「そうしましょう」
「是非ね」
 こう言ってでした。
 皆はテーマパークの中を歩きました、その中にはミラーハウスやお化け屋敷はジェットコースターがあります。
 そして観覧車もありますが。
 王女は観覧車から降りた人達を見て言いました。
「あっ、あそこに」
「あっ、おられるね」
「そうね」
「間違いないよ」
 王子は今観覧車から降りた七人の妖精の女の子達を見て言いました、見ればそれぞれの色の服を着ています。
「あの人達がね」
「七人の妖精ね」
「そうだよ」
「探せば見付かる」
「それがオズの国だしね」
「それじゃあね」
「今から声をかけよう」
 こうお話をしてでした。
 一行は観覧車のところに行きました、そしてです。
 七人のところに行くとです、妖精の女王であるヨシノは目を丸くして言いました。
「あら、久し振りね」
「そうですね」 
 マユが応えました。
「オズの国の名誉市民の子達に会うのは」
「そうね」
「ボボ王子にアン王女に」
 アイリは二人を見て言います。
「ムシノスケ教授とモジャボロさんと弟さんも」
「どの人達も久し振りね」
 ミナミも言います。
「本当に」
「こうしたところで会うなんて奇遇ね」
 ミユはしみじみと思いました。
「私達の国に来てくれたんじゃなくて」
「縁ね、これも」
 ミウミはこう言いました。
「行った先でお会い出来るなんて」
「そうよね」
 カヤは皆の言葉に頷いています。
「それもまた」
「いやいや、実は君達を探していたんだ」
 王子は妖精達に笑顔で答えました。
「僕達はね」
「探してたの?私達を」
「どうしてまた」
「私達に何か用?」
「それで探していたの?」
「ここに来ていると聞いてね、そしてね」
 王子はさらに言いました。
「君達を僕が主催するパーティーに案内したいんだ」
「それが用なの」
「そうなの」
「私達をパーティーに招待してくれるの」
「そうしてくれるの」
「そう思ってね」
 それでというのです。
「君達がテーマパークに来ていると聞いてね」
「それでなのね」
「わざわざここまで来てくれて」
「私達を招待してくれたの」
「そうなの」
「そうだよ、それでどうかな」
 王子は妖精達に微笑んで尋ねました。
「来てくれるかな」
「喜んで」
 まずは女王であるヨシノが笑顔で答えました。
「そうさせてもらうわ」
「招待してくれて有り難う」
 マユも言います。
「宜しくね」
「場所はリンキティンク王の国ね」
 アイリは場所のお話をしました。
「あそこね」
「王子は今あの国におられるから」
 それでとです、ミナミは言いました。
「そうよね」
「あの国の場所は私達もわかっているから」 
 ナナミも言います。
「行かせてもらうわ」
「それじゃあ皆で行きましょう」
 ミユはもう笑顔になっています。
「パーティーにね」
「詳しいことを教えてくれるかしら」
 カヤは王子にお願いしました。
「詳しい場所や日時を」
「それはね」
 王子は詳しくお話しました、そしてです。
 七人は王子に笑顔で言いました。
「わかったわ、それではね」
「その日に行かせてもらうわ」
「楽しみにしているわね」
「一体どんなおもてなしをしてくれるか」
「それじゃあね」
「国に帰ったら用意に入るわ」
「そちらにお邪魔させてもらうわ」
 七人で笑顔で言うのでした、そしてです。
 一行はそこからは妖精の娘達と一緒に遊びました、最後に七人がテーマパークのステージで歌って踊るのを見ますが。
 教授は唸ってこう言いました。
「アイドルみたいだね」
「そうだね」
 モジャボロもまさにと頷きます。
「七人共ね」
「歌もダンスも上手でね」
 教授は見ながら言います、
「それでね」
「妖精の人達は歌やダンスが得意だけれど」
 弟さんも言います。
「この娘達は特にだね」
「どうもこのライブの為にテーマパークに来ているみたいよ」
 王女がこう言いました。
「ここにいる人達に聞いたら」
「そうなんだ」
「ええ、どうもね」
 モジャボロにも言います。
「そうらしいわ」
「そうなんだね」
「確かに見事なライブだから」
 王女が見てもです。
「それは当然のことね」
「そうですよね、息も合っていて」 
 ジョージもそのステージを見て言います。
「一人一人が凄いだけじゃなくて」
「七人共凄くて」
 ナターシャも言います。
「それで連携も出来ていて」
「歌もいいですね」
 恵梨香はそちらにも注目しています。
「本当に」
「外の世界だとトップアイドルですね」
 神宝は断言しました。
「間違いなく」
「こんなに素晴らしいステージはじめてです」
 カルロスが見てです。
「素晴らしいもの見せてもらっています」
「全くだね、こんなものが見られるなんて思わなかったよ」
 王子も言います。
「テーマパークに来てもね」
「全くですね」
「本当にそうですね」
「素晴らしいものを見られています」
「テーマパークも楽しいですが」
「このステージもです」
「そうだね、これも旅のいいところだね」
 王子はこうも言いました。
「思わぬ楽しみに出会えてね」
「素晴らしいものを見られる」
「そのこともですよね」
「いいことですよね」
「旅はですね」
「そうですね」
「そう、本当にね」 
 五人で笑顔で言ってでした。
 皆でステージを見てから妖精の七人と一時のお別れを告げてです、この日はテーマパークに泊まりました。
 その中にあるホテルに入りましたが。
 王女はそのホテル、まるで宮殿の中の様なその中を見回して言いました。
「このことも予想外だったわ」
「こうしたホテルに泊まることもだね」
「ええ、ここにいるのは半日で」
 王子に言います。
「それでまた旅を再開して」
「それでだね」
「テントの中で休むと思っていたわ」
「僕もだよ、けれどね」
「それがなのね」
「ステージを見てね」
 そうしてというのです。
「夜になったから」
「それでなのね」
「そう、今日はね」
「ホテルに泊まることにしたのえ」
「僕もそうするとは思っていなかったけれど」
 それでもというのです。
「これもまた旅でね」
「予想外のことが起こることも」
「予定しなかったことがね、そのこともね」
 まさにというのです。
「あることとね」
「受け入れて」
「そう、それでね」 
 そのうえでというのです。
「楽しむものだね」
「それが旅ね」
「そう、だからね」
「今はなのね」
「このホテルでね」
「楽しむことね」
「そうしましょう」 
 こうお話してでした。
 皆は今はホテルでの一泊を楽しむことにしました、まずはお風呂で。
 サウナに水風呂、露天風呂にジェットバスそうしてワイン風呂を楽しんでそれから晩ご飯の業かなディナーを食べてです。
 夜はコンサートを楽しみましたが。
 ここでも妖精の七人が出て歌を担当しています、ジョージ達五人はそのオーケストラのコンサートを見て言いました。
「まさかここでもね」
「妖精さん達を見られると思わなかったね」
「そうだよね」
「この時の為にも来ていたのね」
「このテーマパークに」
「そうみたいだね、しかしね」
 王子はこうも言いました。
「ステージではポップスでね」
「今はクラシックですね」
「同じ歌でも」
「今回はダンスはないですし」
「着ている服もドレスで」
「ステージでのアイドルの衣装でないですね」
「そうだね、それでもこちらでもね」
 コンサートでもというのです。
「素晴らしいね」
「そうですね」
「ポップスとクラシックの違いはあっても」
「それでもですね」
「いいですね」
「こちらも」
「全くだよ、ではこのコンサートもね」 
 今観ているそれもというのです。
「楽しもうね」
「はい、最後まで」
「最後までそうしましょう」
「素敵なコンサートですし」
「それならです」
「最後まで楽しみましょう」
「そうしようね」
 こうお話してでした。
 一行はコンサートも楽しみました、そしてコンサートが終わると。
 七人の妖精達はプールに出ました、そのうえでそれぞれドレスを脱いで可愛い水着姿になってでした。
 夜の様々な色の照明に照らされたプールの中で泳ぎはじめました、楽しく遊ぶ七人を見てそうしてでした。
 ここで、です。王子は思いました。
「後はプライベートだからね」
「それでなのね」
 王女も言います。
「ああしてね」
「プールで遊ぶんだね」
「ええ、けれどね」
 王女は楽しく遊ぶ七人を見て言いました。
「あの娘達今もね」
「今も?」
「アイドルっぽいわね」
「そうだね」
 王子は王女のその言葉に頷きました。
「言われてみると」
「そうよね」
「アイドルはステージもお仕事でね」
「イベントもそうで」
「それでグラビアもだからね」
「そしてグラビアといえば」
 それならというのです。
「水着ね」
「そうだね」
「そう思うと今もね」
「あの娘達はアイドルだね」
「そうした感じよね」
「言われてみると」
 王子は王女の言葉に頷きました。
「その通りだね」
「水着の撮影はしていないけれど」
 今は本当に楽しく遊んでいるだけです。
「あの娘達はね」
「アイドルね」
「オズの国のね」
「全くだよ、それで僕達もプールに出て」
「泳ぐの?」
「いや、泳がなくても」
 王子は王女に答えました。
「ビーチにいてくつろぐこともね」
「いいのね」
「そうじゃないかな」
「そうね、泳ぐにはね」
「ちょっと僕達は今はね」
「色々歩いて回って」
「それで疲れているから」
 だからだというのです。
「それにお酒も入っている人もいるし」
「プールには入らない方がいいわね」
「けれど楽しむことはね」
「出来るわね」
「だからね」 
 それでというのです。
「今からね」
「プールに出て」
「楽しもう」
「じゃあ椅子に座ってジュースを飲んで」 
 弟さんが言いました。
「雰囲気を楽しもう」
「皆でね」
 こう言ってでした。
 皆でビーチに出て雰囲気を楽しんで、でした。
 そうしてから天幕のベッドでそれぞれ寝ました、そして朝にホテルの朝食を食べてそのうえで、でした。
 あらためて妖精の七人と一時のお別れの言葉を交えてです。
 ホテルそしてテーマパークを後にしました、王子は皆に地図を見つつ言いました。
「では次はね」
「熊センターですね」
「あそこで熊の汪様にお話をしますね」
「そうしてですね」
「王様達も招待しますね」
「パーティーにそうしますね」
「そうするよ」
 ジョージ達五人に答えました。
「次はね」
「わかりました」
「じゃあ次はそこに行きましょう」
「熊センターに行きましょう」
「皆でそうしましょう」
「是非共」
「そうしようね」 
 笑顔で言う王子でした。
「今からね」
「わかりました」
「じゃあ次はですね」
「熊センターですね」
「そこに行きますね」
「そうしますね」
「うん、それとね」
 王子は地図を見つつお話します。
「そのカレーとルーを最初から混ぜてあるカレーが出る街にもね」
「行きます?」
「そうします?」
「あの街も行きます?」
「そうされますか」
「熊センターの次は」
「ちょっと立ち寄ってね」
 そうしてというのです。
「楽しもうかな」
「あの街は物凄く独特でね」
 教授が言ってきました。
「いるだけでね」
「楽しいんだ」
「日本のお城に通天閣という塔もあってね」
 街の具体的なお話もするのでした。
「街には大きな蟹や河豚や紅白のおじさんがあるんだ」
「おじさんの?」
「それで動物園もあってね、賑やかな下町も多いし」
「そしてカレーに善哉もあるんだ」
「そうなんだ、そしてね」 
 教授は王子ににこにことしてお話します。
「太閤さんもおられるよ」
「太閤さん?」
「豊臣秀吉さんだよ」
 この人もというのです。
「日本の偉大な人だよ」
「ああ、日本の人なんだ」
「お百姓さんから天下を統一したね」
「そんな人なんだね」
「陽気で人懐っこい」
 そうしたというのです。
「面白い人だよ」
「それじゃあその人もね」
「招待するんだ」
「そうしようかな」
「そうそう、野球もいいんだよね」
 モジャボロの弟さんが言ってきました。
「あの街は」
「野球もなんだ」
「黒と白の縦縞のユニフォームのチームでね」
 それでというのです。
「虎がモチーフのチームなんだ」
「そのチームもあるんだ」
「とても賑やかで」
 そうしてというのです。
「漫才も落語もあるね」
「お笑いもあるんだ」
「笑いの絶えない街だよ」
「成程、お話を聞けば聞く程ね」
「行きたくなったね」
「そうなったよ」
 実際にというのです。
「本当に」
「それではね」
「行こうね」
「それではね」
 こうお話をしてでした。
 一行は今度は蔵センターに向かいます、その中でモジャボロは言いました。
「何か今回の旅もね」
「色々行くね」
「ええ、けれど貴方はよね」
「もうギリキンとマンチキンに行ってるよ」
「そうよね」
「だからもう今回はね」 
 まさにというのです。
「オズの国の各地をね」
「巡っているのね」
「そうしたね」 
「旅になっているのね」
「そのお陰でね」
 王子はさらに言いました。
「僕はオズの国に詳しくなったよ」
「そうなったのね」
「そう実感しているよ」
「それはいいことね」
「うん、いい旅になっているよ」
 こう言うのでした。
「楽しいしね」
「それはいいことね」
「旅をすると」
 そうすると、というのです。
「学ぶこともね」
「多いわね」
「そのことを実感しているよ」
「そうね、じゃあ次は」
「クマセンターに行こう」
 次の行き先はもう決まっていました、それでです。
 一行はぬいぐるみの熊達の国である熊センターに向かいました、ですがテーマパークを出たすぐのところにです。
 鉄道の駅がありモジャボロの弟さんが言いました。
「こに乗ってね」
「そうしてだね」
「熊センターに行かない?」
「そうだね」
 王子は弟さんの提案に頷きました。
「それじゃあね」
「これに乗るね」
「うん、そしてね」
 王子は弟さんに答えました。
「そのうえでね」
「熊センターまで行くね」
「そうしよう」
「それと鉄道を使えば」
 弟さんはさらに言いました。
「さっきお話していた日本の街にもね」
「カレーのある」
「そこにもすぐに行けるよ」
「鉄道も便利だね」
「オズの国の鉄道は特にみたいだね」
「行きたい場所に線路が行って駅もそこに着くからね」
「そう、だからね」
 その為にというのです。
「物凄く便利だよ」
「そうだね、それじゃあ」
「ここは列車に乗って」
「それで熊センターまで行こうか」
「そうしよう」
 こうお話してでした。
 一行は駅に入りました、すると白いお髭を生やした駅員さんがいて皆に穏やかな笑顔で尋ねてきました。
「何処に行かれますか?」
「熊センターまで行きたいんだ」
 王子が笑顔で答えました。
「そちらにね」
「わかりました、お空から行かれますか?」
 駅員さんは王子にこうも尋ねました。
「それとも」
「うん、地上か地下か」
「何処で行かれますか?」
「ここは地上で行かせてもらうよ」
「そうされますか」
「それでね」
「ではその様に」
 駅員さんが頷くとでした。
 一行の横の線路にSLの列車が来ました、車両は黄色くてその色がウィンキーのものであることがわかります。
 皆は八両あるその列車に乗りました、列車は早速動きだしました。
 客席に座ってです、王子は個室の客席で一緒になっているジョージ達五人にお話しました。
「この列車はそれぞれのお客さんが行きたい場所に行ってくれるんだ」
「凄い列車ですね」
「前よりも凄くなっていますね」
「自分が行きたい場所に行ってくれるなんて」
「それもお空飛んだり地下に行けるなんて」
「かなりですね」
「そうだね、実はお空を飛べる様にしたことは」
 それはというのです。
「オズマ姫なんだ」
「オズの国の魔法を使って」
「そうしてですね」
「それでそうなりましたね」
「それで、ですね」
「お空も飛べるんですね」
「そうなんだ、夜空を飛んで進めば」
 その場合はといいますと。
「銀河鉄道にもなるよ」
「あっ、童話ですね」 
 恵梨香は銀河鉄道と聞いて言いました。
「私の国の童話の」
「あの童話もオズの国にあるのね」
 ナターシャはこのことに目を丸くさせました。
「そうなのね」
「流石はオズの国だね」
 カルロスは感心さえしています。
「あの童話みたいなこともあるなんて」
「お伽の国だけはあるよ」
 神宝はこのことを実感しています。
「本当に」
「何かそう聞きますと」
 ジョージは言いました。
「僕達もそうしたいですね」
「じゃあ次に乗る時に乗ろう」
 そうしてとです、王子は五人に答えました。
「そうしよう」
「そうしてくれますか」
「銀河鉄道の夜を再現してくれますか」
「僕達に」
「その時楽しみにしています」
「鉄道で夜空を飛ぶことを」
「そうしようね、さてこの列車に乗ったら」
 王子はさらに言いました。
「朝も昼も自足百数十キロで進むから」
「当然夜もね」
 王女も五人にお話します。
「だからすぐによ」
「目的地に着けますね」
「そうなんですね」
「歩くよりもずっと速く着きますね」
「以前の列車よりも」
「そうなりますね」
「そうなのよ、だからね」 
 それでというのです。
「明日には熊センターに着くわよ」
「歩いて行くのもいいけれどね」
 モジャボロはこちらの旅のお話もしました。
「けれどこうしてね」
「列車に進むのもいいですね」
「車窓も楽しめますし」
「すぐに着けるだけでなくて」
「しかもお空も飛べるのがいいですね」
「あと地下も」
「そうだね、だからね」
 それでというのです。
「今はね」
「はい、鉄道の旅を楽しみましょう」
「オズの国のそれを」
「熊センターまで一気に行って」
「車窓からの景色も楽しみますね」
「そうしますね」
「そう、そしてね」
 モジャボロはさらにお話します。
「食事も楽しもうね」
「列車での食事もいいものだからね」
 教授の目は笑っています。
「だから楽しもうね」
「というとディナーですか?」
「それとも駅弁ですか?」
「日本だと駅弁が有名ですね」
「欧州だとディナーですが」
「どっちでしょうか」
「どちらでも選べるよ」
 教授は五人に笑顔のまま答えました。
「それが出来るよ」
「じゃあどうする?」
 ジョージは四人に尋ねました。
「駅弁かディナーか」
「どっちもいいね」
「駅弁もディナーも」
「それでどっちかというと」
「迷うわね」
「そうだね、どうしようかな」
 ジョージも判断に困ります、ですが。
 ここで、です。王子が言いました。
「ディナーはホテルで食べたね」
「はい、美味しかったです」
「あのホテルのディナーも」
「素敵な味でした」
「それでお腹一杯になりました」
「最高でした」
「だったらね」
 それならというのです。
「ここはね」
「駅弁ですね」
「そちらがいいですね」
「ホテルでディナーを楽しんだので」
「その後なので」
「次は駅弁ですね」
「それがいいと思うけれどどうかな」
 ジョージ達五人に言いました。
「それでね」
「はい、それじゃあ」
「そうさせてもらいます」
「駅弁にします」
「ではご飯の時は」
「駅弁ですね」
「それを食べようね、また駅弁の種類も多いから」
 先生は笑顔でこうも言いました。
「そちらも楽しもうね」
「わかりました」
 五人は笑顔で応えてです、車窓からの風景を楽しみながら熊センターに向かいそうしてなのでした。
 お昼と晩に駅弁を楽しみますが。
「イクラ弁当美味しかったね」
「焼き肉弁当よかったよ」
「蟹弁当最高だったよ」
「鳥飯美味しかったわ」
「私はイカ飯がよかったと思うわ」
 ジョージ達五人は笑顔でお話します、そしてです。
 王女もです、こう言いました。
「私は釜飯がよかったと思うわ」
「あっ、釜飯ですか」
「あれも美味しかったですね」
「何か美味しいものだらけで」
「それで、ですね」
「どれが一番かはですね」
「断言しにくいわね」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「サンドイッチもよかったね」 
 王子はこちらもと言いました。
「日本風のものでなくて」
「何か色々あり過ぎて」
 モジャボロの弟さんも言います。
「どれが一番とは」
「言いにくいね」
「そうだったね」
「食べ過ぎた位で」
「駅弁一つ一つもボリュームがあって」
「それでいて食べやすくて」
「どうもね」
「断言は出来ないかな」
 どの駅弁が最高かはというのです。
「これは」
「そうかも知れないね」
「つまりその人が気に入ったものが一番」
「そうなるかな」
 こうしたお話をしてでした。
 皆はお風呂にも入りました、列車の中には立派なお風呂もあってそちらも楽しめました。そして客室のベッドで寝ました。
 翌朝朝食をルームサービスで食べるとでした。
 一行は熊センターに着きました、するとです。
 ぬいぐるみの熊達が出て来て一行を迎えてきました。
「ようこそ熊センターに」
「用は何かな」
「うん、実はね」
 王子が来た理由をお話します、するとです。
 ぬいぐるみの熊達は成程と頷きました、そこからでした。
 熊のノッコ伍長も頷いてそうして言いました。
「では今から王様のところに案内するよ」
「そうしてくれるかな」
「是非共」
 伍長は王子に答えてでした。
 一行を熊の汪様であるラベンダー熊のところに案内しました、ラベンダー熊は玉座に座ってお話を聞いてです。
 そうしてです、抱っこをしているピンクの子熊に尋ねました。
「どう思うかな」
「是非共受けないとね」
 これがピンクの子熊の返事でした。
「ここは」
「そうしてだね」
「皆でパーティーを楽しみましょう」
 こうラベンダー熊にアドバイスするのでした。
「是非ね」
「それではね」
 ピンクの子熊の言葉に頷いてでした。
 ラベンダー熊は王子にあらためて言いました。
「そうさせてもらうよ」
「来てくれるんだね」
「喜んで」
「それは何よりだよ、ではね」
「それではね」
「リンキティンク王の国に行かせてもらうよ」
 つまりパーティーに参加するというのです。
「ピンクの子熊と伍長も一緒だよ」
「三人で来てくれるね」
「是非ね、ただね」
「ただ?」
「我々はぬいぐるみだから」
 それでというのです。
「飲むことと食べることはね」
「ああ、その必要はないね」
「かかしさんや樵さんと一緒だよ」
 このことはというのです。
「そのことは」
「わかっているよ、それではね」
「食べものや飲みものはいいよ」
「それではね」
 このこともお話するのでした、そしてです。 
 お話が終わって一行は熊センターから今度はご飯とルーを最初から混ぜてあるカレーを食べる為に日本風の街に行くことにしましたが。 
 ここで、です。王子はこんなことを言いました。
「食べる必要がない人もいることはね」
「大事なことね」
「オズの国ではね」
 王女に答えます。
「そのことは」
「そうよね」
「ラベンダー熊もお話してくれたけれど」
「オズの国ではそうした人もいるわ」
「そうなんだよね」
「色々な人がいて」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「その中にはね」
「食べる必要がない人もいるんだよね」
「ラベンダー熊もそうで」
「かかしさんも樵さんもで」
「皆ね」
「そうだから」
 それでというのです。
「パーティーではね」
「そうした人達もいて」
「おもてなしをするわね」
「そうした人達の為にもね」
 是非にというのです。
「そうだよ」
「そうよね」
「それとね」
「それと?」
「いや、食べない人達へのおもてなしはね」
 それはというのです。
「面白いものをね」
「用意するのね」
「そうした人達は寝る必要も休む必要もないね」
「そうなのよね」
「だから夜も遊べるから」
 だからだというのです。
「夜は映画もゲームも用意して」
「楽しんでもらうのね」
「そう考えているけれど」
「いいと思うわ」
 王女は笑顔で答えました。
「オズの国にはそうした人もいて」
「そうした人達のおもてなしも考える」
「いいことよ」
「それではね」
「そしてね」
 王子はさらに言いました。
「その映画も色々とね」
「考えているのね」
「僕もリンキティンク王も映画好きでもあるから」
 だからだというのです。
「それでね」
「沢山の映画を持っているのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「その映画でね」
「おもてなしするのね」
「そうするよ」
「私もその映画観たいわ」
 こう王子に言いました。
「どんなものがあるか」
「オズの国の映画でね、もう何百作とね」
「持ってるの」
「うん、もっとあるかな」
「そうなの」
「何百じゃなくてそれぞれ千作ずつね」
 それだけというのです。
「持ってるかもね」
「千作もなの」
「それだけかもね」
「多いわね」
「それだけあるから」
 だからだというのです。
「観られるよ」
「そうなのね」
「それじゃあ王女もね」
「楽しませてもらうわ」
「そうしてね」
「是非ね」 
 こうしたお話をしてそうしてでした。
 一行は熊センターを出てそれからでした。
 すぐに駅から列車に乗りました、王子はここでは空を進むことにしましたが夜になるとまさにでした。
 夜空の中を進みました、そこでです。 
 ジョーゾ達五人は車窓から見える沢山の星達を見て感激しました。
「うわ、本当にね」
「銀河の中を進んでいるよ」
「夜空の中を進んで」
「まさにそうなっているわね」
「銀河鉄道の夜ね」
「そうだね、これはね」 
 まさにとです、王子は答えました。
「あの作品と同じだね」
「日本に来て読んだんですが」
 ジョージはその作品のお話をしました。
「本当にです」
「今はだね」
「銀河鉄道ですね」
 こう言うのでした。
「まさに」
「そう、オズの国ではね」
「こうしたこともあるんですね」
「お伽の国だからね」
 それ故にというのです。
「こうしたことも実現出来るんだ」
「それがお伽の国ということですね」
「つまりはね」
「そうですね」
「じゃあこの銀河を観ながら」
 王子はさらに言いました。
「食事やお風呂もね」
「楽しむんですね」
「そうしようか」
「今からですね」
「そう、そして」 
 それでというのです。
「街まで行こうね」
「わかりました」
「ええ、それとね」
「それと?」
「もう一つ思うことは」
 それはといいますと。
「オズの国は色々な国の童話も入る様になったね」
「それは凄いよ」
 教授もそれはと頷きます。
「アメリカの童話だけでなくね」
「日本も中国もでね」
「そしてそれ以外の国の童話もね」
「入っているね」
「人魚姫もロビンフッドもいて」
「親指姫に白雪姫もいるよ」
 そうした人達もというのです。
「ピーターパンもいて」
「本当に色々な人達がいるよ」
「それなら」
 ジョージはそのお話を聞いて思いました。
「オズの国は全てのお伽の世界が集まっているんですね」
「そうなっているよ」
「そうなったのはどうしてかというと」
「アメリカが反映されるね」
 オズの国はというのです。
「アメリカは色々な国から人が来るから」
「だからですね」
「世界中の童話がね」
「集まるんですね」
「そしてそこにいる登場人物も」
 彼等もというのです。
「集まるんだ」
「そういうことですね」
「そう、そして」
 それでというのです。
「色々な人と出会えるよ」
「これからも」
「夢のある人が来て」
「童話の人達もですね」
「集まるね」
「それがオズの国ですね」
「だから銀河鉄道の夜もあるんだ、そしてね」
 王子はこうも言いました。
「夜空にこうして鉄道の旅をする時はハレルヤとね」
「呟くんですね」
「そう、そしてそのハレルヤは」
 どうかといいますと。
「お経になるんだよ」
「あの作品ではそうですね」
「そうなっているから」
 だからだというのです。
「それでだよ」
「そう呼ぶんですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「ここはね」
「そうですね、ぞれじゃあ」
「うん、皆で呟こうか」
「ハレルヤと」
「そうしようか」
「それじゃあ」
 ジョージも頷いてそうしてでした。
 そう呟きました、列車はその中で夜空を進み翌朝その街に着きました。








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