『オズのジンジャー将軍』




               第二幕  列車の旅

 皆は駅に着きました、するとすぐに列車が来ました。列車は外見は昔ならではの蒸気機関車でした。後ろに人が乗る車両が八つ連なっています。
 その列車を見てです、カルロスは言いました。
「うわ、蒸気機関車なんだ」
「そういえば時々見たよ」 
 神宝もその列車を見て言いました。
「オズの国の列車をね」
「この国は列車はこうなんだよね」
 ジョージも言います。
「外見は蒸気機関車なんだよね」
「けれど魔法の力で動くから」
 恵梨香も言いました。
「煙は出さないのよね」
「それで凄く速くて」
 ナターシャもその列車を見ています。
「オズの国のあちこちを走っているわね」
「オズの国は列車もあってね」
 ドロシーが五人にお話しました。
「オズの国の各地を走っているでしょ」
「だからこれまでも僕達も見ていました」
「オズの国を冒険している時に」
「列車が走っていたり駅や線路も」
「そうしたものを見てきました」
「これまで乗ったことはないですが」
「私も実はあまりないの」
 列車に乗ったことはというのです。
「これがね」
「そういえばいつも歩いておられますね」
「そうして冒険されていますね」
「オズの国で有名な人達は」
「そうされていますね」
「私達は歩いての冒険が好きだから」
 だからだというのです。
「それでなの」
「そうですか」
「だからですか」
「列車には乗らずに」
「それで歩いてですね」
「冒険されているんですね」
「そうしているの」
 こう五人にお話しました。
「私はね」
「ただ列車を楽しむ人も多いよ」 
 臆病ライオンが言ってきました。
「そちらもね」
「そこは人それぞれなんだね」
 カルロスが応えました。
「楽しむものは」
「旅をするにしてもね」
「そうなんだね」
「うん、それでね」
「歩く旅を楽しむ人もいれば」
「列車の旅を楽しむ人もいるよ」
「飛行船や船を使う旅もあるよね」
 トトはこうした旅のお話をしてきました。
「そうだね」
「うん、オズの国にもね」
「君達潜水艦の旅もしてきたね」
「あれも楽しかったよ」
「そうだね。本当にね」
「旅の楽しみ方は色々だね」
「オズの国でもね」
 こうお話するのでした。
「そうなんだよ」
「そういうことだね」
「そう、そしてね」 
 トトはさらにお話しました。
「君達はオズの国の列車に乗ることははじめてでも」
「楽しい旅になるんだね」
「そのことは間違いないよ」
 絶対にというのです。
「だから楽しみにしておいてね」
「それじゃあね」
「それとね」
「それと?」
「オズの国の列車は凄いから」
「どう凄いのかな」
「全部見えるんだ」
 こう言うのでした。
「窓の外からだけでなく」
「あっ、車両の中からだね」
「そう、三百六十度全て見えるから」 
 だからだというのです。
「凄いよ」
「景色をそこまで楽しめるんだ」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「今からね」
「乗ってだね」
「景色を楽しもうね」
「それじゃあね」
 こうお話してでした、皆列車に乗り込みました。車掌さんは黒い詰襟の制服姿で立派な帽子を被っていました。
 その車掌さんと駅員さん達に案内されて列車に入りますと。
 本当にでした、車両の中は。
「凄いね」
「周りが全部見えるよ」
「お空も完全に観られて」
「それで線路もだから」
「これは凄いわ」
 カルロス達五人は驚いています、その景色を観て。
「流石オズの国ね」
「ただ車窓から観るんじゃないのね」
「三百六十度観られるんだ」
「それも前も後ろも」
「何もかもが」
「オズの国の魔法、科学も錬金術も使ってね」
 かかしが言ってきました。
「それでなんだ」
「三百六十度観られるんですね」
「飛行船や潜水艦でもそうでしたけれど」
「この列車もなんですね」
「そうして観られるんですね」
「そうなんですね」
「そうだよ、じゃあ行こうね」 
 かかしも楽しそうです。
「これから」
「さて、これからジンジャー将軍のところに行くけれど」
 こう言ったのは樵でした。
「それまでは列車の旅を楽しもうね」
「そうしようね、しかしね」 
 臆病ライオンは今自分達がいる車両の中を見回して言いました。
「席がわかるのはいいことだね」
「うん、若し席までわからないと」
「何処に座っていいかわからないからね」
 かかしと樵が応えました。
「見えないと躓いたりもするし」
「危ないからね」
「そうだね、じゃあそれぞれの席に着いて」
 そしてというのです。
「出発を待とうね」
「そうしましょう」
 ドロシーも応えてでした。
 皆はそれぞれの席に着いてそのうえで出発を待ちました、そうして暫く待っていると列車が出発して。
 列車の旅がはじまりました、皆周りを見回しますが。
 カルロスはその中で左側の景色を観て言いました。
「こうして周りを全部観られて」
「楽しいわよね」
「はい」 
 ドロシーにも答えます。
「本当に」
「これがなのよ」
「オズの国の列車なんですね」
「そうなの、景色を全て観られてね」
 三百六十度それも球形に観られてです。
「心ゆくまで楽しめるのよ」
「そうなんですね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「この列車は本当に速いから」
 だからだというのです。
「あっという間にね」
「着いてしまうんですね」
「オズの国は大陸だけれど」
 それでもというのです。
「端から端までね」
「あっという間ですか」
「外の世界の日本には新幹線という物凄く速い列車があるというけれど」
「新幹線よりもですか」
「速いのよ」
「そうなんですね」
「ええ、だからね」
 それでというのです。
「ジンジャー将軍のお家にもね」
「すぐに着きますか」
「夕方にはね」
 その時にはというのです。
「着くわよ」
「それは速いですね」
「だから晩ご飯はね」
 そちらはといいますと。
「駅に着いてね」
「そうしてですか」
「駅から出てね」
「食べるんですね」
「そうしましょう」 
 こう言うのでした。
「そうしましょう」
「わかりました」
「それと」
 さらに言うドロシーでした。
「夜に訪問することはよくないから」
「ジンジャー将軍のお家に行くことはですか」
「明日の朝にしましょう」
 その時にというのです。
「そうしましょう」
「明日ですね」
「将軍のお家の近くの駅だけれどね」
「歩いて行けますね」
「そう、けれどね」
「訪問は明日の朝ですか」
「丁度駅の近くに街があって」
 それでというのです。
「そこにホテルもあるから」
「じゃあ今日はホテルで泊まるんですね」
「そうしましょう、ただテントもあるから」
 そちらの用意もあるというのです。
「何ならね」
「テントで休むこともですね」
「出来るわよ」
 ドロシーはこのこともお話しました。
「だからどちらも出来るわ」
「そうなんですね」
「だから」
 それでというのです。
「好きな楽しみ方をしましょう」
「駅に着いた時に決めるんですね」
「そうしましょう」
 こうお話してでした。
 皆は今は列車の旅を楽しみました、列車は本当に風の様に素早く線路の上を走ってです。夕方にはでした。
 ギリキンからジンジャー将軍のお家のあるマンチキンに着きました、その間景色は黄色から緑色になってです。
 青色になりました、これまであっという間で。
 五人は驚いてそうして言いました。
「本当にね」
「あっという間だったね」
「列車に乗ったのは五時前なのに」
「まだ六時なのに」
「もう着いたなんて」
「だからオズの国の列車は速いのよ」
 ドロシーが笑ってお話しました。
「それでなのよ」
「もうですか」
「一時間程で着いたんですね」
「ギリキンからマンチキンまで」
「あっという間に」
「そうなったんですね」
「そうよ、だからね」
 それでというのです。
「これから街に入りましょう、そしてね」
「そうしてですね」
「これからどうするか」
「そのことをですね」
「決めるんですね」
「どうするか」
「貴方達はどちらがいいかしら」
 ドロシーはカルロス達五人に尋ねました。
「ホテルかテントか」
「どちらかですね」
「インドアかアウトドアか」
「どちらを楽しむか」
「それを選ぶんですね」
「これからは」
「ええ、そうしましょう」
 こう言うのでした。
「今からね」
「ううん、そうですね」
「どちらも楽しいですが」
「問題はどちらか」
「どちらか一つですね」
「楽しめるのは」
「そうよ、どちらがいいかしら」
 ドロシーは誤認にあらためて尋ねました。
「それで」
「どうしようか」
「テントもいいよね」
「けれど前も楽しんだしね」
「旅だといつも楽しんでるし」
「テントの夜は」 
 五人でそれぞれお話しました。
「それでもね」
「ホテルはあまりないし」
「それに今度入るホテルははじめてだし」
「それだったら」
「ホテルにしようかな」
 こうお話してでした。
 五人は決めました、そのうえでドロシーに言いました。
「僕達はホテルがいいです」
「ホテルにしたいです」
「今夜はそうしたいです」
「テントも捨て難いですが」
「それは今度ということで」
「わかったわ、それで貴方達はどうかしら」
 ドロシーは今度はトトと臆病ライオンに尋ねました。
「ホテルかテントか」
「カルロス達がそう言ってるし」
「ホテルでいいんじゃないかな」
 二匹はこうドロシーに答えました。
「それならね」
「今夜はね」
「僕達はどっちでもいいよ」
「特に関係ないからね」
 かかしと樵は自分達から答えました。
「飲むことも食べることもしないし」
「寝ることもないからね」
「だから君達で決めたらね」
「もうそれでいいよ」
「わかったわ、皆ホテルでって言ってるし」
 五人も二匹もというのです。
「決まりね」
「今夜はホテルだね」
「そちらに泊まるね」
「それでお食事も」
 こちらもというのです。
「ホテルでとなるわ」
「わかったよ、じゃあね」
「そうしていこうね」 
 こうお話してでした。
 皆は街に入ってドロシーが案内するホテルに入りました、そのホテルはまるで宮殿の様なホテルで。 
 凄く楽しい場所でした、ディナーも飲みものも素敵でマンチキンの青い大理石のお風呂はとても広くて奇麗で。
 お湯はワイン風呂でそちらも楽しんで、でした。
 皆は天幕のベッドで寝ました、そして朝です。
 ドロシーは朝食の時に皆に言いました。朝食はハヤシライスです。
「昨日のうちに携帯でジンジャー将軍に連絡しておいたから」
「そうですか」
「もうですか」
「昨日のうちに連絡されていましたか」
「お伺いするって」
「そうされていたんですね」
「将軍は是非来てってね」
 その様にというのです。
「お返事してくれたわ」
「そうですか」
「それじゃあですね」
「僕達が今から行っても」
「それでもですね」
「将軍も驚かれないですね」
「むしろ待っているってね」
 その様にというのです。
「お返事があったわ」
「それはよかったですね」
「じゃあ朝ご飯を食べたら」
「ホテルを出て」
「それで、ですね」
「将軍のお家に向かいますね」
「そうしましょうね」 
 こう五人に言うのでした。
「是非共」
「将軍とお会いするのも久し振りね」
 アン王女が言ってきました。
「本当に」
「そうよね」
「ええ、私は特にね」
 こうドロシーに言うのでした。
「最近国から出ていなかったから」
「そうだったわね」
「冒険の旅に出ていなくて」
 それでというのです。
「マンチキンに行くこともね」
「久し振りだったわね」
「前の旅ではギリキンに行ったから」
「それじゃあ尚更ね」
「マンチキンに行った時も」
 前にそうした時もというのです。
「将軍のお家からは遠い場所に行って」
「それでなのね」
「将軍のお家に行く機会はなくて」
「今回は久し振りに、なのね」
「そうなるわ」
 まさにというのです。
「だから嬉しいわ」
「そうなのね」
「凄くね、じゃあ食べ終わったらね」
「チェックアウトして」 
 そうしてというのです。
「将軍のところに行きましょう」
「それじゃあね」
 二人でこうしたお話もしてでした。
 まずは朝ご飯のハヤシライスを食べてです。
 ホテルをチェックアウトしました、それから街に出てその街を歩いていきましたがその時にでした。
 カルロスは朝の街を観回して言いました。
「この街もいいよね」
「そうだね」
「かなり奇麗な街だね」
「それも活気があって」
「かなりいい街ね」
 他の四人も観回して言いました。
「少しいたい位ね」
「市場も賑わっているし」
「学校に行く子供達も明るいし」
「皆楽しくお仕事していて」
「これはいい街だよ」
「ええ、この街にしてもね」
 アン王女が応えました。
「いい街で久し振りに来たけれど」
「来てよかったですか」
「アン王女もそう言われるんですね」
「今こうして歩いて」
「そのうえで、ですね」
「そう言われるんですね」
「ええ」
 その通りだというのです。
「本当にね」
「では久し振りなので尚更」
「これから楽しみよ、それにね」
「それに?」
「今こうして街にいてもね」
 このこともというのです。
「楽しいわ」
「街にいてもですか」
「私の国は小さい村でしょ」
 それでというのです。
「そこでね」
「こうしてですね」
「ええ、街を歩いても」 
 それだけでというのです。
「楽しいわ。お国にいてもいいけれど」
「こうして旅に出て」
「そしてね」
「街で歩いていてもですか」
「素敵な気分になれて」
 それでというのです。
「嬉しいわ」
「そうですか、じゃあ」
「ええ、街を楽しんでね」
「それからですね」
「ジンジャー将軍のところに行きましょう」
 こうお話してでした。 
 アン王女も楽しんでそのうえで街を出てです。
 そのうえでジンジャー将軍のお家に向かいました、街を出るともうそこはのどかな平原でそこを少し歩くとでした。
 ジンジャー将軍がご主人と一緒に住んでいて農家を営んでいるお家に行きました、するとお家の玄関にです。
 将軍が待っていました、マンチキンの農家の奥さんの青い丈の長いスカートの上に青いエプロンという恰好です、その将軍が一行に挨拶をしてきました。
「おはよう、待っていたわ」
「おはよう、将軍」
 ドロシーが皆を代表して挨拶を返しました。
「お邪魔したわ」
「お話は聞いているわ、これからよね」
「ええ、甘いものをね」
 それをとです、ドロシーは将軍に答えました。
「ご馳走になりたいけれど」
「好きなだけどうぞ」
 これが将軍の返答でした。
「私達も食べるしね」
「ご主人と一緒によね」
「ええ、だからね」 
 それでというのです。
「心おきなくね」
「楽しんでいいのね」
「そうしてね、ではお家の中に入ってね」
「そうさせてもらうわね」
 ドロシーが応えてでした、そのうえで。
 皆は将軍に案内されてお家の中に入りました、するとマンチキンの服装をした整ったお顔立ちで背の高いご主人がいてです。
 赤ちゃんが揺り篭の中にいました、アン王女はその赤ちゃんを見て言いました。
「子供も出来たのね」
「ええ、そうよ」
 将軍は王女ににこりと笑って答えました。
「男の子よ」
「そうだったのね」
「結婚してもう随分経っていたけれど」
 それでもとです、将軍は王女に笑顔のままさらにお話しました。
「やっとね」
「赤ちゃんが出来たのね」
「そう、それでね」
 そのうえでというのです。
「今は三人で一緒よ、あとね」
「ワンワン」
 ここで、でした。
 犬の鳴き声がして一匹のコリーが出てきました、将軍はそのコリーの頭を撫でてからさらにお話しました。
「この子もいるのよ」
「はじめまして、シュガーといいます」
 コリーが自分から名乗りました。
「この果樹園のパトロールをしています」
「家族が増えたのよ」
「それは嬉しいね」
 トトはそのコリーを見ながら応えました。
「賑やかになって」
「ええ、お陰で毎日楽しくね」
「過ごせているんだ」
「前以上にね」
「二人よりも三人でね」 
 席に座っているご主人もお話しました。
「それで犬もいれば」
「尚更だね」
「幸せだよ」
「そう、犬がいるとね」
 その犬であるトトの言葉です。
「尚更だよね」
「いい雰囲気になるね」
「僕もそう思うよ」
「若しトトがいなかったら」
 トトとずっと一緒にいるドロシーも言います。
「私も寂しくて仕方ないわ」
「僕もだよ」
 トトはそのドロシーに応えました。
「ドロシーがいないとね」
「寂しいのね」
「とてもね」
 そうだというのです。
「本当にどれだけ寂しいか」
「そうよね、だから将軍がワンちゃんとも一緒で」
「僕は余計に嬉しいよ」
「そうよね」
「暫く将軍のお家にお邪魔していなかったけれど」
「前以上に幸せになっているね」
 かかしと樵もお話します。
「それは何よりだね」
「全くだよ」
「じゃあこのままね」
「もっと幸せになって欲しいね」
「本当にそうだね」
「これからもね」
「幸せに際限はないからね」
 臆病ライオンも言います。
「だから尚更ね」
「これからもだね」
「彼等には幸せになって欲しいね」
「心からそう願うよ」
「本当にね」
 かかしも樵も同じ意見でした、そしてここで。
 将軍はお菓子や果物を沢山出してきました、林檎にオレンジに葡萄にメロンにと果物もかなりあって。
 お菓子はチョコレートにグミ、キャンデーにクッキー、ビスケットにクレープにアイスクリームとあってです。
 将軍はそういったものをテーブルの上に出して皆に言いました。
「では沢山召し上がってね」
「凄いですね」
「沢山の種類の果物やお菓子があって」
「それも量も多くて」
「これ全部食べていいんですか」
「今から」
「オズの国では遠慮は無用でしょ」
 将軍はカルロス達五人に笑顔で応えました。
「だからね」
「全部食べていいんですね」
「そうなんですね」
「それじゃあですね」
「それからですね」
「食べていいですね」
「そうしてね、私達も食べるしね」
 だからだというのです。
「チョコ、チョコレートもこれからミルクだし」
「チョコってまさか」
 カルロスはここで赤ちゃんを見て言いました。
「この子ですか」
「そう、そう名前を付けたの」
「そうだったんですね」
「この人と相談してね」
 将軍はご主人を見てお話しました。
「それで決めたの」
「そうなんですね」
「いい名前でしょ」
「美味しそうな名前ですね」 
 カルロスは笑って答えました。
「チョコなんて」
「正式な名前はチョコレートだけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「そこはですね」
「名前を変えてね」
 そうしてというのです。
「そうしたの」
「そうですか」
「そしてね」
 さらにお話する将軍でした。
「この子はミルクが大好きで毎日物凄く飲むのよ」
「これは大きな子になるかな」 
 ご主人も笑顔で言います。
「毎日ミルクを物凄く飲んでいるからね」
「だからですね」
「これからが楽しみよ」
「そうですね」
「そう、本当にね」
 まさにというのです。
「これからがね」
「楽しみですか」
「いつも二人で言っているよ、じゃあ今から食べようね」
 二人でお話してでした。
 皆いただきますをしてから果物にお菓子を食べました、丁度お昼の時間なので丁度よかったです。かかしと樵は食べる必要がないのでそこにいるだけでしたが。
 皆笑顔で食べました、臆病ライオンはミルクの中にあるフレークを食べてそのうえでこう言いました。
「いや、物凄く美味しいね」
「そうだよね」
 トトはクッキーを食べて応えました。
「このお菓子は」
「そうだね」
「果物も美味しいよ」
 カルロスはバナナを食べながら言いました。
「凄くね」
「そうよね、何か前よりも美味しくなっているわ」
 恵梨香は半分に切ったメロンをスプーンで食べつつ言いました。
「そんな気がするわ」
「そんな気じゃないわね」
 ナターシャはオレンジを食べながら言います。
「前より甘くなっていてしかも食べやすくなっているわ」
「確かにそうだね」
 神宝は洋梨を食べて言いました。
「将軍のお家には前にお邪魔してご馳走になったけれど」
「前よりも美味しいよ」
 ジョージはマスカットを食べつつ言います。
「これは間違いないよ」
「こんなに美味しくなった理由は何かな」
 カルロスは今度はパイナップルを食べながら首を傾げさせました。
「一体」
「それは肥料がよくなったからよ」
 将軍が答えました。
「それでなのよ」
「肥料ですか」
「ええ、オズの国の肥料は前よりもね」
「よくなってですか」
「それでね」
「お菓子も果物もですね」
「そいう、どれもね」
 お家にある全部のものがというのです。
「美味しくなったのよ」
「そうなんですね」
「オズの国はいつも進歩しているから」
 ドロシーは苺を食べています、そのうえでのお話です。
「肥料もね」
「よくなっていっているわね」
「だからね」
 それでとです、将軍に答えます。
「将軍のお家のお菓子や果物もよ」
「美味しくなっているのよね」
「そうなのよね」
「ええ、それでね」 
 将軍はクレープを食べつつ言いました。
「種類も増えたわ」
「そうよね」
「最近では日本や中国のものもね」
「作っているのね」
「ええ、それでね」
 将軍はさらに言いました。
「お饅頭とか杏仁豆腐もね」
「作っているのね」
「それが実る木を植えてね」
 そうしてというのです。
「育てているわ」
「美味そうな羊羹ね」
 ドロシーは羊羹を見て言いました。
「これは」
「そうでしょ、ちなみに特に桃饅頭が自信があって」
 将軍は桃饅頭を出してドロシーに言いました。
「これが凄く美味しいのよ」
「じゃあ頂いていいかしら」
 アン王女が言ってきました。
「そんなに美味しいから」
「ええ、どうぞ」
「それじゃあね」
 王女は実際にその桃饅頭を受け取りました、そのうえで一口食べてそうして将軍に笑顔で言いました。
「物凄く美味しいわ」
「そうでしょ」
「こんなに美味しいなんてね」
「特に出来がいいのよ」
「この桃饅頭が」
「そうなのよ」
「どうもです」
 コリーのシュガーも食べています、見ればクレープを食べています。
「ご主人は桃饅頭がお好きになったらしくて」
「最初に食べてからね」
 将軍も言います。
「そうなってね」
「それで、ですね」
「どうもその好みがお菓子にも入って」
 そうしてというのです。
「美味しくなっているみたいね」
「左様ですね」
「だからね」
 それでというのです。
「一番美味しくなるのかしら」
「そうかも知れないですね」
「ただ。私は甘いものは何でも好きで」
「お菓子や果物はですね」
「何でもね」
 どんなものでもというのです。
「好きだから」
「それで、ですね」
「どれも美味しくなるみたいね」
「そうですね」
「それに私はね」
 こうも言う将軍でした。
「私は育てたり面倒を見るなら依怙贔屓は嫌いだから」
「あっ、そうだったね」
 かかしは将軍の今の言葉に応えました。
「君は女の子の軍隊を率いていた時もだったね」
「一人も邪険にしなかったわね」
「そうだったわね」
「私は贔屓は嫌いだから」
「それで皆の面倒を見ていたね」
「軍隊の女の子全員のよ」
 率いていた彼女達全員をというのです。
「そうしていたわ」
「そうだったわね」
「贔屓されている子はいいとして」
 樵も言いました。
「そうでない子は嫌になるからね」
「だからよ」
 それでというのです。
「そんなことは絶対にしないの」
「そうだよね」
「そもそもオズの国で贔屓をする人はいないわね」
 将軍はこのことからお話しました。
「そうね」
「そんな人はいないね」
「一人もね」
 かかしだけでなく樵も答えました。
「オズの国にはね」
「そんな人はいないよ」
「そうしたことは悪いことだから」
「悪いことをする人はこの国にはいないからね」
「幸せは皆でなるものよ」
 ドロシーも言います、今度はアイスクリームを食べています。
「だからよ」
「それで、でしょ」
 将軍は林檎のタルトを食べつつ応えました。
「私もなのよ」
「そうしたことはしないわね」
「絶対にね」
 何があってもというのです。
「そうしているわ」
「そうよね」
「だからうちの人も赤ちゃんもシュガーもね」
 皆というのです。
「公平にね」
「愛情を注いでいるのね」
「そうしているわ、ただ一番好きな食べものだと」
 将軍はその桃饅頭今はご主人が食べているそれを見て言いました。
「美味しくなるのね」
「好みはどうしても出るからね」
「だからよね」
「それは出てね」
 そしてというのです。
「そうなるわ」
「そうよね」
「けれどあらゆる人やものに公平な気持ちもね」
 その感情もというのです。
「貴女には出ているわ」
「そうである様に努力しているし」
「いいことよ」
「贔屓は本当に駄目よね」
 アン王女もチョコレートケーキを食べつつ頷きます。
「されない人達が可哀想だから」
「本当にね」
「そう思うと僕達も気をつけないといけないですね」 
 カルロスはチェリーパイを食べつつ思いました。
「外の世界に戻った時も」
「そうだよね」
「贔屓されない子が可哀想だから」
「公平でいないとね」
「差別したりも駄目よね」
 四人も頷くことでした。
「皆同じだし」
「そう思うと誰も贔屓しないで差別しない」
「それが一番だね」
「公平で平等であることが」
「いつも先生やお父さんお母さんに言われているけれど」
 そえでもとです、カルソスは言いました。
「しっかり守っていかないとね」
「そうだよね」
「今ここで思ったなら」
「これからもずっとそうしていかないとね」
「絶対にそうすべきだわ」
「その通りよ、オズの国は色々な人がいるけれど皆同じでしょ」
 ドロシーも言うことでした、今は抹茶プリンを食べています。
「人も生きものも」
「そうですよね」 
 カルロスが応えました。
「だからいい国なんですよね」
「新種も種族もね」
 そうしたものもというのです。
「関係ないでしょ」
「ええ、本当に」
「皆が喋るし」
 このことも言うのでした。
「そして心があるわね」
「そうですね」
「だからね」
「オズの国では誰もが同じですね」
「皆オズの市民よ」
 ドロシーははっきりとした声で言いました。
「権利を持っているね」
「だから平等ですね」
「そして公平よ」
 そうだというのです。
「私達はね」
「そして将軍もですね」
「オズの市民だから」
 それ故にというのです。
「ちゃんと守ってくれているの」
「そういうことですね」
「ええ、それでその将軍が作ってくれたものをね」
「こうしてですね」
「楽しみましょう」
「ミルクも飲んでね」
 将軍は飲みもののお話もしてきました。
「こちらも遠慮なくね」
「果樹園の中にミルクが湧き出る泉があってね」 
 ご主人も言ってきました。
「それでなんだ」
「ミルクもですね」
「好きなだけ飲めるんだ」
「そうなんですね」
「だからね」
 それでというのです。
「皆こちらもね」
「楽しんで、ですね」
「遠慮は無用でね」
 そのうえでというのです。
「飲んでね」
「そうさせてもらいます」
「実はワインが出る泉もあるのよ」
 将軍は笑ってお話しました。
「こちらもね」
「ワインもですか」
「ええ、けれど貴方達は子供だから」
 それでというのです。
「お酒は関係ないわね」
「飲めないです」
 カルロスは将軍にすぐに答えました。
「残念ですが」
「そうね、だからね」
「それで、ですね」
「このことは関係ないわね」
「そうですね」
「だからね」
 それでというのです。
「ミルクも楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「ミルクも美味しいよ」
 臆病ライオンはそのミルクを飲んでいます、今度はフレークも一緒でなくそのまま飲んで楽しんでいます。
「こちらもね」
「そうだね」
 カルロスも実際に飲んでみてわかりました。
「これはかなりね」
「美味しいよね」
「ミルクもね」
 こちらもというのです。
「本当にね」
「だから遠慮しないでね」
 将軍も言います。
「どんどんね」
「飲んでいいんですね」
「そう、食べるだけでなく」
 それに加えてというのです。
「飲むこともね」
「楽しんで、ですね」
「そうしてね」
「そうさせてもらいます」
「そしてね」
 さらに言う将軍でした。
「それで食べて飲んだ後は」
「それからですね」
「お散歩はどうかしら」
 こちらをというのです。
「その後は」
「運動もですね」
「楽しんだらどうかしら」 
「そうですね」
 カルロスも頷きました。
「それじゃあ」
「ええ、食後はね」
「お散歩させてもらいます」
「案内するね」
 シュガーが申し出てきました。
「その時は」
「君がそうしてくれるんだ」
「それが僕の仕事だし他の家族もいるしね」
「家族?」
「そう、今は僕がお家の番をしてるけれど外はね」
 お家の外はというのです。
「お家の他の犬達がパトロールしているんだ」
「そうだったんだ」
「その皆と一緒にね」
「案内してくれるんだ」
「そうさせてもらうよ」
「そうなんだ」
「だから宜しくね」 
 こう言ったのでした。
「これから」
「そういうことでね」
「それじゃあね」
 将軍はカルロス達の会話を受けてこう言いました。
「お部屋のお留守番はシロップにお願いしてね」
「そしてですね」
「貴方は他の子達と一緒にね」
 こうシュガーに言うのでした。
「ドロシー王女達の案内をしてあげて」
「そうさせてもらいます」
 シュガーは尻尾をぱたぱたと振って応えました。
「これから」
「そうしてね」
「はい、じゃあ行きましょう」
 シュガーはドロシー達にお話してでした。
 そのうえで皆で一緒に食べ終わった後でお家の外に出ました、そのうえでシュガー達とお散歩をするのでした。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る