『オズのケーキ』




               第六幕  フェアリーの国

 ケーキ達はフェアリーの国に入りました、するとすぐに女王達七人が来てそのうえで彼女達に尋ねてきました。
「ええと、来てくれた理由は」
「女王様のお誕生日のパーティーの準備のお手伝いに来ました」
 ケーキが女王に答えました。
「その為にです」
「来てくれたのですね」
「はい、その為に」
「そしてね」
 王女も女王にお話します。
「後でお客さんとしてラベンダー熊さんやカエルマンさんも来てくれるわ」
「クマセンターでお会いした人達もですか」
「そうなの」
 こうお話するのでした。
「それでオズマ姫やドロシー王女もね」
「えっ、あの方々もですか」
「来てくれるわ」
「それは光栄です」
 王女のお話を聞いてでした、女王だけでなく他のフェアリーの娘達もびっくりしました、それで言うのでした。
「あの方々まで来られるとは」
「その準備に」
 ケーキがまた女王にお話します。
「この度は」
「お手伝いにですね」
「来させてもらいました」
「宜しくお願いします」
 ナターシャも女王に挨拶をします。
「この度は」
「はい、こちらこそ」
「では皆さんの泊まる場所も用意させて頂きます」
 マユが言ってきました。
「このことも」
「お願い出来ますか」
「喜んで」
 マユはケーキににこりと笑って答えました。
「用意させて頂きます」
「いや、実はです」
 アイリが明るい笑顔で言ってきました。
「今は猫の手も借りたい状況でして」
「そうでしたか」
「本当に忙しくて」
「それで、ですか」
「皆さんが来てくれて」
 それでというのです。
「本当に嬉しいです」
「皆で大忙しなんです」
 今度はミナミが言ってきました。
「フェアリーの国は皆で働きますが」
「その中で、ですか」
「もう皆がです」
 本当にというのです。
「てんてこまいで」
「それで、ですね」
「皆さんのお力頼りにさせてもらいます」
「女王様なんかご自身のお誕生日のことなのに」
 ナナミはその女王を見つつお話します。
「お手伝いしようとするので」
「それで、ですね」
「私達その度にお止めしています」
「流石にご本人がされると」
「ちょっと、ですから」
「確かに皆で働く国ですけれど」
 カヤもこのことは否定しません。
「それでもですよね」
「流石にご自身のことは」
 どうしてもとです、ケーキはカヤに答えました。
「こうした時は黙って見ている」
「そうなのに」
「女王様は、ですね」
「動かれるんです」
「それで本当にいつもお止めしてるんです」
 ミユは困ったお顔でお話します。
「これが」
「そのことも大変ですか」
「女王様普段は私達の諫言を聞いてくれるのですが」
 それがというのです。
「今回ばかりは」
「私だけ見ているだけで働かないことは」
 その女王が言います。
「やはり」
「ですから大丈夫ですよ」
「私達がいますから」
「このことは任せて下さい」
「私達がさせてもらいます」
「ですから今回はです」
「女王様はこの件ではじっとされて下さい」
 六人全員で女王に言うのでした。
「そうしていて下さい」
「それでいいですから」
「くれぐれもお願いします」
「ご自身のお誕生日ですし」
「そうされて下さい」
「ここは」
「そうですよね」
 ナターシャも六人のお話を聞いて言ってきました。
「ご自身のお誕生日の時は」
「ご本人はじっとしていて」
 恵梨香もこう言います。
「パーティーに招かれてお祝いしてもらう」
「そうするものですし」
 それでとです、カルロスは皆にお話しました。
「女王様は待っていましょう」
「僕達も働かせて頂きます」
 ジョージは笑顔でこう言いました。
「女王様の分は働かせてもらいます」
「ですから安心してです」
 最後に神宝がお話しました。
「パーティーの日まで楽しみにしておいて下さい」
「わしは家事とかお手伝いは出来んが」
 それでもとです、リンキティンク王は笑って女王にお話しました。
「歌や踊りは出来る」
「それで、ですか」
「女王さんを楽しまさせてもらう」
 こう言うのでした。
「そうさせてもらう」
「そうですか」
「だからな」
 それでというのです。
「楽しく待っていようぞ」
「それでは」
「僕はケーキさん程ではないですが家事は出来ますし」
 王子も言ってきました。
「そして王様を止めることも出来ます」
「そうなのですか」
「ですから何かあれば」
 リンキティンク王が何かやらかそうとすればというのです。
「僕が止めますので」
「では」
「はい、宜しくお願いします」
「私は、ですね」
「パーティーの開催を待っていて下さい」
「皆さんがそこまで言われるなら」
 それならとです、女王も頷いてでした。
 パーティーの準備の作業はせずに政務に専念することにしました、その傍にリンキティンク王がいて歌って踊って女王を楽しい気分にさせてくれます。王子はリンキティンク王の傍にいつつお誕生日の準備への作業もしています。
 そしてケーキと王女、ナターシャ達五人は作業をしていますが。
 王女も五人もフェアリー達もケーキの家事の動きを見て驚いて言いました。
「凄いですね」
「お速いですね」
「お掃除も飾り付けも」
「テキパキとしていて」
「しかも奇麗にされていますね」
「家事はいつもしているから」
 ケーキはナターシャ達五人に答えました。
「だからね」
「お得意なんですか」
「速くて的確なんですね」
「いつもされているから」
「経験を積まれているので」
「村でそうされているので」
「そうなの、それが私のお仕事で」 
 それでというのです。
「生まれた時から今までしているから」
「随分長い間ですね」
「オズの国が出来てから」
「オズの国が出来てからかなり経ちますけれど」
「その間ずっと家事をされていて」
「それで、ですか」
「皆が言う様に出来ていると思うわ、私もオズの国が出来て暫くしてから生まれて」
 ケーキの生まれはその時からでした。
「物心ついた時から家事をしていて」
「今もですね」
「家事をされていますね」
「それも毎日」
「そうしたらですか」
「そこまで出来る様になりますか」
「そうなのよ、私は凄くないの」
 ケーキはこのことはきっぱりと断りました。
「全然ね」
「充分凄いと思うけれど」
 王女もこう言いました。
「本当に」
「そうですか?」
「ええ、確かに年季とか経験を感じるけれど」 
 それでもというのです。
「貴女には元々才能があったのよ」
「家事の才能が」
「何かとね。お掃除もお洗濯もお料理もお裁縫も」
 そうしたもの全てがというのです。
「才能があって」
「それで、ですか」
「それに加えてね」
 さらにというのです。
「毎日しているから」
「よくなっていますか」
「そうよ、私も家事はしているけれど」
「王女様も」
「だって私の国小さいから」
 王女はケーキに笑ってお話しました。
「国といっても小さな村でしょ」
「だからですか」
「そう、王室も侍女さんとか侍従さんとかいないから」
 そうした人達はというのです。
「家族皆で家事をしているのよ」
「王様も王妃様も」
「お姉様も私もね」
「だから王女様もですか」
「毎日家事をしているの」
「そうですか」
「けれどそれでもね」
 その王女もというのです。
「貴女には負けるわ」
「そうですか」
「貴女は生粋の人ね」
 そうした家事をする人だというのです。
「本当に」
「そうですか」
「だから」
 ケーキにさらに言うのでした。
「今回は貴女がここに来て」
「皆さんを助けていますか」
「大いにね、だから頑張っていきましょう」
「皆で、ですね」
「貴女を中心にね」
「では今からケーキ嬢を讃える歌を作って歌おうぞ」
 そしてとです、リンキティンク王も言いました。
「働いている皆の歌もな」
「そうしてくれますか」
「わしの今の仕事はこれじゃ」 
 歌を作って歌うことだというのです。
「そして踊りもな」
「踊られますか」
「そうしてじゃ」
 王子に応えてさらに言いました。
「皆を楽しませるぞ」
「では宜しくお願いします」
「ほっほっほ、歌って踊られて」
 さらにというのでした。
「甘いものをふんだんに食べて遊べれば」
「王様は幸せですね」
「これだけあれば何が必要じゃ」
「王様は充分ですね」
「そうじゃ、わしは満足じゃ」
「では」
「遊びは遊ぶ時間にしてな」
 そうしてというのです。
「甘いものはじゃ」
「食べる時にして」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのです。
「今は思いきり歌って踊るぞ」
「そうしますね」
「喜んでな」
 こう言って実際にでした。
 リンキティンク王はまずはケーキの歌を歌って踊ってです、その後で。
 王女の歌もナターシャ達の歌も作って歌って踊って王子の歌もそうしましたが次にフェアリーの七人の歌を作ろうとしますが。
 ここで、です。七人でリンキティンク王に言うのでした。
「あの、私達の歌もいいですが」
「まずは私達の歌を聴いてくれますか」
「私達も歌って踊れます」
「歌手でもありますから」
「七人でいつも歌って踊っているんです」
「そうしていますから」
「まずはです」
 今はというのです。
「私達の歌を聴いて下さい」
「それぞれがセンターの曲もあります」
「その曲も聴いて下さい」
「色々なジャンルの曲もありますし」
「私達を歌ってくれる前に」
「そうしてくれますか」
「今は」
 こうお話します、リンキティンク王はそのお話を聞いて頷きました。
「うむ、ではな」
「そうしましょう」
 ケーキも続きました。
「それでは」
「お昼ご飯の時に歌いますので」
 女王がその時にとお話します。
「待っていて下さい」
「わかりました」
「それでお昼ご飯ですが」
 フェアリーはこちらのお話もしました。
「果物とお菓子、牛乳にジュースがあります」
「フェアリーの人達の好物ね」
「お野菜やチーズもありますので」
「林檎あるかしら」
 王女は女王に自分の好物のことも尋ねました。
「そちらも」
「あります」
「それは何よりね」
「そちらも召し上がられて下さい」
「そうさせてもらうわね」
「あとです」
 ナターシャも女王に尋ねました。
「ジャガイモもありますか」
「そちらもあります」
「ジャガイモいいですよね」
 あると言われてです、ナターシャはにこりとなりました。
「本当に」
「揚げたものもありますし」
 それにというのです。
「茹でたものも」
「じゃあその上にバターを乗せて」
「よく食べます」
「あれが最高ですよね」
「そうですね、それとお酒もあります」
 こちらもというのです。
「ワインだけでなく林檎酒や苺を入れたお酒も」
「苺もですか」
 ケーキは苺と聞いて笑顔になりました。
「それはいいですね」
「そちらも楽しみにしておいて下さいね」
「是非共」
「この国も果物が増えまして」
 マユが言ってきました。
「ライチなんかも最近は食べています」
「ライチ酒もありますし」
 アイリはこちらのお酒もと言います。
「あと桂花陳酒も造ってます」
「お花をお酒に入れたりもしてるんです」
 ミナミもこうお話します。
「最近は」
「メロンもありますよ」
 ナナミはこの果物のお話をしました。
「凄く甘くて美味しいものが」
「マンゴーもパパイアもあるんです」
 カヤはこちらの果物のお話もしました。
「こういったものも美味しいですからね」
「皆さんどんどん召し上がって下さい」
 ミユも言いました。
「是非共」
「色々な果物がありますね」
 ナターシャはそう聞いて目を輝かせました。
「素晴らしいですね」
「そんなにでしょうか」
「はい、ロシアでは」
 ナターシャのお国ではというのです。
「寒いですから」
「そうした食べものはないですか」
「バナナがなくて」
 まずはこの果物がというのです。
「ずっと夢みたいな食べものでした」
「バナナが」
 女王はそう聞いて目を丸くさせました。
「もうこの国いえオズの国では」
「何処でもありますね」
「それで普通に食べられる」
 果物の中でもというのです。
「そうしたものなのに」
「ロシアでは違いまして」
「夢みたいな食べものだったのですか」
「ずっと、勿論マンゴーもパパイヤも」
「ではキーウィ、お野菜ですはパイナップルも」
「なかったです」
 こうフェアリー達にお話しました。
「本当に」
「そうでしたか」
「そうでしたので」
 それでというのです。
「こうして果物が揃っていると」
「嬉しいですか」
「とても、日本でもそうですし」 
 ナターシャが今いるお国でもというのです。
「嬉しいです」
「貴女そのことよく言うわね」
 ケーキもナターシャに言います。
「そういえば」
「はい、ロシアは本当に寒い国で」
「暑い国の果物は貴重なのね」
「日本もアメリカも中国も寒い地域もありますが」 
 それだけでなくというのです。
「暑い地域もありますね、ブラジルは全体が暑くて」
「暑い場所の食べものがあるのね」
「バナナだって」
 特にこの果物について言うナターシャでした。
「沢山ありますから」
「日本のバナナは他の国から輸入したものよ」
 日本人の恵梨香がナターシャにお話します。
「それでもなの」
「普通にあるでしょ」
「そのことがなの」
「嬉しいの」
「そうなの」
「ロシアももっとね」
 是非にと言うのでした。
「バナナとかが普通に食べられる様になって欲しいわ」
「ナターシャは暑い場所の食べもの好きだし」
「余計にね、だから今は」
「楽しみなのね」
「心から」
 こう恵梨香に答えるのでした。
「そうなの、バナナにパイナップルにマンゴーにパパイアを食べて」
「そうしてジャガイモも」
「食べるわ」
 こちらもというのです。
「バターをたっぷりと乗せてね」
「じゃあお昼に」
「皆で食べましょう」
「そうさせてもらいます」
「是非ね」
「ジャガイモも暑い場所の果物達も」
 そしてお昼に実際にでした。
 皆で楽しく飲んで食べます、ナターシャはお野菜に果物をふんだんに入れたサラダを食べてジャガイモもでした。
 その上にバターをたっぷりと乗せて食べます、ナターシャはそのジャガイモを食べて言いました。
「この味ですよね」
「茹でたジャガイモにバターを乗せてね」
「食べると美味しいですよね」
「これ以上はない位にね」
「そうですよね」
「私も大好きよ」
 このジャガイモの食べ方がとです、ケーキはナターシャに自分もジャガイモにバターを乗せて食べつつ答えました。
「ジャガイモにも色々な食べ方があるけれど」
「この食べ方もですね」
「大好きだから」
 それでというのです。
「本当にね」
「よくこうしてですか」
「食べてるわ、ただジャガイモは」
 この食べものはといいますと。
「本当に色々な食べ方があるわね」
「そうですよね」
「そう、フライドポテトもあるし」
 見れば食卓にはこちらもあります。
「他にもね」
「色々とあって」
「食べるのに飽きないわ」
「わしはマッシュポテトも好きじゃ」
 リンキティンク王が笑って言ってきました。
「こちらもな」
「王様の大好物の一つですしね」
「ほっほっほ、よく食べておるぞ」
「そうですよね」
 王子もこう言います。
「王様は」
「ジャガイモ料理は全体的に好きじゃが」
「特に、ですよね」
「マッシュポテトじゃ」
「あとお菓子にしてもですね」
「好きじゃ」
「ジャガイモは色々なお料理に出来るからね」
 それでとです、王女もジャガイモの上にバターを乗せつつ言います。
「いいのよね」
「ですから私達もです」
 女王もジャガイモを食べながら言います。
「よく食べています」
「パンも食べますけれど」
 マユはパンに苺のジャムを塗りつつ言います。
「それ以外にも」
「ジャガイモも食べて」
 アイリはフライドポテトを食べています。
「楽しんでいます」
「あとお芋ですとサツマイモもよく食べますよ」
 ミナミはこう言いながらマンゴーを切ったものを食べています。
「甘くてほくほくして美味しいですから」
「お芋は何でも食べますね」
 ナナミはパパイアをとても美味しそうに食べています。
「本当に」
「山芋もいいですよね」
 カヤはサラダを食べつつこちらのお芋のお話をしました。
「こちらも」
「あちらはすってご飯にかけてよく食べますけれど」
 ミユはチーズを食べつつこちらのお話をします。
「物凄く美味しいですね」
「あれっ、皆さん色々召し上がられてますね」
 ナターシャはフェアリーの娘達のお話を聞いて言いました。
「お芋といっても」
「山芋をご飯にかけて食べるとか」
 恵梨香が言いました。
「日本の食べ方ですよ」
「サツマイモも食べるとか」
 神宝はこちらのお芋のお話をしました。
「ジャガイモだけでなくて」
「ひょっとして和食とか中華料理も召し上がられます?」
 カルロスはこのことを尋ねました。
「皆さんは」
「どのお芋も美味しいですが」
 それでもとです、ジョージは言いました。
「お料理の種類も色々ご存知なんですね」
「実際にそうです」
「私達和食も中華料理も好きですよ」
「よく作って食べます」
 フェアリーの娘達もこう答えます。
「何かと」
「アメリカのお料理だけでなく」
「和食も中華料理も食べてますし」
「タイやベトナムのお料理も食べています」
「それにカレーも」
「カレーなら」
 カレーと聞いてです、ケーキは笑顔で言いました。
「私も大好きです」
「そうなのですか」
「実は今度のパーティーでもカレー出します」
「カレー美味しいですよね」
「私達皆大好きで」
「林檎や蜂蜜も入れます」
「パいナップルやキーウィも入れたりします」
 そうして食べているというのです。
「お野菜以外にも」
「色々と入れています」
「チーズも入れますし」
「カレーの中でとろりと溶けていいですよね」
「それでゆで卵とかも入れたり」
「そうして食べています」
「どのカレーも」
 こうしたことをお話します、ですが。
 ナターシャはフェアリーの娘達のお話を聞いてそうして今自分達が食べているものを見てです、牛乳を飲んでから言いました。
「フェアリーの人達ってお肉やお魚は」
「あっ、そういえば食べないね」
「そうだよね」
「今のメニューを見ても」
「お肉やお魚は一切なくて」
「フェアリーは基本菜食主義なの」 
 ケーキが五人にお話します。
「実は」
「そうなんですね」
「そういえばフェアリーってそんな感じですね」
「森の妖精ですし」
「それで、ですね」
「オズの国でもですね」
「菜食主義で」
 それでというのです。
「食べるものもそればかりなのよ」
「お肉やお魚も食べられますが」
 それでもとです、フェアリーの女王もお話します。
「好きでないので」
「それで、ですか」
「殆ど食べません」
 女王はナターシャに答えました。
「本当に」
「そうですか」
「はい、やっぱり」
「そうでしたか」
「牛乳やチーズやバターは大好きですが」
 それでもというのです。
「お肉やお魚は」
「殆ど召し上がられないんですね」
「そうなんです」
「本当に菜食主義なんですね」
「基本は。ただ」
「ただ?」
「他の人に強制はしないです」 
 菜食主義、それをというのです。
「あくまで私達の好き嫌いなので」
「だからですか」
「それは無理強いしないで」
 それでというのです。
「私達で楽しんでいます」
「そうされていますか」
「はい、そして」
「そして?」
「お茶も好きで」
 それにというのです。
「よく飲んでいます」
「お茶もですか」
「紅茶もお抹茶も烏龍茶も」
「コーヒーはどうかしら」
「コーヒーも飲みます」
 女王はケーキに笑顔で答えました。
「ミルクにお砂糖をたっぷりと入れて」
「甘くしてですね」
「うんと」
 そうしてというのです。
「そうしています」
「そうですか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「私達は甘いものが大好きなので」
 女王は蜂蜜をたっぷりとかけたチーズを食べつつお話しました。
「そうでないとです」
「コーヒーもですか」
「飲めないです、コーヒーはそのままですと」
 所謂ストレートでは、というのです。
「あまり」
「そうですか」
「どうしても」
「そうしたこともありますか」
「そうなのです」
 こうケーキにお話しました。
「カレーもそうですし」
「そういえば林檎や蜂蜜を入れられると」
「七人でお話しましたね」
「そうでしたね」
「あの、スパイスもいいですが」
 マユがそのカレーについてお話します。
「ですがそれでも」
「甘くないととても食べられないです」
 アイリもこう言います。
「カレーは」
「ですから林檎や蜂蜜や他の果物も入れて」
 ミナミは具体的な入れるものお話をしました。
「うんと甘くします」
「ミルクは絶対に入れます」
 ナナミはこれは欠かせないと言いました。
「味がまろやかになりますから」
「若しスパイスだけだと辛過ぎて」
 カヤは困った感じのお顔になっています。
「私達には無理です」
「カレーは甘口、それもかなりのものにして」
 ミユも言いました。
「そうして食べています」
「わしもじゃ、わしも甘いものが大好きでじゃ」
 リンキティンク王もここで言いました。
「カレーもな」
「王様もそうですよね」
「甘口だけじゃ」
 王子に応えて言うのでした。
「やはりな」
「そうですよね」
「そうじゃ、カレーもじゃ」
 それもというのです。
「甘口のみじゃ」
「ハヤシライスも」
「そうじゃ、これもじゃ」
「そうですか、それでは」
 女王はリンキティンク王のお話を聞いて笑顔で言いました。
「皆さんにお出しするカレーは甘口でいいですね」
「わしは異論なしじゃ」
「私もです」
「僕もそれでお願いします」
「甘口のカレーも好きですし」
「宜しくお願いします」
「蜂蜜やミルク、果物をたっぷり入れて下さい」
 ナターシャ達五人もこう答えます。
「最近辛口も大丈夫になりましたけれど」
「甘口も好きですし」
「カレーはどちらも好きです」
「ですからお願います」
「もっと言えばカレー自体が好きですから」
「カレーは凄い食べものよね」
 ケーキは五人にも言いました。
「何でも入れられて味も色々だから」
「そうですよね」
「カレーって何でも入れられますよね」
「お野菜だけじゃないです」
「とにかく色々入れられて」
「それで食べられますから」
「お野菜や果物だけにしても」 
 それでもというのです。
「色々なものが入れられるから」
「そうですよね、私達は蕪やアスパラガスも入れたりします」
 女王がここでまた言いました。
「カレーの中に」
「そういうものを入れても美味しいですよね」
「ピーマンやパプリカも」
「茸もいいですね」
「ですね、あとトマトも」
「そうしたものも入れられて」
「ズッキーニや大蒜も」
 そうしたものもというのです。
「何でも入れられますね」
「隠し味に」
 ケーキは笑ってお話することがありました、それはといいますと。
「コーヒーを入れても」
「いいですか」
「はい、あれを少し入れますと」
 そのコーヒーをというのです。
「いい隠し味になります」
「そうですか、では今度やってみます」
「是非共。お醤油もいいですし」
「お醤油ですか」
「それを入れても」
「お醤油というと」
 この調味料についてです、女王はこう言いました。
「何か」
「カレーにはですね」
「合わない感じがしますが」
「ですがこれが」
「カレーの中に入れてもですか」
「美味しいです」
 このこともお話するのでした。
「ですから」
「やってみればいいですか」
「こちらも」
「それじゃあ」
 女王はケーキのお話に笑顔で頷きました、そうして皆で楽しくお昼を食べてからパーティーの準備に取り掛かりました。
 その準備にお掃除や飾りつけをしますが。
 ケーキの動きを見てです、ナターシャ達は驚きました。
「凄いですね」
「テキパキしていて」
「もう何ていうか」
「プロのメイドさんも真っ青です」
「凄い感じですね」
「本当に凄いですね」
 実際にとです、王子も驚きの目でした。
「プロみたいです」
「ですからこのことは」
「いつもしているからですね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「こうしたこともです」
「出来ていますか」
「はい」
 実際にというのです。
「いつものことなので」
「そのいつものことが」
 それがと言う王子でした。
「生きてくるんですね」
「そうなりますか」
「そうかと。それと」
「それと?」
「何かですね」
 王子はここで森全体を見ました、そしてと言うのでした。
「この森は結構広いですね」
「そうですね、随分と」
 実際にとです、ケーキが見ても思うのでした。
「広くて」
「飾り付けとかも大変ですね」
「クリスマスツリーみたいな飾り付けですが」
 見れば本当にそんな感じです、光る星やボール、色々な有り難いものを吊るしてオズの国の万国旗も飾っています。
 オズの国自体の旗である北が紫東が青南が赤西が黄色で真ん中が緑の旗にオズの国の中にある各国それぞれの旗があります。
 その旗達の万国旗も飾りつつケーキは王子に応えました。
「森が広いので」
「だからですね」
「飾りつけをするにも」
 それもというのです。
「大変ですね」
「ですから」
 周りにいるフェアリーの人達もケーキにお話します、見れば女の子だけでなく男の子もいます。女の子は薔薇そして男の子は菖蒲の花びらで作った服を着ています。女の子はスカートですが男の子はズボンです。
「皆さんが来てくれて嬉しいです」
「一緒に頑張りましょう」
「そして女王様のお誕生日を一緒にお祝いしましょう」
「皆で」
「それでは」 
 ケーキも応えます、そうして一層働きますがここでナターシャが言いました。
「フェアリーの人達もケーキさんもお互い敬語になっていますね」
「そうね、王子も」
「私達との間では普通のままですが」
「それがね」
「そうなっていますね」
「何か自然と」
 口調がというのです。
「そうなってきたのかしら、この森の中で」
「そうなんですね」
「和やかで気持ちが落ち着くから」
 この森の中ではというのです。
「私もフェアリーの人達も」
「だからですか」
「和やかな気持ちになって口調もね」
「そうなっていったんですね」
「そうなの、ただそれは人によるみたいね」
「王様はいつも通りですね」
 リンキティンク王はというのです。
「あの人は」
「そうみたいね」
「あの人は個性が強いので」
 それでとです、ナターシャは考えるのでした。
「それで、ですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「そこは人によるのね」
「そうみたいですね」
「そう、だから」
「そこは人それぞれで」
「私達はね」
「口調が変わったんですね」
「穏やかなものにね」
 そうしたもので敬語になったというのです。
「それは貴女達もよ」
「私達もですか」
「ええ、何かね」
 これがというのです。
「言葉の調子が穏やかになってるわ」
「そうですか」
「森に入ってからね」
「そうなっていますか」
「森の中は森林浴といって」
「あっ、森の空気の中にいて」
「そう、心が清らかになってね」
 そうしてというのです。
「癒されるわね」
「そうなるって言われていますね」
「それでなのよ」
「私達もですか」
「そう、それで心が穏やかになって」
 自然とそうなってとです、ケーキはナターシャにお話します。その間も二人も他の人達も作業の手は止まっていません。
「口調もね」
「穏やかなものにですか」
「和やかなね」
「ものになっていますか」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「貴女達もって言ったし実際にね」
「そうなっていますか」
「ええ、いい感じにね」
「それは何よりですね」
「ただね」
「ただ?」
「この森はフェアリーの人達しかいないけれど」
 それでもとです、ケーキはこんなことも言いました。
「他は虫や小さな動物達で」
「あっ、ドラゴンとかいれば」
「オズの国のドラゴンはいいドラゴンばかりだけれど」
 それでもというのです。
「かつてのノーム王みたいな人がいれば」
「厄介なことになっていますね」
「森によるけれど森には色々な生きものがいるでしょ」
「はい、何かと」
「そうした場所でもあるから」
「そのことはですね」
「覚えておいてね」
 こうナターシャにお話するのでした。
「こうしたことも」
「わかりました」
「果物や茸も採れるけれどね」
「この森の中には畑や果樹園もありますし」
「小さな牧場もあるわね」
 見ればそうしたものもあります、森全体がフェアリーの国なので中に色々なものがあるのです。
「そうね」
「ですね、そこから牛乳を手に入れていますね」
「チーズやバターもね」
「それにヨーグルトも」
「乳製品があると」
 それだけでとです、チーズはお話しました。
「やっぱり違うわね」
「そうですよね」
「そう、だから」 
 それでというのです。
「牧場もあると」
「それだけで沢山の恵みが得られますね」
「そうね、それでお話を戻すけれど」
「森は、ですね」
「心も癒してくれるの」
「そうした場所でもありますね」
「そうなの、だからね」
 その為にというのです。
「私達も気持ちが穏やかになって」
「そうなって」
「こうしてね」
「気分が落ち着いて」
「言葉遣いもさらに穏やかになっているのよ」
「そういうことですね」
「その気持ちのまま」
 ケーキはさらにお話しました。
「働いていきましょう」
「わかりました」
 ナターシャはケーキの言葉に笑顔で頷きました、そしてオズの国の万国旗を飾りながら言いました。
「私達の国の旗も飾っていいでしょうか」
「ナターシャはロシアって国から来たのよね」
「はい、日本に来て」
「今オズの国に来ているわね」
「そうです、私はロシア人です」
「だからなのね」
「ロシアの旗に」
 それにというのです。
「他の子達の国の旗も」
「全部なのね」
「飾っていいですか?」
「そのこと女王様とお話してみましょう」
「わかりました」
 そして女王にお話するとでした、女王はそれならと笑顔で答えてくれました。こうしてナターシャ達の国のそれぞれの国旗も飾られるのでした。








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