『黄金バット 第六十話』




           第六十一話  大火事に負けるな

 東京のとあるタワーマンションで火事が起こってしまいました、するとすぐに消防署員の人達が駆け付けましたが。
「高いな」
「さいじょうかいで火災か」
「あそこまでははしご車も届かないぞ」
「ヘリコプターで上から行くか」
「そのうえで消火しようか」
「まだ残っている人達を救助するか」
「わかった、すぐにだ」
 現場の言葉を聞いてでした、消防署の署長さんはすぐに決断を下しました。
「すぐにヘリコプターを送る、そしてだ」
「屋上に着地して」
「そうしてですね」
「そこマンションの中に入って」
「救助にあたりますね」
「そうしますね」
「ことは一刻を争う」
 まさにというのです。
「だからだ」
「すぐにヘリを送って」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「屋上からですね」
「消火活動を行い」
 そのうえでというのです。
「逃げ遅れている人達を救助するんだ」
「わかりました」
 消防署員の人達はすぐに頷きました、そうしてです。
 皆で救助活動に入りました、急遽派遣されたヘリにはレスキュー隊員の人達が乗り込んでいます。また他の人達もです。
 下から最上階を目指して登っていきます、その間逃げ遅れた人達を救助していきます。そうして遂に火元に辿り着きましたが。
「くっ、何て激しさだ」
「一面業火だ」
「幸いマンションの人達は皆救助出来たが」
「火元がこれでは」
「マンションは燃えるままだぞ」
 そのあまりにも激しく燃える最上階においてです。
 消火をしようとした署員の人達は困りました、それでどうしたものかと対策を考えているとでした。最上階が燃え盛るタワーマンションのビルの屋上にです。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「この笑い声は!」
「まさか!」
「黄金バット!?」
「黄金バットなのか!」
 笑い声がした方を見ればです。
 そこには黄金バットがいました、黄金バットは裏地が赤い黒マントをたなび換え両手を腰の横にやって仁王立ちしています。
 正義の超人は高笑いを終えるとすぐにですた。
 右手にステッキを出してその宝石の部分を前に突き出してでした。宝玉から物凄い量のお水を出してです。
 タワーマンションの最上階に向かって放ちました、そのお水の量はとても多く瞬く間にでした。
 あまりにも激しく燃え盛り消防署員の人達ですらどうにもならなくなっていた火を消してしまいました、そうしてです。
 火が消えるとです、黄金バットは何処となく颯爽とマントをたなびかせ飛び去っていきました、それを観てでした。
 消防署員の人達も救助された人達も見守っていた人達も誰もが思いました。
「そうか、どうしようもないならか」
「その時は助けてくれるんだな」
「だから火元は消してくれたか」
「そうしてくれたんだな」
「皆救助出来たうえで」
 こう思ったのでした。
「黄金バットはいつも見てくれているんだ」
「我々が何処まで出来るか」
「そして出来ないことは助けてくれる」
「そうしてくれるんだな」
「それなら」
 誰もが思いました。
「これからも全力を尽くそう」
「どんなことにも」
「大変でもやるんだ」
「そしてどんな困難を乗り越えて」
「成長していこう」
「そして僕達を見守る黄金バットの助けがいらないまでになろう」
 思いを口々に言っていきます。
「そうなるんだ」
「きっとなるんだ」
「今回の火事でもだ」
「起こらない様にしても」
「起こった時は我々で解決しよう」
「我々だけの力で」
 こうお話するのでした、そのうえで黄金バットを讃えるのでした。いつも自分達を見守ってくれていつも助けてくれる彼を。


黄金バット  第六十一話   完


                    2025・1・29








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