『黄金バット』
第六十話 フー=マンチェー博士津軽の決戦
青森の林檎園に突如としてフー=マンチェー博士が姿を現しました、博士は宙に浮かびお空に黒い雲を出しながら言いました。
「これより大嵐を起こし林檎園を破壊してやる」
「何っ、青森の名産の林檎をか」
「何て酷いことをするんだ」
「林檎園の農家の人達が困るぞ」
「そんなことをさせるものか」
青森の人達は博士の言葉を聞いて怒りました、そして手に武器になりそうなものなら何でも持って林檎園に集まりました。
「林檎園を守るんだ」
「青森の林檎を守るんだ」
「林檎を滅茶苦茶にさせてたまるものか」
「そうだ、絶対に守るぞ」
林檎園の農家の人達が特にでした。
怒って手に武器になりそうな農具を持ってそのうえで宙に浮かぶ博士を見上げます、お空にいる相手でも何とかしようとしています。
その状況を見てです、青森の知事さんや市町村の偉い人達も決断しました。
「我々も戦おう」
「林檎は私達の宝だ」
「自分達で宝を守らなくてどうする」
「自分達で守るんだ」
こう言ってです。
自衛隊も警察も呼んで自分達も博士の前に来て戦おうとします、青森の人達は一丸となって博士と対峙します。
お空には戦闘機やヘリコプターもいます、そのうえで博士と戦おうとしますが。
博士は余裕に満ちた態度です、そのうえで言うのでした。
「並の者達が私の相手になるものか」
「一人で駄目でも皆が力を合わせるんだ」
「幾ら博士が魔人でも戦うぞ」
「そして勝つんだ」
「い林檎は絶対に守るぞ」
そう言われても誰も引きません、そうしてです。
皆で戦おうとします、ですが。
お空を飛んで博士と戦おうとする自衛隊の戦闘機のうちの一機の背中にです、突如として黄金色の光が沸き起こり。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「その笑い声は!」
誰もがその高らかな笑い声に反応しました、そして声の方を見ますと。
戦闘機の背中に黄金バットが立っていました、黄金バットは両手を腰にやって裏地が赤い黒マントをたなびかせています。
そのうえで博士を見るとです、黄金バットは颯爽と空に舞い上がり。
ステッキを出して博士に向かいます、すると博士は印を結んで妖術で黒い雲から無数の雷を龍の様に動かして黄金バットに放ちます。
黄金バットは空を飛びながら雷をひらりひらりとかわします、そのうえで。
隙を見てステッキの先の黄金色の宝玉から虹色の光線を出して博士に反撃します、魔人同士の攻防は一進一退まさに互角でしたが。
黄金バットの光線が博士の右頬を掠めました、すると博士は歯噛みして言いました。
「今日は私の負けだ、また会おう」
「・・・・・・・・・」
黄金バットは語りません、ですが。
博士はその黄金バットの前で両手をぱぱぱっと身体の前で動かしてそのうえで忌々し気なお顔で姿を消しました、すると雷を起こしていた黒い雲も消えました。
後には青空があります、青森の人達はその青空を見て言いました。
「博士は去ったぞ」
「林檎園は救われたんだ」
「青森の宝は守られたんだ」
「よかったな」
「これも黄金バットのお陰だ」
「今回も助けてもらったな」
「本当に有り難い」
口々に言います、そうしてです。
今回も戦い助けてくれた黄金バットを讃えようとします、ですが正義の摩人は何も言わず何処かへと飛び立ってしまいました、誰もがその姿を見て思いました。
「何も言わず去っていく」
「皆を助けても」
「これこそヒーローだ」
「本当のヒーローだ」
「そのヒーローを讃えよう」
「黄金バットの活躍を」
姿を消したヒーローを讃えます、そうしてでした。
林檎が収穫されると皆で食べました、青森の人達それに黄金バットが守った林檎はこれ以上はないまでに美味しいものでした。
黄金バット 第六十話 完
2024・11・27