『ドリトル先生と日本に来た仲間達』




                第七幕  牧場も

 先生はパドルビーにある生きもの達の施設の日本への移転のアドバイスをしていきます、当然生きもの達もです。
 もうそれは陣頭指揮と言っていいものでしたが。
「やはり先生がおられますと」
「違うかな」
「はい」
 ステファン氏は笑顔で答えました。
「全く」
「そうなんだね」
「やはり先生が開かれた場所なので」
 だからだというのです。
「その先生が来られますと」
「何かとなんだね」
「違います」
「スムーズにいっているんだね」
「全てが」
 まさにというのです。
「そうなっています」
「そうなんだね」
「それでなのですが」
 ステファン氏はさらに言いました。
「やはり牧場も」
「馬達のだね」
「移転させますので」
「そちらのこともだね」
「アドバイスをお願いします」
「喜んで」
 先生は一も二もなく答えました。
「それではね」
「お願いしますね」
「出来ることは何でもする」
「それが先生の信条ですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「馬牧場のこともだよ」
「お願いします」
「それではね」
 ステファン氏に頷いてです。
 先生は早速馬牧場の方に赴きました、そうしてこちらでも懐かしい顔触れと再会しました。
「先生、お久しぶり」
「お元気だね」
「何よりだよ」
「うん、この通りだよ」
 茶色の馬のトグル、灰色のベッポー、喋る黒馬のニーノに応えます。
「日本でもね」
「元気だね」
「それもかなり」
「動きが生き生きとしているし」
「日本はいい国だからね」
 それでというのです。
「この通りだよ」
「けれど先生」
 ここでトグルが先生に言ってきました。
「日本って夏暑いんだよね」
「湿気も凄くてね」
「そこが気になるね」
「大丈夫だよ、移転場所は山の方だから」
「山なんだ」
「平地より高い場所にあって風も爽やかでね」
 そうであってというのです。
「快適だから」
「大丈夫なんだ」
「夏でもね」
「そうなんだね」
「だから安心してね」
「あとね」 
 今度はベッポーが言ってきました。
「日本は地震も台風も多いね」
「災害は多いよ」
 先生も否定しません。
「それもかなりね」
「そうだよね」
「それでもそちらの対策もだよ」
 それもというのです。
「ちゃんとしているからね」
「安心していいんだ」
「そうだよ」
 ベッポーに笑顔でお話します。
「そのこともね」
「先生が言うならね」
「信じてくれるね」
「先生のことはよく知っているからね」
 だからだというのです。
「心からね」
「それではね」
「あと虫が多いそうだけれど」 
 ニーノも言ってきました。
「そちらはどうなのかな」
「蚊に刺されて病気になるか」
「日本にもあるよね」
「そうした病気はね」
「だからね」
「心配だね」
「感染しないか」
「予防接種をするし」
 先生はそれでとお話しました。
「それで蚊が周りに出ない様な」
「対策もするんだね」
「水溜まりを作らない」
 まずはというのです。
「そうしてね」
「対策をするから」
「あと水槽やお池にね」
 そうした場所にというのだ。
「お魚やヤゴを入れるしね」
「ヤゴ、蜻蛉の幼虫だね」
「彼等がいるとね」
「お水の中の蚊の幼虫を食べるね」
「そうするし蜻蛉になれば」
 その時はといいますと。
「蚊を食べてくれるからね」
「丁度いいね」
「蜻蛉は蚊の天敵だから」
 それでというのです。
「いてもらうとね」
「いいね」
「そうだよ」
 だからだというのです。
「そうしたこともするから」
「大丈夫だね」
「蚊とかのこともね」
「それではね」
「そうそう、虫も怖いのよ」
 ピピネッラもいて先生に言ってきました。
「本当にね」
「蚊にしてもでね」
「皆はフィラリアを怖がっているけれど」
「人間だと日本脳炎があるよ」
「マラリアもね」
「そう、マラリアはね」 
 この病気はと言う先生でした、先生はお医者さんですからこの病気のことはそれこそ専門的に知っています。
「特に怖い病気の一つだよ」
「それでどうしてマラリアになるか」
「蚊によってだよ」
「刺されてなるものね」
「あのアレクサンドル大王も」
 英雄として知られたこの人もです。
「マラリアで亡くなってるからね」
「物凄く強かったんだよね、あの人」
「ただ戦争の士気が凄いだけじゃなくて」
「馬術も剣術も凄くて」
「自分から果敢に戦って」
「勝っていった人よね」 
 動物の皆も言います。
「普通総司令官だと後ろから指揮するけれど」
「あの人は自らも剣を手に戦う」
「そんな人でね」
「ご自身も強かったね」
「自分をギリシア神話の英雄アキレウスの生まれ変わりと思っていたんだ」
 先生は皆にお話します。
「そしてね」
「身体能力も凄くて」
「物凄い暴れ馬を乗りこなして」
「泳ぎも巧みで」
「兎に角お身体も強かったのよね」
「そんな人でもだよ」
 本当に強くてもです。
「一匹の蚊のマラリアによってね」
「お亡くなりになってるから」
「蚊って怖いね」
「本当に」
「あんな英雄さえ倒すから」
「だからだよ」
 それでというのです。
「警戒しないと駄目だよ」
「本当にそうだね」
「人間もそうで」
「僕達もだね」
「そうしないと駄目で」
「予防接種もして」
「そして蚊が出ないいない様にする対策も」
 それもというのです。
「行っていくんだ」
「何重にもね」
「そうしていって」
「フィラリアとかにならない様にするのね」
「皆が」
「そうしていくよ」
 先生は皆にお話しました。
「馬の諸君にもね」
「南米とかアフリカの南部なんか凄いね」
「そうそう、蠅だってね」
 チープサイドの家族がお話します。
「卵産み付けてきて」
「とんでもないことになるよ」
「ツエツエバエとかウマバエとか」
 トートーも言います。
「産み付けられたら大変だよ」
「産み付けられた皆を見たら」
 老馬は青いお顔で言いました。
「ぞっとするよ」
「絶対に産み付けられたくないよ」
 ガブガブは震え上がっています。
「ああした場所に行ってもね」
「私達世界中を巡って来たけれど」
 それでもと言うダブダブでした。
「ああした虫のことは深く考えてこなかったわ」
「けれど考える様になったら」
 チーチーはアフリカ生まれなので余計に考えます。
「本当に怖いよ」
「それで注意しないといけないってね」 
 ポリネシアはチーチーに続きました。
「余計に思うわ」
「思わない筈がないよ」
「全くだよ」
 オシツオサレツもアフリカ生まれなので深く考えずにいられません。
「日本はそうした地域程じゃないけれど」
「蚊がいることは事実だしね」
「まず刺されない」
 ホワイティは言いました。
「そのことが大事だね」
「そして予防接種」
 ジップも言います。
「狂犬病の方もしてね」
「そうそう、狂犬病」
「日本ってその対策が徹底しているね」
「他の国よりも」
 馬達は狂犬病と聞いて言いました。
「何かと」
「それで僕達もだね」
「予防接種もして」
「やっていくよ、日本は長い間狂犬病が発見されていないけれど」
 先生も狂犬病のお話をしまう。
「それは何故か」
「予防接種をしているから」
「だからだね」
「そのお陰だね」
「皆もやっていくから」
 日本ではというのです。
「安心してね」
「うん、じゃあね」
「先生が言うならね」
「安心して行けるよ」
「日本はそうしたことはむしろイギリスより徹底しているから」
 先生はお話しました。
「気候や災害、病気への対策がね」
「そうしたお国柄ね」  
 ピピネッラも言いました。
「日本は」
「うん、何かとね」
「対策をする国ね」
「特に災害にね」
「世界一災害が多い国かしら」
「そう言っていいね」 
 先生も否定しません。
「イギリスと比べると」
「それこそよね」
「何年かに一回は何処かで大きな地震があるし」
「台風も毎年何度も来て」
「そしてね
 そうであってというのです。
「色々な災害があるから」
「数も種類も多くて」
「規模もね」
「全部揃ってるのよね」
「そうなんだ」
 日本の災害はです。
「そうした国だよ」
「大変ね、特に地震ね」
 ピピネッラは不安そうに言いました。
「問題は」
「そちらへの対策は牧場でもだよ」
「しっかりしているのね」
「皆が入る厩舎も」 
 そちらもというのです。
「しっかりしているよ」
「震災ね」
「大雨、大雪についてもね」
 そうしたこともというのです。
「ちゃんとしているよ」
「屋根もなのね」
「揺れても大丈夫な様にね」
「徹底しているのね」
「そうしたところはね」
「日本はそうですね」
 ステファン氏もいて言ってきました。
「兎に角災害ですね」
「うん、災害対策をしないとね」
「とてもいられないですね」
「災害は何時起こるかわからないから」
「備えが必要ですね」
「どうしてもね」
「僕としましては」
 ステファン氏はご自身の考えをお話しました。
「地震がです」
「気になるね」
「はい、僕達が移転する神戸は火山はないですね」
「それはね」
「そうですね、ですが地震は」
「日本中で起こっているよ」
「歴史を見れば。神戸も」
 皆が移るこの街もというのです。
「三十年程前に大地震があって」
「大変なことになったんだ」
「そうでしたね」
「東北の大地震は驚いたけれど」
 ピピネッラはそちらの地震のお話からしました。
「神戸でもだから」
「本当に対策をしないとね」
「もっと大変なことになるわね」
「災害は起こるものでその被害をね」
「少しでもなのね」
「減らすことがね」
 それがというのです。
「大事だよ」
「そうよね」
「こればかりは避けられないから」
 災害はというのです。
「特に地震を皆問題にするね」
「どうしてもね」
「実際日本にいたら結構あるし」
「小さな地震だってね」
「僕達も経験してるしね」
「日本に来てね」
 皆も言います。
「地震は起こる」
「どうしてもね」
「そうなるから」
「だからだよね」
「対策は徹底する」
「他の国よりも遥かに」
「さもないとだよ」 
 先生はあらためて言いました。
「移転もままならないよ」
「全くだよ」
「イギリスと日本はそこも違うからね」
「気候もだけれど」
「そうしたことを念頭に置いてね」
「移転しないとね」
「そうだよ、あと熊もいるから」
 日本にはというのです。
「近寄らない様にしないとね」
「狐もいて」
 ピピネッラはそれでとお話しました。
「狸もいるわね」
「鼬もね」
「色々な生きものがいる国ね」
「そうだよ、ただ狼はね」
 この生きものはといいますと。
「私が見付けて今日本全土に広めようとしているんだ」
「狼をなの」
「自然環境の維持の為にね」
「生態系?」
「肉食動物も必要だからね」
 生態系、そちらの環境の維持にはというのです。
「だからね」
「それでなのね」
「広めてようとしているんだよ」
「狼も必要ね」
「それに日本は狼を嫌っていないんだ」
 そうだというのです。
「昔からね」
「悪魔みたいに思っていないの」
「そうだよ、狼は『おおかみ』と呼んで」
 日本ではというのです。
「大きな神様だよ」
「神様なのね」
「畑を荒らす生きものを食べてくれるね」
「農業を守ってくれる生きものなの」
「こっちでは家畜を襲う悪い生きものだけれど」
「だから童話でも悪い生きものですね」
 ステファン氏も言います。
「狼と七引きの子山羊や三匹の子豚でも」
「赤頭巾ちゃんでもね」
「悪い生きものといいますと」
 欧州の童話で、です。
「もうですね」
「狼が定番だね」
「そうですが日本では」
「違うんだ」
 これがというのです。
「狐や狸が化かして」
「それ位ですか」
「人に懲らしめられる」
「そうしたポジションですね」
「そこが違うんだ」
「日本と欧州では」
「そして狼は実は貪欲でなくて」
 先生は狼についてさらにお話します。
「残酷でもないよ」
「血に飢えてはいないわね」
「とんでもない」
 それこそというのです。
「必要なものしか狩らなくてね」
「食べないわね」
「そして人はね」
「殆ど襲わないわね」
「送り犬という妖怪がいるんだ」
 先生は妖怪のお話もしました。
「日本にはね」
「確か」
 ステファン氏はその妖怪の名前を聞いて言いました。
「夜に山道を歩いていると」
「後をついてくる妖怪なんだ」
「そうでしたね」
「これは実はニホンオカミなんだ」
「まさに狼ですね」
「そう、ニホンオオカミの習性で」
 そうであってというのです。
「人の歩いている後をついてくるんだ」
「そうした習性がありますか」
「人が自分の縄張りに入ると」
 そうすればというのです。
「出るまで警戒してね」
「後をついてくるんですね」
「そうなんだ」
 そうしてくるというのです。
「それで縄張りから出たらね」
「帰るんですね」
「そうなんだ」
「それだけですね」
「別にね」
 これといってというのです。
「襲ってこないよ」
「ニホンオオカミは」
「送り犬はこけたら襲ってくると言われているけれど」
 それでもというのです。
「一服しようかと言ったらね」
「襲わないんですね」
「そうした妖怪でね」
 そうであってというのです。
「これは悪い送り犬の場合で」
「いい送り犬だとですね」
「何もしないんだ、そしてニホンオオカミもね」 
 この生きものもというのです。
「特にね」
「襲ってこないですね」
「人はね、小型だしね」
「狼の中では」
「山、森の中に棲んでいて」
 そうであってというのです。
「普通の狼よりもね」
「小型ですね」
「むしろ土佐犬の方が大きいよ」
 そうだというのです。
「それも遥かにね」
「闘犬の犬でね」
「確かに大きいわね」
「大きいので百キロあるし」
「闘犬だから気も強いし」
「怒らせると怖いわ」 
 皆も土佐犬についてお話します。
「犬は色々な種類がいるけれど」
「土佐犬はその中でもかなりよ」
「怖いね」
「喧嘩も強いし」
「先生がいてお話出来ないと僕達じゃ無理かもね」
「うん、その土佐犬と比べてもね」
 先生も言います。
「ニホンオオカミは小型で」
「しかも穏やかで」
「怖くないね」
「貪欲でも残酷でもなくて」
「お付き合いしやすいわ」
「そうだよ、そして他の狼も」 
 ニホンオオカミ以外のというのです。
「悪い生きものじゃないよ」
「それでだね」
 ニーノが先生に言ってきました。
「日本に行っても安全だね」
「うん、施設の中にはその狼も入ってこないしね」
「傍に来てもだね」
「そうした生きものだから」
「安心出来るね」
「そうだよ、日本は猛獣の少ない国でもあるんだよ」
 そうした国だというのです。
「熊はいても基本木の実とか山の幸を食べるしね」
「僕達は襲わないね」
「うん、ただ獣害ははね」
 先生はニーノに困ったお顔になってお話しました。
「深刻な問題だね」
「田畑を荒らして」
 月猫のイティーが言ってきました。
「時として人も襲ったりして」
「山で餌が不足するとね」
「そうした問題が起こるのね」
「だから環境の保護にだよ」
「ニホンオオカミを広めていっているのね」
「日本の山にね」
「昔みたいに」
 先生に問う様に言いました。
「そうしているのね」
「そうなんだ」
 先生はまさにと答えました。
「日本ではね」
「先生が見付けて」
「今そうしたことが進められているんだ」
「狼も必要ね」
「環境にとってね」
「そういうことね」
「そう、それでね」
 そうであってというのです。
「本当に狼はね」
「悪い生きものじゃない」
「このことはわかって欲しいんだ」
 是非にというのです。
「皆にね」
「大切なことね」
「狼が怖いというのは偏見だよ」
 先生は断言しました。
「ゴリラが怖いというのと同じだよ」
「ゴリラって怖くないわよ」
 ピピネラも言います。
「全くね」
「そうだね」
「絶対に暴れないで暴力を振るわないのよ」
「誰も襲わないよ」
「そうなのよね」
「とても穏やかで優しくて繊細な」
 そうしたというのです。
「素敵な生きものだよ」
「ゴリラはね」
「賢者だよ」
 先生はゴリラについてこうも言いました。
「まさにね」
「アフリカの森の賢者ね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「怖がることはないよ」
「ゴリラは」
「完全な菜食主義者だし」
「ゴリラはそうね」
「そうしたことからも誰も襲わないから」
「安心していいわね」
「だからゴリラも怖がらなくていいし」
 そうであってというのです。
「狼だよ」
「そうよね」
「皆安心して日本に来て」
 そうしてというのです。
「楽しんでね」
「そうさせてもらうよ」 
 馬牧場の馬達はまさにと応えました。
「日本でもね」
「牧草も美味しいとね」
 その様にというのです。
「評判だしね」
「そうなんだ」
「日本って牧草も美味しいんだ」
「それは嬉しいね」
「私は食べたことがないけれど」
 先生はそれでもとお話しました。
「日本の馬や牛は皆言ってるよ」
「そうなんだね」
「そういえば土がよくてお水もいい」
「気候もいいから」
「だからなんだ」
 それでというのです。
「楽しみにしていてね」
「うん、牧草のこともね」
「楽しみにしているよ」
「是非ね」
 馬の皆は笑顔で応えました、そうして先生のアドバイスに従って移転の準備に入りました。馬牧場もそうなってです。
 そしてです、先生はその夜移転作業の進行状況を確認して言いました。
「どうも当初の予定よりもね」
「遅れてるのかな」
「だったら残念だね」
「それだと」
「いや、速いんだ」
 こう皆に答えました。
「これがね」
「そうなんだ」
「速いんだ」
「予定よりも」
「それもかなりね」
 晩ご飯を食べつつお話します、メニューはローストビーフにキーウィに林檎、セロリにラディッシュ、レタス、トマトのサラダに蕪と玉葱とハムのコンソメスープ、鱈のムニエルにパンお酒はウイスキーです。
「そうなっているんだ」
「はい、先生が来られてからです」
 一緒に食べているステファン氏が応えます。
「随分とです」
「進んでいるんだね」
「それまでは遅れ気味だったのが」
 移転作業がというのです。
「先生が来られてからです」
「速くなったんだね」
「はい」
 そうだというのです。
「かなり」
「そうなんだね」
「ですから」
 それでというのです。
「本当に先生が来られて」
「よかったんだ」
「はい、とても」
 そうだというのです。
「私達も」
「それなら嬉しいね、私も」
 先生はローストビーフを食べつつ笑顔で応えました。
「ではより一層ね」
「さらにですか」
「励ませてもらうよ」
「宜しくお願いします、ただ」
「ただ?」
「普通お仕事が終われば」
 ステファン氏はスープを飲みつつこうしたことを言いました。
「休憩しますね」
「ああ、日本人はだね」
「何か速く終われば」
「それで終わりじゃないね」
「次のお仕事をっていうところがありますね」
「うん、日本人は時間の限りね」
 先生も言います。
「働くよ」
「そうですね」
「勿論休む場合もあるけれど」
「時間の限り働きますね」
「そうした傾向は強いね」 
 実際にというのです。
「そしてやっているお仕事はね」
「やり遂げますね」
「そうしているよ」
「そうですね」
「ノルマがあると」
 それならというのだ。
「速くしかも確実にね」
「進めていって終わらせる」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「さらにね」
「働いていきますね」
「そうした時が多いよ」
「日本人ってそうだよね」
 ガブガブも確かにと頷きました。
「お仕事について真面目だね」
「趣味にもそうで」
 ジップはそれでと言いました。
「こだわるよね」
「情熱が向いたらとことんやる」
「日本人ってそうだね」
 オシツオサレツは二つの頭で言います。
「真面目で熱心で凝り性」
「凄いよね」
「それでこんなの無理って思っても」
 それでもと言うポリネシアです。
「可能にするんだよね」
「凄い能力だよ」
 トートーも思わず唸ります。
「日本人の情熱を向けた時のやり遂げるそれは」
「だからお仕事も凄いのよ」
 ダブダブはきっぱりと言いました。
「しかも皆まとまるしね」
「そう、あのまとまりも凄いね」
「かなりのものね」
 チープサイドの家族が見てもです。
「皆で一丸になってやる」
「あのまとまりも凄いよ」
「日本人ってすぐにまとまってやると決めたことに全力で向かうから」
 チーチーはそれでと言います。
「その時の仕事はかなりだね」
「一人よりも皆だね」
 老馬はきっぱりと言いました。
「日本人は」
「一人でもお仕事をやり遂げるけれど」
 ホワイティはそれでもと言います。
「皆だと特に凄いよ」
「そのまとまりも凄くて」
 ステファン氏も言います。
「日本人とお仕事していて」
「速く確実にやり遂げて」
「それも皆ですと」
「尚更凄いね」
「そのことに驚きます」
「そうなんだ、日本人はお仕事や趣味に全力を注いでね」
「凝り性で」
「迅速かつ確実に進めて」
 そうしてというのです。
「無理と言われることもやってみせて」
「皆になるとまとまって」
「さらに物凄い力を発揮するから」
 だからだというのです。
「凄いよ」
「そうなんだね」
「その日本人の国民性はね」 
 それはというのです。
「日本人と一緒にお仕事する時は」
「頭に入れておくことですね」
「そうしてね、それとね」
「それと?」
「実はね」
 あらためてです、先生はステファン氏にお話しました。
「前もお話したけれどカレーがね」
「とんでもないことになっていますね」
「インドからイギリスを経てね」
「日本に入って」
「独自の進化それもね」
「それも?」
「カンブリア紀の生きものの様な」 
 そうしたというのです。
「凄いことになっているよ」
「カンブリア紀ですか」
「日本人の国民性がどんどん出て」
 それでというのです。
「ビーフカレーだけでなく」
「他のカレーも出ていますね」
「鶏肉、豚肉、マトンも使えば」
 先生はさらにお話します。
「シーフードもね」
「使って」
「お野菜だけの場合もあれば」
「野菜カレーですね」
「カツレツやハンバーグ、海老フライも使うし」
「本当に色々ですね」
 ステファン氏も応えて言いました。
「そうですね」
「お野菜も日本の豊富なお野菜をふんだんに使うし」
「かなりの種類ですね」
「人参や玉葱、ジャガイモ以外に」
 そうしたものだけでなくというのです。
「茄子やズッキーニ、蕪やトマトやアスパラガスも使うし」
「そうしたものも」
「パイナップルや林檎も入れて」
 そうであってというのです。
「スープカレーとかキーマカレーとかドライカレーもあるんだ」
「そうしたものもありますか」
「それぞれの店オリジナルのカレーもあったりするよ」
「本当にカンブリア紀みたいですね」
 ステファン氏もお話を聞いて思いました。
「お話を聞くだけで」
「かなりだね」
「僕も日本に移りますが」
「うん、そうなるとね」
「日本の色々なカレーを食べられますね」
「そうなるよ」
 先生は笑顔で答えました。
「実際にね」
「楽しみですね」
「しかもご飯にかけるだけじゃないから」
「カレーライスだけじゃないですね」
「シチューみたいに食べることもあるしね」
「本来の食べ方ですね、カレーの」
 ステファン氏はシチューみたいと聞いて言いました。
「パンに付けて食べる」
「そうして食べることもあれば」
 カレーをというのです。
「おうどんやパンにもね」
「使うんですか」
「カレーをね」
 そうだというのです。
「日本ではね」
「ご飯だけじゃないなんて」
「驚くね」
「はい、カレーを何処まで進化させたのか」
「驚くね」
「僕も、では日本では」
「カレーも楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
 先生に笑顔で応えました、そしてウイスキーも飲みます。全部食べ終わるとデザートになったのですが。
 そのデザートの苺のパイとミルクティーを前にしてです、先生はにこりと笑ってこんなことを言いました。
「最後のデザートもね」
「嬉しいよね」
「やっぱりね」
「ここで食べるのが」
「本当に」
「美味しいものを沢山食べて」
 そうしてとです、皆に応えて言います。
「最後はね」
「甘いものだよね」
「何と言っても」
「スイーツに紅茶」
「この組み合わせだね」
「そして紅茶はね」
 それはといいますと。
「ミルクティーだね」
「ホットのね」
「他の飲みものもいいけれど」
「第一はね」
「僕達はミルクティーだね」
「イギリスにいるしね」 
 このこともあってというのです。
「やっぱりね」
「そう、ミルクティーを飲んで」
「スイーツも楽しもう」
「是非ね」
「あの、やっぱり」
 ここでピピネッラが先生に尋ねました。
「日本は苺も」
「色々種類があってね」
「凄いことになっているのね」
「種類が多くて」 
 それでというのです。
「どれも美味しいんだ」
「そうなっているのね」
「だから苺もね」
 こちらもというのです。
「日本では楽しめるよ」
「そうなのね」
「だからね」
 先生はさらにお話します。
「そちらもだよ」
「期待していいのね」
「そうだよ、何かとイギリスと違うところは多くて」
「いいことも多いのね」
「確かに災害は多いけれど」
 それでもというのです。
「いいものは物凄く多くあるよ」
「災害の多さを差し引いても」
「そうした国だよ」
「だから行ってもいいのね」
「君は波乱万丈の鳥生を送って来たけれど」
 ピピネッラはというのです。
「けれどね」
「今はお兄さんと穏やかに暮らしているわ」
「日本でもだよ」
「引き続きなのね」
「穏やかに暮らせるよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのです。
「期待していてね」
「日本に行くことを」
「そう、そしてね」
「実際に日本に行ってもなのね」
「楽しんでもらえるよ」
「そうなのね」
「必ずね、期待や希望は実現される」
 先生は微笑んで言いました。
「そうでないとね」
「駄目よね」
「そうだよ、必ずね」
「先生はそうしてくれるわね」
「その為にここに来ているんだ」
 そうだというのです。
「まさにね」
「そういうことね」
「だからね」
 それでというのです。
「働かせてもらうよ」
「私達の為に」
「皆の幸せの為にね」
 先生は笑顔のまま言いました、そうしてです。
 皆の為に働き続くのでした、パドルビーでのお仕事はまだ続きます。








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