『ドリトル先生と不思議な自衛官』




    第七幕  瀬戸内海の自衛隊

 神戸に戻った先生達はこれまで通り学問と日常のお食事やお酒を楽しんでいました、勿論ティータイムもです。
 この日は休日で先生は動物の皆と一緒にポートピアに出てそちらのお店でティータイムを楽しんでいましたが。
 ここで、です。皆はお店の外の席でミルクティーと苺と生クリームのケーキ、エクレア、スコーンのティーセットを皆と一緒に楽しむ博士に言いました。
「そういえば関西には海上自衛隊の大きな基地って舞鶴はあるけれど」
「神戸とか大阪にはないよね」
「ああした大きな軍港は」
「そうだよね」
「瀬戸内海だね、神戸や大阪は」  
 先生は皆に紅茶を飲みつつ答えました。
「そうだね」
「うん、海はね」
「瀬戸内海だよ」
「広島県や愛媛県もそうよ」
「瀬戸内海に面しているよ」
「瀬戸内海の海上自衛隊は呉の基地があるからね」
 だからだというのです。
「関東で言うと横須賀だよ」
「呉はそうなるんだ」
「だから関西には大きな軍港ないんだ」
「海上自衛隊の基地は」
「そうだよ、軍港をもうけるにも条件が必要でね」
 それでというのです。
「関西にはこれといった場所がなくて」
「呉がそうで」
「あそこに大きな軍港があって」
「関西の海の守りも担ってるんだ」
「そうだよ、その守りつまり防衛にはね」 
 このことについてはというのです。
「当然災害のこともあるからね」
「そうそう、災害だよね」
「日本は色々な災害に昔から悩まされてるけれど」
「地震も台風もあって」
「洪水も津波もあるし」
「そうした災害が起こったり事前に最悪の事態を防ぐのも」
 それもというのです。
「自衛隊であって国防だからね」
「大事だよね」
「それで呉の海自の人達がだね」
「災害が起こってもすぐに来てくれるのね」
「関西でもそうだね」
「そうだよ、呉から神戸や大阪までは目と鼻の先だからね」
 その距離はというのです。
「海ならね」
「そうそう、航路ならね」
「二十四時間進めるしね」
「陸よりすぐに行けるよね」
「自動車や電車で行くよりも」
「結果としてね。しかも多くのものを運べるから」
 船はというのです。
「いいんだよ」
「何かあった時は」
「海からが一番だよね」
「特に日本は海に囲まれているし」
「尚更だよね」
「東日本大震災でもそうだったし」
 航路で救助に向かい行う海上自衛隊が活躍したというのです。
「僕達が今いる神戸だってね」
「阪神大震災があってね」
「神戸がとんでもないことになったし」
「その時自衛隊の人達が救助に活躍してくれてたし」
「海からもだったしね」
「そう、だから関西にとってはね」
 呉の海上自衛隊の基地はというのです。
「凄く重要な場所だよ」
「成程ね」
「関西自体に軍港はなくても」
「呉にある」
「だから大丈夫だね」
「ちなみに呉は大和の母港だったんだ」
 先生はケーキを食べながら笑顔でお話しました。
「あの戦艦のね」
「帝国海軍っていうとあの戦艦だよね」
「何と言っても」
「大きくて格好いい」
「特別な戦艦だね」
「残念なことに戦争末期に撃沈されたけれど」
 それでもというのです。
「あの戦艦は有名だよね」
「本当に帝国海軍の象徴みたいだよ」
「東郷さんが乗艦していた三笠と並んで」
「そう言っていいね」
「凄い戦艦だね」
「その大和が母港としていた」
 そうしていたというのです。
「港なんだ」
「そう思うと凄いね」
「呉は」
「あの大和が母港だったなんて」
「そうだね、しかしね」
 ここで先生はミルクティー片手にこうも言いました。
「大変だったろうね」
「大変?」
「大変っていうと」
「いや、大和はとても大きいから」
 だからだというのです。
「瀬戸内海みたいな複雑な海で動かすことは」
「先生瀬戸内海のことも言ってたね」
「海流は複雑で小島も多い」
「漁船も漁網も」
「まるで迷路みたいなんだよね」
「そうした海だからね」
 瀬戸内海はというのです。
「そこをあそこまで巨大な船が行き来していたってね」
「そういえばかなりだね」
「しかも瀬戸内海って狭いし」
「広島から四国が見える場合があるそうだし」
「そう考えたらね」
「凄いよ、それだけ帝国海軍の操艦技術が凄かったんだ」
 そうだったというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「操艦技術が凄くて」
「それであんな巨大な船でも瀬戸内海を通れたんだね」
「並の操艦技術ではね」
 とてもというのです。
「進めないね」
「そうだよね」
「日本近海って難所ばかりだけれどね」
「瀬戸内海は特に凄いんだよね」
「世界屈指の難所で」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「その難所をいつも通っていることはね」
「かなりだよね」
「本当に驚く位だね」
「考えてみたら」
「それが出来たのは」
 どうしてかとです、先生は皆にお話しました。
「最初から訓練でいたからだね」
「その瀬戸内海に」
「そして他の日本近海の海に」
「そこで最初から訓練してきたから」
「自然と進めるんだね」
「そうだよ、難所も最初からいて」
 そうしてというのです。
「訓練して行き来しているとね」
「自分達の場所になるね」
「ホームグラウンドに」
「果ては遊び場にもね」
「そうなるよ、けれどそうなることがね」 
 実にというのです。
「凄いよ」
「考えてみるとね」
「本当にそうだよね」
「イギリス海軍も操艦技術が有名だけれど」
「帝国海軍も凄くて」
「海上自衛隊もだね」
「つくづくね、特に瀬戸内海にはね」
 この海にはというのです。
「江田島の海上自衛隊幹部候補生学校があるね」
「そうそう」
「かつての海軍兵学校」
「あそこで最初に訓練を受けるのよね」
「教育も」
「瀬戸内海でずっと訓練を受けるから」
 その学校にいればというのです。
「凄くね」
「操艦技術も上がるんだ」
「そうなるんだね」
「必然的に」
「そうだよ、だから今の海上自衛隊も」
 この組織もというのです。
「操艦技術が凄いんだ」
「帝国海軍は大和を動かせて」
「そして今の海自さんもなのね」
「操艦技術凄いんだね」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「本当にね、日本海海戦でもね」
「あの東郷さんが戦った」
「日露戦争でもとくに有名な戦いの一つだね」
「ロシアのバルチック艦隊に完勝した」
「あの海戦だよね」
「天気明朗なれど波高し」
 先生は東郷さんが言ったこの言葉をお話に出しました。
「これは即ちね」
「波が高いとね」
 チーチーが最初に応えました。
「どうしてもね」
「船を操ることが上手でないと」
 さもないと、とです。ジップは言いました。
「満足に進めないね」
「小舟だと転覆するかもね」
「ヨットとかね」
 チープサイドの家族は思いました。
「そうなるわよね」
「波の高さによってな」
「その波の高さの中で満足に戦える」 
「それはどうしてか」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「帝国海軍がいつも訓練していてね」
「操鑑技術が凄かったから」
「軍艦を進ませられて」 
 そしてと言うトートーでした。
「攻撃も行えたかららね」
「波が高いと揺れて」 
 ガブガブはそうなると、と言います。
「船に慣れていないと自分も揺れて大変だし」
「船酔いだってするわよ」 
 ポリネシアはこちらのお話をしました。
「人によっては」
「そうなったらもう戦うどころじゃないね」  
 ダブダブはしみじみと思いました。
「本当にね」
「全くだね」 
 ホワイティはダブダブの言葉に頷きました。
「僕達も先生も船酔いしないけれど」
「船の揺れに慣れるにも訓練が必要で」
 老馬はそこから考えました。
「そう考えると相当だよね」
「ローマは一日にして成らずと言うけれど」
 先生は皆にお話しました。
「それはローマだけじゃないよ」
「何でもそうだよね」
「少しずつコツコツことを進めていく」
「そうして成っていくもので」
「軍隊もそうで」
「帝国海軍もそうだったからね」
 こうお話するのでした。
「それでだよ」
「長い間訓練してきて」
「それだけの操艦技術を身に着けてきたんだね」
「それぞれの軍人さん達が」
「そうしてきたんだね」
「そして今も」
「そうだよ、凄いことだよ」 
 唸った口調でした。
「このこともね」
「全くだね」
「大和みたいな巨大な軍艦を瀬戸内海みたいな難所で動かして」
「そして他の軍艦もそうで」
「今の海上自衛隊もそうで」
「脱帽するよ」
 先生は心から言いました。
「僕もね」
「僕達イギリス生まれでね」
「海軍の国だけれど」
「その私達も思うわね」
「素直にね」
「全くだよ、イギリス海軍は帝国海軍のお師匠さんにあたるけれど」
 それでもというのです。
「けれどね」
「それでもだよね」
「帝国海軍はお師匠さん超えたかもね」
「操艦技術見ても」
「そうかも知れないね」
「そうも思うよ」 
 先生としてはです。
「その歴史を見るとね」
「全くだね」
「そしてその歴史は海上自衛隊にも受け継がれている」
「そうなっているね」
「途絶えたんじゃなくて」
「自衛隊はやっぱりね」
 この組織はというのです。
「軍隊でね」
「日本軍の伝統が受け継がれてるよね」
「海自さんもそうで」
「空自さんもで」
「やっぱり陸自さんも」
「陸自さんはかなりアメリカ軍の考えが入っているけれど」 
 それでもというのです。
「元々警察予備隊としてはじまった時に」
「一旦解体されて」
「それから発足したんだよね」
「警察予備隊が」
「それが自衛隊になったね」
「その警察予備隊に」
 この組織にというのです。
「かつての日本軍の人が大勢入ったからね」
「陸軍将校だった人も」
「今の陸上自衛隊に入隊したから」
「それでだよね」
「伝統は受け継がれてるね」
「帝国陸軍のそれも」
「そうだよ、それは悪いことじゃないから」
 決してというのです。
「軍隊の伝統が続くと」
「いい考え方も受け継がれて」
「知識や経験もだよね」
「そうなっていって」
「いいよね」
「そうだよ、一日にして成らずだからね」
 どんなこともというのです。
「だからね」
「それでだよね」
「日本軍と自衛隊もそうで」
「伝統が受け継がれる」
「知識や経験も」
「とてもいいことだよ、ただ」
 それでもと言う先生でした。
「どうしても悪い部分もね」
「出来るよね」
「世の中のものは」
「何でもね」
「いいものもあればね」
「当然悪いものもあるね」
「そうしたものは受け継いだら駄目でね」
 そうであってというのです。
「出来るだけね」
「なくしていかないとね」
「どうしても」
「そうしたものは」
「そうだよ、悪いことは伝統にしないで」
 そうしてというのです。
「気付けばなおす」
「あらためる」
「そしてなくしていく」
「そうしないとね」
「どうしても」
「だから問題点がないか」
 先生は皆にお話しました。
「常にね」
「チェックしないとね」
「さもないとね」
「そうしていかないと駄目だね」
「本当に」
「そうだよ、悪いことも受け継がれる場合があるけれど」
 それでもというのです。
「出来るだけね」
「悪いことはなおしていく」
「常に問題点がないかチェックして」
「そしてあらためていく」
「問題があるってわかったら」
「そうしてこそだよ」
 まさにというのです。
「人も組織もね」
「よくなっていくよね」
「少しずつでも」
「そうなっていくね」
「そういうものだよ、ただ悪いところをなおすことは」
 このことはといいますと。
「時としてね」
「難しいよね」
「これが中々ね」
「気付いてもね」
「そうだよね」
「僕だってね」
 先生ご自身もというのです。
「何かとあるしね」
「僕達だってそうだね」
「それぞれ悪いところがあるね」
「短所がね」
「どうしても」
「気付いてもね」
 短所、悪いところにというのです。
「そうなってもだよ」
「なおすのに苦労する場合があるね」
「長い時間がかかったりするね」
「人もそうで」
「組織もだね」
「うん、けれどそうした努力もしていって」
 そうしていってというのです。
「そのうえでね」
「さらにだよね」
「どうしていくかだよね」
「いいところは伸ばしていかないといけないし」
「そうしたところはね」
「常に自らを見つめなおして」 
 そうしてというのです。
「問題点を探して、そしていいところも伸ばす」
「努力だね」
「それをしていくべきだね」
「人も生きものも」
「組織も」
「皆ね、無敵だとか弱点はないとか思ったら」
 そうしたらというのです。
「まさにね」
「そこにだよね」
「慢心や油断が生じて」
「問題点が生まれる」
「そうなるね」
「そうだよ、問題はないと思ったら」
 そう考えたらというのです。
「もうね」
「そこにだよね」
「問題が生じる」
「まさにその時に」
「そういうものだよ。問題のないものなんてね」
 それこそというのです。
「ないよ」
「世の中にはね」
「世の中には完璧なものもないから」
「だからだね」
「どんな人も生きものも組織も問題があるね」
「欠点と言っていいよ、そして国家と国民を守るには」
 それにはというのです。
「出来るだけ問題がなくて深刻でない」
「そうした組織でないと駄目だね」
「自衛隊も」
「そうだよね」
「そう、だから常にチェックして」
 組織をというのです。
「改善していくことだよ、自分達で気付けばいいけれど」
「そうもいかないね」
「どうしても」
「そうだよね」
「そうだよ、だから国民もね」
 即ち日本人もというのです。
「いつも自衛隊を見て」
「問題点がないか確認する」
「その長所と短所を把握する」
「そして短所を出来るだけ改善していく」
「そうすることが大事だね」
「そうだよ、改善しないとね」 
 さもないと、というのです。
「よくならないよ、国民はね」
「自衛隊の問題点を見付けて改善していく」
「そうしていくことも大事だね」
「そうだね」
「スポーツでもそうだね」
 こちらでもというのです。
「問題点を改善したチームは強くなってね」
「優勝もするね」
「そうなるね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「自衛隊もだよ」
「同じだね」
「国民も問題点を見付けて改善していく」
「そうしていきますね」
「まずは」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「よりよい自衛隊にしていかないとね」
「強くていざという時に素早く対応出来る」
「それも的確に」
「そうした自衛隊でないと駄目だね」
「本当に」
「そうだよ、自衛隊の人達も努力して」 
 強くて何かあれば的確に動ける様にです。
「国民も問題点をチェックしてね」
「改善を促す」
「それを行うのは政治家の人達だけれど」
「政治として」
「それならだね」
「政治家に声を届けることだね」
「そうすることだよ」 
 まさにというのです。
「本当にね」
「そういうことだね」
「国民は有権者だし」
「政治家の人にお話していく」
「そうすることだね」
「それも大事なことだよ」
 こう言うのでした。
 先生はポートピアでティータイムを楽しんでからそのうえでお家に帰りました、今日の晩ご飯は焼きそばでしたが。
 豚肉にイカ、キャベツにもやしが入っていて紅生姜や青海苔や揚げ玉や鰹節で味付けされたソース焼きそばを食べつつです。
 先生は皆にです、こう言いました。
「政策として政治家の人達にお話することもね」
「大事だよね」
「自分達からね」
「国民から」
「そうだよ、問題は言わないとね」
 さもないと、というのです。
「表に出ないからね」
「それがあってもね」
「世の中に言わないとね」
「政治なら政治家の人達に」
「そうしないとね」
「どうにもならないからね」
 だからだというのです。
「本当にね」
「選挙で投票するだけじゃなくて」
「政治家の人達にも言う」
「政策としてどうかと声をあげる」
「それも大事だね」
「昔はロビイストといってね」
 先生は皆に焼きそばを食べつつお話します。
「政治家の事務所とか議員会館とかでね」
「お話してたんだね」
「政策を提案する」
「有権者の要望を言う」
「そうしていたんだね」
「それが今はインターネットがあるから」
 だからだというのです。
「サイトから直接ね」
「言えるね」
「先生が今言ったのはロビー活動だけれど」
「そうしたことをしなくても」
「誰でも言えるね」
「そうだよ、だからね」  
 そうした状況だからだというのです。
「ここはね」
「そうしていくことだね」
「政策を提言していく」
「自衛隊についても」
「それが大事だね」
「そう、問題点をいつもチェックして」
 そうしてというのです。
「政策としてね」
「それでだね」
「より強い自衛隊にしていく」
「そうしないと駄目だね」
「そうだよ、国民が有権者だから」
 だからだというのです。
「そうしていかないとね」
「それが民主主義だよね」
「選挙に行ってね」
「必要なら政治家の人達に声を届ける」
「そうしていかないと駄目だね」
「そうだよ、それが民主主義だよ」
 こう言うのです。
「自分たち国民が動く」
「まずは」
「しっかりと見て考えて」
「そのうえで、だね」
「行動していくことだね」
「そうだよ、そうすることが大事だよ」 
 まさにというのです。
「本当にね」
「成程ね」
「そういうことだね」
「先生の考えはいつもしっかりしているけれど」
「政治についてもそうね」
「民主主義についても」
「そうだよ、それがいい国を作り上げていって」
 そうしていってというのです。
「豊かな国にしてね」
「そうしてだよね」
「幸せな国にしていく」
「そうしていくね」
「そして自分達も守るね」
「そうだよ、自衛隊にしてもね」
 この組織もというのです。
「強く立派にしていくから」
「ちゃんと見ることだね」
「そして改善すべきポイントを見付ける」
「長所は伸ばして」
「そうすることだね」
「そうだよ、しかしね」
 それでもというのです。
「自衛隊の問題点ははっきりしているかな」
「そうなんだ」
「いい組織だけれど」
「やっぱり問題点があって」
「それははっきりしているんだ」
「そうだと思うよ、それはね」
 問題点はといいますと。
「法整備の問題で即応が取りにくいところがまだあるね」
「阪神大震災の時に問題になったんだったね」
「そのことが」
「それで最初の動きが遅れて」
「もっと多くの人が助けられたかもね」
「それに兵器が高価なんだ」 
 自衛隊のそちらはというのです。
「アメリカ軍とかと比べてもね」
「ああ、何か言われてるね」
「戦車が高過ぎるって」
「銃にしても」
「特に護衛艦が」
「その海自さんが持っているね」
「だからね」
 それでというのです。
「そうしたところはね」
「改善しないとね」
「やっぱりね」
「何かとね」
「そして人手不足だね」
 焼きそばを食べてでした、そのうえでよく冷えたストロング系のレモンのお酒を飲んでそうして皆に言うのでした。
「どうにも」
「ああ、人手はね」
 老馬もそれはと応えました。
「確かにあまりないね」
「ちらほら聞くね」
「そうよね」
 チープサイドの家族もお話します。
「時々ね」
「自衛隊のことを調べていたら」
「それでいつも困ってるって」
 ガブガブも言います。
「言われているね」
「結構日本全体で問題になっていることだけれど」
 それでもと言うダブダブでした。
「自衛隊でもだね」
「そういえば自衛隊って規模小さいしね」 
 ジップも言いました。
「人口と比べて」
「実は普通の時の日本もだったんだったね」
 チーチーは戦前のお話をしました。
「軍の規模は案外小さかったね」
「国民皆兵とかいうイメージあっても」
 ポリネシアは言いました。
「実際は違っていて」
「徴兵制でも人は物凄く厳しく選んでいたから」
 それでとです、トートーは言うのでした。
「昔の日本軍も規模は小さかったね」
「予算とかの関係でそうだったけれど」
 ホワイティは言いました。
「自衛隊も色々事情があってだね」
「案外規模は小さくて」
「人手も不足しているんだね」
 オシツオサレツは二つの頭でお話します。
「そしてそのことも問題なんだね」
「どうしても」
「そうなんだ、ただ解決方法はあって」
 その人手不足をです。
「採用基準をちょっと緩めたらね」
「それでいいんだ」
「人が多く入って来て」
「それで解消するんだ」
「そうなの」
「そうなんだ、このことはね」
 人手付録の問題はというのです。
「こうしたら結構簡単にね」
「解決するんだ」
「採用基準緩めたら」
「それでなのね」
「今の採用基準はかなり厳しいからね」 
 自衛隊のそれはというのです。
「だからね」
「それでだね」
「入隊する人が少ない」
「どうしても」
「それが人手不足につながっているんだ」
「今の基準を多少緩めてもね」
 そうしてもというのです。
「相当に厳しいから」
「緩めてもいい人が入って来るね」
「確かな人達が」
「そうなるね」
「それに入隊してから厳しく教育されるから」 
 このこともあってというのです。
「多少緩めてもね」
「いいね」
「それで人手不足が解消するんだ」
「そうだね」
「そう、そしてね」
 先生は焼きそばを食べてお酒を飲みつつさらにお話します。
「よくこうしたお話したら徴兵制がどうとか言う人いるけれどね」
「ないよね」
「先生よく言ってるけれど」
「今の日本で徴兵制はないね」
「絶対に」
「そもそも戦前の徴兵制でもね」
 日本のというのです。
「採用基準が滅茶苦茶厳しかったんだ」
「体格がよくて品行方正」
「そうでないとだよね」
「徴兵制も合格しない」
「そうだったね」
「それこそクラスで一人か二人位しかね」
 それこそというのです。
「合格しなかったよ」
「それだけ厳しいと合格する方が凄いね」
「兵隊さんになる方が」
「むしろね」
「そうだよ、若し戦前の徴兵制を復活させたら」
 そうしたらというのです。
「もうね」
「それこそだよね」
「かえって人が少なくなるよね」
「そうなるよね」
「そうだよ、しかも二年や三年でいなくなる人よりも」
 徴兵制は任期制なのでそれ位で任期満了で軍隊を去るのです、先生は徴兵制度のこのことも知っているのです。
「ずっといてね」
「そうだよね」
「しっかり働いてくれる人の方がいいよね」
「徴兵制って義務だしね」
「どうしてもやる気は乏しいし」
「志願する人と比べて」
「志願する人達は是非にと思ってるよ」 
 そうした人達だというのです。
「だから士気も高くてね」
「それでだよね」
「長くもいてくれるからね」
「だからいいよね」
「徴兵制よりもずっと」
「それがわかっていない人は勉強すべきだよ」
 是非にというのです。
「今の日本もっと言えば今の軍隊はね」
「志願制の方がいいね」
「その国それぞれの事情があっても」
「それでもだよね」
「志願制の方がいいね」
「やる気のある人がずっといてくれて」
 そうしてというのです。
「頑張ってくれるなら」
「その方がいいよね」
「何といっても」
「今の兵器ってかなり専門的だし」
「軍隊の技術も」
「それですぐにいなくなる徴兵制よりも」
 むしろというのです。
「志願制だよ」
「全くだね」
「いや、本当にね」
「先生の言う通りよ」
「先生はよくわかってるね」
「こうしたことも」
「学んでいるからね。それに軍隊はあまり大きくても」
 自衛隊は規模が小さく人手不足が問題でもというのです。
「それはそれで問題だよ」
「軍事費がかかって」
「それが国の財政の負担になるから」
「それでだね」
「問題だね」
「実際日露戦争の後日本は戦費で苦しんだしね」
 日本にしてもというのです。
「戦前の日本はいつも国家の発展と国防のバランスに苦労したしね」
「国を守ってね」
「そして国を豊かにする」
「その両方をやっていかないといけないから」
「苦労していたね」
「もっといい例として北朝鮮だよ」 
 この国だというのです。
「何故か日本に徴兵制度が復活するとか言う人の多くはこの国が好きだけれど」
「あからさまに矛盾してるよね」
「あの国徴兵制だしね」
「それも国民皆兵の」
「そんな国だから」
「そうだけれどね」
 そうした国だからだというのです。
「人口と比べて軍隊は巨大だし」
「自衛隊の何倍も大きいんだよね」
「日本の何分の一の人口で」
「日本は一億二千万いくかいかないか」
「北朝鮮は二千万ちょっとだね」
 それ位だというのです。
「それで自衛隊は陸空海合わせて二十万かな」
「それ位かしらね」
「対する北朝鮮軍は百万以上」
「一億二千万で二十万ちょっととね」
「二千万で百万以上じゃね」
「比べ様もないよ、全くね」
 それこそというのです。
「数字だけ見ても」
「全然違うね」
「北朝鮮なんて有り得ないよね」
「それだけの人口で百万以上の軍隊って」
「滅茶苦茶よ」
「だから財政が破綻しているんだ」
 北朝鮮はというのです。
「軍事費が多過ぎてね」
「あの国はないですよね」
 トミーもそれはと言いました。
「流石に」
「トミーもそう思うね」
「はい、軍隊が大き過ぎて」
 国家の規模と比較してです。
「そしてです」
「軍事費が多過ぎてね」
「あれじゃあ駄目ですよね」
「そうした状況がずっと続いているからね」
 その為にというのです。
「ああなっているよ、しかも軍人さんばかり多くてもね」
「他の分野の働き手も足りなくなるので」
「産業に力を入れようにもね」
 そうしてもというのです。
「予算も人手もね」
「なくて」
「上手くいかないよ」
「だからあの国は余計に駄目なんですね」
「そうだよ、本当に軍隊は大き過ぎてもね」
「北朝鮮を見てもわわかりますね」
「よくないよ」
「そうですね」
「あくまでね」
 それこそというのです。
「バランスよくだよ」
「軍隊はあるべきですね」
「自衛隊は人手不足でもね」
「北朝鮮軍みたいになったら駄目ですね」
「流石に今の日本の人の殆どは頭がよくて物事もわかっているから」
 だからだというのです。
「北朝鮮みたいな政治をしろとはね」
「言わないですね」
「あんな政治をしたら」
「絶対に駄目ですね」
「うん、戦前の日本なんて何でもないよ」
 それこそというのです。
「あの国と比べたら」
「あの国は酷過ぎますね」
「そうだよ、しかし戦前の日本は全否定して」 
 先生は焼きそばを食べつつ首を傾げさせます、ソースと紅生姜や鰹節の濃厚な味を楽しみながらです。
「北朝鮮は全肯定なのはね」
「おかしいですね」
「今の日本も否定してだよ」
「あの国には変な擁護もしますね」
「そうすることはね」
 どうしてもというのです。
「おかしいよ」
「あんなおかしな国ないですからね」
「無法の限りを尽くしてね」
「個人崇拝で」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「軍隊もああだからね」
「それじゃあですね」
「もうどっちがおかしいか」
「一目瞭然ですね」
「僕はこうした考えの人は絶対に信用出来ないよ」
 それこそというのです。
「日本を否定して北朝鮮を肯定する人は」
「どっちがおかしいか一目瞭然ですからね」
「だからね」
 その為にというのです。
「そんなこともわからないか北朝鮮みたいな考えで」
「それで、ですね」
「言っているとしか思えないからね」
「信用出来ないですね」
「徴兵制反対を言うなら」
 それならというのです。
「日本に言うよりね」
「北朝鮮に言うべきですね」
「現在進行形で徴兵制を行っていてね」
 そうしていてというのです。
「しかもあそこまで巨大な軍隊だから」
「よく軍国主義反対とかも言ってますね」
「その軍国主義もね」
「北朝鮮がそうですね」
「そのものだよ」
 まさにというのです。
「軍国主義を言うならね」
「北朝鮮こそそうで」
「そうであってね」
 先生はさらにお話します。
「あの国を批判してね」
「問題と言わないとですね」
「おかしいよ」
「その通りですね」
「本当に戦前の日本よりも遥かに」
「あの国は問題で」
「異常だよ」 
 まさにというのです。
「本当にね」
「そう言うしかないですね」
「クリスマスをお祝いしたら死刑だそうだし」
「意味がわからないですが」 
 クリスマスをお祝いしたら死刑になると聞いてです、トミーは先生に首を傾げさせて言うのでした。
「全く」
「まああの国は共産主義と言っているから」
「自称ですね」
「全然そうじゃないけれどね」
「共産主義は階級も世襲もないですからね」
「そうしたものを否定しているからね」
 だからだというのです。
「そうしたことが看板にもなっているよ」
「君主や貴族も否定していますね」
「党の中で序列があって軍人さんや官僚さんが偉くなるとね」
「支配階級みたいになりますね」
「そうなるけれど」
 それでもというのです。
「けれどね」
「はっきり定めてはいないですね」
「うん、北朝鮮は定めているからね」
「生まれで」
「革命にどれだけ忠実な家かと」
 その生まれでというのです。
「階級化しているよ」
「酷いですね」
「それで世襲もね」
「していますね」
「特に将軍様について。けれどね」
 そうした社会であってもというのです。
「自称はね」
「共産主義なので」
「それでだよ」
 その為にというのです。
「宗教を否定していて」
「それで、ですか」
「あと個人崇拝だしね」
「サンタさんを崇拝してはいけないので」
「そうしてるのかな、兎に角ね」
「クリスマスをお祝いしたら死刑になる様な」
「そんな酷い国だよ」
 先生はとても嫌そうにお話しました。
「あの国はね」
「つくづく戦前の日本より遥かに酷いですね」
「今の日本よりもね」
「そうですね」
「その国が好きというのも変だけれど」
 この上なくというのです。
「それでね」
「北朝鮮の問題点を無視して日本を批判することは」
「矛盾どころじゃないよ」
「あからさまにおかしいですね」
「そう思うよ、日本軍も自衛隊も問題はあったしあるけれど」 
 このことは事実でもというのです。
「北朝鮮の軍隊と比べたら」
「至って健全でまともだよ」
「確かなことですよね」
「断言出来るよ」
 先生はトミーに言いました、そうしてです。
 皆と一緒に焼きそばを食べてでした、そのうえでお酒も飲みました。晩ご飯も心から楽しんだのでした。 








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