『ドリトル先生とラーメン』




               第十一幕  お静さんに連れられて行って

 猫又のお静さんが先生のお家に来て言ってきました。
「先生聞いたわ、今学園の中でラーメンについてのアンケート取ってるのね」
「そうだよ」
 先生はお静さんに笑顔で答えました。
「好きなラーメンや最初に受けたイメージや今どう思っているかをね」
「そうなのね」
「この学園は世界から人が来ているから」
 このこともあってというのです。
「それでね」
「色々となのね」
「アンケートで聞いてるんだ」
「そうしてるのよね、それならね」
 お静さんは猫のお姿で先生に言いました。
「実はいいお店知ってるの」
「ラーメンが美味しい」
「そう、西宮のね」 
 こちらのというのです。
「西宮大社の近くの」
「あちらのなんだ」
「そう、いいお店知ってるから」
 それでというのです。
「今から行く?」
「実は今日トミーお昼いないんだ」
 先生はお静さんにこのことをお話しました。
「それで今から皆とお買いものに行って」
「お昼何か買ってなの」
「ガブガブに作ってもらってね」
 そうしてというのです。
「いただこうと思っていたけれど」
「じゃあそのお昼はね」
「西宮に行ってだね」
「ラーメンにしましょう、電車に乗って」
「そうしてだね」
「食べに行きましょう、皆もね」
 お静さんは動物の皆今も先生と一緒にいる彼等も見てその上で彼等に対して微笑んで声をかけました。
「どうかしら」
「いいね」
「それじゃあね」
「一緒に行こう」
「そのラーメンを食べにね」
「じゃあ決まりね、行きましょう」
 こうしてでした。
 先生はお静さんそして皆と一緒にでした。
 電車で西宮に行きました、そしてお静さんに案内されて大社の近くのそのお店に行こうとしました、ですが。
「あっ、先生ですか」
「春琴さんじゃないか」
「はい、暫く振りです」
 お店の前で春琴さんにお会いしました、今は着物姿でなくジーンズにシャツというラフな格好です。
「実はこのお店のラーメンが美味しいので」
「知ってるんだ」
「はい、大阪から来ました」
「そうなんだね」
「それで先生もですね」
「私が紹介したの」
 お静さんは今は人間のお姿何処か猫を思わせる愛嬌のある顔立ちの黒髪をロングにした小型でスタイルのいい若い女性の姿で言います。
「そうしたの」
「貴女ひょっとして」
「学園にも出入りしてるわよ」
「妖怪さんね」
「わかるわね」
「だって雰囲気がね」
 春琴さんはこのことから言いました、
「何処か違うから」
「私は猫又よ」
 お静さんは自分から言いました。
「その妖怪よ」
「道理で猫みたいな感じがするのね」
「ええ、それでね」
「今からなのね」
「私達もこのお店でラーメン食べるの」
 こう春琴さんにお話します。
「そうするのよ」
「それじゃあ一緒に食べない?」
 春琴さんはお静さんのお話を受けてこう提案しました。
「そうしない?」
「そうね。お互い先生のお友達みたいだし」
 それならとです、お静さんも応えました。
「これからね」
「一緒にラーメン食べましょう」
「そうしましょう」
 こうお話してでした。
 皆でお店に入ってラーメンを注文しました、その上でラーメンを食べますがお静さんも春琴さんも一口食べて言いました。
「美味しいわ」
「そうよね」
「相変わらずのコシとスープのコクで」
「風味もよくてね」
「メンマもチャーシューもよくて」
「とても美味しいわ」
「そうだね」
 先生も食べて言いました。
「美味しいね。それにラーメン以外のものもね」
「先生餃子と炒飯も頼んでるからね」
「八宝菜もね」
「ラーメンだけじゃなくてね」
「僕達と一緒に食べてるね」
 皆がここで先生に言ってきました。
「そうしてるね」
「お二人はラーメンだけだけれど」
「先生は他のものも注文して」
「しっかり食べてるね」
「そうね、実は私またグラビアのお仕事あるから」
 春琴さんはこのことを言いました。
「あまりね」
「食べられないんだ」
「グラビアのお仕事してますと」
 先生に言うのでした。
「写真の修正は出来ても」
「出来るだけだね」
「はい、あまりです」
「スタイルを崩したらいけないね」
「ですから適度な運動をして」
 そしてというのです。
「食べ過ぎない様にもです」
「しているんだね」
「私は落語家ですが」 
 それでもというのだ。
「グラビアのお仕事もしてるので」
「それでまたあるから」
「ですから」
 それでというのです。
「スタイルを維持する為に」
「あまり食べられないんだね」
「節制してます、栄養バランスをしっかり考えて」
 そうしてというのです。
「節制もです」
「しているんだね」
「そうしています」
 こう言うのでした。
「私は」
「そうなんだね」
「はい、ですから」
「今はラーメン一杯だね」
「それとお野菜に鶏肉あとお魚を」
 こうしたものをというのです。
「よく食べています」
「最近はそうなんだ」
「スタイル維持の為に」
「あんた美人さんだからね」
 お静さんは春琴さんの外見を見て言いました。
「それならね」
「グラビアのお仕事も来るって言うのね」
「あれでしょ、水着になるんでしょ」
「下着にもなるしコスプレにもね」
「なるのね」
「勿論落語のお仕事がメインだけれど」
 それでもというのです。
「そちらのお仕事もね」
「あるのね」
「実際に事務所の方も」
「八条芸能?」
「女優さんやアイド津の人達もいるから」
 この事務所にはというのです。
「その人達もグラビアのお仕事していて」
「あんたもなのね」
「何でも女性のタレントさんだと」
 それならというのです。
「普通にね」
「グラビアのお仕事来るのね」
「その需要があるから」
 だからだというのです。
「私もね」
「供給役になってるのね」
「そうなの、それでグラビアになった雑誌や写真集が売れて」
 そうもなってというのです。
「私の人気が上がって収入にもね」
「なってるのね」
「確かに人前で水着になるのは抵抗があったわ」
「最初は」
「けれどそれで人気が出るから」
 それでというのです。
「これもお仕事だってね」
「今は割り切ってるのね」
「それでね」 
 そのうえでというのです。
「そのお仕事に向けてね」
「節制もしてるのね」
「そうなの。お昼はこれだけにして」
 ラーメン一杯でというのです。
「午後は神戸でお仕事あるから」
「そっちに行って」
「それで終わったらジムで身体動かして」
 そうしてというのです。
「夜はお野菜とお魚を食べるわ。お酒もね」
「お酒もカロリーあるし」
「今は飲まない様にするわ。ラーメンも結構カロリーあるしね」
「だからラーメンを食べたら」
「暫く食べないわ」
「タレントさんも大変ね」
「どんなお仕事もでしょ」
 お静さんににこりと笑って言います、そうしてでした。
 皆でラーメンを食べてそれで、でした。
 春雨亭春琴さんは神戸の今日のお仕事の場所に行ってでした、先生達はお静さんと一緒に神戸の八条町に戻りましたが。
 帰りの電車の中で先生は満足している笑顔で言いました。
「ラーメンも美味しかったけれど」
「他のものもだったね」
 ホワイティが言ってきました。
「よかったね」
「餃子も炒飯も八宝菜もで」
 チーチーが言ってきました。
「凄くよかったね」
「いや、ラーメンだけじゃないって」
 それがと言うトートーでした。
「それもよかったね」
「確かにラーメンを食べに来たからそれが第一だけれど」
「他のお料理も美味しいと尚更よ」
 チープサイドの家族も言います。
「満足出来るわ」
「尚更ね」
「僕達炒飯を主食にしてラーメンとかをおかずにしていたけれど」 
 老馬はその食べ方のお話をしました。
「やっぱりいいよね」
「餃子定食だってあるし」
 こう言ったのはポリネシアでした。
「本当に関西じゃ普通ね」
「普通に美味しいと言っていいよ」
 ダブダブは断言しました。
「ラーメンだって餃子だっておかずになるし」
「八宝菜だけじゃないのよ」
 ガブガブは言いました。
「本当に炭水化物だっておかずになるのよ」
「中華料理でもね」
 それでもと言ったのはジップです。
「なるものはなるんだよ」
「それで美味しいから問題なし」
「そうじゃない?」 
 オシツオサレツは二つの頭で言い切りました。
「もうね」
「他の国や地域になくても」
「少なくとも先生は満足して私達もだし」
 お静さんも言います。
「問題なしよ。というか私もラーメンおかずにしてるわよ」
「関西にいるからだね」
「そうよ」
 先生にはっきりとした声で答えました。
「その食べ方に親しんでいるわ」
「そうだね」
「だからさっきもね」
「ラーメンとご飯頼んでいてね」
「食べていたでしょ」
「美味しくね」
「いや、この食べ方を楽しめないなら」
 それならというのです。
「私としてはね」
「残念だね」
「中華街に行ってね」
 神戸のというのです。
「あそこの華僑の人達って最初はね」
「あれだけ、麺類や餃子を食べると」
「そう、ご飯は食べないのよ」
「お饅頭でも包でも」
「餅でもね。餅といっても」 
 それでもというのです。
「小麦粉を練ったものを焼いた」
「あちらの餅だね」
「もう一つの餅米をついたお餅じゃなくて」
「そっちの餅を食べても」
「それでもね」
「主食にするね」
「そこが本当によ」
 まさにというのです。
「麦を主食とする」
「中国の食文化が出ているね」
「日本の関西以外の国や地域もよね」
「そうだよ、しかしこの食べ方がね」 
 ラーメンや餃子をおかずにするそれがとです、先生はお静さんに対して微笑んでお話するのでした。
「またね」
「美味しいのよね」
「そうだね」
「先生もそれを楽しんだわね」
「そうしたよ、そして」
 そのうえでというのです。
「今もね」
「満腹したわね」
「そうなったよ、ではお家に帰ったら」
 先生はそれからのこともお話しました。
「また学問だよ」
「好きね、本当に」
「それにアンケートの方もね」
 こちらもというのです。
「そろそろね」
「終わるのね」
「締め切りになるから」
 その時が来るからだというのです。
「それでね」
「そちらのこともなのね」
「していくよ。それで一番人気のラーメンは」
 それはといいますと。
「関西の薄口醤油の」
「鶏ガラね」
「そちらのラーメンになりそうだよ」
「そうなのね」
「関西でアンケートを取っていると」
 それならというのです。
「当然の様にね」
「なったのね」
「そうだよ、しかしね」
「しかし?」
「各国の人達のコメントを見ると」 
 そうすると、とです。先生はこちらのお話もしました。
「面白かったよ」
「色々な意見があって」
「最初見て面白い日本料理とかね」
「言っていて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「食べてみて美味しいとも味が薄いともね」
「色々な意見もあったのね」
「そうなんだ、そして今もね」
 まさにというのです。
「食べてるってね」
「言ってるのね」
「そんな人ばかりだよ、最初はどう思っても」 
 それでもというのです。
「クセになるみたいだね」
「ラーメンを食べること自体が」
「そこはカレーと同じみたいだね」
「ああ、あのお料理もね」
 お静さんはカレーとも聞いてこう返しました。
「言われると時々ね」
「食べたくなるね」
「そして食べるわ」
「そうした食べものだね」
「ラーメンも」 
 ひいてはこのお料理もというのです。
「そうね」
「クセになる食べものだね」
「時々今みたいに食べたくなって」
 そしてというのです。
「無性にね」
「食べるね」
「ええ、それで明治からね」
「ずっと食べているね」
「中華そばって言われてた頃から」
 まさにその頃からというのです。
「そうしているわ」
「そうだね」
「昔から麺類も好きだったのよ」
 お静さんは先生に言いました。
「それでおうどんもよ」
「好きだね」
「けれどね」
 それと共にというのです。
「今はね」
「ラーメンもだね」
「好きよ」 
 そうだというのです。
「それで今も食べられてね」
「満足しているね」
「妖怪の間でもラーメンは人気あるの」
「皆食べてるんだね」
「そうしているわ」
 妖怪の人達もというのです。
「八条学園でもね」
「インスタントラーメンもかな」
「勿論よ」
 笑顔での返事でした。
「皆ね」
「食べてるんだね」
「そうしているわ」
「インスタントラーメンもいいからね」
「ああした食べものが出て来て」
 それでと言うお静さんでした。
「私達も嬉しいわ」
「手軽に食べられてね」
「しかも美味しいから」
 だからだというのです。
「凄くね」
「好きなんだね」
「そうよ、ただ好みはね」
「それぞれだね」
「インスタントラーメンって物凄い種類があるでしょ」
 お静さんは先生にこちらのお話もしました。
「だからね」
「好みはだね」
「色々よ。私は好きやねんとかね」
「関西風が好きだね」
「それで夜行さんとか九州の妖怪さんは」
「うまかっちゃんかな」
「そう、そっちの味でね」
「それぞれだね」
「コロボックルさん達は北海道よ」
 こちらだというのです。
「旭川とかサッポロ一番とかね」
「あのシリーズだね」
「あのシリーズは全体的に人気あるけれどね」
「塩ラーメンとかだね」
「コロボックルさん達はそちらなのよ」
 北海道のものがお好きだというのです。
「好みがあるわ、出身ごとでね」
「やっぱりそうなるね」
「あと私ワンタンメンも好きよ」
「あれなんだ」
「あれがずっと好きで」
 それでというのです。
「出てからもう何十年も経つけれど」
「食べてるんだね」
「そうしているわ、いいわよね」
「うん、ワンタンメンもまたね」
 先生も笑顔で頷いて答えました。
「インスタントラーメンの一つのね」
「王道よね」
「そうだよ」
 そこまで言っていいものだとです、先生も答えました。
「そう言っていい位のものだよ」
「そうよね、だからね」
「ずっとだね」
「食べているわ、もうどの妖怪さんも」
 まさに皆がというのです。
「インスタントラーメン好きよ」
「そうなんだね」
「だから夜になると学園の何処かでね」
「インスタントラーメンを肴に」
「飲んでる妖怪さんいたりするわよ」
「成程ね」
「おつまみは色々だけれど」 
 お酒を飲む時のそれはというのです。
「今やインスタントラーメンは重要な」
「おつまみの一つだね」
「鬼さん達もお気に入りで」
 それでというのです。
「すすりながらね」
「お酒を飲んでるんだね」
「そうしているわ」
 こう先生にお話しました。
「他の妖怪さん達私も含めて一緒に飲んで食べてるわ」
「日本の鬼っていうとね」
「強くて悪い存在でね」
「人を襲うってイメージだけれど」
「この学園じゃ違うのね」
「今頃人を襲う鬼なんていないわよ」
 お静さんは皆にも言いました。
「もうね」
「いないんだ」
「そうなんだ」
「そうした鬼は」
「少なくともこの学園ではね」
 八条学園ではというのです。
「それで私の知る限りの鬼さん達はそうよ」
「悪い妖怪じゃないんだ」
「鬼と言っても」
「それでも」
「妖怪もそれぞれの性格があって」
 それでというのです。
「それぞれの種類でもいい妖怪と悪い妖怪がいるのよ」
「妖怪イコール悪じゃなくて」
「種類によっても決まらない」
「それぞれの妖怪さん自体」
「そういうことね」
「口裂け女さんなんか人を驚かせて」
 そうしてというのです。
「楽しんでるだけだしもう今更ね」
「口裂け女さんじゃ驚かないよ」
「だってマスク取ってお顔見せるだけだし」
「お口が耳まで裂けた」
「それでこれでも美人かって言う位だし」
「毎日夕方に高等部の正門の前にいるけれど」 
 八条学園のです。
「皆聞いてもわかっててね」
「答えるよね」
「学生さん達も」
「それでお口見てわざと逃げたり」
「あと学生さん達の方から挨拶するし」
「もうね」
 それこそというのです。
「何でもないでしょ」
「そうだね」
「だから鬼さん達も人を襲わなくて」
「インスタントラーメン普通に食べて」
「お酒飲んでるんだ」
「そうよ、食べる量飲む量は多いけれど」
 それでもというのです。
「陽気で気さくな」
「そんな妖怪さん達だね」
「実は」
「そうなのね」
「そうよ、だからね」
 それでというのです。
「怖がることはないわ」
「それは何よりだね」
「僕達も安心していいね」
「八条学園って幽霊や妖怪が多くて」
「怪談話にもこと欠かないけれどね」
「皆気さくで明るいわよ」
 お静さんは笑って答えました。
「それでインスタントラーメンも食べているのよ」
「成程ね、ただ鬼っていうと」
「幽霊の場合もあるね」
 オシツオサレレツはここでこんなことを言いました。
「これがね」
「その辺り最初混乱したよ」
「中国で鬼って言うと幽霊なんだよね」
 トートーはこの国のお話をしました。
「日本の鬼は角を生やした大きな人型の妖怪さんだけれど」
「何かそこがこんがらがるのよね」
 ポリネシアも言います。
「日本にいたら」
「英語だと間違えないよ」
 ダブダブはそれならと言いました。
「日本の鬼はキッド、中国の鬼はゴーストでね」
「英語だと幽霊ってどうも多くて」
 ホワイティは英語でのお話をしました。
「これはこれで混乱するけれどね」
「ゴースト、ファントム、ワイト、スペクター」 
「確かに多いわね」
 チープサイドの家族はざっと挙げていって思いました。
「言われてみれば」
「結構ね」
「それぞれ違いがあるけれど」
 英語の幽霊達はとです、ガブガブは言いました。
「はっきり認識しないと混乱するわね」
「それで日本の鬼は中国の鬼の場合もあって」
 ジップも言います。
「そこは注意しないとね」
「鬼籍に入ったっていうのはお亡くなりになったってことで」
 チーチーは自分の頭の中で理解する様に言いました。
「点鬼簿は閻魔帳のことだね」
「この辺りもわからないとね」
 老馬はしみじみと思いました。
「鬼についてはね」
「そうだよ。国によって言葉の意味が違うけれど」
 先生も言います。
「日本語は特にそれが見られるからね」
「一口に鬼と言っても」
「妖怪の鬼さんたったり幽霊だったりする」
「その違いがあるね」
「そうだね」
「そうなんだ、僕も何かと思ったよ」
 先生もというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「鬼と言っても」
「妖怪さんだったり幽霊だったり」
「違っていて」
「日本語の難しさをね」 
 それをというのです。
「その時もだよ」
「思ったね」
「先生も」
「いや、日本語あるあるだね」
「全く以て」
「そうだね、ただ妖怪の鬼さん達が平和にィンスタントラーメンを食べているなら」
 それならと言う先生でした。
「もうね」
「それでいいね」
「平和なら」
「それならね」
「人間も妖怪も平和が一番だよ」
 何と言ってもというのです。
「心から思うよ」
「戦争も災害もね」
「起こるとね」
「この上なく大変だから」
「起こって欲しくないわね」
「日本は戦国時代でも戦の被害って少なかったのよ」
 お静さんが言ってきました。
「お侍同士が争うだけで」
「お百姓さんや町人の人達は避難して終わり」
「後は戦見物も出来たし」
「然程だったね」
「そうだったけれど」
 それでもと皆に言いました。
「地震とか台風とか噴火とかね」
「火事もあるし」
「大雪に大雨」
「津波も洪水もあるし」
「雷もあるし」
「雪崩や土砂崩れだってね」
「もう災害はしょっちゅうで」  
 それでというのです。
「戦はやるって聞いたら安全な場所にいれば問題ないけれど」
「災害はね」
「どうにもならないね」
「どうしても」
「そっちは」
「日本で一番怖いのはそれよ」
 災害だというのです。
「災害がなかったらね」
「それに越したことないね」
「日本って戦争よりも災害の方が恐れられてるよね」
「地震も台風もあるし」
「滅茶苦茶多いね」
「疫病のお話もあるけれど」 
 お静さんはこちらのお話もしました。
「天然痘とかコレラとかスペイン風邪とか」
「そっちも問題だけれど」
「災害が一番怖い?」
「何と言っても」
「そうした感じよ、とてもいい国だけれど災害の多さが」
 どうしてもというのです。
「日本は困るのよ」
「事実この神戸でも大地震が起こったしね」
 先生も眉を曇らせて言いました。
「あの時お静さんも大変だってね」
「ご主人達と一緒に瓦礫の中から必死に出てよ」
 それでとです、お静さんは先生に答えました。
「そこからね」
「大変だったね」
「ええ、死ぬかもとかこれからどうなるかともね」
「考えたんだね」
「空襲もあったけれど」
 戦争の時はというのです。
「あの地震の方がね」
「怖かったんだ」
「私はね。他の妖怪の皆も思うことよ」
「戦争よりも災害が怖くて」
「災害がないなら」
 それならというのです。
「これ以上のことはね」
「ないね」
「そうよ、それで災害の時には」
 その時はといいますと。
「色々保存食があると助かるけれど」
「インスタントラーメンもだね」
「あったら助かるわ」
「お湯があったら出来るからね」
「そう、最悪そのまま齧っても」
 インスタントラーメンをというのです。
「いいでしょ」
「チキンラーメンは元々そうした食べ方があるしね」
「ええ、袋やカップから出して」
「麺をそのままね」
「齧ってもね」
 そうしてもというのです。
「別にね」
「いいね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「災害の時もインスタントラーメンはね」
「あればいいね」
「だから変に自然食にこだわって」
 そうしてというのです。
「インスタント食品や冷凍食品を否定する」
「そうした人はだね」
「あれでしょ、原発事故にも」
「もう風評被害撒き散らす様なことを言うよ」
「そうした人ッてそうよね」
「そんな人こそね」
 まさにというのです。
「一番邪魔よ」
「災害が起こった時にもだね」
「平和な時でもそうでね」
 まさに邪魔でというのです。
「害にしかね」
「ならないね」
「ええ、だからね」
 それでというのです。
「私そんな人はね」
「嫌いだね」
「そうよ。インスタントラーメンはインスタントラーメンでね」
「素晴らしい食べものだね」
「いざという時もあれば助かる」
 そうしたというのです。
「本当にね」
「素晴らしい食べものだよ」
「普通のラーメンもいいけれど」
「それと共にね」
「インスタントラーメンも素晴らしいわ、だからこれからも」
「食べていくね」
「皆と一緒にね」 
 お静さんは先生ににこりと笑って答えました。
「そうしていくわ」
「僕もだよ、そんなお話をしていたら」
「食べたくなったかしら」
「実はこの前トミーがうまかっちゃんを買ってくれていてね」
「ああ、夜行さん達が好きな」
「九州のインスタントラーメンだね」
「あれもいいのよね」
 お静さんはにこりと笑って答えました。
「私は好きやねん派でも」
「それでもだね」
「うまかっちゃんもいいのよね」
「そうだよね」
「だからね」
 それでというのです。
「先生がそれを食べるなら是非ね」
「美味しくだね」
「食べてね」
 こう言うのでした。
「そうしてね」
「それではね」
「皆の分もたっぷりあるし」
 皆も見て言いました。
「お酒もあるし。ストロング系の五〇〇ミリリットルが幾つかね」
「じゃあ飲んで食べて」
「今夜は楽しむよ」
「そうするのね」
「うまかっちゃんをおつまみに。お鍋に入れて皆と一緒に食べながら」
 それでというのです。
「飲むよ」
「いいわね、じゃあ私は帰ったら好きやねんを食べながら」
 お静さんもお静さんで言います。
「私はビールをね」
「いただくんだね」
「そうさせてもらうわ」
「ビールも合うよね」
「インスタントラーメンにね」
「僕もビール好きだしね、それで日本のビールは」
 先生はこちらのお話もしました。
「飲んでみると」
「美味しいでしょ」
「凄くね、よくドイツやチェコが言われて」
 ビールはというのです。
「アイルランドもね」
「物凄く飲むわね」
「けれどね」
「日本のビールもいいでしょ」
「物凄く美味しいよ」 
 先生は笑顔で答えました。
「どちらかというと日本酒の方をよく飲むけれどね」
「日本酒の魅力に魅せられたのね」
「日本に来てからね。今夜はストロングをいただくけれど」
 それでもというのです。
「日本に来てね」
「日本酒大好きなったのね」
「日本のビールもだけれど」 
 それと共にというのです。
「日本酒もね」
「そうなのね」
「だからよく飲んでるよ」
「それじゃあインスタントラーメンを食べる時も」
「普通のラーメンの時もね」
「日本酒飲むこと多いのね」
「うん、日本酒の美味しさときたら」
 それこそというのです。
「何とも言えないまでにね」
「美味しいわね、私もね」
「好きだね」
「妖怪の皆もよ。よく飲むわ」
 日本酒をというのです。
「こちらのお酒は昔からよ」
「よく飲んでるんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「昔は清酒じゃなくて」
 日本酒でもというのです。
「濁酒ばかりだったから」
「そちらを飲んでいたんだね」
「私も最初の頃はね」
「妖怪になって」
「まだ清酒が高かったから」
 だからだというのです。
「皆と飲むお酒も」
「濁酒だったんだ」
「それはそれで美味しいから」
 濁酒はというのです。
「楽しめたわ」
「濁酒もいいね」
 先生も否定しません。
「確かに」
「そうでしょ」
「僕も飲むよ」
「じゃあうちのお店にもあるし」
「今度買わせてもらうよ」
「それで飲むわね」
「そうさせてもらうよ、ただその時のおつまみは」
 それはといいますと。
「インスタントラーメンかどうかは」
「わからないわね」
「その時にならないとね」
 どうしてもというのです。
「わからないよ」
「まあその時にならないと」
 お静さんもそれはと応えます。
「わからないわね」
「そうだよね、けれど今日は」
「うまかっちゃんね」
「それをいただくよ」
「じゃあそうしてね。あとアンケートの方は」
 お静さんはそちらのお話もしました。
「是非ね」
「あと少しだね」
「頑張ってね」
「そうしていくよ、日本に来て沢山のいいことがあるけれど」
 それでもと言う先生でした。
「ラーメンに出会えたこともだよ」
「いいことね」
「心から思うよ」
 その様にというのです。
「僕はね」
「それは何よりね。それじゃあ」
「これからもだね」
「先生も食べていってね」
 ラーメンをというのです。
「そうしていってね」
「是非そうさせてもらうよ。むしろ駄目と言われたら」
 ラーメンを食べることをというのです。
「僕は困るよ」
「私もよ。若しそんなこと言い出す人がいたら」
 お静さんもそれはと応えます。
「最近おかしなこと言う人多くて」
「そうしたこと言う人もいるかも知れないね」
「それで出て来たら」
 それならというのです。
「もうね」
「その人に対して言うね」
「言わずにいられないわ」
「何で駄目なのか」
「本当に最近ね」
 困ったお顔で言うのでした。
「おかしなこと言う人いるわね」
「公園の遊ぶ声とか除夜の鐘が五月蠅いとか」
「バスの運転手さんがカレー食べてるとか」
「もう変なクレームがね」
「世の中に溢れ返っているわね」
「そしてそんなクレームがね」
 それがというのです。
「通るんだよね」
「よくね、おかしな人一人の意見が」
 それがというのです。
「通るなんてね」
「おかしいね」
「それで言う人って」
 お静さんはさらに言います。
「お年寄りの場合が多いのよね」
「そうなんだよね」
 先生も否定しません。
「これが」
「そうよね。最近若い人よりもね」
「お年寄りの方がね」
「そんな人多いね」
「お年寄りの人こそね」
「ちゃんとマナー守って欲しいわね」
「そう思うよ、もっと言えばね」
 先生はさらに言いました。
「誰だってね」
「マナーは守って」
「そしておかしなこともね」
「言わないことね」
「さもないと世の中がおかしくなるよ」
「実際にそんなところあるし」
「そして少数のおかしな意見は聞かない」
 こうも言う先生でした。
「少数派の意見も尊重されるべきだよ、けれど民主主義はね」
「多数決よね」
「それがいいとされる社会だからね」
「皆でお話してね」
「それで考えてね」
 そのうえでというのです。
「多数決を取って決める」
「それが民主主義ね」
「簡単に言うとね。だからね」
 そうしたシステムだからだというのです。
「一人のおかしな人がおかしなことを言って」
「それが通るのはね」
「民主主義じゃないよ」
「クレーマーの意見は無視ね」
「全員賛成とか一人でも反対したらとか言ったら」
「そうでないとやらないとかね」
「こんなの不可能だよ、今お話してるおかしな人の意見がね」
 それこそというのです。
「通っておかしなことになって」
「いいことは何も進まない」
「そんな風になるよ、だからね」
「おかしな意見は聞かない」
「そうしたらいいよ」
「そうよね」
「そうしたところはちゃんとしないと駄目だよ」
 先生はお静さんに真面目な声で言いました、ラーメンのことだけでなくそうしたこともお話したのでした。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る