『ドリトル先生とタキタロウ』




                第四幕  タキタロウの湖

 先生と皆はスタッフの人達と一緒に大鳥池に着きました、皆は山に囲まれたその湖を見て言いました。
「大きいね」
「うん、それで山に囲まれてるね」
「緑の木にね」
「辺鄙と言えば辺鄙だね」
「ここは」
「そう、だからね」
 それでとです、先生は皆にお話しました。
「タキタロウも幻の魚と呼ばれているんだ」
「こうした場所にいるから」
「しかも個体数が少ないから」
「それで見た人が少なくて」
「それでなんだ」
「東北は長い間人口も少なかったんだ」
 先生歯このこともお話しました。
「日本の中では」
「やっぱり昔は人口が多かったのは関西ね」
「あの辺りね」
「都もあったし」
「あそこから日本の歴史ははじまった様なものだしね」
「古事記とかだと神武天皇が熊野から入られてね」
 九州の方からです。
「そして大和に入られてね」
「それで開闢となったね」
「日本の歴史はそこからはじまるね」
「神話からね」
「そうしたお話があってね」
 そうしてというのです。
「大和朝廷が興ったね」
「それで飛鳥の方に都があって」
「そこから発展していったから」
「昔の日本は関西中心で」
「人工も多かったね」
「そして徐々に人が増えていって朝廷の勢力も拡大して」 
 そうなってというのです。
「西国から関東にも及んだね」
「倭建命のお話もそうだね」
「九州の豪族をやっつけて関東にも行って」
「それで平定しているね」
「実はこの人に殺されたというお兄さんは生きているという話があるんだ」
 小碓命はというのです。
「美濃今で言う岐阜県に入ってそこを治めていたみたいだよ」
「あの手足をもぎ取られて簀巻きみたいにされて捨てられた人?」
「とんでもない殺され方だと思ったら」
「実は生きていたんだ」
「そうだったの」
「この人を祀っている神社が岐阜県にあるんだ」
 先生はこのことをお話しました。
「これがね」
「あれっ、そうなんだ」
「日本って神社もお寺も多いし」
「色々な神様仏様が祀られているけれど」
「倭建命のお兄さんもなの」
「祀られているの」
「倭建命は各地の平定に行かされてね」 
 そうなってというのです。
「小碓命は辺境の統治と防衛に派遣されてそこを治めていたみたいだね」
「それじゃあ当時は岐阜県が国境だったんだ」
「朝廷から見て」
「そうだったのね」
「そうなんだ、そして関東に統治が及んで」
 倭建命が平定してです。
「それがある程度固まって東北、奥羽もだよ」
「朝廷は勢力圏に加えていったんだ」
「今僕達がいる場所も」
「そうしたんだ」
「そうだよ、ただ平安時代初期は今で言う福島県辺りが国境みたいな感覚で」
 朝廷から見てというのです。
「安達ケ原のお話があったりしたんだ」
「あの鬼婆?」
「人を取って食べたという」
「あのお話があったんだ」
「安達ケ原のお話は和歌にも詠われているよ」
 そうなっているというのです。
「いるというのは本当かってね」
「詠われているんだ」
「本当にいるかどうか噂になっていたんだ」
「そうだったの」
「辺境の方で」
 当時の朝廷つまり日本の政府から見てです。
「わからないって感覚だったんだよ」
「福島県でそうなんだ」
「じゃあもうこの山形県なんてね」
「日本じゃなかったんだ」
「蝦夷と言われる人がいてね」
 当時の東北はです。
「この人達を平定してだよ」
「日本に組み入れたんだ」
「この辺りは」
「そうだったんだ」
「最初から日本じゃなかったんだ」
「そうだったの」
「国と呼べるものではなかったんだ」
 当時の東北はです。
「言うなら沢山の部族が暮らしている」
「そうした場所だったんだ」
「当時の東北は」
「日本じゃなかったんだね」
「まだそうだったの」
「それで坂上田村麻呂さんが平定したしね」
 そうしたこともあったというのです。
「八幡太郎さんも活躍したりして」
「そうして日本になったんだ」
「東北は」
「長い時間をかけて」
「そうして平安時代末期には奥州藤原氏が勢力を持ったんだ」
 先生はこのお話もしました。
「そうなったんだ」
「ああ、義経さんを匿った」
「それで頼朝さんとも対立した」
「あの人達ね」
「三代に渡って欧州を掌握していたんだ、けれど頼朝さんに滅ぼされて」
 そうなってというのです。
「幕府の勢力圏になって」
「そうしてなんだ」
「完全に日本になったんだ」
「この辺りは」
「そうなんだ、それで長い間辺境という感覚でね」
 鎌倉幕府の時代になってもというのです。
「寒いこともあって人が少なかったんだ」
「それでこの大鳥池もなんだ」
「周りに人が少なくて」
「それで山の中に囲まれていて」
「周りも木ばかりでなんだ」
「タキタロウも見られなかったんだね」
「そうなんだ、だから長い間幻の魚と呼ばれていて」 
 そうなっていてというのです。
「存在していることは間違いなくてもね」
「まだよくわかっていないんだ」
「その種類さえも」
「そうなのね」
「そうなんだ、それじゃあ今からね」
 先生は皆にあらためて言いました。
「調査をしようか」
「うん、それじゃあね」
「そうしようね」
「今からね」
「はじめよう」
 皆も頷いてでした。
 そのうえで先生は皆と一緒にまずは湖の周りを歩いていきます、その岸辺を歩いているとでした。
「やっぱり木が多いね」
「木ばかりだよ」
「まさに日本の山だね」
「緑が豊かだわ」
「もう至るところ木ばかりで」
「山も結構険しいね」
「人がいる場所じゃないね」
 皆周りを見回しながらお話します。
「まさに自然の場所だね」
「秘境と言っていいね」
「本当にここは」
「そうした場所だね」
「そうだね、ここにいるとね」 
 先生も言います。
「タキタロウが中々発見されないのも当然だよ」
「こうした場所だとね」
「周りに人家もないから」
「街も村もないから」
「鶴岡市という場所にあってもね」
「行政区分では市になっていてもね」
 それでもというのです。
「こんな山奥にあるとね」
「人家一つない」
「それだとね」
「どうしようもないね」
「本当にね」
「そう、ここはね」 
 本当にというのです。
「ネス湖みたいと言うべきかな」
「もっと凄くない?」
「ネス湖も山と森に囲まれてるけれど」
「ここまで険しい中にないんじゃない?」
「流石に」
「そうかもね、あちらは道もあってね」 
 ネス湖の周りにです。
「車が行き交ってるしね」
「そうだね」
「それでネッシーの目撃例も多いしね」
「ドライブする車も多いから」
「今もよく通ってるし」
「ここはそういうのもないから」
 車は全く見えません、先生と皆それにスタッフの人達以外は誰もいない感じです。まさに自然の中です。
「もっとかもね」
「そうだよね」
「こんな場所だとそりゃ見付からないよ」
「タキタロウがいても」
「それでも」
「そうだね、ただキャンプ場があるから」
 見れば先にそれがあります。
「シーズンにはだよ」
「キャンプを楽しむ人がいて」
「ここで遊べるんだ」
「そして若しかしたら」
「タキタロウも見られるかも知れないんだ」
「そうかも知れないよ」 
 こうしたお話をしてです、先生は皆と一緒にキャンプ場に入りました。するとスタッフの人のうちのお一人が先生に言ってきました。
「ここで、です」
「はい、僕達はですね」
「キャンプをしながらです」 
 そのうえでというのです。
「調査をしていきます」
「そうしますね」
「丁度いいですよね」
 若い男性のスタッフの人は微笑んでお話しました。
「こうした場所があって」
「そうですね、ここが拠点になりますから」
 先生も言います。
「いいと思います」
「先生もそう言われますね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「こちらにテントをもうけて」
「寝泊りしてですね」
「食事も摂りまして」
「調査をしていきますね」
「そうしましょう、あとタキタロウ館にもです」
 そちらにもというのです。
「入ってです」
「観ることもですね」
「しましょう」
「わかりました、では今からです」
 先生はスタッフの人に笑顔で言います。
「家族と一緒にタキタロウ館に入っていいでしょうか」
「はい、是非です」
「タキタロウについて学ぶ為にですね」
「そうされて下さい」
「それでは」
 笑顔でお話してでした。
 先生は皆と一緒にタキタロウ館に入りました、すると。
 先生はタキタロウの模型を観て言いました。
「大きいね」
「一メートル以上あるよね」
「これはね」
 オシツオサレツも観て言いました、他の皆も観ています。
「実際にこれだけ大きいのかな」
「実際」
「七十センチあるとか二メートルあるとかね」
「言われてるわね」
 チープサイドの家族も観ながらお話します。
「それじゃあね」
「この模型の大きさは実物なのかな」
「完全に川魚だね」 
 老馬は模型の姿を観て言いました。
「これは」
「そうね、どう見てもね」
 ポリネシアも言います。
「この外見は」
「イワナかマスか」
 ダブダブも首を傾げさせます。
「どちらかしら」
「そこは調べたらわかるね」
 こう言ったのはホワイティでした。
「これから」
「食べる機会があればそれでわかるんじゃないかな」
 食いしん坊のガブガブらしい言葉でした。
「イワナかマスかね」
「この模型じゃどっちかは言えないね」
 ジップは少し残念そうに言いました。
「これじゃあ」
「これは本当に会いたいね」
 心からです、チーチーは思いました。
「最悪でも観たいね」
「そうだね、魚群探知機も湖の中に入れて」
 先生は皆にお話しました。
「調査するけれど」
「出来ればだね」
「いるかどうかを確かめて」
「それと共にだね」
「出来ればこの目で観たいよね」
「先生としては」
「学問は観ることもだからね」 
 まさにとです、先生は皆に答えました。
「そうしたいよ」
「そうだよね」
「先生にしてもね」
「やっぱりね」
「そうしたいわね」
「それに僕は生きものとお話が出来るからね」
 だからこそあらゆる生きもののお友達にもなっているのです、どんな生きものとも会話が出来ることもあって。
「タキタロウともだよ」
「会ったらだね」
「お話するね」
「そうするね」
「そう、そしてね」
 そうしてというのです。
「彼等自身からお話を聞きたいよ」
「一体どういった生きものか」
「他ならぬタキタロウから」
「そうしたいのね」
「そう思っているよ、では中をもっと観ていこう」 
 タキタロウ館のとです、こう言ってです。
 先生は皆と一緒にタキタロウ館を隅から隅まで巡って観ていきました、そうしてそれから外に出ますと。
 スタッフの人達がキャンプ場の釣り場で釣りをしていました、先生はそれを見て少し残念そうに言いました。
「僕はスポーツは駄目だからね」
「そうだよね」
「先生って運動神経ないから」
「それも全く」
「こちらは全く駄目だから」
「それでだね」
「釣りもね」
 こちらもというのです。
「やってみても釣れたことはね」
「ないよね」
「それこそ一匹も」
「そうだったね」
「スポーツと家事は駄目だよ」
 先生は自分から言いました。
「そして恋愛はね」
「もてたことがない」
「ただの一度も」
「そうだったんだね」
「そうだよ、それこそね」 
 まさにというのです。
「ないからね」
「まあ恋愛は置いておいてね」
「そちらのことは」
「恋愛についてはね」
「先生がどう思っていても」
「事実は違うからね」
 皆は日笠さんのことを思いつつお話しました。
「そのことは」
「まあそれは置いておくよ」
「今はね」
「そうするよ」
「ただスポーツと家事はね」 
 実際にというのです、皆も。
「確かに出来ないね」
「そちらの才能はないわね」
「もうからっきしで」
「自転車にも乗れないからね」
「乗馬しても鞍の上に座ってるだけだし」
「老馬じゃないと僕は乗れないしね」
 乗馬にしてもです。
「しかも馬具が全部ないとね」
「乗れないよね、先生は」
「鞍と手綱、鐙がないと」
「それで駆けることも出来ないし」
「ただ乗ってるだけだね」
「そうだからね、スポーツはね」 
 兎に角と言うのです。
「全く出来なくてね」
「釣りもだよね」
「出来ないよね」
「どうしても」
「そうだよ、奇麗な釣り場で皆楽しく釣ってるけれどね」
 白いコンクリートで下にお水があります、そこに小さなお魚達も見えます。
「僕はね」
「餌を付けて針糸を垂らしても」
「本当に一匹も釣れない」
「そうだね」
「うん、だから釣りはしないで」
 それでというのです。
「フィールドワークを続けるよ」
「そうだね」
「先生家事も出来ないからね」
「キャンプのことも」
「そういうことは全部僕達がやるから」
「先生はそちらに専念してね」
 皆はそんな先生に優しく言いました。
「観て回って」
「それで本も読んで」
「お茶も出すからね」
「そちらに励んでね」
「そうさせてもらうよ」
 こう言ってでした。
 皆はキャンプの用意をして先生と一緒にフィールドワークもしていきました、そうして夜になるとです。
 キャンプになりますが皆はそれぞれが釣ったイワナを焼いて先生に笑顔で出します、他にはお野菜や豚肉をたっぷり入れたインスタントラーメンのお鍋もあります。
「さあ先生食べて」
「今日は沢山歩いたからね」
「お酒もあるし」
「楽しんでね」
「そうさせてもらうよ、今日のお酒はウイスキーだね」
 見ればそのボトルがあります。
「これを飲んでだね」
「あったまってね」
「美味しいものも食べて」
「そうしてね」
「ではね、しかし神戸でも食べてね」 
 そしてというのです。
「ここでも食べるなんてね」
「イワナをね」
「また美味しいものを楽しめるね」
「イワナっていいよね」
「素敵な味だよ」
「日本には色々美味しいお魚が多いけれど」 
 先生はその焼いたイワナを受け取りつつ言いました。
「イワナもだね」
「そうだよね」
「本当に美味しいね」
「それではね」
「今から食べようね」
「そうしようね」
 是非にというのです。
 皆でイワナを食べてお鍋を食べます、先生はウイスキーも飲んで笑顔でお話しました。
「いやあ、今日も学問が出来てね」
「美味しいものを食べられて」
「それでだね」
「最高ね」
「先生としては」
「皆と一緒にいられてね」
 そのうえでというのです。
「どちらも楽しめてね」
「最高ね」
「素敵な気持ちだね」
「先生としては」
「そうだよ、だから今日もね」
 こうも言う先生でした。
「よく寝られるよ」
「それは何よりだよ」
「じゃあどんどん食べよう」
「イワナ美味しいしね」
「そしてお鍋もね」
「こうした時もインスタントラーメンはいいね」
 先生は自分のお碗にラーメンを食べて言いました。
「本当にね」
「そうだよね」
「便利だよね」
「簡単に持って来ることが出来るし」
「しかもお湯さえあれば調理出来るよ」
「尚且つ美味しい」
「助かるよね」
 皆も一緒に食べつつ応えました。
「何かと」
「こうした時だってね」
「あるとないとじゃ全く違うよ」
「それがインスタントラーメンだね」
「そうだね、日本で生み出されたけれど」
 インスタントラーメンはというのです。
「偉大な発明だね」
「そうだね」
「手軽に作られるしね」
「しかも保存も利くし」
「こんないいものよく作ってくれたね」
「本当にそう思うね」
「これでかなりの人が飢えから救われているしね」 
 先生は食べつつこうも言いました。
「その意味でも有り難いものだよ」
「そうだよね」
「馬鹿に出来ないよね」
「むしろ重宝するよね」
「何かとね」
「ある料理漫画はやたら自然食というかありのままにこだわって」
 先生はいつも否定的に考えている料理漫画のこともお話しました、このジャンルの漫画のブームを起こした新聞記者が主人公の漫画です。
「インスタントラーメンや化学調味料、冷凍食品にハウス栽培を否定するけれどね」
「否定してもね」
「仕方ないよね」
「実際そういうもので沢山の人達が助かってるし」
「ただ摂り過ぎたらよくないだけで」
「そこはバランスだよね」
「そうだよ、無闇に否定することはね」
 先生はウイスキーを飲みながらお話します、ここで作った氷を入れてロックにして冷やして飲んでいます。
「よくないよ」
「知的じゃないよね」
「どうにも」
「そうだよね」
「それで文明的でもないね」
「そうしたものを否定することは」
「そうだよ、そうした食べものの功績は凄いから」
 そのことは事実でというのです。
「無闇に否定することは駄目だよ」
「そして絶対に食べないとかね」
「そうしたのも駄目だよね」
「そうよね」
「そうだよ、あと言うまでもないけれど」
 先生はさらにお話します。
「何度か言ってるけれど調理が気に入らない、化学調味料を使っているってね」
「そう言ってだよね」
「お店の中で騒ぐのはね」
「野蛮だよね」
「野蛮の極みだよね」
「そんなことをしては絶対にいけないよ」
 何があってもというのです。
「インスタントラーメンとかを否定するのは個人の好みでも」
「それでもだよね」
「お店の中で騒いだら駄目だよね」
「無礼、無作法と呼ばれる行いで」
「野蛮だよね」
「そう、野蛮だよ」
 まさにというのです。
「だからだよ」
「したらいけないね」
「そんなことは」
「何があっても」
「そうよね」
「口に合わないのなら黙って去る」
 そのお店からというのです。
「騒ぐのは論外だよ」
「それを普通にするとね」
「人間性疑うよね」
「どんな生き方してきたのかって」
「そうまで思うね」
「紳士でないことは間違いないし」
 先生は紳士でありたいと思っていることから言いました。
「本当に野蛮だよ」
「礼節も何もない」
「教養も感じないよね」
「どうかしてるってレベルよ」
「そんなことする人は」
「それこそお店の中で暴れる不良と同じだよ」 
 まさにというのです。
「本当にね」
「大人の行動でもないしね」
「そんな行いは」
「間違ってもしたらいけないよ」
「どんな人でも」
「僕はその漫画より大柄なサラリーマンのお父さんがお料理を作る漫画が好きだよ」
 こちらの方がというのです。
「キャンプの時も役立つお料理紹介してるしね」
「そうだよね」
「色々なお料理紹介してくれてね」
「実際のお料理にも役立つわ」
「しかも美味しいし」
「出て来る人が穏やかなのもいいわね」
「そしてインスタントラーメンもだよ」
 今食べているそちらもというのです。
「色々な調理の仕方を紹介してくれてるね」
「そうそう」
「それがまた役立つんだよ」
「読んで面白いしためになる」
「素敵な漫画よね」
「福岡が舞台でね」
 その作品はというのです。
「あちらのお料理が多いね」
「九州のお料理がね」
「作者さんあちらの人でね」
「ずっとあちら在住だし」
「それでだね」
「福岡のお料理が多いね」
「福岡のお料理も美味しいね」
 先生は笑顔で言いました。
「実際ね」
「ラーメンとかガメ煮とかもつ鍋とか」
「おうどんもあるしね」
「鶏肉も有名だし」
「いい場所だよね」
「うん、僕はまだ縁が薄いけれどね」 
 それでもと言う先生でした。
「縁があればだよ」
「行ってね」
「そうしてだね」
「福岡のお料理も楽しみのね」
「博多の」
「そうしたいね、ただ野球がね」
 先生は皆にまた少し苦笑いになって言いました。
「こっちは阪神であっちはソフトバンクだけれど」
「セリーグとパリーグでね」
「交流戦とかオープン戦以外じゃ戦わないんだよね」
「シリーズもあるけれど」
「シリーズでも強いね」
「阪神は毎年日本一になってるけれど」
 それでもというのです。
「ソフトバンクは尋常じゃなく強いね」
「阪神は人類史上最強の野球チームと言われてるけれど」
「それでもね」
「ソフトバンクも強いわ」
「超巨大戦力と言われるだけあって」
「尋常じゃないよ」
「全く隙のない戦力の阪神でもだよ」  
 無敵猛虎とさえ言われているけれど、というのです。
「ソフトバンクと戦うと薄氷だからね」
「もう運が分かれ目」
「そんな勝負ばかりよ」
「いやあ、ソフトバンクの強いこと」
「凄まじいわ」
「東北では楽天だけれどね」
 先生は今自分達がいるチームのお話をしました。
「楽天もいいチームだけれど」
「ちょっとソフトバンクの強さはね」
「伊達に超巨大戦力じゃないから」
「いつもその強さに参るわ」
「本当にね」
「全くだよ、かつては同じ関西のチームだったけれどね」
 先生はこうも言いました。
「今ではだよ」
「あちらが九州に行ったから」
「福岡に」
「それで別々になったわね」
「阪神とは」
「元々リーグも違うしね」
 セリーグにパリーグにというのです。
「今じゃ完全に違うね」
「同じ関西にいた頃は南海だったね」
「ソフトバンクでなくて」
「親会社は最初南海で」
「ダイエーになって九州に移って」
「今はソフトバンクだね」
「そうなったんだよ、ただ終戦直後だけれど」
 先生はイワナを食べました、そしてです。 
 塩で味付けされた身のあっさりとしていてそれでいて素材が活きた味を楽しみながら先生にお話しました。
「近畿日本グレートリングって名前だった時もあるよ」
「前にそんなお話したね」
「そんなこともあったわね」
「終戦直後は日本は混乱していて」
「社会自体がそうで」
「プロ野球もそうだったって」
「だから親会社が一時期近鉄と合併されていてね」
 そうなっていてというのです。
「そうした名前だったんだ」
「近鉄の球団だったんだね」
「そんな時期もあったのね」
「近鉄も球団持っていた時期あったけれど」
「それはその頃もだったのね」
「そうなんだ、あとあのチームの歴史は長くて」
 それでというのです。
「巨人や阪神、中日と同じ位古いんだ」
「戦争前からあるんだよね」
「第二次世界大戦前から」
「昭和十年代から」
「そうだったわね」
「そうだったんだ、その歴史を学ぶことも面白いよ」
 ソフトバンクのそれをというのです。
「実際に学んできたしね」
「先生はそうだね」
「野球のことも学んできてるわね」
「日本に来てから」
「そうしているね」
「そうなんだ、あと楽天のお話をしたけれど」
 このチームのお話もするのでした。
「東北が本拠地のチームが出来てよかったね」
「地元じゃ大人気だしね」
「楽天は」
「僕達が昨日いた仙台が本拠地で」
「頑張ってるね」
「そうだね、野球もサッカーもバスケもバレーもだよ」
 スポーツはというのです。
「地元にチームがあるとだよ」
「嬉しいよね」
「それで応援したくなるね」
「愛着があって」
「そうだね、昔の日本は巨人一色だったけれど」
 今では勝率一割台で毎年最下位になっているプロ野球もっと言えば日本の汚物とさえ言われているチームです。
「新聞やテレビで巨人ばかりでね」
「それ酷いよね」
 ジップが顔を顰めさせて言いました。
「何でも巨人って」
「全くだよ」
 チーチーも憤慨して言います。
「何でもかんでも巨人なんてね」
「それって洗脳だよ」
 ホワイティも否定します。
「それと同じだよ」
「そんな状態がずっと続いていたらね」
 ガブガブも言います。
「皆巨人ばかり応援するね」
「これって北朝鮮ノプロパガンダと一緒だよ」
 老馬はこう言って否定しました。
「まさにね」
「ずっとテレビや新聞で巨人一色だと」
「もう誰もが巨人巨人で」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「巨人がやった悪いことも知らないで」
「無批判に応援してしまうね」
「実際に日本じゃ長い間そうだったんだよね」
「巨人ファンが一番多くてね」
 チープサイドの家族もお話します。
「皆無批判に応援して」
「悪いことをしていても皆やってるで終わりだったんだね」
「そんなことになったら善悪なんて意味ないよ」
 トートーは糾弾する様に言いました。
「もうね」
「皆やってないしやってると言っても駄目よ」
 ポリネシアは断言しました。
「絶対にね」
「そんな風な人も出ていたのね」
 ダブダブは恐ろしいものさえ感じていました。
「巨人ばかり喧伝されていて」
「そうなんだ、けれどインターネットが登場してね」
 そうしてというのです。
「マスコミが報道しないことも明るみになってね」
「それが凄く拡散されるからね」
「インターネットだと
「新聞やテレビよりも遥かに」
「そうなるしね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「巨人の悪事も皆知ったしインターネットが普及してマスコミが弱まってね」
「新聞もテレビもね」
「弱まったし」
「それで売れなくなって観られなくなって」
「巨人の親会社ってマスコミだし」
「親会社も弱まってね」
「お金もなくなったんだ」
 巨人はお金を使ってやりたい放題していたのにです。
「それでチーム経営もやる気がなくなってね」
「ずっと補強ばかりだったのにね」
「その補強も出来なくなったし」
「お金がなくなって」
「しかもずっと選手育ててなくて」
「育成方法も忘れてね」
「設備も碌でもないものになってね」 
 そうもなってというのです。
「故障者も増えてね」
「補強出来なくて選手も育てられなくて」
「まともな助っ人も来ないし」
「ドラフト指名も逆に断られる」
「それも事前に」
「それでああなったんだ」
 今の状況に陥ったというのです。
「巨人はね」
「そうだね」
「物凄く弱いチームになったわ」
「今の巨人はね」
「とんでもなく弱いチームになったよ」
「驕る平家は久しからずだよ」
 先生はラーメンとお野菜を一緒に食べました、そうしてからウイスキーを飲んでお酒が身体にさらに回るのを感じつつ言いました。
「何でもね」
「巨人こそまさにそれよ」
「驕る何とやら」
「実際平家はそうでもなかったらしいけれど」
「巨人はそうだったしね」
「球界の盟主とか言ってね」
 こう自称してです。
「それでだよ」
「やりたい放題やってきて」
「他のチームから選手強奪ばかりして」
「それでプロパガンダまでして」
「そんなことばかりしてね」
「その果てはね」
「あの有様だよ」
 どうにもならなくなったというのです。
「巨人はね」
「もう毎年最下位で」
「十八年連続だったね」
「それ位だよね」
「十八年連続百敗で」
「最少得点最多失点、最悪防御率エラー数最大ホームラン数最少だよね」
「巨人にいいところはないよ」
 一切というのです。
「最早ね」
「そうだよね」
「何もいいところないね」
「今の巨人には」
「たまに勝つ位でね」
「ファンの人も殆どいないから」
「僕の周りでもいないね」
 巨人ファンの人はというのです。
「巨人の人気は他のチームにいってね」
「特に阪神だね」
「阪神に行ったね」
「そうなったわね」
「今や阪神は日本全土で愛されているチームだよ」
 そうなっているというのです。
「関西だけでなくね」
「そうよね」
「そうなってるね」
「今の阪神はね」
「物凄い人気だよ」
「甲子園はいつも満員でね」 
 本拠地はそうでというのです。
「他のチームでもだよ」
「三塁側はいつも満員で」
「バックネットも外野もでね」
「巨人の試合なんか東京ドーム阪神ファンで満員だからね」 
 巨人ファンがあまりにも少なくて、です。何と今や巨人ファンの観客数は一試合当たり百人単位なのです。
「そうなっているからね」
「全く違うね」
「今ではね」
「昔は巨人ファンが多かったそうだけれど」
「今じゃ何万人の球場が阪神ファンで満員」
「宿敵だった巨人の球場がね」
 皆も言います。
「随分変わったわ」
「強い巨人はもう二度と来なくて」
「阪神はずっと強いまま」
「凄くなったよ」
「僕もそう思うよ。勿論この東北にも阪神ファンの人は多くいるよ」
 そうなっているというのです。
「今やね」
「そうだよね」
「今の阪神はそうだね」
「日本全土にファンの人達がいるわ」
「まさにね」
「そうなったからね」
 だからだというのです。
「僕も嬉しいよ」
「阪神はこれからも人気チームであって欲しいわ」
「強くてね」
「そして巨人は弱いまま」
「未来永劫ね」
「全くだよ、巨人は弱くあってこそだよ」
 そうであってというのです。
「日本も世の中もよくなるからね」
「そうだね」
「その通りね」
「巨人は弱くないと」
「皆巨人が負けるのを観て元気が出るから」
「悪い巨人がやっつけられて」
 邪悪そのものと言っていい巨人がです。
「元気が出てやる気が出て」
「お仕事にも学業にも精が出てね」
「どんどん頑張れるから」
「実際に頑張ってね」
「日本はどんどんよくなってるし」
「日本は世界での役割大きいし」
「日本が元気なら世界にもいい影響を与えてるわ」
 そうもなっているのです。
「だから巨人にはこれからも弱くあって欲しいよ」
「巨人はどんどん負けてね」
「その姿を皆が観るんだ」
「そうしたら皆元気が出ていくから」
「それじゃあね」
「これからも負けて欲しいよ」
「ずっとね」
 皆笑顔でお話します、勿論この日も巨人は負けています。広島に三試合連続完封しかも十点以上取られてです。
 先生はそのお話もしてでした。
 皆にまだある焼いたイワナを見てお話しました。
「残りも皆で食べようね」
「そうしようね」
「お鍋の方もね」
「そうしましょう」
「残さずね」
「残さず食べる」
 それこそとがというのです。
「大事だね」
「そうだよね」
「日本ではそうだよね」
「食べ残したら勿体ない」
「そうした考えだからね」
「いい考えだよ」
 先生はこの考えについて手放しで賞賛しました。
「食べものは粗末にしたらいけないからね」
「そうそう」
「食べられない人だっているし」
「本当に残したら駄目よ」
「残さず全部食べる」
「有り難くね」
「そうしてね」 
 そのうえでというのです。
「食べさせてもらったことに感謝しようね」
「神様にも食材になった命にも」
「全てにね」
「そうしないと駄目だね」
「残さず食べて」
「そのうえでね」
 まさにというのです。
「感謝するんだよ」
「そうだね」
「今もそうして」
「これからもね」
「残さず食べて」
「感謝しましょう」
「そうしようね、そして明日も調査をするけれど」
 大鳥池をというのです。
「船も出すよ」
「明日はそうするんだ」
「湖に入るんだ」
「そうするのね」
「明日は」
「そして魚群探知機でね」
 それを使ってというのです。
「それでだよ」
「ああ、湖の中を調べるんだ」
「そうするんだ」
「明日は」
「そしてね」
 大鳥池に船を出してというのです。
「やっていこう」
「それじゃあね」
「明日はそうしましょう」
「魚群探知機を使って」
「そうして調べましょう」
「そうしようね」
 先生は笑顔で言いました、そうしてイワナにインスタントラーメンが入ったお鍋をウイスキーと一緒に楽しんで、です。
 皆と一緒にテントの中で寝ました。皆固まって寝袋に入って暖房も入れたうえで暖かくして寝ました。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る