『ドリトル先生と和歌山の海と山』




               第四幕  ワールドサファリ

 先生達はまずは南紀白浜ワールドサファリに向かいました、その途中にも海を見るのですがふとです。
 動物の皆はその荒い海を見てこんなことを言いました。
「何かね」
「ちょっと今は泳げないね」
「寒い感じがするし」
「冬だしね」
「波も荒いし」
「そうだよ、今ここで泳ぐのは無理だよ」 
 実際にとです、先生も皆にお話します。
「だからね」
「夏だね」
「夏に泳ぐべき場所ね」
「シーズンだけあって」
「その時によね」
「そうだよ、けれどワールドサファリは冬も開かれていてね」
 これから皆で向かうその場所はというのです、先生達を乗せているキャンピングカーはそちらに向かっています。
「今から行くんだよ」
「そしてそこに行くと」
「ライオンがいてシャチもアシカもいて」
「イルカもいるのよね」
「そうだよね」
「うん、そうだよ。ただどうも今シャチはね」
 先生はこの海の生きもののことは少し残念そうにお話しました。
「あそこにはいないよ」
「そうなんだ」
「シャチはいないの」
「そうなの」
「パンダや白い虎や羆やラッコはいるけれど」
 それでもというのです。
「シャチはいないよ、オキゴンドウはいるけれどね」
「それは残念ね」
「折角シャチを見られると思ったのに」
「それはね」
「仕方ないね、けれど他に珍しい生きものが一杯いるからね」
 だからだというのです。
「その皆を観ようね」
「うん、それじゃあね」
「ラッコさんや虎さんを観ようね」
「そうして皆で楽しもうね」
「是非ね」
「そうしようね」 
 笑顔で応えた先生でした、そうしてワールドサファリに入ってそのうえでまずはふれあい広場に行ってです。
 そこにいる生きもの達を見ました、その中のペリカンを見てでした。先生はにこりと笑ってこうしたことを言いました。
「うん、ペリカン君達もね」
「元気だよね」
「楽しく過ごしてるね」
「美味しいものを一杯食べてるみたいで」
「体調もよさそうだよ」
「それが何よりだよ、日本の動物園は飼育がしっかりしている場所が多いけれど」
 そうしてというのです。
「ここでもそうみたいだね」
「ペリカンさん達以外もそうだしね」
「他の生きものも皆もね」
「元気そうだね」
「くつろいでもいるし」
「そうあってくれて何よりだよ」
 にこりと笑ったまま言う先生でした。
「僕もね」
「そうだよね、先生は動物の皆のお友達だからね」
 ダブダブがこのことを先生に言いました。
「皆のことをいつも考えてくれてるからね」
「その先生だからね」 
 次に言ったのはジップでした。
「ここでも皆が幸せそうで嬉しいんだね」
「色々な動物が幸せに過ごしてて」
 ポリネシアもにこにことしています。
「いい感じね」
「施設も充実してるし」
 トートーはサファリの皆が暮らしている場所も見ています。
「いい場所だね」
「お金と技術を使ってるってことね」
「そうだね」
 オシツオサレツもこのことがわかりました。
「それで皆が幸せに暮らしている」
「しっかりとした場所だから」
「働いている人もしっかりした人が多いみたいね」
 そこまで見ているガブガブでした。
「そのこともわかるわ」
「動物園じゃ育ちにくい生きものがいても」
 ホワイティやここにいるパンダやラッコ達のことを思いました。
「ちゃんと暮らしているのも凄いね」
「僕達はそうでもないけれど」
「そうしたことが難しい生きものもいるからね」 
 チープサイドの家族もそうしたことはわかっています。
「けれどそうした生きものもちゃんといて」
「暮らしているのがいいね」
「ここ意外にも色々な場所に行くけれど」
 こう言ったのはジップです。
「このふれ合い広場の皆はとても幸せそうだね」
「幸せな姿を見るのっていいね」
 老馬の目はにこにことしています。
「本当に」
「全くだよ、何かここにずっといたくなるけれど」
 王子はこう言いました、今も執事さんが一緒です。
「他にも行かないとね」
「ファミリーランドにも行って海獣館にも行くよ」
 先生は皆と王子に答えました。
「象やペンギン達も見ようね、あと最近話題のサーバルキャットもね」
「あのネコ科の生きものもだね」
「観ようね、ただね」
 ここで不思議に思った先生でした、その不思議に思うことは一体何にいうとです。
「何であの生きものが最近話題なのかな」
「ああ、そのことなんだ」
「アフリカにいるネコ科だとね」
 サーバルキャットもアフリカにいます。
「ライオンやチーターの方が有名だったね」
「うん、ずっとね」
「あと豹がね」
「そうだよね、ただね」
「ただ?」
「アニメで出てね」
 それでとです、王子は先生にお話しました。
「話題になってね」
「人気が出たんだ」
「そうみたいだよ」
「そうだったんだ、けれどそうなるとね」
 それならと言う先生でした。
「ラッコもライオンもパンダもね」
「どれもだね」
「どの生きものもここにいるけれど」 
 それでもというのです。
「日本のアニメに出てるね」
「そうだね」
「それで今度はなんだ」
「サーバルキャットが出てね」
 それでというのです。
「人気が出たらしいんだ」
「そうした経緯があったんだ」
「面白いよね」
「うん、日本らしいね」
 ついついくすりと笑って応えた先生でした。
「そちらから人気が出るなんてね」
「そのアニメペンギンもツチノコも出てたよ」
「ツチノコはいるのかな」
 日本のこの不思議な生きものについてです、先生は首を傾げさせてそのうえで言いました。今は皆でカワウソを見ています。
「どうなのかな」
「何かあれですよね」
 トミーがツチノコと聞いて言ってきました。
「いびきをかくんですよね」
「寝ている時にね」
「そんな蛇います?」
「蛇の身体の構造では有り得ないよ」
「そうですよね」
「実際に見たという人がいるけれどね」
 このことをお話する先生でした。
「けれどね」
「それでもですね」
「うん、ちょっとね」
 それはというのです。
「蛇にしてはおかしいよ」
「そうですよね」
「一度この目で見てね」
「調べたいですね」
「本当にいるのかどうかも含めてね」
 生態系や身体の仕組みもというのです。
「解剖はしないけれど」
「調べたいですね」
「生物学の見地からもね」
「このサファリでもいないよね」
 動物の皆がここで言いました。
「流石に」
「ツチノコはね」
「色々な生きものがいても」
「それでもね」
「流石にツチノコはいないよね」
「あの蛇は」
「うん、いると思いたいし」
 そうした不思議な生きものの存在は否定しない先生です、人の知識はごく僅かなものと知っているからです。
「探す時がいたらね」
「是非見付けて」
「そしてだね」
「見付けたら調べたい」
「本当にいたら」
「そうしたいね」
 先生の希望の一つです、そうして。
 皆はふれあいパークから象や馬を見てペンギン達も見ました、そのペンギン達を見て皆はすぐに気付きました。
「あっ、何かね」
「色々な種類のペンギンさんがいるね」
「一つの種類じゃなくて」
「そうだね」
「ペンギンといっても色々でね」 
 ここでまた皆にお話する先生でした。
「かなりの種類がいるね」
「それでだね」
「このサファリには何種類ものペンギンさん達がいるのね」
「そうして皆一緒にいる」
「そうなっているのね」
「こうして色々な種類を見てね」
 今の先生達みたいにです。
「子供達も学ぶんだよ」
「ここに来る子供達も」
「何種類も一緒に観て」
「それでだね」
「そうだよ、じゃあ今からね」
 さらにお話した先生でした。
「僕達も見てね」
「そうしてだね」
「今からね」
「ペンギンさん達観ようね」
「じゃあね」
 こうしたことをお話してでした、皆でペンギンさん達を見ました。ただその後でホッキョクグマのコーナーに行ってです。
 今度はホッキョクグマを見たのですが皆はここで首を傾げさせてそのうえでここでも先生に尋ねました。
「あの、ペンギンさん達って南極よね」
「ガラパゴス島にもいるけれど」
「南極の生きものなのに」
「同じ場所にホッキョクグマさんもいるから」
「何か違和感あるよね」
「他の動物園でもそうだけれど」
「そうだよね」
 ここでホッキョクグマも皆に言ってきました。
「僕もそう思うよ」
「あっ、やっぱり」
「ホッキョクグマさんもそう思うんだ」
「北極の生きものと南極の生きものが一緒にいるって」
「おかしいよね」
「普通に考えたら」
「うん、多分ペンギン君達もそう思っているよ」
 彼等もと言うホッキョクグマでした。
「同じ寒い場所でも物凄く離れてるからね」
「地球で一番離れてるからね」
「北極と南極じゃね」
「それでも同じサファリにいるなんて」
「凄いことよ」
「普通に考えたら」
「全くだよ、何ていうか」
 皆にさらに言うホッキョクグマでした。
「これは凄いことだよ」
「全くだね」
「動物園やサファリならではだね」
「こうしたことがあるって」
「しかも寒い場所の生きものだけじゃないね」
 さらにお話するホッキョクグマでした。
「アフリカみたいに暑い場所の生きものが多いね」
「ここは特にそうだね」
 今度は先生がホッキョクグマに応えました。
「ワールドサファリだからね」
「そうだよね」
「さっき僕と王子がお話したサーバルキャットもそうだし」
 ここでもこの生きもののお話をした先生でした。
「アフリカ、そして海の生きものがメインだね」
「僕も海の生きものに入ってるね」
「北極に大陸はないからね」
 海と氷だけがあります、それが北極です。
「だからね」
「そちらになっているんだ」
「ペンギン君達も一緒でね」
「南極は大陸あるって聞いたけれど」
「そうだよ、ただペンギン君達は海の中で魚を獲って食べるからね」 
 それでいつも泳いでいます、南極の海を。
「そうなるよ」
「同じ海の生きものだからかな」
「ここに一緒にいるんだ」
「そうなるんだ」
「それに君達は人気があるから」
 ペンギン達もホッキョクグマもというのです。
「日本の多くの動物園にも一緒にいるよ」
「そうだったんだ」
「人気者だからね」
「北極も南極も関係なく」
「そうだよ、確かに不思議なことだけれど」
 北極の生きものと南極の生きものが一緒にいることはです、自然のことから考えるとやはり不思議なことですが。
「それでもだよ」
「人間の都合なんだ」
「一言で言うとね」
 先生も否定しません。
「君達には迷惑かもね」
「まあ僕はここでいつもお腹一杯食べられて色々安全で快適だからね」
 それでと答えたホッキョクグマでした。
「いいと言えばいいけれどね」
「そうなんだね」
「まずお腹一杯食べられる」
 それもいつもです。
「これが大きいよ」
「何といってもね」
「そう、だからね」
「君はここにいてだね」
「快適だよ、だから人間の都合でもね」
「いいんだね」
「それはどうでもいいね」
 笑って答えたのでした。
「僕としてはね」
「違う考えの子もいるね」
「そうだよ、けれどね」
 それでもというのです。
「僕はそうだから」
「それでだね」
「いいと思うよ、ここにいて」
「それは何よりだよ、ただ気をつけることはあるね」
「太り過ぎだね」
「そう、いつもお腹一杯食べているとね」 
 笑ってです、先生はホッキョクグマにこうも言いました。
「僕みたいになるよ」
「太り過ぎかな」
「僕は日本に来てかなり痩せたけれどね」
 それでもというのです。
「気をつけないとね」
「うん、食べ過ぎにはね」
「お腹一杯食べてもね」
 いつもそうしていてもです。
「お互いそこは気をつけようね」
「ははは、何か先生に言われるとね」
「気をつけようって思うね」
「今はもういつも食べた後は動けなくなる位に食べてるけれど」 
 それをというのです。
「少し動ける位に止めておこうかな」
「それ位?」
「それでも食べ過ぎじゃない?」
「ちょっとね」
「そう思うけれど」
 動物の皆はホッキョクグマの食べる量を聞いてこう思いました。
「僕達も先生もそこまで食べてないよ」
「流石にね」
「満腹にはなっても」
「動けなくなる位まではね」
「それでもよ」
「そう言うとホッキョクグマさんは」
「食べ過ぎにも程があるんじゃ」
 こう思うのでした、ですがホッキョクグマは笑ってそのうえでこうしたことを言ったのでした。
「だからそこをね」
「動けなくなるまでじゃなくて」
「少し動ける位にして」
「そこで止めるっていうんだ」
「そうしていくよ」
 こう皆に答えるのでした。
「これからはね」
「それでも食べ過ぎなんじゃ」
「ちょっと以上に」
「流石に動けなくなるまでじゃないけれど」
「それでもね」
「食べ過ぎよ」
「そうかな、まあ係のお兄さんもいつもよく食うなとか言うし、笑ってね」
 ホッキョクグマに御飯をあげているその人もというのです。
「そこを少し抑えてね」
「それでなんだ」
「そうしていくよ」
 先生にお話しました。
「これからはね」
「それがいいね。やはりね」
「太り過ぎはね」
「身体によくないのは確かだからね」
「先生もだね」
「うん、僕もイギリスにいた時は」
「今よりもだね」
「太っていて脂肪率も高くてね」
 そうなっていてというのです。
「よくなかったからね」
「ある程度位でいいね」
「そうだよ、じゃあ君もね」
「うん、これからはね」
「食事をだね」
「少し減らしてね」
 そうしてというのです。
「太り過ぎにならない様にするよ」
「それじゃあね」 
 先生はホッキョクグマに笑顔で応えました、そしてです。
 皆でホッキョクグマともお話をしてそうしてでした、皆で他の海の生きもの達のコーナーを見て回ってです。
 哺乳類のコーナーやお馬さんのコーナーにも行って今ここで一番有名な生きもの達のところにも行きました、その生きものはといいますと。
「遂にだね」
「パンダさんのところに行くのね」
「いや、待ってたけれど」
「遂にね」
「後でサファリとイルカ君やアシカ君達のショーも見るけれどね」
 その前にとです、先生は皆に言いました。
「今度はね」
「うん、パンダさんだね」
「パンダさん達のところに行くのね」
「中国にしかいないあの生きもの」
「あの生きもののところに」
「行くよ」
 こうお話してです、皆でパンダのコーナーに行きました。そこには熊によく似た白と黒の色のとても大きな生きものがいました。
 パンダ達は笹を食べています、その彼等を見てです。動物の皆は先生に聞きました。
「笹食べてるね」
「パンダさん達って笹が好きだっていうけれど」
「本当に笹食べてるね」
「そうしてるね」
「そうだよ、後ね」
 さらにお話する先生でした。
「お肉だって食べるからね」
「あっ、そうなんだ」
「笹だけじゃないんだ」
「笹しか食べないって思ったら」
「そうでもないんだ」
「あくまで主食は笹だけれどね」
 それでもというのです。
「お腹が減ったら笹以外のものも食べるんだ、あと彼等は中国の山の方にいてね」
「四川省の方だよね」
「三国志にも出て来る」
「あそこにいるんだよね」
「北京や上海の方にはいないね」
「西安や武官や広州にも」
「そうだよ、中国といっても広いからね」
 それでというのです。
「四川の山の方にしかいなくて」
「かなり珍しい生きものだよね」
「それで中国でも大事にされてるんだよね」
「まさに中国じゃ宝みたいに扱われてるね」
「日本の鴇みたいに」
「そうした生きものなんだ、昔はね」
 それこそとお話する先生でした。
「いるのかどうかわからなかったんだ」
「あっ、そうだったんだ」
「未確認動物だったの」
「昔はそんな風だったんだ」
「いないかもって言われてたの」
「何しろ山奥にいるから」
 だからというのです。
「本当にいるのかどうかね」
「わからなかったの」
「そこまで珍しい生きもので」
「それで発見されて」
「今は大事にされているの」
「中国人の思い入れは強いよ」
 パンダに対するそれはというのです。
「本当に日本人の鴇、あとニホンカモシカ以上だね」
「あのアルプスの方にいるね」
「可愛らしいカモシカさんよね」
「あのカモシカさんも珍しいし」
「そのカモシカさん以上に大事にされてるのね」
「そうなんだ、そしてここでもね」 
 日本のサファリパークでもというのです。
「とても大事にされてるよ」
「八条動物園にもいるけれどね」
「あそこでもコアラと同じ位大事にされてるね」
「ハクトウワシともね」
「それだけ貴重で中国人にとっても大事なのね」
「そういうことね」
「うん、僕も見ていてね」
 そうしてというのです。
「何か嬉しくなるね」
「愛嬌ある外見だよね」
「よく見たら大きくて怖いかもだけれど」
「それでもね」
「何か見ていて楽しいよね」
「そういえばさっき」
 ふとです、ホワイティが言いました。
「先生パンダの漫画とか言ってたね」
「そうそう、パンダが出る漫画があるってね」
 ダブダブも言いました。
「ツチノコが出るとかいうお話の時に」
「サーバルキャットさん達のお話の鴇だったね」
 ジップもこう言います。
「確かに言ってたよ」
「パンダさん達は人気があるから」
「日本の漫画にも出るのね」
 チープサイドの家族も言います。
「他の人気のある生きものと一緒で」
「出演あるってことね」
「ううん、僕達もそれぞれ出てるけれど」
 老馬は自分達のお話もしました。
「パンダ君達もってことだね」
「中国でもそうなんだろうね」
 ジップはパンダ達の祖国のお話をしました。
「最近あちらの漫画もかなりあるっていうし」
「動物の漫画って多いしね」
 こう言ったのはチーチーでした。
「日本でも昔から」
「そうそう、出てる作品も入れるとね」
「物凄い数だよ」
 オシツオサレツも言います。
「そう考えるとね」
「相当な数だね」
「その中でパンダさんが出ている漫画もあるのね」
 ガブガブも考えるお顔で言いました。
「有名な漫画なのかしら」
「幾つもあるんじゃないかな」
 トートーはパンダが出て来る日本の漫画は一つではないと考えました。
「それじゃあ」
「日本の漫画って本当に多いから」
 最後にお話したのはポリネシアでした。
「それでよね」
「うん、幾つもあるよ」
 実際にとです、先生は皆にお話しました。
「パンダが出る日本の漫画はね」
「やっぱりそうなんだ」
「日本の漫画作品は多いしパンダさん自身人気があるし」
「それでなんだ」
「パンダさん達が出る作品も多いのね」
「そうなのね」
「中にはおじさんが変身する作品もあったね」
 先生は日本の漫画にも詳しくなっています、そのうえでお話するのでした。
「お水を被って」
「それ凄いね」
「人間がお水被って変身するなんて」
「特撮のヒーローみたいね」
「何ていうか」
「お湯を被ると人間に戻るんだ」
 そうなることもお話した先生でした。
「面白いよね」
「そうだよね」
「何ていうかセンスあるね」
「日本人のセンスって面白いよね」
「そう来るっ?って感じで」
「ギャグだってね」
「そう、その面白いセンスでね」
 まさにというのです。
「そうした風にもなる漫画もあるんだよ」
「お水を被っておじさんがパンダになる」
「それでお湯を被ろと元に戻る」
「よくそんなの考えついたね」
「凄いね」
「あとその漫画では主人公は男の子だけれどお水を被るとね」
 どうなるかといいますと。
「女の子になるんだよ」
「あっ、性転換なんだ」
「そうなる漫画なの」
「それじゃあお湯を被ったら男の子に戻る」
「そうなるのかしら」
「その通りだよ、他には猫や家鴨や豚になるキャラクターもいてね」
 ここでガブガブとダブダブも見た先生でした。
「剣道家や新体操をしている娘、お好み焼きを焼く娘に可愛くて強いヒロインとその娘の二人のとても奇麗なお姉さん達や女の子が好きな小さなお爺さんやとても強いこれまた小さなお婆さんや大きくなったり小さくなったりする女の先生も出るしヒロインのお父さんも出たりね」
「何か色々だね」
「色々なキャラがいる作品なのね」
「しかもどのキャラも凄く個性的」
「凄そうね」
「読んでいて面白いよ、日本の漫画にはこうした作品もあるんだ」
 おじさんが変身するとても面白くて独特な漫画もというのです。
「読んで損はないよ」
「そうみたいだね」
「僕達も読んでみたいね」
「是非ね」
「日本語も読める様になったし」
「それなら」
「うちに全巻あるよ」
 何とお家にあるというのです。
「だから読もうね」
「それじゃあね」
「お家に帰ったらね」
「読もうね」
「是非ね」
 皆はパンダ達を見つつお話しました、そしてパンダ達をさらに見てそれから今度はサファリのコーナーに行くとライオンや虎達がいます、ですが。
 王子は首を傾げさせて一緒に乗っている先生に言いました。
「あの、僕アフリカの人間だから言うけれど」
「虎はだね」
「ライオンはいてもね」
 それでもというのです。
「虎はいないよ」
「そうだよね」
「うん、虎はアジアだよ」
 この生きものがいる場所はというのです。
「あと甲子園とデトロイトだよ」
「ははは、そしてアフリカにはだね」
「いないよ、ライオンはインドにもいるけれどね」
「そうだね、そこは海獣館と同じだね」
 南極にいるペンギンと北極にいるホッキョクグマが一緒にいるあそこと、というのです。
「そうだね」
「そうだよ、そこは違うよ」
「けれどここではね」
「同じ場所にいるね」
「そうだよ」
 そうなっているというのです。
「ここではね」
「それが面白いね、アフリカにいたら」
「虎はだね」
「ライオンと一緒にはいないからね」
 それでというのです。
「インドみたいに」
「インドは一緒にいるんですよね」
 トミーも言います、勿論動物の皆も一緒にいます。
「ライオンも虎も」
「あそこはそうだよ」
「ただライオンの種類は違いますね」
「ここのライオンはアフリカのライオンだね」
 サファリの中でのどかに寝ているライオン達を見て言った先生でした、見ればライオン達だけでなく虎達もそうです。
「どうやら」
「そうなんですね」
「そして虎はアムールトラだけれど」
「シベリアの方の虎ですよね」
「そうだよ、そしてバイソンはね」
 今見えたこの生きものはといいますと。
「アメリカバイソンだからね」
「アメリカですね」
「あそこのプレーリーにいるよ」
「今度はそちらですね」
「あとラマはね」
 この生きものはといいますと。
「さっき見たけれどね」
「中南米ですね」
「そしてカンガルーは言うまでもなく」
「オーストラリアですね」
「そちらだよ」
 そこの生きものだというのです。
「そうだよ」
「何か世界中の生きものが集まってる場所ですね、ここは」
「そうだね」
「アフリカだけじゃないんだね」
 しみじみとして言った王子でした。
「ここは」
「そうだね」
「そう思うと本当に面白いよ」
 王子にしてみるとです。
「シベリアの虎もいるし」
「そうだね」
「ライオンはアフリカにもインドにも所沢にもいるけれどね」
「ははは、王子はまた野球を言うんだ」
「最近僕も好きになったからね」
 だからというのです。
「お話に出すよ」
「そうなんだ」
「うん、しかし虎って大きいよね」
「実はライオンよりずっと大きいんだよね」
「そうだよね」
「それで目立つ外見だけれど」
 黒と黄色の縦縞の模様がです、とはいっても先生達が今見ている虎は白いホワイトタイガーです。噂のあの虎です。
「実は森の中ではね」
「そうそう、あの模様がね」
「かえって見つかりにくいんだ」
「人間からもだね」
「色がわかってもね」
 緑の中に黄色があってもです。
「これが中々ね」
「見付けられないよね」
「アフリカにも豹がいるからわかるね」
「豹は虎とは違う模様だけれどね」
「黒と黄色だね」
「けれど木の上にいる豹を見ようとしてもね」
 そうしようとしてもというのです。
「これがね」
「難しいね」
「そうなんだ」
 王子はこう先生にお話しました。
「だからジャングルの中を進むなら本当に気をつけないといけないんだ」
「アフリカを探検する人達も苦労したよ」
 先生はそうした人達のお話もしました。
「いきなり襲われたりしてね」
「そうなっていたからだね」
「大変だったんだよ」
「豹のことでもだね」
「暑さに疫病、虫に蛇にってね」
「凄いからね、アフリカのジャングルも」
「その中の豹達もね」
 その彼等もというのです。
「危なかったんだよ」
「それはわかるよ、虎が目立つのは平野とかこうした場所にいるからだね」
「そうだよ」
 その通りだと答えた先生でした。
「こうした場所だからね」
「目立つんだよね」
「そうなんだ、本当に森の中だったら」
 虎達の本来のテリトリーの中だとです。
「わからないんだよ」
「豹と一緒で」
「本当に危ないよ」
「そうだね、あとライオンもいるけれど」
 ここでこんなことも言った王子でした。
「水のライオンや岩のライオンはいないね」
「アフリカにいるっていうだね」
「うん、ここにもね」
「アフリカでもいるかどうか不明だよね」
「そうなんだ、僕はいると思うけれど」
 それでもというのです。
「どちらのライオンもね」
「あれだよね、水のライオンはサーベルタイガーみたいんだよね」
 トミーが王子にまずはその水のライオンのことを尋ねました。
「そうなんだよね」
「それで岩のライオンは山の方にいるんだ」
「昔いたバーバリーライオンみたいに」
「そんな外見らしいし」
「何なのかな、どっちのライオンも」
「未確認動物だね」
 先生はトミーにもこの言葉を出してお話しました。
「彼等もね」
「今はですね」
「僕もいるとは思うけれどね」
「まだはっきりしたことはわかっていないんですね」
「そうだよ、今はっきりいるってわかっているライオンはね」
「彼等ですね」
 アフリカのライオン達を見て言うトミーでした、今ものどかに寝ています。
「そうですね」
「うん、アフリカだとね」
「そうですよね」
「アフリカで調べるべきだね」
 彼等のことはというのです。
「いないというならね」
「いるかどうかをですね」
「調べるべきだからね」
「わからないなら調べる」
「それが学問だよ、そして僕はね」
「学者だからですね」
「調べるよ」
 まさにというのです。
「そうするよ」
「じゃあやがてはですね」
「またアフリカに行ってね」
 そうしてというのです。
「調べるよ」
「うん、また行こうね」
 王子も先生に笑顔で応えます。
「アフリカに」
「そうしようね、そしてね」
「本当にいればですね」
「記録に残して発表するよ」
 先生も笑顔です、そのうえでの王子への返事です。
「是非ね」
「そうしようね、本当に見付かったらね」
「世紀の大発見だよ」
 まさにと言う王子でした。
「そうなるね」
「パンダ君の時みたいにね」
「そうだね、ジャイアントパンダだね」
「ふれあいのところにもいたけれど」
 パンダがです。
「彼等はレッサーパンダだよ」
「同じ種類でもだね」
「大きさと模様が違うね」
「全然違う生きものに見えるよ」
「けれど兄弟関係にあるんだよ」
 彼等はというのです。
「生物的にね」
「それでパンダというんだよ」
「どちらもだね」
「そうだよ、そして多分ね」
「水のライオンと岩のライオンもだね」
「同じライオンの仲間だよ、僕の予想では」
 生物学の権威としても知られる先生のそれによりますと。
「水のライオンはサーベルタイガーの亜種なんだろうね」
「あの昔の生きものの生き残りだね」
「そう、それで岩のライオンはね」
 こちらのライオンはといいますと。
「バーバリーライオンの生き残りかな」
「そちらになるんだ」
「そう思うよ、アフリカは広いからね」
「まだ発見されていない生きものも多いしね」
「その中で絶滅したと思われていた彼等もね」
 サーベルタイガーやバーバリーライオン達がというのです。
「生き残っていたんだろうね」
「そうなんだね」
「僕はそう思うよ、あとね」
 さらにお話する先生でした。
「あそこにも恐竜のお話があるしね」
「ネス湖と一緒ね」
「私達のお国のあの湖と一緒ね」
「スコットランドのあの湖」
「先生も何度か行ってるけれど」
「あそこは有名だし」
「アフリカにもそうしたお話があるんだ」
 恐竜の目撃例がというのです。
「これがね」
「アフリカは広くて」
「それでだね」
「その中に恐竜がいる」
「そうとも言われてるんだね」
「そうみたいだよ、モケーレ=ムベンベとかチペクエとかね」
 具体的な名前を出す先生でした。
「あと翼竜の目撃例もあるし」
「本当にいるかも」
「アフリカだからね」
「僕達が最初に行った時も凄かったし」
「色々あったわね」
「大冒険だったよ」
「あの時からかなり経ったよ」
 先生はその最初にアフリカに行った時を思い出しながらその時も一緒だった動物の皆そして王子に応えました。
「けれどね」
「まだまだだね」
「アフリカはわかっていない」
「そうだよね」
「あまりにも広いから」
「だからまだまだ調べること、行くべき場所は多いよ」
 既にかなり探検されてきていてもというのです。
「だから水のライオンや岩のライオンもね」
「いる筈だしね」
「探しに行こうね」 
 また王子に応えた先生でした。
「そうしようね」
「機会があればね」
「そうしようね」 
 二人でお話をしてそうしてでした、先生達はサファリを巡って話題のサーバルキャットも見てイルカやアシカのショーも観ました。
 全部見て回ってその後で、でした。先生達はホテルに戻ってそうしてとても満足してお風呂にも入って夕食も楽しみましたが。
 先生にです、動物の皆はあらためて言いました。
「よかったね、ワールドサファリ」
「シャチさん達がいなくなったのは残念だけれど」
「それでもね」
「パンダさん達がいて他の生きものも一杯いて」
「何かと楽しかったね」
「素敵な場所だったわ」
「そうだったね、まあテーマパークの施設は行かなかったけれど」
 それでもと答えた先生でした、この日も梅干しと蜜柑で日本酒を楽しんでいます。どれも和歌山のものです。
「充分以上に楽しめたね」
「本当にね」
「また行きたい位よ」
「色々な場所を巡ってきたけれど、これまで」
「ワールドサファリもよかったわ」
「最高だったね」
「日本でもかなりいい動物園だね」 
 ここでは動物園と表現した先生でした。
「あそこも」
「大阪の動物園とどっちが上かな」
「天王寺の動物園と」
「あそこもいいけれどね」
「白浜もよかったわね」
「そこは僕も言えないね」
 どちらがどちらはというのです。
「どちらもそれぞれ見るべきものがあるからね」
「だからだよね」
「先生にしてもだね」
「どれがいいかはね」
「言えないんだね」
「ちょっとね、犬君達も皆元気で明るかったし」
 そちらのコーナーのお話もした先生でした。
「いい場所だったよ」
「他の皆も元気だったしね」
「ホッキョクグマさん達も」
「サファリのライオンさん達もね」
「とてもくつろいでいてね」
「観ていてよかったよ、じゃあ明日はね」
 今度は明日のお話をした先生でした。
「お城に行こうね」
「紀伊和歌山城ね」
「吉宗さんもいたあの城ね」
「あちらに行くのね」
「そうしようね、そういえば日本にいるとね」
 ふとこうも思った先生でした。
「色々なお城を巡るね」
「そうそう、大阪城も行ったしね」
「姫路城も行ったし」
「あと首里城も行ったね」
「松山城もね」
「それで今度は和歌山城だね、日本のお城は多くの国のお城と違うけれどね」
 先生が最初にお城だと思っていたものとはです。
「日本のお城もいいね」
「奇麗で恰好よくて」
「中を見回って素敵よね」
「じゃあ素敵なそのお城に入ってね」
「観て回ろうね」
「そうしようね」
 笑顔で応えた先生でした、そうしてです。
 先生はこの日も夜はお酒を楽しみました、そのうえで明日の紀伊和歌山城に行くことを楽しみにするのでした。



先生たちはサファリに。
美姫 「当たり前だけれど、色んな動物がいるわね」
皆も楽しそうだ。
美姫 「明日は城へと行くみたいね」
だな。それもまた楽しそうだ。
美姫 「次回も待っていますね」
待っています。



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