『ヘタリア大帝国』




            TURN50  セーシェル星域にて

 アラビアまで進出した太平洋軍は今度はオフランス領に攻め込むことになった。東郷は作戦会議室において居並ぶ提督達に言った。
「セーシェル、そしてマダガスカルだが」
「はい、私が考えますに」
 すぐに秋山が応えてきた。
「オフランス戦は短期決戦ではなりません」
「二ヶ月だな」
 東郷はその時間を自分から指定した。
「二ヶ月で終わらせるか」
「そうです。二ヶ月で終らせ」
 そしてだというのだ。
「その後すぐに主力を太平洋方面に戻しましょう」
「急がないといけないな」
 東郷はいつも通り余裕のある顔で述べた。
「そうしないとな」
「いえ、実は面白い航路を見つけました」
「面白い?」
「はい、そのマダガスカルから四国への航路が発見されました」
 秋山はここで東郷に話した。
「つまりマダガスカル四国まで一月で行けます」
「そんな航路があったのか」
「そしてです」
 秋山の話はさらに続く。
「ハワイにもそこからです」
「攻められるな」
「賊座に。オフランス戦から即座にハワイに軍を向けられます」
「有り難いな。正直ここからハワイまでの時間はかなりのロスになる」
 それを東郷も言う。
「面白い、これならな」
「即座にハワイを攻められます」
「よし、じゃあそうしよう」
 東郷は秋山の言葉に乗った。こうしてマダガスカルの後も決まった。しかし秋山の話はこれで終わりではなかった。
「発見された航路はまだありまして」
「他にもあるのか」
「そのハワイからです」 
 マダガスカルの次に攻めるべきその星域とも関係があった。
「カナダに通じる航路も発見されました」
「カナダもか」
「考えますにカナダ、ケベックを占領しアラスカも攻略してです」
「それからガメリカ本土だな」
「はい、そこを攻めましょう」 
 これが秋山のガメリカ戦の作戦だった。
「これでどうでしょうか」
「ガメリカ本土はハワイが陥落しても守りが堅い」 
 このことは既に伝わっていた。ガメリカ本土の守りはかなりのものだ。
 しかしその守りを一旦避けカナダから攻めるというのだ。
「そこに正面から攻めても損害を出すだけだな」
「それよりもですね」
「横から攻めよう。カナダ航路からな」
「では」
 このことも決まった。そしてまずはだった。
 オフランス戦だ。その戦いについてはインドが言った。国家も提督として話す。
「セーシェルは独特の潮流があるたい」
「宇宙潮流ですね」
「そう、それたい」 
 秋山に穏やかな笑みで話す。
「それを使うと面白いたい」
「具体的にどんな潮流ですか?」
 秋山は鋭い目になりインドに尋ねた。
「セーシェルでの潮流は」
「北から東、そして西たい」
 そうした流れだというのだ。
「そう流れるたい」
「そうですか」
 ここで言う秋山だった。
「では敵艦隊の布陣によっては」
「側面を衝けるたい」
「ですね。それでは敵の布陣も見ましょう」
 秋山はここで会議を行なっている円卓の中央に三次元映像を出した。そこに先程偵察からわかったオフランス軍の布陣が出た。それはというと。
「どんぴしゃだよね」
「そうよね、どんぴしゃよね」
 ララーがキャシーに応えて言う。
「潮流が西に曲がるその先にね」
「そのまま布陣してるな」
「丁度敵陣のすぐ横で潮流は今度は南に曲がるたい」
 インドはこのことも言った。
「だからオフランス軍は潮流の影響を受けないたい」
「というかこれ相手絶対潮流のこと知らないわよ」
 クリオネはこう指摘した。
「そうとしか思えない布陣ね」
「そういえば敵の主力はビジー軍だね」
 南雲が指摘するのはこのポイントだった。
「オフランス軍だけれどね」
「フランスさんに妹さんもおられますね」
 日本はこの二人の艦隊も確認した。
「それにセーシェルさんも」
「セーシェルさんはよく御存知だと思いますが」
 タイはこう言って首を捻った。
「アドバイス等は」
「フランスさんはともかくビジー総司令が聞かなかったんだろうな」
 東郷はこう予想した。
「それでこの布陣になっている」
「そういうことですか」
「元々オフランス軍は祖国防衛に主力を置いていて」
 そしてだというのだ。
「こちらの艦隊も平和主義で駐留場所すら碌に調査していなかったんだろうな」
「それは軍としてどうかと思いますが」
 生真面目なエルミーにとっては考えられないことだった。
「駐留場所とその近辺を調査しないのは」
「それが今のオフランス軍の実態です」
 小澤が淡々とそのエルミーに答える。
「軍としてどうかとは思いますが」
「それでもですか」
「我々にとってはいいことです」
 そうだというのだ。
「付け入る隙です」
「それならだ」
 ここで東郷は作戦を話した。
「軍を二手に分ける。一方は正面から敵軍に向かい」
「そしてですね」
「もう一方の軍は」
「そうだ。潮流に乗り高速で敵軍の側面を衝く」
 秋山と日本に話す。
「そうして攻めよう」
「では一方は司令が率いられるのですね」
「正面から攻める軍は俺が率いる」
 秋山に述べた言葉だった。
「そしてもう一方の指揮は」
「どなたが」
 日本は真剣な目で東郷に問うた。
「率いられますか」
「サフラン、いいだろうか」
 東郷はサフランを見て彼女に声をかけた。
「ここは」
「私ですか」
「ああ、全速力で潮流を進んでだ」
「敵の側面を一気に衝くのですね」
「この戦いを決める戦力になる」
 まさに決戦兵力だった。戦局を決定付けるという意味で。
「頼めるか」
「私でよければ」
 サフランは淡々とした口調だが東郷に答えた。
「そして俺の副官はだ」
「どなたが」
「ネルソン提督にしたい」
 秋山に応えながらネルソンに顔をやっての言葉だった。
「いいだろうな」
「お任せ下さい」
 ネルソンはエイリス軍人らしく礼儀正しくかつ端正に答えを返した。
「では」
「サフランの副官はアグニだ」
「僕ですか」
「頼んだぞ。それじゃあな」
「はい、わかりました」
 アグニも笑顔で応える。こうしてそれぞれどの提督が回されるかも決められた。エルミーはそういったことが決まった後会議室を後にしながら日本に対して囁いた。
「まさかと思いました」
「まさかとは」
「はい、日本帝国がここまで勝つとは」
「インド洋の掌握も間近だというのですね」
「お言葉ですがすぐに破れると思っていました」
 エルミーは己の予想を話した。
「マレー辺りで。よくてもインドで終わると」
「そう予想されていましたか」
「しかし。まさか」
「そうですね。皆さん頑張って下さいました」
 それ故だと答える日本だった。
「そのお蔭で、です」
「ここまで来られたというのですか」
「戦力はこちらが圧倒的に不利でした」
 今から戦うオフランス軍はともかくガメリカに中帝国、そしてエイリスだ。連合のこの三国を一度に相手にしてはだったのだ。
「しかし。それを何とかです」
「皆さんの力があってですか」
「そのそれぞれの力が一つになり」
 そしてだというのだ。
「ここまでこれました」
「そうですか」
「エルミーさんもです」
 日本はエルミーの顔も見て言う。
「頑張って下さいましたから」
「いえ、私はその様な」
「そうではありません。エルミーさんと潜水艦艦隊は大きな力です」
 日本だけではない。誰もがそう感じていることだ。
「どれだけ大きな力になったか」
「そうであればいいですが」
「そのエルミーさんのお力もあり」
 さらに言う日本だった。
「私達はここまで来られたのです」
「私もまた、ですか」
「そうです。誰かの力が欠けていても」
 ここまで来られなかったというのだ。
「本当にそう思います」
「ドクツとは違いますね」
 エルミーは日本の話を聞きながら自身が絶対の忠誠と敬愛を誓う少女のことを思い浮かべた。あの彼女のことを。
「我がドクツは総統閣下がおられます」
「レーティア=アドルフ総統ですね」
「あの方が全てを導かれています」
「素晴らしい方だと聞いています」
「はい、まさに天才です」
 エルミーは顔を上気させていた。目も輝いている。そのうえでの言葉だった。
「内政、財政、福祉、軍事、技術。あらゆる分野でドクツを立て直されました」
「僅か二年で」
「今やドクツは強国です。あの何もかもが失われた国がです」
「そうですね。まさに快挙です」
「我がドクツには総統がおられます」 
 エルミーは今はここにいない敬愛の対象をその目に見ながら話していく。
「あの方がおられれば」
「ドクツは敗れませんか」
「必ず勝ちます」
 こう言うのだった。
「欧州のことはお任せ下さい」
「では我々は我々で」
「オフランスの次はいよいよですね」
「はい、ガメリカです」
 遂に目下最大最強の敵との本格的な戦争になるというのだ。
「ハワイに攻め込みます」
「そうなりますね」
「その際デーニッツさんにもです」
「お任せ下さい。必ずやハワイでも勝ちましょう」
「ハワイはガメリカ軍最大の基地であり」 
 それにだった。
「かなりの戦力が集中しています」
「そこに我々の主力が攻め込むのですね」
「それでも戦力はですね」
「ガメリカ軍の方が上です」
 それもかなりだった。
「二倍はあります」
「そうですね。それに艦艇の質もまた」
「第六世代の艦艇をようやく建造できるようになってきていますが」
「ガメリカ軍は既にですね」
「第六世代の艦艇を主力にしています」
 ガメリカ軍の国力、そして技術力がここでも遺憾なく発揮されていた。
「それに対するにはです」
「我々はまだ不十分ですね」
「艦艇の質では」
「数でも質でも劣っていますね」
「それでどうして勝つか」
 日本は強い目になり話していく。
「それが今の課題です」
「やはり正面からぶつかって勝てる相手ではありませんね」
「間違いなく」
「では今回も」
「思い切った作戦を執る必要があります」
 必然的にそうなることだった。今回もまた。
「ではその時は」
「お任せ下さいますか」
「お願いします」
 日本はエルミーの顔を見て言った。戦いはもう次の局面に目がいっていた。ガメリカとの決戦も間近だった。
 太平洋軍はセーシェルに入った。己の乗艦の艦橋にいるフランスはモニターに映る彼等を見てこう呟いた。
「こりゃまずいな」
「まずいとは」
 モニターにシャルロットが出て来て言ってきた。見ればオフランス軍の軍服を着ている。その紺色の制服をだ。
「どういうことでしょうか」
「いや、こっちはやる気がないしな」
 オフランス軍は平和主義であるが故に今も士気が低かった。
「艦の質だってな」
「それもですね」
「ああ、いいのは全部本国にあったからな」
 その本国が見事に陥落しているのだ。つまり今ここにあるのは植民地で叛乱が起こった場合の抑止力程度の質の艦艇だけなのだ。
「ましてマジノ線なんてな」
「とてもですね」
「あんな凄い防衛ラインもないからな」
「ではこの戦いは」
「まずいな」 
 実に率直な言葉だった。
「それもかなりな」
「そうなのですか」
「司令は勝てるって思ってるけれどな」
 ビジーはだというのだ。
「けれど正直なところな」
「勝つことはですか」
「ああ、難しいな」
 現実派そうだというのだ。
「しかもここで負けたらな」
「もう、ですね」
「マダガスカルも守ることはできないな」  
 そうなってしまうというのだ。
「ここに展開してるのが今のうちの戦力だからな」
「それでは」
「まあなあ。降伏するしかないだろうな」
 フランスは右手を頭の後ろにやって掻く動作をしながら言った。
「ここで負けたらな」
「そうですか」
「まあ。負けるのは慣れてるさ」
 フランスはやや自嘲を込めて言った。
「今の戦争だけじゃないからな、負けてるのは」
「先の戦争でもですか」
「あの戦争でもドクツにやられっぱなしだったしな」
 とかく結構な戦力がいても何故か負けが多いフランスだった。これは歴史的においてもかなりのものだった。
「ナポレオンでも最後は、だったからな」
「そうですね。伊勢志摩に対しても」
「あとオーストリアともな」
 この国との戦争も多かったがそれもだった。
「負けてる方が多いからな」
「しかしですね」
「あれだよ。最後勝った方にいればいいんだよ」
 自嘲めかした言葉はそのままだった。
「じゃあいざとなったらな」
「降伏ですか」
「イギリスのところに逃げてもいいんだけれどな」
 この選択肢もあるにはあった。
「それも何だしな」
「エイリスに亡命はされませんか」
「ここで負けたら向こうに入っても肩身狭いからな」 
 一応連合の五国の一つだがそれでもだというのだ。
「ちょっとやりにくいな」
「ではやはり」
「降伏するしかないよな」
 敗北が前提となっている。フランスはもうそう考えていた。
「ここで負けたらな」
「そうですか」
「ああ、とりあえず戦ってな」
「その結果で、ですね」
「決めるか、どうするか」
 こうした話をしてだった。オフランス軍はセーシェルに布陣した。この時ビルメはセーシェルの乗艦にいた。その艦橋でセーシェルに言っていた。
「祖国さんの意見は聞かなかったね」
「そうね。絶対に勝てるって」
「潮流のこと言ったね」
「ええ、お話したわ」
 そうしたとだ。オフランス軍の軍服を着ているセーシェルはビルメに話した。
「それでもね」
「ここの潮流結構ややこしい流れなんだけれどね」
「その潮流から来たら丁度横を衝かれる場所に布陣してるから」
 セーシェルもこのことを言う。伊達にこの星域の国ではない。
「多分この戦いは」
「横から攻められて総崩れだね」
「そうなるわ」
 セーシェルはもうわかっていた。この戦いがどういった流れになるのか。
「しかもその横にいるのが」
「オフランス軍だよ」
「数はそれなりにいるけれど」
「あれは駄目だね」
 ビルメはオフランス軍についてばばっさりと斬り捨てた。勝てないとだ。
「横をいきなり衝かれてね」
「それで負けるわね」
「せめて祖国さんかフランスさんでも行けばね」
「そういえば布陣もおかしいから」
 セーシェルは今のオフランス軍の布陣を見た。その敵が来るであろう方に弱い戦力を置いているだけではなかった。
 セーシェルやフランス兄妹、それにシャルロットの艦隊を後ろに置いている。つまり戦える戦力を前線には置いていないのだ。
「これは」
「いきなり攻められて蛸殴りだよ」
 アライグマそっくりの顔で容赦なく言う。
「それで終わりだよ」
「そうなるわよね」
「こっちに来るまでに戦力の殆どがなくなって終わりさ」
「ううん、ビジーさんってかなり」
「ここのこともわかってないし相手のこともわかってないね」
「己を知らず敵も知らずなのね」
「これで勝てるものじゃないよ」
 ビルメの容赦のない言葉は続く。
「まああたしには基本どうでもいいことだけれどね」
「若し日本さんが勝ったな」
「独立できるわね」
「そうだよ。だから悪い話じゃないよ」
 これはセーシェルにとっても言えることだった。これまではオフランスの植民地だがそれが遂にだというのだ。
「それもね。ただね」
「ただ?」
「あたし実はフランスさんもシャルロットさんも嫌いじゃないんだよ」
 植民地にされているがそれでもだというのだ。
「まあフランスさんはあれだけれどね」
「ちょっと以上に変態だけれどね」
「それでも悪い人じゃないよ」
 フランスの内面を見極めていることは見極めているのだ。
「特にシャルロットさんはね」
「そうよね。凄くいい人よね」
「政治家としても軍人としても成長していってるしね」
「あの人達負けたらどうなるのかしら」
「負けたら降伏するしかないよ」
 ビルメにしてもそう見ていた。そうなることは明らかだった。
「その時フランスさん達がどうするかだね」
「難しいところよね」
「それを決めるのはフランスさん達だけれど。とにかくだよ」
「ええ、戦いね」
「はじまるよ」
 こうした話をしてだった。セーシェル達も太平洋軍を待ち構えていた。東郷は長門の艦橋から彼等を見てこう秋山に言った。
「それではだ」
「はい、今からですね」
「攻める。手筈通りな」
「まずは我々が動きですね」
「そしてサフラン提督の艦隊がだ」
「はい」
 そのサフランが長門のモニターに出て来る。
「潮流に乗り側面からですね」
「攻めてくれ。我々が攻撃を加えているその時にな」
「わかりました」
「この戦いに勝てばマダガスカルもすぐだ」
 すぐに攻められるというのだ。
「一気に行こう」
「それでは」
 サフランは東郷の言葉に頷く。そうしてだった。
 日本軍は前に出る。まずは東郷率いる主力が正面から攻める。
「全軍一斉射撃!」
「全軍一斉射撃!」
 命令が復唱されそのうえで艦載機からビーム攻撃に移る。その艦載機での攻撃でオフランス軍は既にだった。
 かなりのダメージを受けている。それを見てオフランス軍の将兵達は動揺した。
「な、艦載機だと!?」
「小魚もいるぞ!」
 まだ魚は前線で使われている。しかも主力だ。
「しかも何だこの数は」
「多い、多いぞ!」
「日本軍にはここまでの艦載機があったのか!」
 オフランス軍には空母はない。精々旧式の戦艦だけだ。
 従って航空戦力への備えはない、それでだった。
「まずい、損害が多い!」
「ビーム攻撃の前にこのダメージか!」
「聞いていないぞ!」
「おい、いきなりまずいな」
 後方にいるフランスは前線の混乱を見て呟いた。
「艦載機の攻撃予想してなかったんだな」
「その様ですね」
 フランス妹がモニターに出て来て応える。
「それも全く」
「だよな。日本が艦載機をよく使うこともな」
「司令は御存知なかったのですね」
「本当に敵を侮り過ぎだろ」 
 フランスは苦々しい顔で妹に述べる。
「これはな」
「そうですね」
「ったくよ。どうしたものだよ」
 ぼやいたまま言うフランスだった。
「いきなりまずいぜ」
「次はビーム攻撃ですが」
「それもな」
 オフランス軍が考えていた最初の応酬もどうかというのだ。
「まずいな」
「そうなりますか」
「ああ、かなりまずい」 
 そうだというのだ。
「こっちの戦艦はな」
「索敵能力が落ちますか」
「それもあるし動きも鈍いな」
 フランスは実際に動いている自軍の戦艦達を見ながら話す。
「火力の問題じゃねえ」
「そうですね。しかしです」
 フランス妹は兄に確かな声で言った。
「数はこちらの方が上ですから」
「勝てるっていうんだな」
「はい、勝てます」 
 そうれが可能だというのだ。
「数で押し切れば」
「いけるか?」
「そう思いますがどうでしょうか」
「今太平洋軍二手に分かれてるけれどな」
 そのことを言うフランスだった。今実際に太平洋軍は二手に分かれている。
「あの一方の軍はどうだ?」
「あの軍ですか」
「あからさまに横から衝こうとしてるよな」
「はい、そうした動きですね」
「あれが気になるんだけれどな」
「あの敵軍は危険ですよ」
 セーシェルが危機を確信している顔でモニターに出て来て二人に言ってきた。
「潮流に乗ってこっちに来ます」
「そういえばここに潮流があるよな」
「はい、それに乗って来ますよ」
「だよな。あれが来たらまずいぜ」
「すぐに迎撃の艦隊を向けるべきです」
 これがセーシェルの意見だ。この考えは今も変わらない。
「すぐにでも」」
「だよな。けれど司令がな」
「ここの潮流のこと御存知ないですから」
 それでビジーもだったのだ。
「今ならまだ間に合います」
「そうするか、今は」
「すぐに来ますから」
「では私も」
 兄に続いて妹もだった。彼等はセーシェルと共に潮流の方に向かおうとする。しかしそれを見てだった。
 全体の指揮を執るビジーがこう言ってきた。それは懸念する声だった。
「祖国殿、何処に行かれるのですか?」
「何処って決まってるだろ」 
 フランスはビジーにすぐに返した。
「横から来る敵に向かうんだよ」
「まだ来るには時間がかかりますが」
 潮流の存在を知らないビジーはこう答える。
「早過ぎます」
「あの、さっきも言いましたけれど」
 そのビジーにセーシェルが言う。
「ここの潮流は凄いですから」
「ははは、そんな極端に強い潮流はないですよ」
 ビジーは余裕さえ見せてセーシェルのその言葉に応える。
「戦力はその時に向けますので」
「ですからそれは」
「それならこうしましょう」
 ビジーも国家達の言葉は全て断れなかった。それで妥協案を出したのだった。
「ここはです」
「どうするのですか?」
 フランス妹が尋ねる。
「一体」
「機雷を撒きましょう」
 それで敵の足を止めるというのだ。
「それで防いでおけばいいでしょう」
「そうするのかよ」
「はい、これでどうでしょうか」
 フランスに余裕の笑顔で提案する。
「問題ないと思いますが」
「どう思う?」
 フランスは共にモニターにいるセーシェルに問うた。
「機雷でいいか?」
「ううん、機雷ですか」
 機雷の有効性は言うまでもない。セーシェルもよく知っている。
 それで話を聞いて考える顔になりこう答えた。
「とりあえずは」
「いいか」
「はい、足止めになりますから」
 それもかなり効果的なだ。
「いいと思います」
「じゃあ機雷を撒いてか」
「元の場所に戻って下さい」
 ビジーも言ってきた。
「お三方は予備戦力としていざという時にです」
「前線に来てくれっていうんだな」
「はい、そうして下さい」
 ビジーはまたフランスに答える。
「そうして下さるでしょうか」
「わかった。それじゃあな」
 こうして機雷が撒かれフランス達は元の場所に戻った。その頃前線ではビームの応酬が行なわれていた。
「撃て!」
「撃て!」
 両軍がそれぞれ攻撃を命じている。そしてそのうえで。
 ビームの槍が交差する、そのうえでだった。
 お互いの艦艇が撃たれ炎を出す。しかしその質は違っていた。
「あの、我が軍の損害は」
「ああ、そうだな」
 後方に戻って来たフランスにシャルロットが言ってきた。シャルロットも予備戦力として後方に残っていたのだ。
「こっちの方がずっと多いよな」
「そうですね。ビームを出す速さが違うな」
 まずはそれがあった。
「それに艦載機とか小魚に結構やられてたからな」
「ビームを撃てる艦艇が多くやられています」
「それもあるな」
「はい、それもあって」
「戦争は数に質にな」
 フランスがシャルロットにいつも言っていることだった。
「あと戦術なんだよ」
「その戦術で、ですね」
「艦載機と小魚にやられたよ」
 まず大出力のビームを撃つ戦艦と巡洋艦からやられていたのだ。
「ったくよ、これはな」
「こちらに艦載機がない為ですね」
「もっと真面目に空母とか開発すべきだったな」
 今更だがそれでも歯噛みして言うフランスだった。
「ドクツとか空母がなかったからな」
「エイリスにはありますが」
「あそこは艦載機がしょぼいからな」
 エイリスは空母は持っているが艦載機の質がかなり悪い、そうしたことも見てオフランスは空母も艦載機もこれといって開発してこなかったのだ。
「気を抜いていたな」
「マジノ線に力を入れていましたが」
「それに集中し過ぎてたな」
「それがミスでしたね」
「そうだな、とにかくな」
 ここでまた言うフランスだった。ビームの応酬も完全に太平洋軍有利だった。
 オフランス軍の前線はまだ崩れていない。しかしそれでもだった。
「このままじゃまずいからな」
「後はですね」
「鉄鋼弾だよ」
 ミサイル、その後だった。
「噂じゃ日本軍の鉄鋼弾の威力はかなりのものらしいからな」
「その様ですね」
 丁度今二人の目の前で一隻の戦艦が敵の攻撃を受けた。直撃だった。
「戦艦リシュリュー大破!」
 すぐに報告があがる、
「航行不能に陥りました!」
「ち、リシュリューがやられたかよ」
 フランスはそれを聞いて無意識のうちに舌打ちした。
「これはまずいな」
「あの、しかもです」 
 シャルロットが言うとその瞬間に今度はビジーが乗る戦艦ルイ十四世が攻撃を受けた。既にビーム攻撃は終わりミサイルの応酬に移っていた。
 オフランス軍にミサイル攻撃が可能な艦艇は少ない。太平洋軍の一方的な攻撃になっていた。
 そこでルイ十四世が攻撃を受けたのだ。複数のミサイルが蛇の様に上下左右から迫りそうしてだった。
 ルイ十四世は集中攻撃を受けて動きを止めた。それでだった。
「申し訳ありません、これでは」
「ああ、指揮も無理だよな」
 フランスが苦い顔のビジーに応える。
「それじゃあな」
「前線の指揮は」
「俺が行く」
 フランスが自ら名乗り出た。
「後は任せてくれ」
「申し訳ありません」
「いいさ。それよりもな」
「それよりもとは」
「将兵の損害はどうなんだ?」
 フランスが今言うのはこのことだった。
「航行不能になったにしてもな」
「はい、それは」
「どうなんだ?一体」
「乗員の損害は軽微とのことです」
 ビジーはフランスに艦長から受けた報告をそのまま話した。
「ですからご安心下さい」
「けれど航行不能なんだな」
「はい」
「じゃあ総員退艦してくれ」
 そうして今のうちに戦場を離脱しろというのだ。
「そうしてくれるか」
「わかりました。それでは」
 こうしてビジーは戦場を離脱しフランスが前線の指揮にあたることになった。彼は自身の艦隊を率いて前線に出る、そして目の前にいる日本に対して言うのだった。
「ちょっとこっちも意地を見せないといけないからな」
「フランスさんですか」
「ああ、日本も元気みたいだな」
「お陰様で」
 戦場でも礼儀正しい日本だった。
「それではです」
「ああ、それじゃあやるか」
「お互い全力を尽くしましょう」
「今からな。全軍いいか」
 フランスは早速率いている全軍に指示を出した。
「鉄鋼弾が来る。回避運動に入れ」
「了解です」
「こっちも水雷攻撃を仕掛けるからな」
 やられっぱなしだけではないというのだ。そうしたことの指示をして。
 オフランス軍は全軍で太平洋軍が放つ鉄鋼弾攻撃に備える。そこにすぐにその鉄鋼弾が放たれてきた。
 オフランス軍は散開しその鉄鋼弾攻撃をかわそうとする。実際に正面からの鉄鋼弾攻撃はかわせた。オフランス軍の省兵達はまずはそれに安堵した。
「よし、何とかかわせているな」
「酸素魚雷も当たらなければどうということはないな」
「よし、ここは攻撃を凌いで」
「次は俺達だ」
 反撃を仕掛けようとする。だが。
 その反撃に移る瞬間に来た、側面からだった。
 いきなりその酸素魚雷が来た、駆逐艦の一隻が真っ二つになった。
「駆逐艦ガムラン撃沈!」
 悲報があがる。見ればその側面に太平洋軍が来ていた。
 サフランはその軍を指揮しながら言う。
「このまま前に進み」
「そしてだよね」
「そう。鉄鋼弾攻撃を続けるわ」
 こう副官役のアグニに告げる。二人もモニターで話をしている。
「このままね」
「機雷があったけれど」
 オフランス軍の撒いた機雷だ。確かにそれは撒かれたがそれでもだった。
 サフラン達の前にはない、既に潮流に流されていた。
 最早彼等の率いる軍勢にはない。サフランは何故機雷が流れたかも言う。
「機雷もまた潮流に流れるから」
「オフランス軍は僕達の足止めに機雷を撒いたんだろうけれど」
「潮流のところに撒いてしまったのよ」
 潮流の流れとその強さを知らない、これはビジーのミスだ。
「それでよ」
「そうだね。向こうはまさか潮流がここまで強いとは思ってなかったんだね」
「けれど祖国さんは知っておられたわ」
 インド洋はインドにとってはまさに家の池だ。知らない筈がなかった。
「この潮流の流れの筋と強さを」
「オフランスは知らなかった、この差だね」
「知っているということは力よ」
 情報、それはだというのだ。
「じゃあこのまま潮流から出て」
「全軍総攻撃だね」
「ではいいわね」
 サフランは淡々とだが戦局全体を見回しながら言う。
「敵軍の側面を徹底的に叩くわ」
「うん、それじゃあね」
 アグニもサフランの言葉に頷く。こうして別働隊は酸素魚雷を一斉に放ちそれで実際にオフランス軍を側面から叩いた、これは決定打になった。
「第十一艦隊壊滅!」
「第十五艦隊の損害が七割を超えました!」
「全軍の損害も三割に達しようとしています!」
「このままでは!」
 悲報が次々とあがる。しかもだった。
「撒布した機雷が後方に来ています」
「退路が遮断されようとしています」
「おい、絶望的な状況だな」
 前線で報告を聞くフランスは苦い顔で呟いた。
 しかも今度は艦載機の攻撃がまた来た。しかもそれは二手に分かれている太平洋軍の双方から来たものだった。
 これまでの倍以上の損害だった。それも受けてフランスは決断を下した。
「撤退するしかないな」
「そうされますか」
「ああ、もうどうしようもねえ」
 こう妹にも答える。
「ここまでなるとな」
「それでは」
「全軍マダガスカルまで撤退するぞ」
 フランスは正式にこの指示を出した。
「後詰は俺がやる。皆すぐに下がれ」
「あの」
 シャルロットだった。彼女もモニターに出て来た。
「機雷源ですが」
「ああ、避けて行くからな」
「ビーム攻撃で穴を開けました」
 そうしたというのだ。
「ですから今のうちに機雷源を通って」
「おいおい、そうしてくれたのかよ」
「出過ぎた真似だったでしょか」
「いや、ファインプレーだぜ」
 シャルロットのそれだというのだ。
「これはな」
「そうですか」
「ああ、よくやってくれたよ」
 笑顔でシャルロットに話す。
「それじゃあな」
「そこからですね」
「機雷源に一斉射撃をさらに仕掛けてな」
 そしてだというのだ。
「一気にマダガスカルまで下がるぞ」
「わかりました」
 こうしてオフランス軍はフランスの指揮の下撤退にかかる。しかし。  
 そのフランスの乗艦がよりによってだった。
 ビームの直撃を受けそれでだった。
「中破です!」
「第一主砲が破損しました!」
 攻撃力が激減してしまった。
「高角ビーム砲座も幾つか吹き飛びました!」
「おい、いきなりかよ!」
 フランスもこの事態には思わず叫んだ。
「これから撤退戦だってのにか!」
「今応急班を向かわせています」
「ダメージコンロとロールにかかっていますので」
 すぐに省兵達がフランスに言ってくる。
「とりあえずエンジンは大丈夫です」
「指揮系統も健在です」
「それだったらまだいいけれどな」
 フランスはそれを聞いて何とか安心した。しかし攻撃力が落ちたことは間違いなかった、これはかなり痛かった。
 しかし敵は来る。それでだった。
 フランスは徹底していく自軍を見守りながら言う。
「とりあえず盾になってでもな」
「マダガスカルまではですね」
「撤退しますか」
「生きてこそのものだねだからな」
 それでだというのだ。
「皆いいな、とにかくな」
「はい、撤退ですね」
「今は」
「俺も最後で撤退するから安心しろ」
 フランスも死ぬつもりはなかった。乗艦のダメージコントロールをしながら告げていく。
「いいな、今はな」
「はい、生きます」
「何があっても」 
 将兵達も応える。そうしてだった。
 フランスは何とか全軍を離脱させんと己が盾になってまで戦っていた。東郷がそのフランスを見てこんなことを言った。
「流石は原始の八国だな」
「フランスさんはいざという時は意地を見せる方ですから」
 日本がその東郷に話す。
「むしろ敗北が決定的になってからです」
「意地を見せるんだな」
「ワーテルローでもそうでしたし」
 イギリス、プロイセン連合軍に敗れた。それからだった。
「ナポレオンさんが撤退されてからでした」
「確か親衛隊とフランスさんが後詰になったんだったな」
「はい、そのうえでナポレオンさんと主力を戦場から離脱させました」
「そこから意地を見せるタイプか」
「どうも開き直られて」
 実際に今のフランスの指揮には普段の気取りはない。必死の形相で自ら前線に立ち指示を出し続けている。
「ああした風にです」
「とことん戦うんだな」
「そういう方ですから」
「今下手に攻めるのはよくないな」
 東郷は日本の話を聞き戦うフランスを見て言った。
「ここは突撃は仕掛けない」
「ではどうして攻められますか」
「遠距離からアウトレンジ攻撃に徹する」
 確実性には欠けるが下手な損害は出さないというのだ。
「そうしよう」
「わかりました。それでは」
 こうして太平洋軍は今は積極的に仕掛けずオフランス軍を撤退させた。フランスの決死の指揮もあり彼等は何とか戦場を離脱できた。
 セーシェルの戦いは終わりセーシェル自身はマダガスカルに下がったが星域は太平洋軍のものになった。フランスは何とかマダガスカルに下がり出迎えてきたシャルロット達にこう言った。
「もう無理だな」
「これ以上の戦闘はですか」
「ああ、徹底的にやられたからな」
 だからだというのだ。
「ここで太平洋軍が来てもな」
「戦いにはなりませんか」
「だから降伏するしかないんだよ」
 フランスは苦い顔になっていたがそれでも言った。
「じゃあいいか?俺が日本と交渉にあたるからな」
「あの、それでは」
 ここでシャルロットがフランスに言ってきた。
「私も」
「王女さんも?」
「同席、いえ」
 それ以上にだというのだ。
「国家元首ですから」
「摂政だからな」
「はい、お願いします」 
 切実な顔での言葉だった。
「どうかここは」
「しかし。降伏ってのはな」
「屈辱だというのですね」
「俺は結構こういう経験あるけれどな」
 これまでどちらかというと負けることの方がずっと多かったからだ。フランスは敗北には慣れている。
「何度経験しても辛いぜ」
「しかしです」
「それでもだっていうのかよ」
「はい、私は国家元首ですから」
 オフランス代表として出てだというのだ。
「降伏の交渉にあたります」
「ビジーさんもいるぜ」
 フランスは彼の名前も出した。
「総司令官だしな」
「ですが国家元首ではありませんね」
「まあそうだけれどな」
「それではです」
「本当にいいのかよ。降伏文書にサインしても」
「それが責任を取るということですね」
 今度はこう言うシャルロットだった。
「そうですよね」
「まあいつも言ってることだけれどな」
 フランスがシャルロットに教えていることだ。彼はシャルロットに対してそうしたことも教えているのである。
「じゃあいいのかよ」
「はい、やらせて下さい」
 シャルロットの顔は真摯なものだった。
「是非共」
「じゃあ一緒に行くか。俺と姫さんとな」
 そしてだった。
「セーシェルもか」
「それに私ですね」
 フランス妹も名乗り出て来た。
「四人ですね」
「あと一応ビジーさんもだな」
 やはり総司令官の出席は外せなかった。
「あのおっさんいざってなったら責任を全部放り出す様なところがあるからな」
「そうしたところは確かにありますね」
 フランス妹も彼のことを言う。
「そして自分は逃げる様なところが」
「だろ?だから目が離せないんだよ」
「若し私達がいないと」
「姫さんに全責任押し付けてたかもな」
 フランス兄妹はシャルロットを見ながら話す。
「だからな」
「何かをしでかさない様にしましょう」
「その為にもだよ」
「降伏文書にサインの時は一緒に来てもらいましょう」
 こうした感じで話を進めていく。降伏する方も大変である。そして降伏させる方もさせる方でこんな話をしていた。
 山下が厳しい顔で東郷に対して言った。
「いいか、降伏の場でもだ」
「何かあるのか?」
「オフランス王国のシャルロット摂政殿下はかなり奇麗な方と聞く」
「ああ、美人さんらしいな」
「くれぐれもだ」
 山下は腰の刀に手をかけんばかりの態度だった。
「馬鹿なことはするな」
「馬鹿なこととは?」
「決まっている。いつもの様に声をかけたりはするなということだ」
「おやおや、それはレディーに対する礼儀なんだが」
「何処が礼儀だ」
 山下の声はさらに厳しいものになる。
「他国の国家元首に声をかけるなぞはな」
「駄目だっていうんだな」
「そうだ。若し粗相をすれば」
 まさにその時はだというのだ。
「その場で斬る。覚悟しろ」
「利古里ちゃんは厳しいな、相変わらず」
「誰が利古里ちゃんだ。とにかく今度は無条件降伏だな」
「かといってもイエスかノーかという問題ではない」
「何故か降伏の場面では言いたくなる」
 降伏するか否か、それをだというのだ。
「しかし我慢する」
「そうした方がいいな。こちらから出るのはだ」
「まずは貴様と私だな」
 海軍と陸軍の長官、確かに降伏を受諾する場に出るに相応しい。だが出席するのは二人だけでは不十分だった。
「後は」
「私ですね」
「祖国殿にも頼む」
 山下は東郷にも言う。
「向こうもフランス殿が出るからな」
「だからですね」
「それに妹殿にも出てもらいたいが」
「では呼びますか」
「その方がいいな。どちらにしても間も無く合流する」
 日本妹もハワイ攻略戦に参加予定なのだ。
「妹殿にも出てもらおう」
「それでは」
「後僕たいな」
 インドは自分から名乗り出た。
「インド洋といえば僕になるたいな」
「では頼めるか」
「そうしてもらえると何よりたい」 
 こうして太平洋側から五人が出ることになった。こうしたことを決めて外交の場に向かう双方だった。戦争も政治の一手段であるからには政治とは離れられなかった。


TURN50   完


                               2012・9・7



セーシェル星域も何とか。
美姫 「これでフランスとシャルロットも太平洋軍に加わるかしらね」
多分な。実際にどうなるかは、次回だろうけれど。
美姫 「もうすぐでガメリカ戦へ突入ね」
さてさて、どうなっていくのか。
美姫 「次回も待ってますね」
ではでは。



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る