『ヘタリア大帝国』




                           TURN12  ノルウェー星域会戦

 イギリスは妹と共にだ。艦隊を率いてアイスランドからノルウェーに向かっていた。その中でだ。
 イギリスはモニター越しにだ。こう妹に告げていた。
「女王さんだけれどな」
「はい、エリザ様とマリー様が補佐に就かれました」
「エリザさんはあれだろ」
「先代女王ですので後見人という立場になります」
「だよな。けれどあの人達がついたらな」
 どうだとだ。イギリスはいささか安堵した顔でモニターの中の妹に述べた。
「女王さんもかなり助かるな」
「そうです。有り難いです」
「今の女王さん、セーラさんはな」
 どうかとだ。イギリスは困った顔で首を少し左に捻ってだ。
 そしてだ。こう言ったのである。
「歴代の女王さんの中でもな」
「かなり立派な方ですね」
「女王として優秀なだけじゃない」
 イギリスは言う。
「物凄くいい人だからな」
「真面目で心優しくて」
「しかも公平だよ。けれどな」
「真面目過ぎますね」
「それだよ。真面目過ぎるんだよ」
 このこともだ。イギリスも問題視しているのだ。
「本当に真面目だからな」
「何でも自分で背負い込まれて」
「それで連日連夜徹夜だったからな」
「あれでは何時かお身体を壊されます」
 イギリス妹も曇った顔で兄に言う。
「ですから。私達で」
「ああ、エリザさんとマリーさんに話したんだからな」
「これでセーラ様はかなり楽になられますね」
「そう思う。正直ほっとしてるぜ」
 実際にそうした顔で言うイギリスだった。
「オフランスで終わらせるにしてもな。それでもな」
「はい、北欧でもです」
「戦おうな。そして何とかな」
「勝ちましょう」
 望みは薄くともそれを目指すとだ。イギリス妹は兄に告げた。そしてだ。
 モニターにだ。それぞれの艦隊を率いる提督が出て来たのを見て言った。
「ではです」
「はい、ノルウェーにおいてですね」
「ドクツ軍と戦う」
「そのうえであわよくば」
「デンマークまで進みますね」
「そうです。ノルウェーでドクツ軍を退け」
 イギリス妹は冷静な顔と声で提督達に話す。
「そしてデンマークさんの星域まで奪還しましょう」
「おう、頼むっぺよ」
 ここでだ。デンマークもモニターに出て来た。彼の家の軍服、略帽のそれを身に着けてだ。
「悪い、やられたっぺよ」
「おい、もうかよ」
 イギリスがそのデンマークに驚いた顔で突っ込みを入れる。
「幾ら何でも早いだろ」
「ドクツ強いっぺよ。あんな強い奴等はじめてっぺよ」
「そうか。そんなに強いのかよ」
「噂以上だっぺ」
 その強さをだ。イギリスに強く話すデンマークだった。
「まさに狼だっぺよ」
「狼か」
「黒い狼だっぺ」
 それが今のドクツ軍だというのだ。
「とにかく物凄い強さっぺよ。射程は長いし速度は速いしで」
「そして威力もですね」
 イギリス妹は参謀の目になってデンマークに問うた。
「ビーム砲の威力は尋常ではないと聞いていますが」
「それにミサイルや鉄鋼弾もだっぺ」
 とにかくだ。攻撃全体が凄いというのだ。
「策敵も凄いから気をつけるっぺよ」
「ううむ。全てにおいてかなりの高性能なのですね」
「そうだっぺ。それに敵の指揮官も無茶苦茶強いっぺよ」
「ああ、マンシュタインとロンメルだな」
 イギリスがこの二人の名前を出した。
「グレーの熊と片目の狐だな」
「そうだっぺ。それが奴等だっぺ」
「それでその二人がドクツを率いて来るんだな」
「数は六個艦隊だっぺ」
 デンマークはドクツ軍の数も述べた。
「ドイツとプロイセン、その妹達も入れて」
「国家艦隊が四つか」
「それで合わせて六個艦隊だっぺ」
「数は大したことがないな」
 イギリスはその数についてこう述べた。
「けれどそれでもか」
「そうだっぺ。敵の提督と艦艇の質が凄いっぺ」
「より多くの艦隊を持って来るべきだったでしょうか」
 イギリス妹はここでも参謀の顔で言った。
「やはり」
「まあ。俺も負けてもっぺよ」
 どうかとだ。デンマークはイギリス兄妹に対して言う。その身振り手振りはかなり激しい。表情もだ。
「残った艦隊はノルウェーのところに撤退させたっぺ」
「正直迷惑」
 今度はノルウェーが出て来た。デンマークと違い表情はない。
「あんこ実は弱い」
「ドクツが強過ぎるっぺよ」
「んであんこ生きてるか?」
「こうして生きてるっぺよ」
「ならいい」
 いささか奇妙なやり取りをだ。二人でするのだった。
 そして今度はだ。アイスランド、今イギリス達がいるそこの彼が出て来てだ。こう一同に言ってきた。
「僕も艦隊を送るから」
「ああ、悪いな」
「イギリスさん達も一緒に戦って」
「だから来たんだよ」
 それ故にだとだ。イギリスは強い声でアイスランドに返した。
「絶対に勝つぞ」
「僕が出せるのは僕だけで」
「俺は二個っぺ」
「僕も一個だけ」
 アイスランド、デンマーク、ノルウェーがそれぞれ出せる艦隊を言う。そしてだ。
 今度はスウェーデンにフィンランドが出て来た。北欧組が全員揃った。
 その二人もだ。それぞれ言ってきたのである。
「俺は俺入れて二つだ」
「僕は二つです」
「そんで俺のとこの姫様も来てる」
 スウェーデンはぽつりと述べた。
「というか強引に来た」
「ああ、あの姫様っぺな」
「やっぱり来たんだ」
 デンマークとアイスランドはスウェーデンの言葉を聞いてすぐに言った。
「絶対に来ると思ってたっぺよ」
「予想通り」
「んだ。あん人は来ると思ってた」
 まさにそうだとだ。ノルウェーも言う。
「けんどそんでも」
「正直どう動くか不安っぺよ」
 デンマークはその王女についてだ。こんなことを言って首を捻った。
「また大暴れっぺか」
「そうするのは確実」
 スウェーデンもこのことを否定しなかった。表情はないが妙な威圧感を漂わせながらの言葉だった。
「だからそこは覚えておくこと」
「何かそっちも大変だな」
 イギリスは北欧組のやり取りを聞いてぽつりと述べた。
「確かあれだろ。アルビルダさんだろ」
「呼んだか!」
 ここで、だった。薄紫の長い髪を北欧風に左右で三つ編みにした紅い目の少女が出て来た。顔立ちは威勢がいいがかなり整っている。あどけなさも残るがそこにはまだ成熟しきっていない少女独特の可愛さがある。
 身体つきはわりかし小柄で胸はあまりない。その身体をバイキングの鱗の鎧に左右に角のある兜にマントと白いスカートで包んでいる。そして右手には円形の盾、左手には大きな剣がある。腰には他にも剣や斧まである。
 その少女がだ。威勢よくイギリスに言ってきたのだ。
「イギリス!このアルビルダに何か用か!」
「ないに越したことはないがあるんだよ」
 これがイギリスの返答だった。
「残念なことにな」
「残念なのか?」
「戦争だからだ」
 それ自体が残念だというのがイギリスの言葉だ。
「全くな。それはあんたもだろ?」
「いや、私は楽しみだぞ」
 アルビルダは笑顔でこうイギリスに返す。
「戦えるからな。そしてドクツを倒す」
「ドクツを倒すって。簡単に言うけれどな」
「数はどれだけだ?」
「俺達が六個艦隊でな」
 イギリスはやや憮然とした顔でアルビルダにその数を答えた。
「北欧連合が八個艦隊だ」
「合わせて十四個艦隊だな」
「それでドクツ軍は六個艦隊だよ」
「数は二倍以上ではないか」
「まあな。数はこっちが優勢だよ」
 イギリスもそのことは否定しない。とはいっても話すその顔は決して明るくはない。
「けれどそれでもな」
「それでもか」
「油断できない。ドクツは間違いなく強いからな」
「強敵だからこそいいのだ!」
 アルビルダはその艦橋から明るく叫ぶ。
「このアルビルダの相手としては丁度いい!」
「ああ、勝つつもりなんだな。アルビルダさんは」
「その通りなのだ!私は勝つのだ!」
 またしても威勢よく言うアルビルダだった。
「そして祖国達の危機を救うのだ!」
「まあ頑張ってくれ」
 イギリスは少し醒めた感じで述べた。
「じゃあ。ノルウェーで艦隊を集結させてな」
「んだ。皆で戦う」
 スウェーデンがイギリスの言葉に応える。
「そんで戦う」
「ドクツは確かに強いですけれど」
 フィンランドもだ。意を決した顔で言う。
「僕達も負けられませんね」
「その通りです。皆さんお願いします」
 イギリス妹は自分の兄と提督達、そして北欧の国家達に告げる。
「ノルウェーさんの星域で決戦です」
「今僕のところ吹雪だから」
 ノルウェーはこのことを一同に話した。
「だからそれを使って戦う」
「よし、それじゃあな。ノルウェーのところで集結したらな」
 どうするか。今度はイギリスが言う。
「何か食おうな。俺も何か作るぜ」
「遠慮するだ」
 しかしだ。イギリスの今の申し出はスウェーデンにより即座に断られた。
「おめの飯はまずい。だからいらね」
「おい、ダイレクトに言ってくれるな」
「実際にまずいから」
 本当に容赦のないスウェーデンだった。
「だからいい」
「くそっ、じゃあ何を食えってんだよ」
「私が作ります」
 イギリス妹が出て来て言ってきた。
「ブレイクファストしかできませんが」
「あっ、それをお願いすっぺ」
「そんでいいだ」
 デンマークとノルウェーがイギリス妹の申し出に応えた。
「イギリスの妹さんの料理は美味しいって」
「だからそれでお願い」
「わかりました。それでは」
「けれどイギリスの妹さんは本当にブレイクファストしか作れない」
 アイスランドはこのことについてぽつりと述べた。
「それは何故」
「どうしても。他のものを作る気になれなくて」
 それでだと言うイギリス妹だった。
「我が国は基本的に三食朝食でも大丈夫なのです」
「それも何か凄い」
「メニューと量は豊富で多いので」
 イギリス妹の作るブレイクファストはそういうものなのだ。
「御期待下さい」
「おうよ、イギリスが作らないだけで全然違うっぺよ」
 デンマークも言う。明るい顔で。
「とにかくイギリスの料理は食えたものじゃないっぺよ」
「これでも俺は料理が趣味なんだがな」
 自分ではこう言うイギリスだった。
「けれどそれでもかよ」
「ああ、まずいっぺよ」
 また言うデンマークだった。今度はイギリスに嫌そうな顔を向けてだ。
「洒落にならないっぺよ」
「何でここまで言われないとならないんだ?戦いの前に」
「それは御前の料理がまずいからだ!」
 アルビルダが一番きつかった。悪意がない分。
「だから御前は金輪際料理を作るななのだ。諦めるのだ」
「これで同盟相手じゃなかったら本気で切れてたな」
「まあそこは抑えられて」
 イギリス妹がそっと兄をフォローする。
「とりあえずは集結しましょう」
「ああ、そうだな」
 こうしてだ。エイリス軍と北欧連合軍は合流した。その中でだ。
 エイリス軍の提督達は北欧連合の将兵達を見てだ。こう言うのだった。
「かなり慣れたにしてもな」
「そうだな。我々のルーツの一つでもあるが」
「それでもな。どうもな」
「何時見ても驚くな」
 その丸いだ。白い毛の塊の如き北欧人達を見て言ったのである。
「しかし女性は美人だ」
「アルビルダ殿下にしてもお顔はいいな」
「思えば妙な話だが」
「それでもな」
 首を傾げながら話す彼等だった。北欧人達については。
 そしてだ。彼等はこんなことも話した。
「宇宙には色々な人間がいるがな」
「原住民も多い」
「そのルーツも色々だが」
「日本から始まったという噂もあるが」
 ここでだ。一人が言った。
「我等の祖国殿をはじめとした原始の八国が生まれたのもだ」
「一体何故だろうな」
「思えば謎が多い宇宙だ」
「我等のルーツも気になる」
「原住民達も」
 この言葉には北欧人達も入っている。世界を股にかけたエイリス人達だからこそ多くの原住民と接触している。その中で首を傾げさせていたのだ。
「そういえば四国もな」
「そうだな。あの星域の原住民達もな」
「何故あれを操れるのか」
「この宇宙は謎に満ちている」
「アフリカの暗黒宙域といい」
 この場所もだ。話に出た。
「それでだが」
「そうだな。それでだな」
「これから親睦も兼ねたパーティーだ」
 それが行われるというのだ。
「妹さんがブレイクファストを作られる」
「あの方の料理は美味いからな」
「確かにあれしか作られないが」
 こうした意味でだ。イギリス妹はやはりイギリスの妹だった。この兄妹の料理については問題がある。尚イギリスも料理のレパートリーはかなり少ない。
 それでだ。彼等エイリスの提督達も言うのだった。
「それでもな。我々も人のことは言えないからな」
「うちのシェフもな。どうやら世界から見ればな」
「我が家もだ」
 彼等は苦笑いで自分達のことを話していく。
「こと料理についてはな」
「我が国の評判はよくないからな」
「それが我等の弱点か」
「そうなのかもな」
 こう苦笑いで話してだ。彼等はエイリス、北欧連合共催のパーティーに参加する。その派0ティーはテーブルの上にイギリス妹の、そして北欧の面々が作った料理が大量に置かれていた。
 その料理を前にしてだ。デンマークは列席者達に満面の笑みで言った。
「さあ、それぞれの皿に取って好きなだけ食うっぺよ」
「また豪快な食い方だな」
「おうよ。何でもバイキングと言うっぺよ」
 デンマークはイギリスにも満面の笑顔で返す。
「これがこの食い方っぺよ」
「バイキングか。そういえばだよな」
「おうよ。まさに俺達だっぺ」
 右手を拳にして顔の高さにやってだ。デンマークはイギリスに威勢よく答える。
「俺達の御先祖様だっぺよ」
「御前等ずっとあちこちで暴れてたからな」
「懐かしい時代だっぺ。ただ」
「ただ?何だよ」
「今でもそんな人がいるっぺよ」
 笑ってだ。デンマークはイギリスにこうも言ったのである。
「そうした意味で俺達は今でもバイキングだっぺ」
「ああ、あの人な」
 イギリスはデンマークの話を聞いて納得した顔で応えた。
「あの人もこのパーティーに来てるんだよな」
「呼んだか?」
 早速だ。そのアルビルダが来た。見ればだ。
 その右手に巨大な骨つき肉を持ちかぶりついている。左手には皿がありそこには様々な料理がうず高く積まれている。エイリスと北欧連合の料理がだ。
 その肉を口で引き千切ってだ。こう言ったのである。
「確かに私はバイキングだ」
「今もなんだな」
「その通り!私は戦う王女だ!」
 食いながらだ。アルビルダはイギリスに言い切った。
「そしてだ。腹が減ってはだ」
「戦えないっていうんだな」
「その通りだ。そしてだ」
 その肉にかぶりつきつつだ。アルビルダはさらに言う。
「この戦いではだ」
「ドクツの奴等倒すんだな」
「左様。それでイギリスよ」
「何だよ、それで」
「御前の上司の人は元気か?」
 セーラのことをだ。アルビルダは問うたのだ。
「戦争がはじまったがどうだ?」
「ああ、あの人な」
「そうだ。元気にしているか?」
「不眠不休で働きかねないから不安なんだよ」
 浮かない顔になってだ。イギリスはアルビルダに答えた。
「正直に言わせてもらうけれどな」
「イギリスが正直に言うなんて珍しい」
 アイスランドが横から言う。
「それだけ悩んでいる」
「そうだよ。本当に悩んでるんだよ」
 実際にそうだと答えるイギリスだった。
「それでエリザさんやマリーさんに助っ人を頼んだけれどな」
「及ばずながら私達も」
 イギリス妹も出て来て述べる。
「あの方のお力にならさせてもらっています」
「エイリスも大変」
「戦争になれば何時だって大変だろ」
 イギリスはぼやく顔でアイスランドに返した。
「けれど特にな。セーラさんは背負い込む性格だからな」
「だからこそ心配です」
「そうだ!女王の務めは大変なのだ!」
 アルビルダもだ。このことはわかっている様だった。相変わらず食いながら言う。
「私も王女としてだ!務めを果たす!」
「で、書類仕事はしてるのか?」
 イギリスはそのアルビルダに問うた。
「まあ答えはわかってるけれどな」
「書類?私は勉強は嫌いだ」
 これがアルビルダの答えだった。
「ついでに言えば本や新聞を読むこともしない」
「ああ、やっぱりな」
「そうだ。私は学問の類は一切しない」
 胸を張ってだ。アルビルダは堂々と言い切った。
「それで書類仕事とは私がしないといけないのか?」
「俺の国じゃそうだけれどな」
 王族は国家元首とその一族だ。それならば書類へのサインも当然だというのだ。尚これはエイリスだけでなくだ。他の国でも同じことである。
 だがそれでもだ。アルビルダはだというのだ。
「まあ。俺の国じゃないからいいんだけれどな」
「そだ。もうわかってることからいい」
 スウェーデン自身もだ。このことは割り切っていた。
「アルビルダ様は戦い専門の方」
「だよな。ある意味凄いよな」
「そうした仕事は俺がしている」
 スウェーデンがだ。書類仕事をしているというのだ。
「だから安心していい」
「スウェーデンも大変だな」
「特に大変とは思っていない」
 これがスウェーデンの返答だった。
「いつものこと。それで」
「ああ、それで。何だ?」
「俺の料理どだ」
 何気にだ。スウェーデンはイギリスの皿に自分が作った料理を乗せてきた。鮭や肉、それに野菜をあっさりと料理したものだ。それを乗せてきたのだ。
「食ってみれ」
「ああ、悪いな」
「食え。そして力をつけろ」
「そうだな。戦いに向けてな」
「それで味はどだ」
 スモークサーモンを食べたイギリスにだ。スウェーデンはまた尋ねた。
「美味いか」
「んっ、美味いんじゃないのか?」
 何でもないといった顔でだ。イギリスはスウェーデンに返した。
「この海老もな。いいな」
「そか。ならいい」
「ああ。しかし北欧連合っていつもこんなに豪勢なんだな」
 自分の皿の上の、そしてテーブルの上の北欧連合王国の料理を見ながらだ。イギリスは言った。
「凄いな、こんなに贅沢でな」
「あの、まさか」
「そだな」 
 イギリスの今の言葉を聞いてだ。フィンランドとノルウェーは。
 それぞれ顔を見合わせてだ。こう小声で囁きだした。
「僕達普通の家庭料理ばかりにしたんですが」
「その方が親睦が深まると思って」
「量はともかく種類や味が豪勢だと仰ってるみたいですが」
「イギリスの料理事情は本当に酷い」
「それは間違いないみたいですね」
「心配になった」
 二人から見てもだった。イギリスの料理事情は心配されるものだった。だがそれは彼だけのことではなくだ。ドクツ軍ではというと。
 マンシュタインは茹でたジャガイモに黒パン、それとソーセージとザワークラフトを食べていた。確かに量は多く山の様に彼の前に積まれている。
 しかし至って質素だ。味付けも簡素だ。それを食べている彼にだ。共に同じ食事を摂る士官達が尋ねた。
「元帥閣下でも、ですか」
「我々と同じ食事ですか」
「それで宜しいのですね」
「何か問題があるか」
 そのソーセージを食べながらだ。マンシュタインは士官達に返した。場所は士官室だ。彼等はその部屋のテーブルに着いてそれで食べているのだ。
 その中でだ。マンシュタインは重厚な声で言ったのである。
「この料理で」
「いえ、質素だと思いまして」
「元帥閣下の食事としては」
「この前まではだ」
 どうだったかと。マンシュタインはドクツの過去の話をはじめた。
「諸君達も覚えている筈だ」
「はい、このジャガイモのしろパンにしろ」
「ましてやソーセージもです」
「碌にありませんでした」
「国民は皆餓えていました」
「その通りだ。我々は餓えていた」
 宇宙の時代でありあらゆる技術が発展してだ。既に餓えなぞというものは人類社会において克服されていた。だがそれでもだったのだ。
 彼等は餓えの中にあった。それは何故かというと。
「エイリスとオフランスにだ」
「まさにレモンの種まで搾り取られていました」
「あの天文学的な賠償金により」
「ルールを占領されたこともあります」
「我々は確かに敗れた」
 一次大戦にだ。これがそもそものはじまりだった。
「だが。敗戦だけならだ」
「まだ大丈夫でした」
「餓えはしませんでした」
「しかし。あの賠償金とそれに伴う経済崩壊」
 それにだ。世界恐慌も加わってだ。
「我々は餓えに追い込まれた」
「そしてこうしたものもですね」
「とても」
「食べられはしなかった。それを思えばだ」
 マンシュタインはジャガイモをスプーンで潰して食べながらまた言った。
「今は幸せなものだ。少なくとも満腹になれる。それにだ」
「それに?」
「それにといいますと」
「我々は軍人だ」
 今度はこのことから話すマンシュタインだった。
「贅沢はしてはならない」
「そうですね。国民の為に戦う我々がです」
「贅沢を求めるなぞです」
「あってはなりません」
「この食事は今の国民達の普通の食事だ」
 それがだ。そのまま彼等の前に出されているのだ。そしてそれを食べているのだ。
「それと共にだ。総統閣下もだ」
「そうでしたね。あの方は質素です」
「しかも菜食主義者でしたね」
「お料理にラードも使われない」
「総統閣下ご自身が質素な方だ」
 レーティアはその私生活も知られているのだ。それは極めて質素なのだ。
「それでだ」
「我々が贅沢を極めるのは」
「あってはならないことですね」
「その通りだ。あってはならない」
 また言うマンシュタインだった。
「決してだ。では食事の後でだ」
「はい、エイリス、北欧連合軍ですが」
 士官の一人がフォークとナイフを止めてだ。マンシュタインに答えてきた。
「今現在北に集結しています」
「そうか、集結したか」
「場所はノルウェー星域の手前です」
 そこにだ。彼等は集結しているというのだ。
「数は六個艦隊です。指揮官はスウェーデンのアルビルダ王女です」
「あのバイキングの姫君か」
「そして各国家も参戦しています」
 士官はマンシュタインにこのことも答えた。
「その中にはイギリスとその妹もいます」
「わかった。そうした事情か」
「はい。それではですね」
「予定通りだ」
 マンシュタインは今度は黒パンを食べていた。ドクツのそれをだ。
 その武骨な巨大な手で掴むパンは小さい。そしてそれを口に入れてからだ。こう言ったのである。
「それではロンメル、祖国殿達と後でだ」
「打ち合わせの後で、ですね」
「そのうえで」
「その通りだ。戦闘に入る」
 その重厚な声で述べていく。
「それでいいな」
「畏まりました。それでは」
「食事の後ですぐに」
 打ち合わせをしてだ。そうしてだというのだ。
 彼等は戦いに入ることにした。こうしてだ。
 ドクツ軍はかなりの速さでノルウェー星域に向かった。その彼等に対して。
 エイリス、北欧連合の連合軍はそのノルウェー星域の手前で布陣した。そのうえで迎撃にたった。そのドクツ軍の艦艇の動きを見てだ。
 イギリスは己の旗艦の艦橋、広い赤と白の装飾が施された絨毯の上にある見事な、まるで王が座る様な立派な席に座ったままだ。こう言ったのである。
「速いな」
「そうですね。報告以上です」
「実際に見てみますと」
 彼の旗艦にいる士官達が応えてきた。
「特にあの艦隊です」
「あれはロンメル、そして」
「プロイセンだな」
 ドクツ軍の右手にいるその二個艦隊を見てだ。イギリスは言った。
「間違いないな」
「そうですね。あの二つの艦隊がです」
「とりわけ動きが速いです」
「うちの艦隊の倍以上の速さだな」
 そこまでだとだ。イギリスはその席から言った。
「主力も動きが速いな」
「ですね。しかも動きがいいです」
「統制が取れています」
「マンシュタインだな」
 イギリスは彼の名前を出した。
「間違いないな。あいつだ」
「一次大戦の英雄ですね」
「元帥になったと聞いていましたが」
「そいつが来るなんてな」
 どうかとだ。イギリスはまた言った。
「やっぱり相当な戦いになるな」
「はい、それでは」
「我々も」
「総員迎撃用意だ」
 イギリスは己の艦隊に指示を出した。
「いいな、気合入れて勝つぞ」
「よし、全軍突撃だ!」
 アルビルダがだ。全軍に指示を出した。
「そしてドクツ軍を蹴散らすのだ!」
「わかっただ。そんなら」
「進撃開始ですね」
 スウェーデンとフィンランドが彼の言葉に応えてだ。そのうえでだった。
 連合軍は進撃をはじめた。その動きは少なくとも統制がとれ理に適っていた。しかしだ。
 マンシュタインはその敵軍を見てだ。旗艦の艦橋からこう言った。
「射程に入ればだ」
「はい、その時点で」
「攻撃開始ですね」
「敵の予想行動ポイントにだ」
 そこにだというのだ。
「一斉攻撃を浴びせるぞ」
「はい、予定通り」
「そうしましょう」
「まずはそれで敵艦隊の動きを止める」
 一斉射撃でだ。それでだというのだ。
「そしてだ」
「ええ、次は俺ですね」
 ロンメルがモニターに出て来てだ。マンシュタインに応えた。
「右手からプロイセンさんと共に攻撃を仕掛けます」
「それでも突撃はしないんだな」
「そうだ。また動いてくれ」
 ロンメルは微笑み彼と共に高速艦隊を指揮しているプロイセンに述べた。
「そうしてくれるな」
「ああ、やらせてもらうぜ」
「人間は背中を取られればそれだけで狼狽する」
 その人間心理をだ。衝くというのだ。
「それを狙おう」
「よし、それじゃあな」
「では我々はだ」
 マンシュタインはその重厚な声でだ。ドイツ達に告げた。
「そこに再び攻撃を仕掛ける」
「わかった。ではだ」
 ドイツがマンシュタインに応える。こうしてだった。
 ドクツ軍も動く。両軍は激突しようとしている様に見えた。しかし。
 マンシュタインは敵軍が彼等の主砲の射程に入った瞬間にだ。こう命じた。
「撃て!」
「了解!」
 その指示に応えてだ。即座にだった。
 ドクツ軍の艦艇から無数の光の帯が放たれた。そしてその帯が。 
 連合軍を切り裂く。多くの艦艇が吹き飛ばされ真っ二つになる。
 そしてそのうえで炎に包まれていく。その状況を見てだ。デンマークが忌々しげに言った。
「やっぱりっぺな」
「はい、強いですね」
「相変わらずです」
「尋常な強さではありませんね」
 デンマークの軍人達がだ。彼等の祖国に言う。
「覚悟はしていましたが」
「また先制攻撃を受けました」
「これだけの寒さなのに動きも落ちていません」
「防寒対策も万全の様ですね」
「そうだっぺな。洒落にならないっぺよ」
 デンマークは何とかだ。己の率いる艦隊を立て直す指示を出しながら答えた。
「この強さは」
「ですが今回はです」
「数はこちらの方が多いです」
「戦いは数です」
「ですから」
「そうだっぺ。数で押し切るっぺ」
 まさにだ。そうするというのだ。
 そしてだ。彼はアルビルダ達にモニターから言った。
「じゃあやるっぺな」
「そうだ!突撃するぞ!」
 アルビルダはモニターからだ。そのデンマークに叫んだ。
「いいな!これで怯むな!」
「こっちの左手にも敵が来ているぞ」
 イギリスがモニターからアルビルダに話した。
「二個艦隊な。それはどうするんだ?」
「それは足止めを置く!」
 そうするとだ。アルビルダはすぐに答えた。そしてだ。イギリス妹とフィンランドに対してこう命じたのである。
「御前達にあの速い艦隊は任せる!」
「はい、足止めですね」
「それをですね」
「そうだ。御前達の粘り強さならできる!」
 大丈夫だというのだ。アルビルダは二人の特性を見て命じたのだ。
「そしてだ。主力はこのままドクツの主力に向かう!」
「わかっただ。それなら」
「僕達はこのまま進む」
 スウェーデンとノルウェーが応えてだった。
 アルビルダはイギリス妹とフィンランドにロンメル達の足止め、警戒を命じて主力はそのままマンシュタイン達の敵主力に向かった。だが、だった。
 ロンメルはそのフィンランド達の動きを見てだ。プロイセンに冷静に言った。
「ではいいか」
「ああ、全速力を出してだよな」
「あの二個艦隊を倒そう」
 そうしようとだ。ロンメルはプロイセンに話した。
「そうすればこの戦いは勝ちだ」
「だよな。俺達の足止めか」
「戦術としては合格だ」
 ロンメルもだ。アルビルダの将としての質は評価した。しかしだった。
 ここでだ。彼はこうも言ったのである。
「だが。しかしだ」
「俺達の実力はな」
「見誤っている」
 それがだ。アルビルダの失敗だというのだ。
「総統閣下が造られた我が軍の艦艇の実力はこんなものではない」
「ポッポーランドじゃ攻撃は見せたけれどな」
「この機動部隊はより速い」
 そうだというのだ。彼等が指揮する高速機動部隊はだというのだ。
「今は五十ノット、だがだ」
「六十でいくんだな」
「いや、七十だ」
 不敵な笑みでだ。ロンメルは言ってみせた。
「それで一気に足止めのあの二個艦隊を挟み撃ちにして」
「倒しちまうか」
「そうする。それではだ」
 こう言ってだ。すぐにだった。
 ロンメル達は艦隊速度をあげた。それを見てだ。フィンランドは驚きの声をあげた。
「なっ!?あの速さは」
「六十、いえ七十です!」
「七十ノットを出してきています!」
「そんな速さの艦艇があるとは!」
 驚愕の顔でだ。フィンランドも彼が率いる将兵達も叫んだ。
「しかしこれは事実です」
「そうです。機械もそう教えています」
「ですからこれは」
「紛れもなく」
「そうですね。ですが」
 それでもだとだ。フィンランドは言った。そしてだ。
 イギリス妹にもだ。こう告げたのだった。
「戦われますね」
「はい、無論です」
 確かな声でだ。イギリス妹も答える。
「そうさせてもらいます」
「では。今は」
「方陣を組みましょう」
 イギリス妹はフィンランドにこの陣を提案した。
「そしてです」
「彼等を迎え撃つ」
「そうしなければ。彼等に好き放題やられてしまいます」
 イギリス妹は危惧していた。このことを。
 それでだ。フィンランドにこう提案したのだった。
「ですから。すぐに」
「わかりました。それでは」
 こうしてだ。フィンランドとイギリス妹が率いる二個艦隊がだ。方陣を組みにかかった。だがその動きを見てだ。ロンメルはプロイセンに対して言った。
「今のうちだな」
「そうだな。方陣を組む前にな」
「その前に叩く」
 そうするとだ。ロンメルは淡々としてプロイセンに述べた。
「ではこのまま進もう」
「方陣を組むのはいいんだけれどな」
「だが陣は組んでこそだ」
 あくまでだ。それより前にだというのだ。
「攻めればこれ程脆いものはない」
「俺達の速さならな」
「できる。では行こう」
「ああ、仕掛けるぜ!」
 こうしてだ。ロンメルとプロイセンの艦隊は。
 一気に進みだ。陣を組む前の連合軍に突き進んだ。そして。
 ロンメルの言う通りだった。陣を組む直前の艦隊程脆いものはなかった。彼等の突撃と左右からの一斉攻撃を受けてだ。彼等の艦隊は瞬時に崩壊した。
 その有様を見てだ。アルビルダが驚きの声をあげた。
「何っ!?速いぞ!」
「すいません、まさかと思ったのですが」
「失態でした」
 フィンランドとイギリス妹がだ。こうアルビルダに答えた。
「僕達は大丈夫ですが」
「しかし艦隊は」
「すぐに撤退するのだ」
 これがアルビルダの二人への指示だった。
「勝敗は常なのだ。仕方ないのだ」
「すいません、そう言って頂いて」
「申し訳ありません」
「いいのだ。問題はアルビルダの判断ミスなのだ」
 自分の責任だとだ。アルビルダは言うのだった。
「まさか。ドクツの艦隊があそこまで速いとは思わなかったのだ」
「七十ノットって何なんだよ」
 イギリスもだ。うんざりとした顔で述べる。
「それじゃあどうしようもないだろ」
「おそらく。五倍はないとです」
 イギリス妹は数から言う。
「押し切ることはできないでしょう」
「そうみたいだな」
「はい、ですから」
 それに故にだと。、イギリス妹はアルビルダと自分の兄に述べる。
「今は」
「ああ、御前等のせいじゃないからな」
 全てはドクツの艦隊がだ。あまりにも速過ぎるというのだ。
 しかしだ。この戦局はだった。
「とりあえず。このままだと」
「ああ、プロイセン達の艦隊が来るぜ」
 イギリスは今度はノルウェーに対して述べた。
「それも横か後ろにな」
「どうするか」
「っていうかっぺよ」
 デンマークがだ。二人に言ってきた。
「前からも来てるっぺよ」
「おい、こっちも速いな!」
 その前のドクツ軍の艦隊も見てだ。イギリスは驚きの声をあげた。
「もう射程に迫ってるぞ!」
「一斉射撃、また来るっぺよ!」
 デンマークが叫ぶのと共に。そのドクツの一斉射撃が再び来た。それでだった。
 連合軍の主力艦隊も派手に殴られた。見事なストレートが炸裂した。
 それにふらつき動きが止まった連合軍にだ。ロンメルとプロイセンの艦隊が横から襲い掛かり。戦局は決まった。それも完全に。
 総崩れになった連合軍は散々に破られる。その中でだ。
 エイリスの提督達が国家達に叫んだ。
「ここは撤退を!」
「後詰は我等が引き受けます!」
「いや、ここは後詰とか考えるな!」
 その総崩れの中でだ。イギリスは彼等に叫んだ。
「機雷だ!機雷を撒け!」
「機雷!?」
「それをですか」
「そうだ。すぐに撒け!」
 彼は咄嗟にだ。機雷の存在を思い出したのだ。そのうえでの言葉だった。
「いいな!それで本国まで逃げろ!」
「はい、わかりました!」
「では機雷を撒いてすぐに」
「本国まで逃げましょう」
「おい御前等!」
 イギリスは続いてだ。北欧連合の国家達に対して叫んだ。
「御前等はさっさと降伏しろ!」
「降伏!?」
「僕達はそれを」
「ああ、もう負けたんだ!」
 だからだとだ。イギリスは彼等にも叫んだのだ。
「だからだ。いいな!」
「わ、わかったっぺよ」
「そうすだ」
 デンマークにスウェーデンが応える。こうしてだった。
 北欧連合王国軍は降伏しエイリス軍は機雷を撒いてエイリス本土に向けて一目散に逃げていった。それは最早撤退と言える状況ではなかった。
 ドクツは勝った。その中でだ。ドイツは降伏する連合王国軍の艦隊を見ながら言った。
「いないな」
「そうですね」
 ドイツ妹もだ。そのことに気付いた。
「アルビルダ王女は」
「いない。戦死したのか?」
「王女の旗艦の姿自体がないわよ」 
 プロイセン妹は破損して漂っている連合軍の艦艇を見回しながら二人に述べた。
「どうやらね」
「逃げたのか?」
「そういえば連合王国の中で」
 ドイツ妹が気付いた。あることに。
「アイスランドさんのお姿が見えませんね」
「後の四国はいるな」
 ドイツもだ。アイスランドの姿が見えないことに気付いた。
「では、か」
「アイスランドさんがアルビルダ王女をお連れして」
「そうだな。そうしてだな」
「何処かへと落ち延びられました」
 そうなったというのだ。アルビルダは。
「それでは仕方がありませんね」
「そうだな。とりあえずはだ」
「エイリス軍はもう逃げていった」
 ロンメルがここでドイツ達にこのことを告げた。
「だからだ。今はだ」
「そうだな。今の状況を収めることだな」
 ドイツはロンメルの言葉に応えた。そしてだった。
 総司令官を務めるマンシュタインがだ。ロンメルと国家達に対して言ってきた。
「ではだ。降伏を受け入れてだ」
「そしてですね」
「そのうえでだね」
「総統閣下をお待ちしよう」
 マンシュタインはドイツ妹とプロイセン妹にも話した。
「それではな」
「わかった。それではだ」
「戦後処理にかかろうぜ」
 ドイツとプロイセンが応えてだ。そうしてだった。
 北欧連合王国はドクツ第三帝国に対して正式に降伏した。これで北欧もまたドクツの軍門に下った。ドクツはまさにだ。破竹の勢いだった。


TURN12   完


                           2012・3・16



アルビルダのはっきりとした物言い。
美姫 「本音は時に残酷ね」
まあ、戦いの前のちょっとした一こまだったが。
美姫 「戦いはドクツが勝ったわね」
北欧もこれでドクツ領か。流石にエイリスは逃れたみたいだけれどな。
美姫 「後、アルビルダも逃げれたみたいね」
ともあれ、ドクツはこれで連勝だな。
美姫 「そうね。でも、本番はまだまだこれからよね」
だな。さて、次はどんなお話が待っているのか。
美姫 「次回も待ってますね」
ではでは。



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