※このお話はPCゲーム「とらいあんぐるハート3」とTVアニメ「魔法少女リリカルなのは」の融合作品です。
 しかし基盤となるのは「とらいあんぐるハート3」なので、士郎は死んでますし、恭也はALLエンド&フリーです。
 「魔法少女リリカルなのは」はキャラ追加のみを目的としたと捉えてください。







月村家。
海鳴市の外れに位置する大きな洋館。
現在ここには多数の人間が集結している。

高町なのは
フェイト・T・ハラオウン
八神はやて
アリサ・バニングス
アルフ
シグナム
シャマル
ザフィーラ

そしてこの家の住人、

月村忍
ノエル・K・エーアリヒカイト
ファリン・K・エーアリヒカイト

計11人。

「さて、皆に集まってもらったのは他でもないわ。
 ………すずかのことよ」






『 Dreieck Herz -Lyrical- 』 ACT.11






重い沈黙を破って切り出したのは館の主、月村忍。

「すずかはヴィータに足止めをしてもらっているから、今のうちに現状の把握と対策を練りましょう」

真剣な忍の様子に一同は緊張した面持ちになる。

「まず結論から言うと……すずかはデバイスのマスターとして覚醒しつつあるの。
 目的は覚醒を阻止することなんだけど…デバイス関連のことは専門外なんで、あとの説明はシャマルにお願いするわ」

壁にもたれかかった忍を見てシャマルは立ち上がり、説明を始めた。

「現在、すずかちゃんはデバイスのマスターとして覚醒の片鱗を見せています。
 デバイスの力が徐々に強くなってきている事から時間の問題でしょう」

この召集が何であるかわからない者は驚きの声をあげるが
説明する者としての責務としてシャマルは淡々と続ける。

「ユニゾンデバイスそのものは、最悪マスターの意志を乗っ取る可能性があるため
 危険を孕んでいるものなのですが、このデバイスは元々の目的が"それ"なのです。
 最初はマスターを手助けするような形で現れますが、適合・不適合を問わず、いずれはマスター自身を乗っ取ろうとします」

「…デバイスに乗っ取られる……?」

自分達の使っているデバイスからは想像もつかない行動になのはは驚いている。
しかし考えてみれば数年前に体験した闇の書事件と同様ではないか。
自身がユニゾンデバイスを使用しているはやては幾分落ち着いて聞いている。

「既にその兆候は現れています。
 事実、デバイスに意識をコントロールされているときの記憶が今のすずかちゃんにはありません。
 彼女からしてみれば気が付くと時間が跳んでいる感じでしょう」

「あ、じゃあもしかして今朝も…」

今朝のことを思い出しながら言うアリサに、はやても続ける。

「ということはさっきの翠屋さんのこともそうなんやな」

ええ、と頷くシャマル。

「……すると、昨夜のすずかちゃんの行動は…」

「そのようですね。
 アルバイト上がりのフェイト様を尾行したこと…あれは恐らくすずかお嬢様だけの意思ではないのでしょう」

「……やっぱりあれはすずかちゃんだったんだ。
 フェイトちゃんが出て行ったあとに、誰かが後をつけていったような気がしたんだ」

ノエルの言葉になのはも納得する。

「夜中にコンビニに行くっていったのも……ひょっとしてどこか違う所に…?」

「あ、すると昨日の視線はすずかだったのかい?」

ファリンに反応したのはアルフ。

「…どういうことでしょう?」

「いや、昨日部屋で恭也達が話してるときにさ、外から何か視線を感じたんだよね。
 あまりいい視線じゃなかったけど……何かする素振りでもないから放っておいたんだ」

「…それは間違いなくすずかちゃんでしょう。
 すべてにおいてある人物が関っていますからね」

「?」

「すずかちゃんは現在、精神内部で様々な葛藤が起きています。
 その葛藤の源は………恭也さん」

「え?」

突然出てきた、この場に居ない男の名前に驚く一同。

「そもそもこのデバイスは創世記以来、過去に何度か出現したことがあります。
 その強大な力が完全に解放されてしまえば宇宙規模での災害に繋がると言えるでしょう。
 最悪、宇宙そのものが消滅してもおかしくありません。
 歌声と称されるデバイスの波動はそれほどまでに強力なのです」

「そ、そんなモンが何度も出現して……何で無事やったんや?」

「勿論、無事で済まなかったときもあります。
 このデバイスはマスターを乗っ取ったあとは純粋な破壊活動を繰り返すのみ。
 その時にはまさに世界の終わりであったそうです。
 ただ本当に焼き尽くす前にマスターの身体が耐え切れなくなり、デバイスと共に消滅したそうですが…」

「……………」

「……未然に防げたケースが多いのは、このデバイスの起動にはマスターの資質に加え、
 ある2つの感情がキーとなることが証明されているからです。
 過去の多くはその感情を制御……もしくは源を断つことによって危機を回避してきました」

「…感情?」

「ええ。その1つは―――――恋心」

「―――――――――」

「すずかちゃんが抱く恋心。
 それは恐らく私達が考えている以上に深く、大きく、純粋なもの。
 デバイスの起動にこの要素は欠かせません」

「………………」

「そして起動にはもう一つの原因があるのです。
それは――――」

そう言ってフェイトを……いや、フェイト達を見る。

「「………え?」」

「もう一つの原因はフェイトちゃんとアリサちゃんの二人。
 貴女達が恭也さんの恋人候補ということに、現在彼女の心は大きく揺れています」

「貴女達に取られるかもしれないという嫉妬。
 貴女達を愛しているという恭也さんの想いに対する悔しさ、悲しさ。
 それらの感情を昇華させた憎しみこそがキーとなるのです」

「「……………」」

「恐らく貴女達が恭也さんを好きだということをすずかちゃんはいつも応援してきたのでしょう。
 自分でもそれは辛い選択だとわかっていたはずです。
 貴女達になら任せられる、と思って諦めた所があったのかもしれないですが……彼女自身が思っているよりもその感情は強かった」

アリサとフェイトは何も言えなかった。
いつも笑顔で応援してくれていたすずかがそんなにも悩んでいたなんて。
そんなにも恭也を愛していたなんて。

「…でもなんで恋心が原因なんてわかるんですか?もしかしたら違うことかも…」

今までそんな素振りなど微塵も見せていなかったすずかが、恭也のことを好きだと言われても納得の出来ないフェイトは尋ねる。

「……過去、デバイスが発生した際のマスターに共通することとして
 マスターが女性であること、
 女性には想いを寄せている人がいること、
 女性には仲のよい友人がいること、
 想いを寄せている人と友人が結ばれている、もしくは結ばれそうなほどの状態であることが確認されています」

「そしてデバイスの存在が確認されたものの、マスターの勘違いで実は想い人と両想いだったのだと分かった途端、
 デバイスが消滅した事例も存在します。
 想い人が想っている友人が実は他に交際している人がいたので暴走した、なんてケースもありましたが」

「………そんな」

まさしく今の状況を言っているシャマルの説明にフェイトは愕然とした。
想い人とは恭也、友人とは自分達のことだろう。

「そっか、すずかちゃん………すごく悔しそうだったもんね」

「…どういうこと?」

呟くように言ったなのはの言葉を不思議に思ったアリサは尋ねる。

「実は昨日、フェイトちゃん達の話が気になって様子を見に行ったの(覗きではない)。
 行ったときにはもうフェイトちゃんはいなかったんだけど、そこにはまだアリサちゃんがいたんだ」

「……何言ってんのなのは?フェイトが行ったら私もすぐに帰ったわよ?」

「うん。私は隠れてたからよく見えなかったし、一言だけ呟いた声がどちらかと言えばアリサちゃん似だったんで、
 さっきまでは昨日の人はアリサちゃんだと思ってたんだ。
 それにその一言が………ちょっと悪いけど、アリサちゃんの立場からしたら納得できた内容だったから」

「……何て?」


「うん……『悔しい―――私は……私の方がずっと前から好きだったのに―――』って」


「――――――」

何か申し訳ないような気持ちになるアリサ。
昨日フェイトが自分に言ったことをそっくりそのまま自分も体験するとは思ってもみなかった。
あの時は気にしなくていい、と言ったがいざ自分がその立場になると今更ながらにフェイトの気持ちが分かる。

「それは限りなくすずかちゃんの奥底にある憎悪の現れです。
 なのはちゃんがアリサちゃんの声と聞き間違ったのは、すずかちゃん本人の声とデバイス本体の声が入り混じっていたためでしょう。
 ……このことから察するに現状ではすずかちゃんの意識の方がまだ強いとも言えます。
 デバイスの方が強く前面に出ていると、おおよそ"人"の声と判断できないと聞きますので」

シャマルの説明に言葉を失くすが、まだ問題は解決していない。
フェイトは質問を続けた。

「……マスターが女性であること、と言いましたがどうして女性限定なんでしょうか?」

フェイトの質問に少し困ったような顔を浮かべたシャマルは
目を閉じるとそのまま語り出す。

「……推測になりますが、これは恐らく女性の方が一般的に嫉妬深いということにあると思います。
 加えて、女性は友情と愛情を天秤にかけた際、友情を"失ってまで"愛情を得ようとする傾向が強いからです」

この場に居るのは一人を除いて皆女性。
それぞれ納得できる部分があるのか押し黙ってしまった。

「男性の方は友情も大切にした結果、身を引くという傾向が強いのでデバイスの覚醒にまで至らないのでしょう。
 今まで男性がマスターの例は確認されていませんが…今後、ないとは限りません」

「………………」

「…話が逸れましたが、今言った2つの感情が起動のキーとなります。
 しかし条件がこれだけでは、誰にでも発現する可能性はある。
 先ほども言いましたようにマスターたる資質も必要なのです」

「資質?私らみたいなリンカーコアのある人か?」

魔導師たる条件と言えば魔力、すなわちリンカーコアの事かとはやては思ったが
シャマルはそれを否定する。

「…いいえ、このデバイスは起動にリンカーコアを用いはしますが、大きさを問いません。
 ですから一般人レベルのリンカーコアで事足りるのです。
 実際、すずかちゃん自身の魔力自体は私達と比べるべくもないでしょう」

「じゃ、じゃあ一体……」



「資質というのは………その者が"闇に属する者"であること」



「や、闇!?すずかちゃんが悪者だって言うんですかっ!?」

思わず叫んだのは彼女のメイドであるファリン。
すずかと接してきた時間が一番長い彼女にしてみれば、今の言葉を無視することはできない。

「すずかちゃんはそんな人じゃないっ!
 ……すずかちゃんはいつも明るい笑顔で。
 支えなきゃいけない立場にある私が、逆に支えられたことなんて数知れない…。
 自分のことよりも周りの人を大切にしようとするすずかちゃんが…どうして闇の者なんて言えるんですかっ!?」

目の前にいるシャマルは糾弾するべき相手ではないのはわかっている。
それでも叫ばずにはいられないファリンは涙を流していた。

「……ファリン」

「落ち着きなさい、ファリン」

忍とノエルがファリンを宥める。

「で、でもっ、お姉さま…っ」

「落ち着きなさい。
 ここにいる皆様、すずかお嬢様を大切に想っているからこそ集まって下さったのです。
 誰一人、すずかお嬢様を悪者とは思っていません」

「…………」

「すずかお嬢様がどれほど素晴らしい方なのか……それは貴女が一番良くわかっているでしょう?」

「…………」

「それにまだ話は終わっていないのです。すべてを聞かずして結論を先急いではなりません」

「…………わかりました」

ノエルに言われたファリンは渋々引き下がった。
そんな彼女をみてシャマルは続ける。

「……話を続けますね。
 先ほど闇に属する者と言いましたが、これはすずかちゃん自身が悪者であるということではありません。
 これは言葉通り"闇に分類される一族に身を連ねる者"、という意味です」

「闇というと一般にマイナスなイメージがあります。
 しかしこの場合は系統が闇というだけでそこに善悪の判定はありません。
 どんな種族にもいい人もいれば悪い人もいる、といえば分かりやすいでしょうか」

「……つまり、すずかちゃんは属性が闇ってこと?」

「「…なるほど」」

この中でゲームに明るい忍とアリサはなのはの言葉に納得したようだ。

「あ、ひょっとして翠屋さんで魔力を探知できんかったのはそれが原因なんか?」

「はい。私達のような完全な闇、もしくは限りなくそれに近しい者でないと覚醒前の魔力は探知できないのです。
 はやてちゃんの扱う魔法には闇系統のものも多いですが、これは根本的な…体質と言っていいかもしれません。
 過去、闇の書に選ばれたとはいえ、体質自身は闇ではないのではやてちゃんは探知できなかったのでしょう」

「……でも、すずかってそんな特殊な生まれか何かなのかい?」

アルフの疑問に、忍は一瞬悩んだが……仕方ないという感じで皆に告げる。

「みんなには黙ってたけど……私達は"夜の一族"と呼ばれる吸血種なの」

「っ!?」

その時、息を呑んだのは誰だったか。

「吸血種……?それはいわゆるヴァンパイアのことか?」

目がつり上がるシグナム。
警戒……とは違うが、少しばかり穏やかでない空気を纏ってしまう。

「ええ。と言っても日の光に当たると灰になるなんてことはないけどね」

「忍さんたち一族の呼称からもわかるように、一般に吸血種は夜の活動を主とします。
 現代ではそういった制限はありませんが、恐らく過去、発生間もない頃は本当に夜しか活動できなかったのでしょう。
 そういったことから夜の一族に限らず、夜間の活動がメインだった者はすべからく闇の者と呼ばれるのです」

「…それでは、忍お嬢様もそうなる可能性があるということですか?」

無表情で尋ねたのはノエル。
己が主人に関することなので黙ってはいられないようだ。

「…いいえ、恐らく忍さんでは資質が足りない。
 マスターとなるには…いわゆる属性が"完全なる闇"でないと不可能なんです。
 忍さんもかなりそれに近いですが……恐らく何世代か前に人間の血が入っているようですね」

シャマルの言葉に一同静まり返った。
その言葉の意味する所はつまり―――――

「……ええ。確かに私は限りなく純血に近い夜の一族。
 "養子である"すずかと違って、純血ではないわ」

「…………」

つまり、彼女達は本当の姉妹ではないということだ。
ノエルは知っていたのか表情を崩さないが、なのは達は少なからず動揺している。

「そ、そんな…すずかちゃん…」

「すずか…」

「すずかちゃん……一言も言ってくれへんかったなー」

養子であること、夜の一族であることを知らされていなかったはやては、
彼女にとって自分はそこまで許せる存在ではなかったのかと思い、口調は軽いがかなり落ち込んでいる。

「そんなに落ち込まないではやてちゃん。
 確かにあの娘は何も言わなかったかもしれなかったけど……あの娘も怖かったのよ。
 養子であることを伝えるのにはそれほど抵抗がなかったかもしれない。
 だけど夜の一族であることを伝えるのには相当の覚悟がいるのよ。
 自分自身で抑える事の出来ない吸血衝動と異常性欲。
 そんな自分でも嫌っている部分をさらけだそうとするには、中学生になったばかりのあの娘にはまだ早い…」

「……………」

「純血である分、吸血衝動も大きかったと思うけど……耐えられない程ではなかったはず。
 今は輸血用パックとかも簡単に手に入るからね。
 問題は異常性欲の方。
 動物で言うと発情期なんだけど…これは大人になってくるに連れて深刻化してくるの。
 特に中学生といった成長期には、興味を持つこともあってかなりの衝動が襲ってくるわ」

すずかを哀れんだような口調で淡々と語る忍は『でもね』と続けた。

「私達からしてみれば、性なんてものはマイナスなイメージがないのよ。
 生活の中の一部と言ってもいいわね。
 子供を作るのにだって必要なんだから、むしろそれを不潔と思う今の社会の方がおかしいわ」

ここにいない誰か…というよりは、彼女は今の時代そのものに怒りを向けている。

「……だけど、周りの同い年の友人達はそうは見てくれない。
 自分をさらけ出したいけれども、そんなことをすれば間違いなく友人達は離れていく。
 わからないかもしれないけど……そんな衝動があったこと、あるということを知ってあげて。
 それだけでも随分とあの娘は救われるはずよ」

自分も通ってきた道であるが故に、すずかの気持ちが痛いほどにわかる忍。
唇を噛み締めながら、自分の体質を恨んでいるようにも見える。

「わかり……ました」

はやては何とも言えない顔をして引き下がった。
なのは、フェイトも同様だ。

しかし一番納得のいっていない表情をしているのはファリンである。

「お、お姉さま……今、忍お嬢様が言われたことは…本当なんですか?」

自分の主人が養子であることは知っていた。
しかし、夜の一族というのは初耳だ。

「……………」

無言のノエル。
それが忍が言ったことを肯定しているのは誰の目にも明らかだ。

「どうして……どうして教えてくれなかったんですか!?
 私はすずかちゃんのメイドなのに………私ではダメなんですかっ!?」

「…ファリン」

「私は……メイドだけれど…このお家の中では一番関係が薄いのかもしれないけど……
 それでもすずかちゃんを大切に想ってる気持ちだけは誰にも負けないっ!
 忍お嬢様のような血がなければ…私はすずかちゃんの傍に居てはいけないんですかっ!?」

「ファリン、落ち着きなさい…」

「今までそんなことで苦しんでいたなんて……
 知っていればすずかちゃんと痛みを共有できたかもしれない!
 知っていればすずかちゃんの痛みを和らげられたかもしれない!
 知っていれば……すずかちゃんがこんな風になる事もなかったかもしれないのに!!」

「忍お嬢様も言われたでしょう!
 すずかお嬢様は、大切に想っている貴女にまで嫌われるかもしれないという不安があったと!」

ノエルもつい声を張り上げる。
普段慕ってくれる彼女が、こんなにも泣きながら自分を責めている姿は彼女自身も耐え難い。

「わかってます!わかってますよっ!!
 一番……一番ダメなのは、そんなすずかちゃんに気付いてあげられなかった自分だって!!!」

ぼろぼろと涙を流しているファリン。
専属メイドにも拘らず、何一つ助けてやれなかった自分があまりにも不甲斐無いのだろう。

「あの日……行き場を失くしてした私に優しく微笑んでくれたすずかちゃん。
 私はまたあの笑顔を見たかった!護りたかった!!
 すずかちゃんが笑っていてくれるなら、どんなことでもしようと誓った!!
 なのに…なのに私は、彼女が心から笑っていない事に気付きもしなかったなんてっ……!!!」

すずかが恭也に対して抱いている感情は、兄のようなものだと思っていた。
だけど本当は違った。
アリサ達を応援していながら、いつも彼女は泣いていたのだ。
そして夜の一族。
以前何度か一人になりたいと部屋を閉め出されたこともあった。
今にして思えばわかる。
小学生の頃から彼女はそんな強い性衝動を抑えようと、ひとりで必死に頑張ってきたのだ。

「…すずか…ちゃんっ…!」

握り締めた拳からはわずかに血が流れている。
それが彼女の想いの強さを如実に表していた。

「……ファリン」

ファリンを見つめながら何も言えないノエルもまた悔しそうだ。
しかしそんな彼女を救ったのは雇用主でもある忍からの一言。

「ファリン……そんなことはないわ」

「……………」

「貴女が来てから…すずかは毎日本当に楽しそうだった。
 いつも言っていたわ。
  『ファリンはドジでおっちょこちょいで、メイドさんには向かないと思うけど…
  それでもやっぱり私のメイドはファリンだけだよ』って」

そう言うと忍は手に持っていた一冊のノートをファリンに差し出す。

「……これ…は?」

「すずかの日記よ。
 以前、自分が居ないときに夜の一族のことを知ったら貴女に渡して欲しいと頼まれたの。
 私もここに何が書いてあるかはわからない。
 だから、これはあとで貴女だけが読みなさい」

涙を流しながら忍からノートを受け取るファリン。

「ファリン…ひとつだけ覚えておいて」

「…………」

「すずかは…貴女のことを本当に大切に思っているのよ。
 メイドとして、友人として、家族として。
 この家の中であの娘に一番近いのは貴女なの。
 今まで共に笑ってきたあの娘の笑顔が、貴女は本当に偽物だと思うの?」

「普段のんびりしてて、人当たりがいいように見えるけど…
 本当は誰よりも人見知りが激しい子。
 それはアリサもわかるでしょう?」

「…はい」

すずか、なのはと仲良くなったきっかけとも言える事件を思い出し、アリサは頷く。

「そんなあの娘が嫌いな人と数年間、一緒に暮らすなんて出来るわけがない。
 だから自信を持って。
 あの娘が友人として誰よりも信用しているのは貴女だということを」

「……で、でも…それならどうして……」

「それはさっきも言ったようにそれでも不安があったのか、それとも別の理由があったのか…。
 真実はすずかしか知らないわ。
 だとすれば、やることは決まっているでしょう?」

そうだ。結局の所、本当のことは本人しか知らない。
ならば直接問いただすしかないのだ。

「…はい」

だから今は泣いている場合ではない。
彼女がマスターとして覚醒するのを防ぐことが何よりも大事だ。

「……お姉さま。ごめんなさい…」

大好きな筈の姉にも辛く当たってしまったことを謝罪するファリン。

「…いいのですよ。私も貴女と同じで気付いてあげられませんでした。
 ご学友を応援する心と、相反する恭也さまへの恋心…。
 泣きたい気持ちもわかりますが……今はお嬢様を助けることだけを考えましょう」

「ぐすっ……はい」

二人のメイドはお互いが落ち着くようにと、しばらく抱き合っていた。












「……そういうわけで、すずかちゃんはマスターとなる資質を備えています。
 しかしマスターとして目覚めさせる訳にはいきません。
 覚醒を防ぐにはその感情を制御するか……源を断つか、どちらかの方法に限られます」

「感情を制御するというのはどういうことだ?」

今まで大人しく聞いていたザフィーラが尋ねる。

「端的に言えば説得です。
 このデバイスの起動要因はすべてマスターの感情によるもの。
 それを制御して自身の中にあるデバイスを消去してしまえば、今後二度と現れる事はありません」

二度と現れない、という点に数人は若干安堵を示す。

「しかし何らかの手段で記憶を消す、という手段は通じません。
 一時凌ぎにはなるかもしれませんが、それほどの想いであればやがて本人が思い出す可能性はかなり高いですし、
 なにより奥底にあるデバイスが遅かれ早かれ"思い出させて"しまうのです」

「……では、源を断つというのは?」

「文字通り、感情の源となっている恭也さん自身を消滅させること。
 ただこれは、マスターが暴走するという危険性も孕んでいるので有効な手段とは言えないでしょう」

「「「きょ、恭也さん(お、お兄ちゃん)を!?ぜ、絶対ダメ!!」」」

「……納得できない乙女たちもいることですしね」

「それもそうだな」

少女達を見てフッ、と笑うシャマルとザフィーラ。

「……だが、感情の制御というのは簡単にいくものではないだろう」

「そうです。
 解決法は明確ですが、それを実行するのが困難なのがこのデバイスのやっかいな所です。
 特にこういった恋愛感情は理屈ではないですからね」





「…でも純血が条件とは言え、そういった感情を持つケースなんてのは結構ありそうだけどねぇ」

アルフは少々腑に落ちない様子だ。
彼女の言うように純粋な闇であることが条件とは言え、
恋愛感情が主なキーとなるのであれば今まで何度も世界は危機に瀕してきたはずである。

「……アルフ、そうでもないんだよ」

「え?」

「私達、夜の一族に限らず闇の者はね…寿命が遥かに長いこともあって、人を本気で愛するということが少ないんだよ。
 好きな人が出来て結ばれたとしても、その人とはいずれ別れなければいけないときが来る……
 そう思ったらその人のためにも自分のためにも、深く愛そうとはしなくなるんだ。
 逆に異性に振られたとしても、若い時代が長いし人生いくらでも出会いはある、なんて考え方をしたりもする。
 そういったことから一族同士で結ばれることが多いけど……そこには愛というより"安定"を求めてるケースがほとんど」

「……………」

「それに体質のこともあって、安定して血を供給し、自分に快楽を与えてくれる人なら別に愛はいらないからね」

「……………」

「だから、それを抜きに恭也を好きになったすずかは……本当に恭也を愛しているの」

「その上すずかが抱いている恋心と憎悪…。
 これは誇張でもなんでもなく生半可なものじゃないんだよ」

妹を憂う姉の目尻には僅かながら涙が浮かんでいる。

「――あの人のためなら何でもしてあげたい。
 ――あの人のためなら命さえも惜しくない。
 闇の人でもこんな想いをしたのは過去、それなりに居たと思うわ」

「でもね、すずかの想いレベルは……言っちゃ悪いけど"そんなもの"じゃないんだよ。
 あの人のためなら……ってのは相手に喜んで欲しいってのもあるけど
 その分、自分に見返りを求める行動でもあると思うんだ」

忍の発言にそんなことはない、という意見の者も中には居たが
今は話を聞くことが先決とわかっているため、ぐっと堪えた。
何よりそれは個人の主観であって、今重要なのはそれほどまでにすずかの想いが強いということだ。

「だけどすずかにとっての恭也は"すべて"。
 一心同体と言ってもいい。
 自分が、相手が、というレベルじゃないのよ」

「もっとも表向きはそういう感情を出していない。
 すずか自身もそこまで恭也を慕っているなんて思いもしてない」

「……けれど、デバイスは奥底にあるすずかちゃんの本心を捉えるのです」

と、最後はシャマル。

「………………」

「…まぁ、かく言う私も、そこまで想っているなんて気付いてあげられなかったけどね」

力なく忍は笑った。







「……あの、さっきから思ってたんですけど、デバイス自体を破壊することはできないんですか?」

フェイトの漏らした言葉に、シャマル以外はそれだ!という顔をする。しかし―――

「――残念ですがそれは不可能です」

彼女はその期待を一蹴した。
悔しそうな表情から察するに、彼女自身もそれは考えたのだろう。

「ユニゾンデバイスと称しましたが、これははやてちゃんとリインフォースとは少し違う……すずかちゃんの"中"に存在するもの。
 言ってみればカタチのない、"想いのデバイス"。
 デバイスを手にすることはありますが、それはマスターがイメージ化したあくまで仮の姿です」

「想いのデバイス…?」

「これから発現されるものは正確には魔法の類ではありませんが
 効力等を考えると魔法と同様と思って頂いて結構です。
 実際、相手の攻撃をこちらの防御魔法で打ち消す事もできますし。
 しかしこのデバイスの真に恐ろしいのは、並外れた精神力がもたらす"事象の具現化"です」

「事象を具現化って……雨が降れーとか思ったらホントに降るんか?」

半信半疑なはやては尋ねる。
本当にそんなことが出来るものだろうかと思ったが、シャマルは事も何気に言った。

「その通りです。
 ただし事象に比例した精神力を要する上、本当にその事象を引き起こしたいと本人が思わなければならないので
 そう簡単に発動するものでもないのです。
 自然現象を意図的に起こすとなるとかなりの精神力が必要ですが……決して不可能ではないほどに強力な能力。
―――――そう、人の記憶や心まで操れるほどに。
 精神力が桁外れでもデバイスが真に覚醒するまでは、そこまで大きな事象を起こせないのがせめてもの救いでしょうか」

「思ったことが実現する能力……確かに恐ろしい」

シグナムの呟きに一同は唖然とする。
一見夢のような能力ではあるが、冷静に考えるとこれほど恐ろしいものはないだろう。
シャマルが最後に付け加えた内容もこの状況では焼け石に水と思えなくもない。

「最初に宇宙規模の災害が起きるというのはそういった意味です。
 ただでさえ強力な魔力を与えてくれるデバイスに、精神力の強いマスターであれば惑星ひとつを一瞬で消滅させることもできる。
 そしてそういった事象を引き起こすたびにマスターはデバイスに侵食されていくのです」

宇宙規模といった、あまりにもスケールの大きな話に
一般人であるアリサやファリンはあまり実感が沸かないようだ。

「想いが力になる、か……どこかの小説のようだな。
 しかしそれならマスターが願うのは想い人…この場合は恭也と共に在ることを一番に願うのではないか?」

言われてみればそうだ、という面々。

「確かにその通りなのですが……その点に関した事象だけはデバイスが命令を拒否します」

「「えぇっ、なんでっ?」」

ハモるのはなのはとアリサ。

「……なるほど」

一人、納得しているザフィーラにシグナムは問いかける。

「…どういうことだ、ザフィーラ」

「…考えてもみろシグナム。
 このデバイスが最終目的としているのは何だ?
 マスターの体を乗っ取ること。
 マスターの意思を介さずして破壊を行うこと。
 その前にマスターの感情の根源を解決してしまうのはデバイスにとって本末転倒だろう。
 自身が消えてしまうわけだからな」

「…確かにそうだな。
 つまりデバイスは自ら命令する事はできないが、命令に対する拒否権は持っているということか」

「そうなると解決方法としては、やはりすずかお嬢様を説得するしかないのですね」

目を瞑ったまま聞いていたノエル。
冷静な彼女は周りの皆より幾ばくかは落ち着いて見える。
――――もっとも、それは表面上の話であろうが。

「…そうですね。精神世界に侵入し、デバイスを直接叩くという方法もありますが、
 同時にすずかちゃんの精神も攻撃してしまうのであまりに危険です」

「…その場合はどうなるんですか?」

恐る恐る聞くアリサ。

「かなりの確率ですずかちゃんの精神は崩壊し、最悪即死。
 死なずともそれ以降意識が戻らなくなるというケースが濃厚でしょう。
 それでもこの方法ならば"世界"を救うことは出来ますが……」

「そ、そんなのダメですっ!そんなことしても誰も嬉しくありませんっ!!」

「…ええ。ですからとるべき策(て)は一つ、彼女の説得です。
 今となっては彼女が並外れた精神力の持ち主でないことを祈るばかりですが」

シャマルの返答にその場の誰もがそれはないと予感した。
これほどまでの想いを頂いているすずかの精神は、誰よりも強いのではないかと。











「……方針が決まったのはいいけど、具体的にはどうする?」

「そうやなー、やっぱり本人達にガツンと言ってもらうのがええんやないか?」

「本人達って……恭也さんと私達?」

自分を指差すアリサ。

「確かにそれが一番効果的ではありますが……諸刃の剣でもあります。
 今の状態の彼女に、何か触発するようなこと、こちらがすずかちゃんの意図を汲み取れない発言をしてしまえば
 たちまちデバイスは起動してしまうでしょう」

「……意図?」

「すずかちゃんが本当に望んでいる事です。
 例えば恭也さんへの恋心が実ることが彼女の望みではありますが、その望みの叶えられ方も千差万別。
アリサちゃん、フェイトちゃん達と同じように自分も愛して欲しいのか、それとも自分だけを愛して欲しいのか。
……ここを履き違えると彼女の不信感が一気に高まり、デバイスの格好の的となるでしょう」

「すずかお嬢様が本当に望んでいる事……それを理解しなければならないのですね?」

「…なるほど。それで当人であるにも関らず、この場に恭也殿がいないわけだな」

腕を組みながら一人納得しているザフィーラ。

「ええ。人が考えていることを一番汲み取れる力があるのは恭也だけど…
 恋愛感情が絡んでくると、あの朴念仁では無理だろうからね」

忍の言葉に確かに、と一同は頷いた。

「それなら……申し訳ないですけどHGSの方に頼んでもらったらどうでしょう?」

恐る恐るといった感じで手を上げながら発言するファリンだが、その内容は的を射ていた。

HGS―――高機能性遺伝子傷害と言われる病気。
元病は変異性遺伝子障害と呼ばれるもので、現代医学では未だ治療法の見つかっていない難病である。
死せずとも、必ずどこかしらに異常がみられ、定期的な通院と薬による支援がなければまともに生きられない。
そんな変異性遺伝子障害患者だが、稀に高機能性と呼ばれる患者達には一般的に"超能力"と呼ばれる力が備わることがある。
ファリンはこの超能力を用いてすずかの心の中を覗いて欲しい、ということだ。

「私もそうしたかったんだけどねー。
 なんというかお約束な展開で、知り合いのHGSが一人もいないのよ。
 フィアッセさんはツアーで、リスティさんとフィリス先生はそれに付いて行ってるし、
 知佳さんは当然アメリカだしね」

「あちゃ〜」

お手上げ、と言わんばかりに両手を挙げる忍の言葉に、アルフは床に大の字になった。
そんなアルフを横目で見ながらフェイトは漏らす。

「……でもやっぱり恭也さんがいないと、根本的な解決はできないんじゃないでしょうか」

「そうね。例え自分を好きでないとしても…私だったら、やっぱり本人の口から言って欲しい」

そう答えたのは恭也ラヴな2人組。
自身がすずかの立場であることを想定した際、やはり本人の口から聞きたいということだ。

「貴女達がそういうのであれば……そうなのかもしれないわ。
 やはり恭也さんにもお話しておきましょう」

「「じゃあそれは私が」」

ハモったのはまたまた恭也ラヴな2人。

「…それじゃ、恭也さんへの伝達は2人にお願いするわ。
 とりあえず話は以上ですけど……何か質問のある方はいらっしゃいますか?」

「あ、いいかい?」

手を上げたのはアルフ。

「はい」

「結局の所、アタシ達は何をしたらいいんだい?」

「そうですね……直接の説得は恭也さん達に行って頂きますので、
 皆さんは普段通りを心掛けてください。
 皆さんの支援が必要ではありますが、最終的にはすずかちゃん自身がデバイスに打ち克たなければなりません」

「あいよ」

「ただ……特になのはちゃんとはやてちゃん、それに桃子さんやさざなみ寮の方に要注意なのですが
 恭也さん達が説得を行う前に、彼女と恭也さんの関係をからかったり、
 アリサちゃん、フェイトちゃんとの現状を話題に出したりする際には十分気を付けて下さい」

「気をつける、とは具体的に?」

「……すずかちゃんが何を望んでいるのか分からない以上それは不明です。
 何を望んでいるかを聞き出さなければなりませんが、迂闊な発言はデバイスの覚醒を促す…。
 非常に難しい問題ではありますが、ここは皆さんで何とかして頂くしかない、としか言えません」

「……それはお兄ちゃん達を話題に出すなってことではないんですか?」

「ええ。話題に出さないのではありません。話題は振るけれども気をつけてください、という意味です。
 全く話題に出さないといずれ不信感を抱かせることになります。
 デバイスは邪魔者を排除しようとする傾向が強いので、すずかちゃんの無意識による歯止めがないと
 かえってアリサちゃん達が危険な目に遭う可能性が高いです。
 理想論ですが、恭也さん達三人は本当に好き合っていて、その恭也さんはすずかちゃんのことも大切に思っている、
 ということを理解させてあげられれば、すずかちゃんの感情は良い方へ傾くかと」

「それはまた………かなりの理想論だな」

「……だけど、そうしないとすずかは助けられないんですよね」

シグナムが若干呆れた様子でシャマルを見るが、
フェイトは真剣な眼差しで見つめている。

「ええ」

「だったら………やります。
 すずかがこうなったのも私の責任。
 私にとってすずかは大切な友達――――必ず助けてみせる」

「ちょっとフェイト、何一人で抱え込んでるのよ。
 私にだって責任があるんだからやるわ。
 ガツンと言ってやらなきゃね」

「…アリサ」

「確かにすずかの気持ちには気付かなかった……でもだからと言って恭也さんを簡単に譲る気はないわ。
 あの娘は自分の気持ちを抑えてまで私達を応援してくれたみたいだけど、そんなことされてもちっとも嬉しくない。
 だから言ってやるのよ、アンタも好きなら正々堂々戦いなさいって」

「………」

「それに私達は友達。そうでしょ?」

「うん…」

「友達同士で遠慮してどうすんのよ、まったく。
 すずかもバカよねー」

どちらかというと怒っているような素振りのアリサだが、その実、ここにいる誰よりも心配しているように見える。
すずかが現状に至った責任の一旦を担っている事に加え、彼女の想いに気付かなかった自分を責める気持ちがそうさせているのだろう。
もちろんそれはフェイトも同様だ。

「そうだね。友達が間違ってるというなら……それを止めてあげるのも友達じゃなきゃね」

少女達は微笑み合う。
そんな2人を見て、周囲はこんな状況にも拘らずどこか穏やかな気持ちになってしまった。



――――しかし、そんな周囲の期待を裏切るかのように事態は望まぬ方向へと進む事になる。









 第11話をお届けしました、幸のない物書き さっちんです。
火妬美「…………」
 あのー…?
火妬美「…………」
 えっと、どうかしました?
火妬美「…………ナニコレ?」
 え?ナニコレって言われても……ドキドキワクワクの展開?
火妬美「…はっきり言うわ」
 うん。
 
火妬美「 全 っ 然、意 味 わ か ら な い」

 …………
火妬美「何よこれ。すずかの生い立ちとか全然違うし
    特にデバイスの設定なんか全部とってつけた感がありありと感じられるわ。
    そもそもこのお話でバトル的な展開はないんじゃなかったの?」
 うーん、どうして俺もこうなったかわからないんだよなぁ〜
 すずかのヤツにも困ったもんだ、うんうん。
火妬美「困ったヤツはアンタだぁ!!」
 ひでぶぅっ!?
火妬美「まぁいいわ。ここまでやったらもう引っ込み付かないしね。
    アンタの末路を見届けるまで付き合ってあげるわ。
    骨は拾ってあげるから安心しなさい」
 ……………
火妬美「あら、もう骨……というか骨も残ってないわね。
    それじゃ、また次回〜♪」





※誤字脱字等ありましたらご連絡頂けると幸いです。



いやー、話が大きくなってきたな。
美姫 「まさか、宇宙的規模の破壊だなんてね」
しかし、すずかも恭也争奪戦に絡んでくる事になるのかな。
美姫 「みんな良い子たちだから、良い方向に事態が解決して欲しいわね」
さてさて、気になる次回も大変楽しみにしてます。
美姫 「待ってますね」
ではでは。



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