何時か重なり合う未来(あした)へ  異伝



   MUV−LUV alternative イン・ザ・クロスワールド



               *注意*

この物語はアージュ作マブラヴオルタネイティヴのオリキャラ及び多世界作品混合二次創作(ご都合主義上等)作品です。

この作品を読んで不愉快、嫌悪感等になられても当方は一切の責任を持ちません。あしからずご了承下さい。(最重要)

誤字脱字の指摘は真摯に受け付けます。

特殊効果文字は当方の技術不足により使用いたしません。

極度の指摘の受け答えは出来ません。

筆者は超遅筆なので更新はかなり期間が掛かります。

以上の点を踏まえた上で開幕いたします。

  都銀矢 拝



















alternative 11月21日


アメリカ・グアム諸島管区 国連軍野外演習区画近傍海域




雷鳴轟く荒天。



幾条の雷光が降り続く海原。



間を置いて気象学史上極大のいかずちが落ちる。


長時間のプラズマ光が治まり……


海面には


巨大な構造体が現れる……


その構造体…一隻の戦船を迎えるように嵐は既に収まっていた……。









艦橋メインCIC

「転移完了」
「各部チェック急げ」
「情報収集開始」
「衛星軌道上に偵察衛星確認、ハッキング開始と同時にECM最小範囲最大出力で起動」

「ようやく来たね」
提督席に座る青年が横に立つ老年の男に声をかける。
「はい。しかしながらここからが本番ですぞ陛下」
「おいおい、陛下は止めてくれよ。この世界ではその地位はここでしか通用しないよ。なんせ国民も国土も無いんだ。」
「失礼しました司令官閣下」
「その調子その調子。……ともかく香月博士と接触して協力を得られないと先には進まないな」
「はい、彼女の協力が得られればこの計画…〔彼〕の最後の願いは叶えられません」
「……ああ、あれは酷い終わりだよ」
「ええ……]


alternative 11月21日


アメリカ・グアム諸島管区 国連軍野外演習区画某海岸付近


「まいったわね……」
演習場に不似合いの格好…欲情的な水着にパーカーを羽織った女性……香月夕呼が呟く。
突然のスコールにバカンスで日頃のストレスを発散させていたところに水を差されてお冠状態。
「……何か暇つぶしになる事無いかしら」
訓練の管制を続けている腐れ縁の親友と総合戦技演習と言う名のサバイバル訓練をしている訓練兵をおっぽって言う言葉ではないが、彼女にとっては瑣末事でしかないのだ。そう、彼女の仕事……オルタネイティブWに比べれば。
雨宿りをしていた自分のテントから出て砂浜を目指す。
絶好のロケーションに据えられたパラソルに着きデッキチェアに身を落ち着け、ふと沖合いに視線を向ける。
「……なにかしら?」
数時間前には無かった物が沖合いに二つありその内沖合いに留まっている物とこちらに猛スピードで向かってくる物がある。
脇に置かれていたバックから双眼鏡と手にとり覗いて観察を始める。
『…………結構大きいわね』
沖合いの構造物は明らかに人類が作りだしえるデザインだが自身の感覚を越える大きさ。
一方の物はアメリカや国連軍が装備しているホバークラフト強襲揚陸艇に似ているが形状が若干違う。
『どこの組織の物かしら?……あんな目立つ物作れば耳に入るはずよね』
自身の持つコネクション・情報収集能力を考え、
『とかくこの世は謎だらけ、BETAといい白銀といい……面白いわ』
不敵に笑う。
「少なくとも面白い事にはなるわね」

ホバークラフト強襲揚陸艇は猛スピードを維持し着岸し急停止してアイドリング状態になると同時に前部ランプを展開、十数名の完全武装の兵士が飛び出し揚陸点の確保を行う。
間を置いて士官服を着た男が降り立ち二名の兵士を伴い夕呼に向かって一直線に歩いてくる。
士官は夕呼の目の前に立ち敬礼する。
「……お尋ねいたしますが貴女が国際連合軍環太平洋方面第十一軍横浜基地副司令・極秘計画オルタネイティブW遂行責任者、香月夕呼技術大佐殿でしょうか?」
「そうね……貴方の言う香月夕呼は私よ。で、貴方は?」
「はい、大佐殿。私は藤木高志、所属組織は此処では申せませんが本部隊の陸戦隊指揮官を拝命しております。階級は中佐で在ります」
「……帝国軍かしら?」
真っ先に浮かんだ疑問をぶつける。
「はい、いいえ大佐殿。私は日本人ですが日本帝国国民では在りません。立憲君主国家の国民では在りますが」
「あっそう。で、藤木中佐は私に何用かしら?」
「本隊司令官閣下が貴女にオルタネイティブWと白銀武についてお話が有るとの事です」
「ふぅ〜ん、興味深いわね。オルタネイティブWは兎も角白銀の事が漏れるなんて」
「白銀君の事は我が隊の一兵卒まで知ってます」
呆れた表情で、
「白銀って有名なのかしら?」
「此処ではどうかは知りませんが我が隊に於いては白銀君についての情報はある程度公開されております」
「何処までかしら?」
「そうですな……この世界の住人ではない平行世界の住人とか複数回並行世界を行き来しているとか」
表情を歪める夕呼。
「そこまで知っているのね……解ったわ。逢いましょう」
「了解しました」
夕呼は踵を返す。
「あの大佐殿?」
「この格好で初対面の人物に会うのは失礼よ。雑事と着替えに行くわ。それぐらいの時間はあるでしょう?」
「はっ、失礼しました。しかしながらお早くお戻りください」
「わかってるわ」


アメリカ・グアム諸島管区 国連軍野外演習区画近傍海域

所属・名称不明艦 艦橋メインCIC


状況・情報を収集し解析、今後の検討を始める司令官と艦長を始めとする司令部スタッフ達。
「人類の生存圏がこうまで少ないとは、いやはや信じがたい現実ですな」
「中国人民軍以上の陸上兵力物量戦だ」
「やはりレーザー種がネックですね」
「なんともはや戦闘方法が日清戦争まで後退してしまった印象です」
活発な意見が飛び交う。
「閣下、揚陸一号艇帰還しました」
司令官に耳打ちする女性士官。
「ああ、解った。お客さんを司令官室に通してくれ、今から向かう」
「はい、解りました」
司令官は艦長に後は頼むと言い残して女性士官と共CICを出る。


所属・名称不明艦  司令官室


呼び出しのブザー音が鳴り入室を許すと藤木が夕呼を伴い司令官室に入る。藤木は司令官と二言三言交わすと退出する。
「……ようこそ香月博士。私が当部隊の司令官、ユウイチ(裕一)・アレクサンドル・ゼオ・ラティオ・イサレリアスです」
司令官……裕一は挨拶と自己紹介をする。
「香月です」
夕呼は一礼をし、裕一はソファーを勧め、夕呼はソファーに座った。
「始めにお断りしておきますが博士、我々は人類の地球放棄には反対する立場を取っており貴女の仕事の妨害しようとは考えておりません。むしろ協力したいと思います」
夕呼はその真偽を確かめようと無言を保つ。
「それを踏まえた上で貴女の率直な意見をお伺いしたい」
「……幾つか質問があるわ。まず、一つ目。貴方、いえ貴方達はいったい何者かしら?」
外堀から埋めてきたかと感じた裕一はその質問に答える。
「前提として今この時間に存在する白銀武君の事を貴女が正しく理解していると仮定してお話します。薄々察していると思いますが我々はこの世界の人間ではありません。別時間軸の人間です。所属国はイサレリアス皇国で私は皇国の国家元首を務めるもの、国王です。この艦の名は時空跳躍戦闘母艦《まほろば》といいます」
その後も矢継ぎ早に繰り出される夕呼の質問に澱みなく答える。
「……その情報の出所は白銀ね」
「ええ、そうですよ。正確にはこの世界の未来の時間に存在した白銀君です」
「で、その白銀はどうしたのかしら?」
裕一は夕呼に背を向け
「彼は我々の実験施設に現れた時、手の施し様が無い状態で発見されましてね。何背、左腕欠損右足欠損その上心肺停止状態で脳死の3歩手前だったそうです」
「……そう。……前座は終わりにして核心の部分を聞きたいわ、貴方達の目的は何?」
「死の水際に残した彼の切なる願いを叶えるため」
振り向いて夕呼の目を見据える。
「……その内容は?」
「207隊及びAー01部隊の隊員の生命の保全。オルタネイティヴ4の遂行支援。00ユニット【鏡純夏】の早期製造。自助努力による地球圏に存在するBETA撃滅の補助」
「ふーん……あれの事まで知っているのね。で、本音は?」
「さっきの方が本音で建前がBETAに関する情報収集、兵器の実験、戦闘の経験を積む、ですな」
「……面白いわ貴方。いいわ、折角白銀がこの世界の事を考えてお膳立てしてくれたんだもの、貴方達の差し延べた手受け取るわ」
「……こちらこそよろしく、博士」


雑談しながらさらに深い会話をしていたが裕一が時計を視界に入れ、話を変える。
「そろそろ207隊が貴女の罠に掛かるころじゃないですか?」
「あら、そうなの?早いわね」
「白銀君の行動が時間の短縮に繋がってるのでしょう。ちょっと様子を見てみましょう」
端末を操作してスクリーンを起動させる。画面には武達207隊が最初の回収点に警戒しながら到着する。
「ねえ、この艦回収ヘリに見つかるんじゃない?」
「ご安心を。光学迷彩で目立たないようにしていますし偵察衛星もハッキングで掌握していますので」
「抜かりは無いって事か」
画面の中では武が発煙筒に着火して近づいたヘリに合図を送り、罠が起動。遠くに隠れていた対空砲台からの攻撃を受けヘリは回収を諦め武達から遠ざかる。
「此処からあの子達にコンタクトが取れるかしら?」
裕一は苦笑しながら受話器を差し出した。


「そろそろ私は戻るけど貴方達は如何するの?」
夕呼は裕一に今後の予定を尋ねる。
「独自にコネクションを作って正規の命令書で横浜基地に着任します。……そうですね一週間以内に貴女の所に伺いますよ。菓子折りなんかを持ってね」
「あらそう?期待しないで待ってるわ」
「その間白銀君の事は適当に流してください」
「解ったわ、それじゃ……横浜で会いましょう」





                   続く



という訳で、うちでは初のマブラヴ オルタネイティヴのSS。
美姫 「ありがとうございます〜」
さてさて、初っ端から何やら色々と。
美姫 「一体、この先に待つものとは」
どうなるのか楽しみだな〜。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。



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