子の話は基本的にクロスオーバーとなっていますがオリジナル要素の強い作品となっております。もし原作の設定を変える等、許されない方は読まない事をお勧めします。それでも読んでいただけるならどうぞ先へお進み下さい。              御月

 

 

 

悠久の剣 〜魂と共にあるもの〜

 

 

 

私はあの子が居ればそれでいい

他には何も望まない

あの子が居ない世界など認めない

だから私たちは旅立つ

 

 

第三幕 〜涙とその決意 後編〜

 

 

 

「くそ…数が多い」

 

アルフは鎧を噛み砕き 

 

「だけならいいんだけど…このっ!!」 

 

なのはは上から飛来してくる敵を撃ち落す。だが、倒す量より次から次へと出てくる敵の数で、押し込まれ気味だった。

 

「っく、何とかしないと…、っ!?」

 

バインドで敵を抑えていたユーノが呟くの同時に、一機だけバインドの拘束を砕き、手にした大型の斧を構えなのはに向かう。

「なのは、後ろっ!」

「えっ」

ユーノに注意を促され背後からの攻撃にとっさに回避行動をとるが間に合わない。

「っく…」

 

まるでスローモーションで振り下ろされる斧が瞳に写る。

(…もう終わりなのかな?)

 

感覚が非常警報を発令しながらも体は咄嗟に動く事はできない。目の前で展開される光景に思わず瞳を閉じてしまう。恐怖から逃げるために…。

 

Thunder Rage

 

バルディッシュの声が響くと共に、斧を振り下ろそうとしていた、敵に雷が落ちる。

 

「え?」

 

痛みも無く、来たのは雷に撃たれ爆発から来る衝撃だけ。何が起きたのかと、上を見上げるなのはとアルフの瞳にバルディッシュを構えているフェイトの姿が目に映る。

 

「フェイトちゃん?」

「フェイト?」

 

フェイトは皆の反応を気にせずに魔法を撃ちは放つ。

 

「サンダーレイジ!!」

 

金色の魔方陣から、範囲内に居る敵全てをロックオンし高出力の雷を撃つ。そして捕らえた全ての敵を薙ぎ払う。

 

なのはの飛んでいる高さまでフェイトは降りる。それをなのはは笑顔で迎えるが、フェイトは何を言おうか迷っているように少しだけ顔を背けている。なのはが声を掛けようとした瞬間…轟音と共に壁を打ち破って、背中に大型の砲門を二つそなえた、巨大な機械仕掛けの鎧が現れる。

 

「大型だね…バリアが強い」

 「それにあの背中の」

 

それぞれ、特に脅えること無く招かざる来訪者の観察を続ける。砲門を構え発射体制に入った鎧を見て迷いながらもフェイトは言う。ほんの少しの話しかしてないが恭也の事を思い出す。

(彼女は私を見てくれた…だから私も…それでいいんですよね? 恭也さん)

 

「一人じゃ厳しいかもしれないけど…二人でなら」

 

「うん…うん!!」

 

少し驚いたが、その呟きになのはは嬉しそうに頷く。ようやく自分から話かけてくれたフェイトに喜びを隠す事は無かった。

 

「行くよ、バルディッシュ」

「こっちもだよ、レイジングハート!」

Get set」        

Stand by ready 

 

 二人の意思にそれぞれのデバイスも姿を変え主に意思に答える。

 

「サンダースマッシャー!」

 

フェイトは金色の魔方陣を手に浮かべ、それを打ち貫くようにデバイスモードのバルディッシュを魔方陣に叩き込み、雷撃を伴う魔力砲を撃つ。

 

「ディバインバスター!」

 

先に撃ったフェイトに続くようになのはも、主砲を叩き込む。

 

二人の砲撃を受けてもまだバリアで耐えていた。その様子を見て二人は目を合わせ掛け声を上げる

 

「「せーの」」

 

掛け声と共に二人の魔法は、一つに纏り、バリアごと鎧を撃ち抜く。それだけではなく二人の砲撃は時の庭園すら撃ち抜いていた。

 

周りに敵が居ないのを確認したように二人のデバイスが放熱を行う。

 

「っく…来たのね。だけどもう間に合わないわ」

 

二人の砲撃で、庭園内に侵入してきていることを悟るプレシアだが、その様子に気にすることもなく娘である、フェイトのモデルとなったアリシアの体が収めてあるカプセルに抱きつくようにして呟く。

 

「あと…もう少し」

 

本当はそこで駆動炉が臨界点を向かえるはずだったのだが、恭也が封印をしてしまっているのでプレシアの計画は狂いをきたしていた。それに答えるようにアリシアの口から一つの気泡が吐き出される。しかし、振動と現状を確認していたためにそれに気が付くものは誰もいなかった。

 

 

視界に移る全ての敵を倒してほっとした二人だが、轟音と共に鋭い振動がなのは達を襲う。

 

「うわっっと」

 「大丈夫?」

 

なのはがふらつきながら声を上げる。それを支える形でフェイトが支える。

 

「うん、平気だよ」

 

嬉しそうになのはは答える。その様子を遠くからその様子をみていたアルフが狼の形態か

ら人型に戻り駆け寄りフェイトに抱きつく。

 

「フェイト…、フェイトー」

 

「アルフ…心配掛けてごめんね。ちゃんと自分で終わらせて…それから始めるよ本当の私を」

 

なのは達は扉を打ち破り、駆動炉への直通エレベーターのあるホールに出る。

 

「そのエレベーターから直通で駆動炉に向かえる」

 

フェイトがそういったときにユーノが駆け寄ってくる。

 

「その必要は無いよ」

 

「「え?」」

 

「さっきアースラからの通信を聞いたんだけど、先に突入した提督さんがすでに封印したってきたんだ。だから僕らも一緒に行けるよ」

 

「フェイトちゃん…私は居るだけで力になれないけど…頑張って」

 

ユーノの言葉を聞いたなのはは、そう言いフェイトの手を握る。

 

「ありがとう…」

 

なのはの言葉を聞きフェイトは感謝する。想いは固まっていたが全てを伝える決心がついたと心の中で思いながら。

 

「今、クロノと提督さんが最下層に向かってる。急がないと間に合わないかも」

 

ユーノの言葉になのはとフェイトは頷きあう。

 

「「行こう」」

 

そう同時に言い最下層へアルフ達と共に最下層へ急ぐ。

(恭也さん…貴方にも伝えたいことは有るけど…出来ればあの人に私の気持ちを伝えたい…だからお願い間に合って)

フェイトはそれだけを胸に強く思う。

 

なのは達が最下層へ向かい始めた時、先行して最下層へ向かっていたクロノからエイミィに通信が飛ぶ。

 

「エイミィ!」

 

「恭也さんにより駆動炉は沈黙、なのはちゃん達はフェイトちゃんと最下層へ、大丈夫…行けるよ、きっと」

 

「あぁ」

 

クロノはそう答え、プレシアの元へ急ぐ。

 

しばらくして、ジュエルシードの使用と駆動炉の暴走により断続的に振動が続いていた時の庭園の鳴動が収まる。それを感じ訝しげに周りを見回したプレシアに通信が入る。

 

「プレシア・テスタロッサ、終わりですよ。次元振は私が抑えています。駆動炉も封印され、あなたの所には提督と執務官が向かっています。忘れられし都アルハザード…そしてそこに眠る秘術は存在するかも分からない伝説です」

 

次元振を抑えるために出てきているリンディが警告を込め言い放つ。

 

「違うわ、アルハザードへの道は次元の狭間にある。時間と空間が砕かれたとき、その狭間に滑落していく輝き…確かにそこに道がある!」

 

「随分と分の悪い賭けだわ…あなたはそこへいって何をするの? 失った時間と犯した過ちを取り戻すとでも?」

 

「そうよ…取り戻すの…私は取り戻すのよ、私とアリシアの過去と未来を。取り戻すのよ…こんなはずじゃなかった世界の全てを!!」

 

冷静に問いかけるリンディとは対照に、苛立ったようにプレシアは叫ぶ。その会話に割り込むように轟音と共に道を開き、傷ついたクロノが入ってくる。

 

「っ!?」

 

「世界はいつだってこんなはずじゃないことばっかりだよ! ずっと昔からいつだって、誰だってそうなんだ。こんなはずじゃない現実から、逃げるか…それとも立ち向かうかは個人の自由だ。だけど自分勝手な悲しみに、無関係な他人を巻き込んでいい権利等何処の誰にもありはしない」

 

何に重ねているのだろうか、S2Uを構え心の底からクロノは叫ぶ。射抜くような視線を込めてクロノの言葉を聞いていたプレシアは、フェイト達が入ってくるのに気がつき顔を上げると同時に、体の芯に強い違和感を覚えると同時に

「っぐ…かっ」

 体がもうボロボロだったプレシアは咳き込み、吐血する。

 「母さん!」

 その様子を見ていたフェイトは思わず駆け寄るが、プレシアは憎悪を込めた視線でフェイトを拒絶する。

「何をしに来たの、消えなさい。もうあなたに用は無いわ」

プレシアの一言でフェイトは足を止める。プレシアの醜い失敗作が来たと言わんばかりの視線にかまう事なくフェイトは言葉を続ける。

 「私はあなたに言いたいことがあってきました。私は…確かにアリシア・テスタロッサじゃありません。あなたが作り出した只の人形なのかもしれません」

 

「フェイトちゃん…」

 

その言葉を聞いていたなのはは思わず掛けよろうとするがアルフの手に遮られる。悲しそうな表情を浮かべるアルフを見て、レイジングハートを強く握り締めなのははフェイトの

言葉に耳を傾ける。

 

「だけど…私は、フェイト・テスタロッサはあなたに生み出してもらった、育ててもらったあなたの娘です」

 

「くくく…今更何? 今更あなたを娘と思えとでも? 」

 

冷笑を浮かべるプレシアを見ながら毅然とした表情でフェイトは言葉を紡ぐ

 

「あなたが…それを望むのなら、私は世界中のどんな出来事からも貴女を守る。私が貴女の娘だからじゃない、貴女が私の母さんだから」

 

「くくっ…ははっ…母ですって? 実にくだらないわ。もう貴方の戯言は十分、いい加減に消えてもらいましょうか…その顔…その声で話されただけで不愉快でしょうがないの」

 

「!?」

 

フェイトの決意を込めた答えも一言で切り捨てられる。

 

「なんで…なんで解ってあげられないの!?」

 

今まで黙っていたなのはだが、フェイトのそばまで駆け寄り思いを口にする。

 

「黙りなさい。あなたのようなお子様にはわからないでしょうね…私の想いは。あぁそうね今まで散々邪魔をしてくれたのも貴女だったわね…アリシアとの旅に出る前に貴女達は消えてもらいましょうか」

 

そう言い放ち、結界のように周囲とを断絶する雷の魔法を発動させる。それと同時になのはを同時に打ち抜く一閃の雷も

 

「っく…」

 

フェイトはなのはを庇う様に前に出、とっさにシールドを展開するも全てを止めきることは出来ず、直撃を受けた二人は倒れこむ。全身を鋭い痺れに苛まれながら。

 

「なのは!」

 

「フェイトっ!」

 

クロノ達が駆け寄ろうとするが、プレシアの魔法によって遮られる。

 

「貴方達は黙っていなさい、私たちはアルハザードへ…あの子達は時の狭間へ落ちてもらう」

 

そういい杖を、床に一突きし、魔法を発動させる。アルハザードへの道を開くために。

 

「まずい!」

 

魔法が発動したのを見て、駆け寄ろうとするが余波で近づくことすら出来ない。エイミィから脱出してとの言葉が来るが、助けることすら出来ない自分に歯を軋ませる。

 

崩壊が始まり、救う事の出来ない自分の無力さを怨みかけた瞬間…駆動炉から来た恭也が天井と結界を突き破りなのは達の前に降り立ったのは。

 

「すまない、少し遅れたようだ。クロノ、あの二人は俺が何とかする。お前達は先に脱出しろ」

 

「了解しました」

 

自分では助けられなかった…でも、結果的に命は助かった、それで良しとしようかと思い、ここに残ると聞かないアルフとユーノを強制的にアースラに転送し自分も脱出する。

 

(やっぱり、良い所もってかれたな)

 

これだけは、後で何かしら文句を言ってやろうと思う、そう思うとクロノは自然と顔に笑みを浮かべていた。

 

「お…兄ちゃん?」

 

「恭…也さん」

 

「最後まで見届ける意思はあるか?」

 

なんとか意識を保ち、しっかりと頷くなのはとフェイトを見て、間に合ったかと安堵する。そして二人の周囲に小さな結界を張る…最後を見届けさせるために。

 

「守護よ…来たれ」

 

その声と同時に二人は結界に包まれる。

邪魔をするな。と言わんばかりにこちらを睨んでいるプレシアに問いかける。

 

「つくづく救えないな…貴様」

 

「なんですって!?」

 

侮蔑を込めた言葉を受け、プレシアは激昂する。

 

「私は、旅立つの! 失われた時間を取り戻すために」

 

杖を振り回し、雷を撒き散らす。自分に向かってくる雷だけを冷静に白と黒の小太刀で捌ききって行く。

 

「取り戻すのは、過去か? 失われた時間か? くだらないプライドか?」

 

恭也が張るのは戦略、一瞬の隙を作り出せればいい。そのための古代ベルカ式、そのためのカートリッジ、その為の業…一撃でも叩き込みさえすればそれでいい。

それで、全てを終わらせればいいのだから

だが…

(やれるか…?

(無傷で拘束するのはちょーっと厳しいかも)

 

正直な話、拘束するだけなら簡単なのだ、一瞬で無力化すればよい、腕の一本や二本それこそ命を奪うつもりで行けば沈黙はさせられるのだ。だが今回は違う。

怒りはある。本音をいってしまえばそれを最優先したい。

だがフェイトが自分でここまで来た。

ならば、フェイトに全てを見届けさせる。

なのは達の前でプレシアの命を絶つわけにも行かない。

優先事項は違うのだから。だからこその問題…

恐らく拘束は不可能。言葉を引き出すことが限界だろうとも考える。

だからこそ恭也は挑発する。9割の侮蔑と1割の疑惑と本音を持って。

 

 

 「私は過去を取り戻すのよっ。それの何処が悪い!! あの子と…あの子との幸せな時間を取り戻す事の何が悪い!!!

「時間か…失われた物は二度と戻ってこない、それすらも理解できないのか?」

「取り戻すのよ。アルハザードの秘術で全てをね!」

 杖を振りかざし視線がそれた瞬間に恭也は踏み込み杖を飛ばしに行くがプレシアは展開したシールドで防ぐ。

(っち…硬いな)

「時の狭間へ行き、貴様の過去へ行ったとしても…そこには『その時間』でのお前が居るんだ。もしかしたら何もかも失う前の、貴様の言う幸せだった時の姿がな。そしてその娘はお前の娘ではない」

 

「何も知らないくせに…それ以上口出ししないでっ!!」

 

「少なくとも貴様よりは理解してるさ、だがもう一度聞く。幸せだった頃の自分から奪うのか? 『お前自身』から幸せを!!」

 

そういい小太刀に更に魔力を混め、シールドを斬断するが、近距離から雷を叩き付けられる、致命傷になりかねない雷を小太刀で捌き、バックステップで距離をとる。

その際に複数の飛針を投げる、シールドを貫く多段で強化する一本の本命を混ぜて。

 

「っ…何が知っているだ…。私の悲しみも、アルハザードの可能性も知りもしないで!!」

 

本命の一本にシールドを抜かれ速度を殺した事で腕にかすった程度ですむ。

 

 「…貴様の気持ちなぞしったことか。だがな、大切なものを失う悲しさも、時を越えてしまう可能性に関しては、誰よりも知っているさ」

 「何ですって!?」

 「悲しみなんて誰だって背負ってるんだ、貴様一人が不幸なんじゃないんだ。それに耐え切れなかったからといって、押し付け、命までも弄びましては奪うことは許されない」

 

助けられなかったリニスの姿、大切なものを失った自らの過去、そして時を越えてしまっ

た自らの姿を重ね…その思いを黒白の小太刀に乗せる。

 

「私が作り出した命なら、何処で切り捨てるのも私の自由…それに、許さないならどうするのかしら?」

 

 「それを本気でいっているのならば…この場で切り捨てるだけだ。もし歴史を変え、なんの罪も無い者たちを奪うというのなら」

 

(ラスティ、もう良いだろう…黙らせるぞ)

 

(おっけ、黒陽、月華共に残弾四発ずつだから使うなら一気にね)

 

(解った。あの強度なら一撃で粉砕する)

 

ラスティもプレシアの話を聞いているだけでは嫌悪感しか浮かばず、しかも先ほどの光景がどうしても許せないらしい。

 

そう殺気を込めて構えを取る。その様子を見ていたなのはとフェイトはそれぞれ異なった反応を見せる。

 

なのはは、御神流の構えを取る恭也の姿を見て改めて驚く。先ほどからその構えだとは思うが自分が落ち着いてきて確認をしてみて兄だと思ったのは間違いじゃなかった…あの構えは家で「高町恭也」の取る構えと酷似しているのだから。それに父が自分の一族にしか伝わっていない剣術なんだ、といったような事を言っていたのを覚えていたから。

 

「もう、やめてっ!!」

 

恭也の殺気にフェイトは思わず叫ぶ。戦闘の中で出た母の本音と、母を傷つけられたくないとの想いから…。その言葉を聞いたとき、少しだけ恭也の構えが鈍る。それを見逃すプレシアではなかった、今まで以上の出力で恭也ではなく、動けないなのはとフェイトを狙う。撃ち出されたフォトンバレットと雷が確実に結界を破壊できる威力なのを瞬時に悟る。

 

「っく」

 

神速に入り、二人の前に割り込み、プレシアに背を向け、漆黒の翼で二人を包み込み、シールドを張るが展開まで間に合わなかった。

 

「かはっ…」

 

「お兄ちゃん!!」

 

直撃を受け…法衣も打ち抜かれた状態で膝をつく。

 

「ふふふ…あははは、そこでじっとみていなさい。私たちの旅立ちを!!」

 

プレシアの叫びと共に、庭園の崩壊が更に進んでゆく。天井は崩れ、虚数空間から守るように敷き詰めてあった、ガラスの床も、プレシアと恭也達の間を裂くように崩れてゆく。

 

「過去も、未来も、たった一つの幸福も、私は取り戻す!」

 

狂気の笑みを浮かべそう叫んだのと同時に足元の床が崩れ落ちる。

 

「母さん!!」

 

「フェイトちゃん!」

 

身を落としてゆく母を追うように、瞳を涙で濡らしながら、追いかけようとするフェイトをなのはが止める。

 

「一緒に行きましょう…アリシア。今度はもう離れないように」

 

装置に保管されたアリシアに優しく問いかけながら、プレシアはその身を虚数空間へと落としてゆく。だが問題なのは次の瞬間…恭也とラスティは装置内のアリシアの腕が微かに動いたのと、微かに瞳が開いたように見えた。

 

(まて…どういうことだ)

(今のって…)

 

二人は最後の様子を見て困惑するが即座に切り替え二人の安否を確認する。

 

「エイミィ! なのは達は!?」

 

クロノは三人が戻ってないのを知り、確認をエイミィに取る。

 

「まだ…戻ってきてないよ…」

 

「くそ…何やってるんだあの人は!?」

 

「お願い…恭也さん、脱出急いで!!」

 

エイミィの悲痛な叫び声が、時の庭園に響く。

 

「っく…」

 

その声に促されるように、痛みを伴う体に鞭を打ち、二人を抱きとめ恭也はアースラへと脱出する。

 

その直後、時の庭園は完全に崩壊する…

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

どうも御月です

ラスティ「ここまで読んでいただきありがとうございます」

今回は恭也の戦闘力はそこまで目立たせなかったが…どうだろうか

ラスティ「前話でかなり強めに書いたのに」

まぁ、相手が相手だったから。今回はフェイトの様子を見て倒す機会を狙ってはいたが本音を引き出すことが優先。だからカートリッジも使ってないし。使う気ではあったけど

ラスティ「まぁ、一体一でしかも距離的には私たちの距離だったんだし…」

まぁ、一部ではその判断から危ない場面も在ったわけで逃がしたわけだが

ラスティ「仕方ないけどね…ああするに決まってるじゃない。あんたへの制裁も良いんだけど…最後のアリシアの何よ」

さぁ…何だろう…多大なネタばれになるのでご勘弁願いたいです。つーか、教えたんだから、これ以上殴らないで下さい…

ラスティ「まぁ仕方ないわね。で、次の説明篇は書いてるの?」

だ、大体8割がたは書ききっていますが…

ラスティ「さっさと仕上げる」

ぜ、善処します…

 





これで、プレシア事件は幕かな?
美姫 「でも、恭也にはなのはへの説明が待っているわよ」
このまま知らん振りを決め込むのか、それとも話せる範囲で話すのか。
美姫 「どんな展開を見せるのか楽しみね」
うんうん。次回も楽しみに待っています。
美姫 「待ってまーす」



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