この話は基本的にクロスオーバーとなっていますがオリジナル要素の強い作品となっております。もし原作の設定を変える等、許されない方は読まない事をお勧めします。それでも読んでいただけるならどうぞ先へお進み下さい。              御月

 

 

 

『悠久の剣〜魂と共にあるもの〜』

 

私になにができるのかな

私の声は届いたのかな

お話をしたい

お友達になりたい

今は声が届かなくても

今は想いが届かなくても

私は諦めない

出来る出来ないじゃない

やるって決めたんだから

力を貸して、レイジングハート

 

新しく増えた…一つ気になる事

貴方は誰ですか?

 

 

 

3幕 〜戸惑いの再開〜

 

 

 海鳴でのなのはとフェイトの戦闘を観測しているエイミィは隣のクロノに問いかける。

 

 「でも…あのこと、なのはちゃんに伝えなくて良いの? プレシア・テスタロッサの家族と、あの事故の事。…それに恭也さんの事」

 「勝ってくれるに越したことは無いんだ、あの事故の事もそうだが、恐らく提督の存在が一番なのはを迷わせる。それに話すなら自分から話すはずだ。それこそ僕が言っていい話でもない」

「そうだねぇ。今はこの二人の戦闘に注意しておかないとね」

 「あぁ」

 

 モニターに目を向ける。一人の青年を頭に浮かべながら。

 

 

 「…どうなってるんだ? いったい」

 

 黒を基調とした戦技教導隊の制服を着た青年…恭也はそう愚痴をこぼす。

なにやら事件の真っ最中で、しかも緊急で戻って来いとまで言われていた。少しだけ道草を食っていたのだが…それはおいておいてもある程度は荒れている状況だとはわかってはいたが正直ここまでとは予想していなかった。

 

 「確かに…次元航路が乱れてる上に、アースラも攻撃されたみたいだし」

 

 黒い髪を伸ばし、随所にオレンジ色をあしらった白いワンピースに身を包むラスティが周りの様子を観察しながら答える。

 

 「おかげで、えらく時間が掛かったな…。まぁここにいても埒が明かないな取り敢えず艦長のとこに行くか」

 「そうだね〜。さっさと仕事終わらせて、休暇の続きをしたいしね」 

 

 二人は特に緊張感の無いままアースラのブリッジに向かい、艦長であるリンディの姿を見つけると声を掛ける。

 

 「艦長、これはどういうことなんですか?」

 

 リンディは振り返り笑みを浮かべる。そして戦闘の移る映像を他の観測データに差し替える。

 

 「お帰りなさい。よかった…間に合ったみたいで」

 

 直にクロノ達にも恭也の帰還を告げる。

 

 「一体どうなってるんですか? 次元航路の乱れもそうですけど、アースラが攻撃されてるとは聞いていませんでしたが?」

 「それは説明すると長いから、データみてね」

 

 にっこりと笑みを浮かべデータを渡される。

 

 「………アバウト過ぎ。できれば説明してくれたほうが」

 

 隣で沈黙を保っていたラスティがボソッと呟く。

 「これから、場所を割り出し次第プレシア・テスタロッサの逮捕の為、武装局員を送り出す予定なの」

 

 リンディはラスティの言葉を無視して続ける。

 

 「……割り出し次第って、まだ解っていないんですか? プレシアの居場所は」

 

 渡された報告書に目を通しながら訝しげな表情で恭也は言う。

(武装局員…混成部隊…次元航路を乱してくる相手にこのレベルで足りるか?)

 「今の戦闘が終われば結果が出るんだろうけど…ちょっとまってね」

 「わかりました。それで俺の仕事はプレシアの逮捕ですか?」

 「う〜ん…現場に出てもらうのは確かなんだけど…逮捕じゃなくてフォローになるかもしれないわね」

 「…フォロー?」

 

 ただでさえ現状を理解していない上に局員では力が及ばないのではと考えている恭也は、眉を潜める。

 

 「ちょっと現状が特殊でね。それに戦闘って言ったでしょ? 今は、民間協力者に任せてあるのよ」

 

 それを聞いて恭也とラスティは驚く。

 

 「まっとうな判断とは思えないんですが?」

 「はぇ〜…管理局が民間人に戦闘を任せるなんてねぇ」

 「ちょっとした約束をしちゃっててね。エイミィ映像を回して」

 

 恭也が戻ってきていたため映像を観測データに差し替えていたものを元に戻すように指示をする。

 

 「わっかりましたー」

 

 元気な声とともに映像が送られる…白いバリアジャケットに身を包んだなのはと少し前に治療をしたフェイトが戦っている姿をみて、恭也は言葉を失う。なのはは自分がいた時代とちょうど同じ年頃か少し幼い位だろうか。もう二度と出会うことは出来ないと思っていた姿を目にしたのだから。

 

 「……な…のは? それにフェイト?」

 「本名 高町なのは。高町家の次女で…この時間軸でのあなたの妹よ…って、なんで彼女を知っているの!?

 「そうですか…フェイトに関しては倒れている所を発見して怪我の治療をしたんですよ」

 

(やれやれ…ゆっくり話すか…戯言だなまったく)

(先に出会っていたのは失敗だったわね…捕獲できていれば無用な戦闘は避けられた)

 

二人は現状を見ながらそんな事を考える。それと同時にクロノから通信が来る。

 

 「勝つにしろ、負けるにしろこの戦闘が終わり次第…なのは達は戻ってきます。…今だけは騎士服…ラスティと融合した状態で待機していてもらえませんか?」

 

 少し言いにくそうにクロノは告げる。

 

 「……」

 

 目を瞑り、昔の事を考えてしまう。自分の居た世界…家族のことを。

 

 「恭也君」

 「今は…なのはを出来るだけ迷わせたくないんです。お願いします」

 

リンディもクロノも恭也がこの世界にきて、家族と引き離されているのを知っている…当然である。恭也を引き取ったのはハラオウンの家であり家族のように過ごしてきたのだから…だからこそ、二度と会うことは無いだろうと思っていた家族との再会をさせてあげたい気持ちもある…が今はそうも言ってられない。

 

「……解りました。融合(ユニゾン)状態で待機します。ラスティ」

 「…うん」

 

我、悠久に共に在りしもの

契約の下その力を示せ

担うは光と闇

この背に宿すは、刻の翼

刃に込めるは不屈の意志を

こい、Everlasting

 

 返事と同時に恭也の姿は漆黒に包まれる。

 

黒を基調に白い十字架を施したアンダーウェアに身を包み、その上に漆黒の法衣を身に纏う。

 

 背中には真っ黒な翼。

 瞳は深紅に染まる。

 手には、光り輝く純白の宝玉をあしらった白銀の刃と真紅の宝玉をあしらった漆黒の刃…

二対一刀の小太刀を握る。

 

「その小太刀で能力の封印してるとはいえ凄まじいわね〜、でも相変わらず黒いわね。クロノも恭也君に影響されたのか日々黒くなってるし」

 

リンディは恭也を見て言う。

 

 「そもそも俺は部隊に属してるわけでは無いですからね、規制はある程度無視できますしね…色に関しては単純に黒が好きなんですよ。それにクロノは俺の影響って元々黒かったじゃないですかクロノは」

 

 そういいながら腰に二刀を納刀し、翼は今は必要ないなと呟き、 恭也の背中にある、翼が消える。

 

 「…すみません。ですがその黒かったという表現はやめてくれと何度もいったでしょう!!

 その様子を、見ていたクロノは謝罪する。

 「謝ることじゃない。…お前の判断間は違っていないのだから。なにクロノはく…なんでもないそう怒るな」

 

 少しばかり表情に陰りを見せた恭也はからかう言葉を交え自分の表情を隠してゆく、海鳴での映像に目を向け。

 

 「…もう少しで決着がつくな」

 自分自身に問いかけるように呟く。心の中では葛藤を抱きながら。

 (俺はどうすべきなんだろうな…)

 自分に課せられた任務はこなす…しかし、二度と会えないと思っていた家族の姿は思いのほか恭也を迷わせていた。

 (お兄ちゃんは…どうしたいの?)

 ラスティの言葉が帰ってくる。

 (………)

 (……あの子の兄として話がしたいの?)

 (それは…どうなんだろうな…。会いたい自分が居る。しかし、話すべきではない自分も居るんだ…。今のあいつには「こちらの俺」が居るんだから)

 (…そっか…。私はお兄ちゃんを連れてきちゃってるから大きなこと言えないんだけど…)

 (ラスティ!!)

 ラスティの言葉に思わず強く反応してしまう。恭也は、感謝こそすれ怨むことは無いのだから。

 (…いいの、こっちに連れてきた事実は変わらないんだから)

 (……)

 (…私はお兄ちゃんの、思うようにしたらいいと思う…。どうするのが正解なんて判らないけど…お兄ちゃんの考えた上の行動なら信じられる。…私のマスターなんだからっ)

 少し照れたように、ラスティは言ってくる。

 (……好きなようにか…)

 (…うん)

 (…俺もどうしたいのかまだ解らん…。全てはこの事件が終わってからだな)

 (そうだね)

 (すまないな…。つまらない悩みにつき合わせて)

 (今度の休みに何か奢ってね♪)

 自分の言葉に、そんな調子のいい言葉が返ってくる。多少、苦笑いしながら 

(善処しよう)

 それだけ言って、意識を外側に向ける。

 少しの間ではあったけどリンディはその様子を見ていたのだろう。

 「考えは纏まった?」

 「ええ…。今は大丈夫です」

 恭也がそう答えたのを見て、モニターに目を戻す。

 

 

 アルカス・クルタス・エイギアス。煌めきたる天神よ、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル

 

 呪文の詠唱と共に、フォトンスフィアに雷か収束する。

 

 「フォトンランサー・ファランクスシフト…、打ち砕けファイア!!

 

 撃ち出されたフォトンランサーは拘束されたなのはに集中する。命中したときに生じた爆煙が収まる前に、追い討ちの為のフォトンスフィアを収束させる。…限界近くの魔力を使用したため方で息をしながら。

 

 (…爆煙も収まってきた…今っ…っ!?)

 残りの体力を考えず接近戦に持ちこもうとしたが、煙の中から現れたのは無傷とは言わない姿を見て急制動をかける。

 

 「ったぁ…撃ち終わるとバインドってのも解けちゃうんだね」

 「今度はこっちの」

 

 レイジングハートを構え、魔力を集中する。

 

Divine

「番だよっ!!」

 Buster

 

「っ…!!」

(させない…まだ諦めない!!!)

 手にしていたフォトンスフィアを、ディバインバスターと同時に発射するが、打ち砕かれる

 

 (直撃!? …でも耐え切れる。…あの子だってだって耐えたんだから)

 

 瞬時にラウンドシールドを展開するが、完全には防ぎきれずに徐々に削られていく。

 

 「っく…あ…ぁ…。…っ…はぁ…はぁ」

 

なんとか凌ぎ切り、心身共にボロボロの状態ではあるが自分より上空で、収束するピンク色の魔力光に反応し上を向く。そこにはレイジングハートを掲げたなのはが居る。

 

 「受けてみて、ディバインバスターのバリエーション!!

 なのはの言葉と共に足元に大型の魔方陣が展開し、周囲の魔力が流星の用に集束していく。

 「っく…バインド!?」

 身構え、動き出そうとしたところを拘束される。

 「これが私の全力全開!! スターライトブレイカーーー!!!」

 レイジングハートを打ち抜き、発射する。

 それを見ていたクロノは思わず叫ぶ。

 「なんつー馬鹿魔力!?」

 「うっわぁ…フェイトちゃん生きてるかなぁ」

 エイミィも呟く。

 スターライトブレイカーに打ち抜かれ、海に沈んでいったフェイトをはのはは助け出しフェイトを抱きかかえながら話す。

 「私の勝ちだよね、フェイトちゃん」

 「そう…みたいだね」

 Putout

 フェイトが言うのと同時にバルディッシュが保持していたジュエルシードを出現させる。

 「飛べる?」

 どうにか一人で飛べる状態のフェイトを見てクロノは言う。

 「よし、なのは、ジュエルシードを確保して、それから彼女を…「いや、来たっ!!」」

 エイミィが立ち上がり、声を上げるの同時に、空から雷がフェイトに降り注ぐ。

 「フェイトちゃん!!」

 「…っく…ぁ…ぁ」

 バルディッシュも耐え切れなかったのだろうか、砕けデバイスモードに戻る。

 

「不用意な物質転送が命取りだ、座標を」

 「もう、割り出して送ってるよ」

 

 エイミィから送られたと座標にリンディは待機していた武装局員を転送する。

 腕を組み、壁に寄りかかっていた恭也は声を掛ける。

 

 「俺は…まだいいんですね?」

 「ええ」

 

 その言葉を聞きその瞳を閉じる。

 そのやり取りの後、なのは達がフェイトをリンディの前に連れてくる。

 

 「おつかれさま、それから…フェイトさん? はじめまして」

 

 笑いかけるが、その言葉にフェイトは俯き、バルディッシュを握り締める。

 

 (母親が逮捕されるシーンを見せるのは忍びないわ。なのはさん彼女を何処か別の部屋へ)

 (あ、はい)

 

 念話でなのはに伝える。しかし、それは間に合わなかった。武装局員の敗北と刻々と進む状況の中で、見せてはいけない光景を、最も聞かせてはいけない言葉を聞かせてしまうことになる。

 

 「なんで生きてるのかしら? フェイト。あなたは所詮作り物、用がなくなったら用済みに決まってるじゃない。貴方はアリシアの記憶を移した唯のお人形、そんな貴方を好きになる要素が何処にあるというの? 私はね、貴方を作り出してからずっと嫌いだったのよ!!」

 「!?」

 

 プレシアの鬼気迫る表情と言葉にフェイトは、バルディッシュを落とし気を失ってしまう。

 

 「フェイトちゃん!!」

 「フェイト…」

 

恭也は、なのは達が見える位置に少しだけ離れた所の壁に寄りかかっていた。そしてプレシアの言葉を全て聞き…聞いているだけで、怒りがこみ上げていたのだが。最後の言葉と、それを聞いて崩れた少女の姿を見て…恭也は耐え切れず動き出す。ほんの少し話しただけだがほっとけるはずも無い。

 

(クズが…)

 

 心の中で、毒づきながら。

 

「艦長…すみません。俺の持つ独自権限により単独行動に移らさせてもらいます」

 「え?」

 

 突然の声の聞きなれた兄の声になのはは耳を疑う。

 

「指揮権が乱れるので指示が出るまでは友軍に徹するつもりだったんですが…あれ…黙らせてきます」

 「……解りました」

 

 リンディは先ほど見た、プレシアの力を見てそう判断する。なのははそんな会話も耳に入らずに壁際から歩いてくる漆黒の法衣を纏う恭也を見て、目を疑う。

 

瞳の色も違う

服装だって違う。

 

 しかし、顔立ち、雰囲気は、無愛想だけど家に居る優しい兄と同じである。

 

 「エイミィ…ゲートを頼む」

 

通信室に居るエイミィに通信を送る。

 

 「はい! 判りました」

 

 ブリッジを出るために、なのはの隣を恭也が目の前に来たとき確信する。この人は兄だと…家族を間違えるはずが無い…しかし、兄はここには居ないはず…。

 

 「何で…お…にい…ちゃん?」

「恭也…あんた…」

 

 震える声で、なのはは問いかける。いまいち目の前の状況を理解できていないのはフェイトと共に来たアルフも同じである。

 少しだけなのはに優しい表情を見せ、アルフには「今は休ませてやれ」と一言残して恭也は立ち止まることなくブリッジを出て行く。

 

 

 

 


あとがき

ども、御月です

ラスティ「遅すぎる…遅すぎるわ」

……ごめんなさい、ごめんなさい。

ラスティ「なんかひたすら平謝りしてる姿をみると哀愁すらかもし出してる…」

誰のせいだ誰の

ラスティ「何か言った?」

いえ何でもありません…だからその凶器はしまってください

ラスティ「まぁいいわ。で大分はしょったわね」

あぁ本題がAs基準になるからね、第一期の部分は本当はもっと出会いと事件のあらましだけで終わらせるはずだから

ラスティ「ふ〜ん…まぁ書ききるならしっかりと書きなさいよ」

言われずとも

ラスティ「で…次のは?」

……次ですか、そうだな実際は70%くらいは出来てる。正直微調整するところ

ラスティ「ならさっと書きなさい!!

だな。まぁぼちぼち行くよ。それではここまで読んでくださった方々ありがとうございました。

 





混乱するなのは〜。
美姫 「怒りをその内に秘めて敵地へと向かう恭也」
会話こそなかったものの、なのはは恭也に気付いたな。
美姫 「幾ら、髪や目の色が違っても、そこはね」
うんうん。さてさて、次回はどうなるのかな〜。
美姫 「次回も楽しみに待っていますね」
ではでは。



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る