はじめにお断りしておきますが、サイト管理者様の御好意で掲載させて頂いて居ります。

内容や価値観の相違により御不興を催す可能性を秘めているかも知れません。そう云った場合は然るべく。

そうでない方や、又は興味をお持ちの方はお進みください。

文中、高齢者蔑視と捉えられる表現があるかも知れませんが、筆者にはその様な意識は有りませんので先にお断りしておきます。

ここで描かれているのは全て架空の世界の物語での物語です。個人情報の流出規制に対しては筆者も完全に同意してます。

                               
 筆者敬白






猫と言う生き物は何を考えて生きているのか分からない。勿論言葉が通じないのだから当たり前である

でも、意思の疎通が可能であると思っている一部の人たちにはこの事実が理解できないのだ。

ここで猫好きの一家を紹介しましょう、月村一家。父、母、私、弟、ノエルの五人家族。それと異様に大きい黒猫のいる家の物語。




それは何時もの見慣れた情景: 社会派漫画家 月村澪の流麗なる一日



「ナーオ」少し鼻に掛かった鳴き声が聞こえてきた。此れはこのあたりを縄張りにしている年齢不詳のオス猫”おやぶん”の鳴き声だ。

鳴き声は可愛いのだが、見ると聞くと大違い。大きいのだ、これが!。しかも、飼い猫のおブタな猫じゃなくサバイバル状況下に置かれているから

身体は締まっている。筋肉もりもりのマッチョ猫だ。まるでお父さんみたいだ。

私が気に入っているのは前足の大きさだ。2倍は有ろうかと思われるその大きさが可愛い。

当然の事ながら、前足の大きさは身体の大きさに比例する、そうなんだ、彼は大猫の範疇に収まらない特大猫。余りの大きさに猫じゃない、山猫だ、

危険だから駆除要請が市の保健課に入ったくらいだ。結局、うちが責任を持つ形で解決した。今では飼い猫の様を呈するノーラーちゃんだ。

粕汁が大好物で、たくあん、味付け海苔が好物。焼き海苔はだめみたい、味がしないから。主食は猫飯、余りにもお約束な展開。

今日も母の傍で招き猫をしている。粕汁を作ると必ず母の傍らで招き猫をしている。鮭の切り身も好き見たい。時折母があげている。

母の足元に座っているこの猫が歴戦の強兵猫である事を主張している半分噛み切られた右の耳。毛並みもがさがさ、決して栄養が悪いわけじゃ

ない。でも、がさがさなのだから仕方がない。どう言った風にがさがさかと言うと、驚くなかれ、うろこ状に毛が固まっているのだ、全身に。

胸や腹は普通の猫と一緒なのに背中だけがそうなのだ。環境に適応した?身体状態に育っている?。

「びっきーが来たわよ、澪。ご飯食べさてあげて、お願いね」

階下から母さんの声が響く。月村忍、かあさんは夜の一族。だから私も半分夜の一族。必然的に朝が弱い。これもお約束

「いいよ、一段落付いて一休みしようと思っているから」

「じゃあお願いね、味付け海苔はテーブルの上に乗っているから」

「はーい」

台所へ降りていった。

大きなナリして顔を擦り付けにクル。少しからかってやる事にした。それは” 恐怖のお預け ”。

身体の大きさを考えると猫パンチも倍の威力がある事を忘れてはいけないのだ。迂闊に食らうと正直”痛い!”。ふふ、でも〜面白いから止めない♪。

大好物の粕汁の染み込んだ鮭の欠片を目の前に出すと”ナーウ”と声が変わる。これからが勝負だ!鼻先に徐々に近づけていく。慎重に、慎重に、ね。

狙っているのが伝わってくる、目が一点に集中している。殺気が漂う。これはもはや真剣勝負なのだ!互いの一撃が勝敗の分かれ目と承知している。


しかし・・・・・・長年の経験からか直ぐには掛かってこない。やるな!おぬし!!!。


こうして戦いの幕は切って落とされるのだった・・・・。傷バンを張りながら互いに健闘を称えた。明日の戦いの為に。

「かあさん、ご飯上げたわよ」

母に報告する私。

「ご苦労様。今日の勝負は?」

「引き分けかな」

「常時もの事ながら・・・あんたも懲りないねぇ、その性格、誰に似たんだろう」

勿論、お母様ですよ、とは言わない。後が怖いから。かあさんはお父さんに泣き付くのだ。結果、私が悪いで一見落着、ふん・・・。

呆れたような声で母が聞いて来た、否や、正直、呆れているのだ。でも、母もこの怪猫は可愛いのだ。なんと言っても大きい癖に甘えん坊な所が有り、

特に母に懐いている、だから勝敗が気になるらしい。負けた時は、私に内緒でこっそりと味付け海苔をあげたりしているのだ。これって反則!

だから懐いて当たり前なんだ。母の傍にいる時はまるで子猫みたいに甘えている。世間の猫の2倍はあると思われる図体をしてるのに。

仰向けになって、お腹を丸出しにして甘える格好は微笑ましいよりもシュールだと思うのは私だけみたい。家族や家に来た人は”可愛い”の連発だから。

こいつはきっと化け猫なんだ、みんなを誑かしているんだ、私も含めて、きっとそうだ!。やがて尻尾が二股に分かれる日も近いんじゃないかなぁ。


「澪、勝負だ」・・・・・・・なんて言ったら・・・・・・止めようこんな事考えるの。


私、月村澪、19歳、国立海鳴女子美術大学コンピュターグラフィックス科在学中の新進気鋭の若手女流ビジュアル・グラフィックス・アーティスト、

これが私の正体だ(ずばり、漫画家)なのだ。しかし、別の一面も有している、社会派漫画家の顔も持っている。連載してくれているのは驚くなかれ、

”週間緊張は、水曜日、発売です”の出版社なのだ。介護保険制度をモチーフにして展開していく人間模様を描いた物語を執筆している。

当然、真雪さんの影響は大おいにある。

今週の内容は、兄嫁と小姑の関係を描いた物語だ。私の書く物語は決して創作ではない。実在のモデルが存在するのだ。取材活動は地道に、そして

本格的に行っている。時にはリスティーさんの協力も仰いでいる。彼女はお父さんの仕事仲間で、お母さんの友達だ。高校の時からだから、付き合いは

十年以上になる。

私の漫画は、認定調査員の橘はるか、彼女が主人公。ホームヘルパー一級の清水あき、彼女が経営する介護事業所が舞台となる。

何時も考える事は作品をどこまで事実の押さえるか、悩むんだよね。作品のイメージを纏めてみよう。


「はるか、木田さんなんだけど。あそこ独居なんだね」

二週間前に認定調査に行った所だ。確か介護度が3だった。

「そうだけど、どうかしたの」

「うん、木田さんとこ。何か変わった所なかった?」

「変わった所?」

「うん、変わった所」

「別に感じなかったけどね。あきは何か感じたのかな?」

「あそこって、兄と妹、2人兄妹だったよね」

「うん、確かそうだよ」

「実はね、木田さん、娘さんと上手く行ってない見たいなのよ」

「娘さんて、お嫁さん?」

「違うの、実の娘さんの方」

家族の者と介護される側とのコミニュケーションが円滑に行われていない場合思わぬ事態が発生する時がある。

虐待に繋がる事象が派生するのだ。あきの話から虐待を示唆していると感じた。

「まさかとは思うけど、虐待?」

虐待は外部からは発見しにくい。家庭内で行われる為、察知しにくいのが現状だ。

「うん、確実にいえないけど・・・」

いくら隠しても介護に入っているホームヘルパーの感で察知する事がある。此処”介護センターあなたのために”のスタッフはベテランぞろいだ。

彼女らが察知したと言う事はほぼ間違いないだろうが予断で行動はできない。万が一の時は緊急避難的措置の対象となる。

「一度、民生委員の高田さんに相談してみるわ」

警察は役に立たない、否、役に立てないシステムになっている。民事不介入、これで死なずに済む人が毎年何人も死んでいる。

華やかさのない事件は意欲的には介入しないのが日本警察の態度と解釈してもお咎めはないだろう。被害が出てから右往左往する姿勢の醜さは

常日ごろマスコミが報道しているから世間では見たままを判断していると思われる。が、介護に関しては、別立てのシステムが欲しいところだ。

それが思いや入りのある法律だと思うのは私一人だろうか。そんな事を考えていた。

「それとね、あき。兄嫁さんが引き取りたい希望を持っている見たいなのよ。長男夫婦は共稼ぎだから昼間の介助は無理な事は承知してる。けど、

長男が心配なんだって言ってた」

木田さんの地所は全て木田さん名義になって居る。財産がらみになって来ると、余計に本音が表に出てこない。財産争いが根底にある場合、問題と

なるのは、引き取られた利用者の生活環境の変化のみならず、引き取った方にも軋轢が派生するのだ。嫌な事だが現実の事なのだ。何度となく見て

きている。

「ねえ、木田さん自身の気持ちはどうなのかなぁ。本当に長男夫婦の所に行きたいと思ってるのかなぁ。そこの所よ」

高齢者が全て正直かと言うと、答えはノーである。まれにだが、非常に老獪で狡猾なところがある人もいると聞いたことがある。あきもその辺はよく承知

している。自己防衛本能が突出していると考えるべきなのだろう。

「笛を吹いているかもしれないし・・・、兎に角、観察してからのことにしましょうよ」

数日が過ぎた。あれから何も変わっていない。木田さん宅にも順調に介護に入っている。月末にモニタリングに伺う事にした。予定表に書き込んでいる時、

電話の呼び出し音が響いた。

「はるか、例の木田さんのことなんだけど、ヘルパーさんが言うには、首の周りにこすれたような跡があるって言うのよ。これって・・・・」

「あき、一度そちらへ行くわ、ヘルパーさんと面接できる様に手配して」

「分かった、手配して置く」

「じゃ、これから行くからね」

首の周りにこすれた跡があるなんて尋常な事じゃない。一体何事が起きたんだろう。兎に角急がなければ。

「遅くなってごめん。それで状況を説明してくれる?」

「こちらが山口さん、今回の発見者よ」

「山口さんですか、初めまして、ケアマネの橘はるかです」

「はじめまして、山口です」

「それで先ほどのことなんですが、状況を詳しく説明してもらえますか」

「はい、木田さんは特に注意していたんですが、今回は三日ほど感覚が開いたんです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”こんにちは木田さん、”介護センタあなたのため”の山口です、失礼します”

私、何時も通りに玄関で声掛けをして家の中に上がって行ったんです。木田さんは何時もなら居間にいるんですが、今日はいないんです。

お昼寝かなと思いい寝室までいったんですが、ベッドの端で座位を取ってられたんです。でも顔色が悪かったので尋ねたんですよ。

”木田さん。顔の色が悪いね、昨日きちんと眠れたかな、さあ、着替えてお茶でも飲もうか”

そう言って着替えさせ様として気付いたんです。

”木田さん、これはどうしたの、首のところに擦れたような跡があるわ”

このときです、所長の言っていた事が頭にひらめいたんです。これは虐待だって。

”木田さん、痛くないのかな、何か薬でも付けておこうか”

もっとよく観察しようと思って言ったんですが。

”いいのよ、ほっといたら直るから。気にしないで”

このように言われたら無理強することは出来ませんから。

”そう、じゃあ痛かったらそう言ってね”

とその場はそれで収めたんです。山口さんはそう言うはるかを見つめた。あきが口を挟んできた。

「はるか、これってどう思う、虐待と判断すべきなのかな?」

「山口さん、その傷跡なんですが、もっと詳しく説明して貰えますか、できれば絵に描いて。特に傷跡の模様なんかも念入りに」

山口さんが絵を描いている間、あきと話し合いする。

「ねえあき、思うんだけどさぁ、一概に虐待とは言えないんじゃ無いかなぁ、もしそうだとしたら、私たちには関与できない所に問題点がある。

これって殺人未遂になってしまう。こうなると警察の分野になる。でも確たる証拠が無い以上、どうにもならない。状況証拠だけだからね」

「でもはるか、木田さんが死んだら大変な事になるよ」

「だから、一応の手配はしておかないといけないの。高齢介護課と地域福祉課と民生委員に連絡をして、現状の経緯を説明して置く方が良いと思う」

事件性を無視は出来ないし、万一の事もあるから可能な限りの対応策はたってて於かなければならない。でも狂言の可能性もある事を念頭から

外すことも出来ないのだ。

「出来ました。覚えている限りですが」

「ご苦労様です、じゃ見せてもらえますか?」

山口さんの書いた絵は、かなり良く出来ていた。模様も良くかけている。これで見る限り、ロープじゃない事が分かる。縄の跡が無いから。

ヒモで縛った可能性が高い、均一に帯状の線が描かれている。

福祉課に連絡を入れた。

「あさひ介護支援センターの橘です、何時もお世話になって居ます。横田さんはいらっしゃいますか」

横田英明、何時もお世話になって入る人だ。

「横田です、お久しぶりですね、今日はどう言った御用件でしょうか」

「実は木田さんの件なんですが」

「木田さんがどうかされたのですか?」

「ええ、実はヘルパーさんが奇妙な傷跡を見つけたんです」

「傷跡、ですか?」

「ええ、その傷跡なんですが、首の周りについているんです」

「え!首にですか!・・・・・橘さん、電話じゃなんですから此方に来てもらえませんか。上司にも立ち会ってもらいます」

「分かりました、じゃこれから伺います」

「お願いします、それとヘルパーさんにも同行願います」

「分かりました」

市役所に着くと、直ぐ会議室に案内された。既に高齢介護課と地域福祉課の課長さんと横田さんが待っていた。

「説明してもらえますか」

席に着くなり、高齢介護課の杉田課長が口を開いた。

「はい、所長から特に注意されてたんですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「それで?」

「はい、木田さんは今回は三日ほど感覚が開いたんです」

山口さは説明していった。先程の話をしていた。状況ですが・・・・・・・・・・


”こんにちは木田さん、”介護センタあなたのため”の山口です、失礼します”

私、何時も通りに玄関で声掛けをして私家の中に上がって行ったんです。木田さんは何時もなら居間にいるんですが、今日はいないんです。

お昼寝かなと思いい寝室までいったんですが、顔色が悪かったので

”木田さん。顔の色が悪いね、昨日きちんと眠れたかな、さあ、着替えてお茶でも飲もうか”

そう言って着替えさせ様として気付いたんです。

”木田さん、これはどうしたの、首のところに擦れたような跡があるわ”

このときです、所長の言っていた事が頭にひらめいたんです。これは虐待だって。

”木田さん、痛くないのかな、何か薬でも付けておこうか”

もっとよく観察しようと思って言ったんですが。

”いいのよ、ほっといたら直るから。気にしないで”

このように言われたら無理強することは出来ませんから。

”そう、じゃあ痛かったらそう言ってね”

とその場はそれで収めたんです。と山口さんは話しを終えた。

「うん・・・・・・・これは・・・・・・・・・・・・・」

高齢介護課の杉田課長は言葉が出てこない。

「確かに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

地域福祉の田川課長も絶句した。

しばし沈黙が支配した。言葉を発するものはいない。漸く杉田課長さんが口を開いた。

「私では判断がつきかねます、田川君にしても同じ事でしょうし、警察の介入は今の時点では無理でしょう。狂言も外せないし」

「そうですね、対応策が立てられない状況ですね、こんなことは初めてです。此処までの状況を把握していて尚且つ対応が遅れたらと思うと」

「そうだね、剣が峰だよ、全く」

「限界を感じますね。問題が起こればマスコミに叩かれるしね。責任を問う事ばかり考えてますから。解決策をあやふやにして、愚にもつかない

コメンテーターの意見をもっともらしく見せて、商業マスメディアなんか底が知れてますしね。煽るだけで中身が無い無責任極まりない輩ですよ」

結局何も解決しないままに散会になった。一応会合は持たれたから良いとしよう。しかし、今回のような事例は一番困るのです。解決策は?



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まあこんな調子だ。今回はこれを出版社に送ることにする。掲載は来月の第3週になるだろう。

こんな調子で書いているんだが、ちょっと硬い感じがしないでもない。でも、読んでくれる人がいるんだ。投書なんかもあるしね。

しかし、今回のような事例は一番困るのよね、解決策は?だれか考えて、答えが出たら教えて。

今回の分に関しては意見が分かれるだろうね、真っ二つにね。今日はここまでにして買い物に行こう。傷バンも残り僅かだし。



月村家長女が漫画家に。
美姫 「少し考えさせられるお話ね」
いや、お前の口からそんな言葉が……ぶべらぁっ!
美姫 「どういう意味かしら」
…い、いや、どうもこうも、見たま…ぐげらぁっ!
美姫 「クスクス」
…うぅぅ、誰か僕に優しくしてよ。
美姫 「寝言は寝てからにしなさいよ」
ぐがっ! …………。
美姫 「うふふ。さ〜て、投稿ありがとうございました〜」
ピクピク……。
美姫 「それじゃあ、今回はこの辺で〜」



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