俺は誰の為にこの身を削り
誰を守っているのだろう
守りきれたか、守りきれずにいるのだろうか
誰も守らず、誰とも関わらなければこんな感情も消えてくれるだろうか
そんなことを考え続け、それでも俺はこの手を血に染め
自分の意思を無視し続けた
けど俺はまたこの地に足を踏み入れた
どうしても俺の心から消えて無くならない彼女に



この想いを伝えるために
そして・・・















俺の視界にひとつの扉が現れた
ほんの1年前に俺が過ごし、俺が逃げた扉
知佳さんに伝えるべき俺の心の内
うまく言葉に出来ないが俺は知佳さんに惹かれ、恋をし
そして、愛してるのだとこの一年で確信した


だが、俺のこの手は血に塗れている
俺が人を愛していいのだろうか
愛しても不幸にするだけではないか
そんな想いに捕われ、扉をノックすることができない



けど俺はあのときの知佳さんの
「恭也君は自分の持ってる力が怖い?それとも過ちを犯すのが怖いだけ?」
という言葉の答えを出すために
自分の心の内を伝えるため
気力を振り絞り扉をノックした








鍵を外す音がして扉が開き
知佳さんが今、俺の前に居る
けど俺は知佳さんを前にして言葉が出なくなってしまった

1分ほど沈黙が続いたあと知佳さんが

「おかえりなさい恭也君」
優しい微笑みを浮かべながら俺を抱きしめてくれた
その時に俺の抱えていた悩みは一時的に頭の奥に押し込めることができた

「知佳さん…すいませんでした」

俺はまず知佳さんに謝った
けれども

「恭也君、帰って来たんだからただいまだよ」

「ただいま、知佳さん」

「うん、おかえり」

そんな挨拶をし、リビングに移動した

俺は知佳さんの笑顔を見ると気が安らいでいくことに気付いた
だから、今なら俺がこの1年でやってきたことを全て言える

「知佳さん」

「なに?」

「俺はこの1年でテロ組織を潰して回りました。その際、人を数え切れない程
俺の手は血に染まっています。けど、俺はあなたに伝えたいことがあるから
ここにまた戻ってきました」

自分の罪を白状する
嫌われても、怖がられても仕方のない事だと
だけど知佳さんから恐怖や畏怖の感じはとれなかった

「続きを言って」

知佳さんに促され、俺は言いたかったことを自分の口で紡いでいく

「俺は、知佳さんのことを愛しています。こんな俺じゃあなたを不幸にするかもしれない。
だけど、断られてもあなたにこのことを伝えたかった。」

「ありがと、恭也君。」

「以前、知佳さんに言われたことに対する答えが見つかりました。
俺は自分の持ってる力が怖い、そして過ちを犯すのが怖いんです。
俺の持ってる力は人を傷付け、殺し、そして傷付けた人の周りの人の心までも傷つけます。
そのことだけでも過ちです。だけど俺は自分が好きになった人を守りたいと思うし一緒に笑いあいたい。」

「恭也君、自分を苛めるのはそれぐらいにして私の話も聞いてくれるかな
私はHGSの力をみんなの為に使いたいと思って今の職場を選んだの
でもね、1年前、恭也君がここから去っていって私も気付いたことがあるの
自分の無力さ弱さ色んなものが私を悩ませたよ
けど、最後には気付いたよ。私が恭也君を愛してるってことにね」

「知佳さん…けど俺は「その先は言っちゃだめだよ」」

「女の子に告白して両想いってわかったのに逃げちゃ後悔するよ」

「…わかりました」

「あと、私達また一緒に暮らせるよね」

「ええ…もちろんです」

俺の抱えてた悩みは過ぎてみればこんなものだったのかというような
些細な出来事に感じれる

俺の犯した大量殺人も俺の手口と睨んだのだろう美沙斗さんが秘密裏に処理してくれたようだ
けど俺はこの過ちを繰り返さないためにもこの罪を背負って生きて行く

「ねっ私達恋人なんだから呼び捨てでね。あと敬語も禁止!」

「ああ…わかったよ知佳」





知佳と共に





FIN




終わったーーーやったぞーーーーーー
悲流「えらそうにいうな!!」
イテ・・・いきなり殴るとは失礼だぞ
悲流「書くのが遅かった上にお送りすると言ってた日にちを過ぎてえらそうにするなと言うんだ」
ぐぐぐ・・・反論できない自分が嫌だ・・・
悲流「まぁ貴様にしてはよくやった」
サンキュ
悲流「では浩さん外伝終幕をここにお送りします」
暫くはのんびりしよ〜っと
悲流「できると思ってるのか?」
ドウイウコトデスカソレハ
悲流「最初に書いた物に其の一となってるよな」
あ・・・ああ・・・
悲流「ということは他のキャラでも書けるってことだろ。てことで書け」
無茶な・・・まぁ書けなくはないが今の時点で外伝の方が多いという大ドジかましてるんだぞ俺
悲流「だから、本筋で書けと言ってるんだ」
・・・浩さんこういう状況がいつものあなたですか?助かる方法があれば教えて下さい・・・
悲流「んなもん無いに決まってるだろ。SS書きの運命だ」
ぐ・・・いつ決まったんだ・・・・・
悲流「落ち込んじまったか。まぁいいではこれで」



助かる方法……。
そんなのがあるのなら、是非、俺が聞きたい!
美姫 「何を言ってるのかしら?」
あ、あはははは。えっと、えっと……。
美姫 「ふふふ」
ははは。
美姫 「うふふふふ」
あはははは。
美姫 「さて、とりあえず、外伝の方は完結してしまったわね」
ああ。少し寂しいが、ハッピーエンドで良かったよ。
美姫 「本当ね」
さて、それじゃあ、ヒストリーさん、頑張って下さい。
俺には、これしか言えません(涙)
美姫 「ふふふ。アンタはアンタでしてもらう事があるんだからね〜♪」
う、うわぁぁぁ〜〜ん。



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