――2001年1月29日、午前6時16分

 

 

 

片倉舞は驚愕していた。

枕元に置かれた目覚まし時計の示す時刻は7時をすぎたばかり。

一瞬、夜の七時ではないかと思考が働くが、窓の外で広がっている青空を見て、その考えを否定する。

「すご……」

知らず、そんな呟きが唇から漏れてしまう。

それほどまでに、彼女にとって“その事実”は驚愕すべき事態だったのだ。

舞は、同じく枕元に置かれたエアコンのリモコンを取ると、暖房の温度を2・3度上げて、部屋が暖まるまで、ベッドの中でじっとしていた。

やがて5分が経過して、室内の温度が肌で感じられるほどに上がると、彼女はもぞもぞとベッドから這い出した。

緩慢な動きでタンスの引き出しを開け、中から下着と服を取り出す。今日は日曜日なので授業はないため、ハンガーにかけられた制服もお休みだ。

ゆっくりと前のボタンを外し、可愛らしいデザインのキャミソールが露わとなって、舞はぶるりと身を震わした。さすがにこの季節、暖房を入れているとはいえ、下着一枚ではまだ寒い。

舞は冷気から逃れるように一転して素早い動作でパジャマを脱ぎ、下着を脱いで、まだ少しだけ冷たい下着と衣服を纏った。徐々に自分の体温が伝わって、ようやく寒気が遠のいていく。

そのとき、不意に小さく“カチッ”と、何かスイッチを入れたような音が鳴った。そして、舞の耳膜を聞き慣れない電子音が打った。

 

“Piiiiii…………”

 

目覚まし時計のアラーム音。

そう、舞は今日、目覚まし時計のタイマーが作動するのよりも、早く起きてしまったのである。

 

 

 

古代種

「プロローグ

 

 

 

――2001年1月29日、午前7時18分。

 

 

 

その事実は、普段の彼女の生活習慣を省みると、およそ信じがたいことだった。

片倉舞は自他ともに認める『寝ぼすけさん』である。しかも、ただの『寝ぼすけ』ではなく、十数個からなる目覚まし時計の1個中隊による一斉攻撃を受けてなお眠り続けることのできる、某北(・・)()()()少女(・・)と同じタイプの『寝ぼすけさん』である。

その彼女が、珍しく早起きしただけでなく、目覚ましのアラームが鳴るよりも早く起きた。

おかしい。断じておかしい!(言いすぎ)

この異常事態に誰よりも驚いていたのは誰であろう、他ならぬ舞自身であった。

彼女はこの異常が何かの病気の前触れでは憂慮し、原因を探るべく昨日一日の行動をトレースした。

「……何か悪い物でも食べたかな?」

……まぁ、いきなりそこ(・・)に辿り着くのが彼女らしいというかなんというか。

しかし、彼女は頭を振ってその考えを否定した。

悪い物を食べた、というが、それだったら自分だけではなく自分の父も食べているだろうし、昨夜は和人とも一緒に夕食を摂っている。

和人とはおきてから1度も会っていないが、今、目の前で自分が早起きをしたという事実に驚きながらも、平然と朝食を摂る父に目立った異常は見られない。

とすると――

「昨日の夜、何かあったっけ……?」

舞は、はたと気付いた。

「……そういえば昨日、何か変な臭いがして……」

そうだ。

昨夜は舞がもう寝ようかという時間になって、どこからともなく奇妙な臭いがしてきたのだった。

すると、どういうわけか突然強烈な眠気が襲ってきて――

「……?」

唐突にして途切れる記憶。なぜか、それ以上の事が思い出せない。

どうやらそのまま眠ってしまったようだが、あまりにも不自然でないか?

しかし、舞の疑問はそこで完結してしまった。

所詮ただの民間人にすぎない彼女は、その先を追究するのに必要な知識と行動力が欠けていた。

舞は首を捻りながらも、朝食を摂るのに集中した。

……首を捻るといえば、もう1つ。

「しかし、今日は和人君、遅いな」

舞の心を代弁するかのように、彼女の父……片倉草善が言う。

そうなのだ。今朝の食卓には和人の姿がなかった。

別に大した問題ではないじゃないかと、思うかもしれないが、舞にとってこれは大問題である。

今日は例外だが、運送業を営む父は朝、出勤が早い。1人でまともに起きられない舞は、毎朝和人に起こしてもらい、一緒に食卓を囲むのが毎日の日課となっていた。……決して、誇れる日課ではなかったが。

和人が四十万市に越してきて3年。彼は毎日のように片倉家へと通っていた。休日でも、逆に顔を会わせない方が少ないぐらいで、それだけに今朝、和人が顔を出さないのに驚き、彼の身に何かあったのではと心配しているのは舞だけではなかった。

しかし、朝の出勤を控えている草善に、和人のことを気にかけていられる時間はない。

「お、もうこんな時間か」

今朝のニュースを見ながら、画面の時計表示が8時になったのを確認し、草善は席を立つ。

「あ、もう行く?」

「ああ…お前は普段起きてこないから知らないかもしれないが、父さんはいつもこれぐらいに出てるんだぞ」

「え、そうだったの!?」

「そこで驚かれても困るんだけどなあ。とにかく、行ってくるから」

「うん、行ってらっしゃい」

「行ってきます。――それと舞、後で和人君の様子を見てやってこい」

言われるまでもない。もとより、自分もそうするつもりだった。

舞は元気よく返事をして、父の背中を見送った。

 

 

 

――2001年1月29日、午前7時53分。

 

 

 

「おじゃましま〜す」

勝手知ったるなんとやら。

舞は朝食を終えるなりすぐに隣の和人の部屋へと足を運んだ。

無用心にも鍵の掛かっていない扉をそっと開き、玄関へと入る。

ごく頻繁に通っている兄の部屋は、ぱっと見いつもどおりで、ある(・・)異音(・・)がする以外何ら変わった点はない。

「……舞ちゃん?」

舞がフローリングの床を踏んで数秒、少し間をおいて、異音のする部屋……風呂場のほうから、和人の声が聞こえた。異音の正体は水の流れる音で、どうやら彼はシャワーを浴びているらしい。

意外にも元気そうな和人の声を聞いて少しだけ安心したのか、舞は少しだけ表情を和らげた。

「お兄ちゃん、今朝はどうしたの? 体は大丈夫?」

「あ――――今日はちょっと寝坊しちゃってさ」

「寝坊? お兄ちゃんが寝坊なんて珍しいね」

「うん、まあ……昨夜は色々とあってね」

要領を得ない解答に怪訝な表情を浮かべる舞。

場の空気からそれを察したのか、和人は慌ててフォローを入れた。

「心配してくれたんだ。ありがとう。…折角だからあがっていってよ。お茶ぐらいだすからさ」

「あ、うん!」

和人の煎れる茶は不思議な味がしてなかなかに美味しい。

舞は現金な娘だった。

彼女は和人に言われたようにリビングへと向かった。自分の部屋と同じ構造なので、迷うことはない。

「あ、テレビつけてもいい?」

言いながら、すでにリモコンを手に取っている舞。ほどなくして返ってきたのは、許可の言葉だった。

テレビの電源を入れる。とはいえ、普段は間違っても起きないこの時間帯の番組などよく分からない。適当にチャンネルを変えていると、シャワーの水音がやんだ。

(――あ、出たかな?)

耳をすませてみると、水音に代わって衣擦れの音が聞こえてくる。

バスタオルで体を拭っているのか、それとも服を着ているのか。

(なんか……)

こうしてじっとして、和人をやってくるのを待っていると……

(う〜、なんかドキドキする〜……)

聞こえてくる音から和人の一挙一動を想像すると、どういうわけか胸の高鳴りが止まらない。

頬が徐々に熱くなり、鏡を見ずとも自分が赤面しているのが分かる。

「お待たせ、舞ちゃん。……どうした? なんか顔が赤いけど…大丈夫?」

「え、あ、う、ううん! なんでもないよ!」

突然かけられた声に、舞は慌てて顔を上げる。

――直後、舞の動きが止まった。よほどショッキングな映像を見たのか、表情が完全に固まってしまっている。

「? どうした?」

見開かれた双眸の前で手を振りながら、和人は怪訝に声をかける。

その声に舞ははっと意識を取り戻した。

「あれ? はれ?」

「よかった…戻ってきた……」

現実に対する脳の認識力がまだ追いついていないのか、キョロキョロと辺りを見回す舞。

その様子を眺め、和人はほっと息をつく。

「舞ちゃん、大丈夫? やっぱりどこか具合が悪いんじゃ……」

「…うん。舞は大丈夫……って、そうじゃなくって!」

「?」

驚愕の表情を浮かべる舞に対して、和人はわけが分からず小首を傾げた。

「お、お、お兄ちゃん! その髪――――!?」

舞が指差すその先には、和人の折れてしまった右腕ではなく、彼の美しいブロンド(・・・・)の髪だった。

舞が何に驚いているのか、彼女が何を言わんとしているのかを悟った和人は、前髪の何本かを左手で玩びながら言う。

「ああ、これ? 俺の地毛。普段は白髪染めで染めてるんだ。……実は俺、半分ロシア系の血が入っているんだ」

「親父の遺伝子でね」と、和人は話を打ち切った。どうやら、この話題にはあまり触れてほしくないようである。

(そういえば……)と、舞は気付く。そういえば和人は自分や家族のことをあまり話そうとはしない。和人が四十万市にやってきたもう3年になるが、彼の過去について舞が初めて知ったのは、信一がこの街に来てからのことだ。

和人の気持ちを察した舞は、しかし知りあって4年目になって初めて知った事実に、好奇心を抑え切れなかった。

「綺麗な髪だね〜……ねぇ、お兄ちゃん、ちょっとだけ触っていい?」

無邪気な舞の願いに、和人は一瞬考えるような素振りをして、躊躇いがちに頷いた。

「え? う、うん。いいけど……」

「あは、ありがと〜」

嬉々として和人の髪を触り始める舞。

和人はくすぐったいような、暖かいような奇妙な感覚を覚えた。

「撫でくり、撫でくり〜。……あ、ホントだ。根元のほうまで金色だね」

「いや、そりゃ根元のほうが白かったら困るから」

苦労の多い人生とはいえ、この年で根元まで白髪だらけというのは考え物である。

「間近で見るとずっと綺麗だし、触り心地良いし……むぅ、女としてはちょっと悔しいかも」

「そこで悔しがられてもなぁ…男としてはどう反応すればよいのか困るんだけど……」

「撫でくり、撫でくり……あ、つむじ発見」

「……聞く耳なしですか」

髪を撫でられることに対する嫌悪感と、舞の笑顔を見ていることに対する好感で、和人の表情は複雑である。

その後もしばらく和人の髪を撫で、眺めた舞に、さすがに我慢ならなくなってきたのか、和人は口を開いた。

「……舞ちゃん、そろそろいい?」

「あ、うん」

20センチ近い身長差のため、膝を曲げていた和人が、軽い屈伸運動とともに膝を伸ばす。

その際、痛み止めの切れた右腕に激痛が走ったが、彼はなんとか表情には出ぬよう堪えた。

和人の身を苛む痛みにも気付かず、舞は今しがた知った事実に対して当然の疑問を言う。

「……それにしてもお兄ちゃん、こんな綺麗な髪してるのに、どうして白髪染めなんて使ってるの? 勿体無いよ」

「ああ、それは……」

舞の無邪気な、そして当然の質問に対して、和人は窓の外へと視線をずらした。

一体何を見ているのか、どこか遠い目は、少なくとも林立するビルや、山々を視界に捉えてはいない。……日本の外を出て、もっと広大な何かを見つめているようである。

「……嫌いなんだ、この髪が」

「え?」

意外な和人の告白に、舞は和人と同じように視線を窓の外へと這わせ、首を傾げる。

和人は、視線の先……日本海を越え、雄大な中国をも越えたその先を睨みつけながら、呟いた。

「……この髪を見てると、楽しかった事とか、嫌な思い出とか……全部思い出しちゃうから」

その瞳には、怒りの、そして哀しみの炎が燃え滾っていた。

 

 

 

――1996年11月6日

 

 

 

気が付くと、彼女の周りは赤く染まってた。

赤い世界に、彼女だけが取り残されていた。

燃え盛る炎は彼女の身の回りのものをすべて焼き尽くし……

ただ、彼女だけが総身を炎で焼かれずにいた。

見慣れた風景が消滅していく中を、彼女は茫然と歩き彷徨う。

父の部屋も、母の部屋も……兄の部屋すら燃え、朽ち果てていくのを見て、彼女はその場から逃げ出した。

 

 

 

少女は現実を認めたくなかった。

認めてしまったら、自分が自分でなくなってしまいそうな気がした。

すべてがあまりにも突然のことすぎた。

学校から帰った時、すでに彼女の家は燃えていた

どういうわけか1人の消防士も、野次馬の姿も見当たらない中、彼女は慌てて渦中に駆け込んで、後悔した。

今で、父と母は炎の舌に舐め尽くされ、黒い塊となって静かに眠っていた。

悲しいとは思わなかった。彼女にとって、両親は(ああ、死んでしまったのか……)と、その程度の存在だった。

それよりも兄のことが気になった。

他人(・・)()()少し(・・)違う(・・)自分を唯一受け入れ、愛してくれた兄は、少女にとって誰よりも大切な人だった。

すでに崩れつつあった階段を登り、兄の部屋の前まで行って……そして彼女は絶望した。

兄の部屋は、家のどこよりも強烈な業火に焼かれ、炎上していた。

彼女は逃げ出した。

部屋の中へは入らなかった。

部屋に入って、もし兄の死体があったら、自分は間違いなく発狂すると、本能的に悟ったのだ。

彼女は現実から逃げ出した。

正確には、現実を直視することから逃げ出した。

 

 

 

どれほど走っただろうか。

すでに少女の家は視界から完全に消えていた。

周囲の風景が見たこともないものへと変わって、少女はようやく足を止める。

全身からどっと汗が噴き出、制服を濡らしたが、息は切らしていなかった。

少女は昔から体育が得意だった。今年のスポーツテストでも1キロを走ったが、息はまったく上がらなかった。特に体を鍛えているわけでも、ないというのに。

少女はスカートが汚れるのも構わず地面へとへたり込んだ。

疲労が溜まったわけではなかったが、あまりにも考えることが多すぎた。

発火の原因、両親の死、誰一人として現れなかった消防士と野次馬、兄の生死……ぐるぐると巡り、思考が脳を掻き乱していく。とても耐えられるものではなかった。

彼女は、嘔吐した。

昼食べた弁当を含め胃の中の内容物を全部吐き出して、それでもなお胃酸や血を地面に撒き散らして、彼女はぐったりと倒れ込んだ。

「…………」

とても気持ちが悪かった。立っていることはおろか、座っていることすら辛かった。

自らの吐瀉物で制服が汚れ、その臭いでさらに気持ちが悪くなる。

――その時、不意に彼女の頭上でブーツの足音が打った。

身を起こすのが辛かった彼女は、首だけを動かして、足音の主を探した。

足音の主は、190センチはあろうかという巨漢だった。ただ身長が高いというだけでなく、しっかりとした体つきをした、大柄な白人である。どこの国の人かまでは、分からなかった。

男は、少女を見下ろしながら、低い声で言った。

「……鈴風静流だな?」

流暢な日本語だった。あまりにも綺麗すぎて、一瞬誰に話しかけているのか分からなかった。

「……鈴風静流だな?」

男は、もう1度口を開いた。

少女は、静かに頷いた。頷くことすら、億劫だった。まるで霞がかかったみたいに朦朧とする意識は、少女に反射的に頷くという動作を強いらせた。

男は、ゆっくりと頷くと、片腕1本でヒョイと少女の体を持ち上げた。

まるで現実感がなかった。

日頃から体重には気を遣っていたので、少女の体重は50キロなかったが、全身の力を抜き、ぐったりとした体は男の腕力でも1本ではキツイはずである。それを、目の前の白人はいとも簡単に……

さらに現実感の失せた出来事が、少女の目の前で起きた。

「……待て」

まるでテレビのヒーローのようなタイミングに、知らず少女は唇を歪める。

踵を返した男の進路を阻むようにして、やはり巨漢が音もなく現れた。180センチを超える長身痩躯の、しかしがっしりとした体躯に、彫りの深い精悍な顔立ちをした、まるで外国の俳優のような30代前半の男。

気配なき男の登場に、少女を抱える男が驚愕する。

「き、貴様は闇舞北斗! 『ノーデンス』の『毒蛇』が何故ここに!?」

どうやら、彼は相手の素性を知っているようだった。その驚き方がまたB級アクション映画に出てくる3流の悪役みたいで、少女はさらに力なく失笑する。

男……闇舞北斗と呼ばれた彼は、静かに腰を落とし、身構えると、少女を抱える男に言葉短く言い放った。

「その少女を放してもらおうか…」

「クソッ!」

男は反対側の手を素早く懐に滑り込ませると、閃光の如く振るった。男の手には、魔法のようにロシア製・特殊部隊用小型拳銃……PSMが握られていた。

しかし、5.45mmの銃口が火花を散らすよりも早く、北斗の拳が男の鳩尾に炸裂した。

少女を抱える男の腕から、ダラリと力が抜ける。北斗は素早く腕を滑らすと、少女の体を抱き止め、男から離れた。少女は抵抗しなかった。

拳を繰り出した方の手は、いつの間にか男が握っていたはずのPSM拳銃があった。

北斗は鉄で出来たその凶器を、なんと素手で握り潰してしまった。少女の中で、またひとつ現実感が失せた。

北斗は、少女を抱えたまま駆け出した。

人気のない道を物凄い速さで駆け抜け、やがてどこかのビルの屋上へと2人は辿り着いた。

北斗はようやくそこで少女を降ろすと、優しく諭すように問うた。

「……鈴風静流さんだね?」

少女は、またも頷いた。徐々に正気を取り戻しつつあったため、今度は自分の意思ではっきりと頷いた。

北斗はそれを確認するように頷き返すと、一気にまくし立てた。

「もう心配はいらない。キミを攫おうとしたあの男は、今頃俺の仲間が始末しているだろう。

……キミはとても厄介な事に巻き込まれてしまった。下手をすれば、命の危険があるほどの事態だ。キミを攫おうとしたのは、世界的に大きな力を持った組織だ。しかし安心してくれ。キミの身の安全は、俺と、俺達の仲間が保障する。……詳しい話は、また後でじっくりしよう」

どこかで何かが鳴っている。

その音を意識しながら、少女は次第にはっきりとしつつある意識の中で、ひとつの言葉を紡いだ。

「あなた達は一体……?」

少女……鈴風静流の問いに対して、北斗は静かに答える。

「俺達は『ノーデンス』だ」

薄い唇から、穏やかな言葉が紡ぎ出された。

2人の頭上に、1機のヘリコプターがゆっくりと降下してきた。

 

 

 

「どうやら動き出したようだな」

「…………」

「ああ。お前の大切な人は例の者達が無事に」

「…………」

「心配するな。彼女の保護にはあの男が出てきた。彼女の身には傷ひとつない」

「…………」

「過保護なヤツだ。彼女はもう年頃の娘なんだぞ?」

「…………」

「フフフフフ…なるほど。お前から見たらまだまだ子供か」

「…………」

「そう怒るな。……ところでお前はこれからどうするつもりだ?」

「…………」

「…そうか。極寒の地の熊達と手を結ぶか」

「…………」

「楽しそう? この私がか?」

「…………」

「ああ、確かに楽しいよ。…何万年ぶりだろうか? こんな気持ちは……」

「…………」

「役者は揃った。……さあ、そろそろ開幕の時間だ」

「…………」

「無論だ。その役者にはお前も含まれている。双介、お前の役割は……」

「…………」

「……そうだったな。今のお前は違ったな」

「…………」

「案ずるな。お前は私が守ってやる。例えお前が、この世界のすべてを敵に回したとしても……」

「…………」

「お前の面倒は、私が見てやる」

「…………」

「ああ、任せろ。双介…いや……」

 

 

 

「世渡良介よ……」

 

 

 

 


〜オマケ(もはやタイトル変えました)〜

 

――お値段はいくら?――

 

 

 

F-2A

航空自衛隊・F−2支援戦闘機。コレ1機で120億円か……(嘆息)

 

 

 

儲かりまっか?

タハ乱暴「え〜〜〜、『古代種』には多種多様、実に様々な武器、兵器が出てきますが……」

舞「うわあ…自分で言っちゃったよ」

和人「放っておいてあげたら? 数を増やしすぎて大変な目に遭うのは結局本人なんだし」

舞「そだね。やたらめったら数を増やしすぎて、結局収集つかなくなるんだし」

タハ乱暴「……マイ・サン&ドーター、君達は人の話は黙って最後まで聞くということをご両親から教えられなかったのかね?」

和人「両親って……そもそも父親はアンタだろうが」

タハ乱暴「(和人の発言は無視)……はい、今回のあとがきではそうした武器や兵器が、一体いくらぐらいするのか、について解説したいと思います」

和人「それはつまり……軍需産業について語るということか?」

タハ乱暴「いんにゃ。“会社”の方じゃなくて、“商品”について説明するの」

舞「“商品”って……お兄ちゃんが使ってたベレッタとか?」

タハ乱暴「そうそう。ちなみにベレッタは市販品で600〜700$が相場(6万6千〜7万7千円)。金メッキ、銀メッキのデラックス・モデルで5400$(59万4千円)」

舞「け、結構するんだね……」

タハ乱暴「まぁ、日本人の感覚じゃそうなるか。しかし弾代を含めるとホント馬鹿にならんぞ」

和人「いや、まったく。ちなみにタハ乱暴の愛銃トカレフは、ソ連製の物で200〜300$(2万2千円〜3万3千円)。拳銃としては安い方だが、使用する弾丸があまりポピュラーじゃないから結果的に高くつく拳銃と言えるな」

 

 

 

タハ乱暴「日本人にはあまり馴染みはありませんが、兵士に限らず、民間人も含めて最も接する機会が多いのは、間違いなく人間の腕の延長……銃でしょう」

舞「でも、銃って一口に言ってもたくさんあるよ?」

和人「ああ、大丈夫。銃の中でも代表的なヤツだけ紹介していくから。……ついでだから代表的な出演作品も載せとこうか。

最初に紹介するのは『世界中で大人気! 大口径主義アメリカを象徴する、45口径自動拳銃の傑作』……」

舞「……お兄ちゃん、それ、どこの広告会社の宣伝?」

和人「ううん。今、自分で考えた。……ちょっとベタだったかな?」

舞「うん、かなり」

和人「うぅ…自分の発想力のなさが恨めしい。

……え〜、最初に紹介するのは美少女ゲーム好きには『ファントム・オブ・インフェルノ』で有名な“コルト・ガバメント”。1911年の開発ながら未だに根強い人気を持つ、『コルト社』のドル箱だ。市販モデルは500〜1000$(5万5千〜11万円)で、リバイバル版のM1991A1は540〜600$(5万9400〜6万6千円)と、大変リーズナブルな値段となっている」

舞「世界で大活躍! ……ってフレーズじゃ、オーストリアのグロックも負けてないよ。一般的に『グロック・ファミリー』の愛称で親しまれてるこの拳銃は、大体相場が600〜800$(6万6千〜8万8千円)ぐらいで、豪華モデルだと1500$(16万5千円)ぐらいかな。グロックで有名な作品といえば、『ダイハード2』のM17とか、『振るメタル・パニック』のM19とかだよね」

タハ乱暴「……拳銃はこれぐらいにして、次は歩兵の頼れる相棒:アサルト・ライフルにシフトしようか。

アサルト・ライフルといえば代表的なのが西側のM16、東側のAK。今回はこの2挺の値段を見てみようか」

和人「そうだな。M16はアメリカ製の突撃銃で、ベトナム戦争前に開発された。戦中に米軍制式となったこの突撃銃にはAKほどじゃないけど、様々なバリュエーションがあって、いちばんスタンダートな物で600$(6万6千円)前後が相場。ちなみに最新型で世界中の特殊部隊で愛用されているM4A1カービンは単体で850$(約9万3500円)といったところか」

舞「AKシリーズで有名なのはなんといってもオリジナルのAK47、AKMだけど、この2挺は発展途上国なんかで牛3頭とか5頭とかで取引されてるから、『コレだ!』……っていうお値段はないんだよね〜」

タハ乱暴「ちなみにアジアでAKを手に入れようと思ったらだいたいマガジン3個で1挺・3……」

和人「……ちょっと待て、何故お前がそんなことを知っているんだ?」

タハ乱暴「…………ということで」

和人「無視された!?」

タハ乱暴「AK47、AKMはその気になれば誰でも手に入れることが出来てしまいます。あ、勿論皆さんはそんな犯罪みたいな事やらないでくださいよ」

舞「犯罪みたいって…まるっきり犯罪…………ちなみにAKMの小口径版・AK74は300〜400$(約3万3千〜4万4千円)ぐらいが相場なんだって」

和人「コルトM16はコルト・ガバメント、ピースメーカーと並んでコルト社の3大銃。ハリウッド映画の出演数はダントツで、ここではあまり述べることはないな。対称的にAK74は、元々東側の武器という事もあってか映画なんかには主役級の使う武器としてはあまり出てこないな。……強いて挙げるなら『ランボー3 怒りのアフガン』のジョン・ランボーぐらい?」

 

 

 

費用対効果

タハ乱暴「どんどんいきましょう。続いてはマシンガンとサブ・マシンガンについて」

和人「この2種の銃器のうち、まだ『古代種』に出ていないのはマシンガンだな」

タハ乱暴「そやな。……だから本当ならここではアメリカ製で、『ランボー』でも有名なM60なんかを例にするべきなんだろうけど、正直、タハ乱暴アレあんま好きじゃないから……」

和人「お前の好き嫌いか!?」

タハ乱暴「――ということで、今回は日本でもライセンス生産されているベルギー・FNハースタル社製のM240MINIMIのお値段を見てみよう」

舞「MINIMIって……たしか『ガンスリンガー ガール』の4巻でカルロさんが使ってたやつ?」

タハ乱暴「そう。でもまあ、あれはM249だがな。ちなみにMINIMIは、mini-mitrailleuseの略で、フランス語で小型機関銃という意味」

和人「MINIMIの値段は、バリュエーションにもよるけど米軍ご用達の物で1挺・約4000〜6000ドル(約44万〜66万円)。日本のライセンス生産品は、なんと200万円(・・・・・)以上(・・)もする」

舞「よ、44万円が200万円以上!? それってどういうこと?」

タハ乱暴「まあ、色々あってな……。日本は武器輸出禁止3原則があるし、需要と供給の面からいっても軍需産業は儲けが少ない。そうした問題も含めて、諸々の都合から政府……この場合は防衛庁か。ともかく防衛庁は企業の提出した数字をそのまま呑み込んでしまっているんだ。大阪商人みたく『値切る』って発想がないのよ」

和人「ちなみに同じく自衛隊で使われているM2ブローニング重機関銃も、米陸軍納入品だと日本円で160万とチョイ。国産ライセンス商品は約580万と、約3倍の値段になっている。……『ガンスリンガー ガール』は漫画だけど、M240は他にも日本のメディアに多数出演。海外メディアで一番有名なのは……やっぱり『エンター・ザ・マトリックス』でゴーストが使ってたやつかな?」

タハ乱暴「サブ・マシンガンからは世界中で大人気! ドイツH&K社のMP5シリーズが出馬〜」

和人「サブ・マシンガンにも関わらず命中精度が高いって評判で、世界中の特殊部隊で採用されているシリーズだな。……日本のSATでも使っていて、ちゃんと『躍る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』で、SAT隊員がフラッシュ・ライト付きのを装備している」

舞「モデルによって値段はバラバラだけど、MP5は大体800〜1000$(約8万8千〜11万円)が相場かな。サイレンサー付きのMP5SD3モデルは軽く2000$(約22万円)はするらしいけど」

タハ乱暴「『するらしい』……じゃなくて、本当にするの! まあ、値段に見合った性能と実績を持っているから、この値段も決して高くはない」

和人「国産のMINIMIは?」

タハ乱暴「費用対効果も何もない。戦前戦後ともに機関銃製造技術の未熟な日本で造っているせいか、オリジナルよりかなり性能が落ちるしな」

舞「ふ〜ん」

タハ乱暴「……さて、銃に関してはショットガンとスナイパーライフルで締めましょう」

和人「また最後に厄介なモノを残してくれたな……ショットガンはジュネーブ条約規制があって、軍隊では特殊部隊以外ではほとんど使っていない。むしろショットガンは警察向けの装備だ」

タハ乱暴「その威力! その迫力! ハリウッドの映画なんかではよく登場する」

舞「……それで、今回紹介するのは?」

タハ乱暴「イタリア・フランキ社製SPAS12」

和人「ギャルゲーマーには『吸血殲鬼ヴェドゴニア』で、ハリウッドファンには『ターミネーター』でT−800が使っていたので有名な散弾銃だ」

舞「お値段1200$(約13万2千円)。その近未来的なデザインは、ヨーロッパのショットガンではいちばん成功した物かもね」

タハ乱暴「銃器の最後を飾るのはエリートの狙撃手だけが手にすることの出来るライフルの中のライフル……スナイパー・ライフルだ!」

舞「元々スナイパーが使うライフルは、数千挺っていう数ある同じ銃の中で、最も性能が良い物を選別して、カスタマイズするっていう方法がとられてたの。でも、現代ではそれ専用にライフルを造っているんだ」

和人「スナイパー・ライフルからの出馬は『ソ連銃器界の最高傑作』との評価もあるドラグノフSVD。『AKシリーズ』をベースに、軍用として軽量で耐久性を兼ね備えたこの銃は、長距離での精密射撃には向かないけど、あらゆる戦場で使えて、そこそこの命中精度を保持出来る……っていう意味で、まさに戦場向けのスナイパー・ライフルだ。1挺辺りの単価は約800$(約8万8千円)。映画『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』では、アル・ジョルディーノやマリ軍の兵士が使っていた」

 

 

 

結構高いんです!

タハ乱暴「さて、続いては人間の手を離れて、強力な陸軍兵器を見ていきましょう。舞、お前が陸の兵器って聞かれて、最初に思い浮かぶのは何だ?」

舞「え? ……う〜ん、戦車、かな?」

和人「米陸軍で現在運用されている最新鋭戦車M1エイブラハムは、強力な105mm(または120mm)滑空砲を搭載した強力な戦車。湾岸戦争でイラク軍の戦車部隊を蹂躙していた姿(劣化ウラン弾の問題についてはまた機会があればいつか)が印象的だな。1輌辺りの値段はバリューエーションに幅があって、1億〜2億円だとか。……もっとも、さすがにこの辺りになると、単に兵器以外にもその周辺機材とか、燃料とかの関係もあって、一概に『コレだ!』って、そういういうのは、あんまり関係がないんだけどね」

舞「湾岸戦争っていえば、『パトリオット』って名前が出たのもあの時だよね?」

タハ乱暴「そうだな。パトリオット対空ミサイル。弾道ミサイル防衛の一翼を担う、地上発射型の迎撃システム。これまでに3種類のバージョンが開発されているが、最新のPAC−3で、1発あたり約9万$(約990万円)する。ちなみに日本の航空自衛隊もこれを装備している」

舞「ヘリコプターはどうなの? アレって陸の兵器?」

タハ乱暴「ん〜…厳密な区別はないよ。国によって陸軍の所有になるか、空軍の所有になるかはバラバラだから。ただ、アメリカも日本も陸軍で装備しているから、一応陸の兵器にしておこう」

和人「ヘリコプターといえば先頃日本の陸上自衛隊でも導入が開始されたAH−64Dロングボウ・アパッチかな。世界最高クラスの性能を持っていて、1機は約4500万$(約49億5千万円)もするけど、費用対効果は十分ある。ちなみに陸自に導入されるヤツは1機約51億円と若干値上がりしている。

ハリウッド版『GODZILLA』に、ヘルファイア・ミサイルをお見舞いしたのがコイツだ」

 

 

 

陸海空

タハ乱暴「陸ときたら次は海でしょう。軍事衛星などの宇宙関係を除いて、最も金のかかる兵器は間違いなく艦船だ」

和人「米海軍では現在、ニミッツ級空母をベースにした新型空母を研究・開発中だ。その名もCVN78! 全長330メートル、満載排水量11万超といわれる、計画通りに事が運べば史上最大の航空母艦となる。従来の空母と違い、電磁式カタパルトなどの未来技術を採用していて、残念ながら技術的な問題から開発は大幅に遅れているらしい。1隻の値段は約270億$(約2兆9700億円)!!」

舞「に……!?」

タハ乱暴「日本の年間防衛費のおよそ60%だな。また借金が増えるぞ〜」

和人「言うまでもないけど、お支払いに使うお金は国民の血税」

舞「……まさにたくさんの人とお金で動いてるんだね」

和人「ま、空母っていうのは往々にして高いものだよ。現に同じ米国製で、アーレイバーグ級駆逐艦の最新型は1隻・約13億$(約1430億円)だから」

舞「空母っておっきいし本当にお金がかかるんだ」

タハ乱暴「ハイ、陸海ときたらお次は当然“空”です! 『古代種』にも登場したF−15要撃戦闘機。アレ1機のお値段は……」

和人「120億円。……もっとも、これも実際に飛ばして、戦闘をさせようと思ったら他に40〜50億円がかかるんだけどね。ちなみにF−15が開発された当時、1機120億円という戦闘機は高額で、アメリカ空軍に在籍する全航空部隊、全パイロットには行き渡らないことが判明した。そこで『ハイ・ロー・ミックス』の考え方で開発されたのが単発のF−16戦闘機で、1機のお値段はF−15の3分の1程度。それでいてかなりの性能を誇るから、世界中で5000機以上が今でも生産されている大ベストセラー機になったんだ。ちなみに国産の支援機・F−2はコレをベースにしている」

舞「米国空軍では今、F−15の後継機としてF/A−22ラプターの配備を始めて、F−16(F/A−18も)の後継機としてF−35シリーズの開発を進めているんだ。F−35の開発プロジェクト・チームには日本も加わっていて、統合攻撃戦闘機(JSF)として開発が進められてるの」

和人「F/A−22ラプターは、模擬戦でF−15戦闘機と1対5の戦いを繰り広げて、5機とも撃破という成績を叩き出すほど、極めて高性能な戦闘機だ。ただその分コストも高くて、1機につき約2億$(約250億円)。日本の航空自衛隊では現在、老朽化したF−4EJ改の後継機選定計画……F−X計画が進行中だけど、その候補の中にはF/A−22ラプターもあって、もしラプターが選ばれたら、1機あたりの値段は約250億円になるって言われている」

 

 

 

国民がピンチだ!

タハ乱暴「え〜……大雑把ですが、以上が、皆さんが日頃何気なくテレビで見ている兵器の現実です。兵器に限らず、戦争をするためには得てしてお金がかかるもの。実際の兵器はそれらの戦費のほんの一部にしかすぎませんが、それでも膨大なものであることが、お分かりになっていただけたでしょうか?」

和人「兵器は高い! ……けど、忘れちゃいけないのは今まで見てきた値段は、周辺機器や燃料、弾薬、維持費なんかをすべて省いた、単価のみの数字。ハイテク化が進む昨今では、コンピューターのバージョン・アップなんかもあって、実際には最初買った時の何倍にも費用を費やすなんてことは、よくあることなんだ」

舞「……それで、実際にそうした兵器を購入するための予算は国民からの税金と」

タハ乱暴「そういうこと。

――現在、日本の陸海空3自衛隊は、ソ連の脅威がなくなったことにより急速に軍縮が進んでいます。しかし、それとは裏腹に、その実それぞれの自衛隊では大きなプロジェクトが動いています。陸上自衛隊ではMD(ミサイル防衛)システムの導入と陸上自衛隊特殊部隊の発足が、航空自衛隊ではF−X計画が、海上自衛隊では新しいイージス護衛艦の配備が、検討、あるいはすでに実行されています。特にMDシステムとF−X計画は相当な費用を要するもので、少なくともMDシステムには1兆円以上の予算が投入されるものと見られています」

和人「税金を払う国民の身にもなってほしいよ」

タハ乱暴「……まったくもって。日本のGNPはここ数年、下降気味だっていうのに」

和人「いっそ脱税でもするか?」

タハ乱暴「いや、それはカンベン(笑)」

舞「さすがにそれは犯罪だよ〜……って、そういえばなんでタハ乱暴密輸の価格なんて知ってるの!?」

タハ乱暴「……さ〜て、仕事♪ 仕事♪」

舞「む、無視するな〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

 





遂に始まる第二部〜。
美姫 「どんなお話が待っているのかしら」
それはそうと、高いな兵器って。
美姫 「本当よね〜。それで考えたら、私の刀って経済的よね〜」
ま、まあな。一応、魔剣の最上級クラスなんだけれどな…。
美姫 「でも、ただだし」
いや、それは…。
美姫 「錆びない、折れない、反らない、刃毀れしない。う〜ん、言う事なしよね♪」
あ、あはははは〜。って、武器の話と違うだろうが。
美姫 「え〜、そうだっけ?」
おいおい(汗)
美姫 「まあとりあえず、次回も楽しみよね」
確かにな。
美姫 「てな訳で、次回も楽しみに待ってますね〜」
待ってます。



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