似たもの同士の協奏曲

第1・5話

「春歌ちゃん、初めてのおつかい」

いやまて、何か変だぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは海鳴商店街・刀剣の井関・・・

 

 

そこに

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

無言で黙々と木刀を選ぶ鷹斗の姿があった

・・・・・・・・・どこに殴りこむおつもりデスカ?アナタ・・・・・・

 

思わずそう声をかけそうになるほど、鷹斗は見るからに不機嫌だった

 

・・・・・・何があったの?

 

「何が・・・あった・・・だと・・・・・・・・・?」

 

ひっ!?

 

「言わなければわからんか・・・?」

 

そう呟く鷹斗の眼は・・・・・・据わっていた

それはもうどっしりと

 

すいませんすいません、わかっています、わかっていますから睨まないで!!

あなたに睨まれると洒落にならないんですから!!

 

「・・・・・・・・・ふん」

 

普段から己を律する鷹斗が何ゆえここまで不機嫌なのか?

それはつい先日、引越し先を見に行った後のこと・・・・・・・・・

鷹斗の幼馴染であり、バイト先のオーナーでもある一之瀬さん一家と同居する、と

(皇&一之瀬)両親‘Sから爆弾発言が飛び出したことに端を発していた・・・・・・

 

 

〜回想開始〜

 

 

「ちょっと待て・・・・・・聞き間違いか?

 今、一之瀬家と同居になる・・・と聞こえたのだが・・・・・・?」

 

「聞き間違いじゃないわよ?

 いくらウチが共働きで多少貯えがあるからって、さすがにこんなおっきな物件、

そう簡単に買える訳ないじゃない」

 

「ウチも店が軌道に乗ってきて、そこそこマシになったって言っても、

 さすがに口座全部ひっくり返しても足りないからねえ。

 隼ちゃんと出し合ってようやく買えたんだよ」

 

「どうせ住むならパ〜ッと広い家に住みたいしなあ?

 お互い、渡りに船ってやつだ!!」

 

「あ、あの・・・・・・私たちの意見は・・・・・・?」

 

「あら?夏葉、広いお家は落ち着かない?」

 

「ま、ママ?この場合、家云々じゃなくてね?

 仮にも高校生の子どもがいる親の行動としてどうなのかってことを・・・」

 

「おや?別にいいんじゃないかい?

 お互いに知らない仲じゃないんだし♪」

 

「そうそう!!何事も経験ってな!!」

 

「お、隼ちゃんいいこと言うね♪」

 

「「はっはっはっはっはっは!!」」

 

「・・・・・・・・・言いたいことはそれだけか・・・・・・?」

 

「ん?どうしたんだい、鷹斗くん?怖い顔して?」

 

「おまえ、ただでさえ愛想がねぇんだからちったあ直せや?」

 

ブチっ・・・・・・

 

「どこの世界に高校生の男女を一緒に住まわせようとする親がいるか〜〜〜!!」

 

そしていきなり始まる父と子の大乱闘

それを楽しそうに肴にする母親+一之瀬両親‘S

いきなりの展開についていけない幼馴染&その妹

 

 

     ・・・・・・・・どこの人外魔境だ?ここは・・・・・・・・・?

 

 

そして数十分に及ぶ乱闘が終わった後・・・・・・

 

 

「とにかく!!引越しだけならともかく、夏葉たちと同居すると言うのであれば、

 俺は一緒には住めん!!」

 

「えぇ〜?何でよ〜〜!?」

 

「人の話を聞いていたのか、お袋!?

 高校生の男女が同居など、夏葉にどれだけ迷惑がかかると思ってる!?」

 

「バレなきゃいいじゃない、そんなもの?

 それに、もうこの家買っちゃったんだし。

 契約書にもサインしちゃったわよ?」

 

「だから!!ばれなければいいですむ問題じゃないだろうが!!

 ・・・・・・っええい、もういい!!そこまで言うなら知らん!!

 だが、俺は家を出るからな!!」

 

「「えぇっ!?」」

 

その言葉に反応したのは・・・・・・

 

「ちょ、ちょっと鷹斗!?

 家を出るって・・・あなたどうする気よ!?」

 

夏葉と・・・・・・

 

「・・・・・・お、お兄ちゃん・・・・・・一緒じゃないの・・・・・・?」

 

今までの怒涛の展開に付いていけなかった春歌ちゃんだった

 

「・・・今までのバイトで少しは貯金も出来たからな。

 それを頭金に、どこか安い下宿でも探す。

 バイトを増やせば、生活費ぐらいは稼げるだろう」

 

「で、でも・・・・・・」

 

「お兄ちゃん・・・・・・・・・一緒にいてくれないですか・・・?」

 

そうして(身長差の都合上)上目使いに見上げてくる二人

特に、ついさっきまでお兄ちゃんと一緒に暮らせる!と喜んでいた春歌ちゃんなど、

一転して悲しそうに涙をその瞳いっぱいに浮かべていたりする

それに思わずたじろぐものの、結局鷹斗の意思は覆ることはなかった・・・・・・

 

 

〜回想終了〜

 

 

・・・・・・なんて言うか・・・・・・・・・お疲れ様です・・・

で、結局下宿は見つかったんですか・・・?

 

「今、不動産屋で探している・・・・・・」

 

未成年者の契約って認められたっけ?そういえば・・・?

 

「そのぐらいあの親にさせる。

普段から親らしいことなどまったくしていないのだしな」

 

そ、そうですか・・・・・・

 

 

 

と、鷹斗と電波(作者)がナチュラルに会話をしていたころ・・・・・・

 

 

 

「夏葉〜、そろそろ春歌のお迎えに行ってくれない〜?」

 

「え?あ、本当だ、もうそんな時間なんだ・・・」

 

「どうしたの?何だかボンヤリしてるわね?」

 

「え・・・そ、そう?」

 

「どこか具合でも悪いの?」

 

「そんなことはないけど・・・・・・」

 

「う〜ん・・・ならいいけど・・・無理しちゃダメよ?」

 

「うん、わかった。大丈夫よ」

 

 

・・・・・・何で、そんな台詞が出てくるのに年頃の男女を同居させようとしますかね?

この方は・・・・・・

 

 

と、そんな埒もないことを思わず作者が突っ込んでいたころ

 

 

「おにいちゃん・・・・・・・・・春歌と一緒・・・・・・嫌ですか・・・・・・?」

 

春歌ちゃんは思い悩んでいた

 

どうしてお兄ちゃんは一緒に居てくれないんだろう?

何か嫌がることでも、困らせることでもしてしまったのだろうか?

いくら考えてもわからない

どうしよう?どうしよう?

どうすればお兄ちゃんと一緒に居られるだろう?

 

そしてある結論に達した

それは・・・・・・・・・

 

 

「おにいちゃんともう一度お話して、一緒に居てもらえるようにする!!

春歌、おにいちゃんも一緒じゃないといやです!!」

 

と、いうものだった・・・・・・・・・

そして、夏葉が迎えに来たとき・・・・・・

春歌の瞳には決意の炎が宿っていた

 

そして

 

 

てってこてってこ

 

 

そんな擬音が聞こえてきそうな足取りで商店街を歩く一人の女の子

春歌ちゃんは鷹斗を説得すべく、鷹斗を探して歩いていた

向かう先はもちろん、鷹斗の家

しかし、鷹斗の家は海鳴商店街を挟んだ向こう側

春歌ちゃんにとっては少々長い距離である

 

 

・・・・・・あぁっ、心配だ!一人で遠出なんてまだ早すぎる!!

よし、春歌ちゃんのためだ、今すぐここに鷹斗がやってくるように

話を書き換えて・・・・・・

 

 

               その2

やめんか、このバカ親!!

 

 

ドバキィっ!!

 

 

ぐふっ!?

 

 

まったく、ここでそんなことしたら今後の展開が歪んでしまうわ!!

 

知るか!!春歌ちゃんの願い以外に優先するものなどないわ!!

 

・・・・・・・・・そうか

ならば・・・・・・眠れ!!

 

 

グシャゴスメキっ・・・

 

 

うぎゃあああああ!!?

 

 

まったく、暴走しおってこのバカ親が・・・・・・

こほん。失礼しました。では、続きをどうぞ

 

 

「おにいちゃんとお話して、一緒にいてもらうです!!」

 

むんっと可愛らしく気合を入れるそんな姿に頬を緩ませる買い物中の皆様・・・・・・

って、子どもが一人で歩いてるのに何も言わんのか?

 

「おう、一之瀬さんとこのちっちゃい嬢ちゃんじゃないか!!」

 

「あ、八百屋のおじさん!こんにちわです!!」

 

「きょうはお母さんやお姉ちゃんと一緒じゃないのかい?」

 

「春歌、今日は一人でお出かけなのです!

おにいちゃんに会いに行くのです!」

 

「おにい・・・ああ、皇さんとこの・・・・・・(初めてのおつかいってやつかねぇ?)

そうかい、気をつけていってきな!!知らない人についてっちゃダメだぜ!?」

 

「はいです!!いってきます!!」

 

 

・・・・・・心配無かった様で・・・どっかの馬鹿共に見せてやりたい光景だわ・・・

 

おやじぃぃ〜〜!!何故そこで付いて行かん!!春歌ちゃんになにかあったら・・・

 

 

ゑゐ。

 

 

無言でその2を沈めるその1

今、すごくあり得ない音がしたけど・・・・・・

まぁ気にしないで行きましょう

 

 

そんな舞台裏など露知らず、春歌ちゃんは順調に鷹斗の家へ向かっておりました

 

「ふぇ〜・・・いいお天気です〜♪」

 

ごそごそ・・・

 

「ふぇ?」

 

にゃ〜〜〜〜♪

 

「あ、ねこさん♪

ねこさんねこさん、鷹斗おにいちゃんはどこですか♪」

 

と、春歌ちゃんが聞けば・・・

 

「にゃ(あっち)」

 

と、尻尾で向こうをさす猫

 

「あっちですか♪ありがとうございます♪」

 

「にゃ♪(いえいえ)」

 

て、ちょっと待てい・・・

何故に猫と会話ができる?

何ゆえ猫が人語を解する!?

・・・・・・・・・と思ったら、銀目じゃないか

あの「ひと」達なら問題は無いな

・・・て言うか鷹斗・・・お前、猫と知り合いだったのか・・・?

 

「にゃ(ウチの縄張りにも時々、猫缶貰ってるのがいるし)」

 

・・・・・・・・・どうも日ごろの行いの賜物らしい

しかし「にも」って・・・・・・複数形か・・・

そのうち、猫ともつながりが出来そうだな、あいつ・・・・・・

 

「にゃ♪(いいひとだから歓迎だけどね♪)」

 

・・・・・・人、いや猫徳にまであふれたやつよのぉ・・・・・・

 

 

そんな微笑ましくもどこかずれた会話がされていたころ・・・・・・

 

 

 

「ハァ〜〜・・・ハァ〜〜・・・・・・」

 

 

怪しげな視線が春歌を見ていた・・・・・・

 

 

「ぇえ〜っと・・・おにいちゃんのおうちは・・・・・・?

なんだか見覚えはあるとこなんですけど・・・・・・

わ、わかんなくなっちゃいました・・・・・・」

 

と、少々不安げな様子の春歌ちゃん

そこへ・・・

 

「お嬢ちゃん・・・

どうしたんだい・・・・・・?」

 

「ふえ?」

 

「迷子にでもなったのかな?

おじさんがお巡りさんの所まで連れて行ってあげようか?

それとも、おうちはこの近くなのかな?

それなら、おじさんとちょっとお話してくれないかなぁ?

おじさん、今ひとりぼっちなんだよ。

お菓子やジュースもあるから、一緒に遊んでくれないかなぁ・・・?」

 

なにやら熱心に話しかけ・・・いや、畳みかけるおじさんが一人・・・

温厚そうな笑顔を浮かべてはいるが・・・

・・・・・・・・・なにかあからさまに怪しいな?

 

「ごめんなさい!

春歌、これからおにいちゃんを探しにいくのです!

だから、今、おじさんとはご一緒できないのです・・・」

 

「お兄ちゃんを探してるんだね?

お嬢ちゃん一人で?大変だろう、おじさんも手伝ってあげるよ」

 

と、離れる素振りも見せない

・・・・・・・・・ますます怪しい

 

「う〜〜ん・・・・・・」

 

と、春歌ちゃんが迷っていると・・・

そのおやじ、何やらしきりに辺りの様子を気にしている・・・

しかも何だか手付きまでそわそわと何かを伺っているようだ・・・

こ、これはまさか・・・

 

 

ガバァ!!

 

 

「!?・・・!!・・・・・・!!」

 

「ふへ・・・ふへへへ・・・・・・こんな可愛い娘が手に入るなんて・・・

ついてるなぁ・・・さぁ、い〜っぱい可愛がってあげるからねぇ・・・・・・」

 

と、その顔を下卑たものに歪めながら春歌ちゃんを抱えあげるおやじ

変質者!?

 

「ん、んん〜〜〜〜!!(た、鷹斗おにいちゃんたすけて・・・!!)」

 

口を塞がれているため、声さえ出ない

いや、怖くて声を上げることすらできない

 

 

!!・・・ふ・・・・・・

おやじ・・・・・・死ね♪

そう言いながら金属製の釘バットを取り出すその2

・・・・・・「金属製」?

普通、釘は鉄には刺さらんのだが・・・

まあいい!今ばかりは構わん!!

許可する!!ぶち殺せその2!!!

当たり前だ!!!

 

 

作者二人が暴走したその時!!

 

 

ピィ――――――――――――!!

 

 

シュオンッ!!

 

天空より舞い降りた何かが・・・・・・

 

ズバシュッ!!

 

この切断のしかたはグリフォン2ぅぅ!?

その1、せめて伏字を使わんか〜〜い!!?

 

進路上の危険な発言を残すその1とついでにその2を両断し・・・・・・・・・

 

ザグンッ!!

 

ぐぎゃあ!!?

 

変質者を切り裂いていく!!

 

 

「な、なんだ一体・・・!?」

 

 

何とか起き上がった変質者の目に映るもの

それは・・・・・・・・・・・・

 

 

ズオォォォォォ・・・・・・・・・っ!!

 

 

目に見えるほどの野生の殺気を撒き散らす、一羽のの姿だった・・・・・・

 

「な・・・と、鳥!?なんでこんなところにこんな・・・・・・」

 

最後まで言い終わる間もなく

 

 

シュッ・・・・・・!!

 

 

ズバシュッ!!

 

 

一気に間合いを詰めた爪に引き裂かれる!!

 

 

ぎゃああああああ!!

 

 

その一撃で男は意識を刈り取られた・・・・・・

 

 

「しょ・・・翔羽(しょう)・・・ちゃん?」

 

ぴぃ・・・

 

すりすり・・・・・・

 

開放され、一体何が起こっているのかわからない、といった風な春歌ちゃん

その目の前には、温かな羽で自分を包んでいる皇家の飼い鷹、翔羽の姿があった

安心できるものを見つけた春歌ちゃんの目に、みるみる大粒の涙が溜まっていく

 

「う・・・うえぇえええ〜〜!!

こわかったよぉおおお〜〜〜〜〜!!」

 

そのまま翔羽にしがみ付くと、大声をあげて泣き出してしまった

 

ぴぃ、ぴいぃぃ・・・

 

そのままあやし付ける様に擦り寄り、慰める翔羽

 

すると

 

「・・・翔羽?春歌、どうした?」

 

鷹斗がその場に通りかかり、状況がわからないまでもまずは春歌を落ち着かせようと、

ゆっくりと声をかける

 

「ぐすっ・・・うえぇ・・・

お、おに・・・ちゃ・・・

おにいちゃ〜〜〜ん!!うえぇえええ〜〜〜〜ん!!」

 

自分を慰めてくれている鷹斗に気づいた瞬間

春歌はその翔羽もろとも鷹斗の胸に飛び込んでいた・・・・・・

 

「そうか・・・そんなことがあったのか」

 

ぴぃ

 

そして翔羽から状況を説明された鷹斗はおもむろに携帯を取り出すと、

あるところに電話をかける

 

Prrrrrr・・・Prrrrrr・・・・・・Prrrrrrrrr・・・・・・・・・

 

Pi!!

 

「おう、親父様だ!どうした鷹斗?

いま、捜査資料整理しててなかなか忙しいんだが・・・」

 

:隼斗の職業は警察官(警視正)だったりします

 

「ああ、実は未成年者略取の現行犯で男を確保しているのだがな?」

 

「・・・・・・なんだと?」

 

その言葉を聴いた瞬間、電話越しでも隼斗の気配が変わるのが感じられた

 

「家の近くの路地・・・

少し見通しの悪いところがあったろう?

そこで春歌が・・・」

 

「今行く

そのゴミ虫、逃げられねぇように足ぃ砕いとけ」

 

プツッ、ツー・ツー・・・・・・

 

言うが早いか、電話は切れた・・・・・・

 

「・・・・・・で、これがその変質者?」

 

それから僅か数分で現場に跳んで来た隼斗

報告に来た自分の襟首を掴んで

 

「今すぐ俺を家まで跳ばせ」

 

と、ステキにムテキな殺気走った目でのたまって下さった上司にあきれるリスティさん

そして鷹斗から事情を聞き、非常に危険な目つきで犯人を睨んでいるのは・・・・・・

決して、自分がいきなり足代わりにされた八つ当たりからではない・・・と思いたい

 

「おうおう、春っこ怖かったろうなぁ!!

安心しな、もう何にも怖いことなんてねぇからな?」

 

春歌ちゃんを抱き上げ、心配しまくる隼斗さん

・・・そうだよなぁ、根はいい人なんだよなぁ・・・・・・

 

「鷹斗!!」

 

「言われるまでもない」

 

そう言うが早いか、隼斗は春歌を抱え上げ、鷹斗は背中を向けて春歌をおぶらせる

 

「しっかり送り届けろ」

 

「応」

 

「普段は全然親子に思えないけど・・・・・・

こういう所を見るとやっぱり親子だって思うよねぇ・・・・・・」

 

苦笑するリスティを他所に、隼斗は犯人の襟首を掴むと、そのまま引き摺りながら署へと戻っていく

 

・・・・・・引き摺って?

 

あ、あの、隼斗さん?

普通、車で護送するものなんじゃあ・・・

 

「・・・・・・・・・あ?

 

ひぃ!?

お、鬼じゃ!?鬼がおる!!?

 

「莫迦言え、なんでこんなゴミ虫に車なんて使ってやらにゃあならねぇんだ?

こんなやつは引き回して豚箱に放り込むぐらいでちょうどいいんだよ」

 

「そのぐらいは当然だな」

 

莫迦な!?「あの」鷹斗まで同意してる!?

 

「子どもを食い物にしようなどと・・・・・・

本来ならこの場で切り捨ててしまいたいところだ」

 

「まぁ、翔羽が刻んでくれてっから・・・・・・

あんまり子どもの前で派手なことはできねえだろ?

この辺りで手ぇ打つしかねえな」

 

「口惜しいが、しかたあるまい」

 

・・・・・・・・・・・・そ、そうデスか・・・・・・

 

最早突っ込むことすら出来ないほどに、彼らの目は真剣(マヂ)だった・・・・・・

 

 

 

 

「なあに、署に着くまでの辛抱よ・・・

地獄なんてのは、わざわざ死ななくても行けるって事をたっぷり教えてやるぜ・・・」

 

そう、楽しそうに・・・・・・

嬉しそうに・・・・・・

嗤った隼斗さんの顔は・・・・・・

見なかったことにしよう・・・・・・

 

そして・・・・・・・・・

変質者は、平成の世の中で初めて市中引き回しの刑を実行されながら

署へと連行されていったと、その日のニュースで流れることとなる・・・

ちなみに、テレビの取材に対し春歌ちゃんのことは徹底的にガードされ、

彼女の平穏は守られ続けることとなる

 

一方そのころ・・・

 

「もう〜〜〜・・・・・・

一体どこに行ったのよ、春歌ったら・・・・・・」

 

妹の帰りが普段より遅いため、探しに来ていた夏葉と

 

「む?」

 

鷹斗が出会ったのは、それからすぐのことだった

 

「鷹斗!春歌見かけなかった?

家の近くには見当たらなくて・・・・・・」

 

と、不安そうな夏葉に・・・・・・

 

「ん」

 

無言で自分の背中にいる春歌ちゃんを見せる

 

「春歌!?なんで鷹斗が?」

 

だが・・・

鷹斗は無言で「静かに」と手振りで示す

すると・・・・・・・・・

 

「す〜〜・・・・・・す〜〜・・・・・・」

 

そこには、鷹斗の背中にしがみ付いたまま、眠ってしまった春歌ちゃんが・・・・・・

 

 

帰る道すがら、春歌ちゃんのことを説明する鷹斗

 

「そ、そんなことがあったなんて・・・・・・」

 

自分の知らないところで、大切な妹が危険な目に逢っていた

それを知らされた夏葉もまたひどくショックを受けたまま、何も言えずに

自宅への道を歩いていた・・・・・・

 

「・・・・・・幸い、何事もなく春歌は無事だったんだ

不幸なもしもを嘆くより、今は目の前の幸運と春歌の無事を喜ぼう」

 

「・・・・・・・・・うん・・・」

 

しかし、夏葉の返事は暗いままだった

やがて家が見えてくると・・・

そこには冬樹さんと秋子さんの姿が

二人とも、鷹斗の背中にいる春歌を見つけるなり、家の前から飛び出してくる

 

「鷹斗くん・・・隼ちゃんから話は聞いているよ」

 

「春歌・・・無事でよかった・・・・・・」

 

と、その時に

 

「んん・・・

ぉにぃ・・・ちゃ・・・・・・

おねぇ・・・ちゃん・・・

みんな・・・・・・一緒・・・に・・・」

 

そんな言葉が背中の春歌ちゃんから聞こえてくる

それはちいさな、本当にちいさな寝言だったが、確かにみんなの耳には届いていた

 

「一緒の・・・おうち・・・・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

「鷹斗くんの家の近くにいたっていうのは・・・・・・

ひょっとしたらこのためだったのかな?」

 

「かも知れませんね・・・・・・

春歌、鷹斗くんと暮らせるってとっても喜んでましたから」

 

 

そうして、鷹斗に視線をむける二人

その視線には、何かを頼むような雰囲気があった

 

 

そして・・・・・・・・・

 

 

「・・・・・・・・・わかりました

春歌が起きたら・・・伝えてください

俺も、春歌や夏葉と・・・・・・

みんなと一緒に住むって」

 

「え・・・・・・

でも鷹斗・・・・・・」

 

「・・・・・・確かに今でも納得などできん・・・

だからこそ反対していた訳だが・・・・・・

こんな頼み方をされては断ることもできん・・・・・・」

 

そう言って、苦笑しながら春歌の頭を撫でてあげる鷹斗

撫でられた春歌ちゃんは嬉しそうに微笑みながら身じろぎする

 

 

こうして、鷹斗との同居を聞いた春歌ちゃんの喜びようは・・・・・・

言うまでもない

その笑顔からは、もう不安などどこにも感じ取れなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

         

           

え〜〜〜・・・・・・・・・

まずは一言・・・・・・・・・・・・

 

申し訳ありません!!

 

こんなに長く投稿までに時間を空けてしまったこと、深く深く反省しています!!

 

 

 

その2「ほんとに反省してるのか?その1・・・・・・」

その1「あぁ!?視線が!!視線が痛い!!」

 

その2「お前・・・・・・・・・半年だぞ?

ほんとにわかってるのか?」

 

その1「ぐふぅ!!(吐血)

い、いや、執筆にはパソを使ってるんだけど、それが前回投稿してから、

いきなりHDごと逝ってね!?」

 

その2「いや、それは聞いてたし俺も知ってる

でも、あれからわりとすぐ新しいパソコン買ってたろ?」

 

その1「こ、今度は仕事が・・・・・・」

 

その2「知ってるよ、おんなじ職場なんだし

確かに修羅場で、大変だったのも知ってるけど・・・・・・

・・・・・・出来ないことはなかったろ?ん?」

 

その1「・・・・・・・・・・・・はい」

 

その2「で・・・・・・次は?」

 

その1「本当に申し訳ありませんでした・・・・・・

どうか皆様、見捨てないでやっていただけると幸いです・・・・・・」

 

その2「いや、それを決めるのは浩さんたちだし」

 

その1「あうぅぅぅ!!」

 

その2「さて・・・・・・・・・次も進んでるようだし・・・

まぁ、その1苛めてても話は進まんからこのぐらいにしてやろう」

 

その1「も、もう再起不能なほど傷ついた気もするけど・・・」

 

その2「気のせいだ」

 

その1「で、では今後の予定など・・・・・・」

 

 

ぴぃ――――――――――――――――――――・・・・・・

 

その1「ん?あの鳴き声は・・・・・・」

 

 

シュオン!!

 

 

ズバシュウ!!

 

 

その1「猛禽類の爪は刃のごとしぃぃぃ!!?

 

 

バサッバサッ・・・・・・

 

 

その1を切り裂いた猛禽類は、鷹匠の格好をしたその2の腕に止まる

 

その1「ぐ、ぐふっ・・・・・・い、一体何事・・・?」

 

視線の先には・・・・・・・・・

 

翔羽「ぴぃ!」

 

その2「ここからはお仕置きだよ・・・その1・・・・・・」

 

ステキな笑顔のその2と、怒りに染まった翔羽の姿が・・・・・・

 

その1「とりあえずその2・・・・・・

ペンギンが鷹匠の格好など・・・・・・

食物連鎖的に矛盾していないかね・・・?」

 

その2「フッ・・・今回、ゲストは彼(翔羽)・・・・・・

俺はただのヘルプ(手伝い)にすぎん・・・・・・

まぁ、俺もついでに参加させてもらうがね・・・・・・」

 

その1「ゲストだからってなにゆえ!?

そもそも理由は!?投稿の遅れは反省しているし、もう次の執筆も進めて・・・・・・」

 

その2「本編に対するお仕置きだよ、その1!!」

 

翔羽「ぴぃ!!(その通り!!)」

 

その1「ほ、本編!?

鷹斗が説得されるって話がボツだったとでも!?」

 

その2「まさか!!

そのネタを送ったのは俺だぞ!?

むしろ説得されてくれねば、今後の展開にも差し支える!!」

 

その1「ならば何故に!?」

 

その2「貴様・・・・・・・・・

春歌に一体何をした・・・・・・・・・?」

 

その1「何って、いきなり何の話を・・・・・・

はっ!?

 

その2「どうやら思い至ったようだな・・・・・・?」

 

その1「ま、待てその2!!

確かに、六歳の女の子にはキツすぎたかも知れんが、翔羽を登場させたり、

話の都合上しかたなく・・・・・・!!」

 

 

ズドン!!

 

 

その1「再びグリフォン2ぅぅぅ!?

 

その2「・・・・・・だからお前・・・この上さらに喧嘩売る気か?」

(注:このネタがわかるあなた、ロボットは漢の浪漫ですよね?)

 

翔羽「ぴぃ!!(そんなことはどうでもいい!!

春歌が危険な目に逢うぐらいなら、俺の出番なぞいらんわ!!)」

 

その1「ぐふぅ・・・・・・

しょ、翔羽、やはり皇の一員だけはある・・・・・・

こいつまで性格が鷹斗そっくり・・・・・・」

 

その2「・・・なにせ卵の時から一緒に育った、ある意味鷹斗の

義兄弟だからな」

 

その1「・・・・・・そういえばそういう設定だったね・・・

非常に納得できてしまうのも何かアレな気がするけど・・・」

 

その2「さて・・・・・・・・・

その1・・・・・・・・・理由はわかったな?」

 

言いながら、とってもイイ笑顔を向けるその2

 

その1「ひ、ひいぃ・・・・・・!!」

 

その2「お祈りはすませたか?

部屋のスミでガタガタ震えて信じてもいない神様に助けを求める準備はOK?」

 

その1「お、お前性格・・・って言うかキャラ変わってないか!!?

第一、その台詞だっていろいろと・・・・・・!!」

 

その2「ふ・・・死ね

 

 

シュバアッ!!

 

 

その2の腕から飛び立った翔羽はそのまま檻の中に閉じ込めるがごとく、

その1を空間の中心に据え、切り刻みながら縦横無尽に飛び回る!!

 

 

その1「ぎゃあああああああああああ・・・・・・!!

 

 

断末魔の悲鳴をあげて細切れになるその1

 

その2「フッ!!悪は滅びた!!」

 

翔羽「ぴぃ!!(莫迦者が・・・・・・!!)」

 

その2「では浩さん!!美姫さん!!

その1を締め上げてでも続きを送らせますので、どうか見捨てないでやってください!!」

 

翔羽「ぴい(こんな作者たちだと諦めてくだされば幸いです・・・)」

 

その2&翔羽「ではまた次回で〜〜〜!!」

 





……まあ、そんなこんなで同居になって良かったな春歌ちゃん。
美姫 「その間は何よ、その間は」
いや、あんなのが警視正だったりして良いのかな、とか何とか。
美姫 「中々ユニークな人じゃない。きっと職場では変わった上司として」
いや、それは良いことなのか?
美姫 「ともあれ、今回は1.5話という事で」
本編とは少し外れた、というほどでもないけれど。
美姫 「次回を待っていますね」
ではでは。



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