MUV−LUV Refulgence
~Another Episode of MUV−LUV ALTERNATIVE~
Original Material & Summary
アルフィ・ハーネット
鋭い双眸に宿る光は蒼、また腰まで届く長髪も深い蒼という明らかに常人を逸脱した風貌を持つ女性。序盤は男勝りどころか凄まじい豪傑ぶりを発揮していたが、甲21号作戦後に武が不知火・弐式を大破させたショックでタガが外れて若干女性的な性格に戻る。これでポニーテールだったら水月とキャラが被っていただろう。
JFKから出向している身分で、同機関では実働部隊現副隊長(以前は隊長を務めていたが、日本への度重なる出向を理由に今のポジションになった)とテクニカル・オブサーバーを兼任しており、特に第三世代戦術機は不知火、武御雷のテストパイロットを務めていたこともあって操縦技術、知識は極めて秀でている。
最初の来日は不知火の壱号機の専属衛士として運用データの収集という任務であった。契約の任期満了と同機の本格的な投入が始まったのはほぼ同時期であり、満足な結果を受けてアルフィは日本を後にする。二度目の来日はそれからしばらく後の1998年。日本がBETAの大攻勢を受けて劣勢に陥る中でのことだった。武御雷の開発に協力する傍ら明星作戦にも参加しており、完成したばかりの不知火・弐式を駆って鳴海孝之・平慎二の両名を救出するなど献身的な活躍をした。
その後、武御雷のロールアウトを機にJFKに戻るもオルタネイティヴ4への参加要請を受けて再度来日。XM3の開発時にはテクニカル・オブサーバーとして、試験運用を行なっていたA01中隊を陰からサポートしている。
もともとアルフィは『涼宮遥の救出役』を主眼に置いて引っ張ってきたキャラクターである。原作において人類は生身の単身ないし少数でBETAと互角以上に渡り合うことが限りなく不可能であったため、横浜基地篭城戦において遥を生き延びさせるには必然的に敵を圧倒できる能力を持った超人が求められた。それも人の身で人外を屠ることに長けた超人でなければならなかった。まあ結果はご覧の通り……大失敗?
アヴァン・ルースとは生物学的にはほぼ同一人物。彼と殆ど同じ遺伝子構造を持ち、性別を決定付ける要素以外は全く同じ。かつて彼女もアヴァンと同様、体内にリフレジェント・クリスタル・オリジナルを宿していたが、ある理由で現在は手放している。それでもクリスタルからの恩恵は健在だとか。近接武器を用いた格闘戦を得意とし、また機動兵器の扱いにも長けるが生身での戦闘こそ彼女の真価を発揮する……らしい。
だけどゆきっぷうの書くオリキャラは、どうして物語終盤にならないと解説も出来ないような奴ばかりなのだろう。何故なんだ(号泣)
アヴァン・ルース
JFK現局長で銀河天使大戦の主人公だった男で、このMUV‐LUV Refulgenceにおいてもっとも必要性の感じられない人物。今回は裏方に徹していたため、最終局面で姿を現した際には物凄く不自然に感じられる方も多かったかと。
とはいえ、彼の担った役割は重要だった。米国大統領ジョン・F・ケネディにJFK設立を打診し、同機関に戦術機「F−4:ファントム」の設計・開発を進めさせた。さらに不知火・武御雷の開発のためにアルフィ・ハーネットを日本に派遣し、また米国の第三世代機のノウハウを各国に伝播させるなど、現代兵器開発(特に第三世代以降)の躍進に貢献している。
滅シナリオにおいてユウヤ・ブリッジスと、無人機操縦システムに組み込まれていたイーニァ・シェスチナおよびクリスカ・ビャーチェノワ(三人の関係は原作『マブラヴ・オルタネィティヴ トータルイクリプス』を参照)を引き合わせるための各種工作を担当し、また敵艦隊を押さえ込むためYF‐23で出撃して行方不明になっている。
ウィリアム・グレイ
半オリジナルキャラクター。原作においてカナダに落着したBETAの降下ユニットから未知の元素を発見した科学者。その後も未確認元素の研究に打ち込み、G弾の開発にも関与していたとされている。半オリジナルなのは、原作に名前でしか登場しなかったため。
生死不明だが滅シナリオでは親玉役で登場。研究過程で知ってしまった、この世界に潜む数々の謎を解き明かすかと思いきや戦死してしまった。また本編において、アヴァンとアルフィの正体を知っていた唯一の人物でもあった。
イーニァ、クリスカ両名の脳髄とオルタネィティヴ4の開発データを盗用して量子電導脳を建造し、無人操縦システムのコアに組み込んだ。こうして千機以上の無人戦術機をヨコハマ攻めに投入させるが、ヴァルキリーズらの善戦によって阻止されている。最終的にはアヴァンの特攻を喰らって艦隊もろとも消し飛んだ。
位相因果操作能力
白銀武に発現した時空超越能力。自らの意思で次元を飛び越え平行世界間を移動したことで、白銀武自身が持っていた因果導体の『器』としての性質が変化し、位相因果操作能力を獲得するに至った。
この能力は本人が直接関わる、あらゆる因果律を自身の意思によって自在に変化させるというもの。使いこなせば神にもなれる力だが、武……否、人間の認識能力に限界があるため適応できる範囲は決して広くは無い。それでも戦闘面に限れば『絶対回避』『絶対命中』が可能になるため、侮れない能力ではある。
武は位相因果操作能力を使うことで自身の『因果』を現在の世界に割り込ませることで存在を維持している。逆にこの能力が無ければ武はMUV‐LUV Refulgenceの世界に辿り着くことは不可能だったわけだ。
使用するたびに体力を激しく消耗するため、乱用は禁物である。禁物なのだがそれを敢えてやるのがヒーローたる所以。
因果守護宝剣『皆琉神威・真打』
因果守護神となった煌武院悠陽によって生み出された「あらゆる生命の因果を護る」力を持った宝剣。通常時は柄だけの状態だが、武御雷・真打によって増幅された悠陽の闘氣を受けることで紅蓮の粒子が刀身を形成、人に害を成すあらゆる因果事象を粉砕する。
本編滅シナリオではG弾爆発の衝撃波と爆発そのものを『無かったこと』にしたり、勢い余って空間を破断して別次元につなげてしまったり、と某蒼い髪の男が裸足で逃げ出すぐらいの威力を発揮している。また、あくまで方向性の限定された事象を無効化するための武装であり、物理的な破壊力は皆無である。
死亡フラグを破壊する機能は付属していないわけではないが、因果守護神も同様の能力を獲得している。
因果滅断剣
甲21号作戦に続いて登場した位相因果操作・奥義の一つ。合体長刀・因果轟断剣を分離、再合体させた両刃の大剣であり、なんつーか斬○刀みたいな?
本文を読んでいただければおおよそ理解いただけると思うが、何かもう説明する必要も無いぐらいのハチャメチャっぷりでゆきっぷうが泣きたいぐらい。
あらゆる『因果を断ち滅ぼす』ための概念武装で、斬られた存在は全て『因果滅断』――――存在するための因果を断ち滅ぼされる。さらに刀身には絶対命中の因果も与えられており、武の認識領域内に捉えられた敵はたちどころに切り伏せられる。
つまるところ、常時発動・複数捕捉・広範囲型の『刺し穿つ死棘の槍』みたいなもんである。そりゃあ武も化け物扱いされて当然だよね、うん。
本来、シナリオの構成上お蔵入りが確定していたのだが……執筆中に再プレイした『斬魔大聖デモンベイン』が色々と影響を及ぼした結果、現在の形に落ち着いたのであった。“ちよれん”の力は今なお健在である。
合体長刀『ダブルブレード』
位相因果操作能力によって武が造り出した因果轟断剣。
間違っても運命剣ではない。ロム兄さんも天空宙心拳も関係ないのである。
素材はスーパーカーボン。
製造元は日本の兵器工場。
製作者は刀鍛冶の電光さん(某友人談)。
しかし作中の通りゲ○ターばりの破壊力を見せた。
ちなみに『因果轟断! ダブルブレード・ブーメラン!』は凄乃皇弐型と不知火・弐式の合体攻撃ですのであしからず。もちろん、凄乃皇弐型が自爆したのでもう使えません。
公儀隠密“御庭番”
知る人ぞ知る忍者の代名詞(?)。かつては江戸城警護を預かるスーパーエリートニンジャ部隊とも言うべき存在で、形は変わっても将軍が存在する現代において“御庭番”の組織は引き継がれていた。
といっても組織自体の規模は縮小されており、十二人のスーパーエリートニンジャによって構成されている。全員衛士資格保持者で、常に漆黒に塗られた戦術機を駆る。位置づけとしては将軍直属の私設軍とも言うべきで、将軍の勅命のみで行動する。
“御庭番”は、BETAの本州侵攻による京都陥落の際に帝の護衛として派遣され、脱出する帝一行の安全を確保するために殿を務めて全滅していた。後に頭領の一人娘であった月詠真耶が後継者として“御庭番”となった。
本来ならば将軍が私兵を持つことは、12.5事件で政府との関係が是正されている以上相応しくないのだが……頭領たる真耶のみを残す形で存続を許されているのが現状。もっとも、真耶と共に“御庭番”となるはずだった跡継ぎ候補たちも先述の京都陥落で戦死しているので、実質“御庭番”は彼女一人しかいない。
剛田城二
知る人ぞ知る、空回り熱血漢。茜への愛だけであと三十年は戦える人。オルタネイティヴ本編では登場しなかったが、『アユマユ・オルタネイティヴ』において流竜馬(OVA版)風にイメージチェンジしていた。詳細はゆきっぷうも知らないので、Refulgenceでは勝手に設定を捏造して頑張ってみた。
茜とは訓練校に入るまでは同じ学校だったらしく、彼女自身も(不本意かつ嫌悪感たっぷりだが)憶えていた。彼はその後帝国陸軍へ入隊し、衛士となる。しかし持ち前の情熱やらその他諸々のためにお荷物扱いされ、僻地へ飛ばされていたようだ。衛士としての腕は確かで、甲21号作戦の折には沙霧直哉の部下として編入されている。
不知火・弐式
対電子戦を想定した改造戦術機。基本スペックは不知火とさして変わらないが、レーダーユニットが大型の物に換装されている。さらに多目的広域電子ユニット『エッジ・ヘッド』を頭部に搭載した。このため、本機の頭部形状は一般機とは大きく異なっている。
『エッジ・ヘッド』は起動・展開すると最大半径1km以内に強力な妨害電波を放出することが可能になる。これによって第二世代までの戦術機は電子機器を狂わされ、最悪の場合は機能停止状態に追い込まれる。最新技術によって高い電子戦能力を持つ第三世代機でも、妨害電波によってロックオン機能などが機能しなくなる他、通信回線を介して強力なコンピュータ・ウィルスにOSを侵食され行動不能にされる可能性がある。
さらに展開中は電子レーダー上ではほぼ完璧なステルス効果をもたらすが、弐式の『エッジ・ヘッド』はまだ試作段階のもので最大稼働時間は五分と限られている。それでも作戦行動における選択肢は幅広いものとなることに変わりはない。
しかし、これはあくまで対戦術機・対人類用の兵器であり、BETAとの決戦を急ぐ現状において開発は中断を余儀なくされた。唯一試作された一基を帝国軍はテスト用に準備していた不知火の改造機と共にアルフィへ非公式に譲渡、彼女の預かるところとなった。
『エッジ・ヘッド』と大型レーダーを装備したことで本機は従来機の数倍以上の索敵能力を獲得するに至った。特にその差が如実に現れたのは甲21号作戦中におけるBETA接近の感知速度である。原作では誰よりも早く察知していた風間少尉よりも素早く、正確に武はその出現を察知していたことからも極めて高い性能を有していることが伺える。さらにレーダーシステムの高性能化に伴い機体制御コンピュータそのものも標準機を遥かに上回る最新モデルが導入され、演算能力の強化が為された。これにより高度な三次元機動への対応速度も爆発的に向上している。武の無茶苦茶な『バルジャーノン機動』にも機体が柔軟に反応できるのはこういった理由があったのである。
ただし索敵範囲の拡大や演算能力の向上は副次的要素であり、本来の運用法には程遠いこともまた事実である。
『MUV‐LUV Refulgence』の企画当初、アルフィ専用機として考案されたが武に奪われ乗り回され……
生体認証解除キー
煌武院悠陽の命を受け、鎧衣左近が横浜基地へ届けた電子キー。実際に鍵の役目を果たしたのは指輪の裏側に特殊コーティングされた電磁媒体で、武御雷の頭部に内蔵されているモジュールに認識させることでシステムのロックを解除できる。
本来は女性の将軍である悠陽の伴侶が搭乗する際に使用するためのもので、一介の国連軍衛士に貸しちゃったりしてはいけない超機密アイテムだった。逆に言えばこれを使った武は悠陽からプロポーズされたも同然で、鎧衣課長が反対したのもそういう事情があったからである。
武御雷・改
アルフィ・ハーネットの搭乗機として横浜基地に用意された大型戦術機。全長は約25メートル、重量は約60トン(フル装備時)。両腕と背部パイロン、およびナイフシース部分に取り付けられた二本の副腕によって、最大同時六門の突撃砲斉射が可能。また肩部装甲にはALMランチャーを搭載するなど、火力向上が目覚しい。
また肩部装甲内に大容量バッテリーを内蔵することで稼働時間を延長し、大型重装備機ゆえに低下しがちな機動性・運動性を補うべく大出力の試作推進器を備えている。
機体のベースは日本帝国軍内において将軍家直属の斯衛部隊に2000年より配備されている純国産第三世代戦術歩行戦闘機「武御雷」の試作概念実証機である。
近接戦闘能力と機動性、運動性を極限まで追及した武御雷だが、その実現には多くの課題を乗り越えねばならなかった。極めて高い反応性と急制動・急旋回・急発進の両立は、機体に非常識なまでの耐久性と軽量化が求められる。
耐久性を上げれば機体の重量は増し、重量を落とせば機体の強度が不足する。さらにそこへ推進装置の高性能化による重量増加と機体強度への悪影響が重なることとなった。
結論として、最初期に建造されたプロトモデルは従来の戦術機に比べてあらゆる面で大型化せざるを得なくなり、開発計画は頓挫した。その後の新素材の開発や技術躍進によって現在の武御雷へと繋がっていくのだが、このプロトモデルは数回の性能試験の後に凍結・封印されることとなった。(『] 絶対運命・滅』より抜粋)
この機体をアルフィは香月夕呼経由で回収し、自機として改造を施したものが『武御雷・改』である。また作業中に得られた各種データは後述の『極』へフィードバックされている。
武御雷・極(キワミ)
日本帝国陸軍および城内省が国連極東方面軍と共同で開発した対異星起源生命体最終決戦用戦術歩行戦闘機。全長は54.3メートル、ハイヴ突入用増加装甲装着時には60.8メートルという破格のサイズスケールを誇り、史上最大級の人型機動兵器となっている。要塞級BETAへの有効打として考案されていた改修プランをベースに開発が進められた。
機体の構造自体は武御雷をそのままスケールアップしたものになっているが、その巨大さゆえに現状搭載されているジェネレーター(一説にはムアコック・レヒテ機関ではないかと言われている)は機体を起動させることが出来ないため、外部からのエネルギー供給が必要となる。またオブサーバーで国連から参画した白銀武とアルフィ・ハーネットの提案によって防御性能と整備性を重視したことにより、両肩部に搭載予定だった荷電粒子砲はオミットされた。これによって極の武装は専用大型長刀『雷桜剣』と対空防御用機銃八門のみとなっている。
これの改修型が桜花作戦に実戦投入され、白銀武の操縦でオリジナルハイヴへ突入。あ号標的と相討ちとなって大破した。
武御雷・極『桜花作戦仕様』
上記の武御雷・極を桜花作戦用にオルタネイティヴ4技術部が改修したバージョン。
最大の変更点はムアコック・レヒテ機関の装備である。これによって諸々の理由でオミットされたはずの荷電粒子砲を両肩に搭載し直し、推進ユニットを大型ジャンプユニットからラザフォード場によって推進エネルギーを得る『ラザフォード・ウィング』に換装。ウィング展開時には機体の前後幅は50メートル近くになる。凄乃皇四型以上のラザフォード場制御能力を持ち、螺旋状に展開したフィールドで地下を掘り進み、敵の地下トンネルを逆行するなど型破りな戦術も可能である。
機体の起動には横浜基地の全エネルギーを必要とし、起動時には周囲に強力な重力偏重が発生する。武はこれを利用してBETAの第一陣を押し返した。
機体の操縦は武が行なうが、近接防御および格闘戦を冥夜、遠距離防御と砲撃戦を晴子が分担し、純夏と霞はエンジン制御と各種オペレーティングを受け持つことでマルチタスクを軽減している。
オリジナルハイヴと合体した巨大BETAとの激闘の末、全エネルギーを開放した『ラザフォードスパーク』で敵の体内へ突入。中枢であるあ号標的と刺し違えて大破した。
なおコックピットの仕様が一部戦術機と異なり、操縦室は四人の衛士が一度に入ることができる。シートも四つ用意されており、それぞれ主操縦席、副操縦席、砲手席、管制官席と機能ごとに分かれている。また武の座るメインパイロットシートには通常の操縦装置の他に多数のレバーやペダルが配置されており、最悪彼一人で機体を操縦することも可能だが、やはりエンジンコントロールも含めて五人揃って初めて真価を発揮できると言えよう。
因果守護神『武御雷・真打』
因果滅断剣を取り込んだ武御雷(将軍専用機)が進化した姿。より一層禍々しい姿に変貌しているが、あらゆる生命が存在するための因果を守護する神である。
煌武院悠陽が搭乗者である以外、その特徴、能力など一切が不明。一説によればリミッター解除した武御雷・極を上回るという。
電磁投射砲
正式には試製99型電磁投射砲。帝国軍技術廠が開発したプロトタイプのレールガンである。膨大な電力を消費して発生させたローレンツ力によって(誤解覚悟で言えば、磁力を火薬の代用品として利用して)砲弾を加速、発射する。
この兵器自体は現実に実用化が進められている(と、某友人は語る)が、原作のオルタネイティヴ4内部においてはすでに実用段階にある。具体的には凄乃皇四型に搭載予定だった超大口径レールカノンがそれに当たり、本作で武が使用した電磁投射砲は帝国陸軍の試作品になる。もっともその開発にはオルタネイティヴ4が意図的に開発データを帝国軍にリークした節があるが――――
(某友人談「火薬で砲弾を飛ばす際の初速は現在2000m/sが限界とされている。レールガンの場合は現代の技術力でも2500m/sの飛翔速度が確保可能で、将来的には8000m/sまでの加速が可能とされている」)
鳴海孝之
ヘタレ。
片腕片足が機械になっている。ヘタレ。
階級が中尉になっている。ヘタレ。
こっちでもやっぱり三角関係。ヘタレ。
沙霧大尉についてきたけど、ろくに戦わずに撤収。ヘタレ。
実は割と出番があるらしい。ヘタレ。
彼が脱出の際にチョイスした部下とは如何なる男なのか!?
某友人「……ヘタレ」
97式戦術歩行高等練習機『吹雪』
帝国軍が開発した第三世代戦術機対応の高等練習機。武はこれに搭乗して第三世代の超高性能機『F‐22/ラプター』を撃破(?)した。
元々は第二世代機のF‐15J『陽炎』をベースにした、94式第三世代戦術機『不知火』の技術検証・概念実証機を発展量産化した機体。分かりやすく言うならガンダムMk―UとΖガンダムの間にあるメタス、あるいは百式に該当する機体である。そのため人によっては『吹雪』を第二世代か第三世代か、判断にバラツキが出てくる(本作では表向きは第三世代機としているが、ゆきっぷう的には第二世代機の区分である)。
理由は多々あるためここでの詳しい解説はあえて避けるが、原作での戦闘描写、実際のステイタス比較、設計・開発のバックグラウンドを鑑みるにF−15の直系機であり――――(以下、自粛)
JFK
国際戦術歩行戦闘機開発技術普及機関『Justice From Kennedy』。通称JFK。1974年に正式採用となった史上初の戦術機『F‐4ファントム』の基礎設計を行なった技術機関であり、以後各国の軍事産業と共同で様々な戦術機開発を手掛ける。
組織自体は1970年に設立されており、初代局長は元米国大統領ジョン・F・ケネディ。この世界でのケネディ暗殺は派閥抗争によって命を狙われたため、その危険を回避するための自作自演であり、社会的に死亡扱いとなった彼は膨大な資産を投じて来たるBETAとの全面戦争に備えるための組織を結成した。
機関の構成は大きく分けて二つ。
一つ目は組織の主軸である(戦術機)技術開発部門。戦術機が括弧で括られているのは、設立当時にはなかった名称だからである。ともかく最悪のケースを想定したケネディは、地球上に降下したBETAとの交戦を前提にした全天候・全地形・全局面対応型の兵器が必要であると考えた。そこに蒼い髪の『ア』のつく男が絡んで、出された結論が人型兵器だったのである。
ケネディの死後、局長に就任した『ア』のつく男によって各種活動は継続されている。
二つ目は技術普及を目的とした外交部門。JFKで確立された技術を米国のみならず、世界中の国家軍に浸透させることを目的とした部門で、人材派遣などは基本的にボランティアで活動している。それでも戦術機開発の必要経費自体が馬鹿にならないため、資金に乏しい小国家は派遣を要請できないという問題が生じていた。各国に生産態勢が整い始めた1980年代中ごろからは各地の難民キャンプへの支援がメインになっており、後述になるが部門直属の実働部隊と連携して活動を行なっている。
また第三世代戦術機開発技術の米国独占が危惧された時期には、積極的に各国へ技術伝播を促したが、米国側から『国際機関の権力を利用したスパイ行為』であると非難を受け、以後対立状態に陥っている。
90年代後半には組織としての当初の存在価値は殆ど薄れており、技術開発部門は半閉鎖状態。外交部門も難民問題を専門的に取り扱うようになっていた。
なおアルフィ・ハーネットは実働部隊の隊長を務めていたが、同時に技術開発部門の現場サイドのテクニカル・オブサーバーとしても活動していたため、BETAとの交戦確率の高い日本へ幾度も派遣された経緯がある。
Million Region
JFK(※前項参照)が擁する私設機甲兵団。2001年4月の時点でF‐22/A『ラプター』二機、YF‐23『ブラック・ウィドウU』一機、F‐15E『ストライクイーグル』十二機、Su‐37M2『チェルミナートル』二機を保有し、歩兵122名、衛士16名、整備員47名で構成される。部隊長アヴァン・ルース、副部隊長アルフィ・ハーネットを中心に活動しており、外交部門から届く任務内容によってその都度、部隊を編成するという特殊な軍隊である。
構成員や保有する兵器の数がまちまちなのは、出撃するたびにその数が減少する一方だから。誰もこんな危険極まりない部隊に入隊しようとは思わないのだそうだ。
それもそのはず、Million Regionの主要任務は難民キャンプへの支援の他、各地のハイヴへの強行偵察、各国軍の救援等々……『俺たちを殺す気か!?』と言わしめるような仕事が廻されてくる。白銀武もここの所属になるため、この部隊の事情を知る軍関係者からしてみれば『大陸からやってきた化物衛士』も同然なのであったとさ。
余談だが明星作戦で負傷した鳴海孝之を収容していたのもこの部隊。おかげで彼の人間性と引き換えに衛士としてのスキルは爆発的に上昇したとか。
YF‐23 Black WidowU
単機ないし少数で戦局を打開可能な性能を持った究極の戦術機を目指し開発された、ロックウィード・マーディン社の試作機。
F‐22とのトライアルの末落選したYF‐23は、運動性能、防御性能、機動性能……機体の基本スペックを極限まで追求され、総合能力ならばF‐22と比較しても互角以上、機体の純粋なスペックならばそれ以上であった。しかし生産コストはF‐22の四倍にまで跳ね上がってしまい、落選の最大の要因ともなっている。
機体の最大の特徴は各部に追加されたヴェトロニクス統合ユニットと、新型のジャンプユニットである。機体の制御機能強化のために追加された各種ヴェトロニクスによって高速機動時においてF‐22以上の安定性を誇り、新型の四連装型噴射跳躍推進装置『スーパージャンプ・バーニアユニット』の最大推力が不知火の十倍以上に達しているにも拘らず、極めて俊敏かつ的確な機動が可能。またステルス性もF‐22ほどではないが獲得している。
一方で機体性能の向上のために構造的余裕を全て使い切ってしまっており、さらに背部の兵装パイロンが撤去されて、兵装の搭載可能数はF‐22の半分以下となっている。戦術機にとって命綱である65式近接戦短刀さえ外付けのオプションなのだ。
しかしこのYF‐23には僅かな攻撃力で充分なのである。この機体はハイヴ内部に突入し、敵の阻止戦力の展開よりも速く中枢部に到達してこれを破壊することを目的としており、最大四発のS‐11を装備可能としている。従って脱出装置は実装されておらず、自爆装置は複数の予備回路によって確実に作動するように新しく設計されている。
とはいえ、この機体が歴史の表舞台に出ることは恐らく無いであろう。何せ搭乗したテストパイロット三名はいずれも機体加速のGでスペックの50%も発揮することなく失神、循環器系と内臓を激しく痛めて衛士を引退する羽目になったのだから。単機で圧倒的戦況を打開する、まさに「命に代えても勝利する」という搭乗者の潔さが在って初めて真価を発揮する決戦用兵器となってしまった。
元々YF‐23はボーニングに吸収される前のマクダエル・ドグラム社の戦術機チームが開発を進めていた。しかしボーニングとロクスウェルがG弾の開発に成功したことにより状況が急変、当時XG‐70の開発を行なっていたマクダエルを含む三社はXG‐70開発計画の打ち切りによって経営が傾き、マクダエルはボーニングに合併・吸収されることとなった。その後、YF‐23は開発チームの手によって設計データと製造途中のパーツの一部がロックウィード・マーディン社へ持ち込まれ、同社の戦術機開発部門に引き継がれたのである。
結局各種テスト用、操縦訓練用、トライアル用の三機が建造されるにとどまり、トライアルとデータ収集後はロックウィード・マーディンの秘密倉庫に厳重封印されていた。
それをよりにもよって『あの馬鹿』がデータを掘り出してしまった。さらに色々な権限を使って機体を徴用し、改修を始めたのが2001年の頭頃である。だが思ったよりもジャジャ馬だったらしく、抜本的打開策が見出せずにいたようだ。
滅シナリオにおいてアヴァン駆る本機はユウヤ・ブリッジスらアルゴス小隊と共に横浜へ駆けつけ、最後の抵抗を試みる敵艦隊と有人機部隊に特攻。搭載されたS11を用いて敵諸共自爆した。
なお、原作メーカーから発表されているYF‐23とはまったくの別物である。
総括
本作『MUV‐LUV Refulgence』の最終話である滅シナリオにて収録できなかったコメントおよび、滅までも含めた巻末設定を編纂したものが、今回の『Original Material & Summary』です。
このRefulgenceに限らず、私の作品は総じて突発的な閃きと衝動によって作られてきました。そして白銀武を筆頭とした登場人物たちが持つ意志によって「在るべき場所に在る」形で本作は完結しました。
原作である「MUV‐LUV Alternative」もまたそうであったように、戦いそのものは終わっていません。登場人物たちの人生も終わってはいません。けれど、一つの区切りがついてしまった。倒すべき敵を倒し、果たすべき使命を果たしたことで一つの物語は幕を下ろしたのです。
原作をプレイして私は感じました。こんなものが衛士―――――いえ、戦士・白銀武の終着点ではない、と。彼はどんな形であれ闘い続けることを選んだ。最終的に帰る事を受け入れても、その心はまだ闘争を望んでいたはずです。
ならば戦わせてやろう。
すべての敵を―――――BETAを駆逐するその日まで戦わせてやろう。
Refulgenceはその為の第一歩だったのです。
・
・
・
とまあ、建前はさておき、お読み頂きありがとうございました。
武たちの世界を守るための戦いはまだまだ続きますので、いつか機会があれば書きたいなぁ……え? 完結じゃないのかって? いやだなぁ、はっはっは。Refulgenceは、あくまで地球という惑星における対BETA戦闘のお話だよ。次は銀河規模にスケールアッ――――
アヴァン・武「死ねコラァァァァァッ!」
ぐはあっ!?
終