※ 1. 本作は真・恋姫†無双のネタバレを多量に含みます。
※ 2.真・恋姫無双、魏エンド後のストーリーです。
※ 3.原作プレイ後にお読み頂く事を激しく推奨します。
※ 4.華琳様の涙を拭い去るため頑張ります。
※ 5.一部、登場人物の名前が違う漢字に変更されている場合があります。
「あ、あ―――――――」
男の苦しみもがく嗚咽だけが聞こえる。
彼の胸を貫くのは矢でも剣でもなく、無情の視線だ。
「ちがう。ちがうんだ」
紡ぐ言葉は釈明。
この場においては何の意味も持たないことは彼自身が良く分かっていたが、言わねば気が狂いそうだった。
……いや、そもそも自分は正気だったのか。
血と餓えに狂った獣を見る目で曹操は天一刀を見つめている。
降りしきる雨も、その瞳を逸らすことはできない。
そして天一刀は悟り、主君に背を向けて駆け出した。
……全てを、失ったのだ。
真(チェンジ!)
恋姫†無双
―孟徳秘龍伝―
巻の九・天狼牙(中)
天一刀失踪から明けた翌朝、陽が昇り始めて間もない頃に夏侯惇は自室の寝台で目を覚ました。傷を見た医者が言うには「半月は絶対安静」らしい。また骨が折れるよりも心が折れたことの方が深刻だとも。
程なくして見舞いに現れた夏侯淵も顔色は決して良いとはいえなかった。頬は青白く、左肩の傷から失った血の量は少なくないことが窺える。
「姉者」
「む」
「ホンゴウは、どうだった」
妹にしてみれば、姉の真意は手に取るように分かる。天一刀に挑んだ理由も……
そして姉からしてみても、妹の問いの意味することは良く分かる。自分を見る目が酷く怒っている理由も……
「泣いていた」
「うむ」
「奴は、泣いていた」
彼女達の知るホンゴウカズトは、人を傷つけることなどとても出来ない男だ。
天一刀になってもその性根はこれっぽっちも変わってはいなかった。狂気に囚われても、魂の高潔さは健在だった。でなければ最後の最後で刃を止めることなど出来るはずが無い。
この世の不条理に泣きながら、天一刀は自分の在り方を貫いた。
「私は愚かだな、秋蘭。案ずることなど何も無かったというのに」
「捜索隊を出してホンゴウを追っている。姉者はくれぐれもおとなしく養生するように」
「……すまん」
「なに、不安だったのは姉者だけではないからな」
◇
玉座の間に用意された巨大な円卓が、今回の対鬼戦略会議の議場だった。曹操、孫権、鳳統の三人が向かい合って座り、各所からの報告を纏めた上で今後の対策を吟味する。
会議は朝食後から始まり、昼食を挟んで続けられている。それほどまでに問題は深刻だった。全ては鳳統の言葉に端を発する。
「今朝方に本国より届きました報告に拠れば、蜀の国境外周において鬼の侵攻行動が活発化しています。すでに六つの村が壊滅し、消息を絶った隊はその倍以上に。鬼は時に百体を越える数で攻撃してくるとも」
各国には既に知れ渡っていることだが、鬼は凶悪にして獰猛。人間を遥かに上回る体躯と能力によって極めて高い攻撃性を発揮し、頭を潰さない限り体に大穴が開いても死なない。
残念ながら並みの兵では数十人がかりで無ければ鬼一匹と互角に渡り合えないのが現状である。個人で拮抗し得るのは武芸を極めた将たちぐらいだろう。
何より天一刀のような、特殊な技能を体得した者が望ましい。
「ふむ」
「如何されましたか? 孫権殿」
「実は呉では建業襲撃の後、鬼の目撃情報はまったく出ていない」
「では、我ら蜀へ鬼が集まってきていると?」
青ざめる鳳統に孫権は首を横に振った。
「奴らは陽動戦術を使うだけの頭がある。今回もこちらを誘導するつもりかもしれん」
建業襲撃の際に鬼達は一つの門へ攻撃を集中させ、迎撃の為に手薄になった他の門から内部へ侵入してきた。単純ながらも立派な陽動だった。
「抱翼殿たちの助力が無ければ、今頃建業は死都に成り果てていただろう」
孫権の一言は曹操に対する痛烈な批判だった。
既に天一刀失踪の報せは鳳統と孫権の耳にも入っている。三国において鬼への切り札と成り得る将は彼をおいて他はあるまい。それを御しきれなかった曹操への言わば「嫌味」である。もっとも孫権の場合は、感情的な部分も大いに混じっているだろうが……
「天一刀一人に頼らねば現状を打破できないなら、私たちは滅びるのみよ」
沈黙を保っていた曹操が口を開く。
会議の結論はすでに出ている。即ち人類が鬼に抗すること、いと難し。
ならば成すべき事も決まっている。いつも通り、自分達の歩む道を阻む障害は悉く打ち倒す。
「桂花! 直ちに各軍の将を召集しなさい、私が蜀への派遣部隊を編成する。鬼の領土侵攻に備えることも忘れるな!」
曹操の言葉は三国が大々的に鬼達の存在を国家の脅威と認め、これと対決することを宣言するものだ。そして此処に同盟の誓約が発動する。
―――――著しい損害を被った国には所属を問わず支援を行うべし。
今、蜀は鬼の侵攻を受けて多大な被害を受けている。これを助けずして同盟の意義は成立しない。
「亞莎、我らも本国から義勇兵を募り蜀へ向かうぞ」
「は、はい! すぐに手配を!」
蜀も支援が届く前に敗北しては本末転倒だ。
「星さん、私たちも国に戻りましょう。今は少しでも戦力を集中しなくては」
「無論だ、雛里よ。身軽な少数でこちらに来て正解だったな」
相手は無量大数かつ個体の質も優れる難敵である。しかし此処に集う同胞達は絶望の気配と無縁だ。生きる意志と活力に溢れる彼らとならばこの危機も乗り越えられるだろう。
(だから、カズト……)
――――――――早く、戻ってきなさい
◇
野を駆け、風を切り、天一刀は当てもなく走り続けた。都の外では彼とて隠れ家のようなものは持っていない。恐らく来るであろう追っ手を撒くために森へ入り、息も絶え絶えになりながら運よく見つけた泉のほとりに倒れ込むのがやっとだった。
しかし恐ろしいのは、全身を襲うものが疲労感ではなく強い快感と戦闘衝動という事か。確かに常人離れした運動の連続で四肢は悲鳴を上げている。しかし同時に天一刀の本能は闘いと、その果てに在る快楽を欲していた。
一つの限界を踏破したならばその次を。それを越えたならさらにその先を。飽くなき欲求が自分の意志とは無関係に肉体を操ろうとする。
「グゥゥゥ……アアアアアアアアアアアアアアァァァァァッ!」
押さえ込まなければ。
「ァァガアァァァァァッ! ォォォォォオオオオオオオッ!」
封じ込まなければ。
人であるために。
人をやめない為に。
もしもここで抗うことを止めたら、後に残るのは厄介な知性を手に入れた猛獣が一匹だけだ。
どれほどの間、転げ、のた打ち回っただろうか。暗闇だったはずの空に太陽が燦々と輝いている辺り、相当な時間は経っていると見える。
「呑まれ……いや、持ち堪えたのか」
「オ、マ……えは!」
寝そべったまま全身で激しく呼吸を繰り返す天一刀を見下ろすように現れたのは、蒼髪蒼眼の男だった。欧州でもまず見られない特徴の白人を、天一刀だけは忘れるはずも無い。
「はぁ、はぁ……はぁ……瓜、大王」
まさかここで会うとは夢にも思わなかった。
あの奈落の底で生きる人間が、この世界に現れるはず無いのだから。
「教えろ……うぅっ……双戦斧はいったい何なんだ? 鬼は何処から来た? 知ってるんだろ、あんた」
聞きたいことは山ほどある。出来るものなら城に連行して拷問してやりたいぐらいだ。
しかし瓜大王は羽織った長裾の上着を弄っているばかりで、天一刀の問いなど特に意に介した様子も無い。怒りを露わにした天一刀に襟首を掴まれても飄々とした態度は変わらなかった。
「嫌でも喋ってもらうぞ、絶対に! 言え!」
天一刀の激昂ぶりに促される形で瓜大王は渋々と口を開いた。
「……双戦斧については話してやる。鬼はまあ、自分で確かめるんだな。あれは元々、お前と銅鏡が原因で生まれたのだから」
「な、何だと!?」
動揺する天一刀を振りほどいて――――確かな敵意を籠めて――――瓜大王は語り始めた。
「双戦斧にはな、持ち主の闘争本能の活性化に呼応して身体機能を劇的に進化させる機能が備わっている。勿論使い続ければ肉体は戦闘の為にのみ特化した形態へ変わっていき、いずれは持ち主の精神にも影響を及ぼすようになる。お前の今の体たらくはそれだよ」
彼の語る内容は天一刀にとってある意味馴染み深く、しかし断じて受け入れ難いものだった。
空想上の産物で『使い手の能力を強化する道具』なんてものは幾らでもあった。見回せばどんな物語に登場する、なんともありふれた物だ。しかし、現物が今此処に在り、自分の体を勝手に作り変えているなどと信じられるはずが無い。
けれど、それで全て合点がいく。ひ弱なホンゴウカズトが今日まで戦場で生き延びてこれたのは、偏に双戦斧の存在があってこそだと。
「これに、そんな力が……」
手元の双戦斧に視線を落とす。幾つもの死線を潜り抜けてきた相棒は、やはり鋭い刃を持つ凶器でしかない。
「使い続ければ、俺は正気で居られなくなるのか?」
「いずれ、な。もっとも気が狂う前に体が壊れるかも知れんが」
「――――――――――上等」
ふらつくことも無く天一刀が立ち上がる。
その眼差しはぶれることなく天に昇る陽を見据えて、口元には不敵な微笑。全身から噴き上がるのは不純物の無い闘志だ。
「いいぜ、行けるとこまで行ってやるさ」
「…………」
「結局のところ鬼を相手に逃げ場は無いんだ。死なば諸共って―――――」
突き出した天一刀の右手が中指を立てようとした瞬間、地割れを起こすほどの激しい地震が二人を襲った。縦横無尽に揺れる大地に体を強かに打ちつけながら、しかし天一刀も瓜大王も状況だけは正確に把握していた。
「「真ドラゴンか!?」」
地中を移動し、これだけの揺れを起こす存在などあれ以外に思いつかない。しかし何故、今になって魏に現れたのだ。
「こっちと協力する気に――――――」
そんな天一刀の予想はあっけなく裏切られることになった。
大地を走る巨大な亀裂から湧き出るように鬼が何体も姿を現したのだ。狙いは明らかに、天一刀と瓜大王。
「なるわけないな」
「まだ頭はイカレてないな、ホンゴウカズト」
「当たり前だろ、瓜大王」
軽い調子で会話をする二人だが、包囲する鬼の数は既に十を超えている。背後にも数匹が陣取り退路は絶たれたも同然だ。
「なら行け、天一刀」
「いいのか?」
返事の代わりに瓜大王は腰から細身の西洋剣を抜き放った。
「じゃあ、お先に失礼するぜぇっ!」
一斉に跳びかかってきた鬼の頭上を飛び越えて、天一刀は一陣の風となって駆け抜ける。目指すは曹操たちの居る首都だ。距離にして十数km程だが見える城壁は遠い。
既に地響きは遠のき、当然のように岩盤をかち割って巨大な龍が都のすぐ側に出現した。咆哮がここまで届くのだ、住民達は軒並み卒倒しても不思議ではない。
いや、問題はアレのすぐ側は鬼の群れがひしめき合っていることだ。
「華琳――――――――!」
急がなければ、と疲れ始めた両脚を叱咤して加速する天一刀の首根っこを何者かが掴んで、ひょいと馬上へ引っ張り上げた。
「カズト、久しぶり〜。半年ぶりやん」
「霞!?」
にい、と笑う張遼が操る駿馬は見る見るうちに速度を上げて都へ接近する。
「そっか、霞は偵察任務だったんだっけ」
「そそ。で、帰り道に地震やと思ったら、あれやもん。まさかウチんとこで出るとは思わへんかったわ」
「とにかく急ごう。あれの中にはたぶん、鬼が腐るほど詰まってる」
◇
真ドラゴンの出現による地震で城壁は至る所で倒壊し、そこを橋頭堡に鬼の大群が魏の都へ雪崩れ込んだ。まさに青天の霹靂、一瞬の出来事で警備隊の対応も追いつかず、たちまち住民の亡骸が街に散乱する。
それでも三羽烏と郭嘉は現場へ急行し、行動を開始していた。
「各隊は生き残った住民を城へ誘導! 楽進、李典、于禁の三人は敵を各個撃破しつつ退路を確保して下さい!」
「了解! 楽進隊は私に続け!」
「まかしとき!……つっても、魏で鬼とまともにやりあったん、ウチらだけやし」
「状況前より酷いの! もうやなのー!」
それぞれ口走りながらも三人は自分の隊を率いて出撃し、鬼の第一波を受け止めることに成功した。市街地でろくろく準備も無しでは僅か数分足らずの防衛戦にしかならないが、その時間で避難民は戦闘区画から大きく距離を離すことが出来た。
三羽烏に本城正門への撤退を指示しつつ郭嘉も後退する。真っ直ぐに路地を駆け抜けて正門を目指す彼女を、驚くべき光景が阻んだ。
「くっ!?」
住居を倒壊させて道を作り、二匹の鬼が郭嘉の進路を塞ぐように出現する。距離は僅かに三歩半。一匹が右腕を大きく振り上げて郭嘉へ迫り……
「ギャアアアォオオオオオッ!?」
頭から股間まで縦一文字に両断され、鬼が断末魔の絶叫を上げる。
「………………まにあった」
「呂布殿!?」
颯爽と侍女服を靡かせて現れたのは呂奉先だ。手にした新造の方天戟『天翼』は天一刀の戟戦斧を模して、李典が呉の設備で製作した武器である。
だが鬼はもう一匹居る。
案の定、呂布の背後から器用に回し蹴りを見舞おうと跳躍した。しかし呂布はそれに気付きながら動こうとはしない。
それどころか、余裕の笑みさえ浮かべたのだ。
「へんしん!」
【Hennshinn】
陳宮と思しき声と共に黄金の奔流が鬼を容赦なく打ちのめし、地に落ちる鬼を背に現れたのは金の蝶を象った仮面の戦士。
「ここはねね……じゃなくて、真・華蝶仮面と恋殿が引き受けてやるので、お前は早く城に行くのです!」
胸を張る真・華蝶仮面に対して郭嘉は笑いを堪えるのに必至だった。
「……感謝します、陳宮殿」
「早くしろなのです!――――――あれ?」
「………………もう、ばれた」
だが戯れもここまで。
向こうから無数の鬼が新たな獲物を見つけて突撃してくる。郭嘉は城へ、呂布と陳宮は鬼の群れへ向かって、まるで示し合わせたように同時に走り出した。
一方の三羽烏は完全に退路を絶たれて居住区の中央へ追い込まれていた。三人とも消耗こそしているが健在、しかしそれぞれの隊の生き残りは五人と居ない。残りは喰われたか踏み潰されたか、定かではなかった。
状況は絶望的だ。
周りは鬼に囲まれ、遥か頭上には巨大な龍。
「真桜、沙和……聞け」
「聞かへんで、囮なんて話は」
「同感なの」
楽進の「我が身を盾に」作戦は立案前に却下されてしまった。
誰かを囮にしてもいずれはまた追い込まれ、同じことを繰り返して全滅するだけだ。末路は既に明らかである。とはいえ、このままじっとしていても鬼に喰われて死ぬ。
進退は此処に窮まった。
「ヌオオオオオオオオオオオアアアアアァァァッ!」
轟く叫びも高らかに、宙空より鬼の布陣のど真ん中へ飛び込む影が一つ。大剣を抜き放ち、痛む体を押して戦場に立つのは夏侯惇その人だ。
「しゅ、春蘭様!?」
「あ、アカン! それだけは!」
「駄目なの〜っ!」
悲鳴を上げる三人に、手負いとは思えない勢いで数匹を薙いで魏武の大剣が吼える。
「お前たちは城に行けいっ! ここは私が引き受ける、長くは持たぬぞ!」
この国家の窮地に夏侯惇が大人しくしていられるはずがない。妹の制止も振り切り、剣一振り持って死地へ向かうことは至極当然のことだった。助けようにも相手は何十という鬼に囲まれている。楽進たちといえど、とても此処へ切り込むことなど出来なかった。
「カズト……お前を追い詰めてしまったせめてもの罪滅ぼしだ。さあ、掛かってくるがいい! この夏侯惇、逃げも隠れもせぬぞぉっ!」
さらに三匹を屠り、だがそれが限界だった。腰から力が抜け、その場に膝をつく。その致命的な隙を鬼達の凶爪は逃さなかった。
「隊長……」
もう間に合わない。
「たいちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
刹那、世界のあらゆる動きが制止した。
楽進の、李典の、于禁の、夏侯惇の――――――そして鬼達の動きさえも停止した。
一方は驚愕によって。
もう一方は、絶命によって。
「!?」
瞬き一つの間に体液と脳漿を撒き散らして鬼達が悉く絶命していく。断末魔を上げる暇もない。そんな中で楽進たちは確かに、空を駆ける一振りの斧を見た。無茶苦茶な軌道を描き、縦横無尽に異形を殺戮し、投擲された双戦斧は持ち主の元へ帰還する。
遥か遠方、城壁の上に立つのは純白の軍服。曹操が自国の職人達を総動員して作らせたという一着を纏う資格を持つ者は、この世に只一人―――――天の御遣いのみ。
その爛々と燃える瞳に宿るものは憤怒か、狂気か。
一つだけ確かなことは、その名だけ。
「姓は天」
彼の者は、天より来たる御人なり。
「名は一刀」
彼の者は、英傑たちの魂を護る剣なり。
「字は抱翼」
彼の心は正義を抱き、天を翔る翼なり。
「この身は悪鬼滅ぼす天の刃!」
敵は質実剛健にして無限数。
対して味方は非力少数なり。
頭上には法外の化生、真ドラゴン。
殺戮と恐怖が充満する都に今、天一刀が帰還した……!
あとがき
ゆきっぷう「悪鬼の群れを引き連れて、ついに魏の都に迫る真ドラゴン! 狂気に蝕まれながらも再び戦場に立つ天一刀! いよいよ私にも物語の行方が分からなくなって参りました!」
郭嘉「書き手が後の展開を把握していないとは……」
程c「ついに責任放棄ですか。お兄さん以上の外道ですね」
荀ケ「大丈夫よ、華琳様が全て解決して下さるわ!」
曹操「あなた達、まず読者諸氏に読破御礼を申し立て奉りなさい! そしてゆきっぷうは斬首!」
ゆきっぷう「え? なに? またギャバッ!」
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天一刀「いい加減学習しろよ、お前」
ゆきっぷう(細切れ肉)「う、うるへー」
天一刀「また華琳の出番減らしっちまって、いい加減死ぬぞ?」
ゆきっぷう(細切れ肉)「ナ、ナニヲイウカ……真打は最後にしか登場しないもんだぜ?」
天一刀「ならいいけど、華琳『次やったら犬の餌にしてやる』って言ってたからな」
ゆきっぷう(細切れ肉)「もう充分すぎるくらい餌になってるぜ…………ところで、さ」
天一刀「ん?」
ゆきっぷう「お前もだけど、華琳様って脚本読んでらっしゃらない?」
天一刀「いや、俺は一応読んだけど―――――――まさか、ね」
ゆきっぷう「まさか、な……」
ユウスケ「今回は『真(チェンジ!)恋姫†無双 孟徳秘龍伝 巻の九(中)』をお読み頂きありがとうございました! それじゃあ、また次回お会いしましょう! 姐さん、お願いします!」
関羽「応! では皆よ、再び戦場で会おう……さらばだ!」
飛び出した一刀だったけれど、まさかの鬼や真ドラゴンの登場にすぐさま帰還。
美姫 「ピンチの時に現れて名乗りを上げる」
熱い展開だ。そして、当然次回は真ドラゴンと対決なんだよな。
美姫 「楽しみよね」
うんうん。そんな次回は……。
美姫 「この後すぐ!」