※ 1. 本作は真・恋姫†無双のネタバレを多量に含みます。
※ 2.真・恋姫無双、魏エンド後のストーリーです。
※ 3.原作プレイ後にお読み頂く事を激しく推奨します。
※ 4.華琳様の涙を拭い去るため頑張ります。
※ 5.一部、登場人物の名前が違う漢字に変更されている場合があります。
『蜀の精兵を苦しめ、万夫不当の将を惑わすは悪鬼の謀略。
阿鼻叫喚の戦場に命を賭して、
我らの天抱翼が往く。』
孟徳秘龍伝・巻の参「称天翼」より
真(チェンジ!)
恋姫†無双
―孟徳秘龍伝―
巻の参・称天翼(上)
「劉備様、関羽様! 申し上げます、魏より応援の兵が参りました!」
本陣の天幕に伝令が駆け込んできたのは夜が明けて間もないことだった。膠着した戦況は悪化の一途を辿り、劣勢を打破する術も見出せぬまま時ばかりが流れていく。
それだけに、魏からの応援は蜀の中核を成す劉備(真名・桃香)と関羽(真名・愛紗)にとって非常に心強いものだった。それも魏へ応援要請の早馬を出してからそう日も経っていないのでは、曹操の迅速な判断と手腕には感服せねばなるまい。
二ヶ月前、内政の研究のため蜀へ派遣された軍師・荀ケ(真名・桂花)もこの報せを受けて劉備の天幕を訪れた。彼女も今回の五胡侵略において劉備に協力し、時には兵を率いて被害拡大の阻止に貢献していた。
「それで、魏の将の名は?」
「はっ。張遼様であります」
その名を聞いて関羽は納得がいった。神速の用兵と名高い張遼ならば、極めて短期間の行軍も十分可能だろう。
程なくして天幕に姿を現した張遼とその補佐と思しき男の姿を見た途端、荀ケは背後に立てかけてあった槍を掴んで暴れ始めた。正直、小柄な少女といった姿見の荀ケはよろめきながらも槍を大振りして補佐役(?)の男へ襲い掛かり、槍を張遼に掴まれると今度はあらん限りの声を張り上げて罵倒し始めた。
「なっ、ななななななななんでここに居るのよ死んだはずでしょこの変態包茎種馬チ○コ精液五年熟成固形物男ぉぉぉぉぉおっっ!!!――――――――――――――言ってて気持ち悪くなってきたわ! 責任取りなさいよ、この変態包茎(以下、繰り返し)」
この豹変振りには劉備も関羽も真っ青だった。まさか魏随一の軍師がこんな語彙に長けているとは思ってもみなかったのである(軍師だからこそ長けている、という一部の見方もあるが)。
(ねぇねぇ、愛紗ちゃん。私もこういう言葉遣い、覚えたほうがいいのかな?)
(その必要は全くありませんから、桃香様。むしろ覚えないでくださいお願いします)
(よ、よかったぁ〜)
何やら劉備たちが百面相をしている間に張遼は乱心した荀ケに当て身を食らわせて黙らせると、何事もなかったかのように口笛を吹いて誤魔化した。暗に「見なかったことにしてくれ」と言わんばかりの白々しささえ感じられるが気にしてはいけない。
「―――――てなわけで助太刀するで、よろしゅうなー」
「はい。霞さんに来てもらえたら百人力ですね!」
「安い、安いで玄ちゃん。ウチが来たからには千人は言ってもらわな」
蜀の王を「玄ちゃん」と呼ぶなど恐れ多いことこの上ないのだが、肝心の劉備はそれを満面の笑顔で受け入れていた。人徳の厚い劉備玄徳だからこそなのだが、これが関羽あたりだと八つ裂きにされかねないので要注意だ。事実、劉備の後ろで彼女は形容しがたい表情で会話を見守っている。
「しかしありがたいことは本当だ。我々だけでは手の付けようのない状況なのだからな」
きゃいきゃいとはしゃぐ張遼と劉備の掛け合いの間に入りながら、沈痛な面持ちの関羽はそう言った。
状況はこうである。
五胡の勢力が陣を構えているのは蜀と西方の間にある、森林地帯と平原のちょうど境目の砦。元々は蜀軍が国境防衛のために運用していたものだが、敵の奇襲を受けて陥落。その後は砦を中心に戦力を展開し、周辺の集落で略奪行為に及んでいる。
問題は砦の正面に構える敵の戦力だった。その数はおよそ三十万で、割り振りとしては前曲に十万、両翼に五万、残りは本陣といった具合だ。諸葛亮らの見立てでは遊撃戦に重点を置いた受けの構えだという。
「んー、でも変やな。伝令の話やと総数百万やなかったんかい? 敵兵は」
「無論その報告に偽りはない。我々が手をこまねいている理由は砦の後方にある」
関羽自ら戦場一帯の地図を広げて指差し説明を始めた。
「敵本陣の後方には、砦に収容し切れなかったと思われる兵が多数野営を行っているのだ。言うまでもなく警戒態勢は万全で、その数も砦の兵と合わせて五十万は下るまい」
「いや、よう集まったなー。そんなに」
「さらに敵の野営地は砦から森を抜ける街道まで飲み込んでいる。恐らく森の中も同様だろう。まさに自然と一体化した要塞なのだ。そしてその数は今も増え続けていて、我々も把握しきれていないのだ」
これだけ大規模に戦力を展開されては蜀も一気呵成に攻め落とすことは難しい。仮に砦を奪回できても、敵兵の大半は森林に逃げ込まれて討ち漏らしになる。そうなれば敵は戦力を結集してまた攻撃を仕掛けてくるだろう。一網打尽に出来なければ問題を根本から解決したことにはならないのだ。
そして蜀軍の兵数は四十万。劉備たちに集められる限界ギリギリの戦力だったが、五胡の前では少なすぎた。
彼女達は今、敵の砦および本陣の防衛戦力と正対する形で布陣しており、前面の戦力は合わせて六万ほど。率いる将と擁する兵の質では相手を上回っているおかげで、戦局を膠着状態にまで持っていくことが出来ている。布陣は正面前曲には呂布を配置し補佐に陳宮が着いている。右翼と左翼にそれぞれ馬超、魏延。両翼の後方には支援部隊として右に黄忠、左に厳顔を置くことで全体的な連携能力を高めている。
なお残りの三十四万の戦力は後方の本陣に付随する形をとりつつ即応待機。敵の略奪部隊が出現した際や、別地域での問題対処に動いているため実質は二十万もないだろう。
余談だが荀ケは劉備の直下で補給線の確保や物資の管理を担当している。他国の軍人があまり表に出るべきではない、と裏方に徹しているのだそうだ。
そこへ、伝令の兵が息せき切って駆け込んできた。よほど火急なのか、入室時の一礼も忘れているほどだ。しかも伝令はもう一人、負傷兵を連れていた。本来ならば叱責すべき関羽だったが、満身創痍の兵とその必死の形相にそれは押し留めた。
「何事か!」
「も、申し上げます! 突如として敵前曲が進撃を開始し、呂布隊が応戦するも敗走!」
呂布の部隊が敗走。
その報告に全員が驚きを隠せなかった。万夫不当の実力を誇る呂布は、その配下も屈強の精兵揃いである。現状の蜀軍において最も優れた部隊の一つと賞しても過言ではないほどだ。
今度は負傷兵が口を開いた。話の流れから察して呂布隊の生存兵なのだろう。
「敵は前曲の戦力をほぼ全て投入し、救援が駆けつける前に我々を飲み込んだのです。陳宮様は敵軍に捕らえられ、呂布様は生き残った兵を後方へ誘導されると……そのまま……ぐううっ!」
背中や腕に受けた傷は決して浅くはない。劉備は負傷兵を下がらせ、伝令に本陣で待機する全ての武将を招集するよう命じた。
「恋ちゃんは、きっとねねちゃんを助けにいったんだね」
眉一つ動かすことなく、劉備は呟いた。
呂布(真名・恋)と陳宮(真名・音々音)はかつて董卓軍に属していた武将である。張遼もその頃は二人と同じ陣営に属しており、互いに見知った仲でもあった。
しかし解せぬ表情のままだったのは張遼だ。
「なあ、愛紗」
「何か?」
「確か一年前の決戦の時、恋は蜀におらんかったよな」
「その通りだ。一年前、あの戦いの前に恋たちは詠と月を連れて脱出した」
決戦の直前、劉備は呂布たちに城から脱出するように命じていた。乱世の中で政権争いに利用され、人生を狂わされた悲劇の少女・董卓を連れて。
「じゃあ、戻ってきたんかい」
「うむ。月の故郷に戻ったのだそうだが、やはり……な。幸い、曹操の英断によって蜀もほぼそのままに平和を取り戻した故、彼女達を拒む理由は何もなかった」
途中、関羽が言葉を濁したのは恐らく―――――故郷からも董卓は追われる身となっていたのだろう。それだけ反董卓連合が行なった風評操作は強力だったという事だ。
「ほな……なんとしても助けなアカンやろ。な、カズト?」
「そういえば、そちらの御仁は何者か?」
関羽に尋ねられ、ようやく本編主人公は台詞を与えられた。
「やっと出番だな! 俺は姓は天、名は一刀! 字は募集中で真名は―――――」
「いや、真名は早すぎやろ」
「おっと危ない。助かったよ、霞」
まるで漫才のような自己紹介に関羽も若干頬を引き攣らせていたが、次の瞬間にはある事実に驚きを見せていた。
「霞は、この者に真名を?」
「せやでー、雲ちゃん。何を隠そう、コイツはあの『天の御遣い』やねん! まー、『魏の種馬』の方が有名やけど」
「こ、こんなどこの馬の骨とも分からん男が、天の御遣い!?」
どこの馬の骨か、魏の種馬です。
関羽の激しい動揺ぶりにさりげなく傷ついていた天一刀であった。
◇
呂布隊敗走の報告から半刻。
劉備の前には本陣で待機していた蜀の猛将たちが集合していた。関羽を筆頭に張飛(真名・鈴々)、趙雲(真名・星)、公孫賛、諸葛亮(真名・朱里)、鳳統(真名・雛里)の六名である。無論、天一刀と張遼もその中にいた。
「わ、私だけ真名の紹介が抜けているぞ!」
おっと失礼、公孫賛の真名は白蓮(ぱいれん)だ。
憤る公孫賛をなだめ、天一刀の自己紹介の後、劉備はまっすぐに全員を見据えて口を開いた。
「もう報告がいっていると思うけど、恋ちゃんの部隊が敗走してねねちゃんが捕まってしまったの。恋ちゃんも敵陣に一人で乗り込んでいってしまって……皆で二人を助ける方法を一緒に考えるために集まってもらったの」
追加の報告によれば呂布は今なお健在で、敵兵を押し退けながら砦へ向かって進攻中だという。増援さえ送り込めれば彼女の安全を確保することはそう難しくはない。ただ先述の通り、蜀軍は敵の機動力を生かした奇襲や小部隊による略奪行為を阻止するために兵力の過半数を展開しており、呂布を連れ戻すためだけに動かせる部隊は無かった。まして攫われた陳宮は恐らく砦内に幽閉されているはずだ。こちらを助け出すなら工作隊を送るか砦を制圧するしかない。そして前衛右翼の馬超、左翼の魏延の二人も呂布を連れ戻すために兵を動かせば、それこそ敵に攻め込まれる隙となる。これまで殆ど動きを見せなかった敵戦力の潜在性に威圧される形で蜀軍は行動を封じられたのだ。
諸葛亮たちの深読みと言えばそれまでだが、現実に在り得る可能性であることも事実。
「桃香様」
「朱里ちゃん?」
「敵はこちらの将を捕らえたまま後退し、陣を敷いて動きを止めています。これは明らかに私たちに攻めさせようという誘いです」
「つまり、罠?」
こくり、と諸葛亮が頷く。
彼女の読む筋書きとしては、敵陣を突破しようと寄せてきた蜀軍に頃合を見て、捕らえた陳宮を盾にしつつ包囲殲滅……といったところだろう。魏の曹操や呉の孫策ならばともかく、仲間意識が強く情に厚い劉備に人質作戦は有効だった。
「雛里ちゃんも、同じ意見?」
「はい。恐らく桃香様の情に厚い心を逆手に取った作戦かと」
張飛と趙雲も渋い顔だ。迂闊に攻められない状況下で煩悶とする感情だけが憤る。
そんな諦めの空気が流れる中、張遼だけが野営地の外へ視線を向けていた。声を潜めて天一刀が尋ねると、彼女は「おお、スマン」と険しい顔つきを解いた。
(それでカズト、エエ考えあるん?)
(まあ、一応呂布を助ける方法なら。霞は何かアテはある?)
(ねねはウチが必ず助けたる、任しとき。カズトは正面から乗り込んだったらエエ)
(応)
二人とも会話に参加していなかったがちゃんと策を考えていたらしい。そそくさと軍議の席を抜ける張遼を背中で見送り、天一刀は大きく、けれど静かに深呼吸。迷いや恐怖を悟られては話を聞いてもらえない。
「劉備さん、俺に考えがある。地図を見せてもらえるかな?」
「ふぇっ? え、あ、愛紗ちゃん。地図、地図」
関羽から戦場一帯を記した地図を受け取り、天一刀は各将の配置を順番に確認していった。それから現在の呂布のおおまかな位置、最新の敵陣形に関する報告を聞き、最後に一同を見回して問いかけた。
「一か八かの勝負になる。それでも聞いてみるかい?」
最初に口火を切ったのは関羽だった。
「ほう。天の御遣い殿はこの状況を打開する術があると」
まず彼女の一声に劉備を除くが全員が驚きの表情を見せた。与太話もいいところの占いに出た天の御使いが、今目の前に居る魏の将だと誰が知り得よう。それだけに彼女達の期待も一気に高まって天一刀にプレッシャーを掛ける。
「もちろん、上手くやれば呂布も陳宮も助けられてなおかつ、流れをこちらに変えることも可能さ」
それに屈することなく、天一刀は高らかに宣言した。曹操が発する覇王の重圧に比べればまだ何とかなる、と言い聞かせて。
「聞きましょう、みんな。私たちじゃ何も思いつかなかったんだもの。駄目元で」
天一刀の心に4ポイントのダメージ。
しかし苦笑しながら彼は説明を続けた。
「まず関羽と張飛が三万ずつ兵を率いて敵の左翼と右翼に斬り込む。敵の正面部隊は無視してね。敵は基本的に半月型の陣形だから、当たり方さえ間違えなければ一気に押し込めるはず」
「おー、腕が鳴るのだ」
「り、鈴々。まだ決まったわけではないのだぞ?」
逸る張飛を関羽がたしなめる。
「二人は敵両翼を徹底的に叩いて、敵に中央から増援を引き出させるんだ。馬超と魏延はこの増援に備えて即応待機。万が一、関羽たちが危なくなったらすぐに駆けつけてもらう」
「おーおー、ますます腕が鳴るのだ!」
「だから、まだ決まったわけでは……」
血が滾って仕方ない張飛は、ぶんぶんと獲物の矛を振り回し始めた。
「そして手薄になった中央を救出部隊が強行突破して呂布を救出する。救出部隊は来た道をすぐに引き返して、あらかじめ前に出てきた本陣と合流。全軍で一気に敵を殲滅する。後方右翼の黄忠と、左翼の厳顔は全体の援護に廻ってもらう」
「おおおおおおお! 腕が鳴りまくるのだ、すぐに作戦開始なのだー!」
「だから、まだ!」
暴れ始めた張飛をついに関羽が取り押さえに掛かる。他の面々も天一刀の考えた作戦に異議はない様子だ。しかし、趙雲だけは食い下がった。
「だが天一刀よ。おぬしは二つほど見落としておる。陳宮の件と、救出部隊の人選だ」
「救出部隊は一番危険が伴うからね。これから有志を募るところさ。それから敵が陳宮を盾にする可能性は確かに高い。けど、すぐに殺されることは無いはずだ。だって本当に殺してしまったら、せっかくの盾を自分で捨てるようなものだから」
人質を盾にすれば相手は攻撃の手を緩めざるを得ない。しかし盾にした側は、人質を下手に捨てることが出来なくなる。捨てれば一層激しい攻撃が押し寄せてくるからだ。
そういう意味で天一刀の作戦は巧妙であった。敵を追い詰めれば逆上して人質を殺してしまう可能性もある。だからこそ相手を攻め立てるが、追い込みはしない。敵に「まだ人質を使わなくても……」と思わせるギリギリのところを突こうとしているのだ。本人がどこまで意図しているかは分からないが、上手い手だと諸葛亮は内心舌を巻いていた。それでも実際、盾にされてしまえばこちらも手出しが出来なくなる。その前に敵の目を外へ引きつけ、
「それに陳宮を助け出す手は打ってある」
「うむ?」
「霞……張遼がさっきから居ないの、気付いてるだろ?」
別働隊の入り込む隙を作るのだ。
おお、と一同から感嘆の声が漏れた。いや、誰も気付いていなかった方が問題だろうが、それでも神速の用兵術を使う張文遠だからこその早業であった。
それでも趙雲は引き下がらない。
「天一刀、まだこの作戦は採用されたわけではないぞ。にも拘らずおぬしは張遼を動かしたのか?」
「ああ、そんなことか」
にやり、と天一刀の口元が吊り上がった。
「別に採用されなかったら俺と霞だけでも助けに行くだけさ。呂布も陳宮も霞の大事な戦友らしいしね、助けない理由は無いよ」
「では救出部隊は」
「俺が指揮を執るつもりだよ」
もはや趙雲に問うべきことはなかった。この男はやる、と言ったのだ。張遼が付き従っているという事実や天の御使いの存在感など関係なく、ろくに面識も無い人間を「仲間の友達だから」という理由だけで助けに行こうと言う。
しかも、最悪単身で乗り込むなどもはや無謀でしかない。命を賭けねばならぬ義務も義理もないはずだが……
「みんな、私は天一刀さんの作戦を採用しようと思います。たとえ無茶でも無謀でも、仲間を見捨てるわけにはいかないもん」
無茶でも無謀でも、仲間は見捨てない。
それが劉備玄徳の意地であり、その心に惹かれて彼女達は蜀の旗の下に集ったのだ。その志を貫かずして何を正義と掲げるのか。
「確かに、今のまま何もしなくても状況は変わりません。ですが行動を起こせば何かを変えることは出来るはずです。試す価値はあるかと」
見た目幼い少女の諸葛亮は、しかし軍師の貌で淡々と自分の意見を述べた。冷酷とさえ思えるそれは、軍師という職務を全うせんが為のもの。いや、この場に居る誰もが己の感情を押し殺してまで一軍の将たろうと振る舞っているのだ。誰だって呂布と陳宮を、大切な仲間を見捨てたくは無いはずである。
そこへ救い出すための策が用意されたなら―――――例え勝機が万に一つも無かったとしても―――――乗らない手は無い。
「鈴々はそれでいいと思うのだ」
「さて星よ、おぬしはどうする?」
ほくそ笑み、関羽は悠然と問いかけた。
◇
蜀軍・本陣の裏手で、張遼は得物の飛龍偃月刀を片手にじっと一本の木を睨んでいた。やがて陣の中が出撃準備で慌しくなり始めた頃、
「私に、何用ですか」
一人の少女が音も無く木陰から現れた。
足元まで届く黒髪に金色のはちがね、背負った長刀。全身を暗い朱色で統一した衣装は、天の国で言うところの侍を髣髴とさせる。しかし彼女は実のところ工作員であり、三日前から誰にも気付かれることなく蜀の本陣を監視していたのだ。関羽も張飛も、趙雲さえも気配を察知できなかったほどの達人だが、同じく神出鬼没を得意とする張遼には見抜かれてしまっていたようだ。
「ウチの名は張遼。魏の将や。アンタは確か呉の周泰」
「そうです」
「一人やろ。どないして、隠れとったんや」
張遼の目は、態度はあくまで平静を保っている。恐ろしいほどに平坦な口調は、裏を返せば返答次第で斬り捨てると言わんばかりの苛烈な意思表示でもあった。
「私は先行偵察です。あと三日もすれば蓮華様の本隊が応援に到着する予定でした」
「なるほどなぁ。高みの見物しとったら風向きが変わって、悠長にしとれんくなった、と」
こくり、と周泰(真名・明命)が頷く。本隊が三日で到着する距離となると、指示を仰ぐためとはいえ簡単に戻れるものではない。
「それで、貴方様に来てもらったのです。霞様」
「ふん。わざと気配出しとったってわけかいな。ま、敵さんに呉まで来とることは知られたくないし」
再び頷く周泰。
「霞様にお願いがございます」
「言うてみい」
「この戦において、私を貴方様の指揮下に入れて頂きたいのです」
これには張遼も驚いた。
呉の将はいずれも誇り高く、今の三国連合でも例え共闘はしても他国の将の指揮下に入ることは無かった。己の武を何より重んずる彼女達にとって、それは当然のことなのだろう。
もっとも魏・呉・蜀の連合は上下を問わぬ対等のものである以上は、別段問題にもならないのだが。
「それは誰かの指示かいな」
「いえ。現状で最良と私が判断しました。後で冥琳様からお叱りを受けるやもしれませんが、今蜀の守りを抜かれてしまえば次は呉が危ない。ここで押し返すことが重要かと」
その独立した行動力こそが間諜にとって最も求められるものである。自国と密に連絡を取り合えない他国の領内で、自国の為に何を為すべきかを判断できる思考力が無ければ間諜としての役目など果たせないだろう。
「わかったで、明命。ウチも、そのためにここへ来たんやからな」
「ありがとうございます! それで、私たちは何を?」
「きまっとるがな! 耳貸しい……ごしょごしょ」
身長差のある二人が顔を寄せ合い、内緒話である。
「……もしょもしょ……本当にやるんですか、それ」
「……うしょうしょ……やらなあかんのや、これは」
「なら……はしょはしょ……っていうのはどうですか」
「おお……てしょてしょ……って感じで合わせるで」
「分かりました。でも……ゆしょゆしょ……な時は?」
「忘れとったわ。うし……にしょにしょ……でええやろ?」
かくして二人の(意味不明な擬音による)内緒話は延々と続くのであった。
◇
「耐え忍ぶ時は終わった! 関羽隊、突撃せよっ!」
「徹底的に叩き潰すのだ、鈴々に続くのだ!」
関羽と張飛の部隊が敵の両翼に斬り込んでいく。
部隊の編成は先読みをした鳳統と公孫賛が手配をしてくれていたおかげで、一刻もかからず出陣へと至った。それでも短時間で計六万の兵員を編成する二人の手腕は大したものである。
「さて……あとは俺、だね」
馬に跨り、天一刀は震える手を双戦斧に当てた。
一人で戦場に挑むことなど初めてだ。結局、救出部隊の有志は集まらなかったのである。敵陣中央突破など、誰も進んでやりたがる仕事ではない。
それでも彼はやめなかった。これぐらいのことをやってのけなければ、曹孟徳の側近としては認められまい。曹操が、では無く周りの人間が、だ。
何より呂布をこのまま放置することも出来なかった。一年前の戦乱の中、呂布たち蜀の武将たちに曹操が取り囲まれた時と状況が重なって見えたのだ。曹操は助けて呂布は助けない、という理由は無い。何より見捨てるという行為自体に耐えられない。
(――――――よし、行くか)
覚悟は決まった。すでに敵陣の中央からは両翼へ増援が移動を始めている。機を逃せば呂布も関羽たちも危ない。
「待てぃっ! 天一刀!」
呼びとめる声に馬上から振り返る。
彼の背後には五百人ばかりの兵と、槍を掲げ彼らを率いる趙子龍の姿があった。
「ちょ、趙雲!? それにこの兵士たちは……」
「呂布隊の生き残りだ。皆負傷兵だが、この戦にじっとしておれぬそうだ」
確かに天一刀は有志募集の折、負傷兵に声はかけなかった。まさかそこが盲点だったとは……
「天将軍! 我らも共に参ります!」
「万夫不当の呂布隊に、敗走の汚名を返上する機会を!」
「天将軍! 天将軍!」
自分を呼ぶ呂布隊およそ五百余名。いずれも槍や太刀や弓で武装し、その眼は闘志に爛々と輝いている。とても打ち負かされ、憔悴している様子は無い。
「―――――――よし、出陣っ!」
頷き、天一刀は眼前の戦場を見据えた。
馬に鞭をくれ、全員が駆け出す。走りながら天将軍の指揮が飛ぶ。
「趙雲、先陣を頼む! 俺は呂布隊の指揮に回る!」
「心得た! 守って見せよう、天の御遣いを死なせるわけにはいかぬ故な!」
「突入後、呂布隊は連携して前進! 俺と趙雲で呂布を引っ張ってくるから、それを援護だ!」
『御意!』
敵中央が徐々に迫ってくる。呂布隊はやや速度を落として天一刀の後方へ回り、突入に備えた。
「趙雲! 突入するぞ!」
「応!」
降り注ぐ弓矢を趙雲の剛槍が一薙ぎで払い落とした。
次の一薙ぎで最前衛を固める槍兵の首を、軽く十は刎ね飛ばす。
彼女の開いた道を呂布隊の前衛が深く抉り、押し広げてさらに後続が雪崩れ込んだ。追いすがる敵だけ斬り捨て、天一刀と趙雲が先行する。
「退け退けぃっ! 我が槍の前に立って命は無いぞ!」
「左側の敵陣が薄いぞ! 呂布隊、俺に続け!」
だが陣内を進めば進むほど、来た道は敵によって塞がれてしまう。
「天将軍! 退路を塞がれました、数が違いすぎます!」
「遅れて来る本陣の劉備に任せろ! 諸葛亮ならこれぐらい見抜いているはず、俺たちは前に進むことだけを考えるんだ!」
「御意!」
伝令を走らせ、横合いから斬りかかる敵兵を双戦斧で弾き飛ばす。張遼との特訓は決して無駄ではなかった。彼女や夏侯惇の強すぎる殺気を受け続け、戦場の空気を知る天一刀の体は、本人も気付かぬうちに並みの敵ではおいそれと怯まぬほどになっていたのだ。
張遼は確かに手加減はしていた。しかし手心は加えていなかった。打つ時は殺意を込めて打ち、斬る時は必殺となるように斬った。そんなことを毎日繰り返していれば、感覚も徐々に慣れてくるというものだ。
戦場において新兵が戦死する最大の理由の一つが、混乱である。相手の殺意を前にして冷静になれることが、生き残るための第一歩なのだ。
(霞には改めて感謝だな……!)
敵陣を突き抜け、辛うじて生き延びている自分に歓喜する。
とはいえ慢心する余裕は無い。行きは楽々帰りが怖い、ここからが正念場なのだ。
「恋、無事かぁっ!?」
趙雲の呼びかけに、満身創痍の背中が頷き応える。
だが味方の救援にも振り返ることなく、飛将軍・呂布は城壁の上を見据えたままだ。天一刀たちも倣って見上げると、そこには縄で縛られた陳宮が吊るされていた――――――!
続く
あとがき
天一刀「俺、ようやく出陣!」(某平成ライダーのごとくポージング)
荀ケ「そのまま戦死なさい。骨は拾わずに森に捨てておいてあげるから」
天一刀「ふん! そうはいかないぜ、なんたって俺が活躍するのがこの『真(チェンジ!)恋姫†無双』だからな!」
荀ケ「何言ってるの!? 副題は孟徳秘龍伝、つまり華琳様が主役のお話なの、だからアンタなんか必要ないの!」
ゆきっぷう「そうだ、そうだー! かーえーれ! かーえーれ! かーえーれ!」
天一刀「書いてる本人が帰れコールとかおかしいだろ!」
ゆきっぷう「えー? だって俺、お前嫌いだし」
天一刀「書いてる本人に嫌いって言われた!?」
ゆきっぷう「黙れ! 元々は貴様が魏ルートのラストで勝手に消滅したのがいけないんだ、よくも我らの華琳様を泣かせおって! だいたい呉ルートで責任とって子ども作ったのは巨乳が多いからか!? 乳か、乳がいいのかこの変態め!」
曹操「いい加減死ね、アンタ達は!」
ゴス! バキ! ドカ! ブシュッ!
曹操「この度は『真(チェンジ!)恋姫†無双を読んでくれてありがとうございました。私の部下と所有物と、あとまったく関係ない未確認生命体が好き勝手やっていたけど気にしないで頂戴』
趙雲「ではまた次回会おう! さらば!」
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曹操「ところで星。どうやったら胸は大きくなるのかしら」
趙雲「恋人に揉ませ吸わせると良い、と聞くが?」
曹操「さあ……私は一向に大きくならないのだけれど」
趙雲「……それは恋人ではなく所有物だからでは?」
曹操「――――――――はっ!?(天一刀を見る)」
以下、お馴染みの人物紹介
荀ケ(真名・桂花)
魏の軍師の一人。第一章から登場し、曹操に喧嘩を吹っかけて自分を認めさせて軍師になった凄い人。でも中身は男嫌いでド変態のMさんだったりする。とはいえ軍師としては優秀で魏の屋台骨として乱世終焉まで活躍した。たぶん郭嘉と程cが来なかったら過労死していたはず、こう「ホンゴウカズ……」みたいなダイニングメッセージ残して(勿論冤罪)。
曹操にお仕置きしてもらうためなら平然と仕事でミスをするちょっと困った一面も。ただ度が過ぎたため、本当のお仕置きとして曹操に命じられたカズトに襲われたりした。
戦闘はからきしだが智謀に長けており、戦の作戦立案から部隊指揮、内政全般に他の将の教育まで何でもござれの万能人。根本的に仕事と私事を別けており、普段は罵倒しているホンゴウカズトでも、彼の知識と応用力だけは認めていたようである。
ホンゴウカズトの死に一番影響を受けなかった人でもある。むしろ「わーい! あの男が死んだおかげで華琳様を独占できるわ、うっふっふ!」みたいな感じでパワーアップ。あと、蜀と呉との間で外交官のような役目も果たしていたようで、特に内政面で諸葛亮や周瑜と勉強会を開いて絶えず向上を図っていた。
さあ、その智謀でホンゴウカズトを抹殺するのだ! 荀文若!
荀ケ「言われなくてもそうするわ! フッフッフ……前に旅の変人から教わった最新式落とし穴を使えば――――――」
劉備(真名・桃香)
蜀の王。「お人好しが服を着て歩いている」「他に類を見ないほど変わっている」「まるで王に見えない」など、威厳ゼロ胸だけデカイの王様。しかしその魅力・カリスマ性は本物で、またその信念に賛同して多くの人材・将たちが集まった。『人の和』によって蜀は躍進を遂げたといっても良いほど。
だがその『皆が仲良く』という美しすぎる信念は、後に現実との矛盾となって彼女を苛むことになる。対話を望みながら剣を振るい、正義を掲げながら策を弄する。乱世においてもっともその心を砕いた人物の一人だろう。
魏ルートでは最終決戦時に曹操と城門前で一騎討ちをし、長く胸の内に秘められていた王の苦悩を吐露した。甘くぬるま湯のような理想では導けなかったのか。少なくとも、己の信念の為に恋人の命さえ捧げた覇王の覚悟には及ばなかったのだろう。
蜀ルートではホンゴウカズトを巡って関羽との三角関係に発展して、ついには二人まとめて面倒を見てもらっていた。あの男、本当に……本当にくたばってしまえぇぇぇっ!
荀ケ「同感ね。髪の毛一本残したくないわ」
関羽(真名・愛紗)
蜀の武将。日本で最も有名な三国志の登場人物の一人。代名詞とも言うべき長い髭がポニーテールに変換されているのは周知の事実。乱世の中で張飛と共に盗賊を討伐するなどして村々を守っていたが、劉備に出会い別の生き方を見出した。以後、劉備玄徳の理想を実現するために武を振るう。
その実、物凄いツンデレで人見知り。特に初対面の人間は邪険に扱うことも多く、呉ルートの反董卓連合時には劉備を訪ねてきた孫策を激昂させたほど。ただ一度認めるとコロッと態度が変わったりもする。特に呂布に対しては過保護すぎる。つまり、デレ。孟徳秘龍伝では天一刀をどれだけ邪険にあしらうかがポイントだが、そんな暇はもう無さそうで……いや、まだ諦めるものか!
魏ルートでは最終決戦で曹操に敗れた後、彼女の采配により蜀の劉備の下で今まで通り他の家臣と共に働いている。
蜀ルートではホンゴウカズトを巡って劉備との三角関係に苦悩していたが、劉備の提案によって『二人仲良く〜』路線に突入。マジで死にやがれ、クソッタレ!
荀ケ「馬鹿に付ける薬は無いってことよ」
張飛(真名・鈴々)
蜀の武将。日本で最も有名な三国志の登場人物の一人。武器以外面影が全く残っていないほど、強力なロリキャラに変換されてしまっている。ゆきっぷうが思わず絶句した恋姫キャラの一人でもある(んなバナナもとい馬鹿な、という意味で)。
コリンという犬を飼っている。
非常に大飯喰らいである。
めっぽう強い。
……あ、書くこともう無いや。何せまんま小○生な体格と性格だったものだから、最後まで攻略を躊躇っていたんだもん。
蜀ルートでは良く分からんうちにホンゴウカズトと恋人(?)関係になっていた。黄忠よ、厳顔よ……焚き付けるのも程々にしてたもれ。
荀ケ「もう見境無いわね。性犯罪者のほうがまだ分別があるわよ」
諸葛亮(真名・朱里)
蜀の――――以下中略―――――超絶有名軍師。ゲームによってはジーザス・クライストみたいなおっさんで、仙術っぽいものを使ったりするが恋姫では「はわわ~」なロリっ子軍師である。相方の鳳統とともに『はわわ・あわわ軍師』の異名をとる。むしろ芸名?
はっきりいって重犯罪クラスのカワユサを誇るが、残念なことに彼女は腐女子。八百一本なる書籍を求めて書店の発展に力を入れ、また高くて薄い本に目が無いなど怪しい噂は絶えない。ゆきっぷうも『腐』属性持ちだが、諸葛孔明とはそりが合わないんだとか。
周瑜、黄蓋らと連携した一連の策を見破られ、赤壁の戦いで大敗した。きっと八百一本を読みすぎたんだよ。
蜀ルートでは鳳統と仲良くホンゴウカズトに襲われていた。まったく朱里は男を甘やかすタイプだな〜。
荀ケ「彼女は将来、男性問題で苦労するわね。今のうちに色々教えてあげるべきかしら?」
鳳統(真名・雛里)
蜀の軍師。真になって登場したキャラの中で一番際立って光っていたが、残念なことに攻略は諸葛亮とセットだった。きっと単品だったら良かったのにナー、と思いつつ多局面対応の戦術でプレイヤーをサポートしてくれる。内政にも長けており、諸葛亮らと共に蜀の政治を担った。
昔から純で初心な少女だったが蜀に参戦後、孔明の罠によって腐女子化したという報告がある(真偽は定かではない)。
蜀ルートでは諸葛亮と共にホンゴウカズトの愛人(?)になっていた。だからセット商法はイカンとあれほど……
荀ケ「艶本を読むぐらいなら、華琳様の寵愛を受けるべきだわ。あんな性欲の権化みたいなのにどうこうされるより、絶対幸せよ」
公孫賛(真名・白蓮)
元々河北四州の一帯を治めていたが、後に袁紹に滅ぼされ蜀へ流れ着く。真になって真名をゲットし、見事攻略対象ヒロインへ昇格した凄い人。そういう意味では華琳様の次ぐらいに凄いのではないか、とゆきっぷうは考えている(前作はもちろんプレイしちゃいない)。
兎にも角にも普通の人。なんでも並にこなす器用貧乏だが、そこに愛着を感じるプレイヤーは少なくない。少なかったら増やそうぜ?
河北四州を治めていた頃、白馬の部隊を率いていたことから白馬長史の異名を持つ(本人は好ましく思っていないようだ)。その実力は本物で、特に馬の扱いにおいては馬超と互角とも言われるが……あれ、特技あるじゃん普通の人。
また蜀の街に華蝶仮面なる連者が現れると白馬仮面(もしくは仮面白馬)を名乗って対抗していた。
蜀ルートでは秘めていた想いを打ち明け、見事結ばれる。そのまま結婚して妻に娶っていたらよかったのだ、あの変態絶倫男め。
荀ケ「一番妥当な……もとい順当な人物ね。彼女一人の犠牲で華琳様が救われるのなら全然良かったのに」
趙雲(真名・星)
蜀の武将で、かつては公孫賛に仕えていたが時代の流れから劉備に乗り換えた経緯を持つ。さらに公孫賛に仕える前は郭嘉と程cと共に、見聞を広めるための旅をしていた。非常にフットワークの軽い人物で、蝶のように掴みどころの無い性格。
この時代における前田慶次のような傾奇者ともいえる人物像を持ち、その信念と求める正義故に仲間たちと対立することもあった。また自身を未来の人間と名乗り、未来を知るからこそその行いに迷いを見せるホンゴウカズトを「自惚れるな」と叱責し、正史における趙雲の活躍(劉備の子を助け敵陣を駆け抜けた)を聞けば「主の子を孕んで敵陣を駆け抜けた、の方がよほど良い」と豪快に笑い飛ばしていた(蜀ルート)。
魏ルートでもその一本気ぶりは健在で、乱世終焉の後も蜀に残りながら各国の将と交友を深めている。
荀ケ「一番油断ならない奴だわ。何があっても横から全部おいしいところ掻っ攫っていくのよ……! あ、でもあの男を持っていくなら喜ばしい限りね」
周泰(真名・明命)
呉の武将で破壊工作・隠密活動のスペシャリスト。ゲリラ戦においては呉陣営最強ともいわれ、彼女に潜入できない場所は無いのだとか。愛用の長刀一振りで戦場を縦横無尽に駆け抜け、また孫権の窮地にはその身を挺して守り抜いた武人でもある。
猫が大好き。「お猫様」と呼び慕い、顔を埋めてモフモフするのが趣味。呉ルートでは猫の結んだ縁でホンゴウカズトと結ばれた。まあ、猫に罪は無いからね。
甘寧と一緒でふんどし着用ヒロイン。服の丈が短いので、っていうかいや、見えてる! 見えてるよ明命ィィィィィィィッ!
荀ケ「優秀な間諜は国の宝よ。そんな傑物に手を出すなんて、命知らずというか……」
いよいよ一刀も出陣か。
美姫 「これが将軍としては初陣になるのね」
果たして、ちゃんと功績を挙げられるのだろうか。
美姫 「と言うか、是が非でも挙げないといけないんだけれどね」
さてさて、どうなるかな〜。
人物紹介を見る限り、ここで挙げれない可能性もあったりして……。
美姫 「否定しきれないわね」
で、今回も人物紹介が。いや、桂花さんや、「……」を書く間に「ト」ぐらい書けるだろうとかいう突っ込みは無視して。
美姫 「いやいや、アンタが勝手に言っているだけだから」
やっぱり、一刀はこの戦で功績を挙げれないかも、と思わず思ってしまうな。
美姫 「さて、実際はどうなるのかしらね」
次回も待ってます。
美姫 「待ってますね〜」