※ 1. 本作は真・恋姫†無双のネタバレを多量に含みます。
※ 2.真・恋姫無双、魏エンド後のストーリーです。
※ 3.原作プレイ後にお読み頂く事を激しく推奨します。
※ 4.華琳様の涙を拭い去るため頑張ります。
『我が覇業は天を味方に付け、磐石の布陣において大成せり。
その道程にて万人に勝る将達をただの一人と失うこと無し。
されど我、最愛の者を天に奪われん。
我が覇業にただ唯一の欠あらば、即ち其れ也。』
孟徳秘龍伝・序
そう紙に書き綴り、件の曹孟徳は筆を置いた。夜の暗さを照らす蝋燭の長さはまだ十分ある。
一年前に呉と蜀を下して覇業を成し遂げて天地に名を轟かす覇王となった曹操は、ようやく書き始めた自伝の前書きで躓いていた。魏の三国統一は即ち、曹操と共に乱世を駆け抜けたある男の物語でもある。彼の存在無く曹操は今この場所にはおらず、否――――生きてすらいなかっただろう。
蜀呉同盟との大決戦であった赤壁の戦いで、その男の先見の明が無ければ恐らく覇業の夢は潰えていたはずだ。
「まったく……逝ってからも困らせるなんて、大した男ね。カズト」
忘れることなかれ、曹操は女性である。金糸の髪を左右で結わえて優美に円を描かせ、その鋭い眼は百里先の敵将を射抜く。その頭脳は戦場のみならず内政にも長けており、彼女の治世は超大国を背負う今でも完全無欠と呼ぶ声高い。
しかし優秀であったあまり、かつては『乱世の奸雄』とも仇名された。それでも己の内の信念と天命に従い、道を阻む強敵を正面から全力で叩き潰していく曹操の姿には一切の感情はなく、ただ単純かつ冷徹なまでの判断基準があるのみ。
友を愛し慈しみ、敵は容赦なく踏み潰す。
利用できるものは全て取り込み、不要なものは未練なく切り捨てる。
そうして掴み取った天下は、実の所は三つに分かれている。
南方の地域は呉の孫策を中心に、西方の地域は蜀の劉備を中心に治められていた。三国統一を成した曹操の下した結論は、やはり使えるものは使うという徹底した考えによる。つまり民にとって良い為政者ならば曹操でなくとも良く、最終的に彼女に刃向かい天下を乱すことがなければそれで良い――――という何とも現実的なようでご都合主義的なもの。
とはいえ実際、それぞれの土地の民衆にとっても曹操という余所者より劉備や孫策といった今までと同じ指導者と国という態勢が好ましかったようだ。統一から一年が過ぎたが大きな問題などは起こっていない。まあ、ほとんど元の鞘に納まっただけなのだからそうそう起こりようもないのだが。
従って現在の敵と呼べる存在は今なお抵抗を続ける一部の弱小諸侯と、五胡の勢力であった。この一ヶ月で急に国境付近での目撃情報が増えたため、警備態勢を強化したばかりだが恐らくは付け焼刃にしかなるまい、と曹操は踏んでいた。
五胡の軍勢は手強い。時にこちらの予測を上回る行動を起こすのだ。今回も何がしかの策を用いているに違いない。
とはいっても守る側にいる曹操に彼らの手の内など分かるはずもなく、対応が後手となることは目に見えている。ならばその後手を如何に早く打つかで勝負は決まるだろう。
ふと見やれば半分もあった蝋燭の長さは殆ど残っていなかった。随分長く思慮に耽っていたと見える。
「さて、寝ましょうか」
今宵も胸に穿たれた空虚を抱いて床に入る。
あの男―――――ホンゴウ・カズトの唯一の置き土産である。注がれた愛も、注いだ想いも、残された者にとっては甘美で虚ろな記憶でしかない。
そんなことを考えながら掛け布団に指をかけた刹那、侍女の甲高い悲鳴が曹操の思考を打ち切らせた。悲鳴はたちまち断末魔に変わり、その数は二つ三つと増えていく。
(殺気!?)
愛用の大鎌を抜き放ち、自室の戸に添えていた左手を慌てて引き戻す。その一瞬後に戸はズタズタに破壊されて彼女の体ごと弾け飛んだ。
「くぅっ!」
辛うじて受身を取った曹操だったが、目を開ければすでに三人の兵に取り囲まれていた。異様な黒衣の鎧仮面を纏った彼らは、見るからに異民族の者である。推察するに五胡の手勢であろう。
振り下ろされた長剣を大鎌でいなしさらに後方へ跳び下がり、大窓にぶつかった。すでに退路はなく、間髪入れずに返す刃で暗殺者の先頭が曹操の首を狙う。
窓を開けて飛び出すか? 否、開ける間に首は胴と離れてしまう。
窓を突き破るか? 否、崩れた態勢からの体当たりでは威力が不十分。
玉砕覚悟で前に出るか? 否、多勢に無勢である。
(今は時間を稼ぐしか、ない―――――!)
首を狙う長剣を鎌で受け止めるが、獲物が獲物ゆえに大立ち回りになってしまう。障害物の少ない屋外ならばともかく、家具など雑多なものが多い部屋の中では思う様振るうことなど出来なかった。
次第に追い詰められ、敵の切っ先がついに喉元へ迫る。反撃の一手も打てぬまま、部下の助けが来る間もなく、こうも簡単に死んでしまうのか。この覇王が! この曹孟徳が! 天命さえ己が物とし、この世を統べる自分がここで終わってたまるものか!
「舐めるな……下郎!」
気合を込め、切っ先を押し返す。目の前の相手とは拮抗したものの、しかし他の二人が加勢に来ない。恐らく邪魔が入らぬように周囲を警戒しているだけだろう。つまり、応援が来ても助かるわけではない。
さらに悪いことに、こういう手合いは目的達成のためならば自分の命さえ惜しまないだろう。如何に劣勢に陥ろうとも曹操の首さえ取れればそれで良いのだ。
「ぐぅ!?」
不意に腹部を猛烈な衝撃が襲った。剣に気を取られていた隙に敵は彼女の脇腹へ鋭い回し蹴り叩き込んだのだ。鎌を支える力を失い、その場に膝を着く曹操の首を刎ねんと敵兵が長剣を振りかぶる。
もはや逆転の機はない。
ただ示された末期。
あの男は歴史が変わったと言った。
正史ではないこの世界の行く末は闇の中。
あるべきではない史。
滅ぶべし。
亡ぶべし。
ホロブベシ!
ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ!
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ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ!
ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ! ホロブベシ!
刹那、兵の眼が曹操に告げる。
『ホロブベシ』と。燃え盛る獄炎のごとき妄念となって、その言葉は兵を突き動かしていた。
振り下ろされる凶刃。
襲い来る死。
逆らえぬ運命。
「カズト……」
終幕の時。
「カズト」
叫べど救いはなく、呼べど応える声は―――――――
「カズトォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
声は――――――――
「華琳――――――――――!!!」
打ち折れる鋼の悲鳴と共に鼓膜に響く肉を引き裂く音。思わず首に触れた指には確かな感触。曹操の首は未だ健在である。顔を上げれば頭から両断された敵兵の体が左右へ弾け、その余波で床が陥没……いや、抜けた。
「きゃ、きゃあああああああああ!?」
重力に引かれて落下する曹操は階下の床になんとか着地することに成功した―――――かに見えたが、さらにその床も抜けてさらに下の階へ。その際に鈍い「ドゴン」という嫌な音が聞こえたのであったが気にしてはいられなかった。
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舞い上がった粉塵が収まり、晴れた視界に安堵しながら曹操は強かに打ちつけた腰を擦った。難産型と言われようとも覇王の後継を生む大切な体である、大事があってはならない。とりあえず痛みがすぐに引く訳でもないので片手で擦りながら状況を確認する。
首を刎ねられる寸前、確かに彼女は「華琳」と呼ぶ声を聞いた。「華琳」とは彼女の真名であり、これで彼女を呼ぶことが出来るのは許された一部の側近達ぐらいなもの。まして様付けもせず呼び捨てる不届き者はこの世に一人しか居なかった。
そう、居なかったのである。
「…………」
目の前には、頭から床に突き刺さった人間。恐らく男だろう。歳は若く、背はやや高め。それなりに引き締まった肉体だが、極限まで鍛えられたそれではない。傍らに落ちている両刃の戦斧が不釣合いなほど貧相な肉付きであった。
やや間が在って、謎の人物は自力で頭を床から引き抜いた。ぶるぶると首を振ってついた埃や汚れを払うと、その視線が曹操とぶつかって……
「やあ」
臆面のない笑みを浮かべて男(やはり男だった)は笑った。
別れた時と変わらぬ黒髪、間抜け面……そして優しげな眼差し。夢か幻か、自分を救った天の御遣いは以前と同じ姿。
彼はおもむろに立ち上がると、落ちていた戦斧を拾って正眼に構えた。考えてみれば敵は少なくともあと二人はおり、いずれも精鋭兵となれば油断は出来ない。
直後、轟音と共に青年の直上から大剣が振り下ろされ、刃風に再び粉塵が舞い上がる。戦斧を振り上げるのが僅かでも遅れていればそのまま斬られていただろう、というギリギリのタイミングだった。
まさに疾風迅雷の攻めを受けて曹操も青年も身を強張らせた。生きるか死ぬかの瀬戸際ということもあるが、何より打ち合った相手から発せられる凄まじい闘気に気圧されているのだ。
しかしそれも僅かな間のこと、粉塵の向こうに見えた姿は曹操にとって見慣れたものだった。
「春蘭?」
「ふぁははははははっ! 華林様の寝所を狙う賊など、この魏武の大剣である私がすべて成敗してくれるわ! 貴様の仲間もすべて、そっ首刎ねてやったぞ! あ、華琳様! すぐに片付けますので少々お待ちおぱわっ!?」
堂々と名乗りを上げた魏最強の武将・夏侯惇その人は、主であるはずの曹操に思い切り殴り飛ばされて床をごろごろと転がった。ちなみに春蘭とは夏侯惇の真名である。
「春蘭! 賊を全て成敗したことは褒めましょう。けれど、一人ぐらい生かしておいて口を割らせなければ事件が解決しないでしょう!」
「も、ももももも、申し訳ありません華琳様! つい、出し抜かれたことに腹を立ててしまい……」
確かに拷問にかければ敵の背後や動きを掴めるかも知れない。しかし……
「あの、俺を間違えて斬り殺しかけた件については―――――」
スルーの方向で確定の様子。天の御遣いも覇王の前ではこんなものである。
「戻ってこなきゃよかったよ」
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結局、居城に侵入した賊は六名。すべて夏侯惇将軍が成敗して生存者はゼロ。被害も侍女二名と衛兵三名と比較的軽微であった。まあ、覇王たる曹操の寝室が床ごとぶち抜かれた二階下まで陥没したことも軽微である、とするならの話だが。
「被害状況は以上です。また調べた所、恐らく賊は五胡の手の者かと。捜索隊は出しておりますが……」
詳細な報告を続ける夏侯淵将軍を片手で制し、曹操は厳かに告げた。
「まずこの一件で命を落とした、咎無き五人に謝りましょう。我らの不手際が原因なのだから」
緊急招集された軍義に集まった面々(事態が機密性を帯びるため夏侯淵と夏侯惇、親衛隊の指揮を執る許緒の三人のみである。他の武将は各国に散っている)が一様に頭を下げる。民を守るべき彼らにとって、民を殺されたことは何より怒れる事であり、同時に己の無力さを痛感する事であった。
「葬儀は手厚く、手配は秋蘭に任せるわ」
「御意」
秋蘭とは夏侯淵の真名であり、名の通り夏侯惇とは姉妹でもある。夏侯淵は一礼し、その指示を拝命する。入れ替わるように親衛隊を任されている将軍、許緒が手を挙げた。視線は玉座の隣に座る――――訂正、縄で縛り上げられた青年に向けられている。
「華琳様」
「なにかしら?」
「あそこにいる人って……」
そこで全員が改めて青年を見やった。彼はあくまで不貞腐れた様子で、名乗りもしなければこちらを向こうとはしない。殺されそうになったことをまだ根に持っているようだ。
「私を賊から助けてくれた賊よ」
「ほう、賊ですか。私にはあの顔に見覚えがあるのですが」
含みのある笑みを浮かべる曹操と夏侯淵。
「一体誰なのだ? 私には全然見覚えがないぞ! もっとも賊に見覚えなど無いがな!」
「ボクもです! さっさと吊るしちゃいましょうよー」
素でそう言い放つ夏侯惇と許緒。至ってはこの場で処刑せんばかりの勢いである。
「三人とも、彼については私が直々に取り調べるわ。後日、結果は話します」
「おお、それは名案」
夏侯惇と許緒が何か言おうとしていたが、頷く夏侯淵に口を塞がれては「もがもが」「うごうご」という音しか出せなかった。
今の時刻は日本で言うなら泣く子も黙る丑三時で夜はまだまだ長い。捜索隊の帰還を待って再度軍義を開くことでこの場は解散となった。三将軍が退出した玉座の間に、取り残されたのは曹操と件の青年のみ。
「……で、どの面下げて戻ってきたのよ? 北郷一刀」
長い沈黙の後、曹操が尋ねた。ホンゴウカズト。かつて彼女が愛した男の名前であり、覇業達成の後、彼女の前から消滅した―――――死んだはずの男である。
赤壁の戦いで蜀呉の同盟軍を打ち破った曹操はまず呉を落とした。孫策らを捕らえた後、劉備との決戦にも勝利してついに彼女は三国を統一した。今から一年余りも前のことである。
「答えなさい! 人を甘言の数々で篭絡した魏の種馬が何をしに戻ってきたのか!」
実の所、このホンゴウカズトは夏侯惇を初めとした魏の女性武将や軍師を片っ端から篭絡しては抱いていたのだ。曹操もそうやって人身掌握をしていた所も在り、それを奨励してさえいたが……恋仲となってはやはり気に入らない部分もあった。
結局の所、彼は曹操の所有物であることで問題は解決したのだが。
「私の物のくせに! 私の許可も無く消えてしまったくせに!」
縛られたままのカズトの襟首を掴み、吊るし上げる。彼も苦しげな様子も無くされるがままだ。何故なら彼は彼女の所有物なのだから。
「華琳」
「なによ」
「ゴメンな」
くちづけ。
縛れたままだというのに器用に首を動かして相手の唇を奪う。その何とも慣れた一連の動作こそが「魏の種馬」という異名の所以である……かはともかく、実力は健在であった。
「ただいま、華琳」
離した口でそう告げると、覇王の道を歩む少女はぷい、とそっぽを向いただけだった。屈託の無い笑顔を浮かべるカズトをこれ以上責められなくなったのだろう、縄を解きながらただ一言だけ告げる。
「おかえり、カズト……」
・
・
・
翌朝、腰を擦りながら玉座に座る華林の隣には新たな将の姿があった。軍義に出席した者たちが面白いように面食らう中、夏侯淵だけが微笑ましくその光景を見つめている。夏侯惇と許緒は「なんで賊がぁ!?」と未だに理解出来て居ない様子。捜索隊を指揮して帰還した張遼は猫のような瞳をまん丸に見開いていた。
走る動揺も収まった所で、曹操に促され新参の将が名乗りを上げた。
「姓は天、名は一刀(イットウ)、字は募集中で真名はカズト! 泣く子も笑う天の国の御遣いなり! ってなわけで知ってる人も知らない人もよろしくな!」
歴史は果たして正か否か
外れて動き出した歯車は何を導くのか
心して見よ、これぞ三国の覇王・曹孟徳の生き様なり
真(チェンジ!)
恋姫†無双
―孟徳秘龍伝―
巻の序・再臨天
あとがき
赤壁は赤く燃えているか〜!? こんちわ、ゆきっぷうでございます。
真(チェンジ!)恋姫†無双をお読みいただきありがたき幸せ。
たまには最新作でもやってみるべ、と手に取った『真 恋姫†無双』。前作があるとかアニメ版とかコミック版とか全部すっぽかして、いきなり『真』から入る辺りバカなのです、ゴメンナサイ。
なので前作がどういう流れだったのか、とか全然知らずにSS書いてます。でもこのSSは『真 恋姫†無双』の二次創作だし、『真』は無印とは別物のストーリーってことらしいので、たぶん大丈夫かな……大丈夫ってことでお願いします、はい。
簡単に解説だけしますと、『真』では魏・呉・蜀の三つのルートから選んでスタートできるシステムで(隠しルートは秘密です。え、もう知ってる?)、各エンドまでは一直線。その間に色々と、ウッハウッハで、なふぅなふぅ(意味不明)な感じでいろんなヒロインのシナリオを堪能できます。買ってない人は買って確かめてください。説明するのが大変なのです。
ともかくゆきっぷうは速攻全ルート突破しましたが、中でも感じ入ったのは魏のシナリオでした。なので本作は曹操もとい華琳様に全身全霊を持ってお仕えする所存です。
それからこのSSのタイトルについてですが、SSの内容と深いかかわりが無いようであります。たぶん、特にチェンジの辺り。
末尾に捏造データの一部を乗せますので、どうぞ。
余談ですが、主人公の名前の表記について。『一刀』と表記される時は『イットウ』の読みで、真名はすべてカタカナの『カズト』になりますのでご注意ください。
ではでは、次回があれば(ナニ!?)お会いしましょう〜
登場人物
曹操(曹孟徳、真名・華琳)
正史に逆らい覇業を成し遂げ、三国の王となった覇王。ツインテールの似合うツンデレ娘。
文武両道、高貴な精神と策謀の才、深い人徳と王の器の持ち主であり、それ故に『乱世の奸雄』の異名を取る。
『英雄色を好む』の通り、女性の側近や将軍を伽に呼ぶわ呼ぶわ……彼女の寵愛を受けていないのは純真な子どもぐらいという噂もある。ちなみに男性はごく一部の例外を除いて対象外。
さも蜀・劉備ルートが王道と言わんばかりの本作においてゆきっぷうがチョイスしたメインヒロイン。髑髏の髪飾りがチャームポイント。
天一刀(テンイットウ、本名・カズト)
曹操が覇業を達成し、歴史が本来の流れから逸脱したために生じた時空のゆがみによって消失した原作主人公。その気の多さ、女性を誑し込む手管と絶倫ぶりから『魏の種馬』の異名を持つ(本人は否定)。
原作世界からはじき出された一刀は異空間を彷徨い、ついには特異点の底に辿り着く。そこでは自称『瓜大王』という男が友人と思しき者たちと酒宴を開いていた。
一刀から事情を聞いた瓜大王は曹操の涙に深く感じ入り、彼を一人前の下僕にするため両刃の戦斧を与えて鍛え、それから高級夕張瓜を包んで一刀に持たせると元の世界へ送り出す道を開いた。その折、一刀に世界から消失したのは天の国で授かった名が原因であると告げ、覇魏の世に新生すべく新たな名『天一刀』を与えた。
かくして帰還を果たす一刀だったが、その実力は某無双ゲームの拠点兵長ぐらいだったりする。
瓜大王
瓜というかメロンをこよなく愛する王っぽい人。口から果汁をビームのように噴射できるが威力は殆ど無い。髪と瞳は蒼く肌は白い。
魏の世界から因果によって追放された北郷一刀を元の世界に送り返すが、その後を追って瓜商人となり一山儲けようとする。あの時代の中国に瓜があるのかは不明。きっと、いやたぶん、あるんじゃないかなぁ。
用語
孟徳秘龍伝
曹操の自伝。無名の時代に天の御遣いと出会ってから覇業を成し遂げ、没する時までの半生を綴った書物だが、本来の歴史では曹操は覇業達成できずに終わったため存在しない。本編冒頭では各章の一文が抜粋されたりする。言うまでも無くゆきっぷうオリジナルなのでネットで検索しても出てきません。
双戦斧(ダブル・トマホーク)
双戦斧と書いて「ダブル・トマホーク」と読む、天一刀の必殺武器。原作では終始武将として戦闘パートに参加できなかった彼だが、ついに檜舞台に立つ日が来た(ゆきっぷうが勝手に想像)。
双戦斧は名の通り左右に刃を取り付けた両刃の戦斧であり、サイズとしてはハンドアックス。特殊な鋼で出来ており、名将の武具を手掛けるからくり将軍に「改造も修理もでけへん」と言わしめる一品。一刀には出来ないが、特殊な宇宙線を宿すことが可能。もちろん投擲武器としても使用可能だが、投げる時は必ず「ダブルトマホゥゥゥゥゥクッ……ブゥゥゥゥゥゥメランッ!」と叫ばなければならない。
一刀の実力不足のため、あまり真価は発揮されない。
新作の投稿〜。
美姫 「真・恋姫無双ね」
だな。何と新鮮なネタだろうか。
美姫 「素早いわね」
だな。一体、どんな話になるんだろうか。
美姫 「それでは、この辺で」