『魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs』
アースラに到着した恭也達はリンディとクロノ、そしてエイミィに出迎えられる。
「ようこそアースラへ!」
「お待ちしておりました恭也さん、忍さん」
エイミィが元気良く、クロノがしっかりと挨拶する。
どうも年齢が逆転して見えるのは気のせいか?
「まさかXsが恭也クンだとは思わなかったわ〜」
リンディはニコニコと話しかける。
「ゆっくりしたい所だろうけど、色々聞かなきゃいけないしごめんね?」
「いえ、こちらが隠していた事もありますし、お気になさらず」
「でわこちらへ〜」
エイミィに連れられ会議室のようなところに案内される。
そこにはヴォルケンリッターの面々が待っていた。
「遅いじゃね〜か」
「お待ちしておりましたよ」
「・・・」
ヴィータとシャマルは少し微笑みながら声をかけてき、ザフィーラは静かに会釈をした。
しかしシグナムは憮然とした顔で恭也へと近付いた。
その只ならぬ雰囲気に忍やなのは達は驚くが、恭也はシグナムの鋭い視線を正面から受け止めている。
「恭也・・・お前が、Xsなんだな・・・?」
「・・・ああ」
「何故・・・何故話してくれなかった?私たちでは信用に足らなかったのか?」
シグナムが悲しそうな顔で問いかける。
それを見て忍は少しバツの悪そうな顔をした。
「信用しようにも情報が足りなかったからな」
「どういうことだ?」
「シグナムたち一人一人は十分に信用に足る、
だか組織としてどういったものかという情報が足りなかった。
だから情報を集めるためにしばらく正体を隠して行動していたんだ」
「そうか・・・」
シグナムは納得したような腑に落ちないような複雑な顔をして頷いた。
「まぁ・・・」
恭也はちらりと忍を見ると、
「そこのヤツが『ヒーローの正体は秘密じゃないと』などとのたまったという側面もある」
暴露した。
「いや、あの、あはははははははは・・・・・・ゴメンナサイ」
忍はシグナムに睨まれ笑って誤魔化そうとするが叶わず、縮こまって謝った。
「まぁまぁシグナムちゃん。でもそういう事ならウチの仕事について少し説明しましょうか」
「お願いします」
恭也達は席に着くとリンディから説明を受ける。
ロストロギアの事、アースラの事、魔法の事、リンディの説明を忍と恭也は真剣な表情で聞いている。
一通り話し終えると一口お茶(砂糖混入済み)を飲み恭也達を見る。
「こんな感じでよかったかしら?」
「はい、取り合えず歴史ある真っ当な組織って事と」
「リンディさんが指揮を執るなら十分に信用出来る事は」
「あら、ありがと」
二人の返答に嬉しそうな顔で答えるリンディ。
「それじゃあ次は貴方たちの・・・
まずガディンというインテリジェンスデバイスを何故保有しているのかを教えてくれる?」
二人は頷くと、恭也が忍に話を促す。
「そう・・・あれは雪の降りしきる夜、ダンボールの中で震えているガディンを拾ったのが・・・」
<スパァン!>
緑色の便所スリッパ(レンからの借り物)が一閃する。
「初っ端から壮大な嘘をつくな」
『出会い』
「コホン、でわ、気を取り直して」
忍は一つ咳払いすると話し始める。
「ガディンは家の倉庫で見つけたの。
恭也と二人でなんか掘り出し物ないかな〜って探してたらさ、
恭也がなんか光る石を持ってきたのよ。なんかヒビだらけでボロボロの」
「ボロボロ?ガディンは見つけた時点では壊れてたんですか!?」
「うん、壊れてると言うよりかは壊れる寸前ってとこかな?」
「そんな、魔法技術も無しで大破寸前のデバイスをどうやって・・・」
クロノはガディンが発見時壊れかけていたという事実に驚く。
「まぁそれは今から説明するんだけど。
ぽわ〜っと光ってて不思議だったからさ、
それになのはちゃんのレイジングハートとかとも似てる気がしたし調べてみたの」
「調べるって?」
「まぁ色々な伝導率とかをね。
それで解ったんだけど、ガディンは半情報サーキット化したデバイスだって事が解ったの」
「どういう事ですか?」
「ガディンの中に魔法の事についての様々なデータが封入されてたのよ。
それによって、ガディンはレイジングハートなどと同じインテリジェンスデバイスである事、
すでに中枢機能の殆どが機能してない状態であるという事、
魔法技術のみでの修復は限りなく不可能に近いという事が解ったの」
「それじゃど〜やって直したんだよ?」
ヴィータが頭に?マークを浮かべながら聞いてくる。
「そこはそれ、科学の力よ!」
「かがく?」
「そ、丁度恭也がなのはちゃんの手伝いできないかって相談受けてたし、
魔法技術と科学技術を融合させたら色々と凄い事が出来るみたいだしさ。
ガディンを改造、強化して恭也用のデバイスに仕立て上げたって訳なのよ」
「そんな事ができるなんて・・・」
「いままで魔法と科学の完全融合なんて誰も成しえなかったのに・・・」
管理局の面々は忍の技術力の高さに驚愕する。
「なんせ私は天才美少女科学者ですから!」
「自称だろ」
「んもう!」
えっへんと踏ん反り返る忍にツッコむ恭也。
「でもね、色々と問題もあったのよ」
「問題?」
「デバイスの形状が全身を覆うスーツって言うのは、
確かにヒーローっぽいからって理由もあるけど、そうじゃないとガディンが稼動できないのよ」
「どういう事なんだ?」
「恭也はなのはちゃんみたいに高い潜在魔力を持ってるんだけど、
ガディン自身の魔力伝達能力が極端に落ちてて通常の杖や剣なんかの形態を取っても十分な魔力伝達が出来ない状態だったの。
これは接触面積を可能な限り広げればなんとかなるんだけど、例えばグローブやブーツくらいじゃ全然足りなかったわけ。
そこで元々あったバリアジャケットを基盤にして全身を覆うスーツに改良してやっとマトモに動くようになったというわけなのよ」
「なるほど〜」
一同は忍の解説に感心している。
「Xsは一見趣味に走ったように見えてその全てに実は理由があるのよ。
まぁこの辺の詳しい事はまた今度説明するけどね」
「でもこれってミッドともベルカとも違う新しいデバイスって事になるんかな?」
ふとはやてが疑問に思った事を口にする。
「どうなんだ忍?」
恭也も同じ疑問を感じたようだ。
「ん〜・・・あえて形容するなら・・・
ちょっと長いけど『月村忍式デバイス・ジャケット一体型フルアーマーデバイス』ってとこ?」
「なるほど〜、デバイスとジャケットが一体化して強度や耐久性も高いし」
「全身武装状態に近いし」
「フルアーマーデバイスっちゅうのはぴったりやね、かっこええし」
忍のネーミングは魔導師3人娘に気に入られたようだ。
「他に適当な名称も無いし、ガディンは新式のフルアーマーデバイスとしてデータベースに登録しておくわ。
エイミィお願いね」
「は〜い!」
エイミィはリンディの指示を受けピコピコと端末を操作する。
「ところで二人にお願いがあるのだけれど」
「「はい」」
リンディに話しかけられ佇まいを正す二人。
「現状として恭也君ほどの魔導師が完全にフリー状態で活動しているのはあまり良くないの、
それに忍ちゃんほどの技術者が個人研究してるのももったいないし。
そこで二人には外部協力者としてアースラで一時的に身柄を預かり、私の指揮下に入ってほしいの。
勿論可能な限り自由に動けるようにするわ」
「俺は構いませんよ」
「私もOKです」
「ありがとう。それでは改めてアースラにようこそ、高町恭也君、月村忍さん」
リンディはにこやかに二人を受け入れ、双方と握手をする。
「おにいちゃんと忍さんと一緒に仕事ができるんだ〜」
「よろしくお願いします、恭也さん、忍さん」
「よろしくおねがいします〜」
魔導師3人娘が、
「こんどは魔法ありで手合わせするか?恭也」
「これからは同僚ですし、仲良くしましょうね〜」
「ま、よろしく頼むぜ二人とも」
「よろしく頼む」
ヴォルケンリッターが、
「お二人の話はなのはからよく聞いてます。期待してますよ」
「これからよろしくね〜、恭也さん、忍さん」
そしてクロノとエイミィが、代わる代わる二人に歓迎の挨拶をする。
こうして仮面ライダーXsとプロフェッサーS、
もとい高町恭也と月村忍はアースラ預かりの外部協力者としてなのは達と共に働く事になったのであった。
次回予告!!
アースラで働くにあたってその能力を測ることになった恭也。
そして次々と明らかになるXsの、恭也の驚くべきスペック。
無数に広がる仮面ライダーXsの物語、それはここから始まる。
戦い、日常、もしもの話、その全ての出発点。
次回、魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs第六話
『開幕(プロローグ)』に、Program Drive!!
あとがきのつもり
夜「次で長いプロローグも最後」
凛「一人アンソロが始まります」
夜「だれか他にパロってアンソロにしてくれる人がいればねぇ・・・」
凛「他力本願はよくないよ」
夜「あい」
凛「とりあえずもっと書くスピード上がんないの?」
夜「これでも早い方なんだが・・・」
凛「え〜」
夜「元々筆遅いんだよ、気になるところ見つけて書き直しとかもしょっちゅうだし」
凛「そのわりには完成度あがらないね?」
夜「ゲフッ!ハートをえぐる一言を・・・」
凛「ま、もちっと頑張りなさいと」
夜「うへ〜い」
凛「でわまた〜」
夜「次回お会いしましょ〜」
改めて思うのは、忍の技術力の凄さだよな。
美姫 「まあ、ノエルを作ったぐらいだものね」
だな。にしても、デバイスまで製造って。
まあ、それによりヒーローが生まれた訳だけど。
美姫 「次回はXsの性能ね」
今まで見たもの以外の必殺技が出たりするのかな。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
待ってます。