『魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs』





シグナムとライダーの邂逅より1週間、
幾度かライダーは出現したもののその正体を掴む事は出来ないでいた。
そんなある日、なのはは恭也に連れられ月村家に遊びに来ていた。

「いらっしゃいませ恭也様、なのは様」

二人は月村家のメイド、ノエルに出迎えられる。
屋敷の中に案内されると忍とすずかが迎えてくれる。

「なのはちゃんいらっしゃ〜い、恭也も引率ご苦労様」

「いらっしゃいなのはちゃん、恭也さん」

『おじゃまします』

なのはと恭也は一緒に挨拶する。

「アリサちゃんも誘ったんだけど忙しいんだって」

「しかたないよ、また今度みんなで遊ぼう」

「うん!」

すずかとなのはは二人連れ立ってすずかの部屋に行く。

「いいねぇ若いもんは」

「そんな歳じゃないだろ忍」

「まぁまぁ気にしなさんなって。ノエル、お茶お願いね」

「はい、かしこまりました」

忍と恭也はノエルにお茶を頼みリビングでまったりしている。
ゆったりとした時がすぎていく中・・・

「!?」

「どうしたのなのはちゃん?」

すずかとゲームをしていたなのはは背筋がゾクリとする不快感を覚えた。


                  第三話『魔砲少女大ピンチ!?恐怖の融合魔獣!』


なのはが窓の外に目をやると・・・

「空が・・・?違う!これは!?」

屋敷が浅黒い壁によって覆われていた。

「なのはちゃん、これって・・・」

「結界・・・それも物凄く協力な」

不安そうに問いかけるすずかに答える。

「なのは!」

「二人とも大丈夫!?」

「なのは様、すずかお嬢様、ご無事ですか!?」

そこに恭也と忍、そしてノエルが飛び込んでくる。

「おねえちゃん!?」

「おにいちゃん、私たちは大丈夫だよ。おにいちゃん達は?」

「ああ、俺達も大丈夫だ」

「それどころじゃないって!庭を見てよ!」

お互いの安否を確認している中叫ぶ忍に促されて窓から庭を覗き込むと・・・
そこには固体か液体か気体かよく解らないような黒い物が蠢いていた。

「なに・・・あれ・・・?」

すずかがあまりにも禍々しい『ソレ』を見て震えながら呟く。

「わからない・・・でも、アレはここに居ていい『モノ』じゃない!
 レイジングハート!」

《All Right》

「セットアップ!」

《Stand by Ready Set up》

なのはが光に包まれるとバリアジャケットを身に着けた姿に変わる。
その手には杖に姿を変えたレイジングハートが握られてる。

「なのは!」

「大丈夫、アースラにもコールしておいたから」

心配そうに声をかける恭也にそう言うとなのはは窓をあけ庭に下りる。

「なんなの、これは?」

蠢く黒い物体はしだいにその形を固着させていく。
それはやがて不可思議なモノへと姿を変える。
まるで無理矢理複数の生物を繋ぎ合わせたかのような醜悪な化物。
『融合魔獣(キメラ)』とでも言うべき『ソレ』はゆっくりと腕を突き出すと、
その手の平から光弾を撃ち出した。

「っ!」

《Protection》

かわせば後ろにある屋敷に、ひいては恭也達に被害が及ぶと判断して、なのははその光弾を受け止める。

「思ったよりパワーがある・・・」

呟くなのはにキメラが飛び掛る。

「それにスピードもっ!」

それを受け止め弾き返す。

《It is difficult to fight while defending the residence》
(屋敷を守りながら戦うのは困難です)

「うん、でもやらなくちゃ!」

本来ならば倒せない相手ではない。しかし周りへの被害を考え全力が出せないために苦戦を強いられる。
そんな中、なのはは考える。

(アースラからの応答が無い・・・それに救援が来る気配も・・・それは多分・・・)

なのははキメラの攻撃を受け止めながら浅黒い結界を見やる。

(あれのせい!でもあれを解除してるような余裕は無いし・・・)

なのはも攻撃を加えるが思うようにダメージを与えられず苦戦する。
そのころ結界の外ではフェイトとはやてが駆けつけていたものの手出しできないでいた。

<ガキィン!>

「ダメだ・・・バルディッシュ・ザンバーの攻撃も弾かれる!」

「こっちもダメや、魔力攻撃も物理攻撃も全部キャンセルされてまう!」

結界を破壊しようと攻撃を試みるもことごとく弾かれていく。

「エイミィ!結界の解除はできないの!?」

『難しいわ、そもそもこの結界無茶苦茶なのよ。
 中の様子は解るのにこっちからは一切のアクセスが不能、しかも完璧な防衛結界としての効果もあるなんて・・・
 術式もめちゃくちゃだし解析もほぼ不可能だわ』

エイミィは悔しそうに呟く。

「それにしてもなんなんやあの魔獣は?へんてこな格好やし」

『おそらく時空の乱れに巻き込まれた魔獣が何らかの要因で融合したんだと思う。
 多分コアみたいなのを潰せば倒せると思うんだけど、
 初めから暴走してるような奴だし屋敷を守りながらじゃなのはちゃんでも厳しいかも・・・』

「なのは・・・」

「なのはちゃん・・・」

エイミィの言葉を受け心配そうに二人は結界の中で戦うなのはを見る。

(おにいちゃんがいくら強くても魔獣の相手は難しいし危ないし、私ががんばらなきゃ!)

なのはは屋敷に攻撃が行かないように誘導しながらキメラをあるポイントへと誘う。
そこへ到達すると魔獣に幾重にも鎖が絡みつき動きを止める。

「やったぁ!クロノくん直伝のディレイバインド!」

目論見が成功しガッツポーズのなのは。

「いくよ、レイジングハート!」

《All Right Divine Buster》

レイジングハートの先に魔力が集中する。

「いっけぇぇぇぇぇ!ディバインバスタァァァ!!」

撃ちだされた一撃はしばらく拮抗したあとキメラと共に爆発する。

「やった・・・え?」

身体の中心に大穴を開けられたキメラだが、
その中心にある黒い石のような物が輝くと瞬く間に再生する。

「ええっ!?」

「なにっ!?」

「そんな!?」

結界の中と外、この戦いを見ている者たちが驚愕する。
その隙を見逃さずにキメラはその豪腕をもってなのはを叩き飛ばす。

「きゃあぁぁっ!!」

「なのはっ!?」

屋敷の壁に叩きつけられ倒れたなのはを見て恭也は悲痛な叫びを上げる。

「だ、大丈夫だよおにいちゃん・・・まだまだ平気だよ・・・」

なのははなんとか立ち上がりながら考えていた。

(あの黒いのがこの魔獣のコア・・・
 ディバインバスターでコアをむき出しにしてもチャージしてる間に再生されちゃう。
 スターライトブレイカーなんか撃ったら忍さんの家がめちゃくちゃになっちゃうし・・・
 このままじゃ勝てないかも・・・)

勝機を見出せずにいるなのは・・・
親友の危機に手出しできずにいる事を悔いるフェイト達・・・
絶望的と言わざるおえない状況になってきていた。




次回予告!!

ついに明かされるXsの正体!
静かに燃える怒りを胸に、
平和を愛する黒き勇者がなのはの危機を救うべく今降臨する!
正義の心を胸に今!
戦えXs!貫け仮面ライダーXs!
次回、魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs第四話
『勇者起つ!仮面ライダーXs変身せよ!!』に、Program Drive!!




あとがき?なかがき?

夜「さぁなのはの大ピンチ!」
凛「そして次回ついにXsの正体が!」
夜「いや〜たった3話だけどバレバレなせいかやたら引っ張った気がするわ」
凛「まぁ流石にこれ以上引っ張るとしつこいかもね」
夜「だね〜」
凛「今回はほとんどギャグないね?」
夜「ギャグ入れにくい話しだしなぁ・・・
  展開は決まってるおかげでサクサク書けたけど」
凛「珍しく完成早かったね」
夜「集中力の続かない人間なんです・・・」
凛「まぁ次回もサクサク書きなさいって事で」
夜「努力します・・・」
凛「でわでわ〜」
夜「また次回〜」



あああ、なのはが、なのはがピンチだよ。
美姫 「さあ、皆! 大きな声であのヒーローの名前を呼ぶのよ〜」
助けて〜、仮面ライダーXs〜!
美姫 「って、何をやらせるのよ!」
ぶべらっ! ……お、お前も結構乗り気だったじゃないか……。
美姫 「ったく。いよいよ、次回で謎のヒーローの正体が明らかに!?」
にしても、このキメラは一体。
美姫 「何かが起ころうとしているのかしら」
次回も楽しみにしてます。
美姫 「待ってますね〜」



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