『魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs』
アースラのモニターにガーゴイルとライダーの戦いが映し出されている。
「凄いわね・・・」
「魔力値の変動が激しすぎて正確な数値は解りませんが、
通常でもA、最後の一撃ではAAA+と同等かそれ以上の出力を叩きだしてます」
「これほどの実力者が隠れていたとは・・・」
リンディ、エイミィ、クロノがモニターをじっと見ている。
ちなみになのは達はもう夜も遅いので帰宅したようだ。
「ほぼ接近格闘のみで遠距離武装は無いか不得意なのだと思われます。
ただそのスピードは驚異的で、間合いの狭さにつけこもうとしても徒労に終わるでしょうね」
「飛行は出来ないようだが・・・それも大して問題にはならないだろうね。
1対1だと厳しいな」
「ちょっと二人とも、別に敵と決まったわけじゃないんだから物騒な事言わないの」
ライダーへの対策を練る二人にむくれて言うリンディ。
「いや、でもまだ味方って解ったわけでもないですし」
「大丈夫よ、きっと悪い人じゃないわ。
それにほら、なんだか優しい目をしてるでしょ?」
「目って・・・」
母の言葉を受けて訝しげな顔になるクロノ。
エイミィと一緒にモニターに目をやるが、そこに映ってるのは仮面についている昆虫を思わせる赤い目。
「エイミィ、中のスキャンってできた?」
「透過不能ですね、内部を見るのは無理っぽいなぁ。
まぁ中の人が居ないって可能性もあるけど・・・」
二人して今度はリンディを見る。
「ん?」
不思議そうな顔をしているリンディを見て深いため息をつく二人であった。
第二話『激突!シグナムVSライダー!?鉄(くろがね)のメイド現る!!』
日は変わって夕刻高町家。
庭にある道場からは激しい打ち合いの音が聞こえる。
「せぇぇぇぇぇぇ!」
ピンクの髪の女性、シグナムが木刀を上段から振り下ろす。
「ふっ!」
黒い髪の青年、恭也は左の木刀でシグナムの一撃を受け流し右の一刀を振り上げる。
シグナムはその一撃を身体をひねってかわし、横に回りこんで横になぎ払う。
恭也は二刀を合わせて受け止めるがそのまま押し出される。
しかし押し出されながらも蹴りを放つ。
素早く木刀を引いてシグナムは蹴りを受けるが受けきれず弾き飛ばされる。
両者はそのまま間合いを取り再び対峙する。
「流石ですね・・・パワーじゃ勝ち目が無い」
「よく言う、今まで一度も勝ててない私へのイヤミか?」
「魔法ありなら勝てる気はしませんよ」
「少なくとも楽な勝負にはならなそうだが、なぁ!!」
言葉の終わりと共にシグナムが飛び込んでくる。
美由希を凌駕する速度で飛び込んでくる相手に対抗するために恭也は神速を発動させる。
モノクロの世界、その中で相手より幾許か早い動きでシグナムへ近付き最も信頼の置ける技『薙旋』を放つ。
「はぁぁぁぁぁ!」
高速で放たれる4連撃。
始めの2撃でシグナムの木刀は弾き飛ばされ残る2撃は彼女の脇腹と首筋にあてがわれる。
「くっ・・・」
「勝負あり・・・ですね」
恭也がゆっくりと構えを解くとシグナムは肩を落とす。
「また負けてしまったか・・・」
「あははっ、また連敗記録更新だな、シグナム」
「う、うるさい!」
しょんぼりとしているシグナムにヴィータが追い討ちをかける。
「はぁ〜、やっぱ恭也さん強いなぁ」
対して主であるはやてはにこにこしている。
「申し訳ありません主はやて、また負けてしまいました」
すっかり落ち込んだ様子のシグナムははやてにぽつりと呟く。
「あぁ、そない落ち込まんでもええよ。
魔法無しやったし、それに恭也さん時々本当に人間なんか不安になるくらい強いし」
シグナムをフォローしつつさりげに酷い事を言ってるはやて。
「おいおい・・・」
それを聞いて少し顔をしかめる恭也。
「そうそう、せっかく皆伝とったのに恭ちゃんたら膝が治っていくにつれて際限なく強くなっていっちゃうんだもん。
もう立派に人外レベルだよ」
「やかましい」
<ゴスッ>
「あうっ!」
ここぞとばかりに話し出した美由希に恭也の怒りの鉄拳が炸裂する。
「うぅ・・・はやてちゃんは怒らなかったのになんで私だけぇ〜」
「運命だ、諦めろ」
「はうぅ・・・」
そんな二人をみてはやてはクスクスと笑っている。なんだかんだで仲の良い兄妹なのだ。
「しかし何故勝てないのだろう?」
「持てるもの全部出してないからだろ?魔法でもなんでも使っちゃえばいいじゃん」
「そうもいかんだろう、これは純粋な剣士と剣士の勝負なのだから」
「恭也だってなんか瞬間移動みたいなの使ってるじゃん」
「アレは魔法などではない純粋な体術だ、まぁ・・・多少反則気味な気もするが・・・」
その横ではシグナムとヴィータが議論を交わし、
「く〜・・・す〜・・・」
「すぴ〜・・・ひゅる〜・・・」
そして縁側ではザフィーラとアルフがお昼寝(お夕寝?)中。
高町家の日常風景である。
そんな平凡?な日の夜、シグナムはまたも現れた魔獣の反応を受け現場に急行していた。
その最中、アースラから通信が入る。
『シグナム気をつけて、魔獣の他に反応がもう一つ。例の黒いヤツよ』
「Xsとか言うやつか」
『そう、今のところ敵じゃないけど警戒するに越した事はないわ。
あと、できればつれて帰ってほしいの。いろいろと話を聞きたいし』
「了解した」
シグナムが現場に到着した時には、すでに魔獣は居らずライダーが佇んでいた。
「お前がXsか」
「シグナムか・・・」
いきなり名を呼ばれシグナムは内心驚く。
「ほう、私の名を知っているのか」
「まあな・・・見逃してくれ、というわけには行かないのだろうな」
「その通りだ、お前を連れ帰ってほしいと言われていてな。
できれば手荒なまねはしたくないのだが?」
そう言いつつライダーに歩み寄るシグナム。
「俺もそちらと敵対するつもりは無い。
だが、まだ正体を明かすわけにはいかないんだ」
「そうか・・・では・・・」
《Schwert Form》
歩みを止めたシグナムの右手にレヴァンティンが現れる。
それを見てライダーは戦闘体勢をとる。
「悪いが力ずくだ!!」
シグナムは一瞬で間合いを詰め、レヴァンティンで切りかかる。
「くっ!」
ライダーはそれをギリギリで横に跳び回避する。
「剣は使わないのか?二刀を扱うそうだが?」
「こちらにもいろいろと込み入った事情があってね・・・」
「そうか・・・だが加減はせんぞ!」
レヴァンティンのカートリッジが打ち込まれ刀身が炎に包まれる。
そしてそのまま燃え盛る刀身でライダーに襲い掛かる。
「はぁっ!」
<ガキィッ!>
その一撃をライダーは後ろ回し蹴りで迎え撃った。
燃える刀身と青いオーラに包まれた足がぶつかり合っている。
「くっ・・・まさかレヴァンティンを蹴りで止められるとはな」
一度間合いを離しシグナムが呟く。
「接近戦には自信がある」
「そうか、ならば・・・」
《Bogen Form》
連続してカートリッジが打ち込まれレヴァンティンはその姿を弓に変える。
「遠距離から攻めさせてもらおう!」
シグナムは空に上がりライダーに狙いをつける。
「ガディン!」
《Yes XsRiser Wake up》
ライダーの腰のパーツが離れ、展開される。
《Archery Mode Set up》
そしてそのパーツが結合し弓へと姿を変えた。
「なにっ!?」
「遠距離戦が苦手というわけではないさ」
驚くシグナムにライダーは冷静に言い放つ。
「そのデバイスはなんなんだ?ミッド式ともベルカ式とも違う・・・」
「さぁな、俺もよく解らん。だがこれで双方傷つくのは本意ではないはずだ」
「勿論だ、だがここでお前を逃がすわけには行かないのもまた事実」
「そうか・・・」
両者の弓が一段と引き絞られたその時。
「ちょぉっとまったぁぁぁ!」
その場に女性の声が響いた。
二人は声に反応しその方向を向く。
そこには白衣にサングラスという怪しい出で立ちの女性が立っていた。
「何者だ!」
レヴァンティンはライダーに向けたままシグナムは女性に話しかける。
「Xsの開発者ってとこかしら?プロフェッサーSとでも呼んで頂戴」
「プロフェッサーSだと・・・?」
プロフェッサーの言葉に顔を顰めるシグナム。
「そう、私たちは貴女の敵じゃないわ、
時期が来れば必ず正体を明かすから今は見逃してくれない?」
「そういう訳にも行かないだろう?」
「む〜・・・しかたないわねぇ」
そう言うとプロフェッサーの後ろからメイド姿の女性が現れる。
彼女もサングラスをしており顔はよく見えない。
メイドは左腕をすっと突き出した。
「む?」
シグナムが警戒していると、メイドの手首から先が高速回転しだす。
「なに!?」
「スパイラルロケットパンチ、ファイエル!!」
メイドの掛け声とともに左手首から先が高速で打ち出される。
「ちぃっ!」
シグナムは素早くレヴァンティンをシュベルトフォルムに戻すと、
飛んできた拳を受け止める。
「くぅっ!」
なんとか拳を弾き返すが、今度はプロフェッサーが投げたと思われる黒いボールが飛んできていた。
「これしきでぇ!」
シグナムがボールを切り裂くと・・・中から大量の煙が噴出した。
「わぷっ!?け、煙玉!?」
もうもうと立ち込める煙が晴れるとすでにライダーたちの姿は無かった。
「けほっ、けほっ、逃げられたか・・・」
煙のせいで涙目になりつつ悔しそうに呟いているとアースラから通信が入る。
『大丈夫シグナム!?急にジャミングがかかったけど何があったの?』
「ジャミング?」
『うん、シグナムとXsが弓向け合ったあたりから急にそっちの様子がわからなくなったの』
シグナムはそれを聞き、プロフェッサーがなんらかの妨害をしていたと気づく。
「そうか・・・すまない、Xsには逃げられてしまった」
『そう・・・でも無事でよかったわ』
「ああ、おそらくジャミングはXsの製作者と名乗る女がやったものだろう」
『Xsの製作者!?』
エイミィはシグナムの言葉に強く反応する。
「時期が来れば正体を明かすと言っていたが・・・」
『ふむ〜、とりあえず戻って頂戴。
敵じゃないとは思うんだけど目的が不明瞭だし情報を整理しないと』
「了解した」
そう言ってシグナムはその場から飛び去っていく。
(Xs・・・必ずその正体を暴いてみせる!)
一方的なライバル心を胸に。
次回予告!!
ますます謎が深まるXsの正体。
そんな中時空の乱れが原因で生まれた融合魔獣が月村家に遊びに来ていたなのはに襲い掛かる!
忍やすずか達を守りながら、そして屋敷への被害を考えると全力が出せないなのは、
不可思議な結界により外界から遮断され救援に来たフェイト達も中に入る事ができない!
どうするなのは!?どうなるなのは!?
次回、魔法少女リリカルなのは外伝・仮面ライダーXs第三話
『魔砲少女大ピンチ!?恐怖の融合魔獣!』に、Program Drive!!
あとがきっぽい
夜「つ〜わけで第二話です」
凛「プロフェッサーSと謎のロボメイドの正体って・・・」
夜「だ〜!だからネタバレだっつうの!」
凛「だってバレバレにもほどがあるよ」
夜「解っててやってるんだからいいの!
それにあと2話ほどで正体バラすつもりだし」
凛「え?でもプロフェッサーの言い方からだとまだまだ正体明かせないっぽいけど?」
夜「まぁそこまで引っ張るような謎でもないのはよく理解してるので。
早いうちに正体バラしとかんとグダグダになるし」
凛「すでにグダグダでわ?」
夜「それを言うなよ・・・」
凛「まぁ予告見れば四話の展開まで見えるね」
夜「バレバレの展開もまたヒーロー物の醍醐味ですよ」
凛「そんなもんですか」
夜「そんなもんです」
凛「そんじゃまぁこのへんで」
夜「でわまた次回〜」
謎のメイドさんの登場でまたしてもXsには逃げられた管理局側。
美姫 「いや、腕が飛ぶメイドさんって…」
ああ、未だにXsの正体は分からぬまま。
果たして、彼の者は何者なのか!?
美姫 「ああ、次回が待ち遠しいわね」
うんうん。次回も楽しみにしてます!
美姫 「予告を見る限り、実は次回って結構ピンチになったり?」