『生まれたときから Part-4』
もし読んでくださる方がいらっしゃるなら幸いです。
オリジナル伽羅が些か登場します。
駄文羅列荒唐無稽のお恥ずかしいモノですが、書いてみたくなり、
本サイトの管理者さんのご好意により載せて頂いております。
恭也の呼びかけが聞こえたかの様に声が答える。
「きょうや、きょうや、・・・・待って居ったぞ、お前と会えるこの時を」
「お前は誰だ、何者なんだ答えろ」
「わが名は、秋霜、八景と同じ時を歩みしもの、我が元に来たれ」
「来たれといてもどこへ行けばいいんだ」
「今宵丑三、八束神社に来い、待って居るぞ」
それっきり声はしなくなった、
「何なんだ今の声は、八景と同じ時を歩みしものと
言っていたが、八景は父さんの形見だ、秋霜なんて名前聞いた事が無いんだが
とりあえず学校へ行って、放課後、剣道部の練習を手伝ってから帰る事にしよう」。
そんな事を考える恭也であった。
県大会も、地方大会も無事終わり、風校の剣道部男子は優勝した。
緒戦から優勝戦まで全試合全員一本勝ちで負けなしの大会新記録を樹立した。
女子も男子部同様、全試合全員無敗のまま創部以来二度目の優勝を飾った。
初回は薫が女子部の主将をして居た頃だ。
俺の目から見ても団体戦出場の生徒は、高校生レベルを遥かに超えている.
全試合を通して全員が一本勝ちで進んで完全優勝した実力だ。
個人戦でも首位独占は確実だが風芽丘では、個人戦より団体戦を重視していた。
そのため個人戦はエントリーしていない。
「おはよう」
いつもと同じ朝の光景である、赤星がいて、月村がいて、そして俺がいる。
そして恭也は放課後道場へ行く。
「来たか高町」
「今日は、みんな」
「今日は先輩」
道場では全員が俺を見ている、もう慣れたはずなのにまだ珍しいのかな。
「部長、高町先輩に、われわれの練習も見て欲しいんですが」
大会に出場しない選手からも要望があり今日は其の日に当たっている。
「今日は先日の続きになるがみんな練習はしてきたのかな」
「はい、道場でも家でも練習しました」
彼らは勢いづいて答える。
「じゃあ、成果を見せて貰おうかな」
みんな嬉々として竹刀を振り出す、家でも練習してきたのだろう、竹刀の切れが良い。
かなりの進歩が見られる。それを伝えると歓声を上げる彼ら。
俺にほめられて素直に嬉しさを表現している。そんな姿を見て俺も嬉しい。
俺が与えたテーマは地味で基本中の基本なのだが、これが出来ていないと先は無い。
みんな自然体で竹刀を振っている。
「いま。みんなが素振りしている姿は、力みが無く、自然体で振れている。
素振りばかりで詰まらなかっただろうが、よく我慢したね、俺も教えていて嬉しい」
恭也が顔を真っ赤にして言っている姿をみて
「高町先輩って可愛い」
「恥ずかしいのなら、いわなければいいのに」
「それが恭也さんの良いところなんですよね」
「恭ちゃん・・・・・・・」
「高町君・・・・・・・・」
上から女子部員、忍、那美、美由希、藤代、いろいろな評価が在ったことだけは
確かな事だろうが、複雑な思いで見つめる4人だった。
「それじゃ今日はこれでお開きだ、みんな、高町と美由希ちゃんに礼」
「ありがとうございました」
剣道部員全員が声をかけてくる
「いや、こちらこそ至らないとこばかりで申し訳ない」
「高町、お疲れだった、駅前のファミレスでコーヒでもどうだ」
「赤星、気遣いはありがたいが今日は帰る」
「そうか、じゃ次にでも」
「ああ、すまん」
挨拶が済むと帰宅の路に付いた
高町家リビング
「美由希、今日の鍛錬は中止だ」
「どうして、もう痛みは感じないよ」
「いや、大事をとってもう一日休め」
「お師匠、今晩のおかずは中華三昧です」
家の妹的存在の片割れ、レンが呼びに来る、彼女も訳有りの少女だ。
風芽丘中学に通っている。
夕食が済むと俺は、準備に取り掛かる、秋霜と名乗った何者かに対する準備だ。
あれ以来、声は聞こえない、しかし、秋霜の視線は相変わらず感じる。
纏わり付くようで、それでいて包み込むような感覚だ。
でも今日はいつもと違った感じが漂う。
最初に感じた、高揚感、そして哀愁感とも違う、しいて言えば期待感とでも言うか
表現しがたい感覚に陥ってしまいそうだ。
八景と同じときを歩むとは一体どう言う事なんだろう、小太刀なのだろうか。
十六夜さんのことも在るし。
初めて書く後書きのようなものです。
拙いモノです。まったく自信が持てません。
視覚健常者では無い子供たちにせがまれて読んであげたのが不破恭也という主人公が
活躍する週刊誌に掲載されていた作品です。
週刊誌自体は少し古びた本でしたが、彼らの顔が輝いているように感じました。
それから数年たった今、自分で書いてみました。
あの声は一体何なんだろうか。
美姫 「秋霜とは?」
八景と同じときというのも気になるな。
美姫 「一体、あの声は何だったのかしら」
それは次回に明らかになるのだろうか!?
美姫 「次回も楽しみに待ってますね」
ではでは。