この話は全てにおいてご都合主義で進んでいきます。
そういった話が嫌いな方は読まないほうがいいかも知れません。
そして全体的にキャラは壊れ気味なのでそういったのが嫌いな方も読まないほうがいいと思います。
それでもいいという方はどうぞお進み下さい。






天使の花園

  第5話「薔薇の館」




薔薇の館の中に入ってきた8人は会議室へと向かった。
中から話し声が聞えてきた。
祐巳を先頭にして進む一同は会議室の扉をノックした。
すると中から「どうぞ」と言う声がかかったのでドアを開けた。

[祐巳]
「ごきげんよう、お姉様方」

[祥子]
「ごきげんよう、祐巳」

[聖]
「うーん今日も可愛いねぇ祐巳ちゃんは」

聖は祐巳に抱きつき、頬擦りをした。
祐巳は、

[祐巳]
「ぎゃあぁぁぁ、やめて下さいよぉ白薔薇様」

[祥子]
「そ、そうですお止め下さい白薔薇様。祐巳に抱きついていいのは私だけです」

[祐巳]
「そ、それも違う気が……」

[祥子]
「祐巳何か言いまして?」

祥子は祐巳ににじり寄って行く。
祐巳は後退りをするがすぐに壁に当たってしまった。
後ろを振り返ると扉は閉ざされていた。

[祐巳]
「ななな……なんで扉が閉まっているのー」

涙目になりながら叫ぶと、

[由乃]
「ごめんね祐巳さん」

そう言う由乃ではあったが声は笑いを堪えている為か少し震えていた。
その後ろにいるフィリスと志摩子は苦笑いを浮かべていた。

[瞳]
「そろそろお止めなさい赤薔薇の蕾。会が始められないでしょ」

[祥子]
「わかりましたわ青薔薇様」

そう言って祐巳から離れた。
その声が聞えたのか再び扉が開き外にいたメンバーが入ってきた。
しかし恭也は入っていくことが出来なかった。
それは目の前で扉が閉まってしまったためである。
呆然としてしまう恭也であった。
中ではと言うと、

[ゆうひ]
「フィアッセーなんか嬉しそうやけどなんかあったん?」

[フィアッセ]
「うふふ、それはですね」

[蔦子]
「新任の先生がどうやら初恋の人だったらしく…」

[真雪]
「ほほう…そりゃあ面白そうだな」

[ゆうひ]
「フィアッセの初恋……まさか!」

[フィリス]
「桃薔薇様お知り合いなんですか?」

[ゆうひ]
「高町恭也さんでしょ新任の先生って……でもこの学校にしては珍しいなぁ若い男の先生を呼ぶなんて」

[七瀬]
「ほほう…確かに珍しいねぇ。その高町先生って何歳なの?」

[ななか]
「来ているからその辺は直接聞いたらどうっすか?」

[江利子]
「あら来ていらっしゃるの?ならお呼びになったら?」

[志摩子]
「高町先生どうぞお入りになってください」

扉の外に声をかけると扉を開けて恭也が入ってきた。

[恭也]
「始めまして本年よりこちらでお世話になります高町恭也と申します。これから生徒会の方を担当させて頂きます。これから宜しくお願いします」

挨拶をしていつものスマイルを振りまいた。
初めて見たゆうひを除く2、3年生は見とれてしまっていた。
恭也はそんな様子を見て考え込んでいた。
それを見ていたゆうひは恭也の横から抱きついた。

[恭也]
「な、なにをするんですか!ゆうひさん」

[ゆうひ]
「ええやん恭也君こんぐらいのこと」

[フィリス]
「離れてください!桃薔薇様」

その三人を写真に撮っていく七瀬とメモっている真雪がいた。

[恭也]
「そこのお二人はなにをしているんですか!」

ニヤニヤしながら真雪は答えた。

[真雪]
「何って新任教師と薔薇様との熱愛を瓦版に…」

[ゆうひ]
「やーんうちとの事が赤裸々に書かれてまうわぁ」

[フィアッセ]
「そんなことは嘘に決まってるじゃないですか!」

[江利子]
「ええー嘘なの?面白そうだったのに…」

[令]
「お姉様面白そうって…」

[蓉子]
「相変わらず面白いこと好きね江利子は」

そんな中一人黙り込んでいる人物がいた。
それは祥子であった。

[リスティ]
「どうかしたのかい祥子?黙り込んじゃってさ」

[祥子]
「……っえそ、そんなことありませんわ」

[静]
「嘘よ随分と考え込んでいるみたいだったわよ」

[恭也]
「大丈夫ですか?体調でも崩してしまわれたのでは?」

近付いておでこに手を当てる恭也。
その瞬間祥子は顔が真っ赤になってしまった。

[恭也]
「熱があるみたいですよ。保健室に行ったほうが…」

[祥子]
「だ、大丈夫です。心配なさらないで下さい!」

祥子は強い口調でそう言った。

[恭也]
「なら宜しいのですが…あまり無茶はなさらないように」

[祥子]
「お気遣いありがとうございます」

[七瀬]
「高町先生は手が早いのかな?」

[フィアッセ]
「これはいつものことですよ」

[真雪]
「じゃあ恋人の一人や二人いるんじゃないのか?」

[恭也]
「いませんよ。私のことを好きになってくれるような人なんていませんから…」

[聖]
「なるほど……鈍感なわけだ」

[ゆうひ]
「そうなんよ。あんなに女性に囲まれていても気がつかないんやもん」

[瞳]
「女性に囲まれる…?」

瞳は怪訝な表情をした。

[フィアッセ]
「恭也は数少ないCSSに顔パスで入れる男性の一人ですから」

[静]
「そうなんですか?」

[ゆうひ]
「そういや静はまだCSSに入って間もないから会った事なかったね」

[恭也]
「ティオレさんやフィアッセとは昔から家族ぐるみで付き合いが合ったので」

[知佳]
「なるほどそういうことだったんだね」

[祥子]
「あのすみませんが高町先生」

[恭也]
「はいなんでしょうか?」

[祥子]
「高町先生のご親族に高町士郎という方はいらっしゃいませんでしょうか?」

そう尋ねた。
驚いた顔をしたのは恭也、フィアッセ、ゆうひの三人。
他のメンバーはポカーンとした表情になっていた。

[恭也]
「士郎は私の父ですが……それが何か?」

[祥子]
「あぁ…やっぱり恭也兄様でしたんですね」

そう言って抱きついた祥子。
その瞬間気が付いた七瀬は再び写真を撮り始めた。

[恭也]
「な、何を撮ってるんですか!」

[祥子]
「そんな事どうでもいいじゃないですか兄様」

胸に頬擦りをしている祥子
そのことに気が付いた周囲の固まっていた人達はそんな様子の祥子を見て驚きを隠せなかった。

[祐巳]
「お、お姉様は高町先生とお知り合いだったんですか?」

[祥子]
「ええ、昔兄様のお父様が会社のパーティの護衛に来てくださった時に知り合いましたの」

[リスティ]
「護衛?と言うことは高町せんせのご両親は」

[恭也]
「父がボディガードをしています……もしかして小笠原さんは10年前の」

[祥子]
「はいあの時は大変お世話になりました。私はあの時兄様の言葉を遵守しようとこれまで頑張ってきました」

[真雪]
「あの時って何のことだい?気になるねぇ」

うんうんと頷く一同。
それを見て祥子は恭也に話してもいいですかと言う視線を送った。
それに気が付くと恭也は構わないよと返事を送った。

[蓉子]
「ふーん祥子と高町先生ってば目と目で通じ合っているみたいだねぇ」

[祥子]
「そ、そんなことありませんわ」

[七瀬]
「それはともかく昔話を聞かせてもらえませんか」

七瀬がそう言い話すように促した。
それにつられていくかの様に祥子と恭也は話し出した。











後書き
[圭] 「第5話お送りしました〜」
[ゆうひ]「うちの出番少なくない?」
[圭] 「出る人多かったから我慢してくれ…」
[聖] 「しかも短かったしね」
[圭] 「それは仕方ないのさ」
[ゆうひ]「なんでやねん」
[圭] 「祥子の回想の前までの予定だったしそれに挨拶を省いたからね」
[真雪]「ま、私の出番はそこそこあったからいいけどな」
[聖] 「で、次回は?」
[圭] 「祥子と恭也の出会いがメインになります」
[ゆうひ]「なるほど…ならすぐ書かないかんで」
[圭] 「解っております」
[聖] 「じゃあまた次回お会いしましょう」
[ALL] 「それでわまた〜」



おお、次回は恭也と祥子の出会いか…。
美姫 「一体、どんな出来事が」
う〜ん、非常に楽しみだよ。
美姫 「本当よね」
次回も、楽しみにしてます。
美姫 「じゃ〜ね〜」



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