――はじめに――
この物語は「とらいあんぐるハート3 〜Sweet Songs Forever〜」を基にして書かれ
たものです。
つたない物語ですが、どうぞお付き合い下さい。
〜縁の下の神様〜
その日、高町恭也が海鳴大からの帰り道にそこを通りかからなかったなら、きっと話は
別の方向に進んでいたであろう。
「む……」
住宅地の一角にある空き地、そこに無造作に置かれていた角材の山の陰に、それはいた。
そして、恭也はそれを見て放っておけるような人となりでは、なかったのである。
「案ずるな。害は加えん」
それを見て、恭也はごく小さく、しかし優しく声をかけると、おもむろに、全く何気な
い風で近付いた。
「……むごい事をする……」
恭也は、それの状態を確認して注意深く抱き上げると、ある場所に向かって行った。
最近、海鳴市内で動物を狙った事件が続発していた。狙われるのは野良犬、野良猫、ハ
トやカラスなどで、既に数匹(羽)が犠牲となっている。
いずれも矢によって身体を射られており、犠牲になったものは頚部や胸部に矢を受けて
おり、ひどいものはとどめとばかりに、複数の矢を突き立てられていた。
その矢の長さから、ボウガンによるものだという調べこそついていたものの、未だ犯人
は逮捕されていなかった。
そして恭也が見つけたのは、左の後肢に矢を受けた三毛の野良猫である。死地から逃れ
ようと、必死になって空き地まで身体を引きずって来たに違いない。
幾日そのままでいたのか。もはや、猫は逃れようとする気力、威嚇するだけの気力も尽
き果てんとしているかのように、大人しく恭也に抱かれたままだ。
傷付いた野良猫を抱いた恭也が寄った場所は、槙原動物病院である。
ここの院長である槙原愛とは、ちょっとした事があってからの顔見知りで、妹(実は従
妹)の美由希と共通の友人、神咲那美が下宿している〔さざなみ女子寮〕の若いオーナー
でもあった。
それはともかく、恭也が運んできた野良猫を見て、愛は今にも泣きそうに見えるほど眉
をひそめたが、それも一瞬の事。決然として、
「必ず助けてあげるからね。頑張るのよ?」
手術室へと運んでいった。
恭也は、手術中のランプが点灯すると同時に、一度大きく息を吐いた。これからしばら
くの間、自分にはする事が何もないのだ――
どれくらい時間が経った事だろうか。
手術室の扉が開いて、愛が姿を現した。その雰囲気から、恭也はどうやら危地を脱した
らしいと見て取った。
「猫さん、大丈夫ですよ〜。衰弱はしてますけど、生命に別状はないですから」
「そうですか……良かった」
「でも、問題はここからなんです」
「?」
「場所、変えましょうね」
診察室に通されてから、恭也はある事実を知らされる事になった。それは――
「あの猫さん、お腹の中に子供がいるんです」
肢を射られては、猫は持ち前の優れた身体能力を発揮できない。それが〔生きる〕とい
う事にとってどれほど、
(致命的な事か……)
右膝を複雑骨折した事がある恭也は、それが痛いほど理解出来る。亡き父親から受け継
いだ〔御神真刀流〕という剣術を修める上で、足腰は常に要であるし。
話はそれたが、猫にとってそれは満足に餌を獲れない――つまり、このまま放っておい
てはいずれ死に至る、という事だ。生まれ来るはずの新しい生命も――
「……」
恭也は、目をしばし細めて無言となった。そう言えば、抱き上げた時に少し重いような
気がしたが、そういう事だったのか――
恭也は、周りから無愛想、硬派だのと言われる割に結構動物に好かれる性質なのだが、
動物を家の中で飼う事には、かーさんこと、桃子の職業も考えると消極的である。
ただ、那美の飼っている狐――久遠を家の中に入れてしまっているだけに、半ば〔建て
前〕の領分に属する事に過ぎない。
それにしても、お腹に子供がいる動物も構わず狙うとは、いくらそうとは知らなかった
と言ったところで、言い訳にすらならない。
ふと、窓の外を見て暗くなっている事に気が付いた。時計に目をやると、もう夜の七時
近くを表示している。
(やはり、放ってはおけまいか……)
恭也は、ジャケットの内ポケットから携帯電話を取り出した。
――それから数日。
三毛の野良猫の姿を、高町家、恭也の部屋の前にある縁側の下に見る事が出来る。
あの後、負傷した野良猫の詳細を話すと、家族は満場一致で、
「恭也、それならうちで見ればいいわよ。猫一匹くらい、大した事ないじゃない」
「桃子の言う通りだよ、恭也。放っておけないよ」
「うちも賛成です、お師匠」
「そうです師匠、子供がお腹の中にいるんなら、なおさらですよ」
「恭ちゃん、何とかしようよ」
「おにーちゃん、助けてあげよう?」
というわけで、恭也は病院から三毛猫を引き取って来た、という次第である。
元々、何かと世話好きな面々が揃った高町家。
「縁の下、三食完備、護衛付き」
「何だい? そりゃ」
休日、家に遊びに来た親友、赤星勇吾の問いに、恭也は軽くあごをしゃくって応えた。
「あれだ」
「ん? おい高町、お前いつの間にペットの猫が増えたんだ?」
「いや、怪我してる上に身ごもっていてな。野良だが、関わってしまった以上、動けるよ
うになるまでは、な。それと、小飛はよく家に来るが、正確には飼ってないぞ」
ともあれ、簡単に事情を説明すると、赤星はこう請け負ったものだ。
「そうかぁ……まぁ、俺に出来る事なら何でも言ってくれ」
最初は警戒感を隠そうともしなかった三毛猫だったが、高町家の面々に敵意がない(ど
ころか、むやみやたらと友好的な)事が分かると、
「なでなで、なでなで……うにゃ〜、かわいい……」
今では、なのはに撫でられ、陶然とした風情で横になるまでに慣れていた。
「なのは、ほら……お腹が昨日より大きくなってるよ」
「あ、ほんとだ」
美由希も一緒になって、子猫がいつ産まれるだろうかと、楽しみにしている。腹部の張
り具合からして、そう遠くない内に出産するのではないか、という愛の診立てである。
怪我も順調に回復してきており、普段通りの動きはまだ無理にしろ、まずはひと安心と
言ったところだ。
「それにしても、許せねぇよな」
「ほんまや。どないに動物嫌いか知らんけど、なんぼなんでもやり過ぎや。もし見つけた
ら、絶対にいてもうたる」
「ああ。それ乗った!」
晶とレンが怪気炎を上げるのを耳にしつつ、恭也は新聞のある記事に目を通し、表情を
険しくしていた。
(犬と散歩中の人に矢が……起こしてはならぬ事をしでかしてからに……それでも自首す
る意思はない、だろうな……これは、ボウガンを撃つ快楽に溺れたかな)
言葉を変えれば、時代劇の題材に取り上げられる、手に入れた刀で〔試し斬り〕をした
くなる心理に、よく似ているかもしれない――恭也はそう視ていたのだった。
矢が刺さったのが足だったおかげで生命に別状ないとは言え、これはもう立派な〔傷害
事件〕である。とすれば犯人は、
(ほとぼりが冷めるまで、時を待つ事も考えられるが……)
警察にしても、さすがにこうなると放置しておくわけにはいかず、おっとり刀ながら捜
査に乗り出している。が――
「……美由希」
恭也は、なのはと一緒に三毛を撫でている美由希を、自室に呼ぶ。
「ん? どうしたの? 恭ちゃん」
妹が座るのを待って、恭也は静かに告げた。その言葉には、抑制された怒りがあった。
「今宵からしばらくは、敵討ちのつもりでやってもらうぞ」
海鳴でも、高台に位置する西町一帯は、住宅地を過ぎるとその大半が雑木林である。
そしてここは、西町の神社こと、八束神社の裏手に拡がる森の中。
(くっそ……何で夜中に散歩なんかしてやがったんだよ、畜生)
昨夜撃った標的が、飼い犬だとは思わなかった。それも勘がよほど利く犬だったのか、
初弾の手応えは大したものでなかった。多分、どこかをかすったくらいだったろう。それ
にカッとなり、二発目の引き金を引こうとして――気が付いた時はもう遅かった。
後は、もう無我夢中で逃げた。
見つかったとは、思っていない。雑木林の中を縫い縫い、遠回りまでして帰り着いても
まだ、夜は明けていなかった。
本当は、しばらく外には出ないつもりだった。が、今夜もボウガンを持っている。
矢が、標的の肉に食い込む――その手応えを感じた瞬間の、絶頂にも似た興奮。
最初は、朝飯を食べに地上に降りて来た、間抜けな一羽の鳩だった。
あまりに呆気なく射抜いた事に、最初は戸惑った。だが、実感が湧いた。
(初めて、俺の力でこれを成し遂げた……)
どうやって〔狩り〕をしようか、それが楽しみで仕方なくなるのに、時間はかからなか
った。猫を一匹取り逃がしたのは痛かったが、それ以外は割と順調だった。
それなのに、バカな飼い主が、ムカつくほど勘のいい犬を気遣ったおかげで俺はドジを
踏み、警察は捜査に本腰を入れ始めた。
(遊べないじゃないか、くそっ……折角の楽しみをふいにしやがって)
こうなってしまったら、今後〔狩り〕はしばらく封印するしかない。
餌を撒いておき、適当な茂みの陰からそこを狙う。単純な待ち伏せ。餌に引き寄せられ
た哀れな生贄は、最後の晩餐の後で神の放つ矢に貫かれる――これほどスカッとする清涼
剤が、一体他のどこにあるって言うんだ?
舌なめずりをして、ただひたすら待つ。待っても来ない方が、かえってさっぱりと諦め
がつく。下手に警戒されると、それがまた馬鹿にされたようでムカつく。
(今夜は、運試しだ……)
これ以上、夜中うかつに出て歩けないのは、分かっている。
しかし、今夜を切り抜けられたら、俺は絶対パクられない自信がある。どうやら、あの
飼い主は死ななかったようだし、このボウガンは海鳴の外で買って来たから、そう簡単に
は〔足〕なんか付かないはずだ。大丈夫。
既に、餌は撒いてある。コンビニ弁当のついでに買ったソーセージ、これをちょっと千
切ったものだ。
暗がりでも、少しじっとしていればその内目が慣れてくる。
(あの猫の時は、俺もあんま慣れてなかったからな)
それでも、何とか中てた事は中てた。だが、逃げられた。慌てて二発目を撃とうとした
が、思うように手が動かず、矢を取り落としてしまったのだ。
あの猫は、今頃どこかで野垂れ死んでいるだろうか? それとも――
(はっ、まぁいいか……死んでたら死んでたで、カラスのヤツが片付けるさ)
車に轢かれ、内臓をぶちまけた犬や猫の屍骸を、何羽ものカラスが寄って集ってはつい
ばんでいる光景を、ふと思い出す。何となく、口の端が歪んだ。
不意に、かさりと音がした。
(来たな……)
片膝をついて、そっと餌を撒いた方向を見る。まだ、姿は見えない。茂みの揺れる音は
確かに聞こえた。後は出てくるのを待って――
が、ボウガンを構えようとした瞬間、威圧感、圧迫感を伴う静寂が周囲を覆い始めた。
(な、何だ? 何だってんだ!?)
こんな事は予定には入っていない。思わず膝を浮かしかける。その時。
「……遊びは終わりだ」
男の低い声。淡々とした、しかし凄味のある声と重い殺気を、いきなり背後から浴びせ
かけられ、鈍い打撃と同時に意識が断ち切られた――
「恭ちゃん……」
美由希が、恭也の隣に立つ。御神真刀流をたしなむ二人にとり、この程度の相手を捕ま
える事など、造作もない事だ。
「神咲さんには迷惑かもしれないが、こいつを神社の鳥居に縛り付ける」
「あ、あははは……」
「後で、詫びるさ」
そういう問題でもないんだけど――思ったが、美由希は黙っておく事にする。
やがて、宣言通りに事を済ませたところで、恭也は不意に声を上げた。
「……美由希、分かってるな?」
「うん。リスティさん、この人が犯人です」
「何だ、やっぱりバレてたんだ」
神社の境内の方から出て来たのは、リスティ・槙原だった。動物病院の院長にして〔さ
ざなみ女子寮〕オーナー、槙原愛の養子というこの銀髪の女性、どうやらこの事件を担当
しているらしい。
「警察の民間協力者」
などとうそぶいて茶化してはいるが、れっきとした海鳴署の警察官である。
「ボクも見つけてたんだけどね……先越されちゃったか」
などと言ってはいるものの、大して悔しそうではない。
こうして書くと、双方連携していたように見えたりもするのだが、実のところそんな事
は全くなかった。
犯人が八束社の裏手を〔狩り〕の場所に選んだのも偶然なら、恭也と美由希が八束社に
向かう犯人を発見、捕捉したのも偶然である。
タネを明かせばリスティは、捜査中に不審者――やはり八束社に向かう犯人を別方向か
ら偶然見つけた、というだけの話だった。
「とりあえず、こいつはボクが引き取るよ。二人の素性も所在も分かってる事だし、後は
帰っていいから」
「お願いします」
「まぁ、もしかしたら一度、署に顔見せてもらう事になるかもしれないけど、その時は勘
弁してよ? 後で埋め合わせはするからさ」
犯人の譲渡が済むと、恭也と美由希は家路に着くのだった。
家に帰ると、恭也は唐突に聞き耳を立てた。
「恭ちゃん、どうしたの?」
「しっ……美由希、耳を澄ませろ」
「え……あ」
美由希にも、かすかに聞こえた。恭也の部屋の縁の下から、か細い声が聞こえてくるで
はないか。
「ああ……恭ちゃん、恭ちゃん……」
「うむ……」
三毛猫は、二人が犯人を捕らえた時と前後して子猫を、かけがえのない新しい生命を産
んだのだ。
「思ったより早く、肩の荷が下りたな」
「そうだね……ねぇ、恭ちゃん、やっぱりまとめてうちで面倒……」
「家の中は、だめだ」
「久遠はいいのに?」
久遠とは、那美が飼っている子狐の事だ。なのはとはとても仲が良い。
「む、あれはな……」
「言いたい事は分かってるよ、恭ちゃん。でも、それさえちゃんとしていれば、全然構わ
ないでしょ?」
「まぁ、な……いずれ、皆そのつもりでいるのだろう? 今後の事はともかく、そういう
事であれば、俺に異議はない」
夜が明けると、高町家は案の定、大騒ぎになった。
恭也は、普段の日課である朝の鍛錬を取り止めた。美由希があまりに落ち着かなかった
からだ。恐らく晩も、剣術の鍛錬をまともにこなせはしないだろう。
いつもの時間に起き出して来た桃子達は、起き抜けに美由希から話を聞いた瞬間、眠気
が吹っ飛んだらしい。晶とレン、フィアッセも揃ってテンションが上がる。
「こりゃあ、朝から奮発しなきゃ!」
「そやそや、ごっつ気張るでぇ〜!」
「YES! 今日は良い一日になりそう!」
最後に起きて来たなのはが、もう涙を流さんばかりに大喜びしたのは言うまでもない。
「みけさん、やったぁ!!」
その日の夕方、恭也と美由希の友人三人――月村忍、赤星、那美や、晶、レン、なのは
の友人達が、高町家にわんさと押し寄せて来た。目的は当然、四匹の子猫達である。
新しい生命を間近にして、皆が喜ばしげに話を弾ませていた。
「へぇ、そういう事があったんだ」
恭也から事の経緯を聞いた忍は、
「それならそうと、どうして言ってくれなかったの? 言ってくれたら、色々手伝ったの
に」
「お前が出て来ると、変な機械か何かが出て来て、かえって事態がこじれるからな」
「え〜!? ひっどぉ〜い、忍ちゃんショック〜!」
周囲の笑いに貢献したとか、しないとか。
喫茶店〔翠屋〕の仕事もあって、桃子がゆっくりと猫達を見る事が出来たのは、夜も遅
くなってからの事だった。
「ん〜、可愛いわね……」
「まぁ、家の中には上げてやれんが、このままいても問題ないと思う」
「そうね。でも折角だから、縁側くらいには上げてやりなさいな。久遠や小飛なんか、縁
側で昼寝させてやってるんだもの」
「まぁ、な」
「でも……自分の優越感の為に、生命が軽く扱われるなんて……悲しい事よね」
「……だな……」
夜空に浮かぶ月が、高町家を柔らかく照らしていた。
翌日の新聞に、ボウガンで生害を起こした犯人についての記事が掲載された。
二十二歳、一人暮らしの大学生が起こした犯行だと言う。
傷害事件を起こした後、犯人は遠回りして帰ったという事だが、その途中でコンビニに
寄ったらしく、店員はその顔を覚えていたようだ。
その他にも、犯人に関しては目撃証言がいくつか上がっていたらしい。海鳴署ではこれ
を元に捜査を展開し、逮捕に結び付けたと記事には書かれていた。
「……」
恭也は記事を読み進める。もしかしたら、犯人はボウガンを手にした事で手に入れた強
さ――そう錯覚してしまったもの――を、あんな形で実感したかったのだろうか?
短絡的な優越感、快楽とその結末――我知らず吐いた溜め息が、どこか虚しく感じる。
また、休日が巡ってきた。
母親となった三毛猫は、まだわずか、足の運びに違和感が見受けられるが、完治までそ
う遠くない。
子猫達は順調に育っている。つい先日には目も開いた。
そして今は、縁側で久遠と小飛――今や高町家お抱えの猫が揃って昼寝をしており、そ
の下では親子がのんびりとしている。久遠も小飛も、この親子を受け容れてくれた。そう
でなければ、こんな光景はまず見られない。
庭の一角にある盆栽の世話を終え、恭也は縁側の傍にやって来た。そこに、最愛の女性
がやってきて、恭也の隣に寄り添う。
全く自然に、恭也は女性の肩をそっと抱いた。
――フィアッセ・クリステラ。光の歌姫。高町家の〔家族〕にして恭也の最愛の女性。
二人して、縁側の微笑ましい光景をそっと見守る。
「ねぇ、恭也」
「ん?」
「縁側と縁の下、神様はどちらにいると思う?」
「……」
「んふふ……私も、子供が欲しくなっちゃった♪ ね、恭也……何人、欲しい?」
「そう、だな……フィアッセが、望むだけ」
「……うん♪」
海鳴の空は、今日も青く晴れ渡っている。
〜縁の下の神様〜 了
後記
いかがでしたでしょうか?
この作品、自分の友人の妹さんが先日、男の子を出産した事をきっかけに構想を始めま
した。晴れて(?)おぢさ……もとい伯父さんとなった友人に、祝福を(笑)。
本当は「1」か「さざなみ女子寮」辺りで、という考えがあったのですが、結果として
固まったのはこんな形という次第だったり。
題材としては、テレビや新聞などで記事にされたものを、適宜アレンジして取り上げて
います。
高町恭也、という〔人間〕を書くのに、必ずしも御神の剣(ひいては護衛、バトルとい
うシチュエーション)にこだわる必要はない……そう思っている自分としては、こういう
手法も出来るのではないか、という感じでやってみたわけですが。
特に奇をてらわずとも、むしろ奇をてらわないからこそ書けるものはたくさんあるはず
ですし、とらハの世界観を、現実の世界の話題という題材を使って考えるのも、二次創作
のひとつの方法としてあるのではないか……自分はそう考えています。
今回の作品、全体としてはひとつの物語となっていますが、中身についてはいくつかの
緩やかな区分けを行い、更に個々の場面は短い文章区分(基本は40文字×10行)の集
成によって構築する、という手法を取ってみました。
自分は元来、こうした区分けについては厳密どころか相当アバウトな方なのですが、短
い文章でどれだけのものを書く事が出来るのか、どれだけ難しいかという点については、
結構収穫があったのではないかと思ったりしています。
さて、そんなこんなで筆を擱こうと思います。
ではでは。
こうして事件は実際にあって、ちょっと鬱になるけれど。
美姫 「ここでは無事に解決して良かったわね」
うんうん。
美姫 「今回のお話も面白かったです」
護衛やバトルのないとらハも珍しくもないしね。
美姫 「投稿ありがとうございました」
ございました〜。