潮を含んだ生温かい風に頬を撫でられ、門矢士は顔を顰めた。

 有限世界ファンタズマゴリア最北の国家ラキオス王国の王都ラキオスの機構は、その位置関係上、西のバートバルト海の影響を強く受ける。

 偉大なる聖ヨト王の治世下で築かれた街並みは全般的に風の通りが悪く、熱が篭もりやすい構造になっていた。

 士は盛夏のラキオスの空気に不快感を覚えると同時に、首から提げた愛用のキャメラを気遣った。

 自分のキャメラはデリケートな一品物だ。熱も潮も、精密機械たるキャメラにとっては大敵である。

 自分自身が何者なのか、その記憶を持たない士にとって、キャメラは自らの存在を示す唯一の品だった。こんな異世界でむざむざ壊すわけにはいかなかった。

 異世界。そう、門矢士はこの世界の住人ではない。彼は連立するいくつもの平行世界を渡り歩く旅人、異世界の風景、異世界の人々を専門に写し撮る写真家だった。

 世界の旅人、門矢士。他人はまた彼のことを、別な名前で呼ぶ。それは……

「……ところで士、今回の恰好は何なんだ?」

 背後から小野寺ユウスケの声が耳朶を撫でた。

 士とともにいくつもの世界を旅する仲間の一人で、記憶のない彼が頼れる数少ない友人の一人だ。

 性格はお人好しと呼べるほどに明るく前向きで、良くいえば大らか、悪くいえばお調子者といったところか。

 デニム生地のジャケットの上に肩から先をカットした黒いベストを着込み、ジーンズを履いているという、中世ヨーロッパ然としたラキオスの街並みでは少々浮いた装いをしている。

 他方、ユウスケにファッションを指摘された士はといえば、異世界の街並みにすっかり溶け込んだ装いをしていた。

 士が世界の壁を越えるたびに起こる現象だ。彼は新しい世界に足を運ぶその度に、現地の人間が着るような服装を自動的に、そして半ば強制的に世界から用意された。

 今回の士の衣装は、白を基調としたジャケットに、ごわごわとした手触りの灰色のトラウザーズという非常にシンプルなものだった。どうやら普段着というよりは、一種の正装のようだが。

「どこかの制服みたいですね」

 士の装いをそう評価したのは光夏海、ユウスケと同じく世界を旅する仲間の一人だ。士達が世話になっている光写真館の一人娘でもある。

 ちなみにその写真館だが、士の服と同様世界を越える度にその外観が変化する、という原理不明のシステムの作用によって、今回は似顔絵屋になっている。もはや写真館ですらなくなっていた。

 夏海の言葉を受けたユウスケは、「なるほど」と呟いて、改めてしげしげと士の服装を眺めた。

「制服かぁ……確かに、言われてみればそう見えなくもないな。もしかして、ファイズの世界の時みたいにまた学生かな?」

「ブレイドの世界の時みたいに、どこかの会社の社員かもしれませんね」

「どっちでもいいだろ、そんなことは」

 自分の服装について各々推理を巡らせる二人に呆れた溜め息をつき、士は、

「それよりもまずやるべきことがあるだろ?」

と、呟いた。

「まずはここが何の世界かを調べないとな」

 適当な被写体を見つけてはシャッターをパシャリ。士はそのまま歩き出した。右も左も分からない異世界では、情報は待っていても入ってこない。とにもかくにも、まずは歩き出さねば。

「士の言う通りだな」

 真顔になったユウスケが呟いた。

「まずはこの世界が何の世界なのかを調べないと」

「それに、士君がこの世界でするべき事も見つけないといけませんね」

 ユウスケと夏海は頷き合うと、士の後ろ姿を追った。

 当の士はキャメラのシャッター音を響かせながら、「まぁ、こうして歩いていれば、何か手がかりが見つかるだろう」と、楽観的な意見を口にした。

 甲高い悲鳴が三人の耳朶を打ったのはその時だった。

 続いて、何かの砕ける破壊の音。振り向けば、声のした方角から、黒煙が立ち昇っている。

「あれは……!」

 士達は顔を見合わせた。

「どうやら見つかったみたいだな、手かがリが」

「とにかく、行ってみましょう」

 夏海の言葉がみなの胸中を代弁し、三人は悲鳴の上がった方へと走り出した。

 一歩、また一歩と距離を詰めるにつれて、士達とは逆方向に向かって、血相を変えて走る人々の姿が目立ち始める。

 その様子は、みな何かから逃げているように見受けられた。

「いったい、何が起こっているんだ?」

「さぁな。……おい、そこのあんた」

 士は逃げ惑う人々の一人に声をかけた。

 三十代半ばと思しき中年の男は土気色の顔に怯えた表情を浮かべ、肩で息をしていた。

「こいつはいったい何の騒ぎなんだ?」

「あ、あんた達知らないのか? スピリットが出たんだよッ!」

 男は甲高い声で喚いた。

 スピリット。知らない単語だ。どうやらこの世界特有の固有名詞のようだが……。

「あんた達も早く逃げるんだ。奴ら、もうそこの広場まで来てやがる!」

「あ、おい……!」

 士達がなおも質問を投げかけようとするのを無視して、男はその場から走り去った。

 スピリットがそこの広場まで来ている。だから、早く逃げろ。

 この文脈から察するに、スピリットは危険な存在で、街の住民にとってかなりの脅威らしい。

 それは分かった。しかし、これだけはまだ情報が不足している。

 新たな情報を得ようにも、街の人々はすっかり避難を終えてしまったようで、話を聞こうにも人っ子一人見当たらない。

「とりあえず、その広場とやらに行ってみるか」

 士の呟きに、ユウスケと夏海は頷いた。

 男の言った広場は、すぐに見つかった。

 広場というだけあり、なるほど、たしかに開けた場所だった。普段は露天商で賑わう市場としても機能しているのだろう。一面に広がる白亜の石畳の上には、早くも場所取りの看板が林立している。もっとも、そのうちのほとんどは無残に砕かれ、石畳ごと踏み抜かれていたが。

 広場に出た三人は、等しくわが目を疑った。

 蒼空にまで轟く破壊の絶叫。人々の悲鳴。濛々と燻る黒煙。破壊の饗宴はいまだ続いている。

 問題はその宴会の主催者達で、破壊の化身は、みな……。

「お、女の子……!?」

 ユウスケが愕然とした呟きをこぼした。

 広場に破壊の快音を振り撒いていたのは、まだ二十歳にも満たないようなあどけない少女達だった。その数、全部で五人。みな一様に規格化された民族衣装のような服を着込み、手には各々剣やら槍やらの武具を携えている。赤毛や黒髪以外にも、天然ではありえない青や緑の髪をたたえた彼女らは、みな日本人離れした見目麗しい顔つきをしていた。

「あの娘たちがスピリットなんでしょうか?」

「さぁな。どっちにしても、あの力は異常だろ」

 少女達の力はみな並外れて強大だった。剣の一振りで石畳が粉砕し、槍の一突きで大理石のモニュメントが分子レベルでの崩壊を始める。腕力がどうこうという問題ではない。活発な印象を抱かせる赤い短髪の少女などは、ダブルセイバー型の武具から火炎を放射し、草木を焼き尽くしている。

 なるほど、士の言う通りだ。スピリットであるなしに拘らず、少女達の力は異常の一言に尽きる。

 そしてその力が破壊のために使われている現状は、決して無言で見過ごせるものではなかった。

 なんとなれば少女達の一人は、サーベル型の片手剣を地擦りに、ゆっくりとある方向へにじり寄っていた。

 少女が向かうその先には、逃げ遅れたのか、まだ十歳にも満たない少年が腰を抜かしてへたり込んでいる。

「悪く思わないでよね。ネリー達の未来のために、人間には死んでもらわなくちゃならないから……さ!」

 サーベルを握った青い髪の唇から、剣呑な呟きがこぼれた。

 その言葉を耳にした三人は、等しく最悪の未来を想像した。

 隣に立つ夏海が、悲痛な眼差しを士に向ける。

「士君!」

「ああ。女が相手っていうのが気乗りしないが、悪い子猫ちゃんにはお仕置きしないとなッ」

 夏海の言葉に声に応じた士は、白い制服の懐中へと手を伸ばした。取り出したのは掌よりも大きな白いバックル。ベルトの留め具にしては不必要にいかついデザインをしており、一種、未来的な意匠をたたえている。

 ディケイドライバー。これを身に着けることによって、士は一人の戦士へと変わることが出来る。

 素顔とともに偽りのない本心を仮面で隠し、鉄の馬に跨って数多の世界を駆け巡る、その戦士の名は……。

「エトランジェ様だ! エトランジェ様が来てくれたぞ!」

 士がバックルを取り出した、まさにその時だった。

 どこからともなく聞こえてきた、希望を感じさせる歓声。

 今日は振り向いてばかりだな、と士達が声のした方向を見ると、そこには新たな闖入者が顔を見せていた。

 ある意味ではユウスケや夏海以上に、中世ヨーロッパの街並みに馴染んでいない二人組みだった。いかにも学生服然とした紺色のブレザーを着た少年と少女で、二人ともモンゴロイド特有の顔立ち、黒い瞳を有している。

 年齢はともに二十歳前くらいか。針金頭の少年と奇妙な帽子を被った眼鏡の少女は、鋭い視線で剣の少女達を睨んでいた。

「青スピリットが二、赤が一、緑が一で、黒が一か。少し、数が多いな」

「そうだね。……でも、わたし達がやらないと」

「分かってるって」

 二人の存在に気付いた少女たちが、一斉にそちらを振り向いた。

 幼い少年に襲い掛かろうとしていた青の少女までもが、標的を変えて、激しい敵意の篭もった視線を二人にぶつけている。

「エトランジェ!」

 ツインテールが特徴的な黒髪の少女が呟いた。その口調には、烈々たる憎悪が宿っているように士には聞こえた。

 エトランジェ。また知らない単語だ。話の流れから推測するに、どうやら少年と少女のことを言い表しているようだが。

「いくぞ、佳織」

「うん。お兄ちゃん」

 呼称から察するに二人は兄妹の間柄なのか。

 少年と少女は互いに頷き合うと、同時に懐中へと手をやった。

 少年が取り出したのは無骨な造りのナックルダスターだった。拳に嵌めることでパンチの威力を上げるための武器だ。一般的にはメリケンサックの名前で知られているが、少年が右手に嵌めたそれは、市販のメリケンサックよりも幾分大型だった。直接の打撃面たる前部には、何やら機械の装置が組み込まれている。

 他方、少女が取り出したのは一本の音叉だった。ピアノの調音などの際に使う、あの音叉だ。鬼面を思わせる特徴的な意匠に、士達は見覚えがあった。

「あれは……」

 変身音叉“音角”。特殊な超音波によって人間の脳に秘められたある器官を刺激して、人体を人ならざる異形の鬼へと変えるアーティファクトだ。

 それを握っているということは、少女はすなわち……

Ready

 少年がナックルダスター……イクサナックルの前部を左手で包み込んだ。

 ナックルの前部に搭載された端末がDNAを認証し、ナックルを中核とするシステムがスタンバイ状態に入ったことを示す電子音声が鳴り響く。

 合成されたその声にも、士達は聞き覚えがあった。

 これまでに旅をしてきた世界で遭遇し、敵対し、あるいはともに戦った記憶が蘇る。

 隣り合う少年と少女は、スタンバイ状態に入ったイクサナックルと音角を打ち合わせた。

 りぃぃぃん、と鈴の鳴る音。

 少女は音叉を額に持っていき、少年は、すでに腰に巻いていた機械のベルトに、イクサナックルをセットする。

 直後、少女の額に、“鬼”の一字が浮かび上がった。

「変身っ」

Fist on!】

「羽撃鬼っ」

 次の瞬間、二人の姿が変わった。

 少年の体には太陽の炎を胸に宿す純白の聖騎士の鎧が装着され、少女の身は、鷹の能力を宿した栗色の鬼へと変貌を遂げる。

 仮面ライダーイクサ・セーブモード。

 仮面ライダー羽撃鬼。

 少年と少女が変身した二人のライダーを、剣の少女達は取り囲むように機動する。

 半包囲の態勢。しかし二人のライダーは臆することなく立ち向かっていった。

「……アセリアの世界か」

 乱戦の模様を眺めながら、士は低く呟いた。

 門屋士。またの名を世界の破壊者ディケイド。

 いくつもの世界を巡り、その瞳は何を見、何を思うのか……

 

 

 

 

 

仮面ライダーディケイド

 

21.5話「面白い戦い A パート」

 

 

 

 

 

 突如として戦場に駆けつけた少年と少女が変身した仮面ライダーは、強大な戦力を持った少女達を果敢に攻め立てた。

 セーブモードのイクサが拳銃形態のイクサカリバーで銃撃を行えば、羽撃鬼は敵を近づけまいと愛用の音撃吹道“烈空”を振り回して、格闘戦を挑む敵を牽制する。

 少女達が標的を羽撃鬼に変更すれば、イクサカリバーを片手半剣に変形させたイクサが援護に回る。

 集団で襲い掛かる敵に対し、常に連携を崩すことのない二人は、戦闘を有利に進めていた。

「受けてみてッ。くーるなネリーの真骨頂!」

 サーベルを手にした青い少女が、掌から冷気の塊を発射した。

 アイスバニッシャー。運動エネルギーでダメージを与えるとともに、対象物を凍結させる効果を持つ神剣魔法だ。

 冷気弾の標的は、槍を持った緑の少女と互角の戦いを繰り広げるイクサ。

 攻撃に気付いたイクサは回避運動を取ろうとするも、肉迫した緑の少女がそれを許さない。

「イクサ、バーストモードッ」

Ok

 少年の声と、電子音が響いた。

 十字架を模したフェイスシールドが開口し、赤い複眼とともに爆炎が噴出した。

 胸部に搭載された次世代型電力駆動エンジンが唸りを上げ、冷却装置が回転数を最大にまで上げる。

 仮面ライダーイクサ・バーストモード。

 装着者の身の安全のために、普段は六割まで抑えているエンジンの出力を一〇〇パーセント開放した、イクサ本来の姿だ。

 その圧倒的なパワーからくる余剰熱はアイスバニッシャーを蒸発させ、接近していた緑の少女にも大ダメージを与える。

 爆炎の熱量と風圧を至近距離で浴びせられた緑の少女は吹っ飛び、イクサはそれを追い討った。

 ベルトの右側に装着されたホルスターからカリバーフエッスルを抜くと、バックル上部の挿入口にセット、イクサナックルを起動する。

「その命、マナの霧に還れッ」

IXA  Calibur Rise up !】

 直後、炎を纏ったイクサカリバーが袈裟に閃き、緑の少女を斬割した。

 イクサジャッジメント。胸部のディーゼルエンジンが生産する太陽のエネルギーを刀身に集中し、対象を細胞レベルで破壊・焼き尽くすイクサの必殺技だ。

 斬撃を浴びせられかけた少女の身体は、たちまちに消えてしまった。比喩ではない。肉片一つ残さない、文字通りの消滅だった。

 敵を一人倒したからといって、イクサに安堵の暇は与えられない。

 すぐに別な娘が背後より襲い掛かる。

 黒髪ツインテールの小柄な少女は日本刀を下段から跳ね上げて、イクサの背面装甲を強襲した。

 鉄と鉄の打ち合う音。

 兄の窮地を目にした羽撃鬼の“烈空”が、敵の斬撃を受け止めた。

 羽撃鬼は烈空の穂先を円に回して上向きの刃をすくい弾くや、二又の尖端を少女の胴へと叩き込んだ。

 くぐもった悲鳴。敵の動きに遅滞が生じたのを見て、羽撃鬼は穂先を引き抜き、石突で叩いた。

 地面を転がる少女の体。

 変身前の細腕からは考えられない怪力によって振るわれた槍の打撃は、黒の矮躯を他ならぬ仲間の足下へと追い立てた。先ほどイクサに向かってアイスバニッシャーを放った、ポニーテールの少女だ。

 敵の二人を一箇所に集めた羽撃鬼は、槍を逆手に石突側に設けられた吹込み口に仮面の唇を添えた。

「音撃奏“旋風一閃”ッ」

 音撃吹道“烈空”は、二又の槍であり、清めの音を奏でる管楽器でもある。そして清めの音とは、古来より続く異形の魔物との戦いの中で鬼達が編み出した必滅の秘術のことをいった。

 空間が空気で満たされている限り、音波から逃れる術はない。たとえ音が聞こえずとも、空気を伝う振動波はいかなる人外の化生をも打ち滅ぼす。音撃とは、文字通り音を撃つ鬼の技なのだ。

 小規模な竜巻に守られながら直進する清めの音が、少女達を飲み込んだ。

 たちまち、黄金の霧となって消滅する少女達。羽撃鬼の音撃は直接的な打撃力に欠けるものの、遠い間合いの敵や複数の敵を同時に滅殺出来た。

 ものの五分で三人の敵を倒したイクサと羽撃鬼は肩を並べ合った。

 残る敵は二人。これで数の上では二対二の互角となった。

「残りは二体だ。一気にいくぞ」

「うん」

 イクサの言葉に羽撃鬼が応じ、二人は同時に駆け出した。

 二人のライダーを敵に回した少女達が全滅するのは、時間の問題かと思われた。

 

 

「あの二人、やるなぁ」

 イクサと羽撃鬼の戦いぶりを眺めていたユウスケが、感嘆の声をこぼした。

 変身前の容姿から察するに二人ともまだ中高生だろう。そんな彼らが変身したライダー達は、明らかに戦闘慣れした少女達を相手によく戦っていた。

「だが、やっぱりまだ若いな。詰めが甘い」

 好意的な意見を呟くユウスケとは対照的に、難しい顔の士は厳しい評価だ。

 世界を旅する写真家の目線は、消滅した黒髪ツインテールの少女が襲おうとしていた少年に向けられていた。

「二人とも、子どものことを忘れている」 

 少年はやはり腰に上手く力が入らないのか、這ってその場を去ろうとしていた。怯えきったその表情は真剣そのものだが、いかんせん遅すぎる。

 案の定、少年がいまだに戦場に残っていることに気付いた赤の少女が、少年を人質に取った。

 地べたに這いつくばる彼の背中を踏み、ダブルセイバーの片翼を後頭部へと突き立てる。

 恐怖に歪む少年の顔。途端、ぴたり、と動きの止まる二人のライダー。

 残っていたもう一人の青の少女は、羽撃鬼とイクサの同時攻撃を受けてすでに消滅していた。

 赤の少女が取った行動は、追い詰められた鼠の反撃だった。

「士っ!」

「ああ」

 士は今度こそディケイドライバーを臍下丹田に押し当てた。途端、両サイドより伸びた機械のベルトが士の腰を巻く。左腰に留められたカードケース……ライドブッカーから一枚のカードを抜き取ると、士は眼前にそれを翳した。

「変身っ」

 士はディケイドライバーの上部挿入口にライダーカードをインサートした。両サイドのレバーを掌で押し込むや、電子音が響く。

Kamen Ride. DECADE !】

 直後、士の周囲の空間が歪んだ。

 空中に九つの紋章が浮かび上がり、重なり、弾ける。

 次の瞬間にはもう、この世界に門矢士の姿は存在しなかった。

 そこにいたのは、緋色の装甲と緑の複眼が特徴的な仮面戦士だった。

 仮面ライダーディケイド。世界の破壊者にして、世界の救済者。いくつもの世界を滅ぼし、いくつもの世界を救ってきた、矛盾に満ちた存在。

「さぁて、ガキ共に本物の戦い方を教えてやるか」

 左腰の接続器具からライドブッカーを取り外し、細身の両刃剣に変形させたディケイドは左手で刀身を撫でた。

 標的は少年を足蹴にしている赤の少女。

 ライドブッカーを片手下段に構えた仮面戦士は、猛然と走り出した。

 

 

「動かないでッ。動けばこの子どもの命はないわ」

「うっ……くそっ」

 完全に油断を衝かれた結果だった。また、勝ち戦が続いていたがために慢心していたのも事実だろう。

 消極的ながら的確に急所を突いて攻め立てる青の少女に手間取っている間、イクサも羽撃鬼も、赤の娘の動きに対する警戒が疎かになっていた。

 その隙を衝かれた結果が、目の前のこの状況だ。

「お兄ちゃん……」

「ああ。分かってる」 

 イクサにも羽撃鬼にも、人質の少年を見殺しにする選択肢はない。

 かといって、人質を取るなどという悪逆非道な行いを良しとする輩の言葉に、淡々と従うつもりもない。

 ライダーに変身した自分達の身体能力を十全に駆使すれば、勝負は一瞬のうち着けることが出来る。

 問題は付け込むきっかけだ。隙さえ見出せれば、赤の少女など敵ではないのだが……。

「まずはその武器を捨ててもらおうか?」

 ダブルセイバーの切っ先で子どものうなじを撫でながら、赤の少女が言った。

 イクサと羽撃鬼は不承不承、イクサカリバーと烈空を足下に放り投げた。

 

 

 一陣の赤い突風が吹き抜けたのは、まさにその時だった。

 イクサも、羽撃鬼も、赤の少女さえもがまるで予想していなかった方向からの攻撃。一太刀、二太刀と、次々とライドブッカーの斬撃が少女の体に炸裂する。

 不意打ちに成功したディケイドは、すでに致命的なダメージを負っている少女を蹴り飛ばすと、ダメ押しとばかりに剣と化したライドブッカーのケース部分から一枚のカードを引き抜いた。

 無駄のない流れるような動作でライダーカードをインサート。レスポンスも早く、電子音が鳴り響く。

Final Attack Ride. DE DE DE DECADE !】

 間合いを隔てたディケイドと少女との間に、十枚の巨大なカードが出現した。

 仮面ライダークウガ。

 仮面ライダーアギト。

 仮面ライダー龍騎。

 仮面ライダーファイズ。

 仮面ライダーブレイド。

 仮面ライダー響鬼。

 仮面ライダーカブト。

 仮面ライダー電王。

 仮面ライダーキバ。

 そして、仮面ライダーディケイド。

 各々のライダーを象徴する紋章が描かれた黄金のカードに向かって、再び赤い突風となったディケイドは突っ込んだ。

 十枚のカードを突き破り、駆け抜けたディケイドの、ディメンションスラッシュが赤の少女に炸裂する。

「グゥ…アァァア――――ッ!!」

 少女の口から、絶叫が迸った。

 くわっ、と見開かれた末期の眼差しが、ディケイドの冷たい仮面を射抜く。

「き、貴様はいったい……」

「仮面ライダー、ディケイド」

 ディケイドが短く呟いた直後、少女の体が爆散した。

 奇襲からトドメの一撃を叩き込むまでに、ディケイドは一切の攻撃を受けなかった。

 「どうだ、ガキども?」と、ディケイドは得意気にイクサと羽撃鬼を見る。士としては出来るだけフランクな、友好的な態度のつもりだった。

 しかし二人のライダーは、放り出した各々の武器を再び手に取ると、警戒の姿勢でこちらを見つめていた。

「ディケイド、だと……!」

 イクサの仮面から、怨嗟の篭もった呟きが漏れた。

 拳銃形態のイクサカリバーの銃口が、こちらに向けられる。

 嫌な予感がした。

「そうか、お前がディケイドかッ。佳織!」

 イクサが羽撃鬼の名を呼んだ。

 その時にはもう、羽撃鬼はディケイドとの距離を一間まで詰めていた。

 秒という一単位の間に、何十発と繰り出される烈空の刺突。

 時に受け、時に捌き、時に避けて直撃を逃れたディケイドは、お返しとばかりにライドブッカーを下段から斬り上げる。

 退く羽撃鬼。入れ代わって、ソードモードのイクサカリバーを正眼から振り下ろしたイクサの斬撃が受け止める。

 天地の鍔迫り合いにもつれ込んだ両者は、互いに相手の仮面を見た。

「お前のことは聞いている。すべてのライダーを滅ぼす悪魔め」

「……やれやれ。またか」

 小さく溜め息をついたディケイドは、自ら退いて鍔迫り合いを解いた。

 背後に回り込んでいた羽撃鬼の刺突を足捌きのみで回避し、逆に突進の勢いを残した背中を肘打ちする。

「あぅっ」

 バランスを崩して転倒する羽撃鬼。

「佳織! お前ェ……!!」

 妹を軽くいなされたことに腹を立てたか、イクサは仮面越しにもそうと分かる怒気を口調に滲ませた。

 ホルスターからナックルフエッスルを取り出し、ドライバーにセット。必殺技を放つつもりだ。

IXA Knuckle Rise up !】

 イクサがナックルダスターをベルトが引き抜いた。三間ほどの間合いを隔てたディケイドに向かって、拳を突き出す。

 イクサナックルがバチバチと放電現象を起こし、オレンジ色の火の球が、イクサの鉄拳から飛び出した。

 ブロウクン・ファング。瞬間最大五億ボルトの電圧を孕んだ、拳の衝撃波だ。

 その威力は六割稼動のセーブモードでも異形の怪人を粉砕するだけの破壊力を有している。ましてやバーストモードの状態で放たれたそれは、途方もないエネルギーを秘めていることだろう。

 ――まぁ、当たらなければ意味もないが。

 ブロウクン・ファングの飛翔速度は高速だ。しかし、自分の運動能力を駆使すれば避けきれないほどではない。

 幸いにして、いまだ自分は大きなダメージを負っていない。体力の余裕は、十分にある。

 ディケイドはすぐさま回避運動を取ろうとして、ふと、あることを思い出した。

 待て。自分が避ければ、ブロウクン・ファングはそのままだ。では、自分が避けた後の射線上には、何がある? いったい誰がいる?

 ――くそっ。

 自分の背後にはいまだ腰が抜けたまま、それどころか、赤い少女に足蹴にされて肺を圧迫されたらしい少年が、咳き込んで倒れている。

 妹をやられて逆上したイクサは、その事実に気付いていない。

 避けるわけにはいかなかった。

 かといって、直撃弾を受けるわけにもいかない。

 ならば、取るべき手段は一つだ。

「撃ち落とす!」

 完全な消滅は不可能だ。ブロウクン・ファングのエネルギーは、あまりにも強大すぎる。しかし、威力を減衰させることならば。

 ディケイドはライドブッカーを素早く拳銃形態へと変形させた。ホルスターから一枚のカードを抜き、ディケイドライバーにインサートする。

Attack Ride. Blast !】

 ライドブロッカー・ガンモードは、一発で装甲車をも破壊する50口径のエネルギー弾を発射する強力な銃器だ。

 ブラストのライダーカードは、そのエネルギー弾の連射速度を高める効果がある。

 いくつにも分身した12.7mmの銃口が、一斉に火を噴いた。

 ガトリング砲の如き勢いでばら撒かれた何十、何百の光弾が、衝撃波とぶつかり合い、徐々にその勢いを奪っていく。

 当初の予想通り、完全にはそのエネルギーを消滅させきれない。しかし、衝撃波の大きさは三分の一ほどまで小さくなった。

 縮小したブロウクン・ファングの一撃が、ディケイドの胸部装甲を焼いた。

 次の瞬間、装甲の間に満たされた液状の衝撃吸収剤を通り抜けて、凄まじい衝撃が士の全身を揺さぶった。

 三分の一にまで減衰させたとはいえ、圧倒的なエネルギーだ。立っているのも辛い。

 装着者の生命の危機を感知したディケイドライバーが、強制的に変身を解除した。装甲が消滅する際のエネルギーで、攻撃のダメージを相殺したのだ。

 たちまちディケイドという名の破壊者は消え、門矢士という一人の男が姿を現した。

「こ、このクソガキどもめ……ちゃんと、周りを見ろ!」

 士はちょうどブロウクン・ファングが炸裂した胸の辺りを押さえながら、苦しげに呻いた。

 装甲の対消滅のエネルギーも、痛みを消し去ることは出来ない。

 苦悶に顔を顰める士の様子に、ようやく立ち上がった羽撃鬼が「あ……」と、声を上げた。

「もしかして、その子を……?」

 羽撃鬼の目線は、士ではなく彼の後ろにいる少年に向けられていた。

 イクサの少年も、ようやくその事実に気が付いたか、茫然とした様子で士を見る。

「まさか、守ったっていうのか……ディケイドが、子どもを?」

「破壊者が、子どもを守っちゃおかしいか?」

 息も絶え絶えに言い放つと、士は二人のライダーを睨んだ。

「お前達もライダーなら、もっと周りを見て戦え!」

「う……」

 至極正論を叩きつけられたイクサは、一瞬、たじろいだ仕草を取ると、変身を解いた。

 さすがにライダーの姿をしていない士を攻めるのは気が咎めるのか、羽撃鬼も同様に変身を解除する。

 変身を解除した二人を交互に見た士は、「ようやくこの世界のライダーと話が出来るな」と、厳しい表情のまま言った。

 佳織と呼ばれた少女が、「話?」と、オウム返しに訊ねてくる。

 士は溜め息混じりに呟いた。

「信じるかどうかは勝手だが、俺はこの世界を破壊しに来たんじゃない。この世界を、救いに来たんだ」

 視界の端で、ユウスケと夏海が近寄ってくる姿が映じた。

 

 

 イクサ、そして羽撃鬼との戦闘から一時間後、士達はラキオス王城の一室に招かれていた。

 ディケイドが破壊者でないと知った二人のライダーが、士に襲い掛かったお詫びにと、三人を招待したのだ。

 自分達の知っていることは何でも教える。だから今日のことはすべて水に流してほしい。とにもかくにもこの世界の情報に餓えていた士達は、この申し出を即座に受け入れた。

 王城の一室といっても、そこは華麗とか豪奢といった形容詞とは無縁の、質素なたたずまいをした部屋だった。八畳もない広さにはテーブルが一つと、人数分の椅子が置かれているのみだ。

 六人掛けのテーブルには、士とユウスケ、夏海の三人が、ライダーに変身した兄妹と向かい合って座っていた。

 王城に案内される道すがら、すでに互いの自己紹介は終えている。兄の方が悠人、妹の方が佳織という名前らしい。

 いかにも中世ヨーロッパといった風情のラキオスにあって、日本語特有のアクセントから構成された名前を聞いた時はたいそう驚いたものだが、その謎も、ここでする“話”の中で解き明かされていくことだろう。

「それじゃあまず、この世界のライダーについて聞かせてください」

 三人を代表して夏海が質問を投げかけた。こうした話し合いの場では、夏海が三人の代表として口を開くことが多い。

「この世界の仮面ライダーは、別名エトランジェとも呼ばれています」

 夏海の質問に答えたのは妹の佳織の方だった。

 兄の悠人はいまいち士達のことが信用できないのか、難しい表情で彼を睨みつけている。

 夏海はひとまず兄の態度は無視して、妹の話を促した。

「エトランジェが何なのかについては、この世界の歴史を紐解くのがいちばん早くて、いちばん確実です。

 いまから三百年以上昔、この世界……ファンタズマゴリア大陸はいくつもの勢力が割拠する戦国時代を迎えていました。乱立する国々の勢力は拮抗していて、なかなか決着がつかずにいました。

 そんな状況を変えたのが、いまの大陸文化の基礎を築いた聖ヨト王です。聖ヨト王は、この世界の戦争に、初めてスピリットを導入しました」

「スピリット?」

 オウム返しに訊ねたのはユウスケだ。

 佳織は小さく頷いて、

「さっきのわたし達の戦い、見てましたよね? さっきわたし達が戦っていたのが、スピリットです」

「やっぱりそうだったか」

 佳織の説明に士が得心がいったと頷いた。

 佳織はみなの顔を見比べて理解の程度を確認してから続けた。

「この世界の人々にとってスピリットの戦闘力は絶大でした。スピリットを数十体、数百体と戦場に投入した聖ヨト王の軍隊は百戦百勝、瞬く間に大陸全土を征服していきました。

 それ以来、この大陸では、戦争はスピリットがするもの、って考えが常識になって、各国はスピリット戦力の拡充に努めるようになったんです。スピリットはみんな人間に従順で、この世界の人たちにとってはまさに理想的な兵器でした」

 理想的な兵器、と言った時、佳織の表情が曇ったように思えたのは、士の気のせいだったか。

 佳織の話は続く。

「異変が起きたのは、いまから二年前のことでした。ある日、突然世界中のスピリット達が一斉に暴走を始めたんです。それまで人間に従順だったスピリットが今度は人間に反旗を翻し、人を襲うようになりました」

 「スピリット暴走の原因はいまだに不明です」と、佳織は付け加えた。どうやらここからが本番のようだ。

「スピリットが人間を襲うという事態に対し、各国は軍隊の力で鎮圧しようとしました。でも、皆さんも見ていたようにスピリットの戦闘力は強力です。スピリット一体を倒すのに人間の兵士二〇〇人を犠牲にしなきゃならない状況に、力の弱い国はどんどん潰れていきました。

 これを見て生き残った力のある国々は考えました。この世界の人間がスピリットに対抗するのは難しい。それなら、この世界ではない別な世界からスピリットに対抗できる戦士を呼び寄せればいい。この、異世界から呼び寄せられた戦士が」

「エトランジェ、というわけですね?」

「はい。……幸い、この世界ではエーテル技術っていう魔法と科学を足したようなテクノロジーが発達していましたから。異世界から戦士を召喚することは、難しくありませんでした。

 問題は戦士の質で、スピリットに対抗できるほどの戦士は異世界でも稀だったんです。いくつかの世界からエトランジェを呼び寄せた結果、対スピリット戦に最も有効な戦士として選ばれたのが……」

「佳織ちゃんたち仮面ライダーだったわけだ」

「そうです」

 ユウスケの言葉に、佳織は頷いた。

「……分からないことが一つある」

 一通りの説明を聞き終えた士が、人差し指を立てて言った。

「この世界の国々はスピリットの拡充に努めたと言ったな? だったらその数は一〇〇や二〇〇じゃ済まないはずだ。それだけの敵と戦うのに、ライダーが二人だけってのは、どうも腑に落ちないんだが」

「それは……」

 士の問いに答えようとした佳織は、しかしそれまでの饒舌が嘘のように口をつくんだ。

 眼鏡の向こう側に映じる、逡巡と躊躇を宿した瞳。

 あまり触れてほしくない話題だったか、躊躇いがちなその表情は、暗い。

 しかし士は、そんな彼女の様子などどこ吹く風、「どうなんだ?」と、遠慮なしに追及を続けた。

 見かねた夏海が「べつに無理に話さなくても」と、フォローを入れようとしたその時、ガタン、と盛大な音を立てて、悠人が席を立った。

 俯き加減のその表情は佳織同様暗いものだが、その双眸には同時に苛立ちのようなものが含まれていた。

「お兄ちゃん?」

「……悪い。ちょっと、外の空気吸ってくる」

 悠人はそれだけ呟いて、そそくさと部屋を退室した。なにやら一秒でも早くこの部屋から出て行きたいという様子だ。

 そんな兄の背中に、佳織は憂いを帯びた眼差しを向けていた。

「? どうしたんだ、悠人君?」

 ユウスケが小首を傾げて呟いた。

 佳織が、深い溜め息をついて答える。

「……たぶん、思い出しちゃったんだと思います」

「思い出した?」

「はい。……士さん」

 佳織は士の目を見つめた。

 眼鏡の奥で光る紫水晶の瞳に、もはや逡巡はない。

 意を決したらしい彼女は、自身自らの言葉を噛み締めるように、ゆっくりとした口調で言った。

「質問に答えます。たしかに、わたし達には以前、一緒に戦う仲間がいました」

「以前、ですか?」

「はい」

 夏海の言葉に、佳織は俯き加減に答えた。

「桜坂柳也先輩。わたしの幼馴染で、お兄ちゃんの親友で、わたしとお兄ちゃんにとって、大切な人……でした」

 寂しげに呟かれた言葉は、やけに大きな反響を伴って室内に響いた。

 

 

 

 

 

今回登場したライダー

 

仮面ライダーディケイド

 

身長:192cm 体重:83kg

パンチ力:4t キック力:8t

ジャンプ力:ひととび25メートル 走力:100メートルを6秒

必殺技:ディメンションキック(30t)、他

 

 いわずとしれた「仮面ライダーディケイド」本編の主人公。平成ライダー十人全員への変身が可能で、その圧倒的な戦闘力は世界の破壊者と恐れられている。

 

 

仮面ライダーイクサ(バースト/セーブ)

 

身長:220cm 体重:160kg

パンチ力:7t/4.2t キック力:3t/1.8t

ジャンプ力:ひととび30メートル/18メートル 走力:100メートルを6秒/9.6秒

必殺技:ブロウクン・ファング、イクサジャッジメント

 

内部システム:2008年仕様

HDD容量:80TB メモリ容量:80GB

OSIXA-OS-10.2 マザーボード:IXAS-080127

CPU:7GHz/MACH-BRAIN-RX-W DUAL

 

 「仮面ライダーキバ」に登場。対ファンガイア組織素晴らしき青空の会が開発した仮面ライダーで、22年の時をかけて何度もヴァージョン・アップがなされた。本作では高嶺悠人が変身する。

 

 

仮面ライダー羽撃鬼

 

身の丈:七尺 目方:三九・二貫

必殺技:音撃奏・旋風一閃

 

 劇場版「仮面ライダー響鬼と七人の戦鬼」に登場する博多出身の仮面ライダー。鷹の能力を持つ鬼で、七人の戦鬼の中では唯一の妻子持ち。本作では高嶺佳織が変身。理由は……まぁ、言わなくても分かると思いますが、吹道繋がりです。

 

 

 

 

<あとがき>は第21.8話にて。




ライダーとのクロス作品を頂きました。
美姫 「何故か、ネリーたちが敵として立ち塞がり」
スピリットが反旗を翻したみたいだな。
しかし、柳也が居ないとシリアスが続くんだな〜、とか思ってしまったり。
美姫 「何気に酷いわね」
あ、あははは、冗談だよ。それにしても、柳也がいないのは何でなのだろうか。
美姫 「佳織から語られる内容とは」
気になる次回は……。
美姫 「この後すぐ!」



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