この話は、『桜舞う日の邂逅』や『桜散りし日の決闘』を参考にして創作した話です。
すべてにおいて初挑戦の二次創作SSです。
文法などおかしな点が多々あると思いますが、海より深く、山より高く、大目に見てください。
『少年恭也と女子高生薫の恋物語』
第一話 「邂逅」
何故、こうなったのだろう。
俺は父さんのようになりたかっただけなのに。
ただ約束を守りたかっただけのに。
大切な人を守れる強さが欲しかっただけなのに。
俺の右膝は壊れてしまった。
無理な修行が原因なのはわかっている。
でも、こんなのってありかよ。
「君、どうしたんだい。」
涙を流しながら『八景』……小太刀を振っていた俺に突然声をかけてきたひと。高校生くらいの女性。真っ直ぐな瞳が印象的だった。
泣き顔を見られてしまった。
「こんな時間に、一人で剣の鍛錬……膝を怪我しているのに無理をしてはいかん。治りが悪くなるよ。」
俺はその言葉に反応した。
「もう、治らないんだよ。俺の膝は壊れてしまったんだ。剣を続けることはできなくなったんだ。」
俺の叫びに彼女は顔色を変えた。
「ごめん。悪いことをいってしまった。」
彼女の謝罪の言葉に俺の頭も冷えた。
「いえ、此方こそすいません。」
しばらく沈黙が続いていた。
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「もしよかったら、よく効く御呪いをしてあげようか。」
「御呪い。」
「ああ、きっと治るよ。そうしたらまた、剣を振るえる。」
この女性は、俺を子供だと思って気休めを言っているのか。
「馬鹿にしないでください。そんな気休めが何になるのですか。医者にはもう治らないと言われたんです。もうこんな物は要らないんだ。」
俺は、『八景』を近くの池に放り捨て、この場を後にした。
次の日の夜。俺は昨夜の場所に来ていた。感情にまかせて『八景』を捨てたが、あれは父さんの形見。大事な物だ。
そこには昨夜の女性が、涙を流しながら俺の『八景』を持って立っていた。
「昨夜はごめん。これは大切な物じゃろう。」
俺は『八景』を受け取った。
「昨夜の話はいい加減な気持ちで言った訳ではないんだ。詳しくは話せないが信じてほしい。」
なぜ、彼女はこんなにも真剣なんだろう。
なぜ、俺は彼女を泣かせているのだろう。
自然と涙が出ていた。
「お願いします。」
俺は彼女の御呪いを受けることにした。
そして、一月後。俺の膝は完治していた。
かーさんや美由希は喜んだが、医者は首を捻っていた。
<第一話 了>
後書き
最初に書いたように、まったく初めての試みです。いかがだったでしょうか。
文才がないので、どこまでできるかわかりませんが、これからよろしくお願いします。
投稿ありがとうございます。
美姫 「ございま〜す」
タイトルからして、ヒロインは彼女だと思うけれど。
美姫 「まだはっきりと名前が出てきてないから、まだ不明ね」
さてさて、恭也と一人の少女が出会い、これからどうなっていくのか。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。