『時空を越えた黄金の闘士』
プロローグ 「贖罪の終わり」
「いい加減悟ったらどうだラダマンティス。もはや、お前たち冥界側の敗北は必至だということを!」
カノンはそう言うと、纏っていた双子座の黄金聖衣を脱いだ。
「何!?聖衣を脱ぎ捨てただと?貴様……何のつもりだ?」
「もう私には不要のモノ。兄に返すのよ」
聖衣はオブジェ形態になった。
「さあ行け『双子座』!他の黄金聖衣の下へと!!」
カノンの声と共に、何処かへ飛び去っていく。
【さらばだ『双子座』よ。後は頼むぞサガ!】
カノンは飛び去っていく双子座を見送り、ラダマンティスと対峙した。
「さあ、もはや私の役目は終わった。今度こそ心行くまで相手をしてやるぞ、ラダマンティス!」
「聖衣を脱ぎ捨て、裸同然の体で俺と戦うだと!」
激昂したラダマンティスは、そのままカノンに攻撃した。
「冥界三巨頭を舐めてもらっては困る。『グレイテスト・コーション』!!」
聖衣を纏っていないカノンは、その攻撃を防ぐことはできず、深手を負ってしまった。
「聖衣も失く、半死半生のお前がこの俺に勝てるとでも思っているのか!とどめだカノン!グレイテスト……」
ラダマンティスが『グレイテスト・コーション』を放とうとした一瞬の隙を突き、後ろに周り込んだカノンは、そのままラダマンティスを羽交い絞めにし、上昇して行った。
「勝てるとは思っていない。道連れになってもらうぞラダマンティス。死への道連れにな!!」
「ば……馬鹿な!?お前ほどの男が相打ちを狙うなど……しょ……正気かぁ?」
カノンの意図に気付いたラダマンティスは、動揺していた。
「私の役目は終わったと言った筈だ!今、ジュデッカには、最強の黄金の12人が結集した」
「何ィ!?」
「これで勝利は完璧になる。……このカノン、もはや過去の悪事も全て清算して何の憂いもない。さあ、一緒に『ギャラクシアン・エクスプロージョン』を浴びてもらうぞ、ラダマンティス!!」
「や……止めろカノン!!」
「共に受けようぞ、砕かれていく星々の力を!!『ギャラクシアン・エクスプロージョン』!!」
銀河を粉砕するといわれる力がカノンもろともラダマンティスを包み込む。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ラダマンティスの翼竜の冥衣は粉々に砕け、そのまま大地に墜落していった。
冥界三巨頭の一人、天猛星、『ワイバーン』のラダマンティスの最後である。
【アテナ……兄さん……】
カノンは最後にそう呟いた。
罪深い自分を許し、贖罪の機会を与えてくれた女神アテナへの感謝と、後事を兄、サガに託して……カノンの体は冥界から消滅した。
その後、ジュデッカに結集した12人の黄金聖闘士は、己の命と小宇宙を限界まで燃やし尽くし、太陽の光を作り出し、神以外越える事ができないといわれる『嘆きの壁』を破壊した。
その後に残されたのは、その凄まじい力に耐え切れず、消滅した黄金聖闘士たちが纏っていた12体の黄金聖衣のみであった。
自分達の後継者である4人……いや、5人の青銅聖闘士にアテナと、地上の愛と正義を託して………。
冥王ハーデスの死と共に、冥界が消滅していった。
そのドサクサに紛れてジュデッカに残っていた7体の黄金聖衣の内、『双子座』の聖衣が突如、姿を消した。
★☆★
第97管理外世界『地球』。
日本、海鳴市。
異世界『ミッドチルダ』の魔導師フェイト・テスタロッサは、探し物を探している途中に流星が墜ちるのを目撃した。
使い魔のアルフと共に、現場に向かってみるとそこに、見るからに重症の青年が倒れていた。
その横には、黄金に輝く箱が横たわっていた。
『双子座』の黄金聖闘士カノンと魔導師フェイト・テスタロッサが邂逅した。
〈プロローグ 了〉
どうも、かのものです。今回の話…短いですが……いかがだったでしょうか?
真一郎「今回の話の後書きの相方である真一郎です……この男は、また思いつきで創作したようです」
いいじゃない。
真一郎「お前、『リリカルなのは』はつい先日視聴したばかりなのに、さっそく作りやがったな……」
ぶっちゃけ、クロス作品は、『とらハ』にしようか、『ドラゴンボール』にしようか迷ったんだが……『聖闘士星矢』が意外と少ないことに気付いて、じゃあ、これにしようと思って、作りました。
真一郎「しかし……主役はカノンか……」
うん。ちなみに、この話は主人公最強系です。
……黄金聖闘士はSSSランク魔導師よりも遥かに……圧倒的に強い!……と、いうのが私の考えですので……。
そして私は、サガ、カノン兄弟が大好きなのだ。
ちなみに他に好きな『聖闘士星矢』のキャラクターは、一輝と瞬だ。
真一郎「……兄弟ばっか…」
悪に走ったが、その後改心したキャラって……素敵だよね……。瞬は違うけど……。
真一郎「まあ、な……お前、『ダイの大冒険』でも、一番、好きなキャラってヒュンケルだもんな……」
うみゅ!
話がそれていくので、今回はここまで。では、これからも私の作品にお付き合いください。
真一郎「お願いします」
聖闘士とのクロス。
美姫 「確かに珍しいかもね」
一体どんな話になるんだろう。
美姫 「楽しみにしてます」
ではでは。